【99年5月】

5月1日(土)担当医 先生のお気に入り

 入院中の母が明日から外泊で実家に戻ってくるので、今日の休みはリフレッシュに充てた。自宅に「影の担当医」を招き、夕方から深夜まで大いに飲み食いする。今月は大変な月になりそうだ、と酒を飲みながら腹をくくる私であった。

 飲み食いの後、午前零時ごろから往年のハリウッド映画「先生のお気に入り」をビデオで見る。大学でジャーナリズムを教えている女性教授に、受講生に身をやつした新聞社の社会部長が恋をするコメディー(主演:クラーク・ゲーブル、ドリス・デイ)。見ているうちに私も担当医もグースカ寝てしまい、目が覚めたら午前3時。仕方がないのでもう一度、途中から見直すことに。ところが2人ともまた寝入ってしまい、次に目が覚めたときには午前7時前。あえなく挫折…。

 この作品、これまでビデオで何回も見ているのに、いつも途中で寝てしまってラストシーンにたどり着いたためしがない。この次は白面(しらふ)で最後まで見るぞ、と心に誓いながら、私は担当医を放り出して実家に向かった。もう2日じゃんか…。

5月2日(日)自宅に強行突入

 実家に戻ると母が兄に連れられて帰宅していた。母はさっそく台所や庭先で気ぜわしく立ち働き始めたので、私と兄でのんびり休養するよう説得する。朝から晩まで無理に体を動かすことが原因で病気になってしまった母。その病気が悪化しないように看視(監視ではない)することが、これから延々と続くであろう子供たちの役割なのだ。その状況は、痴呆性のお年寄りの徘徊に目配りする介護者とほとんど変わらない。で、母は子供らの懇願を聞き入れ、大人しくソファーに座ってテレビを見始めてくれた。私はほっとして一旦兄に母を任せ、自宅マンションに引き返す。

 ところが、だ。カギを開けて中に入ろうとすると、ドアーが5センチしか開かない。内側からドアチェーンがかかっていたのだ。中には「影の担当医」がいるはずなのだが、ドアーの隙間から「おーい、帰ったよ、開けてくれー」と叫んでも、返事が全くない。呼び鈴を鳴らしても応答なし。しょうがないので、マンション近くにある公衆電話から担当医の携帯電話を鳴らすが、それでも反応がない。再び自宅玄関にとって返し、「開けてくれー!」、ピンポンピンポーン! 何をやっても反応がない。隣の美人妻が騒ぎに気づいて表に出てきた。「どうなさったの?」「いえいえ、何でもないんですよ、ははは」

 担当医の身に何か起こったに違いない。私の顔色は青ざめた。警察を呼ぼうか。でも所轄署は顔見知りばかりなので、どうにも電話がかけづらい。とにかく状況を見極めてから警察に通報しようと決め、私は室内に強行突入することにした。

 ドアノブを両手でつかみ、あらん限りの金剛力でドアーを思いっきり引っ張る。ガツーン! ガツーン! 口に手を当てて驚いている美人妻をしり目に、3回目のガツーン! で鋼鉄のチェーンは破壊され、ドアーがバッカリと開いた。私は靴をはいたまま室内に突入。すると担当医は、一番奥の部屋で倒れているではないか。私は彼に駆け寄り、肩を揺すって大声で呼び掛けた。「担当医、担当医!」。そして返ってきた返事はといえば、「フゴー」という大イビキと、訳の分からない寝言。彼の傍らには、日本酒の一升瓶が転がっていた。

 目を覚ました担当医に半ギレ状態で事の次第を話すと、「らめらね、そのロアチェーン。れんれん役に立ってらいね」。

 こういう人のアドバイスを受けていて、私のTMDは本当に治るのだろうか…(ii)。

5月3日(月)はいみんな笑ってぇー

 「孫の顔が見たい」という母の希望で、朝から姉夫婦の家に遊びに出かける。母と、子供3人、孫3人、姉のダンナ、実家の居候(?)が勢ぞろいしたところで、記念写真を撮る。集合写真は昨年の正月以来1年4カ月ぶり。この間に私と母は15キロ近くも目方が落ちた。姉夫婦の家を後にしてから、母と私と兄と居候とでレストランに行き、夕食。もりもり食事をしていた母を見て安堵する。こういう何気ない生活が長く続くことを願うのみである。

5月4日(火)曲名は正確に(紙面校閲部)

 自宅でテレビを見ていて私は、ギャーッと悲鳴を上げた。流行歌手(死語)宇多田ヒカルさん(16)の曲が流れ、タイトルに「Automatic」とあるのを見て、だ。先日書いた原稿でこの曲についてふれる機会があり、私は全部大文字で「AUTOMATIC」と打ってしまったのだ。大したことではないとお思いになるかも知れないが、曲名は固有名詞であり、小文字を大文字にすることはれっきとした間違いなのだ。ちゃんと裏を取ったつもりだったのにぃ〜。

 で、くだんの記事は1日付の紙面に掲載してしまった。会社に文句や抗議の電話がかかっているかもしれないが、私ゃ入社以来初めての5連休で、社の状況が分からないのだ。ゲラ刷りの段階では私が曲名に「(オートマチック)」とルビをふっていたことが周囲の失笑を買ったものの(親切心からだい!)、曲名自体が間違っているという指摘は全然なかったんだよなあ。

 あわててヒカル嬢の公式ホームページをチェック。やはり「Automatic」とある。ううう…。

 などと日記を打っているうちに、新たな不安が私を襲う。もしかしたら私、「宇田多ひかる」なんてやらかしてもいるのではなかろうか! 1日付の新聞は自宅にあるが、もはや開くのが怖い。代わりに2、3、4日付の新聞を開く。うん、訂正記事はない。歌手名はきちんと書いたのだろう。曲名の方は、恐らくだれも私のヘマに気がついていないに違いない。しめしめ、この件は会社には黙ってよっと。

 それにしてもヒカル嬢、ファーストアルバムの売り上げが524万枚の新記録とはすごい。「だんご三兄弟」なんて目じゃないね。ってこれが違うんだってば。漢数字の使用が原則の新聞でも、「だんご3兄弟」って書かないとクレームがつくんだよ…。

5月5日(水)昨年12月17日の日記参照

 O君、メールありがとうございました。某全国新聞社に一般記者として内定したとのこと、誠におめでとうございます。しかしねえ、「面接でEINのことを持ち出した」なんて、どうしてそんな無茶するの? つい先日、貴君が勤めることになるであろう新聞社の関係者からメールをもらったんだけど、まさかあの、人事担当者にEINのホームページアドレスまで教えたりしなかっただろうね。しかしまあ、面接で深刻なハンデを自ら背負い込みながらも、1000人に1人の超難関を突破されたのは、貴君の論文試験の成績が良かったからなのでしょう。とりわけ私にとって嬉しいのは、貴君が私の働くカイシャではなく、別の新聞社に受かったという事実であります。本当に良かった、よかった。

 え、第一志望の新聞社に内定したっていうのに、一体何を悩んでるの? 「4月いっぱいで就職活動が終わってしまったので、後の1年、何をしたらいいか分からない」って? 君ねえ、大学のクラスメートの前で絶対にそんなこと言っちゃダメだよ (^o^;)。

 そうだなあ、まず貴君が来年の4月までにしておくべきことは、「生きていること」でしょうなあ。これからは大学の階段の踊り場とか、駅のプラットホームとかで、後ろからだれかに背中をドン! と押される場面がたびたび訪れると思うから、階段を降りるときは必ず手すりにしがみつくようにしながら、後ろ向きで降りるようにした方がいいよ。またこのときには、自分で足を踏み外して転落しないように気をつけてね。またプラットホームでは、電車が来るまでしっかりと柱に抱きついていることをお勧めします。このほか交通事故も怖い、大地震もいつやってくるか分からない。とりあえず貴君はありとあらゆる手段を講じて、自らの生命維持に最大限の努力を払う必要がありましょう。貴君は絶対に死んではいけないよ。

 さてその上で、貴君が言われる「これから記者として活動をしていくために、今のうちにやっておくべきこと」ですが、この件については私もじっくり考えたいと思います。いい答が見つかったらメールでお知らせした上、私自身もそれを実践しようと思っています。これから記者になる貴君にとっても、いま現役タコ記者の私にとっても、「学ぶべきこと」って、きっと同じでしょうから。

5月6日(木)すんません…

 今日の日記はパスさせてくだされ。

5月7日(金)九死に一生

 6日の日記はたったの1行なのに、えらく反響があった。なぜか。曜日を(月)にしてしまったんだよ〜う(ii)。連休明けは月曜日と錯覚してしまって、どうもだめですな。

 で、校閲のメールが山ほど送られてきた。でも一番最初にメールをくださった校閲常連のNさんは「この指摘はレベルが低いので、認定を辞退したい」とのこと。助かったあ〜(^o^;)。

 今日は取材、執筆、編集幹部との「懇談」、5日に病院に戻り内科から外科病棟に移った母の付き添い、異動になる記者の送別会と、目まぐるしい一日だった。

5月8日(土)オレバカネタ入手

 子育て関連の記事を書くために、横浜市内に住む主婦に会社から電話取材をしたら、とんでもないことになってしまった。ここで書くのは勿体ないので、その顛末は次回「オレバカ」で紹介させていただく。ネタが仕込めたのは嬉しいけれども、どうしてこういう「事実は小説より奇なり」みたいな話が自分にばかり舞い込むのだろうか…。きっと働き者だからに違いあるまい(^o^;)。アップは今月末か来月アタマにでも。ご期待くだされ。

5月9日(日)本当に申し訳ないっす

今日もパスさせてくだされ。

5月10日(月)またしても「太郎」に怒られる私

 仲良し女子大生「佑子と弥生」の弥生嬢から先日、「大学からレポート提出を求められているので、助言がほしい」とのメールが届いた。テーマは「(低用量)ピル」。EINの更新を楽しみにしてくれている常連閲覧者さんの頼みをムゲにはできず、ない知恵を絞って返事を書き送った。(ピルを1シート飲み続けた経験がある)私のメールが助言になっていたかどうかは分からないが、ぜひいいレポートを書いていただきたい。

 最近はなぜか、これまで1度もメールのやり取りをしたことがない方からも種々雑多なコメントを求められる機会が多くて、質問の内容にその都度目を白黒させている。「あなたにとって犯罪とはなんですか? あなたが考える犯罪について思い付くままに挙げてください」(男子大学生)。これも大学のレポート関係で、先方が真面目な学生さんだったから、ご回答申し上げた。「宗教法人の買収方法についてご存じでしたら、教えてください」(男性)。「分かりません」と返答。EINを読んでいれば、いかに私が頼りにならないか分かりそうなものだが、その半面で閲覧者さんは、私だったら荒唐無稽な質問にも答えてくれそうに思うのであろうか。

 なかでも私を腰砕けにさせてくれたのは、「腹話術を習いたいと思っています。びしさんが書いた腹話術の記事を読みたいので、(掲載紙と)日付を教えてください」(恐らくご婦人)という旨のメール。私は掲載紙を教える気はなかったので、腹話術師のE子さんに許可をもらって、彼女の連絡先をメールで教えてあげた。これは1カ月前の話で、メールをくれたご婦人からはその後何の返答もない。揚げ句の果てには「太郎」から電話が入り、「おいびし、せっかく電話番号を教えたのに、先方から何の連絡もないじゃないか。一体どうなっているんだよう!」と怒られる始末。こちらも無茶な質問に答えたのだから、せめて返答ぐらいは寄越してもよさそうなものなのに…(ii)。

5月11日(火)頭になかった家族の心理ケア

 母の手術が明日あるため、子供たち3人で医師の説明を聞きにいく。予想以上に大きな手術なので、私は明日から3日間、会社を休むことにした。有給休暇や介護休暇(そもそも会社には制度が確立していない)ではなく、休日出勤の代休を行使するのだ。が、私が休んでも仕事を肩代りしてくれる人がいるわけではないので、今週分の仕事を今日のうちに前倒しで全部片付けた。

 取材の帰り、ミニバイクに乗って横浜の山手地区を縦断する。根岸競馬場跡、ユーミンの歌に出てくるレストランの「ドルフィン」、山手教会、フェリス女学院、外国人墓地、近代文学館、港の見える丘公園…。バイクを下りて丘の上から海を見下ろしているうちに気分がすっきりし、すがすがしい気持ちで会社に戻った。

 ところが、仕事が終わって実家に足を運ぶと、兄は力一杯凹んでいた。そして私の顔を見るなり「お前、精神安定剤飲む?」。「そんなものは必要ない」と固辞すると、兄は「この1カ月というもの安定剤を飲み続け、それでも夜眠れないんだ」と私に打ち明けた。驚いた。兄はカソリック信者なので、すべては神様のみ心に委ね、明日のことは思い煩わないのかと勘違いしていた。すべてを成り行きに任せて過剰に思い悩まないように努めている私の方が、よっぽどクリスチャンぽいじゃんか。

 いやー、家族の心理ケアにまでは、頭が回らなかったなあ…。

5月12日(水)長かった一日

 7時間に及ぶ大手術だった。恐らく他の病院なら手術を尻込みする症例なのだが、全国屈指の医療技術を持つ外科のスタッフが、それを可能にしてくれた。手術中は私と姉と実家の居候の3人で、不安にかられる兄を励まし続けた。

 手術後、疲れ切っていた3人には一足先に帰宅してもらい、私ひとりで回復室の母に付き添う。しばらくすると母が眠りから目を覚ました。「母さん、起きた? 手術、うまくいったよ」。母の目から涙がこぼれた。すごく長い一日だった。

5月13日(木)TMD診察報告 その4

 TAKATSUKIさんとSAKATOさんから、「保険証とスプリント忘れないでね」という旨のメールが届いた(4月26日の日記参照)。そ、そうだ。今日はTMD(顎関節症)の診察日であった! すっかり忘れてた。今日診察に行かなければ、もう2度と行かないような気がする。そこで母の付き添いを途中で姉と交替し、ツルッパ(鶴見大学歯学部病院)に足を運んだ。お二方には深く御礼申し上げます。

 先生はスプリントを手に取ってながめ、「びしさん、自分では気がついてないだろうけど、寝ている間に歯ぎしりしてますよ。スプリントが傷だらけですもん」とのたまった。が、私のTMDはさほど重篤な症状ではないらしく、睡眠時にスプリントをはめ続けつつも、筋肉痛や口が開かなくなるような症状が起こらない限り、もう病院にはこなくてもいい、ということになった。ええ〜っ、これで終わりなの?

 「ポリポリという音を消すのは無理でしょう」と先生にあっけなく言われた。揚げ句の果てに、私はこうも言われた。「びしさん、たばこ吸うでしょ。典型的なニコチン性口内炎にかかってますよ」

 先生によると、たばこの煙の通り道となる上口蓋がニコチンにさらされ、血管が収縮して虚血状態になっているという。「先生、これを治すにはどうしたらいいのですか!」「治療はいたって簡単です。たばこを吸わなければいいんです」

 …。診察費は620円。暗い気持ちで母が入院している病院に戻り、ニコチン性口内炎にかかっていることを姉に話すと、どこからかうなり声が聞こえてきた。

 「もうたばこ吸うなぁ〜、ついでに酒もやめろぉ〜!」

 声の主は、母だった。よもや回復室の病人に説教を食らうとは思わなかった (^o^;)。というわけで、母の術後の経過は順調だ。あとはメスを入れたお腹の痛みが、一日も早く薄れることを願うのみ。よし、私はこの際たばこも酒も控えよう。病人を心配させる訳にはいかない。

 こういった調子だから私のTMDは今も、全く快方に向かっていない。それにしたって、アツヨさんのように完治する例は、ほとんど奇跡に近い。私が思うに、恐らくアツヨさんの症状は「想像TMD」だったのではないか。TMDは人生の伴侶。患ってしまったら嘆くことなく、うまくつきあいながら生きていくことを考えましょう。(2000年10月10日、びし追記)

アツヨさんちに戻る

5月14日(金)食は病院にあり

【脱字のおわびと訂正】 昨日の日記に脱字がありました。「私はこの際たばこも酒も控え目にしよう」と打ったつもりが、キー入力のミスで「目にし」がぬけ落ち、図らずも「私はこの際たばこも酒も控えよう」となってしまいました。これは間違いです。おわびの上、訂正いたします(意志薄弱、ここに極まれり)。

 朝イチで母が入院している病院に向かうと、身体中にくっ付いていた管の大半が外されており、病室も回復室の隣にある一般病棟の個室に移されていた。医師によると、母の回復は相当に早いようで、安心した。

 とはいえ私の方は3日も会社を休んだ(といっても代休消化にすぎない)ので、週明けにリバウンドがくるのではないかと、どうにも不安で仕方がない。そこで病室にポケットワープロを持ち込み、母が眠っている間に原稿を執筆した。看護婦さんたちは「付き添いしながら仕事ですかあ〜!?」と目を白黒させていたが、なに、彼女らの激務に比べれば大したことはない。

 普段は朝食しか食べない私だが、母に昼食を取るように言われ(付き添いをしていると逆に監視されているようだよ)、病院の食堂に足を運んでみた。メニューの中で一番安かったラーメン(1杯300円)を注文し、食べてみると、

んめえ〜!

 「横浜とんこつ」とかいう下品な代物におされ、市内から絶滅しかけている超プレーンな醤油ラーメンが、まさかこんなところに生き残っていようとは! スープ、めん、シナチクのどれをとっても際立ってはいないのだが、それらが織り成す「普通のうまさ」は究極の味だった。病院ならではの栄養計算の所産だろうか(事実未確認)。こーゆー美味しい醤油ラーメンに横浜で出会ったのは、実に20年ぶりだ。恐らく母が退院してからも、私はこの病院に足を運ぶことになるだろう。ラーメンを食べるためだけに。

 しかしながら、もし他の人がこのラーメンを食べたとしても、10人のうち8人は「別に美味しくないじゃん」と言うだろうなあ。ラーメンほど味の好みに個人差が出る食べ物ってないですけん。だからこの「店」のことは、だれにも教えないもんね (^o^;)。

5月15日(土)ジャジャジャジャ、ジャージャーン!

 何日かぶりで自宅マンションに戻ると、管理組合の掲示板に変な張り紙がしてあった。

 「至急連絡。当マンションの玄関において『火曜サスペンス劇場』の撮影をしたい、という依頼が同番組の制作スタッフからありましたので、理事会はこれを了承いたしました。ご協力、よろしくお願いいたします」

 私が留守にしている間に撮影は済んだのかと思ったら、張り紙をよく読むと、撮影日は6月中旬とある。しかし何ゆえにこんな安普請のマンションでロケなんぞするのかいな。タイトルは「港ヨコハマ赤いくつ連続殺人事件」とかで、主演女優は片平なぎさだろうか。

 住民にはかることなく、そういう話をさっさと決めてしまう理事会には納得がいかないが、「火サス」のロケが入ることでマンションの資産価値が上がるならば、文句はない(そんなことあるわけねーだろ)。

5月16日(日)すんません

 今日の日記はお休みさせてくだされ。その代わり、オレバカ歳時記の皐月号を出張所に送信しました。今月のお題は「ポピー畑」です。ご覧ください。

5月17日(月)患者取り違え事件(未遂)

 今日から業務を再開。仕事がたまり、これから2週間ばかりは大忙しになりそうだ。取材の合間に病院の母を見舞うと、「あさって個室から大部屋に移るらしい」と聞かされる。だがその直後に看護婦さんがやってきて「これから大部屋に移ってもらいまーす」。をいをい。大慌てで荷物をまとめ、大部屋に移動する。いきなりのフェイントだったが、まあ母の回復が予想以上に早いということで、良しとしよう。

 いったん会社に戻り、原稿執筆を済ませてから再び病院へ。病室に入ると母は毛布をかぶって寝ていたので、起こすのも可哀想だと思い、私は椅子に座って母の目覚めを待った。ところが、しばらくして「うーん…」とか言いながら寝返りを打ち、毛布の中から顔を出したのは全くの別人だった。あ、そかそか。母は個室から大部屋に移ったんだよね。これまた失礼しましたあ〜(^o^;)。

けっこう疲れてるんだよ…(- -;)。

5月18日(火)高値取り引きされる(?)びしメモ

 人事異動で私の向かいの机にやってきた女性記者(入社2年目)が、紙の束をドサっと机の上に置いて、「これには本当に助けられています」とのたまった。ああ〜っ、それって「びしメモ」じゃんか〜!

 「びしメモ」とは、事件事故のベタ記事を「火事」「交通事故」「軌道事故」「海難事故」「殺人」「傷害」「変死」「強盗」「窃盗」「ひったくり」「ダフ」「ノミ」「詐欺」「中止命令」「婦女暴行」「ヤク」「ハイテク」などと項目別に分類した自作のスクラップブックのことで、これがあればどんな事件事故が起こっても、記事のフォームを参照できる「サツ原稿」の虎の巻なのである(決して自慢できる代物ではないが)。

 私がある後輩のためにコピーしたものが、その後輩にも受け継がれ、そのまた後輩にも複写され、という形で「びしメモ」は高値取り引き(?)されているらしい。でも私にはマージンは入ってこない。新聞記事のスクラップなんて、自分でやらなきゃ意味がないんだけどなあ…。

 それにしても「びしメモ」のオリジナルは、一体どこにいってしまったのだろうか。とんと消息がつかめない。

5月19日(水)「シュウちゃん」って呼ばないで(恥)

 会社は販売戦略の一環として、社内見学を受け付けている。見学者は企業とか学校とかサークルとか千差万別だけれども、今日やって来た団体は最悪だった。おじさんおばさんたちが約20人、案内役の社員に連れられてどどどーっと編集局フロアに押し掛け、私を見つけるなり「あっシュウちゃんだ!」と一斉に声を上げるではないか。一気に赤面し、ハンカチで脂汗をぬぐう私、笑い転げる同僚たち。

 「ここは会社なんですから、頼むからシュウちゃんなんて呼ばないでくださいよう!」「で、シュウちゃん、今何やってるの?」「あさって掲載する原稿を打ってるんです」「へえーっ、真面目に働いているんだねえ。感心感心」

 よもや私の実家がある町の町内会御一行さまが、社内見学にやってくるなどとは思ってもみなかったよ。こういうのって死ぬほど恥ずかしい(ii)。

5月20日(木)せっかく来てくれたのに

 休みでごめんなさい…。

5月21日(金)M投手、強さの秘密は「トリカラのケチャマヨ」?

 横浜高校の近くで福祉関連の取材を済ませた帰り、同校の正門前にある弁当屋「吉祥」に立ち寄り、昼飯代わりにトリの空揚げ(5ケ180円)を購入する。顔なじみの店のオバチャンは、「この空揚げ、M君も大好きだったのよ」と一言。分かるわかる。この店の空揚げはすこぶるウマイし、ニンニクが効いているから、すごくスタミナがついた感じがするのだ。M投手を甲子園春夏連覇に導いたのは、「吉祥」のトリカラだったのかもしれない。

 「でもあの子、ちょっと変わってて、トリの空揚げにトマトケチャップとマヨネーズをかけて食べてたのよ。ねえ、びしさんも試しにやってみない?」

 私はだまされたつもりで、購入したトリカラにケチャップとマヨネーズをかけて食べてみた。

まっず〜!

 見事にだまされた(ii)。「オバチャン水ちょうだい水!」。こんなものを好んで食べる奴は人間じゃない。でももったいないから全部食べた。まさか彼、所沢でもトリカラにケチャップとマヨネーズをかけているのではあるまいな。そんなことをしたらデニーが腰をぬかすぞ。だが人間離れした味覚こそが、M投手の強さの秘密なのかもしれない。閲覧者諸姉兄も一度、「トリカラのケチャマヨ」を試してみたまえ。もし美味しいと感じるならば、あなたも恐らく人間じゃない。もしかしたら時速155キロのストレートを投げられるかもしれないよ(笑)。

5月22日(土)ライスにもぶっかけて食え!

 やっぱり来たか。「トリカラにケチャマヨは美味しいよ!」メールが。「こんなものを食べるのは人間じゃない」なんて暴言を吐いてごめんなさい。「人間とは思えない」に訂正します。

 だったらこれは食べられる? 横浜高校の正門前にある「吉祥」にはM投手の名前を取った「ダイスケセット」というメニューもあって、トリカラ5個にライスがついて330円なんだけど、これはトリカラだけじゃなくてライスにもケチャマヨぶっかけて食べる代物なんだよ。ケチャマヨ派の閲覧者諸姉兄は、どうせやるならここまで極めてほしい。で、食べたらぜひメールで感想を書き送っていただきたい。しかしこういう食べ物はうまいとかまずいとかを通り越して、激しい運動量の人がエネルギーの所要量をカバーするために摂取するものなんだろうなあ…。

 M投手へ。「吉祥」のオバチャンが「トリカラ食べたくなったらいつでもおいで」って言ってたよ(笑)。

 ちなみに:北海道のA代さんからはメールで、「ケチャマヨには『オーロラソース』という正式名称があります」とご教示いただいた。ありがとうございました。

5月23日(日)休もうか、更新しようか

 ただいま午前10時30分。今日はこれから痛恨の泊まり勤務。前半は皇室関連の取材(面倒)、後半は警察本部に詰めて事件事故の警戒(もっと面倒)。

 という訳で、日記はお休みさせてくだされ。

 でも気が変わって、明日の未明に更新するやも。

 で、もう24日だけれども続きを書く。「びしが泊まりのとき、街は平穏」というジンクスがあったのに、テレビニュースなどでご存じかもしれないが、今日は横浜市内で事件事故が多発し、大変な一日になってしまった。が、非番の警察担当記者も応援に駆けつけてくれて、無事に難局を切り抜けることができた。人が死ぬニュースはどんなケースであっても、記事を書くのが辛い。

 明日は泊まり明け。ゆっくり休養するぞう! と言いたいところだが、仕事が山積しているので朝から業務に突入じゃ。もうどうにでもしてくれ (^o^) ←ヤケクソの笑い

5月24日(月)空回りの一日

 夜明けとともに労働に突入す。まずは母に付き添いながら先週のうちに病院で打っておいた原稿を、会社のホストコンピューターに送信じゃ。ポケットワープロのスイッチオン。

ない。

 どうやら保存するのを忘れていたらしい。慌てて原稿を打ち直し、送信。次は記事につける写真を撮りに行かねば。

雨。

 社内で仮眠したから気付かなかった。町中の風景を撮影するつもりだったのだが断念し、写真部がヘリで撮影した同じ場所の航空写真を借りて難を逃れる。そうこうしているうちに、午後の取材相手から電話が入る。

延期。

 昨日に続き、もうどうにでもしてくれ (^o^) ←ステバチの笑い

5月25日(火)自遊人通信

 取材の合間に、横浜市内にある精神障害者の地域作業所に足を運んだ。ここの通所者が発行している「自遊人通信」というB5判2ページ(つまり1枚)の月刊新聞をもらうために。例えば今月号にはこんな文章が載っている。

「いっせーのぉせ」

 随分暑くなった。新緑も雑草も元気に伸びている。同じ生き物でも植物は繰り返し芽を出し花を咲かせる。

 人間はそうじゃない。何かをしていても何もしていなくてもどんどん時は流れていく。

 確実に最後へ近づいていく。

 そこに居て当り前の人間などいないのに時々錯覚してしまってボー然とする。

 ふり返るのは悪いことだろうか?

 泣くのはイケないことだろうか?

 文章もさることながら、植物の生長の勢いをたった一言で表現した「いっせーのぉせ」というタイトルに、私は筆者(男性)の並々ならない感性と才能を感じて、すごく感動しちゃうのだ。この人、発病する前はマスコミ志望だったらしい。この先、彼の才能が発揮できる場が見つかればいいのだけれど。

5月26日(水)昨日の続き

 精神障害者に自己表現の場はないものか、などと思いをめぐらしていた矢先、市精連から私あてにファックスが届いた。市精連というのは、横浜市内にある精神障害者の地域作業所や授産所からなる連合組織。一体何だろう。

 「うちで出している会報が面白くないので、刷新を図りたいんです。よく取材に来るびしさんにアドバイザーになってもらって、会報を楽しくするアイデアを出してもらえませんか。ついては酒でも飲みながら、相談したいのですが」

 この「酒でも飲みながら」という巧妙な一言に突き動かされ (^o^;)、私は先方の申し入れを快諾した。市精連の会報は、精神保健の関係者や一般の人に、精神障害者福祉に関する情報を提供するものなのだが、実際面白くも何ともない。そうだそうだ、市精連の会報の半ページ分を使って、障害者がイラストやエッセイなど自由に自己表現できるスペースを設ければいいんだ。まさに「渡りに船」。これを今度提案してみよう。あとはEINのようなコンテンツを会報にふんだんに盛り込んで、精神障害者福祉の現状と課題を笑い転げながら学べる内容にしてみるか。ついでに市精連のホームページも作ってあげよう。いやあ、楽しいぞこれは。

 でも恐らく私は、1回でクビになるだろうな…。

5月27日(木)大人になったら身長は伸びない

 T子さん、メール読みました。「これまでに、読んでためになった文章読本はありましたか?」というご質問ですが、あなたは質問する相手を間違えました。マスコミ就職を目指してのことでしたら、こんなお笑いサイトじゃなくて、ジャーナリスティックなホームページを作っている別の記者さんたちに質問をした方がいいと思うのですが。でも恐らくT子さんは、同じ質問のメールを複数の殿方に送りつけて返答を待っていることでしょうね。「あなただけよ」という女性の言葉に、私はこれまで何度だまされてきたことか…。

 あいえ、それはともかく、実は私も文章読本の類はたくさん読んだクチなんです。私の書く文章は大学生になっても、小学校時代に書いた作文と何ら変わらぬ稚拙さだったため、どうにかして大人っぽい文章を書きたい、と思い詰めてのことでした。

 その結果は、EINを見れば「一読瞭然」でしょう。まったく効果がありませんでした。文学者やジャーナリストが書いた文章読本を読んでも、私の文章力は向上しなかったのです。それは本のせいではなく、私の脳みそが頑固なだけだったのでしょうか。

 でも一冊だけ、読んで良かったなあ、と思えた本があります。物理学者の木下是雄(これお)さんが書いた「理科系の作文技術」(中公新書)という本です。広い意味で理科系の研究者や学生を対象に、論文やレポートの書き方、さらには学術講演の方法を示した指導書なのですが、この本は文科系の人たちが読んでもいい刺激になる好著だと思います。「文章は明快、簡潔に」というのは当然ですが、「仕事の文書を書くときには、事実と意見(判断)との区別を明確にすることがとくに重要である」という木下さんの言葉に、私は大いに感じ入った記憶があります。

 ではこの本が、自分の文章力向上に役立ったかというと、そうは言い切れません。「大人になってからでは、急に身長を伸ばそうとしても無理」ということです。でも「理科系の作文技術」は読み物としても面白いので、T子さんにはぜひ一読をお勧めします。「あなただけよ」

 とはいっても18年前に読んだ本なので、もし絶版になってたら、ゴメンネ。

5月28日(金)業務酩酊

 最近の横浜市行政で充実しているのは、市民を交えて企画した生涯学習事業ぐらいしかない。この間南区が行った「報道を考える」という連続講座も良かった(途中でスッタモンダはあったものの)けれど、栄区の地区センターが今晩実施した「イタリアワイン入門講座」というのも面白かった。

 イタリアワインはフランスワインに比べて廉価。そのうえ魚介類をふんだんに使ったイタリア料理は日本の料理とも共通点がある。イタリアワインを食卓にのせると日常の食生活に彩りが添えられるから、専門のワインアドバイザーを呼んで、ちょっと勉強してみましょうよ、という狙いだった。よくぞまあお役所がこういう企画を立てたものだと感心してしまうが、なに、アイデアの出所は役所ではなく、市民の脳みそなのだ。

 私も受講料1000円也を支払って参加してみた。

 ラインナップは「エスト!エスト!エスト! ディ モンテフィアスコーネ」「アルバーナ ディ ロマーニア」「レ ラーヴェ」の白3種、「ラクリマクリスティ デル ヴェスビオ ロッソ」「キャンティ クラシコ」「バローロ セッラルンガ ダルバ」の赤3種、「アスティ」の発泡酒と続いて計7種。

 で、フハ〜。酔っ払っひゃった〜い! らけろね、わらひは自ら進んで参加したんりゃらいんらよ。わらひはカイシャの勧めで不本意らがらも参加したんらよ。あくまれも「業務酩酊」なんらからね。れもねえ、おもひろいとは言っても、こーゆー社会性のらい企画を、ろうやって記事にしようからあ。まあ酔いが覚めてっから考えればいいかひら。れもその時、講座のときのこと、覚えているかろうか、ひんぱいらなあ。ヒック…。

5月29日(土)トイレが壊れたぐらいで泣くな!

 実家に夜、足を運ぶと、兄と姉が口げんかをしていた。ウォシュレットが壊れてパイプから水漏れしていることが原因らしい。揚げ句の果てに兄が泣き出す。ここで「まあまあまあ」などと仲裁に入ると怒りの鉾先がこちらに向けられかねないので、スゴスゴと自宅マンションに引き返す私であった。

 入院している母に付き添い続けてきた疲労感と、退院後の介護に関わる不安感が、些細なことが引き金になって一気に噴出した格好だ。ま、このけんかがカタルシスになってくれればいいのだけれど、はたで見ているこちらはたまったものじゃない(- -;)。

 とりこし苦労の長男、やたらと気をもむ長女、頼りにならない次男、介護3兄弟…。

5月30日(日)すみません…

 本日の日記は、休ませてくだされ。