【2000年3月】

3月30日(木)何とも言い難い出会い

 介護保険の関連で、自宅近くの地域福祉施設を取材する。そこでは虚弱な高齢者を対象としたデイサービスが行われていた。写真を撮らせてほしいと申し出ると、ほとんどの人は取材を快諾してくれたが、「痴ほうの人が1人いるので、その人は写さないでほしい」と職員から注文される。そうなのだ。痴ほうの人はたとえ本人がOKしてくれても、家族の承諾がない限り写真撮影はしないのがプライバシー保護の鉄則なのだ。

 で、撮影してはいけないのはどの方ですか、と聞くと、職員が指差したお年寄りは、

「げっ、あのじいちゃん、うちの地主じゃん!」

 仰天した。私は死んだ父親が生前に所有していた木造2階建て住宅(現在は空家状態)を相続したのだが、この家は借地の上に建っているため、毎月借地料を支払っている。ところがこの地主、一度こちらが支払った地代を数日後に再び請求しに来たので私は怒って追い返し、その翌月からは別の親族が地代を徴収しに来た経緯があって、何だかおかしいなあ、と思っていたのだ。

 地主は経理のプロで、80歳を過ぎても現役で頑張り、40を前にボケかかっている私とは大違いだったのだがなあ…。

3月28日(火)後輩の受け売り

 後輩記者が新聞紙面で、この春に卒業・入学する人たちに、自分が気に入っている一編の詩をプレゼントする記事を書いた。相談を持ちかけられたとき、私は著作権侵害を懸念したが、彼の心意気を感じてゴーサインを出した。結果、問題はなく、好反響が寄せられた。それはこんな詩です。

 

 自分の感受性くらい

茨木のりこ作

 

 ぱさぱさに乾いてゆく心を

 ひとのせいにはするな

 みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを

友人のせいにはするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを 

近親のせいにはするな 

なにもかも下手だったのは 

わたくし 

 初心消えかかるのを

 暮らしのせいにはするな

 そもそもが ひよわな志に

 すぎなかった

駄目なことの一切を

時代のせいにはするな

わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい 

自分で守れ 

ばかものよ 

3月26日(日)本編「素晴らしき電話応対」をアップしました

 表題通り。閲覧者の皆さんは、自分がどこの販売店から新聞を配達してもらっているかご存じでしょうか。購読料の銀行口座引き落としが当たり前となった今、知らない人が意外と多いんですよ。ご存じない方は万一のときのために、きちんと調べておくことをお勧めします。

(22日から25日までの日記、気の毒なので削除)

3月20日(月)作業時間より感慨時間の方が長くって…

 実家の一室を占拠している私の荷物を引き払うため、昨晩から運送屋状態。不要な物は廃棄し、必要な物だけ段ボール箱に詰め込む作業に追われている(この分別に手間がかかるかかる)。

 クローゼットの奥から得体の知れないカセットテープ数十本が出てきた。何だろう。よもやエッチ系!? 試しにラジカセで再生してみると…。

 「ピーッ、ピョロピョロピョロ〜」

 ファクスみたいな音が延々と続く。あ、そかそか、思い出した。20年ほど昔、パソコンがマイコンと呼ばれていたころ、フロッピーディスクがまだ普及しておらず、外部記憶装置はカセットテープが主流だったのだ。ベーシックやマシン語などの言語で自作したソフトを保存するときは、ラジカセを使っていた。友達から借りたゲームソフトもカセットテープで、一度本体にロードしたものを、自分のテープにセーブして複製(違法コピー)していたのだった。懐かしいなあ…。

 別のテープを再生する。「ピーッ、ガッ、ピョロピョロリ〜」。あ、この音はゲームソフト「クエスト」のデータ音だ(ドラクエではない)。当時のマイコンはラムが16キロバイトとか32キロバイトしかなくて、ハードディスクもついてなかったんだよなあ。さらに別のテープ。「ピイイ〜、ピョロロ〜ン」。おお、これは超初期のワープロで打った文書のデータ音だな。当時のワープロは作成文書が1行分しか表示されなくて、難儀したんだよなあ。もひとつ別のテープ。「トキオ! トキオ!」。あ、これはYMOの「ソリッド・ステート・サヴァイバー」だ。冒頭の曲は「テクノポリス」だな。そうか、あれからもう20年以上もたっているのかあ…。

 ええい、テープは全部廃棄じゃ! 古い物品の整理はいちいち感慨に浸ってしまうから、作業が停滞して困るよ(ii)。

3月17日(金)黄金週間は枕崎へ行こう!

 カイシャには全国各地から情報提供や掲載依頼の郵便物がたくさん届く。その処理をするのは、私だ。この業務に取材や執筆の時間を圧迫されて辛いものがあるが、地方のイベントやキャンペーンなどのプレスリリースに目を通していると、季節の移り変わりや地域の特性が感じられて、楽しくもある。

 だが今日小包で届いたこいのぼりは一体何なんだ? 気が早過ぎるよ。それにウロコが縦縞じゃん。

 不思議に思いながらリリースを読むと、これはこいのぼりではなく、「カツオのぼり」であった。カツオ節の産地・鹿児島県枕崎市にある商店街「かつお通り」で、4月29日から5月7日まで、この「カツオのぼり」を掲げ、各種イベントを繰り広げるのだという。キャッチフレーズがすごい。

「われら世界にはばたく勝男武士」

 地域興しにかける情熱は素晴らしいが、紙面化はちょっと難しいので、代わりにEINで紹介することにした。皆さん、ゴールデンウイークは鹿児島・枕崎の「かつお通り」に足を運びましょう。にしても、送られてきた「カツオのぼり」は何としよう。返送するのは金がかかるし、先方を悲しませたくもない。そうだ。20日の春分の日以降、祝日には日の丸の代わりに、自宅の玄関わきに「カツオのぼり」を掲揚しよう。

3月15日(水)図らずも代弁?

 カイシャで原稿を打っていたら、直属の上司が私の机の前にやってきた。

 「どうだ、仕事は厳しいか?」

 私は顔を上げずに返答した。「ええ、死ぬほど辛いです」

 「もう辞めたいか?」

 「はい、即刻退社して、貧しくてもいいからのんびり過ごしたいです」

 「馬鹿野郎! お前に話しかけてるんじゃねえ!!」

 「はあ!?」

 横を向くと私の隣の机に、営業部門から局間異動してきたばかりの若手記者Y君がいた。ああそうか、上司は私ではなく、Y君に話しかけてたのね(^o^;)。図らずも思いのたけを代弁してあげて、Y君もうれしかったに違いあるまい(実は確信犯だったりして)。

3月14日(火)違わい

 日記を打ち始めて、本日がホワイトデーだと気がついた。が、それどころではないのだ。私は朝からひどく腹をこわしているのである。昨夜はいろいろなものを食べたり飲んだりしたからなあ…。違わい、オイルじんたが原因じゃないやい! それを証明するために、身近な人間に試食させてみるか、じんた(結果は後日報告しません)。

3月13日(月)結果報告

 やめときゃよかった(iQi)。

3月12日(日)オイルじんた(無謀な母のための料理教室1)

 私はオイルサーディンが大好きで、いつも作り置きしておいて酒の肴や飯のおかずにしているのだけど、イワシの代わりに魚屋で売っている「じんた」(空揚げ用の子アジ)を使い、これを作ってみようと思い立った。

 イワシほど栄養価は高くないけれど、10匹150円程度という値段の安さに惹かれた次第。作り方は次の通りです。

 1・じんたのゼイゴ(胴体尾部のイガイガしたやつ)と頭と肝と尾びれを取り除き、海水の2倍濃度(約6%)の食塩水に2時間漬け込む。 2・耐熱容器の上にタマネギとニンニクのスライスを敷き、その上に食塩水から取り出したじんたを乗せ、ラップをかけて電子レンジで10分間加熱する。 3・蒸し汁を切った残りをタッパーなどに移し、つぶコショウをまぶした上からオリーブオイル(エキストラバージン)をひたひたになるまでぶっかけ、さらにローリエ(ローレル)1枚を乗せる。 4・熱がさめたら冷蔵庫で保存する。

 肝心の味なんだけど。分かりません(^o^;)。 魚に油がしみ込むまでに1〜2日はかかるので、まだ食べていないんです。後日結果を報告しますので、お試しになるのはその後にした方が…(ちなみにオイルサーディンの作り方は、昨年10月15日の日記をご参照くだされ。こちらは私、自信をもってお薦めします)。

3月11日(土)思索(疲労)の路

 昨晩から東京の立川にいる。今日は都立薬草植物園を見学するため、玉川上水沿いを往復約4キロ歩いた。私はそれだけの運動で疲れてしまった(^o^;)。昨秋から内勤的な仕事が中心となり、あまり取材に出歩かなくなったことが原因であろうか。

 人は老いによって第一線を退くのではなく、第一線を退くことによって老いるのかもしれない。

 武蔵野の小路は、かくも私を思索的にさせるのであった(^o^;)。

3月9日(木)年寄りの烙印

 泊まり明け。昨日は死ぬほど忙しかったから、さっさと帰宅したかったのだが、取材のアポイントを入れていたのでそのまま業務に突入した。でも意識が朦朧(もうろう)としていて、取材先でどんな話を聞いたのか、とんと覚えていない(^o^;)。

 トシを取ると泊まり勤務が体にこたえるが、カイシャもそれを斟酌(しんしゃく)してくれてか、来月以降は泊まりのローテーションから私を完全に外してくれるらしい。喜ばしいことだが、半面で悲しくもある。オジサン心は意外と複雑なのである。

3月8日(水)

3月6日(月)10時間

 午後10時。ちょっとだけ横になるつもりが、目を覚ましたら午前8時だった(^o^;)。もう7日じゃんか…。

3月5日(日)513番

 何もする必要がなく、たった独りで過ごす休日なんて久しぶりだ。「歌う伝道師」の兄(昨年4月12日の日記参照)が2枚目のCDアルバムを出したので、聴いてみた。無信仰の私にも、ヘトヘトに疲れ切った身に今日は賛美歌がしみるわい。とりわけ513番は。

天(あめ)にたからつめるものは げにもさちなるかな、

主にまかせし そのよろこび いかにしてかは述べん 

 すくいぬしの いさおにより うれしき身となりぬ、

なやみおおき 世もさながら みくにのここちして

主はわがうた、わがよろこび、ただひとつのすくい、

いざや伝えん よにあまねく このよきおとずれを 

いざや伝えん よにあまねく このよきおとずれを 

3月2日(木)かけそば300円也

 「インターンシップ」とかいって、大学生(2年)が就職活動に入る準備段階として、企業で短期研修をするのが流行っている。私のカイシャにも「フェルナンデス婦人学舎(仮名)」から女子学生がやってきて、編集局の運動部や写真部、社会部などの取材部門や、販売局、広告局などの営業部門を日替わりで体験してもらっている(といってもわれわれが仕事しているのを横で見てもらうだけなのだが)。期間は10日間で、大学から2単位もらえるらしい。

 社会部では私がホスト役(?)を務めた。

 「ねえ、君の交通費はどうなっているの?」「はい、すべて自費です」「いやあ、それは大変だねえ。でさあ、昨日おとといと、他部での研修で昼飯は一体どうしてたの?」「はい、面倒をみてくれた記者さんが全部おごってくれました」

 そう言われちゃ仕方があるまい。昼飯は私がおごるしか…(ii)。