2002 筑波ツーリスト・トロフィー in NOVEMBER
DUCATI CUP参戦記
レースに少しは慣れてきたのか、前の晩は十分な睡眠も取れ・・・と、思ったら寝過ごしてしまった!
監督S氏と常磐道・守谷SAで待ち合わせの時間に15分遅れで到着、そのまま休憩も取らずに筑波サーキットへ直行です。駐車スペース確保の為とは言え、老いた人も起きていないような時間に起きての移動は辛いです。
しかし予想に反して到着した時には、すでにスペースの80%以上は確保されていたのです。みんな早起きなんだねぇ〜。それともゲート前で待機&徹夜してるのかな???

受付の時間が近くなると、少しづつではあるが騒がしくなってくる。バイクをトランポから降ろしたり、荷物をまとめたり・・・・
受付を済ましDucati Tokyo West(トマトモータース/トマトレーシング)のメンバー&ヘルパーでパドックへ移動です。今回は2日に分けて筑波TTが開催されているので、車検も長い時間待つことなくスムースに終了。パドック内も6月のときと比べると人の量も適度で、とてもゆったりとした雰囲気です。予選が始まるまでの少しの間はのんびりムードでみんなで集まりワイワイとご歓談です。
ちなみに参加者はちょっぴり緊張モード&相手の調子を探るモードに入っているみたい・・・・それって僕だけかな??

こ!これは・・夢?
終わってから気が付いたのですが、今回の番号(19)は前回(38)のちょうど半分の数字。
これは、前回の順位の半分になるという暗示だったのかもしれない!
な〜んて、当たらない占い師みたいですね・・・・
予選1組のスタート
(参加台数多数の為に2組構成になりました)
やはり経験というのは、余裕を生むようです。確かに緊張はするのですが、のどがカラカラになるようなことは無いのです。これは小心者の僕には大きなアドバンテージです。
11月中旬の朝ともなれば、気温は低く路面温度も低いままです。やはり始めの数周はタイヤのグリップを確かめながら走ることになることでしょう。しかもタイヤは先週履き替えたばかり。サイドは正に新品状態。皮むきもしなくては・・・・まあ、焦らず15分をフルに利用してのタイムアタックです。

1周目、2周目と徐々にペースを上げていきます。3周目に入ると新品のミシュラン・パイロットスポーツは既にがっちりとグリップし、「いつでもOK」と言っているようです。さあ!本気モードのタイムアタックです。目標は前回のベストの10秒5を切る。。。。

今回はピットからサインボードからタイムを出してもらい、僕が逐次タイムがわかるようにしました。まあ、あんまり遅いタイムが出てるとガッカリして更に遅くなるなんていう悪循環に陥ることもあるけど・・・・3周目から6周目までは10秒台・・・・あまりタイムが伸びない。気温が低いから??でも新品のタイヤは強力なグリップで安心感120%。やはり純正のままの前回とは雲泥の差です。
適度に疲労して力が抜けてきたのか、すこしづつタイムが速くなっているよう・・・・と、思ったら「9秒」の表示がサインボードに!!やったー!これで一応目標達成!更に気合をいれて走行していたら・・・・・9秒台連発だぁ〜やったね。
自己ベストを更新したのは確実だったので、2組目の予選を見ながらワイワイと騒いでいました。
その後もピット上の観戦ポイントでのんびりしていたら・・・・慌てた様子でトマトモータースの店長が・・・
「予選3位ですよ!」本当に信じられなかった。その後、掲示板を見に行ってもなんとなく現実離れしているようでした。少なくとも10位までに入っているメンバーを見ると前回8秒台で走っている人が、自分より下位にいる。総合獲得ポイント争いとかあったので何か作戦があったのかもしれませんね!でもやっぱり嬉しい・・・最前列からのスタートできるんだよ!
気分はMOTO GPレーサーでっせ!

と、浮かれているのも、この後数時間後にはあわや
「リタイヤ宣告」寸前に・・・・
決勝!・・・走れるの??リタイヤしようか・・・・
全カテゴリーの予選も終了し、あとは決勝を待つばかりです。
僕は予選の結果が良かっただけに、ちょっと浮かれ気味で決勝をどのように走るかを考えていました。午後の決勝までには時間もたっぷり、ここで決勝を観戦しにきた友人達と楽しいひと時を過ごしていました。昼頃には所属している「SYR」のメンバーも筑波に向かっているとの事。ますます盛り上がりそうな勢いでした。

相変わらず、天候は曇りで気温は朝と同様・・・・そろそろ決勝に備えて、暖気をしようとウォーミングアップ場へ進めました。エンジンもやや暖まり始めたので、ここらでスタートの練習でもしましょうか!とバイクに跨り、かるくアクセルをあおる。「ウォン!」といい感じ!ギアを1速に入れ、やや高めの回転でクラッチミート・・・軽く数センチほどフロントを持ち上げ、気持ち良い加速。心の中では「いける!」と感じました。少しだけスタートには自信がある為に、ここでは軽く感覚を得るだけで、終わらせるつもりでした・・・・その瞬間です。
アクシデント発生!!
フロントタイヤが接地しフロントブレーキを軽く絞り込んだそのとき・・・・視界に変な物が飛び込んできたのです。路面に15cmくらいのボルトが落ちているではありませんか!あっ!と思った瞬間・・・フロントタイヤがボルトを踏んでしまい、アスファルトと鉄では摩擦抵抗が少ないために前輪がロック・・・前輪が右にずれていく・・・カシャン!まさに悪夢です。
ウォームアップ場で転倒です。信じられない!!なんでここにあんなに大きなボルトが落ちているの???そんなことを考えても黄色いM900は、そこに転倒したまま横たわっている。ヘルパー&監督のS氏が駆けつけバイクを起こすと・・・・なんと左のステップとリンケージが破損している。「終わりだ」・・・「リタイヤしよう・・・・」この言葉しか浮かばなかった・・・・・
やっぱり無理だ。組みつけられない・・・しかしそこに救世主が現る!
バイクをテントまで戻した時にはガッカリ・・・・もうなすすべも無い。・・・・しかしまだ監督を含め大勢の人があきらめていなかったのです。なにやら忙しく動き出しました。大河原会長(トマトモータス会長)がシルバーバードの社長さんの所へ直訴・・・・バックステップ・セットをGETしてきました。やった!もしかしたら・・・・しかしリンケージのピロボールが無い!もう一貫の終わり!と思ったら、今度はドカカップ4Vで参加するH氏の996から部品を取っての修理が始まりました。すでにスタートまであと30分、20分・・・オフィシャルがテントまで来てスタート前チェックまでに間に合うかチェックしている。

間に合わないかも・・・・組み付けもうまくいかないようです。皆にお礼を言って「リタイヤしよう」と言いかけたときに、会長が村山モータースのメカの方を連れてきてくれた!目にもとまらぬ速さで組みつけていく・・・・右と左のステップの位置が前後にずれているが、完成だ!ギアも入る。オフィシャルに向かって「行きます!」と宣言。そのとき既に開始5分前。よかったとにかく走ることだけは出来るんだ・・・・みんなありがとう!感謝の気持ちでいっぱいでした。村山モータースの方にちゃんとお礼が言えなかったのが心残りです。この場を借りて・・・・「本当にありがとうございました。」

右から3番目・・・そう予選3位です

ぎりぎりでスタート前チェックを済ませ、休む暇も無くグリッドにバイクを移動。
このとき改めてフロント最前列のすごさを知るのです。前に見えるのはキレイなお姉さまが看板を持っているだけ(それもフロント・ローの特権ですが)・・・いやいや!1コーナーだけです。それに気づいたと同時に大緊張!

ウォーミングアップで1周してグリッドに戻る・・・ポジションがヘンテコだけどステップはOK。さあ、走るぞぉ〜と思っていたら、すでに誰かがコケたらしい。「待ち」の状態でアナウンスがあった。本来10周で競われるドカカップだが1周減算の9周の決勝に変更されるとの事。再度ウォーミングアップ・ランで1周し、再び3位の位置に戻ってきました。

いよいよスタートだ・・・・・1分前・・・・30秒前・・・・エンジン音が大きくなっていく、日章旗が振り下ろされスタートです!


スタートは前回同様にうまくいった。1コーナーへは2位、そのまま1ヘヤピンまでは好位置をキープとおもいきや、出口ではらんでしまい後から4台にまとめて抜かれる。やぱりステップの位置が左右で違うために、うまく体重移動が出来ないのです。これで6位まで順位を落とし、そのままの位置で2周くらい走り前の選手を観察です。5位の選手は1コーナー、1ヘヤピン、2ヘヤピンの突っ込みの度にマシンがフラれている。「ん!これは無理してる」とわかったので、次の1コーナーまで間を詰めておき、突っ込みで一気に前に出る作戦をとる。これが大成功!今回はタイヤ、サスのマッチングが素晴らしく、最終コーナーで前との差を詰められるのです。

さ〜次は4位の選手をターゲットに・・・しかし、速い!特にインフィールドが速く追走するのが精一杯です。でも最終コーナーではグーーーンと差が詰まる。メインスタンドに戻ってくる頃には射程距離内です。ピットからのサインボードには「1分8秒」となっていた・・・自己ベスト更新だ!
いくぞーー!と思ったらバックマーカー(周回遅れ)にラインをふさがれてしまう。また距離が離れる・・・・もう一度アタックです。ぐんぐんと4位との間隔を小さくしていく・・・・もうすぐ抜けそうだ!しかしここで9周が終了!5位でチェッカー!!
チェッカーをくぐった時には大きなガッツポーズ!!

みんなありがとう!

1ヘヤピン、まだ2位です・・・
最終コーナーで気持ちいい走りが出来ました。 この時点で6位! やった!5位に!

5位!やったぁー
なんと5位入賞です。
タイムも自己ベストの1分8秒491
決勝ベストタイムだけなら3番目にいい数字です。
夢にまで見た表彰台です。
うれしいぃ〜


暫定表彰式・・・
M900の勇姿。妻手製のサインボードにはラップタイム(1分8秒が・・・)

正式な表彰式では、5位の楯と賞品いっぱい!これもうれしい!
3位のツールボックス欲しかったなぁ〜
今回も色んなドラマが生まれました。
こんなトラブルに巻き込まれても、決して僕以外は誰一人として「リタイヤ」なんて言葉を発しなかった。
僕1人で「リタイヤしよう」なんて言っていた。まったく馬鹿でした。
僕のバイクを一心不乱で修理してくれていたみんなの顔、凹んだ僕を勇気付けてくれた妻や親友、女性ヘルパー達・・・・本当に感謝の気持ちでいっぱいです。こんなにいっぱいの人たちから、「がんばれ!」って言われて走れるなんて幸せです。しかも結果が出せた。やっぱりレースっていいです。
また言うけど・・・・本当にありがとう。涙出るくらい嬉しいよ!サイコーだよ!