DAY 3:  11月3日(日) レース当日(その壱)

準備OK!スタートを待つだけ・・・

決勝の日です。決勝スタート前に、公式練習があります。通常この練習でピットイン・アウトの再確認、燃費計算などするのでしょうが、われわれDTW Racingはただ走るのみ。走行時間を分割して走りました。

路面温度やコースの状況も把握しながら、本番に備えます。25分間の走行も無事に終わり、バイクをピットに入れ最終チェックを行いました。ちなみに6時間を走る時間は各ライダーが15周(約30分)ごとに交代としました。勝つためのレースではこのパターンは考えられないのですが、今回われわれは「楽しく、ちょっとばかり本気で走って完走」が目標です。これでOKなのです。順序は私、加藤君、マシンオーナー榊さんです。

整備も終わり、われらのスーパーマシンはタイヤウォーマーを着せられてじっとピットに中に・・・あとはスタートの時間を待つばかり・・・と、思いきや、バタバタと進行が早く進み、既にパドック、ピット周辺にはバイクの暖機する音が大きくなり始めました。タイヤウォーマーの発電機もゴーゴーと音が大きくなっているように感じました。その単調で大きな音の繰り返しが周りの人の声を掻き消してしまい、なんとなく自分だけが孤立したような錯覚に陥り、ますます緊張感を煽ります。

ぞくぞくと色んな種類のマシンがコースに出ていきます。
僕もピットを出てゆっくりとしたペースでコースを1周し、スターティング・グリッド「43」番にバイクを置きます。


耐久のスタートはもちろん「ル・マン式スタート」です。鈴鹿8耐を見る度に1度くらいは経験したいと思っていたのが、ここ菅生で経験できるのです。
コントロールタワーには15分前の表示・・・10分・・・5分・・・3分・・
関係者以外はコース外へ・・・・バイクの後ろには加藤君が支えているだけです。バイク65台とライダー130名がコースにいるだけになりました。
心臓がバクバクしてきます。1分前、ここからは秒単位でのカウントダウンです。・・・10、9、8、・・4,3,2,1 GO!! 

バイクまでダッシュ!バイクにまたがり、セルボタンを押した。「キュキュキュ!バウゥ〜ン」
始動OK!
1速に入れ、クラッチミート!周りのチームより早く走り出せたようです。加速して1コーナーに入っていくのだが・・・もうそこは
大渋滞!! それでも速いチームはその渋滞をスルスルと抜けて前に出て行くのです。 2コーナー、3コーナーを廻ったあたりで、トップはもう4コーナーからS字・・・そして坂を駆け上がっているようでした。

いよいよ始まりました波乱の6時間耐久の幕開けです。
始まりからの2周くらいまでは、自分のペースではなかなか走れませんでした。とにかくバイクがいっぱいです!しかもスピードの差がかなり大きくコーナー進入は特に注意が必要でした。
すこしづつバイクがバラけてくる頃にはタイヤも本調子です。順調に周回を重ねていきます。ピット前を通過するときには、女性ヘルパー達が大きく手を振ってサインボードの位置を教えてくれます。「うん!いい感じ!」周回を重ねる度にタイムが上がってきます。


実はこのとき、ライダースクラブ小川さんとSilverBardさんの銀色SS900改チーム(これがかっこいい&速い)にコーナー毎につつかれていたのです。直線では圧倒的に速いわれらが748R!しかしコーナーの進入からコーナー中にRC小川さんが突っ込んでくる!「うまい!」やっぱりテクニックに差が・・・ちょっとくやしい。。
こんな風にコーナーのいたるところで、小さなバトルが繰り広げられていました。このお陰で僕もタイムアップしていくのです。
みるみるタイムは上がり、予選のタイムより速いタイムで周回しています。51秒、50秒、49秒・・・ピット前を通過する度に大勢で手を振っている!「タイムが上がって喜んでいるんだぁ〜」と勘違いし、ますます元気に走っていました。(本当はペースダウンしろっていう指示だったらしいのです・・)自分では47秒くらいまでは、いけるぞーなんて思っていたら、ピットインのサインが出ていました。さあ!次は加藤君へバトンタッチだ!。。。。。。。しかし、彼にバトンを渡したのは、ピットインのサイン確認後40分以上後になるのでした。

転倒??・・
不安な時間が・・・

トラブルです。
4コーナー、S字の切り返し・・・エンジンの回転が不安定になり、回転が上がらない。やばい!壊れたかも・・・エンジンからはガラガラと変な音が・・・・。あれ?違うぞ!この症状どこかで経験したような気がする・・・あっ!ガソリンが無いんだ!
「ガス欠だぁ〜!」
なんとか「馬の背:裏の下りストレート」の途中まで走ったところで完全にエンジンストップ。なんとか惰性でストレートエンドまで行き着けたが、このままコース上にいるのは危険と判断してコース外側のグリーンに止め、マシンから降りた。コース上を思い切り走っているマシンたち・・・・「悔しくて悔しくて・・・」とにかく救済ポイント(レッカーで故障車等を拾いに来てくれるポイント)まで必死で押した。しかし下はやわらかい土に草が生えている状態。バイクを押しても押しても進むのは数メートルだけ。。。トホホ。やっとのことで救済ポイント・・・・あれ?誰もいないよぉ〜。このときもっと冷静だったらもう少し早く帰って来れたかもしれないのだが・・・

誰もいないし救済ポイントの扉は閉じたまま・・・・その先にはシケイン手前のオフィシャルの小屋がありました。
何を思ったのか、そこに向かってバイクを押し始めました。いま考えれば、マシンを止めてオフィシャルを呼んでくれば良かったのですが・・・・30〜40メートルくらい坂を下ったところでオフィシャルが気が付いて、救済ポイントまで戻れ!といっています。なにぃ〜!下った坂を上がるのかぁ〜??仕方なく方向転換しポイントまで上り坂を押す羽目に・・・重い・・・本当に重い。5歩くらい押すと息が切れてしまう。しかもヘルメットを被ったままなので余計に苦しい・・・・。(オフィシャルは手伝ってくれないんですねぇ〜)
時速1キロにも満たない速度でマシンを押し歩いている僕(しかも反対方向に)を、横を猛スピードで走り抜けていくバイクたち。さっき見かけたバイクがまた通り過ぎていく・・・いったい何周ラップされるんだろう・・・
やっと救済ポイントまで戻ったところで、レッカーがやってきた。ガタガタと強烈なレッカーの揺れに耐えながらパドックへ戻ってきた。。。。。「なんで??」・・・「どうして?」「ガソリン入れてなかったの?」
車検場前に着いたときみんながいた・・・・大声で「ガズ欠だよ!」って怒鳴った。なにも考えずに怒っていた。でも僕が発したその言葉を聞いたチームメンバーはみんな同情・心配というより「ホッ」とした表情???どうして?
実はオフィシャルから「
転倒」と伝えられたらしく、正確な状況がつかめなくてかなり不安だったらしいのです。後で知る事実・・・なるほどね!

開始30分にして、大幅な遅れ。これも耐久レースなんですねぇ〜。

とにかくマシンは無事、無傷。ガソリンを入れさえすれば走行可能です。
気分を新たに、もう一度気合を入れなおして第2ライダー「
フォギー加藤君」の出番です。

加藤君は昨日の予選・当日の練習で走るたびに大幅にタイムを縮めてきていました。
交代後は予想どおりタイムアップしながらラップしています。毎周ピット前を通過するスピードが上がっている。しかも見ていて安心です。堅実な走り・・・見習わなければいけませんね!
無事に15周を走りきり、ピットイン。
 次は「マシン・オーナー榊さん」の出番です。
ガソリンも多目に入れてスタート。

榊さんは15周をきっちり走りきって、ピットイン!
あっけなく2度目の走行がやってきました。今回はタイヤも減ってきているので、目標は無理の無いペースで周回することと、完全に15周きっちりと走る!そしてバトンを「フォギー加藤君」に渡すこと。
ベストのタイムからは5秒落ちのペースで周回です。(2秒落ちくらいで・・・とおもっているとやけに遅くなってしまう・・・)

速いチームが何周かごとに、すごい勢いで抜いていく・・・10秒以上も違うペースで走っているようです。恐い・・・・でも淡々と周回し、ピットイン!やった走りきれた!よろしく加藤君!(右写真タイヤ交換&給油です

おい!どーなるんだぁ〜?
何かアナウンスしてるぞ!
しかしこの後、加藤君がピット・アウトして間もなく・・・ネイキッドバイクがオイルを流出させてしまいました。
結果シケインから1コーナーまでの走行ラインにオイルが・・・・そのオイルを踏んでしまった上位の数台(5台くらい)が続けて転倒・・・・フルコース・コーション(赤旗・中断)です。

12時05分レース中断です。オイル処理にかなりの時間がかかっているようです。トータル数百メートルにも及ぶ処理作業。40分がかかりました。
場内アナウンスがあり13時00分再開・・・それも「ル・マン式スタート」で!
整備を完璧にして今度は加藤君がスタートです!

しかし13時にスタートしてわずか1時間弱で馬の背(裏のストレート)で転倒事故があり、またもやオイル処理でフルコース・コーション。マーシャル・カーが入ることになりました。(のちのちこの対応が上位チーム順位確定に問題が生じることになったようです)