活性酸素と過酸化脂質


 

活性酸素と過酸化脂質

市川治療室 NO.159/2004.10


ストレス時には、抗ストレス・ホルモンの生産と分解を四六時中繰り返すことになります。 
この時(生産時と分解時)に発生する活性酸素は強い酸化力を持つヒドロキシルラジカルです。 
ヒドロキシルラジカルはDNA・タンパク質・糖質・不飽和脂肪酸に作用し障害を起こします。

…先月の情報から


不飽和脂肪酸は活性酸素により酸化しやすく、参加したそれは過酸化脂質と言われます。

過酸化を受けやすい資質とそれを多く含む食品

リノール酸・リノレン酸 …大豆油・小麦ハイガ油・トウモロコシ油 
アラキドン酸・エイコサペンタエン酸 …卵油・タラ肝油・サバ・イワシ・サケ・ニシン・マグロ・サバ

過酸化脂質と他の過酸化脂質が結合する現象を過酸化脂質の重合といいます。 
重合が繰り返されるとその分子がしだいに大きくなります。

血液中に過酸化脂質の重合物があると血液の粘度が高くなる 
血液がスムーズに循環しなくなる可能性が高くなります。

以下は五十嵐脩氏(現茨城キリスト教大学教授・元お茶の水大学教授)が 
河北新報(1991.5.12)に寄稿したものからの抜粋です。


…虚血性疾患とは、動脈硬化を起こして血管が細くなっていたり、 
動脈が何かの原因で詰まったり、詰まりやすくなって血液がうまく 
流れなくなっている時に起こりやすくなります。

また、脳卒中を起こした後でもこうした虚血性疾患になります。 
虚血性疾患の特色は、一時的に血液の流れが止まってから30分後とか、 
一時間後に再び血液が流れ出した後で臓器に出血とか、 
機能の回復が遅れる症状が出やすいことです。 
こうした虚血性疾患の原因には過酸化脂質の関与が有力な原因として考えられています。

過酸化脂質ができるのを防ぐビタミンとは、 
脂溶性ビタミンではビタミンEとかカロチンが最も有力な候補になっており、 
水溶性ビタミンではビタミンCも挙げられています。
こうした虚血性疾患の治療には、ビタミンEよりも効果が早くて長続きすると言われています。


ストレスや他の原因により活性酸素は体内で常時発生しています(先月の情報を参考)

活性酸素による障害は細胞や遺伝子にまで及ぶので 
ビタミンなどの抗酸化物質による活性酸素対策は健康管理に重要です。

また、抗酸化物質(ビタミン・ユビキノン)は 
虚血性疾患に関与している過酸化脂質が生成されるのを防いでくれます。

では、その効果を期待するにはどのくらいの量が必要でしょうか? 
以下は再び河北新報(前出)からです。


…こうした抗酸化ビタミンは、栄養的に必要といわれている量よりも、 
もっと余分に取らないとkおのようないい働きをしてくれません。 
量的には、栄養所要量の十倍とか、それに近い量が必要でしょう。


次回に続く (to be continued on next number)


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