GameMusic:


ゲームミュージックについて極私的に書き綴るコーナー

オールドゲームミュージックの魅力

ファミコンゲームミュージックの魅力

ゲームミュージック黄金時代

家庭用ゲームサウンドの転機

■オールドゲームミュージックの魅力

オールドゲームミュージックは、効果音も非常に重要な役割を果たしているのだが、
ここではBGMに限定した魅力をとりあえずすばやく挙げてみる。

(1)音色のオリジナリティ
(2)音数が少ない
(3)ミニマルでポップな曲構成

(1)音色のオリジナリティ
昔のアーケードゲームは、各ゲーム会社ごとに独特の音色を持っていた。
超初期、パックマンやドンキーコングの頃は、主にPSG(ProgramableSoundGenerator)と
言われる単純波形音源が3パートのカスタムチップが多かった。
音の加工はエンベロープぐらいだったが、その制約の中でも各社特徴を出していた。
ドンキーコングの、重厚なテーマから一転して軽〜いスタートテーマにつながる
絶妙なコントラストもエンベロープ活用の好例。

コナミは早くから、ちょっとした技術で衝撃的な音色を出していた。
ピッチを微妙にずらして同音程を重ねるコーラス効果。
単純波形との相性が素晴らしく、清らかで透き通るような音色になる。
鑑賞に耐えるレベルを超え、聴き惚れてしまうほど。
ツインビー、グラディウスなどの名曲はその音色が実に伸びやかに活かされている。
これに従来のエンベロープのテクニックも加わり、PSG音源が一気に瑞々しく輝く。

ナムコは、優秀なカスタムチップで素晴らしい音色を出す。
限られた範囲ではあるが音色に変化がつけられる。
パート数が増えたことにより、先述の透明感のあるコーラス効果、
発音タイミングを遅らせ音量の低い同パートを重ねることによるパートディレイで、
奥行き感を出すことに成功した。
音色のバリエーションや魅力はマッピー、奥行き感重厚感ではドルアーガの塔などが白眉。

(2)音数が少ない
PSGを基本としたカスタムチップの時代は、
ハードの制限もあり、パート数が少なかった。
その分、個々の音色が際立ち、ゲームミュージックを独特な魅力あるものにしている要因の一つにもなっている。

(3)ミニマルでポップな曲構成
ゲームのプレイ時間やメモリ容量の制限などもあり、
一曲数十秒でループするものも多い。
その短いループの中ではっきりと起承転結がついている。
肉声ほど間の持たない単純波形で、いかに退屈させないか
という工夫がなされ、数々の印象深いメロディともリフともとれるフレーズが生まれる。

■ゲームミュージック黄金時代

カスタムチップの次は、ヤマハのFM音源が台頭してくる。
当初はYM-2203という3チャンネルのタイプが主流だったが、
8チャンネルのYM-2151は、後に数多くの名作を生んだ。
より音色のバリエーションが増えたことと、楽器のシミュレートが可能になったこと、
ステレオが可能になったこと、それにドラムが入ることによって曲想が一気に広がりを見せ、
いわゆるピコピコサウンドはこの時点で終結。
それとともに、各社の楽曲センスが一気に白日の元に曝されることになる。

セガのファンタジーゾーン、カルテット。
ここで使われる特徴的なスラップベースは、ゲームミュージックファンの間では、
そういう楽器があるのだと勘違いをするほど話題になる。実際はベースの奏法のひとつ。
ナムコのドラゴンスピリット、源平討魔伝。
特にドラゴンスピリットは浮遊感のある美しい音色とポップな曲調でファンを魅了。
コナミも沙羅曼陀などでステレオ化にトライする他、WECルマン24では、ギターを模した音色で、
ヘヴィメタルサウンドにトライ。衝撃的だった。

次にPCMドラムが加わる。
生のドラム音色による演奏を実現させる。
PCMドラムといえばセガ。
ハングオンから始まり、チャートに登るほどの人気曲アウトラン、スペースハリアー、
スーパーハングオン、ギャラクシーフォースなど。
リアル思考のドラムの打ち込みは当時からトップクラス。
ゲームミュージックもここまできたか、と思わせた時期だった。

コナミもアクロバティックな使いこなし、グラディウス2や悪魔城ドラキュラにおいては、
PCM1チャンネルで素早く音色を差しかえることによりドラムパート全てを実現。
FM音色もきらびやかでオリジナリティに溢れ、曲調もミニマルでありながら印象に残り、
全体的にものすごく濃い。

ナムコメタルホークやオーダインなど。

最後に、PCM全盛の時代が来る。
ここで、ゲームミュージックの特徴の一つであった、「音色」のこだわりに危機が到来する。
事実上、音色は自然音全てが使用可能になったわけであり、もはやピコピコのプリミティヴな魅力とは
ほど遠い次元に達してしまった。しかしまだ、パート数の制約はあり、無駄の許されない条件の中、
名作は生まれている。

PCMの恩恵を活かしきったのがセガ。
アフターバーナーでは、生ギターを大胆にフィーチャーし、その衝撃は並大抵ではなかった。
もちろん衝撃はギターサウンドのおかげだけではなく、ドラムの打ち込みや曲全体が
非常にしっかりロックしている、ロックを分かっているというところが大きい。
その後も、パワードリフトではフュージョンとロックの融合だが、その実、口ずさめるほどポップ。
デイトナUSAに至っては、ギターは当然のことヴォーカルまで入る。
セガはロックテイストの曲が本当にしっかりホンモノしていて、他の追随を許さない。

まったく逆のアプローチでブレイクしたのがナムコのリッジレーサー。
ローファイな音質、少ない容量=少ない音色バリエーションを逆手にとり、
一般には耳慣れないロッテルダムテクノサウンドで鮮烈な印象を与えた。
ナムコ=テクノの図式は、F/Aから始まったが、本格的な認知はこのリッジレーサーからだろう。

■ファミコンゲームミュージックの魅力

家庭用ゲーム機の代表、ファミコン。
音源構成はオシレーター選択可能な2チャンネル、三角波でボリュームも固定なベース専用の1チャンネル。
更に、ノイズとデルタ波形というサンプリングができるチャンネルの合計5つ。

このカスタム音源を最もハードに、アクロバティックに使いこなしたのは、コナミ。
曲中の激しい音色変化、パート変化、エンベロープで、多種多様な音色バリエーションを繰り出す。
エンベロープで、うっすらとしたリリースを残して単チャンネルでディレイ効果を出したり、
ベース専用チャンネルをシンセタムに回したり、デルタ波形にキック、スネア、コンガなどを
演奏させ、ノイズと組み合わせて皮の音のあるスネアを実現した。

そして音色的な極みはディスクシステムのエクステンド音源でも活かされる。
まずは有名なゼルダの伝説の鐘の音やブラス系。
謎の村雨城でも様々な和風音色、メトロイドの重厚なシンセブラス風など。
たった1音、おそらく2オペレータのFM音源が加わっただけで、
ここまで表情豊かになるものかと当時は驚いた。
(当時、ファミリーベーシックでファミコン音源を使い倒していて、
どうしてもゼルダの鐘の音が作れずに悔しい思いをして、任天堂に電話で問い合わせたぐらい。
自分の実力不足でなく音源が加わったという事実を後で知ってようやく納得。)

コナミのディスクシステムの音楽は名作が目白押し。
アルマーナの奇跡、迷宮寺院ダババ、愛戦士ニコル、ファルシオン、
エキサイティングサッカー、特殊部隊ジャッカル、悪魔城ドラキュラ2などなど。
ちなみに悪魔城ドラキュラでは、エクステンド音源を使用していない。

コナミの音色の探求はそこにとどまらず、MSXで培ったSCC音源技術を
カートリッジに搭載。悪魔上伝説などで超重厚なサウンドを実現。
ここで聴けるサウンドはSCCに似ているが、音色バリエーションは少なかった。
しかし、コストがかかろうと音源を搭載する音へのこだわりの姿勢は、意地すら感じる。

■家庭用ゲームミュージックの転機

coming soon