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"Bassist's Room" とっておきのベース談義
Presented by Big-M

--- ベースってどんな楽器?Bass,What? ---
 Update '99.6.27
 
ベースという楽器を実物で見たことがないという人も最近は多い。
(ここでいうベースとはもちろんエレクトリック・ベースギターのことではないぞ。)
教科書的な楽器の解説を期待してここに来た方もいるかとは思いますが
ここではそういうことをするつもりはありません。
アカデミックな解説を披露するほど専門的な素養があるわけでもありません。
 
ここではBig-Mの音楽経験に基づく独自のベース観みたいなものを
披露できればと思っています。まあ、とにかくご覧になって下さいな。 
 


低 音 琴 的 全 貌
 ベースとは? ベースの構造  ベースの歴史と奏法 ベースの生産事情 ベース関連グッズ


 
ベースとは?

ベースとは、皆様ご存知のとおり、でかい木の箱に弦を張ったクラシックで使われるあのばかでかい楽器である。
エレクトリックベースと区別するために、ウッドベース、コントラバス、アコースティックベース等色々な呼び方がある。アメリカでは「アップライトベース」などともいうようである。
中国語では「巨人的提琴」と呼ぶのだそうだ。 そのまんまやんけ。

バンドマン連中の間ではさらにいろんな俗称が流通しているので話がややこしい。

「ウッベー」とか「アコベー」とか省略して言われることがよくある。
業界慣例のさかさま言葉「スーベェ」は最早死語だろう。
またその形状から「ハコベー」なんていったり(春の七草ではないだろうが!)
挙げ句の果てに「ナマベー」なんていう輩もいるが「ナマベー」はなんとなく語感がアヤしいので止めておいた方がいいと思う。
 
しかし余計なことを言わずに「ベース」といえばいいのではないか。
現代ではベースといえば「エレクトリックベース」のことをイメージすることが多いだろう。しかーーしである!大御所のレイ・ブラウン曰く、
「ベース」と言えば400
年前からあのばかでかい胴体を床におったててぶんぶん弾くヤツに決まっとる!!
のだそうである。
首から紐でぶら下げて電気で増幅してびんびんやるやつは「エレクトリック・ベース・ギター」すなわちベースを真似た電気ギターであって「ベース」とは全く別物の楽器なのである。形状や構造からいってどう見たってギターである。
楽器の分類学的にもギター・リュート属の楽器であってヴァイオリン・ヴィオラ属の楽器ではないはずだ。そこのところをよーくご理解願いたいのであーる。
 
ということでこのべーシスト専科で扱う分野であるが、基本的にアコースティックベースに的を絞って情報を掲載したいと思う。

エレクトリックベースの分野についてはネット上でもすでに様々なサイトが存在するし、いまさら私自身口を挟む余地もないと思われる。
エレクトリックベースの情報についてはそーいったEベース専門のサイトを参照することをお勧めする次第だ。
 



  
ベースの構造
 
くどくど語るより実物を見るのに越したことはない。
実物を眺めてみることをお勧めするが、そういう機会に恵まれない人も多いだろう。
ということで恥ずかしながらBig-Mの所有楽器の画像を公開することにしよう。

 
 ・全体像   ・ボディ   ・魂 柱   ・ネック  ・駒(ブリッジ)  ・弦 

  
  
ベースの歴史と奏法

歴史的に見るとベースの原形が現れたのは16世紀とも17世紀ともいわれ、本来クラシック音楽の長い歴史の中で発展してきた楽器である。
先にもいったようにベースはヴァイオリン・ヴィオラ属の系譜の楽器だが、その起源は中央アジア、インド、アラブの弓奏擦弦楽器がサラセン帝国の勃興によってヨーロッパにもたらされた11〜12世紀にまでさかのぼれるそうである。
その後16世紀までにヨーロッパで様々の改良が加えられて「ヴィオラ」の原形が生まれ、その高音用のバージョンとして「ヴァイオリン」、低音用のバージョンとして「チェロ」が開発されたそうなのである。
そして「チェロ」よりさらに低い弦楽合奏用の低音パートの楽器として「ベース」当時の工匠の手によって製品開発されたのは17世紀のことである。

というような歴史背景から、ジャズの世界で使われる場合にも奏法などにクラシック音楽の蓄積を多分に継承しているわけなのである。
また一見ヴァイオリンやチェロの親玉のようにみえるが、楽器の構造的にはヴァイオリンやチェロよりも古いヴィオールとかヴィオラ・ダ・ガンバといわれる古楽器の特色を色濃く残している。
弦の調弦もヴァイオリンやチェロが5度であるのに対してベースは4度である。
弦の数は基本は4本、クラシックでは5弦の楽器も使われる。

さて、このベースがジャズの世界に出現したのはいつ頃からだろう。

19世紀末にジャズの原型らしき音楽がバディ・ボールデン等の手によってニューオリンズに出現したのだが、当時の写真を見るとそのころからベースがバンドのパートとして登場していた。
音源も譜面も残されていないからどんな演奏が行われていたかは定かでない。
今日の指弾きのピチカート奏法と違って弓弾きでブラスバンドのチューバのようなスタイルで演奏されたと想像されるのである。

1920年代のデキシーランドジャズ辺りまでは、ピチカート奏法ではあるが2ビート奏法であり、マーチングバンド的な4分の2拍子のリズムでチューバの代用を努めるといったスタイルであった。
その後スイングジャズ全盛時代に四分音譜で4ビートを刻む流麗でドライブ感のある奏法に変化した。
さらにその後ビバップやモーダルなスタイルなどの変遷に伴って若干の奏法の変化は見られるが4ビートをひたすら刻むベースランニングという演奏の形は連綿と引き継がれて現在に至っている。
一方でジミー・ブラントンスコット・ラファロ等を起源とする、リズム楽器としての役割を越えて管楽器のようなメロディー楽器として演奏するという奏法の系譜も現在に継承されている。

70年代以降になるとアタッチメントで電気的に拡声する手法が普及し表現方法も多彩になってきている。また4ビート一辺倒でなくリズムも多彩なものになってきている。
しかしながら使っている楽器自体は100年前のバディ・ボールデンバンドと何ら変わりはない、このことに注目いただきたいのである。
 




ベースの生産事情

さてエレクトリックベースと違いベースにはフェンダーやギブソンなどの定番メーカーが存在するわけではない。
日本ではクレモナ、オリエンテ、鈴木などのメーカーがあるが、メーカーといってもほとんど徒弟制度の工房といった感じの製造現場である。なにせ年間そんなにばかすか数が売れる商品ではないのだ。
本場のヨーロッパでも似たような状況であるようだ。ただし本場のことメーカーの数は圧倒的に多い。小規模な工房で手工業的に生産されている。名のあるマイスターの手になる作品はそれ自体芸術的な工芸品といった感があるのである。
日本で入手できるものもドイツ、フランス、イタリアにはじまりオーストリア、チェコなど様々な国で作られている。最近では中国製の楽器が多く出回っているようである。
オールド楽器となるとこれはバイオリンの世界と同じで気の遠くなるような値段の
ものがある。
私は一度ストラディバリウスと並ぶ名匠アマーティの古楽器を試奏するという貴重な機会があったのだが、こういう超ビンテージものは実にもうまーーーったく次元の違う音がするのである。
天才的な製作者アマーティの手になるこの名品は、まるで楽器に魂があるかのように音が鳴ってくれる。楽器を弾くというのでなく楽器の魂が自分に入り込んで操られて弾かされているという気分になるのである。
かの妖刀正宗が刀を持つものの心を狂わせ、人を殺傷したいという衝動に駆り立たせるのと同じ現象であろう(全然違うのではないか・・・)

しかしいい経験をさせてもらったものである。
 



ベース関連グッズ

 ボウまたはアルコともいう。
ドイツではボーゲンというがこれはけっして暴言ではないことをお断りしておく。
ベースの弓にはフレンチ・スタイルジャーマン・スタイルの2種類がある。
ジャーマン・スタイルはフレンチと比べ、弓の竿の太さは細く、弓の毛の長さは長い。
 

 演奏法は、フレンチがチェロのように手の甲全体を弓の竿にのせるように弓を持ち演奏するのと異なり、ジャーマンでは弓の竿の上に親指だけを乗せて、手の甲は竿の下を向けて左右に動かすという奏法となる。
日本ではドイツやオーストリアのように、このジャーマン・スタイルがいままで一般的であった。しかし最近クラシックの世界ではフレンチ・スタイルが流行してきているようである。

私が使用している弓はドイツ式で、西独の W-SEIFERT製のものである。
1983年に渡欧したときに西独のケルンの楽器店で購入したものだ。
これは結構いい弓らしいのだが、残念ながら充分使いこなしていない。
ところでいま息子にヴァイオリンを習わせていて、彼の練習を見ても感じるのだが、弓を使いこなすにはやはり我流はだめでじっくり正規のトレーニングを積むことが必要だ。
機会があればじっくり正規のレッスンを受けたいのだがヒマもなし、金もなし・・・

アンプとアタッチメント
 現代のベース演奏には、必ず電気的な増幅の問題がついて回る。
これがまた実に厄介な問題を含んでいるのである。
この問題について詳しくはベース問答のコーナーの方で取り上げるつもりなので乞うご期待!!

○アタッチメント(ピックアップともいう)
  力まかせにぶっ叩くドラムプレイに音量的に対向するためには、ベース用に作られたピックアップをベースの本体に取り付けアンプを鳴らして電気的に拡声する必要がある。
 ピックアップはセラミックなどの圧電素子を利用したものが一般的である。マイクロホンと違って駒に伝わった弦の物理的な振動を直接感知して電気信号に変えるものである。メーカーとしてはアンダーウッド、バーカスベリー、フィッシュマンなどがあるが、私はアンダーウッドを使っている。

○アンプ
  アコースティックベースをいい音色で拡声してくれるアンプはそんな多くはない。
エレクトリックベースでいい音で鳴る機器が必ずしもアコースティックでいいとは限らないのだ。
  
現場で好んで使われるアンプとしては、ポリトーンギャリアンクルーガーといったメーカーのものが有名。
最近ではSWRハートキーのものが評判がいい。
ピーターソンという優れたアンプがあったのだがこのメーカーはつぶれてしまって今はもうない。
 ここで紹介するアンプはいずれも「コンボ」と呼ばれる小型のアンプである。
 これらはいずれもアメリカやヨーロッパ製である。技術大国わが日本製のベースアンプは残念ながらアコースティックベース用で使い物になるものは皆無である。
アコースティックベース用として設計された機器がないのである。
したがってアメリカ製の製品の中で自分の気に入った音のものを選ぶというのが実態である。


 私の場合はカリフォルニアのメーカーである
ギャリエン・クルーガー社(GK)
のMB200というアンプを使っている。

 w35×h36×d19cmというコンパクトなサイズだが200ワットのハイパワ
ーで、多くのプレイヤーが使っているアンプである。
このアンプは約10年ほど前に購入したもので、現行のGKのコンボモデルとは少し仕様が違う。
 かなり酷使をして来ているが、見かけによらず堅牢で、音質も変化はない。
 電気もので10年使ってガタがこないというのはなかなかのものである。

 それからこのアンプは肩掛け用のストラップの付いたソフトケースが別売りで用意されている。

 ここのところがミソで、右肩にWベース、左肩にGKをかついで歩いて移動
できるのである。(といっても実際これをやると2,3日足腰が痛くてえらい目に会うのであるが・・・)
 とはいえ駐車場事情の悪い都心で仕事をするミュージシャンにとっては重宝極まりないスペックのアンプであるといえる。現場での使い勝手を十分考慮した開発者の姿勢は賞賛に値する。
 肝心の音質だが、デッドな残響の少ない音場であればかなり生音に近い自然な音がする。残響の多いライブな音場の場合は多少音の抜けが悪くなるのが難点で、その点ではポリトーンやピーターソンの方が勝っているかもしれない。
 またジャズオルガンプレイヤーや、オベイション等のピエゾ系のギターのプレイヤーにもこのMB200を使ってる人が結構いるようだ。

 ところでこのギャリエン・クルーガーだが、どうも最近製造が中止されているようである。会社が潰れたという情報はないのだが、近況をご存知の方はぜひ情報提供願いたい・・・
 と言ってるうちにジャズライフ誌の99年7月号にギャリエン・クルーガーの新製品がでたという記事が掲載された。
 GK社は健在であるようだ。
 
ケース
 日常一番お世話になる、これがなくてはどうしようもないというのがケースである。
 私が使っているのは大阪の鈴木弦楽器のオリジナル製品のソフトケースだ。
 使い勝手もよく、作りもしっかりした優れものである。

 

 


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