特許戦略の初歩その7





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意匠登録の利用

先に説明した実用新案登録に続いてここでは意匠登録について説明します。意匠登録も独占権のため、工業的なデザインに 独創性がある場合に利用されています。登録要件には、新規性や創作の非容易性などが必要とされていますが、1つ重要なことは物品の外形形状や模様などについて成立する権利で、その形状等を真似することを排除するために登録が行なわれる点です。また、意匠権の権利行使には、類似する意匠という概念があり、登録した意匠とこれに類似する意匠も専有できる範囲になっています。意匠の類似の範囲ですが、デザインのコンセプトを抽出して似ているというものではなく、ぱっと見たところ似ているという程度の範囲になっていますので、残念ながら特許のように設計思想そのものを独占するには難しいものがあります。しかしながら、形状等が既存のデザインから変わってくれば登録になりやすく、権利設定までの待つ期間も短く、権利期間は15年間ですから、流行に左右されるデザインの保護には有効な制度になっています。また、費用の点でも、代理人の費用を入れておおむね特許の3分の1から5分の1程度の費用で権利を発生させることが可能です。

意匠登録の例 意匠公報からの抜粋

電動歯ブラシ
意匠登録第1219080号
眼鏡
意匠登録第1203918号
菓子
意匠登録第1184319号
乗合自動車
意匠登録第1160786号
酒瓶
意匠登録第1218613号
マウス
意匠登録第1192320号
ロボットおもちゃ
意匠登録第11611485号
ロボットおもちゃ
腕・指が開いた状態
意匠登録第11611485号
ロボットおもちゃ
腕・指が閉じた状態
意匠登録第11611485号

意匠登録出願についてワンポイント情報

  意匠登録はそっくり外形を真似るものに対して有効なのですが、特許などに比べて権利範囲は狭くなりがちです。そのような場合でも、次の手段を使うことで、ある程度意匠権の範囲を広めに設定することが可能です。

特許と意匠登録の比較 

 特許と意匠登録の比較をしてみます。

 特許意匠
権利期間出願から20年登録から15年
審査請求制度権利化に審査請求が必要(出願から3年以内)自動的に審査される。
保護対象物や方法の発明物品の形状、模様、色彩、又はこれらの結合
出願変更特許出願には意匠登録出願から3年以内又は最初の拒絶査定から30日以内であれば出願変更可能意匠登録出願には、特許出願から最初の拒絶査定から30日以内であれば出願変更可能
権利の強さ無効審判に対抗して訂正可能、侵害者の過失推定。特許権とほぼ同様な独占権を発生させる。
費用出願から権利まで、およそ50万円~80万円程度**出願から登録まで、およそ15万円から25万円程度**
**は概算で一般的な弁理士費用を含みます。

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