特許戦略の初歩その6





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実用新案登録の利用

実用新案法の改正によって平成17年4月1日から実用新案登録の利用が活発化するものと予想されています。ここでの主な改正点について説明致しますと、まず第1に、原則として出願から3年以内の期間内で実用新案権(登録後)から特許出願への切替ができるようになります。第2には、実用新案権の権利の存続期間が出願から6年という期限から10年に延長されます。第3に、無効審判を請求された場合などにおける訂正を1回にかぎり可能としています。正直なところ実用新案制度が無審査制度となったところで、あまり利用されない制度になっていましたが、その原因としては権利期間が短く、特許として出しておけば20年の保護も可能だったと後悔するよりは、初めから特許をすすめる方がむりもなく、いざ権利行使する場合は、権利範囲である実用新案登録請求の範囲を訂正できずに削除だけでしたので、請求の範囲に無効事由がある場合は身動きできないという不便さがありました。今回の平成17年4月からの制度では、これら不便なところが部分的にも解消されるように改正されています。

 それでは、特許と実用新案(改正後)の比較をしてみます。

 特許実用新案登録
権利期間出願から20年出願から10年*
審査請求制度権利化に審査請求が必要(出願から3年以内)無審査で登録
保護対象物や方法の発明物品の形状、構造、又は組み合わせ、方法の考案はなし
出願変更特許出願には登録後でも出願から3年以内であれば出願変更可能*実用新案登録出願には、特許出願から9年6月以内であれば出願変更可能*
権利の強さ無効審判に対抗して訂正可能、侵害者の過失推定。訂正は1回だけ、行使した権利が無効の場合、損害賠償責任が生ずる。
費用出願から権利まで、およそ50万円~80万円程度**出願から登録まで、およそ25万円から35万円程度**
*は改正後の実用新案についての記載です。**は概算で一般的な弁理士費用を含みます。

実用新案登録は、比較的に簡単な物品の形状、構造、又は組み合わせであっても登録を得ることが可能で、独占権であることにおいて特許と何ら変わらず、しかも無審査で登録することができるという特徴を持っています。無審査で登録されることから、侵害事件の場合には慎重に対応する必要が生じますが、第三者への参入抑止効果や裁判を提起せずにライセンスで紛争を解決するとの方針の場合では、実用新案でも機能します。仮に裁判所に持ち込まれた場合でも、極めて容易でなければ登録要件が維持されるため、以外のほか権利濫用にはなり難く頑丈です。権利の存続期間は特許に比べて短くなりますが、もし10年で製品の寿命がカバーできるなら、無審査による登録までの速さや必要な経費などについては実用新案は特許に比べて優位にある制度になったと思われます。

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