特許戦略の初歩その5





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特許かノウハウか

特許によらないアイデアの保護手段としてノウハウで守り切るという方法もあります。特許出願した場合には、原則として18ケ月後には公開されますので、技術内容が他人に知れるところとなってしまいます。ただし、特許が成立していれば、法的保護を受けることができ、知られていても他人は無断で実施できない状態になります。しかしながら、競合企業に対して18ケ月以上の技術的な先駆性がある場合には、敢えて特許出願により開発のヒントを与えることはライバルに塩を送るものとなり兼ねません。

ノウハウとして維持できるか否は、簡単には1つの判断で良いように思います。それは“製品を販売したり、製品を公知なものにした場合であっても、技術を秘密に保つことができるかどうか”です。半導体チップのように、どのような製造方法で作成されたかが、レイヤーの解析でわかる場合には、半導体チップの販売によって、ノウハウの保護は失われると思って良く、発明の保護には特許などの権利取得が必要になります。製品が世の中に出回っても、どのような構造かは分解してもわからず、そのように作ったか不明である場合には、特許を取得しなくとも、秘密がばれなければ独占可能です。

このように特許で保護するかノウハウを守って行くかは、アイデアや発想の早い時点で判断する必要があります。現実には、製品が出回っても構造が不明であったり、つくり方が判らないものも多くないため、独占を図るためには特許出願が必要になってきます。

ノウハウとして保護する場合の注意としては、例えば従業員に対する守秘義務を徹底化するなどの秘密事項の管理体制が挙げられますが、特に、後発の同じ技術を持つようになった競合相手が特許を取得して行使してくる場合を想定し、先使用権を主張するための証拠固めなども必要となります。生産設備の機械図面などは、日付を明確にしながら且つ第三者に知られずに保存する方法が求められます。

他人に企画やアイデアを話す前に
アイデアや発想がノウハウでは保護できない種類のものであり、売り込みの必要性がある場合には、そのアイデアや発想の公開やプレゼンテーションの前に、特許出願を済ませておくか、話す相手に対して守秘義務契約を結んでもらうか、あるいは守秘義務がある人だけにその内容をしゃべるかのいずれかの方法が、技術の独占に必要となります。このうち、しゃべる相手が守秘義務を負うものだけとはかなり制限された人だけに公開する形式になり、守秘義務契約も当事者間の契約であることから最終的に技術の法的な独占にはならないことがあり、実は最も手っ取りばやく確実な方法が特許出願や実用新案登録出願になります。

既に他人に技術内容を知らせた場合には、原則的に新規性を失ったものとなり特許を受けることができなくなります。しかし例外的には、学会や展示会での発表や守秘義務を負うものが義務に違反して技術を公知にしてしまった場合などでは、救済規定(詳しくは特許法第30条)により救済される場合もあります。

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