<2001年7月14日(土)放送分>


藤原京で生まれた大宝律令


藤原京の謎を探る“ミステリアス藤原京”の第4弾は、先月、大量の木簡発見の発表があったことで話題騒然の大宝律令のお話です。木簡は、1300年前の701 年に制定された大宝律令に関連する、ある役所の公文書でしたが、どんな公文書だったのか、また、そもそも大宝律令って何なのかなどを、奈良文化財研究所資料調査室の研究員、山下信一郎さんにお伺いしました。

   



 


Q:大宝律令って、一言でいうと?
・政治の基本になる法律で、日本最初の本格的な法典
・今の刑法にあたる“律”が6巻、今の行政法などにあたる“令”が11巻
 
Q:いつ、誰が作ったんですか?
・藤原京時代の701 年、文武天皇が、天武天皇の子の刑部(おさかべ)
 親王と藤原鎌足の子の藤原不比等らに作らせた
   
Q:具体的に、どんなことが定められていたんですか?
・元号が法制化されて、701 年が大宝元年に
・今年、日本で行われた中央省庁の再編のようなことが行われた
・それまで、大きく分けて6つだった役所が、8つになり、2人のトップ官僚
 も決められて、“二官八省制”となった
・一方、地方行政の仕組みも整えられて、国-郡(こおり)-里がその単位
 となり、今の都道府県や市町村に相当するものができた
・そして、中央政府から派遣した役人の権限を強めて、地方豪族の力を
 弱め、中央集権国家の形を整えた

Q:6つから8つになった役所の内、新しくできた2つとは?
・天皇の秘書室的な中務(なかつかさ)省と、
 宮中の庶務・調度を扱う宮内省
  <参考→他の6省>
   式部省-文官の人事、朝廷儀礼 、大学管理
   治部省-氏名、相続、婚姻の事務など
   兵部(しょうぶ)省-軍事一般
   刑部(けいぶ)省-裁判、刑獄、身分管理
   大蔵省-出納、物価、度量衡
   民部省-戸籍や租税
       
Q:6月27日に、こちら奈良文化財研究所で、大宝律令に関連する
    ものが発掘されたと発表されたものは?
・木簡がおよそ1200点。多くが、中務省に関する公文書
 例えば、藤原宮から外へ物資を運び出す場合は、この中務省の許可
 がいったが、その申請に使った木簡や許可のサインの入った木簡など
   
Q:どんなことが分かりますか?
・大宝律令に基づく新しい行政システムが機能していたこと
   
Q:他に発掘されたものは?
・藤原宮から南へ250 mほど離れた所に中務省と思われる大型の建物跡

   
Q:それは何を意味するのですか?
・省庁再編にともなって新しく作られた中務省が、藤原宮の外で執務をして
 いた。こうしたケースは初めて

 
 なお、今年の秋、橿原市では、
大宝律令制定1300年を記念するビッグなイベントが行われます。
詳しく決まり次第、ご紹介します