<2002年3月9日(土)放送分>


ミステリアス藤原京 part12

発掘調査の謎に迫る!

遺跡の発掘調査の手順などについては、素人にとって謎が多いものです。まさにミステリアス。たとえば、どうしてあんなきれいに建物跡の穴とかを掘ることができるのか、不思議です。そのあたりを含めて、いつものように、奈良文化財研究所考古第一調査室の安田龍太郎さんに、お話をお伺いしました。
Q:発掘現場に行くと、建物跡の穴や溝がきれいに残っ
  ていますが、どうしてあのように発掘できるんですか?
  一緒に掘ってしまわないんですか?

・手順としては、まず、ある程度、広い範囲にわたって上の
 土を取り除いていく
・もし柱の根っこなどが残っていれば、それで掘れる
・残っていなくても、土の質や土の色が違っているので、
 それに従って掘れば、あのように発掘していける
 

Q:せっかく掘った物を、なぜ埋め戻すのですか?

・掘ったらすぐに埋め戻すわけではない。写真を撮ったり、
 図面を書いたりして、しっかり調べてから埋め戻す
・そうした写真や図面、出土品などの資料は、それ以後も
 長い時間をかけて調査、研究される
・一方、現場の埋め戻し作業の理由だが、そのまま放置
 すると、雨風や霜などで傷んで崩れたりするから、
 埋めて保護、保存する

Q:埋め戻したら分からなくなりませんか?

・埋め戻しは、掘った土でするのが基本
・ただし、壊れそうな所があったら、山土で補強した後に、
 掘った土をかぶせたりする。例えば、石垣のようなものを
 埋め戻す場合は、崩れないに補強してから
・また、後世にまた掘るかも知れないので、その時によく分
 かるように、砂のようなものを敷いてから掘った土をかぶせ
 たりする
・そのようにすれば、土の上から踏んだりしても、下の遺跡
 の後などは崩れない

 

Q:埋めた後の活用法は?

・藤原宮は史跡に指定されているので、既に一部分は、
 発掘成果に基づいて整備が行われている
・具体的には、埋め戻したあと、その上の部分に遺跡の
 表示をしている
・例えば、藤原宮の南西の隅にある藤原宮の塀の跡は、
 土を盛り上げてその位置を表示し、その上に芝をはって
 いる。また、その内側と外側に溝があるが、その部分は、
 バラス(砂利)を敷いている

:出土品について、教えてください

・出土品→藤原宮から出てくるのは、主に、土器、瓦類、
 他に、木簡もある
・調査したあとは、調査を担当した機関が収蔵するが、
 その内の一部は展示されている
・藤原宮は奈良文化財研究所が発掘調査研究をしている
 ので、奈良文化財研究所が収蔵し、一部を展示室で展示
 している
・藤原京部分については、その多くの部分を橿原市が発掘
 調査研究しているので、そこで収蔵、一部を展示している