20035月10日(土)オンエア
橿原考古学研究所附属博物館
春季特別展
「古墳時代の馬との出会い〜馬と馬具の考古学


 


千賀久さんに伺いました


金ぴかの飾りは権威の象徴か?


馬具を見ると当時の乗馬の様子が浮かんでくる


有名な藤ノ木古墳の馬具も展示


埴輪のレプリカには説明書きも


橿原考古学研究時附属博物館の春の特別展
「古墳時代の馬との出会い〜馬と馬具の考古学」が、
今、好評開催中です。
日本で馬に乗ることが始まったのは、古墳時代。
乗馬は、馬とともに大陸から伝わった渡来文化であり、
これが古墳時代の大きな特徴でもあります。
この特別展では、乗馬の風習を示す、
埴輪や馬具などの出土品を中心に、
展示が行われています。附属博物館の総括学芸員の
千賀(ちが)久さんに、お話をお伺いしました。


木村:ずいぶん昔から、人の側に馬はいたんですか?

千賀:古墳時代、5世紀の1500年近く前に、
    日本列島にやってきました。


木村
:その頃は、どういう風に人と関わっていたのでしょうか?

千賀:それを知る一つの手掛かりは埴輪なんですけども、
    それから見ると、一つは、人が乗るために装備をつけた馬、
    もう一つは飾りの金具を付けた「飾り馬」、
    それともう一つは、おそらく労働用に使われた
    使役の馬もありますね。
    さらに、戦争に使われた馬、こういったものが、
    当時の馬の役割として考えられます。


木村
:埴輪でよくイメージされる飾りのついた馬がありますけど、
    飾りも今回はたくさん展示されていますね?

千賀そうですね。一言いいますと、金ぴかの金具が多いんですよ。
    おそらくこれは、権力者の自己顕示欲といいますかね、
    よく我々が権威の象徴というような言い方をしますが、
    当時の人にしたら、こういう金ぴかの飾りをつけた
    いい馬に乗っているんだ、というそれを周りに見せるのが、
    馬の役割の大きなものだったんじゃないでしょうか。
    それを金具で見ていただきたいと思います。


木村鞍(くら)とか轡(くつわ)というのがよくありますが、
    それ以外にも、どういう風に使っていたんだろうか
    というような、アクセサリーですよね、
    ハート形のものがあったり、剣の形とか。
    ああいうのは、時代も分かるし、
    持ち主の力も分かるわけですか?


千賀:それと同時に、金具を細かく見ていただきますと、
    それを造る技法といいますか、
    金工の技法が手に取るようにわかる、
    それだけ精巧な造りをしたものが中にはありますので、
    例えていうなら、奈良県の藤ノ木古墳がすごい細かな
    紋様表現をしているように、今回の展示も実物を見ていただく
    ことで、昔の技術がかなり進んでいたのだということも、
    ぜひ見ていただきたいポイントかと思いますね。


今回は、全部でおよそ520 点の資料が展示されています。
そのうち、10点ほどが埴輪です。馬に関しての実際の馬具や埴輪を、
まとまって見ることができる貴重なチャンスです。
ぜひお出かけください。


「古墳時代の馬との出会い〜馬と馬具の考古学」
開催期間:6月8日(日)まで
開催会場:奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
研究講座:5月11日(日)と25日(日)に開催。
     (11日は千賀さんによる「馬と馬具の考古学」です)
金工の実演:5月17日(土)には、現代の金の工芸師が来て、
       当時の馬具づくりのように、たがねを使って
       彫りものをする金工の実演を開催
入館料:大人800 円、大学生高校生500 円、小中学生300 円
開館時間:午前9時〜午後5時(火−木)、
      午前9時〜午後8時(金−土)
      *入館はそれぞれ閉館30分前まで
休館日:毎週月曜日
行き方:近鉄橿原線の畝傍御陵前駅から、徒歩5分
電話番号:0744−24−1185