ペラヘラ祭

シギリヤからダンブッラへ。ダンブッラからキャンディへ。
キャンディ。この旅の最後の目的地だ。

バスを乗り換え、乗り換え、キャンディを目指す。


スリランカ人は見た目インド人にそっくりである。
だけれども、インド人の狡猾さはそこには無い。
(狡猾さ、なんて言葉を使うのには若干の躊躇いがあるけれど、
 旅行者の目に映る現地人の特性として、それはあくまで真実であると思うから言ってしまおう。)

インドほど観光客ズレしていないからという理由もあるにせよ、
やはりそこには宗教が密接に絡んでいるように思う。

インドはヒンドゥー教。
スリランカは仏教。

別にどちらの宗教が優れているなんてハナシはするつもりもないが、
基本的に、仏教国(そして仏教をより強く信じている国であるほど)は治安も良く、
そして人々も優しい。

チベットしかり。ラオスしかり、スリランカしかり。

、てなわけで、今回の旅ではいろいろな優しさに出会った。

冒頭のラシクしかり、
バスの中で降りる場所が分からなければ隣の人がもんの凄く親切に教えてくれる。
込み合ったバスの中で立っていれば座席に座っている人が一言。

「兄ちゃんそれ持つよ。」

、見ると、その人の膝の上には既に大小様々、より取り見取りのバッグの山。
どうも座席に座ってる人が立ってる人の荷物を持ってやる、というのが
スリランカ的・カルチャーらしい。

「取られるんとちゃうか。」という疑念はあまり抱くことが無かった。
これがインドだったりなんかした日にゃぁ、
白い歯を見せつつ、
「ノーサンキュー☆」なんてのたまっちまいそうだけれども。

よほど日本人が珍しいのか、まぁとにかく良くジロジロと見られる。
かといって、視線が合うと逸らすわけでもなく、ニカッと白い歯を見せて皆笑顔。
子供も、兄ちゃんも、おっちゃんも。

いやいや、こいつぁーほんとーに気持ちの良い国だった。

人々の良さ、という点においては、
チベットやラオスに近く、やはり観光客ズレしていない国は実にお勧めなのである。



着いたキャンディはまさしく人の洪水だった。
インドを髣髴とさせる。
あるいは週末のシブヤスクランブル交差点でも良いのだけれども。

ペラヘラ祭、という1年に1度行われる祭の最終日なのだった。
別にこの祭を見に来たわけではないのだけれど、
当初なんとなく決めていた旅程にピタリとはまっていたわけで、
こうなりゃもう、ペラヘラ祭とかなんとやらを、見ないで帰るわけには行かないのだった。

祭は夜の8:30スタート。
まだ16時だというのに、沿道には人々が座り込んでいる。

そうだよなぁ。日本の隅田川花火とかも朝から皆座ってるんだもんなあ。

そんな、妙にヘンな納得の仕方をして、
ここは社会人たる余裕。
「金のチカラ」を使い、リザーブシートを購入するのである。

ひっきりなしに寄ってくる呼び込みに
視線を合わさず「ハウマッチ?」と聞く。
申し合わせたように一人3000ルピー。(≒3000円)
だめだこりゃ。そのまま通り過ぎようとすると

「オーケー、ハウマッチユウペイ? ユウセイプライス ヘイ! ヘイ!! ヘイ!!!!」

そんな声が喧騒の中に埋もれて消えていく。

いずれにしろ最初の言い値が3000ルピーでは、ディスカウントしてもたかが知れている。

そんなやりとりを何回か続け、
こりゃ立ち見かな。。。なんて思い出した頃。


「ハウマッチ?」

「1000ルピー。」


・・・・1000ルピーだと?! 
思わずその場でOKサインを出しそうになった。
ほいほいと付いていくと民家の屋根の上。

かしこまったリザーブシートではないけれど、これで十分だ。
民家の家族たちと一緒にペラヘラ祭を見学することになった。



06.04.21


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