鈍行日記 2001年 7〜8月


2001年7月10日 
日記書きかけだぁ。明日書こう。

追記:このHPの内容とはあんまり関係ないのだけれど、ジョーマッコイ、倒産したらしいですね。(未確認情報)
    これ、ジーンズ好きや、ミリタリーウェア好きの人には、凄まじいニュースですよね。
    何気に俺もめっちゃショックです。哀しいです。lot906xhとか、A2とか、今のうちに買っておこうかな。
    ってお金ないや。

    


2001年7月12日(木) 世の中は無情だ。
やれやれ。えらい目にあったがな。

話はおとついの夜にさかのぼる。

家に帰ってパソコンを立ち上げる。
インターネット・エクスプローラーを起動。
接続ボタンをクリック。


ぷーっ、ぷーっ、ぷーっ。


ん??? あれ? なんで?

電話機を見る。
いやいや、オンフックにはなってへんぞ。

配線を調べる。
いやいや、ネズミになんて食われてへんぞ。

なのに、なんでぷーっぷーっとか言ってんのこのコは??


しばし考えた後、
はっと思い当たることが一つ。

恐る恐る、ドコモクンから、家の電話にかけてみる。

ピンポンパンポーン。
あなたがおかけになった電話は、現在、お客サマの都合により、通話ができなくなっています。


・・・・やっちまった。

机の上のABロードや、サーフボードカタログや、カスタムパーツカタログの横には、
たまりにたまって忽然とそびえたっている、請求書の山。

あえて見てみぬふりを、今まで続けていたのだけれど。


やむをえん。
俺も男だ。
目の前に山があるなら、それに登らないわけにはいくまい。

覚悟を決め、猛然とアタックを開始する。

びりびりびりっ (←これ、封筒破る音ね。)
水道代×1=3759円

びりびりびりっ
ガス代×2=2321円

登っても登っても、山頂が見えず、
だんだんと青ざめていく、僕の顔。

びりびりびりっ
電気代×2=5792円

びりびりびりっ
電話代×2=21835円


・・・・で、請求書の山の登頂費用は、しめて3万3千707円なり。


・・・・ああ、神様、なんと無情なことに、
僕のアジアと、僕の新しいサーフボードと、僕のウインカーが、また遠くに行ってしまいます・・・・。



・・・・いや、つーか、明日のおまんまが食えねーよ。俺。



追記:今日の鵠沼はオンショアで波がゆれまくり。かなり最悪でした。
    でも、ギャルの数は着実に増殖中。
    うーん。夏ですね。

   


2001年7月14日(土) 想像してみよう。
さぁ、想像してごらん。


昨夜の内定者懇談会で無理やり飲まされ、終電で帰った後、スーツのままベッドの上に倒れこんでしまい、
二日酔いでガンガン痛む頭を振りながら、


おとついの湘南で、2週間ぶりの波乗りにはしゃぎすぎたため、未だに残っている、
全身の筋肉痛の痛みに顔をしかめながら、


3日前、ようやくクーラーを修理してもらったにもかかわらず、再びあっさりと壊れてしまったらしく、
凄まじいまでの熱気でムンムンとしている部屋の中で全身に汗をかきながら、




起床する朝の事を。





・・・・いやすぎます。(涙)




追記:でも、本日、またまた業者の方に来てもらいまして、クーラー、やっと完全に直りました。(実に2週間振り)
    「いっしゅうかんまてゆうからがまんしてまってようやくなおしにきたおもったら
     まったくなおってへんやんけほんまにどないなっとんねんええかげんにせえよぼけぇ!!」
    みたいな事を、暑さで朦朧とする頭にまかせて口走ったら、
    すっ飛んできてくれました。めでたしめでたし。

2001年7月20日(金) 日本のTV番組を糾弾する。
世の中には、許しがたい番組というのが時に存在する。

暴力シーンが絶え間なく画面に現れるドラマ。
いじめを誘発するようなバラエティ。
左翼的思想に常にその身を置き、体制を批判しさえすれば良いと思っているニュース。



うむ。全くもって許しがたい。

そんな中でも、僕がどうしても許しがたい番組がある。


ある日の夜。
学校帰りの近くのスーパーで食材を買い出し。
たまには夕飯なんて自分で作ってみる。

食材はいつもの通り、もやし玉ねぎ豚肉の切り落とし
家に帰ってコンポから流れるサザンなんて聞きながら、
鼻歌まじりで具材を炒める。

えっと、最初は豚肉を入れて、
肉の赤色が消えてきたら、
玉ねぎともやしを入れて、
適当にコショウと塩をかけて、
最後にソースを注いで、
また炒める、と。

決して高価な具材を使っているわけではない。
つーか、いつも豚肉だ。間違っても牛ではない。
コンロは電気コンロだ。
なかなか熱が通らず、いつも30分近く炒めている。
つーか、ソースとか注ぐといつまでもぐつぐつ言ってて、
炒めるというより、まるで煮込んでいるみたいだ。
決して凝った料理を作っているわけではない。
つーか、いつも相変わらずの野菜炒めだ。


・・・でも、愛情がこもっているのだ。
努力がこもっているのだ。
そしてそんな料理は、必ず、うまいのだ。


よっしゃ。でけた。
飯も炊きあがった。
皿をテーブルに運ぶ。
テレビをつける。



野菜炒めの湯気の向こうに映ったのは、草薙剛の顔。

本日の特選素材。鹿児島産、最高級の黒豚。
思わず、皿の中の豚肉をみる。
グラム○十円の、僕の豚肉切り落とし。

一流のシェフが、一流のキッチンで素早く料理を作っている。
思わず、僕のキッチンを見る。
さっきまで、30分かけてぐつぐつ野菜炒めを煮込んでいた、僕の電気コンロ。

画面の中でできる料理は、まさに百花繚乱。
思わず、テーブルの上の料理を見る。
僕の目の前にあるのは、あいかわらずの、野菜炒め。


・・・さっきまでの高揚した気分は、一瞬にして消えうせる。
そっとコンポの音量を絞る。
ただ、黙々と、目の前の野菜炒めを口に運ぶ僕・・・・。





・・・どっちの料理ショー、絶対に許すまじ。(泣)


いたいけな少年の純真な心を踏みにじりやがって。
抗議の電話かけたんぞー。こらぁっっー!!!(号泣)

   


2001年7月24日(火) このあまりにも衝撃的なドラマを皆サマの記憶にも刻み付けておいて欲しい。(前編)
えっと、たまにはバイクネタとか織り交ぜておかないと、
自分がバイカーであるという事実を忘れそうなのです。

で、バイクネタ。

おとついの深夜、ツール・ド・フランスをフジテレビさんが放送してました。
ゆうても、自転車レースとか、今まで全くもって興味なかったんすけど、
ついつい惹きこまれ、最後には、はからずもテレビ画面に釘付けにされておりました。
いやぁ、ルイ・アームストロングはかっちょいいですね。


って、コレ自体はバイクネタではないんですが、
言いたいのはここから。

ツール・ド・フランスを見ていて、思い出したんすよ。
あの、忌まわしき記憶を。
忘れようとしても、脳裏に焼き付いて剥がれない、衝撃的なあの記憶を。


舞台は98年のブエノスアイレス。
WGP(世界二輪選手権)250ccの最終戦・アルゼンチングランプリ。


・・・・といっても、別に僕がそれに出ていたわけではないのですよ。
って、そんなこと別に言わんでもわかってるがなぼけぇ。という話ですね。
はい、僕は当時、京都の下宿の15インチテレビの前でポリンキーをかじっておりました。
話を先に進めます。

最終戦までもつれた総合チャンピオンの行方。
アプリリアワークスの同僚、イタリアの英雄・カピロッシと天才ライダー・原田哲也。
13戦までの総合ポイント1位のカピロッシと、2位の原田とのポイント差、わずかに4ポイント。
このレースで先にチェッカーを受けた方が、栄光のチャンピオンの座をその手に掴むのである。

信じられないほどドラマチックなこの展開。
まさに、事実は小説よりも奇なり、である。


そしてレースは始まった。

(続け)


追記:数週間前、壁紙を取っ払ったのに続き、
    アンコールワットの夕景写真、そろそろ皆様も俺も見飽きてきたと思うので、あっさりと削除しときました。
    いやぁ、ますますシンプルになってきましたね。
    つーか、目指せ、日本一凝ってないホームページ。

   


2001年7月27日  哀・戦士 〜めぐり逢い〜
来週の研究発表に備え、
連日連夜の学校泊で
体はボロボロ。
目はショボショボ。
髪の毛はボサボサ。


で、本日も徹夜明けで、たった今学校から帰ってきたわけで。(現在PM1:00)




しかし、戦士に休息の時間はない。
つかのまの睡眠をとる暇さえ与えられず、
次の戦場へ向け、戦士は旅立たねばならないのだから。








・・・合コンと言う名の戦場に。(しかも2連戦らしい)


恥ずかしながら、不肖・潮見23歳、今の今まで知りませんでした。


合同コンパとは自らの命を削ってまでやるものだと言うことを。



って、普通はやらねーよな。(←合コンバカ)


追記1:てなわけで、現在めっちゃ忙しいので、
     前回の日記に書いたWGP話の続きはまた今度と言う事でご容赦下さいませ。
     (ほな、合コンやめろやっていう至極もっともな突っ込みは、なしで。)

追記2:昨日、ホームページ開設以来初めて、ユニークアクセス数40ヒット/日を達成しました。
     (ちなみにトータルアクセスは63ヒット/日でした)
     いやいや、素で嬉しいです。まじで。
     でも、一日40人来てくれてはるわりには、最近メールとか、とんと貰ってないような・・・
     ひょっとして、し、し、視姦とか? 放置プレイとか?
     (↑すんません。あまりの寝不足でナチュラルハイになってるただのアホですので気にしないよう。)

2001年8月3日(土) このあまりにも衝撃的なドラマを皆サマの記憶にも刻み付けておいて欲しい。(後編)
さてさて、めっちゃ鼻息を荒くしながら前編を書いたわりには、なかなか後編を書かない大罪人、潮見でございます。

・・・・・しかし、なんだかなぁ。
「衝撃的なドラマを皆様の記憶にも刻み付けておいて欲しい」って散々えらそげなことゆうときながら、
こんだけ長い事ほっぽりだしてたら、記憶に刻めつけるもクソもないわなぁ。
刻み付ける前に前編の記憶すら薄れますわなぁ・・・。

・・・てなわけで、前編はこちらでございます。 (前編を読んでない人もどうぞ。)


で、後編。


・・・そして全25周のレースは始まった。

4番手からスタートした原田は、負傷している足に痛み止めも打たず、まさに鬼神のごとき走りを見せる。
ロケットスタートは見事に成功。
3周目にはポールポジションスタートのカピロッシを抜いて早くもトップに立つ。

だがカピロッシも当然黙ってはいない。
9周目、原田を抜き返して再びトップの座にその身を戻す。

22周目、それまでジリジリと機をうかがってきた原田が執念とも言うべき追い抜きでまたもやトップに。

ところがその直後の23周目、痛恨のシフトミスを犯した原田に代わり、再度トップはカピロッシ。


・・・・・実際、凄まじいレースだった。
テーブルの上のポリンキーを食べるヒマさえない。
タバコの火をつけるヒマさえない。
そんなレースだった。

24周目。チェッカーフラッグまで、あと2周。
ラストスパートをかけるのは、トップのカピロッシ。
ぐんぐん離されて行く、原田哲也。
もうダメか・・・・
ポリンキーをかじりながら、ため息を吐く僕。


だがレースはまだ終わっていなかった。
25周目。最終ラップ。
カピロッシ、なんとここで信じられないコーナリングミス。
そしてその一瞬の間隙を、原田が見逃すはずもない。
猛然とカピロッシをぶち抜いていく、原田哲也のマシン。

慌てふためき追走するカピロッシだが、
再び原田を抜き返すには、チェッカーフラッグまでのその距離は、あまりにも短かすぎた。


・・・・勝った。ついに勝った。
最終ラップでのあまりにも劇的な追い抜きで、原田哲也が勝ったのだ。
98年度WGP250ccチャンピオンは、
日本が誇る天才ライダー、原田哲也。

最終コーナーを曲がれば、そこに待つのは栄光のゴールと、それと同時にもたらされるチャンピオンの称号だ。
やった、やったね原田哲也。
俺は今、猛烈に感動して
ポリンキーの食べカスやら、タバコの灰やらが絨毯に落ちまくっている事すら気づかないでいるよ。

ほら、原田、最終コーナーだよ。大丈夫。焦る必要は微塵もないんだ。
カピロッシとの差は充分に開いているし、そしてその差はカピロッシが君を抜ける距離ではないんだ。
後は君が、いつもどおりに、なんの焦りもなく、最終コーナーを曲がってくれさえすればそれで良いんだ。

さぁ、その先に見える最終コーナーを曲がって・・・・




・・・その瞬間、何が起こったのか僕には理解できなかった。
最終コーナーを抜けて、ゴールに飛び込んできたのは、
なぜか原田哲也ではなく、L・カピロッシだった。
チャンピオンの称号を手に入れたカピロッシの後に映し出された映像は、
最終コーナーに無惨に転がっている原田哲也のアプリリアと、
その最終コーナーに拳を何度も何度も叩きつけている、原田哲也の姿だった。






・・・・・なんじゃこりゃあっっ!! (松田勇作風に)



・・・・そしてそんな風にして、98年のWGPは、その幕を降ろしたのだ。



んー、あのあまりにも無謀で強引なカピロッシの突っ込み。思い出しただけでも腹が立ってくる。
ちなみにこの事故の映像はこちらにあります。ぜひ見てください。
もっと詳しくこの事故のことを知りたい方は、ぜひぜひ原田哲也普及委員会サマへどうぞ。




追記1:近々、HPの大改装予定です。
     ・・・・・だって、管理人の俺ですら、めちゃくちゃうざいんだもの。この縦スクロール。


追記2:まったり掲示板、長い事サーバーダウンしてるみたいですねー。
     今日の昼ごろには回復するらしいけど。
     皆様、レスできなくてほんまごめんなさい。

2001年8月7日(火) ディランもジャックもタバコ吸っちゃダメよ。
いやー、あいも変わらず、思いっきりぶっとんでおりますね。まったり掲示板のサーバー。
えっと、今日で、5日目ですか?
復旧して、ダウンして、また復旧して、ダウンして、ついでにもいっちょ復旧して、ダウンして・・・・って、
ここまでぶっとび続けると、なんか、逆にすがすがしいですな。



・・・・って、んなわけねーよ。こちとら冷や汗出まくりだよ。(泣)


閑話休題。

さて、今日のネタは、足の爪を切る時に、僕の右足に踏んづけられていた、ちょい前の某A日新聞サマからのネタです。
ちなみに親指の下にあった記事です。
ところで足の親指の爪を切るのは難しいですね。
あ、それで親指の爪あたりに僕の全視覚を集中させていたからこんなちっこい記事に気づいたのか。
納得納得。

って、僕は足の親指の爪の切り方について書きたかったわけではないぞ。
あかん、話を元に戻さねば。


〜A日新聞のある日の朝刊より。〜

<はがき通信>
「タバコは不要では。」

「救命病棟24時」が再び始まった。
進藤医師の手腕と人間性に期待している。
気になるのは前のシリーズでも指摘されていたタバコだ。
今回も番組の最後に進藤が大写しになり、タバコを手にしている。
病院が舞台で命と健康がテーマのドラマなのだからやめてほしい。
(○○県 ○○さん)




皆さんはタバコを吸いますか?
ちなみに僕は吸います。
ケントスーパーライト5mgを大体一日ヒトハコペースです。

んで、この世の中には、当然の事ながら、
タバコの紫煙をこよなく愛する人間もいっぱいいっぱいいるし、(成人男性の53%と成人女性の13%)
タバコの紫煙が死ぬほどうっとおしい人間もいっぱいいっぱいいるわけです。(成人男性の47%と成人女性の87%)

別に、ここで(あるいは掲示板で)皆サマとタバコについて議論をしようなんていう気持ちは毛頭ございません。
ただ、このような文をあっけんからんと載せてしまう某A日新聞サマの大英断にちょっとびっくらこきまして
一応皆サマに伝えておこうかななんて思った次第です。

おわり。


追記:んー、8月3日以来、まったり掲示板がしゃれにならんくらい不安定です。今現在、書きこみもできませぬ。
    もう少し様子を見て、あんまりあかんようだったら、しゃぁないし、移転します。
    皆サマ、レスできないですんません。指くわえながら見ております。
    (↑ 8月9日現在、快調?に稼動中です。迷惑をおかけました。)

2001年8月21日(火) 文も熟成したら良いのにね。
・・・・んー、皆サマ、本日アップした旅エッセイ 「水滴」は読んで頂けましたでしょうか??

実はですね、あれ、もう2ヶ月も前の、なんか妙に気分がノッてたときに
うぉりゃぁ〜っ!!!と一気に書き上げてあったものなんですね。

せやけど、何度読み返してみても、どうしても自らの中に湧き上がる「いまいち感」を払拭できなかったわけで。

(てゆーかお前のエッセイはそもそも全部いまいちだよ。
 という至極もっともな突っ込みが、画面の向こう側から、
 さながらジョージ・フォアマンが放つボディブローのように僕に伝わってきておりますが、
 まぁ、それは言いっこなしという方向で。)

で、しゃぁないし、
この2ヶ月間、じっくりと寝かせてみたりしたのですが、
・・・いやぁ、ワインと違って、全然熟成してきませんね。

ひょっとしたらひょっとして、ある日久しぶりにテキストを開いてみると、
「うぉっ!! どうしたというのだこれは!! 文章のコクと深みが増している!!
 やはりこの部屋の適度な湿気と気温がこの文章をこれほどまでに熟成させたのか・・・・!!」
みたいな美味しんぼちっくなことにならないかななんて思ってみたんですけど、


やっぱり、2ヶ月前の文のママでした。

で、コレ以上寝かせててもしゃぁないんで、勢いに任せておりゃっとアップしちゃいました。

てなわけで、ごめんなさい。次はもっとまともな文を書きます。(たぶん。)

2001年8月27日(月) 伝説の大波に挑戦。 
えー、お金がないのに替えのコンタクトが切れて、何気に焦っている潮見です。
使い捨てコンタクトって、ベンリだけどいちいち買いに行くのがめんどくさいんすよね。
でも俺、視力0.1ないし。
でもお金も全然ないし。

・・・こりゃしばらく牛乳ビンメガネ生活かな。



さて、先日の鈍行日記においてもちょっくら触れたのですが、
私、潮見は台風11号のビッグウェーブの時に伝説の大波を求め、湘南にサーフィングしにいったわけですね。


んで、その時のエピソードが個人的に印象深げだったので、ちょっと紹介。





潮見は密かに燃えていた。
その、いつも通りの飄々とした風貌からは、なんら彼の心情を窺い知る事は出来ないように見えたが、
それでも時折、彼の頬にわずかにさすその赤みは、
彼の内面において沸沸と煮えたぎっている興奮と決意を如実に浮かび上がらせるに充分のものであった。





俺はビッグウェーブに、伝説の大波に乗るのだ。



こんなチャンスは年に数回、あるかないかだ。
しかも学生最後の夏である。
スーツに袖を通す生活に身をやつせば、行きたい時に海に行く事など、夢のまた夢であろう。
今日だ。今日しかないのだ。
潮見は密かに燃えていた。




はたして今、眼前に広がる湘南の砂浜には、彼が夢見たとおりの光景が寸分も狂わず広がっていた。
獰猛に、優美に、その姿を惜しげもなくさらす、ビッグウェーブ。


はやる気持ちを押さえ、服を脱ぎ捨てる。足にまとわりつくジーパンに思わず舌打ち。
ラッシュガードを身にまとう。
リーシュコードをきつく結ぶ。
ワックスを入念に重ね塗りする。


全ての準備を終えた後、煙草を吹かしながらもう一度海を眺める。
今や我が全身を支配するその”震え”の所以は、
興奮がもたらす武者震いなのか、本能がもたらす恐怖感なのか。


一度だけ、大きく息を吐いた後、
そっと煙草の火を消して立ちあがる。
サーフ・ボードを小脇に抱える。
挑戦の刻は来たのだ。
俺と大自然の戦いが始まるのだ。



一歩一歩、その体を海の中へ進めていく。
半身ほどが水の中にひたされたところで、板の上に腹ばいになり、沖へのパドリング開始。
全身の血が沸騰している。
その一方で研ぎ澄まされている神経。



今日はイケる。最高のライディングができる。


確信にも似た感情が全身を支配する。
今日というこの日は、俺にとって生涯忘れられない日になる。
確信にも似た感情が全身を支配する。



ふと、目の前にスープ(崩れた波)がせまる。
いつもの俺なら、慌てふためくところかもしれないが、
いやしかし、少なくとも今日の俺は違う。
なにせ全身の血は沸騰、研ぎ澄まされた神経だ。
慌てず、騒がず、華麗なまでにドルフィン・スルー。(波の下を潜る技術)










・・・ア、コンタクトガトレタ。(しかも両目。)








・・・・・開始3分で挑戦終了。
伝説の大波、潮見を秒殺。





追記1:あ、こんな事書いて、余計な誤解をされるのもイヤなんで念のためゆうときますが、
    文中、かなりのネタ(波のスケールetc)がはいってますので。
     あと、皆サマもご存知の通り、サーフィン、驚くほどヘタなので。念のため。

2001年8月31日(金) たまにはカッコいい事言ってみよう。
「なぁ、お前にとってさぁ、彼女の存在って人生の何%くらい?」

数年前の夏の夜の事だ。
家賃4万円の木造アパートの一室で、
煙草の火を見つめながら、我が親友がふと呟いた。

一瞬言葉につまった僕を尻目に、

「俺はさぁ、50%くらいだなぁ。」

当時、見事なまでに恋愛ボケしていた我が親友は恍惚と呟いた。


もし彼女、あるいは妻という人間の存在が、
人の人生における何%かを占めるのであれば、
今の僕の人生は、その何%かを確かに欠落させているのだろうか。

なんて、ふと思う。 夏の終わりの夜に。

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