T子の夏。
ヨーロッパに留学している友達の(これまた腐れ縁の)T子からハガキが届いた。
彼女はほんまに良いヤツで、
泣いたり笑ったり怒ったり哀しんだり、とにかく感情の起伏が激しいヤツで、
就職活動の結果にイマイチ納得できず、
自らの夢を追っかけてヨーロッパまでスペイン語を習いに行った、とってもかっくいいヤツなのであった。
その彼女が自分の夢と、就職という現実のはざまに揺れて、
泣いたり鬱になったりしながら俺に電話をしてきた夜はそれこそ何回も有ったわけで、
そんなわけで、
俺は彼女の夢を心から応援していたのであった。
彼女が立派なスペイン語使いになることを、心から願っていたのであった。
そして、今日、そんな彼女から1通のハガキが届いたのである。
<間違い探しのコーナー>
そうそう、こっちもう雪振りそう。
またお生月にでも会おうね。
T子。
僕は思うんだ。
君にはスペイン語の前に習わなければいけない言語があるように思うんだ。
しかも、summerっていう単語はね、日本語ではこう書くんだ。
「夏」と。
決して、
じゃぁない。
まるで夏と冬が結婚して生まれたかのような、こんな単語は、残念ながら今の日本には存在していないんだ。
T子の夏は、まだ来そうにない。
追記1:T子のコトをあれこれ言う前に、俺の字の下手さはどーなのかとも思ったりする今日この頃。
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