履歴書を書く日々。 (怒涛の就活編 第2話)

毎日、毎日、毎日、エントリーシートを書く日々。

写真屋のおやじに撮ってもらった、
精一杯の笑い顔を見せている自分の顔。

その笑い顔をまずはペタンと貼りつける。
一枚500円なり。
なに、ストックはあと10枚ほどある。

学歴。
うすっぺらい学歴。
その中で、いったい自分はなにを学んできたと言うのか。
人生の真理にまで踏み込んでいきそうな自分を慌てて引き戻す。
いやいや、まずはこのエントリーシートをやっつけないといけない。
なんせ、締め切りは今日だ。

学業で力を入れたこと。
ないです。
あかん。そんなことを言いきってしまったら、
このエントリーシートはゴミ箱行きだ。
いや、ないことはない。
少なくとも、この二年間は、
そこらのチャラけた大学生より、よっぽど研究をしてきた自信は、ある。

そんなわけで書き出す。
大学時代はPLIの改良に取り組み・・・・
うんたらかんたら。
勉強をしてきた二年間の、
その前の三年間には決して触れない。
アンタッチャブルなのだ。

アルバイト、サークル等、学生時代に取り組んだ事、又そのなかで学んだ事。
これは自信がある。
サークル、アルバイト、貧乏旅行、バイク・・・・
猛烈な勢いでペンは進む。
はたと止まるペン。
旅をする理由。旅をする中で学んできた事。
それがわかっているなら、旅などしていない。
アジアンジャパニーズの小林紀晴もそう書いているではないか。
そもそも、沢木耕太郎でさえ、深夜特急、あるいは彼のエッセイの中で
自らの旅をする真の理由にまで言及したことがあるのか。
旅をする理由。
それは永遠の真理であり、又、そうあるべきなのだ。
旅から得たもの。
それは、こんなうすっぺらい一枚の紙で表されるような
そんな陳腐なものだとは思いたくない。

、なんて、そんなことを書くわけにもいかないでしょう。
自らの視野を広げ・・・・・
うんたらかんたら。

英語力。
中三時に取得した英検三級が僕の英語力を証明する唯一の資格だが、
いくらなんでも、これはひどい。
ここは白紙。

資格。
普通自動二輪免許。

志望動機。
会社でやりたい事。
自覚している性格。
最近興味を抱いた社会現象。
10年後の自分はどうなっていたいか。


で、気づくと、いつも朝だ。
眠気まなこで、
バイクのイグニッションを回す。
郵便局のにいちゃんに吐く、使い慣れたいつもの言葉。
”これ、速達で。”
速達は390円。

390円で現在、世の中に大売り出し中の、僕の人生。
値引きせずに買ってやってくださいな。


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