選べない。

実は、何を隠そう、僕が住んでいるのは、欲望希望絶望が渦巻いている街、東京である。
(まぁ、少なくとも僕の周りには、あんまりそーゆーのが渦巻いている様子はないけれど。)

で、2000年4月に、遅れ馳せながら東京デビューを果たした僕は、
”東京”ってやつにたいして、なんだかんだいって、相当期待しちゃってる部分が有った。
もちろん、女の子のレベル高いんちゃうの?とか、そういう期待ももちろん有ったが、
そーゆー、なんだか意地汚い話は置いといて、
そうじゃなくて、
なんだか、目の前に無限の可能性が広がっているような気がしたわけですね。
(って、こう書いちゃうと、なんか、僕のすさまじいガキっぽさがでてしまって嫌やねんけど。)
ものすごい数の人が、ものすごい数の街の中で渦巻いてて、
そういった”東京”というハードの中では、どんな事だってできてしまうんではないか?
なんか、俺、ものすごい事やれるんちゃうの?
なんて思ったりしていたわけです。

で、四月以来の僕は、
その、”無限の可能性”と言う奴に、かなり凹まされつづけている。

下北沢に行けば、劇団員やミュージシャンが腐るほどいる。
渋谷に行けばチャパツ+ウルフカットのフリーターの群れ。
新橋に行けば、慣れないスーツに身を固めた、新入社員の行列。
その全てが、僕の目の前に広がっているのであろう、
”無限の可能性”の構成要素であり、そして僕はその中の一つしか選ぶ事ができない。

それどころか、僕は、目の前の生活さえ、満足に”選ぶ”ことができないでいる。
バイトが選べない。
タウンページの間違えやろ。としか思えない、フロムAとアン。
それがなんと恐るべき事に、それぞれ週2回ずつコンビニにしゃあしゃあと顔を出してくるのだ。
そして、その先に広がっているであろう、”無限の可能性”。
デートの行き場所すら、すぐには決められない。
なんせ、夜景の名所一つとっても、この街には星の数ほど存在しているのだ。
(あ、今ちょっとうまいことゆうた。俺。)
そして、その先に広がっているであろう、”無限の(ピンクの)可能性”。
(って、相手おらんがな。)

”無限の可能性”っちゅー奴に憧れて、東京に飛び出してきて、
”無限”の”無限”であるがゆえの怖さというものに、改めて気づいている。

無限の可能性が眼前に広がっているのに、
可能性を絞り込む事にいちいち躊躇を覚え、
なかなか、何かを為し得る事ができない自分。
そしてそれは、僕が、
人生においては、無限の可能性のうちのほんの数個しか無し得ることができないという事実を、
23歳になって、そして東京に来て、身をもって確信しつつあるからだ。

いやー、東京って、そして、人生って、怖いっすねー。
というところで、クサくなり過ぎる前に、この話は終わり。
すでにクサい。というつっこみは無しで。)



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