ありがちなハードウエアトラブル

2000 年 1 月 14 日作成
2000 年 12 月 23 日最新改訂

はじめに

この文章では,研究室で散見されるコンピュータ・ LAN のハードウエアトラブルについてまとめる.

色文字の見方
It's cool. Three Thumbs Up!
Literally too hot. Thumb down.

1. 電動ファン停止

ハードディスク停止を抜いて,1999 年に悩まされた障害第一位は PC 本体や増設ハードディスクケースの冷却用電動ファンのトラブルだった. ほぼ常時稼働の研究室では,電源ユニットに内蔵されたファンは 概ね三年くらいで停止するようである. 1999 年一年間で十個以上交換した. 交換には半田づけが必要である. この頃は,ケースの前後にファン,ビデオカードにファン, ハードディスクにまでファンをつけて喜んでいる人がいるようだが, そういう人は数年後にアタタ地獄に行くであろう. まわりものは計算機の弱点である. 少しの性能を犠牲にしても,最小限にとどめるのが好みである.

1.1 CPU ファン

PC の CPU にヒートシンクがついたのは 486DX2-66 辺りから. 40MHz Overdrive にはついていなかったし,40MHz SPARC チップにも ついていない. で,その頃まで PC の放熱についてユーザはあまり意識していなかった. ケースも '95 年くらいまでの AT ケースには風通しの悪いものが多い. このようなケースでは,かぜの吸い込み口を作るため拡張スロットの めくら板を一つ二つ外すとよい. CPU にファンがついたのは Pentium になってからで, その頃のファンは今から見ると放熱板は低くプロペラも小さいが, ファンがついたこと自体が驚きで質までは気がいかなかったのだ. その第一世代ファンが止まりはじめたのは '98 年中頃で, しかも P133 くらいだと発熱もそれほどではないのか,止まっても PC は落ちず, 別の用でケースを開けてはじめて気づくという具合であった. そこで山洋電気のファンに取り替え, かつ予備も持つようになった. 一旦山洋電気のものに変えてしまえば,もう止まらないようだ. 手元に新品の Socket 8 ファンがあるが,使わずに終りそう. ただし MMX Pentium 向けの SANACE は Cyrix MII や AMD K6-III には 力不足なので,流用すると高負荷で落ちるかも知れない. 互換性があり放熱面積の広い Celeron 用を使った方がよい.

1.2 電源ファン

電源ファンが止まるとケースに熱がこもって動作が不安定になるので分かる. サーバー用のばか高い電源でもなければ,あまりいいファンは使わないようだ. しかし電源全部を取り替えるのはもったいないので, 電源のケースを開けてファンだけ取り替えると復活する. AT/ATX 電源の後ろから吹き出すタイプのファンは DC12V 8cm のもの, ケース内に吸い込むタイプのファンは 9cm のものが大抵使われている. PC ショップで売られているファンは回転数センサー付き三端子の ものが多い.これも使えるが,センサー線は無駄になる. 二端子のもので十分. 今心配なのは,フリーアクセスの床下に埋め込んだ LAN スイッチの ファンがどうなっているかである.スイッチの保証条件は, 本体五年電源一年となっていて,連中は最初から知っているのである.

1.3 ケースのファン

'90 年代の中ごろピザボックスタイプのワークステーションがはやった 頃には,内部の拡張ベイが少なく,あってもこちらもうぶだったので, ディスクを増設するには増設箱を買った. このような増設箱にはファン(例えば 6cm)がついている. また ATX ケースには前面に吸い込みファン(8cm)がつくように なっていて,後ろにも電源とは別に 9cm または 12cm のファンが つくようになっている. ケースについたファンの特徴は,取付部の剛性が低いことで, そのため停止に至る前に軸受けがスムースでなくなると, ケース全体が共鳴してひどい騒音を発する. 「ああっ,ハードディスクが逝ったか!」と慌てて調べると ファン交換で済みほっとする.

2. ファストイーサネットまわりの不良

2.1 インターフェースカード死亡およびネゴシエーション不調

PC ケースを開けて拡張カードやマザーボードを交換するとき, 壊れた経験があるのはファストイーサネットのカードだけである. 何故かは分からないが,これだけは挿し直しただけでもう三,四枚壊した. 特にDEC の 21140 チップを使ったものは 壊れやすく,再ブートののち通信できないとおもってチップに触ると 異常に熱くなっている. またこのチップを使った DE500 カードの初期型では 10/100Mbps の切替えに "Auto Sense" という仕組みを使っており,相手が新しい "Auto Negotiation" 対応だとうまく 100Mbps にならないで 10Mbps に なってしまう. この場合には手動で設定すればよいが,PC のドライバだけでなく ハブの方も設定しなければならないので,うっかり差し替えもできなくなる. ごちゃごちゃやるより買い替えた方が悩みがない. 悪いことは言わないから Intel の Pro/100+ カード を買いなさい. 安い国産カードを買うものは,数年後アババ地獄に行くであろう.

2.2 ファストイーサネットハブの特定ポート死亡

インターフェースカードは大丈夫なのに通信できないときには, ハブのそのポートだけが死んでいる可能性がある. 研究室の CentreCOM FH908TX という8ポートハブ, Cisco Catalyst 2900XL という24ポートスイッチの それぞれが特定の 1 ポートだけ通信できなくなっている. これは 10Mbps のハブ/スイッチでは経験したことがない現象である. 100Mbps のハブ/スイッチはかなり発熱することと関係があるのだろうか. そのポートを封印し,別のポートに差し替えれば復旧する.

3. ハードディスク不調

最近は買わなくなったので知らないが, '90 年代後半のQuantum ドライブはよく壊れた. '94 年購入 HP9000model812/80 についてきた 1GB の ATLAS ドライブは 一年で電源を入れても回転しなくなった. 軸受けが固まってしまったのである. '97 年購入の PowerMac 8600/250 についてきた 4GB のドライブも, 自宅でときどき使うだけであったにも関わらず,二年で回転が乱調になり, 慌てて交換した. このような経験から '97 年以降システム内蔵のものは仕方がないとして, 単体ドライブ購入は IBM に統一した. それ以来約三年になるが,これまでクラッシュした IBM ドライブは一台もない. Quantum のドライブで快調なものもあるし,Conner のドライブも数台あるが, 1999 年にはついに研究室でのドライブ不調は一台もなく, とてもハッピーである.

Quantum を弁護する人は,温度が上がり過ぎないように放熱すれば MTBF は差がないという.しかし同じスペックのディスク同士で比べると IBM のほうが概して消費電流が少ない.つまり IBM のほうが同じ 使用条件でより低温に保たれるわけで,とすれば IBM ドライブのほうが 優れていると結論してもあながち非科学的ではあるまい.

4. マザーボードまわり

4.1 マザーボードが死ぬとき

Socket7 マザーの名作として知られている ASUSTek の P/I-P55T2P4 rev. 3.1 だが,これに「発熱大王」 Cyrix MII-300 を載せ, バスクロックを定格 66MHz から 75MHz に上げて 225MHz で半年運用 したらマザーボードの調子が異常に悪くなった. マザーボード設計時に想定していなかった大電力 CPU は要注意である. 「発熱大王」といっても,たかだか 28W 位だったから,今から思えば かわいいものなのだが.

AMD-750 チップセットのマザーボードに, 最大 54W (電流にすると 34A!!)消費する Slot A K7 Athlon 650 を載せたら, 一年間の間に FIC SD11 と取り替えた MSI K7Pro の二枚とも壊れた. CPU の方は何ともない. 少しマイルドな K7-700 (Max 50W) も十カ月で K7Pro を昇天させた. 昇天しないまでも,頻繁にリセットがかかるようになったら, より消費電力の少ない CPU に取り替えれば,もう数カ月は安定して使える. KX133 のマザーボードでも,これらの CPU は安定動作しないことがある. K7-650 は Abit KA7 は駄目でASUSTek K7V は OK だった. 46W の K7-550 位だと何でも動くし,一年くらいではマザーを壊さないようだ. もし K7 の高速版を持っていて長く使いたいなら, 殻割り-->ゴールデンフィンガーいじりで, クロックダウンを検討した方が良いかも知れぬ.

4.2 BIOS バージョンアップのトラブル

幸いバージョンアップ作業そのものを失敗してマザーボードを パーにしてしまったことはないが, バージョンアップ後に SCSI ハードディスクから起動できなくなった ことはある. 二枚とも Pentium Pro マザーで,一枚は ASUSTeK の P/I-P6NP5 で, y2k 対応の 1.16x に上げたところ三枚のうち一枚だけ起動しなくなった. これは,PCI カードの挿す順番を替えて Tekram DC390U SCSI カードに 割り当てられる番号を INT10 から 11 になるようにしたところ起動した. しばらくは使っていたが,その後別のディスクから起動しようとすると 失敗するなど,やはりおかしく,結局は放逐した. もう一枚は Tyan S1662 というデュアルプロセサのボードで, これも y2k 対応の BIOS5.1 に上げると何としても SCSI ブートしない. あきらめて,元の 3.03 に戻した. y2k は NTP を動かすことで対応した.

新しい BIOS がリビジョンの古いマザーに合わない別の例では, FIC のSD11 という Slot A の マザーボードの 1.7 というリビジョンの早いものでは, オリジナル BIOS が 603 で,604 ではどのマザーも 快調に動作したが,607 に上げると NumLock が解除できなくなる などの不都合が発生するマザーと,しないマザーとあった.

4.3 電池切れ

Macintosh の多くの機種が電池切れで起動しなくなることは知られているが, 意外なお店に在庫があったり,CR2 で代用が効く機種が多いから 大したことはない. PC では電源オフのたびに時計がリセットされてしまう. 上にも書いた Tyan ボードは,マニュアルによれば十年持つはずの電池が 四年未満でなくなってしまった.これは回路と電池が一体になった 黒い直方体で,粛正かと思いきや,たまたま残っていた古い Socket1 マザーに 乗っているチップが生きていることが判明して,それを乗せ替えて首をつないだ. 古い SPARCstation も同じ問題を抱えているが,幸い 1999 年中に運用を 終了するまであがらなかった.