ノートブック型コンピュータ選びのポイント

志田晃一郎

最終修正 2001 年 8 月 6 日
作成 1998 年 6 月 13 日

0. 現況

VAIO の大人気が続いています. 一方ではソーテックのような低価格機も売れているそうです. ファッション性やイメージで売れるか, 安けりゃ何でもいいのなら, いいものを作っても仕方がない,というわけで, 他のメーカは,ばかばかしい気持ちになっていることでしょう.

1. はじめに

この文章では、ノートブック型コンピュータを選ぶ際の ポイントについてまとめます。 フリーのUNIX 系 OS (Linux や FreeBSD)をモバイルで使うユーザを 対象にしていますが、Windows にも当てはまることがあるでしょう。 大切なポイントは以下の通りです。 比較的どうでもよいと思われることは、以下の通りです。 また、運用上の話題として、次のようなことを取り上げます。 以下の節でこれらについて説明します。

2. 大切なポイント

2.1 重さ

ノートブック型コンピュータの目的は、二通りあります。 一つは、計算機環境を持ち歩く、いわゆる 「Mobile Computing」を実現するため。 もう一つは、「Desktop Replacement」と呼ばれる、 省スペース据え置き型としての用途。 あなたの目的がどちらかにより、 選ばれるマシンははっきり分かれます。

電車で移動するモバイルコンピューティングなら, 2kg 以下のモデルを選ぶよう衷心より御忠告いたします。 軽ければ軽い方がいいですが、今のところ 0.8kg の東芝 Libretto /NEC mobioNX の重さが下限です。 FDD (Floppy Disk Drive)、CD-ROM ドライブを内蔵しない 「サブノート機」という範疇の中から選ぶことになります。

据え置き型として使うならFDD と CD-ROM を標準装備した All in One の 3kg 級ノートブックでも良いでしょう。 会議室へ持っていくなど建物内で移動するなら、 バッテリ駆動ならシャットダウンしないで電源コンセントから 抜けるのが便利です。 全く移動しないなら、液晶ディスプレイと小型の匡体を採用した 省スペースデスクトップ機の方がお買い得だと思います。

アメリカでは、大部分が 3kg 級機で、 評論家はサブノートに辛い点数をつけます。 その理由は、三つあります.

  1. 彼らは手が大きいので,フルサイズキーボード以外受け付けない.
  2. 彼らは車での移動が前提なので、重さが気にならない。 肩に担ぐのは、空港の駐車場から機内までなのでしょうか.
  3. 連中は引き算の美学というものを知らないため, 機能の多い方が常に優れていると考える.
たまに「アメリカで売れないような B5 ノートは,もうすぐ絶滅する」 と考える人もいますが,それは勘違いです. 車同様アメリカと日本でそれぞれ特殊な要求があるため、 好まれるモデルが違うというだけのことで, 住み分けるだけの市場規模もあります.

2.2 グラフィック・アクセラレータ・チップ

Linux/FreeBSD など UNIX 系 OS が採用している マルチウインドウユーザーインターフェースは、X Window version 11 といって、OS とは別の団体が開発しています. その X11 の x86 アーキテクチャの CPU のマシンで使える無料の版が
XFree86 と呼ばれるものです. Free UNIX の配布キットにはこの XFree86 が添付されています.

ウインドウの描画を担当するハードウエアであるグラフィック・ アクセラレータ・チップはいろいろな会社が販売していて、 激しい性能競争が続いています. グラフィックチップは CPU のように標準化されていないため、 チップ毎に専用ドライバソフトが要ります. XFree86 用のドライバをハードウエアに添付して販売している メーカはないので、XFree86 自身がサポートしているチップ以外は 使うことができません. XFree86 はボランティアにより開発されているため、 最新型のチップが使えるようになるためには、 メーカが開発者向けの情報を公開してから数カ月かかります。 現在ではどのカードも 2D 描画性能は十分であり、3D 機能は Windows のデスクトップマシンですら用途に疑問の声があるようですから、 チップの性能の差を気にする必要はほとんどありません。

XFree86 で使う目的でノート PC を購入する場合には、 XFree86 のドキュメントに使えると明記されているチップを 採用していること、更に安全を期するには、 既に動いた実績がある機種を選ぶのが良いでしょう. 例えば 三平君のページでは、機種毎の設定方法が一覧できます. ドキュメントに明記されていない新型チップでも、 同じ会社の実績のある在来型チップと上位互換性があることが 分かっていれば、可能性はあります.

ドキュメントには使えると書いてあっても, トラブルが生じることがあります. 志田が経験した例では IBM ThinkPad i1124/93J に採用されている SMI Lynx EM4+ は,XFree-3.3.6 でサポートされていることに なっていますが,起動後しばらくして画面がホワイトアウト してしまいます. 三平君のページでは 4.0.3 で OK となっています.

XFree86 を補うものとして、 Xi Graphics 社から商用 X サーバソフトウエア Accelerated-X が販売されています. 有料である分 XFree86 より描画が高速だという定評があります。 ノートブック用の LX サーバは、買うと 3 万円くらいで、 たとえば、ここで買えます。 インストールには CD-ROM ドライブが必要です。

2.3 省電力設定との相性

FreeBSD では APM という BIOS の省電力機構を利用しています. メモリ内容を保持したまま CPU の動作を停止するスリープ状態は, ほとんどのマシンで問題なく利用できます.

最近のコンピュータでは ACPI という省電力機構を採用しています. これは Hybernation または Suspend to Disk をするのに, MS-Windows の機能を利用しています. 現在フリーの UNIX では ACPI に対応していないため, ACPI 対応機種ではハイバネーションができません.

APM の時代は,各メーカーが独自に BIOS を拡張して, ハイバネーションの機能を実現していました. その場合には,ディスクのどの領域にメモリイメージを 書き出すのかを気にしなければなりません。 専用 パーティションを使うもの、DOS ファイルシステム内の 特殊ファイルを使うものなどがありますが、作成に専用ユーティリティが 必要な場合が多いのです。 ディスクを交換したり、まっさらにしてから Free UNIX をインストール する場合には、自分のマシンではどうやって作成するのかを 理解しておく必要があります。 作成しなかった場合、 s2d できなくなるだけならまだいいのですが、 特定の領域に有無をいわせず書き出して、ファイルシステムを上書き破壊 してしまうものもあります。例えば SS でない Libretto などです。

2.4 最大実装主記憶容量

主記憶容量への要求の伸びは,一時期より鈍っています. 1998 年頃よくあった MMX Pentium 搭載の最大 64MB のマシンでも, Windows98 やフリー UNIX を普通に使う分には,今でも支障ありません.

しかし Windows2000 や VirtualPC を使おうとすると,突然足りなくなります. VirtualPC とは,複数の OS を,デュアルブートではなく, 同時に稼働させるためのエミュレーターです. Windows2000 なら最低 128MB,Windows XP だと 256MB は欲しいと いわれています.

最近のマシンですと,サブノートでも最大 192MB (オンボード 64MB+増設128MB)位はつくと思います. 最低限これくらいは欲しいです. 2001 年現在,一部の Crusoe 搭載ノートに最大 128MB のものが ありますが,う〜ん,どうでしょう.

2.5 ポインティングデバイス

僕が今まで使った中で一番使いやすいと思ったのは、 トラックボールです. 松下の Let's Note がトラックボールを復活させました.

次点はトラックポイント式で、 IBM東芝 が多く採用し、ソニーなどが一部のモデルに用意しています。 少し練習は必要ですが、なれてしまえば全くフラストレーションを感じません。 キーボードのホームポジションからも手を放さなくて済む点で マウスよりも優れており、外づけマウスの必要はありません。

最悪なのは、トラックパッド式です。 何故大多数のマシンがこんなものを採用しているのか知りませんが、 僕は勧めません。 その欠点を数えれば、

  1. ポインタの動きが神経質で制御しにくく、特に手を放すとき飛びやすい。
  2. ホームポジションから大きく手を動かさねばならず、操作が遅い。 この観点からいえば、タッチペンで使うなど言語同断。
です。 もっとも、大多数のマシンがトラックパッドになってしまった以上, もうあきらめて長いものに巻かれろという意見もあります.

2.6 キーボード

最初にチェックするのはキーピッチです。 19mm がフルサイズですが、僕は手が小さいので 17mm 位でも 使いやすいと感じます。 15mm になるとちょっと打ちづらくなります。

第二のポイントはキー配置です。 UNIX 系では Windows キーや日本語キーは使用しないので、 英語配列の方が使いやすいです。 ノート型ではスペースの制約のため周辺のキーが縮小されている ことが多いので、打ちやすさの差はデスクトップ以上になります。 東芝やNECのように海外版のマシンを国内でも売っているばあい、 また、SONY や東芝のように海外版キーボードへの交換サービスをやる メーカもあります。 値段の折り合いがつけば要チェックでしょう。

第三のポイントはキーの形状です。 人指し指の f と j にちゃんと突起がついているか、 またキーボードの前縁のところのボディが角がとれているかが 大切です。 キーボードがボディと面一だと、スペースなど 手前のキーを押したとき手が当たってしまいます。 キーピッチが大きくても、薄型機種に良く見られるように、 キーボードが平面的でストロークの少ないものもイマイチです。

2.7 内部へのアクセス

メモリ増設や HDD 交換が容易にできることが大切です。 メモリや HDD のところが蓋になっていて、 そこだけ簡単に開けられるようなら完璧です。 マシンを分解しないとアクセスできないようなモデルは ちょっと困ります。

2.8 「つくり」

最後は、スペックには現れない「つくり」の善し悪しを見て下さい. ボディを両手でねじってねじり剛性を調べてもいいですし、 コネクタの取り付けやヒンジ類のたてつけを見て下さい. 多くの人に触られる店頭展示品は、壊れていることが多いですが、 それがその機種の機械的に弱い部分を見抜くヒントになります。 キータッチやキーボードとボディのすき間の追い込みの違いを 実物で確かめて下さい. キーボードを押すと,キーだけでなくキーボード自体が へこへことしなうような機種は,お勧めできせん.

スペックと価格で選ぶと,失敗します.

3. 比較的どうでもいいこと

3.1 薄型モデル

以前ほど薄さにこだわる傾向は薄れてきましたが, 薄型 ≠ 軽量 に注意して下さい。 その理由は、厚い方が構造的にねじりに強いからです。 また、薄型モデルには、内部へのアクセスが難しいものが多いです。

3.2 CPU の種類

2001 年現在は,
  1. Intel の Mobile PentiumIII および Mobile Celeron,
  2. Transmeta の Crusoe,
  3. AMD の Mobile Athlon および Mobile Duron
という CPU がノート機に使われています. しかし,ノート機に想定される使い方なら, どれを買っても大差ありません. というのは,
  1. 処理能力は,本質的に主記憶アクセス性能で決まります. よって最近の PC100 メモリを使う機種なら, 100x5 の 500MHz だろうと,100x8 の 800MHz だろうと, 体感速度はほとんど変わらない.
  2. 一方,ノート PC では,絶対性能だけでなく, 発熱やバッテリー持続時間も気になる. 本体が熱くなると使っていて苦痛です. 速い CPU を使えば,それだけ電力消費が多く, 却ってトータルバランスが崩れる可能性がある.
例えば,PentiumIII と Celeron は,演算回路は同一で, 二次キャッシュの容量が違いますが, これによる性能の差は,クロックの違い一割相当だそうです. 従って PIII だからという理由で Celeron より高い値段がついていたら, 買う価値はありません.

Crusoe はユニークな低消費電力型の CPU で, Intel CPU のものよりバッテリー持続時間が長くなる一方, 性能的には Intel に劣る部分もあります. AMD の CPU は性能は良いのですが消費電力も大きく, 現在ではサブノートには使われません.

Intel CPU は,2001 年夏にでた 830M というチップセットでは FSB133 メモリが使えるため,処理能力がワンランク上がる可能性があります.

3.3 ハードディスクの容量

ハードディスクの容量の増大と価格低下が進んだため, そんなに容量を気にしなくても良くなりました. どんなモデルでも最低 10GB はありますから, デュアルブートにしても大丈夫です. OS とアプリケーションをいろいろ入れても, 専有される容量はせいぜい 2GB 位です. 最大メモリ容量の制約と違って, あとで取り替えも効きます.

3.4 液晶のスペックのどうでもいい部分

現在主流の 1024x768 解像度の場合、 サブノート機では 11.3in,中くらいのでは 13.3in, 大きいのでは 15.1in の液晶を備えています. 大きい方が迫力があるように見えますが, ドット数が同じなら情報量も同じです. 液晶のサイズより,ドット数が問題です.

3.5 内蔵モデム

大抵の内蔵モデムは WinModem といって、Windows からしか使えません。 これはひどい話です。 また、PHS や携帯電話で繋ぐ場合や、Ethernet のときも、 それぞれそれ用のアダプターを使うので、 WinModem は無用だと思います。 この頃のブロードバンド流行を考えると, むしろ Ethernet の口の方が使いでがあります. ただ,Ethernet 内蔵だと PC カードアダプタと違って, ケーブルの抜き差しを自動で検出できないという不便があります.

3.6 バッテリはリチウムに限る?

外で使うサブノートの場合には、 もちろん持続時間は長い方がいいです。 各種二次電池も急速に進歩し、 省電力型の Mobile MMX Pentium の恩恵か、 はたまたユーザの声がメーカに届いたのか、 持続時間 1 時間以下などという困ったノートはほとんど消えました。 公園とか飛行機で試した経験では、 大体連続 2 時間使うと人間の方が飽きるようです。 従って、電池持続時間は、実質 2 時間以上あれば とりあえず合格にしましょう。 必要なら、スペアやオプションの大容量バッテリという手もあります。

室内用の 3kg 級ノートの場合には、バッテリを使うのは 運ぶ間だけなので持続時間はあまり問題になりません。 むしろ、 ずーっと AC 電源で使っている間に電池が劣化し、 いざというときに「あ〜死んでる、こんなことなら外しておけば 良かった〜」ということがあるそうです.

4. おきに〜なモデル

機械を選ぶときの一つの方法は、周囲の人が何を使っているかを調べ、 それと違うものを買うことです。 知合いの機種がうまくないないなら、買う価値はありませんし、 よいなら、うまくいくに決まっていて、共有する経験が増えないからです.

4.1 志田とその知合いは何を使っているか?

写真入りのこちらを御覧下さい

4.2 その他の気になるマシン

ノートブックの評判は,
  1. つくりの良さで IBM,
  2. IBM と並ぶトラックポイントの牙城東芝だが, この頃は変なモデルも多い,
  3. 大画面サブノートで東芝を抜いた松下,
が御三家のようです.

あまりお勧めできないのは,

  1. ソーテック.なにしろ作りが雑.
  2. シャープ.同上.
  3. ソニー VAIO.割高.

東芝 Portege 34x0

東芝の XGA サブノートです. 同じボディで何世代か経過していますが, 一つ前のモデルが安く買えます. 新型の 3490/3470 は二十万円以上しますが, 在庫の 3430 は十万円を切っています.これはお買い得. 大容量バッテリーを忘れずに買うこと.

IBM ThinkPad s30

10.4 インチで XGA 画面です. Thinkpad 240z や i1124 の後継機種で,はじめから 大容量バッテリーを考慮した構造になっています.

5. 運用についての話題

5.1 母艦の効用

サブノート機は単独で使うより、「母艦」となるデスクトップ マシンと Ethernet 接続するのが便利です。 その理由は二つあります。 第一に、インストールやファイル転送には、FDD や CD-ROM が必要なこと。 第二に、持ち運ぶ危険性から、データのバックアップが重要なこと。

ノート機単独で運用したいなら、 PC カードスロットから接続する小型 CD-ROM ドライブ や、 その型専用に作られた CD-ROM ドライブ内蔵ベースユニットを 使うこともできますが、機能の割に割高です。 また、外付けハードディスク (HDD) や MO ドライブなど、 何らかのバックアップデバイスも SCSI 経由で接続しなければなりません。 しかし、大抵の人は、自宅やオフィスなど、身の回りにデスクトップ マシンが 2 台や 3 台はころがっているでしょう。 ならば、ノート用の周辺機器をこまごま買い揃えるよりは、 むしろデスクトップ PC を母艦にする方が安上がりです。

一方、3kg 級のオールインワンノートは、そもそも デスクトップ機代替ですから母艦は要りません.

5.2 PC カードでモバイルインターネット

モバイルコンピューティングの第二段階は、モバイルインターネットです。 三つの場所での接続が考えられます。
  1. オフィスで、
  2. 自宅で、
  3. 外出先で。

もはや、ネットワークインターフェースはバスの延長であり、 その速度がコンピュータの性能のボトルネックになります。 CPU の処理能力が十分に高まった今日、速い通信速度が大切です。 PC カードの重要性は、ノートブックコンピュータを ネットワークに接続する主要なインターフェースであることです。

接続モデルには 2 通り考えられます。

5.2.1 イーサネット+無線インターネット

DHCP が普及し LAN さえあればところ構わず ネットワークにつなぎ込めるようになってきました。 これを実現するのが、Ethernet PC カードです。 自宅も、ISDN/ADSL にしてルータを使えば、これ一枚です。

一方、外出先では、PHS を使って接続するのが良いでしょう. PHS は 58.4kbps という PPP 接続でも実用になる通信速度が得られます.

5.2.2 イーサネット+アナログモデム

自宅は加入電話だし PHS も持っていない場合は、 アナログモデムカードを使います。 出先では灰色の ISDN 公衆電話を探してアナログジャックに接続するか、 モジュラジャック付きのホテルの部屋から発信します。 ISDN 公衆電話の比率は上がっていますが、 公衆電話の設置台数自体は減っています。 また、つなげようとしても、公衆電話のそばには意外と ものを置く場所がなく不便です。 母艦が自宅にしかないときにも、前のモデルより不便です. 56Kbps のモデムは、アナログ回線の限界近いため回線状態の 影響を受けやすく、フルスピード出たという話は聞いたことがありません。 44kbps くらいが普通のようで、33.6kbps モデムと大差ないようです.

5.2.3 OS がサポートするカード

Windows 用のデバイスドライバソフトは PC カードに 附属していますが、Free UNIX 用のはついていません。 Ethernet カードは Free UNIX 側でサポートしているカードを 選ぶ必要があります。 モデムカードや携帯電話用カードは標準的なシリアルインターフェース で使えるのでほとんど心配要りません。 携帯電話用 PC カードは、電話会社によって専用 PC カードがあります。 Ethernet とモデムの両方の機能を持つコンボカードや、 100Mbps Ethernet カードは魅力的ですが、 まだ Free UNIX がサポートしているカードは少ないようです。 ドキュメントを良く読んで、サポートされているカードを買って下さい。

5.3 デジタルカメラとの連携

デジタルカメラはノート PC とつなぐのがもっとも便利です。 それはノート PC が PCMCIA スロットを持っているからです。 デジカメがメモリに Compact Flash カードを使っていれば、 2000 円弱の Type II アダプタだけで直接接続できます。 転送速度はデスクトップ機にシリアルケーブルで接続するより ずっと速いですし、接続キットも必要ありません。 スマートメディアを使ったデジカメは売れ筋ですが、 Type II アダプタが 8000 円くらいします。 コダック,コニカ、ニコン、キャノンなどがコンパクト フラッシュカード付きデジカメを売っています。

5.4 ノートブックコンピュータのライフサイクル

ノートブックコンピュータの買い替えサイクルは, 思ったより短いものです. 毎日持ち歩くヘビーユーザで六カ月から八カ月というのは ちょっとびっくりです. 僕は二年を目標にしていますが,ECHOS は二十三カ月で買い替えました. もっとも人に譲りましたから,マシンの寿命が完全に尽きたわけでは ありませんが,かようにノートブックのライフサイクルは月単位で 測られるはかないものなのです. デスクトップコンピュータに比べて寿命が短い原因は三つあげられます.

5.4.1 持ち歩きによる破損

落下による液晶破損は修理代が高くつきます. 10万円くらいすぐとられるので、それなら新型に…というのももっともです. 液晶以外でも,持ち運べばダメージを受ける可能性は据え置きに 比べ高くなる道理です. ヘタッたバッテリーは買い替えなければなりません. キーボードも修理交換になります. このように,ノート型では自分でパーツの交換できないため修理に出す ことが多くなり,金額がかさむ上,何日も使えなります. これは可用性が命のノート型にとってはとても困ったことで, 予備機が必要,という議論に発展します. 新型を持ち歩き,旧型は予備機という二世代併用が考えられます.

5.4.2 もともと性能が低い

ノート PC はいろいろな制約のため同世代のデスクトップ PC に比べ 性能が低くなっています.一方,これ以上遅いと耐えられない, という許容最低限界(時間とともに上がってくる)は 形態によりませんから,買ってから許容限界レベルを割り込むまでの 時間はノート型の方が短くなります.

さらにノート型は自分の肩にその重さを感じるものですから, 「こんな遅くて重いマシンを何で苦労して担がにゃならんのか」 という疑問を感じやすいのです.

5.4.3 性能強化の難しさ

デスクトップマシンと違って,ノート型では一般に CPU 交換は 不可能か,できても高価過ぎて割に合いません. 可能なチューンナップはメモリ増設とハードディスク交換だけです.

このように,ライフサイクルは最初から限られております. 50 万円の重役ノートを買ったとして,その性能に25 万円の中級機が 追い付くまでの期間はせいぜい半年ですから,半年分の寿命延長の ために25万円掛かることになります. これは無駄です. ライフサイクルと破損のリスクを考えれば,高価なマシンは不経済で, 中級機以下または在庫限りの特売品を,適当なサイクルでつないでいく のが賢いやり方です. 僕は 25 万円以上のマシンは購入対象にしません (本当は 20 万円といいたいところ). 古いマシンは,予備機に回すか,後輩や初心者に譲ればよろしい.


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