PC元気化計画付録:PCコンポーネントの基礎(Intel CPU)

志田晃一郎
16/Jan/2004

1.マザーボード編

用語集

チップセット編

2.メモリ編

2.1 DDRメモリ

2001年から使われ始め,現在ではPCの主流になっているメモリ. DDRとはダブル・データ・レートの略で,単位時間あたりのデータ転送回数が SDRメモリの二倍になっている. デスクトップ用では184ピンのDIMM (Dual Inline Memory Module)という形状の メモリカードの形で使われる. データ転送周波数によって何種類かあり,数字が大きいほうが転送率が高い. ノート用では200ピンのS.O.DIMMという形状が多いが172ピンのMicroDIMMも 使われる(ノートPCのカタログ/説明書に明記). 1クロックの間に2回,64ビット(8バイト)転送するため,

166[MHz]×2×8[Bytes]=2700[Mbytes/sec].
などとなる.

転送率が高いメモリPC3200のは, PC2700/PC2100メモリの替わりに使えるが, このときはPC3200ではなく,PC2700/PC2100と同じ速度で動く(遅くなる). このことを下位互換性がある,という. おもにPentium 4,P4ベースのCeleron,Athlon,Athron64,Duronプロセサなどの PCで使われている. DDRIIメモリは,PC用としては2005年以降の普及が見込まれるより転送率の 高いメモリである.

表1:DDRメモリの種類
チップの種類データ転送周波数モジュールの名前下位互換性
DDR266133x2=266[MHz]PC2100PC1600
DDR333166x2=333[MHz]PC2700PC1600/PC2100
DDR400200x2=400[MHz]PC3200PC2700/PC2100/PC1600

参考:アイ・オー・データ機器

2.2 SDRメモリ

1997年頃から使われ始め,現在でも増設用として店頭でよく見かけるメモリ. DDRメモリ以前の主流だった. SDRはシングル・データ・レートの略. データ転送率はDDRの半分で1クロックに一回である. 下位互換性がある. デスクトップ用では168ピンのDIMMが使われ, ノート用では144ピンのS.O.DIMMが多いが, 東芝のノートPCでは144ピンMicroDIMMが使われている機種がある. おもにPentium II, Pentium III, P3ベースのCeleron, Athlon, Duron, K6-2プロセサとの組み合わせで使われているが, 初期のPentium 4と組み合わせもある.

表2:SDRRメモリの種類
チップの種類データ転送周波数モジュールの名前下位互換性
PC6666x1=66[MHz]PC66
PC100100x1=100[MHz]PC100PC66
PC133133x1=133[MHz]PC133PC100/PC66

2.3 DRAMチップの容量とモジュール容量

DIMMメモリモジュールにはメモリチップが8個(片面)か16個(両面) 載っているのが普通である.メモリチップとDIMMの容量の関係は,. 例えば128MBitsのメモリチップが片面だけに8個並んでいると, 128MBits×8チップ=1GBits=128MBytesのDIMMモジュールになる. 両面に合計16個のチップがあれば, 128MBits×16チップ=2GBits=256MBytesのDIMMモジュールになる. チップセットでは,メモリチップの集積度, メモリチップ8個を1ラインとしてアクセスできるライン数に制限がある. またマザーボードに装着されているメモリスロットの数によっても, 使えるDIMMモジュールの組み合わせに制限が生じる. おもな組み合わせを下の二つの表にまとめる.

メモリチップはときとともに集積度が上がるため, 同じ容量のDIMMメモリモジュールでも集積度が大きいものには チップセットが対応できないものがある. 例えば815チップセットの場合, 表4,5を見ると,256MBytes片面DIMMx2枚または512MBytes両面DIMM2枚で 最大容量になるが,512MBytes片面DIMMは使うことができない. 適切な集積度のDIMMが新品で手に入らない場合は, 中古品を探すことになるが流通量は豊富で見つけやすい.

表3:メモリの集積度とDIMMの容量
メモリの集積度1ラインあたりの容量片面実装両面実装
64Mbit/chip64MBytes64MBytes, 1line128MBytes. 2line
128MBit/chip128MBytes128MBytes, 1line256MBBytes. 2line
256MBit/chip256MBytes256MBytes, 1line512MBBytes. 2line
512MBit/chip5126MBytes512MBytes, 1line1GBBytes. 2line

表4:チップセットの対応DIMM
チップセット最大メモリ容量ライン数対応DIMM
440BX512MBytes864Mbit両面×4まで
440ZX256MBytes464Mbit両面×4まで
440EX256MBytes464Mbit両面×4まで
440LX512MBytes864Mbit両面×4まで
815512MBytes6256Mbit両面×1, 256Mbit片面×2ほか
810512MBytes6256Mbit両面×2まで
8452GBytes4512MBit両面×2まで
8654GBytes4512MBit両面×2まで
8654GBytes4512MBit両面×2まで
8754GBytes4512MBit両面×2まで
9102GBytes41GBit片面×2,512Mbit両面×2ほか
9154GBytes41GBit片面×4,512Mbit両面×2

2.4 その他のメモリ

FP(ファストページ)メモリや, EDO(エクステンデッドデータアウト)メモリは, 1997年頃まで使われたもので,Pentium,MMX Pentium, PentiumProプロセサ との組み合わせが多い. 72ピンのSIMM(Single Inline Memory Module), さらに以前には30ピンのSIMMの形で使われた. 現役で使われているPCは少ないと思われる. これらのメモリーは,市場では中古というよりジャンク品として扱われることが多い.

DRDRAM(Direct Rambus DRAM)は,1999年から2000年にかけてIntel社が 次世代メモリとして推進していた規格である. しかし他メーカの反対にあい,PC用としてはRDRAMではなくDDRメモリが主流になった. Pentium III + 820チップセット + RDRAMまたは Pentium 4 + 850 + RDRAMの組み合わせで発売されたが, メモリの値段は他種の数倍するという状況である.

3. CPU編

3.1 アップグレードのよいパタン

パタン1: Slot 1で440BXチップセット

これはSlot 1でチップセットが440BXのときのパタンである. 440EXのときは適用できない. Pentium II 350/400/450やCeleron 300A/333/366などから Pentium IIIの600または550MHzに交換する. Pentium IIIは二次キャッシュ512KBytesのKatmai型を選ぶ. Pentium IIIはSSE拡張命令を装備しているので, クロックの差以上に処理能力が上がる. SSE発表当時のベンチマークではPentiumII/Celeronと同クロックなら 差がないという報告もあったが,今日ではオペレーティングシステムが SSE命令を使っているので,十分効果が上がる.

表5:CPU交換の例(Slot 1/440BX)
ソケット元のCPU新しいCPU(例)クロック周波数比備考
Slot 1Pentium II 350Pentium III 6001:1.71
Slot 1Pentium II 400Pentium III 6001:1.5
Slot 1Pentium II 450Pentium III 6001:1.33
Slot 1Celeron 300APentium III 6001:2.0要PC100メモリ
Slot 1Celeron 333Pentium III 6001:1.80要PC100メモリ
Slot 1Celeron 366Pentium III 6001:1.64要PC100メモリ
Slot 1Celeron 400Pentium III 6001:1.50要PC100メモリ
Slot 1Celeron 433Pentium III 6001:1.39要PC100メモリ
注:BIOSアップデートが必要.

パタン2: FCPGA CeleronからFCPGA Pentium 3 へ

これはSocket370でチップセットが440BX, 810のときのパタンである. 533, 566, 600, 633, 667, 700, 733, 766MHzのCeleronは, 周波数が33MHz刻みであることから分かるようにFSBが66MHzで データ転送速度が低い. それから二次キャッシュが128KBytesと小さいことでPentium 3と 差をつけてある. これらのチップセットではFSBが100MHzまでのCPUが使えるので, Pentium 3の500E, 550E, 600E,650,700,750,800,850,900などが使える. またCeleronの800, 850, 900, 950もFSBが100MHz化されているので 取り替える価値がある.

CPU交換の例(Socket370/440BXまたは810)
ソケット元のCPU新しいCPU(例)クロック周波数比備考
Socket370Celeron 533Pentium III 800EB1:1.50
Socket370Celeron 566Pentium III 800EB1:1.41
Socket370Celeron 600Pentium III 8661:1.44
Socket370Celeron 633Pentium III 8661:1.37
Socket370Celeron 667Pentium III 9331:1.40
Socket370Celeron 700Pentium III 9331:1.33
Socket370Celeron 733Pentium III 9331:1.27
Socket370Celeron 766Pentium III 9331:1.22
注:BIOSアップデート不要.

パタン3: FCPGA CeleronからPentium 3へ(2)

Socket370でチップセットが810E, 815のときは, 前節のパタンに加えて,FSB133MHzのPentium IIIが使える. すなわち,Pentium 3の533EB, 600EB, 667, 733, 800EB,866が使える.

CPU交換の例(Socket370/810Eまたは815)
ソケット元のCPU新しいCPU(例)クロック周波数比備考
Socket370Celeron 433Pentium III 800EB1:1.85
Socket370Celeron 466Pentium III 800EB1:1.72
Socket370Celeron 500Pentium III 800EB1:1.60
Socket370Celeron 533Pentium III 8001:1.50
Socket370Celeron 566Pentium III 8001:1.41
Socket370Celeron 600Pentium III 8501:1.42
Socket370Celeron 633Pentium III 8501:1.34
Socket370Celeron 667Celeron 9001:1.35
Socket370Celeron 700Celeron 9001:1.29
Socket370Celeron 733Celeron 9001:1.23
Socket370Celeron 766Celeron 9001:1.17
注:Celeronへの交換はBIOSアップデートが必要.

お勧めしないパタン

禁止されたパタン

裏アップグレードのパタン

ここでは,アダプターを使って異種CPUが取り付けられるもの を示す.アダプターに何千円も掛けるのは疑問であるし,入手困難なものが多い.


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