カメラ購入ガイド(概念編)

この頃、若い女性の写真ブームとか、 中古カメラブームが起こっているようです。 機械式時計のように単なるファッションという側面も 多々あると思いますが、少しでも本物に近付けるために 微力ながらこの文章により資したいと思います。 35mm フィルムを使用したカメラに限って論じます。 全然知らない人には分かりにくい言葉「一眼レフ」とか 「コンパクトカメラ」などが出てきますので、 一応写真のムック本とか、量販店をのぞいて目がチラチラしたことがある 程度の人を想定しています。

初級向け 1998 年 10 月 16 日


1. 銀塩カメラの今日的役割

1.1 電子カメラの登場

フィルムに撮影して現像焼付けして観賞する型のカメラを 銀塩カメラといいます。 この名前は、フィルムに塗られている感光剤の成分から来ています。 1990 年代の初頭まで、個人で所有できる画像記録装置は 銀塩カメラしかありませんでしたから(8mm映画カメラを含む)、 カメラといえばこれに決まっていたのです。 しかし、'90 年代前半にハンディカムビデオカメラがブレークし、 それに続いて '90 年代後半はデジタルスチルカメラが爆発的に 売れるようになりました。 これら電子的に記録するカメラにより、旧来の銀塩カメラの 領域はどのように影響を受けたのでしょうか。

1.2 ハンディカムの影響

ハンディカムが銀塩写真にとって変わったのは、 運動会や、発表会の舞台の記録です。 これは本来動画が望ましい対象であるし、 望遠レンズの必要が高い対象でもあります。 ハンディカムの方は標準で高倍率ズームを装備していますが、 スチルカメラでは、比較的高額な望遠レンズを用意しなくては なりません。この違いは銀塩カメラのほうがフィルム上の像の サイズが大きいため、レンズも大きくなることから生じるものです。 また、スチルカメラではシャッターチャンスが難しく修練が必要ですが、 ビデオカメラではそれがなく、 シャッター音が周囲の迷惑になることもありません。

このように、銀塩写真において望遠レンズの主な需要であった対象が ハンディカムにシフトしたことによって、 135mm 以上の望遠レンズはあまり要らなくなりました。 あなたの主要な被写体が、アイドルやレースクイーンである場合を 除いてはですが。

1.3 デジタルスチルカメラの影響

僕の知合いでも、もうデジカメしか使わない、という人が何人もいます。 彼らの主張は、どんどん撮っていらないのは消せば、 一枚あたり安くなるし、コンピュータに取り込んで Web に張ったり 電子メイルで送ったりとても便利である、というのです。 フォト日記やワープロで作る文章に添付する写真などは デジカメの方が適していることは確かです。

そこで、将来デジタルスチルカメラが銀塩カメラにとって代わる 可能性はあります。あるいは棲み分けが成立するかも知れません。 その辺がはっきりしないのは、デジカメ自体まだ進歩の途上であり、 使い勝手、画質、感度、電池の持ちなど、銀塩カメラより完成度が 低いからです。 また、デジカメは単体では威力が発揮されず、 表示・保存・編集のために光磁気ディスクのような大容量 バックアップ装置のついたパーソナルコンピュータが要りますし、 電子メイルで送ったり Web に貼るためにはインターネット接続が 必要など、支援機器が必要です。 データのままやり取りできる相手はまだまだ少ないのです。 完全にデジカメに移行してしまうのはまだリスクがあります。 どちらと決めずに、両方持ったらいいのではないでしょうか?

2. 「トレードオフ」の考え方に慣れよう

トレードオフの関係とは、あちらを立てればこちらが立たず、 の関係のことです。 例えば、感度の高いフィルムは粒子が目立ち、 画質の良いフィルムは感度が低いのです。 同じ技術を使う限り画質と感度は相反する関係にあり、 どのバランスにするか、ということだけが選べます。 時代が進んで技術が進歩したときだけ、その妥協点が高くなります。

カメラにおけるもっとも重要なトレードオフとは、 「便利なカメラほど寿命が短い」ということです。 説明しましょう。

プロ写真家が仕事で使うには、撮影条件が厳しいため 自動化されたカメラが好まれる傾向があります。 短期間に酷使し、セッティングなども含む全コストやギャラに対して カメラのコストは無視できるため、 何十年でも使えるということの価値はあまりないのです。 自動化されたカメラでも、中級機以上なら手動調節でき、 手動カメラの機能を包含しています。 一方、趣味で使うカメラは、手動では間に合わないような厳しい条件は あまりなく、撮った写真が収入を生むわけでもないので、 多少不便でも、何年か後にはゴミになるカメラよりも、 価値が持続するカメラを選ぶという考え方もあります。

3. カメラは単なる暗箱

コンピュータや車など他の工業製品なら最新型の方がいいに 決まっていて、いいものを選べば長く使えるだろうという期待は あるにせよ、性能が全然違うのに便利さに背を向けて何十年も 使いたいとは思わないでしょう。 カメラの特殊性は、50 年前のライカも最新型の AF 一眼レフも、 機能や操作性や大いに違っても、写真の仕上がりの質は全くと いって変わらないという、画質の飽和現象にあります。

カメラボディ本質は、暗箱といって、一面にフィルムを張り、 反対の面に穴を空けてフィルムに望みの量の光だけ露出する、 ということです。 よって、フィルムを平らに保持できること、箱の中が十分暗くて 光が乱反射しないこと、露出時間が正確であること、 などの基本的な条件を満たせば、それで十分なのです。

撮影のときに人間がやる作業は、

  1. フィルムを巻き上げる。
  2. ピントを合わせる。
  3. 明るさをはかって絞りと露出時間を決める。
  4. いいタイミングで写す。
どれもごく簡単な作業で、人間がやってもたいして難しくも 面倒臭くもありません。自動化が進んだのは、忙しいときの 便利のためと、商業的な付加価値をつけるためです。

一方レンズの方は、写りの善し悪しに関係します。 口径の大きい明るいレンズができたり、超広角や超望遠レンズが できたり、ズームレンズができたりという、撮影領域の拡大、 便利さの進歩はありましたが、画質だけで言えば 20 世紀初頭の テッサーレンズで十分です。

写りの善し悪しと、機能の如何、新しい古いの相関が弱い、 ということがカメラの特殊性であり、多様な価値観を許す原因なのです。

4. 経済性基準

カメラの使用頻度は、意外と低いものです。 撮影を目的として出かける場合は別として、 旅行に行ったり、パーティや何かの行事がない限りは 取り出すこともないでしょう。 そこで、カメラ購入にどれくらいお金を払えるか、 ということが問題になります。 撮った写真を売って収入を得ることは考えないとします。

どんな設備投資でも、初期コストよりランニングコストの方が ずっと高ければ、初期コストは無視できます。 「ずっと高い」というのは曖昧な基準ですので、 甘い基準として

初期コスト ≦ ランニングコスト
となれば、最低限機材の元は取ったと思う、と考えましょう。

36 枚取りのカラーネガフィルムを一本撮ったとき、 フィルムの種類や、格安か純正かなどラボの料金により、 フィルムと同時プリントで安くて 1,000 円、高くて 2,000 円強 かかります。中を取って 1,500 円としましょう。 月に 1 本年に 12 本撮るとします。 年に 432 枚は、多少とも写真に興味がある人としては かなり控え目な見積りです。 これで年に 18,000 円です。 しっかりしたカメラを買えば十年は楽に使えますから、18 万円。 その他に、写真を貼るアルバムを買います。 48 枚入るアルバム五冊一組で 1,000 円なので、年に 2,000 円、 年に一回カメラの電池を取り替えてもう 1,500 円とすれば 十年で 22 万円。 パーティの写真を焼き増しして友達に配ったり、 写真入り年賀状を刷ったり、旅行の写真を引き伸ばして 壁に貼ったりすれば、さらにお金がかかります。

22 万円といえば、かなりの高級一眼レフとレンズを二三本は 買える値段です。 以上の結論は、銀塩写真はランニングコストが意外とかかり、 機材にある程度お金を掛けてもペイするということです。

もっと厳しい見積りは、レンズつきフィルムとの比較でもたらされます。 レンズつきフィルムは普通のフィルムに比べ一本あたり 500 円か 700 円 高くなります。 カメラを購入する損益分岐点はどうでしょう。 レンズつきフィルムが一本あたり 600 円高いとすると、 年に 12 本で 7,200 円。十年で 72,000 円です。 一眼レフを買うには予算が足りませんが、 ズームコンパクトカメラは十分買える値段です。 実際には、中級以上のカメラは露出や焦点制御をちゃんとやるため レンズつきフィルムより写りが良いので、金額以上の価値が ありますけれども、

5. 携帯性基準またはノートブック PC の影響

古くはウオークマンやディスクマン、今では PDA あるいは ノートブックコンピュータや携帯電話など、 僕達が日常持ち歩くガジェットは確実に増えています。 その結果、カメラだけが日常持ち歩ける精密機器だったころに 比べて、カメラに許される重量は厳しく制約されるようになりました。 特に、ノートブック PC は軽いものでも 1kg から 2kg ありますので、 影響が大きいのです。 そうすると、仕事に関係ないカメラの優先順位が下がるのは仕方がないことで、 旅行に一眼レフと交換レンズ一式を持っていく、 などということはもはや昔話になりつつあります。 一眼レフは、軽いものでも標準ズームをつけると結構ゴロリとして 持ち歩きに困るものです。 旅行に出て、カメラのために行動が制約されたりくたびれてしまったら つまらないことです。

6. レンズ

6.1. 焦点距離

レンズの基本的なスペックは焦点距離と開放 F 値の二つです。 まず焦点距離について考えましょう。 焦点距離が長いほど望遠になり、短いほど広角になります。 画角はフィルムの対角線ではかります。 35mm フィルムだと画面の寸法が 36mm X 24mm なので、 対角線は √(362 + 242) = 43.2mm あります。 この対角線と焦点距離で画角を表すと、
(画角) = 2 tan-1[21.6/(焦点距離)],
で計算できます。 代表的な焦点距離について画角をまとめた表を示します。

焦点距離[mm]242835507090105135
画角[°]8474634634272318

単焦点コンパクトカメラの多くは 35mm レンズ付きですが、 薄型モデルでは 28mm のものもあります。 20 年くらい前は 40mm 前後のものが多かったので、 すこしづつ広角にシフトしてきたと言えます。 それは、撮影上の理由というよりはレンズの薄型化のためと思われます。

一眼レフはレンズ交換が特徴なので、どのように交換レンズを 揃えるかが楽しみの一つです。やはり 20 年前は、50mm 標準を 中心にして望遠と広角の 3 本を基本セットとし、[35,50,105] とするか、 欲張って [28,50,135] とするか、などという議論が盛んでした。 その頃望遠ズームが実用性能に達したので、望遠レンズとして 70-210mm または 80-200mm ズームが選ばれるようになってきました。 今日では、全ての焦点距離でズームレンズが使えるので、 基本 3 本セットの考え方は廃れてしまいました。 開放 F 値の問題を無視すれば、28-70mm 標準ズームと 70-210mm 望遠ズームの 2 本、甚だしくは、28-200mm 一本で 広い焦点距離をカバーできます。

しかし、単に数字の上で広い範囲をカバーすることが望ましいのか、 それでこと足れりとするのか、ということには大変疑問があります。 本当に使うのはどの画角か、ということを吟味する必要があります。 以下に志田の考えを述べます。

6.2. 開放 F 値

開放 F 値とはレンズの焦点距離を口径で割った値です。 暗いときには開放で使い、明るければ更に絞りで口径を小さくして 光量を減らします。 写真の解説書には絞りを開くことによって焦点以外の背景や近景がボケ、 画面が整理できるなどと書いてありますが、私達は そのようなことを考える必要は全くありません。 開放 F 値の小さい明るいレンズを使う意味は、 夕方や室内、ライトアップされた景色など、光の弱い条件でも 手持ち撮影ができるシャッター速度が切れるということです。 次の節で露出について調べると明白になりますが、 ISO400 のフィルムを常用するとき標準レンズで F2.8 あれば どこでも不自由なく撮れるようです。 最近は ISO800 のネガフィルムも ISO400 の画質に近付いたので F4 でもいいかも知れません。

望遠レンズは、手ブレを減らすためにより速いシャッター速度が 望ましいので、暗いところには弱くなります。 F4.5 だと結構室内や夕方はハラハラすることがあります。 最近では一眼レフのズームでも望遠域で F5.6 くらいのものが あり、結構不便かも知れません。 コンパクトカメラのズームだと F 10 前後のものもありますが、 これだと晴天戸外専用になります。舞台とかはほとんど無理です。

一方で、大口径レンズへの憧れというのも根強くあり、 50mm 標準レンズは F1.4 が普通ですし、300mm 望遠で F2.8 などという、 前玉の直径が 100mm を越えるようなレンズを買うアマチュアすらいます。 50mm F1.4 レンズは ISO100 フィルムが普通だった時代には有難かったの ですが、現在では必須とはいえません。 また、望遠になればなるほど使う場面は限られてくるので、 スナップ派にとって、何十万円もする望遠レンズはコストパフォーマンスが 非常に悪いのです。

6.3 コーティングと構成枚数

構成枚数は m 群 n 枚と数えます。 複数のレンズをすき間なく張り合わせたものは 1 群としますので、 m ≦ n となります。 反射防止膜(コーティング)が発明される以前は、 6 群程度がレンズの限界と言われていました。 それ以上だと、ガラスの表面反射により光のロスが多くなったり、 フレアが生じて逆光に弱くなったりという 欠点が生じました。 反射防止膜が普及したことでこの制限は緩和され、 高倍率ズームレンズでは、15群、16 群などというものも 出現しています。 枚数が増えるのはもちろん明るさやズーム倍率という機能を 高めるためですがしかし、できれば構成枚数が少ない方が好ましい という基本に変わりはありません。 枚数が多いと、製造時の調整が難しくバラツキが多くなりますし、 ホコリやカビにも影響されやすくなります。 何よりも、レンズ枚数の少ないレンズで撮った写真のヌケの良さ は捨て難いものがあります。

大口径や高倍率を追うよりも、枚数の少ない素直な設計のレンズを、 僕は好みます。

7. 露出の考え方

手持ち撮影で妥当と思われる露出 EV 値表
F値\秒1248153060 12525050010002000
1.4567
2678
2.878910
489101112
5.69101112 1314
81213 141516
1114 15161718
1615 16171819
22 171819

今どき露出など自動なので理解する必要はない、 という意見もありますが、僕はそうは思いません。 常にシャッター速度を意識することが、 手ブレを防ぎ写真の成功率を高める決め手だからです。 上の表は、実用的な絞りとシャッターの組合せを書いた表です。 EV 値というのは、露出量を表す量です。 明るい場所ほど数字が大きくなり、大きいほど露出量が少なく、 絞りが絞れ、シャッター速度が速くなります。 そのためピンボケ手ブレの危険性が減って撮影が楽になります。 表を見ると露出量(EV 値)が同じになる絞りとシャッター速度の 組合せは何通りもあることが分かります。

ISO400 のフィルムの場合大体どの程度の露出になるかというと、

などです。ISO100 なら -2EV する、つまり 4 倍露出しなければなりません。 人間の生活空間の明るさは大体 ISO400 換算で EV7 から 17 の間に 分布しています。この明るさの違いは 210≒1000 倍に相当します。 これが露出調整を必要とする理由です。

EV 値を大きくするには (1) 明るくする、 (2) フィルムの感度を上げる、の二つの方法があります。

上の組合せの辺は次のような根拠で志田が適当に決めました。 慎重に撮影したとき手ブレが気にならないシャッター速度の 低速限界の目安はミリメートルで表したレンズの焦点距離の逆数 といわれています。 35mm レンズなら 1/30 秒、135mm レンズなら 1/125 秒というふうに、 望遠レンズほどブレ易いのです。 標準から広角レンズに掛けて「うまくいくこともある」という限界として、 1/15 秒を EV 値表の低速限界にしました。 一方普通に使えるもっとも高感度なフィルムである ISO1600 で 晴天戸外で撮影したときの露出は EV19 あたりです。 それが反対側の右下の限界になっています。

右下がりの二つの斜辺は、絞りとシャッターの組合せの自由度を表します。 望遠レンズでは上の斜辺の方を採用して同じ露出でも高速シャッターを切り、 広角レンズで手ブレが起こりにくいときには、下の斜辺の方に寄って 絞り込んで広い範囲にピントが合うようにします。

コンパクトカメラが本格的な撮影に向かないとされる一つの理由は、 撮影時の露出が表示されず自由に選べもしないため、 手ブレの危険度、ピンボケの危険度がはっきりせず、 撮影に自信が持てないことです。

8. フィルム

カラーネガフィルムで、自分で選べるのは基本的にブランドと感度です。 最近では肌色がきれいなどとうたった特色あるフィルムも発売されて いますが、どうしてもというほどの違いはありません。 前にも書いたように、手ブレとピンボケというのは今日でも 依然として大問題です。 ズーム化により開放 F 値が暗いカメラが増え、 特に望遠ズーム付コンパクトカメラでは苦しいです。 そのため、ISO400 あるいは 800 といった高感度フィルムを 常用することが推奨されます。

メーカによる画質の違いは多少あります。 僕は ISO800 以上の高感度ネガカラーフィルムを良く使いますが、 この分野については、

フジフィルム > コニカ > コダック > アグファ
の順だと思います。コニカは比較的安いので、 気軽な撮影で使います。お店に複数ブランドが置いてあるとき コダックを選ぶことはまずないです。

解像度、粒状性や色再現は低感度フィルムのほうが優れています。 ISO100/200 あるいは特に高画質フィルムとして ISO25/50 のものも あります。 その理由で低感度フィルムを好む人も多いのですが、 低感度フィルムで良い結果を得るには条件が整わなくてはなりません。 それは、露出を自分で把握でき、シャッター速度が遅くなる場合には 三脚を使うなどきちんと撮影条件が管理できるということです。 ですから、一日の撮影で一本のフィルムを撮り切ってしまうような 使い方では良いですが、フィルムはカメラに入れっぱなしで持ち歩き、 晴天もあり夜景もありとどんな場面に遭遇するか分からないような 使い方では、低感度フィルムでは極端に撮影成功率が下がり、 高画質もいかされません。

カラーネガフィルムの保存が数十年なのに比べ、 白黒フィルムは永久保存が効きますし、出来上がりにも良さが ありますが、ラボの取扱量が激減したため相対的にコスト高の上、 仕上がりの質が悪く信頼できません。 白黒フィルムは自分でプロセスできる人用になってしまいました。 最近はセピア調フィルムなどもありますが、これはカラーフィルムと 同じ原理で単色にしたもので、昔からの白黒フィルムとは違います。 印刷原稿用など特殊な用途ではスライド(リバーサル)フィルムが 使われることもあります。 スライドをつかってプレゼンテーションをする場合は今ではもうないので、 素人がスライドフィルムを使う必然性もなくなりました。

9. 内蔵ストロボ

僕はできるかぎりストロボは使いません。 内蔵ストロボは、露出をちゃんと理解しない人が、 悪条件を意識せずに撮って「ちゃんと写らんじゃないか」と 文句をつけることに対して、取り敢えず何か写るようにするための メーカの防衛策と理解できるでしょう。 多くの場合、使わないで適正に撮影した方が、 内蔵ストロボを使うよりいい仕上りになります。 内蔵ストロボは、平面的な画面になるし、表情が不自然になったり、 目が赤くなったり、背景が黒く沈んでしまったり、大変難しいものです。 取り敢えずストロボぶっぱなそうという風潮は見苦しく、 中級者以上にもそれが蔓延しかかっているのは残念なことです。

「取り敢えず何か写る」、という内蔵ストロボの効用にも限界はあります。 到達距離が数メートルなので、スポーツスタジアムなどでは全く無力です。 テレビ中継などで客席がピカピカ光っているのを見るといやになります。 甚だしくは映画館で画面を撮影しようとして光らせる人がいますが、 これは写真の知識という以前の理科教育の問題でしょう。


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