N. Y.行きNH10便にて
敵将、あっさり発見
2度目の発作
ICUの眠れない夜
お薬あれこれ
手術室へ
ビバ!サイバーパンク!!
本手術へ
3cmの忘れ物
つながった瞬間
断髪式、サラバ金髪
寝たきり生活は続く
放射線治療と
やがて訪れる退屈

退院を前に

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つながった瞬間

 

 「手術から2週間ほどすれば、突然動けるようになるはずです。個人差はありますが」。術前に言われていた言葉だ。

 自分の場合、言葉も出るし、右半身の麻痺もなかったので、そもそも予想より状態はよかったのだが、それでも、何かを思い出そうとすると顔がけいれんしたり、歩くときの左右のバランスが悪かったりした。それが劇的に改善した瞬間があった。まるで、取り去られた腫瘍に代わる新たな接続先を求めて右往左往していた神経細胞が、適切な接続先を発見しつながった、そんな感じだ。

 リハビリの往診を受けている最中に、ふと気がつくと右足に力が入るようになっている。試しに歩いてみると、前日よりもはるかにバランスが取れるようになっていた。終了後、ベッドに横たわって右手を握ってみる。もうしびれはない。かなり力も入る。いける、大丈夫だ。静かに涙した。2月7日の夕方、手術から8日目のことだ。

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