N. Y.行きNH10便にて
敵将、あっさり発見
2度目の発作
ICUの眠れない夜
お薬あれこれ
手術室へ
ビバ!サイバーパンク!!
本手術へ
3cmの忘れ物
つながった瞬間
断髪式、サラバ金髪
寝たきり生活は続く
放射線治療と
やがて訪れる退屈

退院を前に

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敵将、あっさり発見

 

 JFK空港から1時間ほど行くと、N.Y.市内である。

 早速、日本人医師のクリニックに運び込まれた。あれこれと問診される。その結果、
「まずはCTを撮ってきなさい。」
ということになった。初アメリカにして初CT。近所にCTを撮る専門のセンターがあるのでそこに行く。その費用、占めて1200ドル。日本円にして約14万円である。やむを得ずカードで支払う。カードに旅行保険がかけてあるから取り戻せるだろうと思っていたら、実はかかっていなかったので、後で泣きを見ることになる。

 撮ってきたCTには、素人目にもハッキリそれと分かる陰が写っていた。場所は左の前頭葉、敵将はそこにいた。4cmほどの『脳腫瘍』である。

 医者は、
「今すぐにでも帰りなさい。」
と言う。ところがこちらは来たばかり。仕事がある上、10人弱のツアーだったため、バラすのも面倒だ。昨日今日できたモンでもあるまいし、という判断も働き、
「まずは仕事をして行きたいので、薬を処方してください。」
という言葉が口をついて出た。医者はしぶしぶ処方してくれ、近所の薬局で購入するように、と言った。

 こうして、N.Y.の第一夜は更けていった。

 その後は、仕切りだった某社のアテンド嬢以外に病状を隠し、何事もなかったことにして取材を続けた。もっとも、他社もお互いをかまっている場合では到底なかったのだが。

 そして我々は3泊5日の旅を終え、無事成田に降り立った。

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