<第1話>


『本日12時30分。東海地方を中心とした関東中部全域に、特別非常事態宣言が発令されました。住民の方々は速やかに指定のシェルターへ避難して下さい。繰り返しお伝えします………………』

誰も居ない駅ホームに繰り返し流れるメッセージが、木霊している。

「まいったなー、どこにも電話繋がらないや。」

白の半袖のYシャツに黒の学生ズボンと言った、いかにも学生服といったものを着た中学生らしい少年が受話器を持って、途方にくれている。

僕は、受話器を置いて、手に持ってる写真を見た。その写真は、まあ、美人と言えるだろう女性が写っていた。

写真の女性の胸元には、矢印でここに注目と書かれている。
「へんな女」


バックを持って周りを見渡したとき一人の少女が目に付いた「ん、・」

その時、すさまじい轟音が、鳴り響いた。

「な、なんだ!」

音のした方から、戦闘機があらわれ、そして、その後から、巨人が現れた。

「な、なんだあれは!怪獣?」

驚いている僕の上を耳を切り裂くような轟音とともにミサイルが、通過し、巨人に命中し、轟音をたて、爆発した。

「あ、あ、うあー

叫び声を上げながら、僕は、走った。

再度、ミサイルが轟音とともに爆発。
しかし、巨人は、まったくダメージを受けてるようには、見えない。そして、巨人の腕から光の槍が、伸び、戦闘機に刺さった。

その戦闘機が、少年の近くに墜落し爆発、爆風が少年を飲みこもうとしたとき、1台の青いスポーツカーが、少年を爆風から守るように盾になるように止まった。

「遅れてごめーん。早く乗って、」車の中から、サングラスをかけた女性が、そう言った。

僕は、ナニがなんだかわからず、ぼーとしてると、。女性が、続けて叫ぶ「早く乗って!」

はっと、気づいたように僕は、動き出し、車に乗り込んだ。

女性は、僕が乗ったか乗らないかのタイミングで、車を発進させた。

そして、今まで居た所を巨人が踏みつける。

「たー、間一髪って感じよねー、大丈夫、碇シンジ君」

女性は、助手席にいる、僕に声をかけた。

碇シンジと呼ばれた僕は、助手席で、目を回してつっぷしてた。乗りこむかいなかで、急発進され座ってもいなかったのだ。どこか頭でもぶつけたかもしれない。

女性は、もう一度、声をかけた「シンジ君、大丈夫?」

「あ、あ、は、はい、あんまり大丈夫では、な、ないです。」震える声で、僕は、答えた。

「あら、震えてるのまあ、あんなことがあたんじゃーね。」彼女は、ちょっと、微笑んだようだ。

「私、葛城ミサト、よろしくねシンジ君」彼女は、サングラスをはずし僕に挨拶をした。

「よ、よろしくお願いします。」僕は、とりあえず、挨拶をした。まだ、いったい何が起きたのかわからなかったし、体が震えているのもわかった。

まだ、後ろのほうでは、戦闘が続いているらしい。時折ミサイルの音や、きっと、戦闘機が落とされた音と思われる音が響いてくる。

「あれは、いったいなんですか!」僕は、葛城さんに聞いた。

「あれは、使徒と、私達は、呼んでるわ。人類の敵ね。」

「使徒?」

その間も車は、走りつづけている、そのとき、巨人の周りにいた戦闘機が、散っていった。

「こんなところで、N2爆弾を使う気!」ミサトは、叫んだ

「N2爆弾!」僕は、叫び返した。

「シンジ君伏せて!」葛城さんが僕を覆うようにかぶさってきた時、ものすごい轟音とともに爆風が来た。

車は、横に吹き飛ばされた。



「大丈夫?」葛城さんが、僕に聞いてきた。

「ええ、砂が口に入ったくらいで、葛城さんは?」

「そりゃ、けっこう。ミサトでいいわよ、シンジ君。私は、、あんまりだいじょーぶじゃないみたい、せっかくのいっちょうらの服が、台無しよー!」

「は、は、」面白い人だな。

「じゃ、横になった、車を元に戻すわよ、せーの!」

その後、周にあった車から、非常徴収と言いながら、ミサトさんは、バッテリーを取ってきた。

「これって、火事場泥棒じゃないんですか?」僕は、とりあえず聞いてみた。

「いいのよ、緊急事態だし、私は、国際公務員でもあるしね。」

「まあ、いいっか。」僕は、理屈にはなってませんよ、と思いながらも、つぶやいた。それよりも、聞きたいことがあった。

ミサトさんに話し掛けようとしたら、ミサトさんは、携帯電話で、誰かと話し始めていた。

「ええ。彼は最優先で保護してるわよ。心配ご無用。だから、カートレインを用意しといて。直通のやつ。迎えに行くのはわたしが言い出したことですもの。ちゃんと責任取るわよ。」

『ドアが閉まります。ご注意下さい。』

「特務機関ネルフ?」

「そ、国連直属の非公開組織。」

「父のいるところですね。」

「そ。お父さんのこと、知ってる?」

「人類を守る大切な仕事をしてるとか、父、あ、僕を育ててくれてるほうの父が、言ってました。」
「小学生のときは、なんと無く納得してましたけど、今は、なんか・・・」僕は、初対面の人にあんまりこう言う事をいっぱいものを言うのもなんだなー、と思いそこで止めた。

「あ、そうだ。お父さんからIDもらってない?」

「ああ。これですね。」

 シンジは『こい ゲンドウ』とだけ書かれた紙ごとIDカードを差し出した。

一瞬、ミサトさんは、眉間に皺をよせたが、「ありがとう。」と、言ってミサトは受け取った。

「じゃ、これ、読んどいてね。」

『ようこそ、NERV江』と書かれた本をシンジに手渡した。

「・・・こんなものを見せるってことは、僕になにかさせる気ですね?」

ミサトは何も答えない。

「父に会うんですね?」

「そっか。苦手なのね。お父さんが。」

今度は僕が何も答えなかった。

なんとも言えない沈黙の中、カートレインがトンネルを抜けた。

「うぁー、ジオフロントだ!本当にあるんだ!」僕は、先ほどまでの事を少し忘れ、カートレインから、見える。景色に興奮した。

「そ、わたしたちの秘密基地。世界再建の要・・・人類の砦となるところよ。」




「おっかしいなあ・・・たしかにこの道のはずよねえ・・・」移動廊下でミサトさんは一人つぶやく。

僕は、先ほどミサトさんにもらったネルフの本を読みながら、一緒に歩いてる。

「ごめんね。まだ慣れてなくて・・・」

「さっき通りましたよ。ここ。」

「・・・・・・」

僕は、つい思ってたことを言ってしまった。冷めた僕の言葉にミサトさんは何も言えなかった。

「どこへ行くの? 葛城中佐。」

僕達の後ろから、声がかかった。

ミサトさんと僕が、同時に振り向く。

白衣を着た金髪の女性が立っている。少し冷たい感じのする美女だった。

”金髪?”僕は、ちょっと、ひいた。

「遅かったわね。」

「ゴミン!」

ミサトさんが顔の前で手を合わせ、金髪の女性に謝る。

「例の男の子ね。」金髪の女性が、言う。

「そう、マルドゥック機関から選ばれたサードチルドレン。」

"サードチルドレン?3番目の子供達?なんだそりゃ?"

「わたしはネルフ技術一課E計画担当博士赤木リツコ。よろしく。」

「碇シンジです。よろしくお願いします。」

僕は、二人と一緒にある部屋に、連れてこられてきた。

真っ暗だった部屋に明かりがともった。

僕の目の前に巨大ロボットの顔がある。

「顔、巨大ロボット?

「厳密に言うと、ロボットではではないわ、人の造り出した汎用人型決戦兵器。人造人間エヴァンゲリオン。その初号機。」

「エヴァンゲリオン?これも父の仕事ですか?」

「そうだ。」

エヴァの頭上から声がかけられた。

管制室と思われる部屋のガラス越しに自分の父親、碇ゲンドウを見つけた。

「久しぶりだな、シンジ」

「久しぶり、父さん」僕は、父さんを見てた。本当に久しぶりだな。3年ぶり。あんまり、実感が無いや。
「・・・出撃。」父さんは、なんかつぶやいた。

「出撃!? 零号機は凍結中でしょ!?まさか、初号機を使うつもりなの!?」ミサトさんが、なんか言い始めた。

「他に方法はないわ。」リツコサンもなんか言ってる。

「だってレイは動かせないでしょ?」

ミサトさんは僕をチラッと見る。

やっぱ、僕がこれに乗るのかなー。

「パイロットがいないわよ。」

「さっき着いたわ。」

「・・・マジなの?」

リツコさんはミサトさんから僕に視線を移す。

やっぱ、僕か、て、僕がこれに乗って、さっきの巨人と戦うの?!

「碇シンジ君。あなたが乗るのよ。」リツコサンが僕に言う。

「・・・・・・」僕は何も言わずに立っていた。

「司令!待ってください!綾波レイでさえエヴァとシンクロするのに7ヶ月もかかったんです。今来たばかりのシンジ君にはとてもムリです!」

「座っていればいい。それ以上は望まん。」

「乗るなら早くしろ。でなければ帰れ!」
父さんの声が、スピーカーを通して聞こえてくる。

「・・・・・・・・・」僕が、何も言わないでいると、

「・・・・そうか、乗る気がないのだな」父さんは、勝手に決め付けていた。

なんか、上の方で、父さんが、ごちゃごちゃやってる。

僕は、さっきの巨人、使徒だっけ、の事を思い出してた。体が震えてるのに気が付いた。

でも、乗らなくっていいみたいになって、ちょっと、ほっと、した。
で、改めて、周りを見たとき、ベッドに寝かされた女の子が、運ばれていた。

”あの子を乗せるの?”と思った時、激震がケイジを襲った!

女の子のベッドが傾いた。僕は、彼女が滑り落ちそうになるのを支え様と、彼女の方に走った。

彼女の傍に来たとき、天上から、巨大なライトのようのものが落ちて来るのに気が付き、

僕は、無意識に、彼女をかばう様に抱きついたが、

どこか意識で、つぶされる!と思いものすごい恐怖感にさいなまれたとき、

エヴァが、動いた。そして、僕達の上に落ちてきたものを払ってくれた。

「なに、エヴァが動いたの!?、エントリーもせずに。」「信じられない!」「行けるわ!」「・・・  」

なんか、リツコサンと、ミサトさんが言ってる。

僕は、腕の中の女の子を見た。絶世の美少女を初めて見た。プラチナブルーの髪?すごい白い肌。

そして、一瞬、どこかで見たようなことがあるような気がした。

「んんん・・・」彼女が、そのとても綺麗な顔に、苦渋の表情を浮かべ、とても苦しそうにつぶやいた。

僕の手の中に、何か、ぬるっとした感触がある。

手を見ると、おそらく、彼女の血であろうもので、僕の手のひらが、真っ赤になってた。

「シンジ君が乗らないとこの子が乗るのよ。」リツコサンが言った。

その言い方は、反則だよなー。と思ってると。

女の子の目が開いた。赤い瞳が僕を見ていた。

僕は、目を、ぎゅっと、つむり、開いたとき、



「やります。僕が乗ります」と言っていた。




僕は、今、エヴァと言う物の操縦席に座っている。

さっきは、ビックリした、いきなりLCLと言われてる水が、下の方からいっぱい出てきて、

あっという間に操縦席の中は、LCLで満たされた。

溺れるかと思ったら、水の中なのに息が出来る。でも、これ嫌なにおいのする水だな。

起動したとたん、世界観が変わった。自分とエヴァの両方の感覚があるのがわかる。

さっき、リツコさんが言ってた。意志で動くと言うのが、なんとなくわかったような気がする。
ケイジ内の人たちが、あわただしく、動き回るのが見える。

次々、エヴァの拘束具のロックが外されていくのが、見える。

なんか、拘束されてた体が、軽くなっていくような感じがする。





警報が鳴り響き、エヴァを乗せたまま、足場が移動していく。

初号機が射出口に固定される。

「進路クリア。オールグリーン」

 「準備完了しました」

オペレーターがミサトに報告する。ミサトは後ろに振り向いた。そこにはゲンドウが座っている。

「かまいませんね?」

”なにを今更、私は、聞いてるのかしら。”

そんなことを思いながらも、ミサトは、最後の確認をする。

「ああ、使徒を倒さなければ我々に未来は無い」ゲンドウが冷たく答える。

「発進!」

初号機が地上へ射出された。



ものすごい加速で、エヴァは、発進した。エヴァの中にいるのに、エヴァが、自分みたいで、せまいこの出射口は、とても、怖かった。

あっと言う間にエヴァは、地上に出た。

”ガコンッ”何かが外れる音とがして、全部ロックが外れたんだなという感覚がある。

ただ、立ちつくしていた。

「シンジ君」

気が付くとリツコさんがこちらを見ている。
もう一度言うわ、「初号機はシンジ君の意志だけで動かすことが出来るわ」

考えるだけで良いってことか?でも、さっきからの感覚が、僕を納得させていた。

「だからまず、歩くことだけ考えて。」

歩くことを考える、考える、考える。

ゆっくりと一歩目を踏み出す、一歩目を踏み出した瞬間に、発令所の方から歓声が聞こえた……

歩いたくらいで一体何を喜ぶのだろう?

そのとき、僕は、はじめて気が付いた、さっきの使徒が、目の前にいることに。

「うああー!!」僕は、すごく怖くて、叫んでいた。

”逃げなきゃ、こんなところから速く逃げなきゃ”そう思ったとたん。

エヴァは、走り始めた。

しかし、すぐに、なにかに、引っかかるような感じがしてそのまま、転んだ。

転ぶ感覚も、ものすごく怖い。まるで、バンジージャンプをしてるみたいに怖い。

ミサトさんが、「早く立って!」て、わめいてる。

”言われなくても立つよ!もっと、何かしてよ!”

目の前に使徒が現れた。

腕を掴まれた。

「痛い!痛い!痛い!」

「シンジ君しっかりして、それはあなたの腕ではないわ!」

「そんなの知るかー、痛いんだよー!!」

ボキ、嫌な音がした。

「ぎゃー!!」エヴァの腕が、ありえない方向に曲がった。エヴァの腕が折られた。

使徒は、腕を折るとエヴァをぶん投げた。

使徒に投げられたエヴァは、3つのビルを破壊し、4つ目のビルに半ばめり込みながら止まった。

また使徒が、近づいてくる。

「やだよー、怖いよー、助けてよー、

 父さん!、父さん!、助けてよー。

 こっちに来るなー!!この化け物ー!!」


エヴァは、腰が抜けてるような状態で、ぶんぶん腕を振り回している。

「ミサトサン!リツコサン何とかしてよー。」

シンジは、半泣きで叫んでいた。


発令所の中は、シーンと静まり返っていた。

ただ、シンジの泣き声と助けを求める声だけが、響いていた。

一部のオペレータ立ちは、もう、目をスクリーンに合せれなくなっていた。

「ここまでね。」ミサトはつぶやいてた。

”いったい私は、いえ、私たちは、あんな子供に何を期待していたんだろうか?”

”ごくふつうの中学生に、なにができると思っていたのだろう?”

そのとき、ミサトの直感というか鋭い洞察力が働いた。

”そんなことが、リツコや司令にわからないはず無いわよね”

”では、なぜ、エヴァに乗せた?”

”司令は、ただ座ってればいいと言った、リツコも乗れとは言ったが、戦えとは言ってない。”

”座ってるだけ、乗ってるだけでは、勝てるはずは無いわ”

”何か起こるのね、彼をエヴァに乗せることで”

ミサトは、瞬時に納得し得る回答を得たがやはり現実を見ると

何が起こるのかを待ってる前に少年が死んでしまうような気がして、指示を出し始めた。

「エントリープラグ緊急射出、パイロットの救出準備いそいで!」

「だめです、エントリープラグ、信号受け付けません。」半泣きの状態の女性オペレータが、返答をする。

「何ですって!」



ゲンドウの横にある端末が、不気味に光っている。

「シンジは、エヴァの中から出さんよ死んでもな」ゲンドウは、つぶやいた。




使徒は今度は、僕の頭を掴んだ。

そして、腕から出た光の槍で、そのまま右目を撃ち始めた。

「ぎゃー、右目がー、が、お、う、おおー!」

もう、僕は、叫び声を上げるだけになっていた。そこで、僕の意識は、途切れた。



「初号機、完全に沈黙」

「いえ!再起動しました!」

「まさか、暴走!」”これか!”ミサトは、叫んでいた。



「勝ったな。」

「ああ、」




「知らない天井だ。」僕は、つぶやいた。

そして、僕は、片目が、見えてないことに気が付いた。


 



はじめまして、”たろ”と申します。

ありふれた名前で、他に同名のSS作家様が、いるかもしれませんが、

これが、私の初投稿作品で、皆様にはお初にお目にかかると思います。

改名しろー、といわれれば、すぐに改名いたします。

第一話は、まあ、お約束のエヴァに乗るまでと、第一回目の戦闘です。

シンジ君の性格を少しかえてお話を作っていきます。

もちろんそれだけでは、無いですけどね。

LRSです。何が無くともLRSです。シンジ君とレイちゃんは、最高です。

by たろ


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NACのコメント:
たろさんから投稿頂きました。連載です(^^)
まず、第一話は、本編に準拠した感じで話が進んでいるようですね。シンジの性格が違うそうですが、現時点では、まだ、さほど大きな違いはありません。
ですが、最後の最後で、違う展開になってますね〜。シンジの片目が見えない? 本編ではそんなことなかったですから、間違いなく、ここがストーリーのキーになるんではないでしょうか。
どう物語に関わっていくのか、先が楽しみです(^^)
NOVEL INDEX