今日のアスカちゃんは!? 今きょ日うはアあスすカかちゃん!? Presented by Mutsuki
電波 じゅうはち − アスカ、復活
〜さわやかな(?)朝の一コマ〜
使徒に、さようなら
ロンギヌスの槍に、ありがとう
碇君に、いただきます…
そして、補完が始まる…(嘘)
ちちち、ちちち… 朝と言うことで鳥たちは各々に自己主張し始める。 昨日はリツコが使徒に精神汚染寸前まで追い込まれた…って
何ともないつってんのに、まったく…絶対、趣味入ってるわよ、アレ!
………お腹減ったわね あたしの体は本人に断りもなく元気、元気… 昨日の朝なんか、元気すぎて困っちゃったわよ(どこが?)
ん? んんん?
むにむに… こ…これは、
ちゃんと…ある…
下は!?
ちゃんと、ない…(?)
……戻ってる!?
ふふふ…そうよ、そうなのよ! このアスカ様ともあろう者が、やられっぱなし(?)でなんかいるもんですか! 惣流・アスカ・ラングレー! 脱・スランプ(?)宣言、発動!!
と言うことは、今朝のシャワーは自分の変なモノ拝まずに済むってことじゃない!? 否応にも現実を突きつけられるのは辛かった… でも、そんな異常から解放されたのよ!あたしは!
ああ…生きてるってこんなにすばらしい…
…って、あほやってないで、さっさとシャワー済ませよっと…
ふんふんふ〜ん…
ガラッ 戸を開けたら洗面所には先客が…
「あっ…おはよう、アスカ…
「え…ああ !?…って、ちょっと、まてぇぇぇ!!!」
「え…なに!?」 振り返るシンジ
たぷんっ♪
「なに?じゃな〜い! なんて恥ずかしいもん付けてんのよぁ!? あんたはぁ! 変態、変態、変態ぃ!!!」
ぐわしっ! 鷲掴み…
むにぃ
!!
!?
な…生ちち!?
「ちょっ…アスカ…ん」
むにむにむにぃ♪
つ…掴みきれん(汗)
「で…」
「で?」
「デカぁぁぁ!?」
「えっ…!?
もじもじ…
「照れるな変態! …で、それは本物なのね?」
「うん、たぶん…」
「…で、あんたは何でそんなに冷静なのよ……?」
「え…?
問題あるかな?」
「ありよ…」
「そうなの?」
「大有りよ。」
「でも、自分のことだし、大騒ぎするのも何だなと思って…」
「自分がそうなって驚かなかったら、誰がそうなって驚くってのよ…」
「そうなの?
…赤飯とかにした方がいいかな?」
「なんでそうなるのよ!? あんた、もっと倫理観とか、道徳性とか… 心に病むことはないの!? 今の自分に!!!!」
「え…なんで?
「じゃあ、あんたの周りの人がなんて言うか考えたことはある?」
「ふ…男としての僕なんて、価値なしなのさ…(泪) でも、綾波は問題ないって言ってくれたよ?」
「なんでファーストと連絡取り合ってんのよ!?」
「…黙秘」 「あんた…まさかファーストに…」
「ご…誤解しないでよっ!
「じゃあ、ファーストが何かしたのね?」
「綾波は何も悪くないよ!」 「じゃあ、何でよ?」
「…秘密」
何もしてない…
流されモード? 二人して規格外な道へずるずると… しかも、自覚症状なし!?
ずり…ずり… 「あははは…
「アスカ…どうしたの?
「ひっ…!
「アスカ、似非外人みたいだよ?」
「そっ、それより、今朝のご飯はどうなってるの?」 「あっ、そうだった、今朝のことで綾波のところへ行ってきたから全然用意してなかったんだ!
今朝からさっそくぅ!?
ずりずり… 「いいわよ…こんなことになったんだモノそりゃあ時間もとられるでしょうよ?
「どうして、後ろ向きに下がるの?」 「きょうは『あたしの背後に立つと怪我するぜ』…って気分なの、放って置いて…お願い」
「別に、構わないけど…
あたしはアメリカ籍のドイツ人だけどねぇ あんたに比べりゃあ、日本で国民栄誉賞がもらえるくらいに健全だわよ!
ミサトは知ってるのかしら? この変態がどんな状態になっているか… …って無駄か
精々ちゃかして終わりってとこね?
リツコは何だかんだ言って、後回しにして…
リツコは駄目… マヤは…、あいつ…あたし知ってんのよ。
あいつに流れる妖しい噂を忘れたら駄目よ。 あいつにはお花(百合)が咲いているって話があるわ… 相手は誰だっけ? …って、マヤが相手なら決まってるじゃない! リツコよ!
…もう、技術部は終わりね… それとも、ネルフの技術部って人間として終わってることが条件なのかしら…
なにあたしシンジの先を心配してんのよ?
男でもあんな奴の行く末なんて似たような物よ。
あいつ、喜んでるじゃない!
……考えるの止めよ
「ご飯早くしてよね!」
「今朝はパンで我慢してね?」 「いいわよ…別に…
エプロンをつけたシンジは手早に簡単なおかずを作っている。 フライパンを加熱し、油をしく、軽く余分な油を拭き取る。
一方で片手には卵が握られ、フライパンの淵でからを割り、指で薄膜を破ると親指に殻を引っかけ中身をフライパンに滑り込ませる。 ぱちぱちと小さく油のはねる音 シンジはフライ返しを手に取っている。
シンジの動作は一つ一つに無駄がなく一連の流れ作業のようだ
向こうでは食事は簡単済ませることが普通だった。 遠い過去…
仕事に忙しいママが日本食を作ってくれたことがあったのを覚えている。
そのときも父親とは顔を合わせることはなかった… それ以来、ママが料理する機会は失われた…永遠に。
そして、壊れた…
ママの『母』としての最後の記憶
そう言えば、こんなにしっかりとした朝食を食べられるようになったのもこいつのおかげなのよね… いつでも『お嫁さん』になれるわねぇ…って、からかっていたっけ 洒落にならなくなっちゃったな
シンジの後ろ姿が『ママ』に重なる。
シンジをママに重ねて思わず、シンジに縋りたくなる。
「ん…できた♪
アスカ? 「アスカ…食べないの?」
「あ…?」
あ…あたし、シンジを見てた。 凄く、シンジが大切な物に思えた…
懐かしくて、涙が出そうだった。
「!…た、食べるわよ!」
あたし…今、なに考えてた?
たったったったった… 「ん?
「碇君…」 ぱむぅ…
「はぅ…おはよう、碇君」
「ファースト…あんた暑くないの?」
「あっ…そう…
ギュム…
「何が、ご褒美なのよっ!」
「何って?
なでなで… シンジの奴はそう言いながらファーストの後ろ髪を梳かしている。
ファースト気持ちよさそう… シンジの胸に埋もれてファーストの表情を伺うことはできないけど
わかる…あたしにはわかる。
ううん、受け入れて貰っているんだ… 自分の全て…
あいつにとってはシンジなんだ…
ちょっと…、いいな…
「アスカにもやってあげよっか?
「なっ…!?」
「碇君…」
〜あとがき〜 元はこれが最終話だった…長いので二分割。 次回『決戦、第三東京市第一中学校』…これまたありがち、やっと最終回です。 睦月 3/28,2000 |