♂と♀の偏微分な方程式
ときどき、エヴァンゲリオン!?

きょちゃん!? 

Presented by Mutsuki




電波 じゅうさん − 守るべきモノ 〜絆とプライド…そして、世間体〜

ピリリリリ…

クラスメートたちはこのコール音が何を意味するかわかっている。

使徒襲来、非常召集

彼らが明日をも知れぬ、…その明日をかけた戦いに赴くことを

「綾波!」

こくり…

綾波レイはただ頷く…




そして

「敵は殲滅…」

にやり

綾波レイの不特定多数に放った宣戦布告

初公開、綾波レイの嬉しそうな笑顔
彼女の資料には愛は多少の障害があった方が燃えるとあったらしい。
彼女に引く気は皆無でただ、生け贄を欲しているだけなのだ。

彼女の放った一撃はトチ狂った馬鹿や惑わされた者を一蹴し、シンジはクラス内で綾波レイのお姉さまの地位を不動のものとした。



「うん…頑張ろう、綾波」

綾波レイの言葉をそのまま普段の彼女の言葉として捉えたシンジはネルフに向かう。
その後をレイが続く。
ちらりとレイが教室を振り返る。

ビクぅ!

レイに呑まれたクラスの一面は凍り付いたかのように固まる。
そして、当面の敵が存在しないことを確認すると含み笑いを口元に浮かべ教室に背を向け、シンジのあとを追う。
















ピリリリリ

当てもなく疾走するアスカが携帯電話のベルにその足を止める。


使徒の出現を知らせるその鐘の音はアスカにとってまさに天使の啓示のごとくであった。

そうよ!

あたしは惣流・アスカ・ラングレー!
EVAのパイロット!

そう!
チルドレンは変態じゃないわ…
チルドレンとはEVAのパイロットに選ばれた人類の未来を担う戦士。
エリートなのよっ!

あたしはあいつらの仲間じゃない!
あたしは変態じゃないのよ!

あたしにはEVAしかないのよ!

さあ、行くわよ、アスカ!

使徒を倒す!
あたしは戦士…変態ではないことを証明するのよっ!










ネルフ本部


「使徒の現状は?」
「相変わらず変化なし、衛星軌道上に停滞してるわ。」
「どういうこと?
 使徒はあそこからの攻撃手段を持っているというの?」

作戦部と技術部のトップの会話だ。
使徒は衛星軌道上にとどまり、この地…第三東京市に進行する気配は見えない。
このような使徒は前例があった。

第一二使徒レルエルだ。

遙か上空に悠然とある使徒にどんな能力があるのか…
レルエルには恐ろしい特殊能力があった。
別次元の空間にリンクする能力
そこに取り込まれたならば戻ることはかなわない、普通ならば…

そう、普通ならば、なのだ。

初号機は普通ならざる力を示し、別次元の空間を引き裂き。
現実に帰ってきた。

その関係者に等しく平等に戦慄と恐怖をもたらしながら…

今回、その初号機はない…

彼はレリエル戦以上の恐怖を前回の第一四使徒戦に示した。
EVA二機を軽く下した使徒を惨殺し喰い殺した。
私たちの制御など蜘蛛の糸に等しいと言わんばかりの咆吼とともに…

初号機は凍結中
戦力はアスカとレイだけか…
アスカが調子を取り戻したはいいけど代わりにシンジ君が戦線離脱…
何だかんだ言ってシンジ君は主戦力だったのよね…

不確定要素を当てにすることは作戦指揮官としては失格だけど、初号機ならどんなことになっても何とかしちゃいそうだからなぁ

使徒は殲滅する。
決めたでしょ葛城ミサト、忘れたの?
あるものはなんでも利用する。
ないものねだりに意味はないわ。

「リツコ…うちの長距離兵器にアレを射程に捉えることができるものはある?」
「ないわ…到底無理ね。」

「第五使徒戦で使ったアレは?」
「戦自のポジトロンライフル?
 それでも無理よ、届いたとしてもATフィールドを貫くまでの出力にはとても及ばない。」

「指くわえて待ってろって?」
「そうね…あちらさんの行動待ちかしら」



ギリッ…
葛城ミサト遠く及ばぬ使徒に歯ぎしりし、爪を噛む…

「よしなさい、ミサト
 みっともない。」

「お行儀よくしてれば使徒が倒せるなら、幾らでもしてやるわよ…」


発令所では毎回恒例の使徒の情報解析が行われている。
進められているとは言わない。
それは使徒の能力は毎回蓋を開けなければ、何もつかめず。
何かつかんだときは、チルドレンの誰かに何かがあったときなのだ。
今まで事前の使徒の情報で戦術に採用され有効な手段に結びついたことはない。









ゲージへむかう通路

発令所の指示で搭乗待機を命じられたチルドレン二人…

「碇君は通常待機よ。ついてきてもする事はないわ。
 碇君は発令所へ…」
「あんたが来てもしょうがないでしょう?
 発令所で指くわえて、おとなしくしてなさい。
 あんた抜きでも使徒はあたしが殲滅してやるわよ…簡単にね?」

「二人とも気をつけて…」



「碇君は私が守るわ…」
(碇君…)

「……あらゆる点であたしがあんた達とは違うことを証明してやるわよ」
(あたしは変態じゃない!)



  〜あとがき〜
ふぅ…

次回『幸せになるために』…内容と一致してません。もう慣れた?

睦月  11/25,2000

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NACのコメント:
第13話です(^^)
やっと話が進む・・・(のかな・・・)。
とりあえず、おかしな綾波さんが可愛いと言っておきましょうか(^^;
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