縦横夢走 2006年 北東日本一周 編

 目的地は未定で 〔後編〕 (2006/08/17-08/23)

・08/17 名所・名物盛りだくさん!
・08/18 記録的大雨ってやつ?
・08/19 青い湖面を求めて
・08/20 「なんとかなった」1日
・08/21 新潟の想い出は
・08/22 最後の夜に「合掌」
・08/23 温泉「日本海」で〆


08/17 晴れ 名所・名物盛りだくさん! 青森県五所川原市/十三湖中の島ブリッジパーク/210.0km

 昨夜は記事を書いた後、同じ駐車場でキャンプをしていたライダー達と宴会をすることになった。ビールを頂いて上機嫌で話もはずむ。こういうのもツーリングの楽しみだと思うのだが、多くのライダーは疲れているのかすぐに寝てしまうようだ。オレは旅の楽しみは場所ではなく、人だと思っているので、こういう出会いは大切にしたいと思う。

 キャンプの夜は早い・・・というのが常識だが、昨日寝たのは深夜1時過ぎ。それでも6時に目が覚めてしまうから不思議だ。もうちょっと寝ても良かったけど、周りの人たちが片付けはじめたのでつられて起きることにした。といっても今日は昨日までのように距離を稼ぎたいわけでもなかったので、準備が終わって出発できるようになったのは午後8時半。昨夜盛り上がったライダー達も散り散りに次なる目的地に進んでいく。約1名の二日酔い者を除いては(笑)

osorezan1 それはさておき、最初の目的地は「恐山」。いたこの口寄せで知られる有名な霊山だが、ここには一度行ってみたかったのだ。キャンプした駐車場からだと30分もあればカブでも余裕だ。

 恐山の近くにやってきたかどうかはその匂いでわかる。というのも、火山ガス特有の硫黄の匂いがするのだ。

 硫黄臭が強くなってくると、この世の果てとも称される光景が目に入る。恐山到着だ。

入山料は400円。その400円を支払う前にいやが上にも目に付くものが受付の横にある・・・横の画像の上にマウスカーソルを持っていってみよう。

 「合掌 霊場アイス」って!?名前からして気になる・・・いきなり恐怖体験か!?とも思ったがアイスは参拝後の楽しみに取っておくことにしよう。

 受け付けで貰ったパンフレットを見ると、次のようなことが書いてある(かなり要約しているが)。

osorezan2 今からおよそ1300年程前に、眼前にひろがる光景をみた偉い人が、ここは霊山とするにふさわしい!ということで、霊山にしちゃったわけ。火山ガスが噴出する岩肌の一帯を地獄、湖をとりまく白砂の浜は極楽になぞらえたそうな。

 しかし、今日はカンカン照りで、しかも火山ガスがすぐ横でふき出しているということもあり、この暑さは何処へいっても地獄と言えそうな感じ。ここが本州最北端の下北半島であることを忘れさせてくる・・・大阪とさして変わらないくらいの、めちゃくちゃな暑さ。まぁ雨じゃなくてよかったけど、どうして例年に無くこんなに暑いのだろうか。

 また、境内には無料で入ることの出来る温泉(ロールオーバーイメージ)も完備している。といっても入山料の500円は払わなければいけないので、入山料に含まれていると言った方が正しいかもしれないので、もちろん入浴してきた。

 肝心のお湯加減はというと、少々熱めながらお年寄りにはこれくらいがちょうどいいのかもしれない(笑)

 ここは有名な「いたこの口寄せ」なんてのもあって、料金は1回3000円。体験しても良かったけど、オレはそこまで熱心な仏教徒でもないのでパス。体験した人の中でも、もの凄い当たるという人も居れば、まったくでたらめだという人もいる。当たるかどうかはその人の信心深さによるのかもしれない。

 ちなみに、ここは自然環境的にもかなり楽しめるので、青森に来ることがあったら、是非訪れてもらいたい。で、肝心のアイスはと言うと、バナナ味のシャーベットがコーンに乗っけてあって、オレは結構好きな味だった。が・・・どこかどう合掌 霊場アイスなのかというと、それは永遠の謎。お釈迦さんだけが知っているのかもしれない。アイスを食べた後に売店でコカコーラの500mlペットボトルを買ったけど、すぐに飲み干してしまった。それくらい暑かったんだよ。

 恐山の次は下北半島めぐり。一旦むつ市街へ降りてきてATMで銀行からお金を降ろす。財布の中身が増えたところで、対岸の北海道までわずか17.5kmしかないという、本州最北端の「大間崎」へ行ってみた。ちなみに大間からは函館行きのフェリーも運航しているので、北海道へ行こうかとも考えた。しかし、そうなると時間的に帰りは小樽>舞鶴とフェリーを利用しなければならなくなりそう。北海道へ渡るかどうかはかなり悩んだが、今回はパスして、陸路で大阪まで戻る事にした。

 大間までの道路は快適で、渋滞も無く走っているだけでも楽しい。時折見える海岸線が非常に美しい。お昼前には「大間崎」に到着し、そこでであったライダー達としばし会話を楽しみつつ、本州最北端の石碑を写真に収めた。

 石碑の上に1羽だけ海鳥が乗っているのがチャーミングだろ?

 時間もちょうどお昼時だったので、今日は名物づくし。まずは「生ウニ丼」。生ウニはウニが取れる地域でくらいしか食べられなくて、そこらへんのスーパーで売っているウニとは比較にならないくらい美味。全く“えぐみ”が無く、口の中でとろけていく、まさに絶品と呼ぶに相応しい!

ohma そんなウニを満喫したあとは、大間ということで「マグロ」を食べることにした。ここ大間はマグロが有名らしい。

 といっても、今の時期はこの大間近海で取れるマグロでは無いようだが、それは仕方あるまい。店先でマグロのカマを炭焼きにしているところ(ロールオーバーイメージ)があったので、そこでひとつ食べてみた。

 塩コショウで軽く味付けしているだけだが、やはり美味い。刺身のマグロはそれ程好きというわけではないが、火を通して調理したマグロはかなり好きなのである。思い出しただけで、よだれが出てきそうだ(笑)

 そんなこんなでかなり長く大間崎で時間を使ってしまったが、お次は下北半島の西側を通って、むつ方面へ戻る。

 ここからの道は先ほどとはうって変わって険しい山道である。一応海岸にほぼ沿って道がついているが、アップダウンが激しくカブには少々厳しい。途中有名な「仏ヶ浦」という巨岩が並ぶ場所を通過し、時々見える景色のダイナミックさは申し分ない。険しい道が続く脇野沢まではそれ程距離は無いが、昨夜の寝不足とあいまって結構疲れてしまった。

 脇野沢からはフェリーを使って対岸の蟹田へ渡ることが出来る。時間は1時間。1日に3本しか運行していないので、時間が合えば使おうかなと思っていた。15時に脇野沢に到着し、フェリーは17時発らしい。16時半にはフェリーに乗り込むような事を言っていたので、つぶす時間は実質1時間半。まぁそれくらいならいいかなということで、一気にショートカットすることになった。

 実は旅行中にフェリーを使った船旅をするというのは結構気に入っている。フェリーって楽に移動できるというだけじゃなくて、フェリーを降りた瞬間に今までとは全く別の風景がひろがる、あの感覚が好きなのである。

 1時間半の脇野沢探索は、結果的にかなり楽しいものになった。港を散歩していると、どこからか太鼓を叩く音が聞こえる・・・どうやらお祭りをやっているようである。気になったオレはカブで村の中をうろついて、祭りをやっている場所を発見。市役所の出張所にみんなが集まっていた。そこには大きな船の形をした神輿なんかもあって、大人から子どもまでがみなはっぴを着ている。その中でライダースーツをオレは目立ちまくりで、近くを警備していたおまわりさんと少し話をしてみた。といっても職務質問じゃないよ(笑)

 この村の夏祭りは毎年夏に3日間催されるとのこと。今日がその最終日で、おまわりさんはオレに予定を変更してこの祭りを是非見ていけと勧めるが、あいにくすでにフェリーのチケットを購入済みなのである・・・

 村全体で昔から行っている祭りで、老人から若い大人や子どもまで全員参加。はっぴを着ている人や、巫女さんの格好をした人まで、いつも通りの格好はおまわりさんくらい(笑)
そのおまわりさんの話だと、 村から出て行った人達も、毎年この祭りの為に帰ってくるんだって。地域あげての祭りなんて最近の都会ではすっかり無くなってしまったけど、祭りに参加している方々を見ているとそういう人のつながりは大切なことだと感じる。こういう偶然の出来事に出会える事こそ、旅の醍醐味だと思う。

 フェリーは定刻通り17時発。きっちり1時間の航海の末、対岸の津軽半島にある「蟹田(外ヶ浜町)」に到着。船の中では、昨日までの日記をとりあえずUPし、今日の日記を書けるところま書いておいた。そうこうしていると船はあっという間に蟹田に到着した。

 東京を出発してからPCのバッテリーを充電していなかったので、いかに超大容量バッテリー(PC本体よりも重い)を使っているとはいえ、そろそろ限界。港を降りてすぐのところにキャンプ場があったので、ここでキャンプをしてもよかったのだが日没までまだ少し時間があるし、PCの充電をしつつ、さらに西へ進んだ日本海側の「十三湖」というシジミで有名な場所に位置するキャンプ地まで足を伸ばすことにした。

 キャンプ場についた頃には辺りも薄暗くなり始めており、キャンプ場の目の前で出会ったライダーと一緒に受付を済ませ、今夜の宿を確保した。

 テントを設営したころにはすでに真っ暗。今日は暑くて汗をいっぱいかいたし、先程のライダーと一緒に近くの温泉で汗を流し、帰り道にあったレストランでしょうが焼き定食大盛りを食べて、今夜は終了。

 ここは青森県というのに予想外に暑い・・・天気予報によると例年よりも3〜5度も気温が高いんだって。このキャンプ場は平地にあるし虫も多いので、寝付くまではなかり寝苦しかった。

 この時はもっと涼しくなって欲しいなぁと軽く考えていたが、翌日あんな大変なことになろうとは誰も予想していなかった・・・

08/18 雨|曇り 記録的大雨ってやつ? 青森県西津軽郡/七戸民宿/118.2km

 午前4時半。悲劇はここから始まった・・・

 パラパラという雨音で目が覚めたが、それ程強い雨でもない。オレの持っているテントは超軽量(なんと980g!)なのと引き換えに、雨に対してはかなり弱い。とはいえ少々の雨なら耐えられるので、遠くで聞こえる雷の音がちょっと気になるものの眠気には勝てずに再び眠る。

 午前5時。雨音がかなり大きくなって目が覚める。雷の音も激しい。余談だが、雷は光った瞬間からカウントし、音が鳴るまでの秒数と340mを掛け算することで、その雷の発生した場所が自分の場所からどれくらい離れているのかがわかる。一応カウントしてみると、0.5秒から1秒後に激しい音が鳴っている。つまりめちゃめちゃ近い・・・

 外にはカブを止めているが、周りは松林なので雷が落ちるとしても松の木だろうが少々心配になってくる。テントは締め切っているので外は見えないが、雨が強烈に降っているのは音で十分わかる。テントが飛ばされる程ではないが風も強い。こういう時はじっと耐えるしかない。

 が・・・雨に弱いオレのテントの中はかなり厳しい状況。しみ込んでくる雨をタオルで拭きつつ雨に耐える。今までの経験から、無意識のうちに低い場所を避けて周りより少し高い場所にテントを設営するが、それでも排水が追いつかないようで、テントの床がウォーターベッドさながらにぷにょぷにょしていて気持ちいい^^;
もちろん上からも雫がしたたり落ちてくる。文章で書くと笑えてしまうが、本当はかなり厳しい状況。こんなことになったのは、実くんと以前に行った屋久島以来。久しぶりのアクシデントだ(笑)

 幸いマットは空気を入れるタイプなので、自分が乗っている部分以外は浸水してきても水に浮く。テントの隅っこの方に床上浸水も確認したので、濡れると困るものは全て浮島の上へ載せる^^;
その上にはゴアテックスのシュラフカバーを掛け、上からの雨漏り対策にも余念は無い・・・バッグの中のこまごましたものは、こういう時の為にジップロックでパッキングしているので濡れることは無い。空気を抜いてパッキングしたら体積も小さくなるので、これは皆さんにもオススメしたい。

 なんて事を言っている場合では無く、もはや「避難勧告」が出ている状況なので、雨が少し弱まったのを見計らってレインスーツを全身にまとい傘を持って外へ出た。屋根のある炊事場へ一時撤退だ。

 外へ出ると、別の場所にテントを張っていたライダー(昨日の人とは別の人)のテントがあった場所は凄い水溜りになっている・・・そのライダーは荷物やテントを全部炊事場へ移動した後だったが、状況はかなり悲惨だったようだ。水深15cmとか言っていたし^^;

 その後も断続的に雨は降り続いていたので、炊事場の調理台の上で少し眠った。が、雨が降っているとここが青森県であることを実感する。レインスーツを着ているのにかなり寒い。寒さと戦いながらも眠気には勝てず、目が覚めたのは7時頃だった。

 激しかった雨と雷は収まってきたので、一度テントの中を確認してみる。テントの床には水が溜まっており、シュラフカバーの上にも水が溜まっている・・・浮島の上の物は全て無事だ。空気を入れるマットはこういう使い方も出来るのか、なんて感心してしまった(笑)

 雨が弱いうちにテント内の荷物と、テントそのものを炊事場へ移動。ついでにカブも移動してきた。

 屋根のあるところで濡れたものをある程度は乾かさないと、パッキング出来ないので、効率よく作業を進める。さっきまで寝ていた調理台の上に並べるが、びちゃびちゃに濡れたのはテント本体とツーリングマップル(関西と関東甲信越)くらい。本は濡れるとページをめくりにくくなるが、これくらいの被害だったのは不幸中の幸いだった。

 8時位になって、昨日のライダーがテントから出てきた。凄い雨だったがテントの中は大丈夫とのこと・・・やっぱり超軽量テントで1週間以上のツーリングは危険だ。以前から念願のゴアテックスのテントを買うきっかけになりそうだ。っていうか、もう絶対買いますよ(笑)

 とりあえず湯を沸かして、インスタントのスープとコーヒーを飲んで体を温める。まだ雨は降り続いているので、しばらくは昨日のライダーと色々な話をして気持ちを紛らわす。雨が止んで荷物をパッキングし、最近減りつつあるエンジンオイルを補充し、出発したのは午前11時・・・まぁこういう日もたまにはある^^;

 気を取り直して、キャンプ場を出たところにあるレストランで名物の「シジミラーメン」を食べて早めの昼食にした。シジミでだしを取った塩ラーメンのスープと、大量のシジミ。味は悪くは無いが、特筆する程のものでもなかった。

 その後はひたすら南下。まずは十二湖へ向かう。昨夜は十三湖で、今日は十二湖。別に狙った訳ではないが、十二湖は大小あわせて33個の湖からなっているらしく、前に出会ったライダーから「その中の青池という池は、北海道の『神の子池』を越える青さだ」と聞いていたからだ。実際天候にもよるだろうが、あの美しさを越える池なんてそうそう無いだろう。こんな情報をGETしてしまっては、青池を見ないことにはオレの「みちのくの旅」は終わらない。

 天気も晴れ間がさしてきて一安心。バッテリーからPCの充電をしたかったが、また雨が降るかもしれないと思い、充電はパス。途中、まっすぐの気持ちいい道路(たまに水深15cm程の水溜りがあった・・・)の横にメロン売りの露店が並んでいる所があったので、そこで一時ストップ。雨もしばらくは大丈夫そうなので、とりあえず雨が降り出してもすぐに撤収できる携帯を充電しておくことにした。また、ここで試食したメロンの美味いこと美味いこと。あまりの美味さに2個入りを買って、家に送ってもらうことにした。めちゃめちゃ人のいいおばさんで、メロンの試食も試食とは言えないほどいっぱい食べさせてもらったし、しかもオマケとかいって、メロンをまるごと1個くれた(笑)
ちょっと嵩張るのが難点だが、そのまま前カゴに放り込む。こういう時に前カゴは便利だ。

 美味しいデザートも食べたことだし先へ進む。お次は「鯵の沢」という所へ。「焼きイカ通り」という看板があり、焼きイカを売っている露店が軒を連ねている。お腹はそれ程空いていないが、こうお膳立てされれば、焼きイカを食べないわけにはいかない。店のおばさんに、「このイカはこの近海で取れたものなんですか?」と聞いてみたら、今の時期は近海もののイカは小さすぎて、焼きイカには出来ないらしい。これは八戸から取り寄せた冷凍イカだと聞いてちょっとガッカリ。とはいえ味はなかなかで、海を眺めながら焼きイカを食べるというのもなかなか風情がってよろしい。

 さらに先へ進み、日本一の大イチョウ(樹齢1000年以上、高さ31m、根回り22m)で一時休憩。ここから先はどんよりと暗い雲が立ち込めていたので携帯の充電をやめて、本格的な雨装備にして再出発。予感は的中で、まもなくパラパラと雨が降り始めた。

 初めは大した雨では無かったが、次第に強くなってくる。深浦町に入った頃には土砂降りの雨と風。かなり激しい雨で、靴の中まで浸水している。レインスーツ越しなのに、雨粒が体に当たって痛いくらいの大雨。そんな大雨にいつまでも耐えられるはずも無く、十二湖の少し手前にある名前からして時間がつぶせそうな気がする「エコミュージアムセンター湖郷館」というところに駆け込んだ。

 とりあえず入口でレインスーツを脱ぎ、靴も脱ぐ。もちろん靴下は絞ると水が出てくる・・・そんな状況でも、ゴアテックスのレインスーツの下に来ていた服は濡れていない。やっぱりテントもゴアテックスを買うしかないな(笑)

 「エコミュージアムセンター湖郷館」は展示こそこじんまりしているが、建物は近代的で新しく、ハイビジョンのシアターがあったり、各種案内パンフレットや本まであるので十二湖散策の前に立ち寄るといいかもしれない。地図によると「ビジターセンター」ってのもあって、そっちのほうが案内業務は請け負っているみたいだけど。

 客は誰も居なくてオレ1人だったのだが、センターの人はとても親切で、観光案内だけでなく冷たいお茶まで出してくれた。シアターでビデオを見た後、外を眺めるとさらに激しい雨。しかもかなり強い風が吹き出している・・・携帯の電波が入ったので天気をチェックしてみると、なんと大雨洪水警報が出ているみたい。これだけひどい雨だから、警報が出ていない方がおかしい。時間は午後3時。こんな状況では青池の本当の美しさに触れるなんてまず無理だろうから、選択肢は2つ。今回は諦めるか、明日リトライするか。明日の天気は回復傾向にあるようだ。とはいえ、この状況下先に進むというのは馬鹿げている。というか、それはどう考えても無理だわ。

 かなり悩んだ挙句、センターで貰ったパンフレットから、近くにある民宿に連絡を取り、明日リトライすることにした。しばらく雨は降り続いていたが、雨が上がったチャンスを逃さず、100kmちょいしか走っていない状況下にも関わらず宿に不時着。

 もう雨は降らないような気はするが、風は強いし、何よりPCを充電しなきゃいけない。ついでに洗濯もしないと着る服が無くなってしまう。結局その後雨が降ることは無かったが、濡れた荷物を乾かすことも出来たし、落ち着いて記事を書くことが出来た。

 ちなみにTVのニュースで今日の大雨の事を言っていたが、記録的な大雨だったらしい・・・昨日キャンプをするか悩んだ外ヶ浜町は大変な大雨だったようで、十三湖まで移動して正解だったようだ。これだけの大雨にあって、運に恵まれているのか、運に見放されているのかよくわからないが、明日は参拝してきた恐山パワーで、青池の美しいブルーを拝みたいものだ。

08/19 曇り/晴れ 青い湖面を求めて 山形県酒田市/外山キャンプ場/253.0km

 朝から天気も上々!全体的に曇ってはいるが、雲の切れ目も結構あり、今日はまた暑くなりそうだ。濡れた荷物を乾かしていたので出発に少し手間取ったが、8時には出発した。天気も回復したので、予定通りまずは十二湖へ向かう。

 途中にあるビジターセンターはまだ営業時間前で、残念ながら案内などは受けられなかったが、昨日雨宿りした際にエコミュージアムセンターで色々聞いてきているので心配は無い。下のほうに分布する池は、至って普通の池なので、目指すは「青池」。と言っても途中の池もかなり美しい。時間も早いので、水面からもやが出ていて、幻想的な雰囲気をかもし出している。

 一番上まで登ると駐車場があり、一旦そこでストップ。駐車場付随の施設もまだ営業していなかった。

 だが、探索マップは昨日貰っていたし、ご丁寧に看板があるので問題は無い。

 駐車場から徒歩約5分。ようやく目的の「青池」に到着した。

aoike 湖面は確かに青い・・・水面からもやが出ていて、少しくすんで見えるが何色かと問われれば青色としか答えようが無い。風も無いので湖面が鏡のように光っている。が、しかし、昨日雨が降ったからなのか透明度が若干低い気がした。今回はコンディションが良くないのかもしれないが、残念ながら「神の子池」程の感動は無かった・・・見る場所によって水の青さが変わるが、どこからみても神の子池以上とは言い難い。

 ちなみに以前はもっと透明で透き通ったブルーだったらしい。「青池」は白神山地からしみ出す湧きのみで池になっている。成り立ちは神の子池と同じである。それが、最近は湧き水の量が減っているらしく、以前程の美しさは損なわれてしまったと話す人もいた。

 この池には魚も住んでいるのだが、以前に放流したニジマスだそうな。ニジマスは外来魚だが、そのままここにいついているらしい。ちなみに水温は一年中9度で一定とのこと。

 しばらくは青池で居たが、その先にある「沸壺の池」へ向かう。途中通り抜けたブナの原生林は美しく、世界自然遺産に指定されている白神山地の一端に触れた気がした。(ロールオーバーイメージ)

 「沸壺の池」も美しい青い色をしているが、青池とはまた違った色だ。この池の水はそのまま飲めるらしく、池の下の道路にまで水が引いてあった。少し飲んでみたが、冷たくて美味しい。暑い中を歩き回った後なので美味しさも格別。

 カブまで戻って、名物だという「なんとか餅」(名前失念)をつまんでから再出発。これからまた南下していく。国道101号を南下し、青森を抜け秋田へ入る。道の駅「はちもり」で「お殿水」という白神山地から湧き出る水でのどを潤す。今日はまた格別に暑い・・・

 さらに少し進んで、ハタハタ館というところで気になるのぼりを見つけたのでストップ。「さるなしソフト」とはこれいかに?というわけで食べてみた。さるなし(キウイに良く似た野生の木の実で、おいしいので乱穫がすすみ、最近は減少しているそうだ)味のソフトクリームで、ここのオリジナルなんだって。とても暑かったということもあり、味も甘酸っぱくてさっぱりしていて美味しかった。そういえばここのお店のおばさんは、このあたりの過疎のことを話していた。というのも、「こんな所に住みたいなぁ」とオレが漏らすと、「じゃあ越してきたらいいよ。このあたりは過疎が進んでいてねぇ・・・」という具合だ。小学校は全体で20人くらいしか居ないんだって。

 休憩もしたしさらに南下。能代にはいって国道7号に変わる。しばらく進み、まっすぐな県道にそれると、そこは有名な「八郎潟」の干拓地だ。ひたすらまっすぐな道路が続く。GPSが無いので定かではないが、海抜は0m以下だろう。ちなみに八郎潟は、以前は琵琶湖ぬ次ぐ日本第二の大湖だったが、埋め立てによって今はその名残を少しだけ残し、そのほとんどは田んぼになっている。

hachirogata 直線の舗装道路がいつまでも続く。ちょっと飽きてきたところで、未舗装のわき道に入ってみた。わき道もどこまでも続く直線。まわりは田んぼで埋め尽くされている。外国では当り前の風景だが、日本では珍しく、よく日本離れしていると言われるが、まさにその通り。しかしこれだけ大きい湖をよく埋めたなぁと人間の所業にはちょっと呆れてしまった。

ちょっとわき見をすると、きれいなひまわり畑になっていたので写真とってみた。あたり一面のひまわりはみな、太陽のほうを向いている。生物学的には当り前なのだが、見ていて楽しい。(ロールオーバーイメージ)

 広大な干拓地を東に抜け、道の駅で小休止。ツーリングマップルに「こばじゃソフト」と一言だけかかれていたのが気になったからだ。「こはじゃ」とは、ブルーベリーに良く似た木の実だそうで、お味はというと・・・先程食べた「さるなしソフト」と非常に煮ている。色は違うのに味は甘酸っぱくて似ていた。

 アイスばっかりも少々飽きてきたので、さらに南下を開始。途中、秋田で軽く昼食を済ませさらに南下。そうこうするうちに山形県に入った。

 あまりの暑さにもう耐えられない。電光掲示板の温度計は35度・・・山形県に入ってすぐの、鳥海山のふもとにある道の駅に滑り込んだ。ここで観光案内図をもらったので、このあたりを少し散策。美しい水の川に手をつけてみたり、ちょっと気分転換。

 お腹も空いてきたので、一度道の駅へ戻り、地鶏定食を食べた。少し早いがこれを夕食にしてしまえば、今夜は日記に専念できるし。ここ数日、宿泊地はいずれも圏外だったので、今日こそは更新したいところだ。

 日暮れまでまだ時間もあったので、そこから少し南下し、この暑さに耐えるべく少し標高が高そうなキャンプ場に行くことにした。

 今夜のキャンプ地は、山形県酒田市の外山キャンプ場。料金は250円とのことだが、お金を払う施設が見当たらないが、この際もういいだろう^^;
ここは小高いところにあるので風がよく通る。昼間の暑さが嘘のように夜は心地いい。この風のおかげで、 まだ少し湿っていたテントも完全に乾くことだろう。地面も芝生でふかふかしていて気持ちいい。今夜は気分よく眠れそうだ。

 明日の予定は、新潟市に住むいとこの家へ行くことになっている。明日1泊させてもらえることになったので助かった。いとこと会うのも久しぶりなので楽しみだ。ちなみにここからだと新潟はそんなに遠くない。とりあえず途中の楽しそうな所に立ち寄りながらのんびり移動することにしよう。

08/20 晴れ 「何とかなった」1日 新潟県新潟市/いとこの家(無料宿)/191.5km

 結果を言えば「何とかなった」・・・今日はそんな大変な1日だった。

 起床は6時半。ツーリング中は何故か早起きだ。とはいえ今日は新潟市に住んでいる、仲の良いいとこの家へ行くだけなので、近い近い。というわけでだらだらしていたら出発は8時半になってしまった。といっても200弱だから余裕なんだけどね。

 小高い山にあるキャンプ場から一旦国道112号を目指す。国道112号は海沿いに走り、海沿いの道は県道50号に切り替わる。最初の観光スポットはその県道沿いにある「加茂水族館」。ツーリングマップルには「クラゲの展示日本一。『クラネタリウム』は必見」と書いてあったのが気になったので、行ってみることにしたのだ。今日は移動距離は少ないし、色々観光しつつ新潟へ向かうつもりだ。

kurage 水族館に到着したしょっぱなから度肝を抜かれた。見た瞬間「なんじゃそりゃ〜」と言いそうになった。「クラゲレストラン」「クラゲ定食」とは・・・

 入場券800円を支払い中へ。総合的に言うと、規模も小さいし、展示もそれ程多くないいわゆる「田舎の水族館」なんだけど、ここの館長さんはかなりのこだわりを持っている人間のようで、そういう人がこういった施設を取り仕切るとほぼ間違いなくえらいことになる。まぁそれがいい方向に進むか、悪い方向に進むかは時と場合による。

 この水族館はそれがいい方向に働いた例かもしれない。

 山形は渓流釣りも盛んなので、渓流魚の展示もあるのだが、最も力を入れているのが「イトウ」という日本で最大の淡水魚。しかもこれが野生で確認されているのは北海道だけだったりする^^;

 この巨大な「イトウ」が何匹もいる水槽があったりで、ヤマメやイワナは家庭用のちっこい水槽くらいなのだ。かなり笑えてしまった(笑)

 で、肝心の「クラネタリウム」はというと、かなり凄いことになっている。地下全体が照明を落としたクラゲ専用エリアになっている。といっても敷地は小さいんだけどね。綺麗なクラゲ、ヘンテコなくらげ、色々なクラゲが居て、その中でもパラオの「海水湖」の話が印象的だった。パラオには約1万年前に海から隔離された海水の湖があって、そこはクラゲや魚などが独自の進化を歩んだらしい。そこにはクラゲの楽園もあって、それらも色々展示されていた。一応写真を撮ってみたので、マウスカーソルを画像の上へ持っていってみよう。

 クラゲを見た後は、もちろんくらげを食べる。意気揚々とレストランで「クラゲ定食」を注文したら、まだ朝なのでやっていないそうだ・・・ちなみに「クラゲ定食」は、最近有名になった「越前クラゲ」のフルコースのようだ。大量発生して猟師の網にかかって大変ってな話を聞いたことがあるが、実は食べられたのか・・・

 「クラゲ定食」が食べられないとわかってかなり凹んだが、他のメニューを見て一気にテンションが上がった。「クラゲソフト」なるものがあるではないか!しかもソルト味とかいうクレイジーなのまである。見た瞬間に「クラゲソフト ソルト味」を注文したのは言うまでも無い。

 ソフトクリームにクラゲを混ぜているようで、プチプチという食感が新鮮でなかなか楽しい。味はフツーで、どこがソルト味なのか分からない程度の塩味。これに関してはちょっと残念だったが、まぁ思いっきり塩辛くても困るので、これくらいが限界なんだろう(笑)

 クラゲソフトを満喫した後はさらに南下し、道路は国道7号になる。

 途中、道の駅「あつみ」に寄ると、ここもかなり熱いことになっていた・・・「かやの実アイス」「あおさアイス」が目にとまった。と言ってもさっき「クラゲアイス」を食べたから、流石に2つも食べられない。でも、これを目にして、どちらかを諦めることは出来ない。そこで店員のおばさんに、2段重ねは出来ないか?と聞いてみると、上の方からそれはやるなと止められているらしい。やはりこの2種類を食べてみたいという客が多いのかもしれない。だが、ダメだと言っても2つ買ってくれることは無いので、1.5倍くらいの値段でやった方が儲かる気がするんだけどね^^;

 ダメだと言われても名残惜しそうにどっちにしようか悩んでいるオレを見て、おばさんは「何と何を食べたいの?」と聞いてきたので、俺はかやの実とあおさであることを告げた。そうしたら、「本当はダメなんだけどしかたないわね。今回だけの特別ね」・・・といって、「かやの実アイス」の上に「あおさアイス」をサービスで乗っけてくれたのだ!

 丁重に御礼を言って、まずは上にのった「あおさアイス」から食べる。感想としては、青のりの味。こんなアイスは初めてで、ちょっとびっくりしたが、なかなかのお味。お次は「かやの実アイス」。かやの実はナッツみたいなもので、こっちは特別な印象は無く、フツーの味だった。ちなみにこの当たりの学校給食ではデザートにかやの実アイスが出ることがあるんだって。

 朝からアイスばっかりなので、ついでに山形名産の玉こんにゃくを串に刺したものも食べたが、醤油味のおでんのようでなかなか美味しかった。

 その後道沿いに見つけた「早田の御葉付イチョウ」という看板にひかれて寄り道。かなりマイナーな観光地らしく、看板にしたがって道なりに進んでいったら、ダートになった。久々のダートにワクワクしながら進んでいっても、目的地に着かない・・・おかしいと思い引き返したら、横にそれた道の方が正解だった。地元の人以外誰も行かないような山道になって、最後は山の中を歩いてようやく到着。普通のイチョウは、種子はいわゆる銀杏なんだけど、「御葉付イチョウ」とは種子が葉っぱの先につく珍しいイチョウだそうな。だけど時期が外れているからなのか、そんな葉はひとつも見つからなかった^^;
おまけに蚊がむちゃくちゃいる場所で、ぱっとみで10箇所くらいは刺されてしまい、一体何をしに行ったのか良く分からない状況・・・一旦国道へ出てガソリンスタンドで給油をすると、暑いでしょうってことで麦茶をご馳走になった。その時に「御葉付イチョウ」の話をすると、「そんなのわざわざよく行ったわね〜」と笑われてしまった。その後、「だったら、こっちの方が行く価値があるわよ」といって、町の観光地図を渡された。

 その地図に従い向かった先は「念珠の松」という珍しい松の木。写真からもわかると思うが、最初水平に伸びて、その後は斜め上に伸びていっている面白い形の松だ。地元の人のご推薦だけあって、これは見る価値ありかな。

 さらに南下すると新潟県に入り、しばらくすると国道7号は国道345号に変わる。日本海有数の景勝地で知られる「笹川流れ」に差し掛かったときに見つけた道の駅で休憩。

 なんとそこでは「コシヒカリアイス」なるものを発見!今日はアイスばっかりで何なんだけど、ついつい食べてしまった。今日はすこぶる暑いので、アイスが美味しい。「コシヒカリアイス」はアイスの中にコシヒカリの粒が入っているちょっと変わった食感なんだけど、味はい至ってフツー。しかしよく、色々なアイスを考えるもんだ。

 その後は、道路を走っていると、大きな看板に「塩」と書かれているところを発見。まるで吸い寄せられるかのように立ち寄ってみた。

 ここは日本海からく汲み上げた海水から塩を作っているところらしく、そこを見学。お土産に塩を勧められたが、荷物が増えるのは困るので見学しただけだったけどね。そうしたら小さい試供品をもらえたのでちょっと得をした。画像は海水を熱して塩分濃度をあげているところで、ある程度濃くなったら不純物を除去し、最後は湯せんで仕上げるそうだ。普段何気なく食べている塩と違い、ただ塩辛いというだけではないのが不思議だ。

 どんどん南下し、村上市に入ってしばらくしたところで、「それ」は突然起こった。

 交差点を左折中にリアタイヤがぬるっと滑ったような感覚。何かを踏んだか、それともパンクしたか。道路に滑るようなものは何も落ちていなかったので、恐らくパンク。すぐに左の路側帯に入れてリアタイヤを見てみると空気が抜けている。しかし、タイヤのどこを見てもクギなどは刺さっていないのが、この時気になっていた。

 実は今回出発前に、ヨーロッパ一周の時から使っていたコンパクトな空気入れが壊れたのだ。まぁそうそうパンクなんかしないからいいや、と思っていたのが運の尽き。こんなところでパンクしてしまうとは・・・パンク修理キットは持っているのに、空気入れが無い。幸い目の前がコンビニだったので、そこで空気入れは無いか?と尋ねたけど、残念ながら無いとのこと。すぐ目の前にガソリンスタンドの案内看板があり、ここから800mと書いてあったので、暑い中そこまで押していった。

 スタンドに着くと、バイクのパンク修理はやっていないと言われたが、パンク修理キットと工具は持っているので、空気入れだけ貸してくれればいいと告げると快諾してくれた。日陰にカブを置いて荷物を解き、タイヤを外す。出発前にタイヤを交換したので作業も問題ない。

 が、問題はタイヤチューブだった・・・パンクしたのがホイール側。つまりチューブの中心側が、ホイールの錆びによって腐食されて穴が開いていた。出発前にタイヤを替えたのに、あまりの暑さにチューブもチェックせずにそのまま組んだのが敗因。いまさら悔やんでも仕方が無いが、ホイール側だと修理キットのパッチを貼っても空気は抜けてしまう。

 そうこうしていると、スタンド店員の方が近くにの知り合いのバイク屋に連絡をとってくれた。バイク屋にはカブ用のチューブはあるが、ここまでは持ってこれないとのことなので、なんとかしてそのバイク屋へ行かなければいけない。といってもカブはパンク中・・・

 バイク屋まで数キロとのことなので、パッチをつけるセメント(接着剤)をかなり多めに塗り、パッチを貼り付ける。しばらく乾燥させて少し空気を入れ、そこをガムテープでぐるぐる巻きにして再び空気を抜く。それをタイヤにはめ込んで空気を入れたら、とりあえず走行は出来る状態になったので、荷物をスタンドに預け、バイク屋へ向かう。

 バイク屋でチューブだけを買ってスタンドで直しても良かったが、スタンドにこれ以上迷惑をかけるのも何だし、電話で相談に乗ってくれたバイク屋にも申し訳ない。それよりもあまりの暑さでくたばりそうだったので、バイク屋さんにお願いしてチューブを交換してもらうことにした。

 おかげでチューブは新品になり、これでもう大丈夫だろうということで、バイク屋に礼を言い再びスタンドへ向かう。

 結局2時間半くらいのロスになってしまったが、お世話になったスタンドで記念撮影。左から近藤さん、オレ、相馬さん。忙しいのにオレのことを気にしてくれて、骨を折ってくれたことに感謝している。そのおかげで、今こうして記事を書けている。

 パンクした時は「あちゃ〜」と思ったが、周りの人々に支えられて今回も何とかなった。今までこういう事は何度もあって、その度に感謝して人の優しさの素晴らしさを感じ、自分が一人で旅をしているわけではないことを実感する・・・

 5年前のオレは「一人でどれだけのことが出来るのかを試したくて」ヨーロッパ一周にチャレンジした・・・今思うと自分の考えがもの凄く幼かったと思え恥ずかしくなる。

 旅先でトラブルにが起こって、それをひとつひとつ解決する度に、自分が成長している気になっていた。南ヨーロッパとスイスを周り、一度フランスに戻って来る時、どこまでも続くまっすぐな草原を走っているときに、オレは変わった・・・

 回りには車も人も見当たらず、あるのは果てしなく続く道、と地平線。そういう所をたった一人で走っている時に、唐突に「孤独感」にさいなまれる時がある。日本ではこういう状態にはなり得ないが、ヨーロッパではこういう状況は普通にある。


  世界中にオレ一人しかいないような錯覚に陥った

  道路の横にカブを止めて空を見上げてみた

  360度広がる地平線


  「オレは一人なんだ・・・」

 
  果てしない孤独感

  大声で叫んでも返事は何も返って来ない

  まるで自分が宇宙にひとりで居るかのような感覚

  オレは目を閉じてみた・・・


 と、その時だった。「孤独」という二文字しか無い頭の中に、出発前にオレを送り出してくれた友人達や、ヨーロッパに来て2ヶ月間に出会った人達、今まで出会った数限りない人達の姿。そして両親の姿が一気に噴火したように沸きあがってきた。

 一人で生きているつもりでも、自分の選んだ1つ1つの行動の裏側には、必ず誰かが関わっている。誰も関わっていないことなんてありえないのだ。今自分が立つ大地に生える草1本でさえも、何かと関わって生きている。誰にも関わらずに生きることなんて出来ないということに気づいた瞬間だった。

 人はがむしゃらになって、自分の限界に挑戦しようとする場合がある。でも、結局は誰かの支えの元にその挑戦があるということを決して忘れてはならない。


 その時1台の車が、草原にポツンと立ちながら涙を流しているオレを追い越し、地平線の向こうへ消えていった。


 オレは嬉しくなってカブにまたがり、果てしなく続く地平線に向かって走った。今までのような孤独感はどこかへ消えてしまっていた。というより、もともとそんな孤独なんて無かったのかもしれない。その時からオレは変わった気がする。
 

08/21 曇り/雨|晴れ 新潟の想い出は 富山県黒部市/嘉例沢森林公園(無料キャンプ場)/216.0km

 いとこの家に着いたのは午後8時。とっくに日は沈み、真っ暗な中到着。パンクでロスした分だけでなく、新潟市内で何度か迷いそうになり、その度に地図を確認していたらかなり遅れてしまった。これが21日の日記になっているということからも分かるように、昨日は日記をつける元気は残されていなかった。

 いとこの家に到着後は名物の「へぎぞば」を食べに行った。「へぎそば」はつなぎに海藻をつかっているらしく、歯ごたえがあってかなり美味しい。その後久しぶりに会ういとこと話しながらビールを1L飲んだだけで眠ってしまった。

 それでも7時前に起きてしまった。ニュースを見ると、中越地方は雨後曇りになっている。ということは、中越は雨なのか!?でも、新潟は快晴といってもいいような天気なので、気にすることも無いだろう。

 いとこの出勤時間にあわせ8時半に出発。大阪に帰るまで後3日あるので、のんびり移動しても大丈夫だろう。

 国道116号をひた走り富山を目指す。走り出してしばらくすると雲行きが怪しくなってきた。前方に真っ暗な雲があって、それに向かって突き進んでいる。

 そろそろ降るかな・・・と思った瞬間、目の前がかすんでいる。雨が降っている場所と降っていない境界が見える程激しく降っている。と思った瞬間,、大粒の雨がパラパラときたので、これはヤバイということで、すぐ横にそれて建物の影に身を隠す。ほんの一瞬だったので少ししか濡れていないが、荷物にレインカバーを掛け、レインスーツを着る。その刹那とてつもない大雨が降り出したので、建物の影でしばらく雨宿り。

 凄い勢いで降っている。先日の青森でくらったような雨なので、出ようにも出られない状態だ。といっても暗い雲の先は少し明るくなっているので、しばらく待つと雨もマシになるだろう。ということで待つこと約20分。雨は小雨に変わった。

 いつまでも雨宿りというわけにもいかないので、濡れるのを覚悟で再出発。といっても雨はもうほとんど降っていないが、前の車が巻き上げる水でヘルメットのシールドはすぐに見えなくなる。水滴を手で除けながらも、しばらくはしるとそれも無くなった。まるで熱帯のスコールのように、突然やってきて突然去っていった。

 その後本屋によってツーリングマップルの中部北陸編を購入。今回の旅で何冊も買ったので、九州を買えば全部制覇になってしまう。

 道路は国道8号に変わり、お腹も空いてきたので途中のドライブインで「カニラーメン」とやらを昼食にする。野菜はたっぷり入ったボリューム満点御ラーメンで、たっぷりのカニの肉とカニ味噌まで入っている。満腹になったところでさらに埼へ進む。

 新潟はとにかく長いから通過するのは一苦労と聞いていたが、それ程気になる前に糸魚川と越えた。県境手前の「親不知」というところまでやってきたので、道の駅で一旦ストップ。

 新潟の糸魚川といえば、名物がある。ご存知の方の多いと思うが「海岸で翡翠を拾える」というアレである。大学時代に鉱物を研究していた手前、新潟まで来てこれを逃すというのはもったいなさ過ぎる。というわけでここらで一丁翡翠を見つけてお土産にしてやろうという魂胆だ・・・

 といっても、そうそう見つかるものでもないらしい。今までに行った人の話だと「どれがヒスイなのかがわからない」とか「これかなぁと思って持って帰っても、ヒスイでは無かった」というのが多い。実際に行ったことのある人にはよくわかると思う。

 しかし運がいいことに、道の駅「親不知」には、「翡翠ふるさと館」というのがあって、そこに翡翠の展示だけでなく、無料鑑定もやってくれるそうなのだ。

 というわけで、このクソ暑い中「翡翠探し」スタート!

 炎天下、写真のような石が無数に転がっている浜で翡翠を探すのは一筋縄ではいかない。

 ここでTAKU流の翡翠を見分けるポイントを今回は読者の皆様に特別に伝授しよう。

 1.浜にある石はみな円磨されているが、翡翠は「ヒスイ輝石」という小さな鉱物が緻密に集まったもので、ひとつひとつの結晶はめちゃくちゃ小さい。なので、落ちている石の中でも表面がつるつるのものを探す。結晶が大きく表面がでこぼこしているのは大抵「石英」でハズレ。間違ってこれを持って帰る人が多い。

 2.表面がキラキラしているものを探す。石英だとガラスの光沢で貝殻のようなへこんだ面が光っているのだが、それとは違って「非常に小さい」平らな面がキラキラ光っている石を探す。比較的大きい面がキラキラ光っているのは「曹長石」で、これもハズレ。

 3.多くの人は緑色だと思っているが、色に関してはあまり当てにならない。ここで見つかる多くは白色。濃い緑だとかなり高価な宝石になるが、まぁそんなのはほとんど無いと思っていいだろう。

 と文章で書いてもよくわからないと思うし、素人にはまず無理だと思うけど^^;

 そんな感じで探して、とりあえずいくつかの石をピックアップ。明らかに違うものもあったが、それが何なのかを鑑定してもうために一緒に持っていく。あまりに暑いので実際は10分くらいしか探していないが、無数にある石をずっと見ているとどれも翡翠に見えてしまう(笑)

 早くも身体が限界なので「翡翠ふるさと館」へGO!

 鑑定結果は・・・

 「これは翡翠だと思いますよ」というのが1個あり、もっとしっかり見てもらうために切断してもらった。

 切断面をルーペで観察し、「分析しなければはっきりとは言えませんが多分翡翠でしょう」という答え。そんな感じだったのでこれは翡翠ということにしておこう。まぁオレが見ても翡翠だと思うから、多分合ってるハズ。

 実際、こんな短時間で翡翠を見つけられるというのはまず無いと聞いていただけにちょっと嬉しい。ツーリングマップルには「よ〜く探せばヒスイの原石が見つかるかも!」と一言かかれているだけだが、新潟のいい想い出になった。

 時間も16時前なので、それから少し進んで富山県に入り、黒部川を越えたあたりから山に入ったキャンプ場を目指す。標高750mの静かな山間にある無料のキャンプ場だ。

 だが・・・途中舗装の貼りなおしの工事をしていて通行止めになっている場所の横を通り抜けていった・・・一応作業してる人に了解は取ったけど。そんな感じなんで、もしかしたら今は閉鎖中なのかも?^^;
人里離れた山中にあり、通行止めの先にあるキャンプ場の今夜の客は、もちろんオレ一人だ(笑)

 とはいえ綺麗なトイレがあって、施設は十分整っている。虫は多いが、先日宿泊した民宿で蚊取り線香を数本拝借してきたのが大活躍。しかし、これで無料ってんだからかなりいい場所かな。高さがあるから夜も涼しいし、テントの中でPCに向かっていても心地よい。昨夜の分もまとめて記事を書いていたら時間ももう23時前なので今日はこれにて終了。明日は世界遺産の合掌造り集落を見に行こうかな。

08/22 曇り/雨 最後の夜に「合掌」 福井県南越前町/道の駅「河野」(無料宿泊所)/314.7km

 夜も涼しく快適に眠れ、起床は7時。朝ももちろん涼しくて今が夏であることを忘れさせてくれる。天気は曇り。ここは山間なので雲というより霧。誰も居ないキャンプ場でひっそりと荷物を後片付けをして、8時に出発。

 まずは山を降りて、国道8号へ出る。コンビニで軽く朝食を取って国道157号(飛騨合掌ライン)を南下する。正面に見える山の雲はそこが雨であることをオレに知らせているかのように、厚くそして黒い。山に差し掛かってトンネルを抜けるとやはり雨がパラパラ降り出した・・・すぐにレインスーツを着て再出発したので、それ程濡れることも無かったが、次第に雨足は強まり、道の駅「たいら」に一時避難し、雨宿りをする。

 今回は結構雨に降られている気がする・・・雨もほどなくしておさまったのでさらに「飛騨合掌ライン」を進む。

 ユネスコの世界文化遺産にも登録されている「相倉(あいのくら)合掌集落」に着いたときには雨も止み、晴れ間がさしていた。駐車料金100円を支払い、まずは集落全体を展望できる所へ歩く。徒歩5分だが結構疲れた^^;

 だが、ここまで登って大正解。集落の全景だけでなく棚田の美しさもよくわかる。

 合掌集落は写真でしか見たことが無かったが、やはり生で見るのはいいもんだ。ちなみに萱葺き屋根の家の多くは土産物屋や食事処、民宿である。まぁ機械化が期待出来ないような棚田での農業だけで生活していくのというのは、このご時世無理があるのだろう。地元の人が収穫を間近に控えたわわに実った稲の間に生えている雑草を抜いていた。稲を育てるのもなかなか大変なのだと実感。

 バイクでは集落内に入れないので、徒歩で集落を散策する。と、突然大粒の雨がまた降り出したのですぐにカブの元へ戻り、ウェアやヘルメットだけを濡れない場所に動かす。長野から来たというライダーと話をしながら雨宿り。今日は雨宿りに縁があるのかもしれない^^;

 この雨もしばらく待つと止んだので、ガソリンを給油後別の集落を目指す。

 次なるポイントは、「菅沼合掌集落」。ここも世界遺産になっているが、先程訪れた「相倉合掌集落」と違い小さい集落なので駐車料金は無料だった。ここで民家集落の内部を公開しているところがあったので、そこを見学。

 このあたりは、加賀藩の時代からの火薬の生産地だったらしく、その展示を行っているところもあったのでついでに見学。するつもりが、またパラパラと雨が降り出した・・・

 仕方ないのでまたすぐにカブに戻り、ウェアとヘルメットを抱えて、横の食事処で名物の「五箇山豆腐」の冷やっこと、山菜そばを昼食にして、雨宿り。「五箇山豆腐」は歯ごたえがあり非常に美味しかった。ここへ訪れる方は是非食べていって貰いたい。

 そうこうしていると雨もあがったので、火薬の展示の方を見学。見学後は晴れていたが、また雨が降る気がしたのでレインスーツを着て再出発・・・が、この後雨が降ることは無かった^^;

 お次も世界遺産の荻町集落で、白川郷合掌村として知られている。ここは最も大規模で駐車場も多々あるが、集落の中を突っ切る道路が通行可能なので、そこから町並みを眺める。と・・・毎度の事ながら、面白い看板やのぼりを見ると、ついつい反応してしまう(笑)

 それがこの「どぶろくモナカ」。酒粕を混ぜて作ったアイスで、これもなかなか美味しい。かわいらしいカゴに入って200円というのはちょっと高いが、まぁオリジナル性も高いのでよしとしよう(カゴは返却しなきゃいけないよ)。ちなみに今回の旅では「アイス」ばかりを食べている気がするが、実はそれ程アイスが好きなわけではない。アイスそのものが好きなのではなくて、「ご当地アイス」が好きなのだ。だって、そこでしか食べられないアイスって言ったら、なんだかレアな気がしないかい?

 その後はひたすら走る。国道156号から国道158号へ。途中無料の快適そうな道路があったが、自動車専用とのことで、仕方なく峠を越える。斜面が急でなかなか登らなかったが、距離が短かったので助かった。

 国道158号は九頭竜湖畔を通り福井に到着。このあたりで日没を迎えたが、敦賀に無料のキャンプ場があるようなのでそこまでは行きたい。距離は60km弱。頑張って頑張れない距離ではない。

michinoeki だけど、結局今日のお宿はそのキャンプ場ではなく、その途中にあった道の駅(笑)

ここは設備もかなり充実していて、室内のベンチで泊まっても大丈夫な模様。トラックの運転手にとっては有名なポイントらしく、他に客(?)も多い。トイレや洗面所、自動販売機、TVだけでなく、こんなものまである(ロールオーバーイメージ)。夕日も綺麗に見られる場所らしいのでもうちょっと早く到着出来ていれば・・・と思うと少し悔やまれる。

 この道の駅では、Apeで東京から福山に行く途中というライダーと共に出会った。50ccらしいので、道中結構大変だったとのこと。オレのは90ccなので少しはマシだけど、峠越えで登りがきついことや、トンネルでトラックに追い越される時が怖い等々。排気量が小さいと、やはりみんな同じ苦労を抱えているんだなぁ。

 最後の夜まで無料ってのはなかなか素晴らしい。エアコンのきいた部屋だし今夜も快適に眠れそうだ(笑)

 それはそうとニュースで気になることがあった。オレが住んでいる豊中市で、観測史上初となる1時間に110mmという大雨が降って、床上浸水の被害まで出ているらしい・・・オレの家はマンションなので部屋は大丈夫だろうが、駐車場の車がちと心配。大丈夫だとは思うが、一応新車なので気になるところである^^;

08/23 曇り|晴れ 温泉「日本海」で〆 大阪府豊中市/自宅/233.4km

 ベンチに寝転がってシュラフカバーのみを掛けて寝ていたが、途中1回起きただけで快適に眠ることが出来た。これで無料なんだから利用者も多い。朝食はオレと同じように道の駅で泊まっていた方からご飯と味噌汁を頂いた。彼らは車なので何でも搭載可能である故、朝からちゃんとした朝食をつくっているようだ。まぁオレも面倒がら無ければ何でも出来るんだけど、早くから移動したいってのもあるから、朝食はいつもコンビニか軽くすませることにしている。

 6時前に起きたので7時には全ての片付けが終わり、外で荷造りをしていると、愛知から来たと言うライダーに声を掛けられた。これから近くの温泉に行くらしい。何でも早朝から営業していてなかなかよい日本海の展望が望めるという話なので、これを逃す手は無い。ということで、そのライダーに温泉へ連れて行ってもらった。旅先で出会うライダーは気さくな人が多く、こういった情報をくれることもある。人との出会いによって自分の旅が作られていくので、人との交流こそが旅の醍醐味だろう。

 大阪へ帰る道とは逆方向だが、数キロ先なので大したことは無い。海沿いの道路を走り、程なくして温泉「日本海」に到着した。撮影した画像をパノラマ合成してみたが、なかなかの展望。ここは国民宿舎の横にある温泉で、最近出来たらしくツーリングマップルには載っていない。しかも早朝から開いているんだから、穴場かもしれない。

 今日はこの旅の最終日なので、ここから大阪へ帰るのみ。距離もしれているので、朝からゆっくり温泉というのもいいもんだ。結構長居してしまって、温泉を出発したのは9時頃。

 ここからすぐに元の国道へ戻っても良かったが、沿岸を走る有料道路(原付90円)があったので、そっちを通ってみた。曇っているのがちょっと残念だけれども、海沿いを気持ちよく走ることが出来たので、この選択も正解だったかもしれない。

 その後は国道8号>国道27号>県道1号>国道27号>国道173号>国道176号と乗り継いで自宅まで帰ってきたわけだが、県道1号はかなり気持ちのいい道だった。

 田舎の景色を眺めながらのんびり走る。ここだったらちょっとした休日でも楽しめるので、大阪に住んでいる人には是非オススメしたいところだ。

 国道173号は去年北海道へ行った時にも通った道で、かなり勾配がきつい・・・下りは爽快なのだが、登りは結構キツイ。トラックも多いが走り慣れた道なので、大した休憩もせず一気走る。

 大阪に入ると天気も快晴で、暑さが全く違う・・・東北でもかなり暑いとは思ったが、こっちは別次元^^;
地面から暑さが湧き上がってくる感じで、大阪に帰って来たんだなぁと実感した。

 午後3時頃には無事に自宅に到着。荷物を運び込んだ後は、ベッドに転がってそのまま爆睡・・・自分では意識していなくても、身体には結構負担が掛かっていたのかもしれない。

 と、一段落ついてこの記事を書いている訳だが、今回の旅は北海道に勝るとも劣らない魅力があった気がする。後日談をしばらくしてからUPしますので、そちらもお楽しみに!

後日談

 今回の旅では1つ「今までに無い試み」を行った事を気づいた人はいるだろうか?というのも、今までの旅ではいずれも1眼レフなどの、そこそこ高性能なデジカメを持っていっていたが、今回はあえて持っていかなかった。今や携帯電話のカメラがかなり進化し、コンパクトカメラを超える勢いである。今使っている携帯(Vodafone 904SH)は320万画素、光学2倍ズームという高性能っぷりである。携帯のカメラで一体どれだけの画が撮れるのか?というのを試したかったのだ。

 今回は200万画素で撮影したのだが、結果的には「そこそこ満足」という程度。今までのカメラ付き携帯と比べるとかなり良くはなっているが、高性能なデジカメと比較するとやっぱりまだ話にならない・・・いくら画素数が大きくなってもフィルムの代わりとなるセンサー(CMOSやCCDカメラ)が小さいと表現力は低いし、暗いところでの撮影になるといっきにダメになる。まぁそんな結論だったが、軽量・コンパクトという点においては敵なしなので、WEBサイトに載せるといった用途であるならば必要十分かもしれない。

tent それから、文中で宣言した通り、ついにゴアテックスのテントをGETしました!本当はこんなに早く買うつもりは無かったのだが、よく行く登山用品店(ICI石井スポーツ難波店)の閉店セールのチラシが送られてきたのでセール初日に出撃・・・ちなみにICI石井スポーツは梅田にリニューアルオープンするそうなので一安心。

 開店の10時半に行ったにもかかわらず満員御礼。みんな考えていることは同じか・・・店内を見渡すと、通常あまり値引きが期待出来ないゴアテックスのテントを発見。展示品(といっても店内に張っていただけ)処分特価でなんと約4割引じゃないですか!高めのツーリングテントと大して変わらない値段で買えるとは思っていなかっただけに、ちょっと驚き。

 店内のゴアテックスのテントは「GORE-LIGHT」と「GORE-LIGHT χ」というモデルの2〜3人用があったのだが、違いを言うと「GORE-LIGHT」はテント本体生地の内側に吸水性の布が1枚余分に貼ってあるので結露しにくい(といっても、その布が水を吸うだけなんだけど)。「GORE-LIGHT χ」はその布が無い分軽量で、収納サイズは約2/3。「GORE-LIGHT χ」が価格はちょっと高いけど、値引きをしたらほぼ同じ値段。布が1枚少ない分耐久性は低いが、3シーズンのツーリング用としては特に問題無いだろう。また軽量というのは嬉しい。「ツーリングテントではそこまで重量は気にしなくていい」とよく聞くが、それは排気量のあるバイクでの話。わずかな重量増でもカブにとっては、走行性能に如実に跳ね返ってくる。それに今のテントより収納サイズが若干大きくなるだけなので、振り分けバッグもそのまま使えるという理由もあり、結局「GORE-LIGHT χ」を購入した。テント本体は防水透湿素材のゴアテックスなのでフライシートは不要という触れ込みだが、大雨に備えてのフライシートのことは今後考えよう。

 しかもこのテントのポールの軽いこと軽いこと!スカンジウムというレアメタルを使用しており、今まで使っていたジュラルミン(アルミ)ポールよりも数段軽い。ポールにもそこまで追求しているというのは少々オーバースペックな気もするが、値段も安かったので大満足。

 ちなみにこの「GORE-LIGHT χ」というテントは、有名なアライテントからのOEM品なので、品質は問題はないと思われる。今後のツーリングが楽しみである。

旅を終えて

 総行程約3200km。思ったよりも走った2週間。昨年の北海道編の約2倍の移動距離だが、実感としては北海道よりも狭い印象を受けた。北海道は景色の変化が少ないので、体感距離は長くなるのかもしれない。

 今回、本州最北端を目指すつもりは全く無かったが、北へ北へ進むうちに最北端の「大間崎」まで到達してしまった。ここで考えたいのだが、最北端を目指す旅と、毎日の積み重ねから結果的に最北端へたどり着いてしまった旅とは一体何が違うのか?

 オレはこの2種類の旅は根本から異なっていると思う。以前のヨーロッパ一周で、ヨーロッパ最北端のノルウェーの「ノールカップ」へ向かった時の気持ちは、「最北端にたどり着くこと」が目標になっていた。最北端にたどり着いた時、目標地点に到達した達成感を感じたかった・・・だが、最北端の地に立つと達成感で満たされ、さらにその先へ思いを馳せることは難しくなるのではないか?

 幸運なことに、オレがその事に気づいたのはノールカップ到達の直前だった。オレは最北端の地で漁師のIngeさんに拾われた。漁に出るといって船に乗せられ、いつの間にやらノールカップのさらに北を進んでいた。ノールカップのさらに北へ行ったということは、ノールカップはオレにとっての最北端でも何でもなくなってしまった・・・そこは単に道路の終わりというだけであって、オレの旅の中継地でしか無くなった。

 オレはバイクでのツーリングは好きだが、登山はあまり好きでは無い。そのまま登山が出来るような装備一式は持っているのだが、どうも登山は生に合わない。目標に向かって努力・精進するというのも人間には必要なことであり、大地の果てを目指して幾多の冒険家たちは命を落とし、限られた者達だけがその果てにたどり着いた。その果てにたどり着いたとき、彼らは何を思ったのだろうか?恐らくそれは「制覇」という類の言葉だろう。

 だが、今のオレはそうは思いたくない。目標を決め、その目標に向かって進むのは確かに効率が良くて、誰の目にもわかりやすい結果が出るだろう。だがオレはそんな結果よりも、そこへたどり着いた後にも道は続いているということを感じたい。さらにその先があるのに、制覇なんてとんでもない。今回、本州最北端まで到達したが、オレにはそういった達成感は無い。というより、そういう達成感は求めていないのかもしれない。

 今は、いつか出会える新たなる素晴らしい風景と人々に思いを馳せることにしよう・・・

(完)


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