カブ・メンテナンス

・ドライブチェーン張り調整

 使用工具:10mm、14mm、19mm、23mmレンチ

 チェーンは次第に伸びてくるものなので定期的に張り調整を行わなくてはならない。時々チェーン点検を実施し、伸びてきたら調整しよう。また14mm、19mm、23mmレンチはトルクがかかる場所なので「メガネレンチ」を使用するのが好ましい。調整は以外と難しいのが、特に張り過ぎないように注意すること。あと、作業中にスプロケットとチェーンの間に絶対に手をはさまないように気をつけること。また軍手をしていると、何かの拍子でチェーンに引っかかり、巻き込まれる危険性が高いので、素手とウエス(布)で作業すること。 最悪の場合・・・以下略!

a.      b.

 最初に、写真a.の赤矢印で示した4ヶ所のチェーンカバーを止めているボルトを外す。
 カバーを外したら写真b.の青矢印のナットを緩める。これは裏側にもあるので、両方とも緩めておく。次に赤矢印のナットを、裏側のボルトを14mmのレンチで固定しながら緩める。次にオレンジ矢印のナットを緩める。これで後輪がぐらぐらになるので、調整に入る。

 まず粗調整から行う。裏側のボルトを固定している状態で写真b.の赤とオレンジの矢印のナットを締めこんでいく。締めこむ前におおよそのチェーンの固定位置を決めるのだが、「ナットを締めこむ時に、少なからずチェーンが張っていく」ということを頭に入れて、規定値よりも緩んだ状態で少しずつ締めこんでいく。締めこんだ状態で、規定値よりも少し緩いくらいがベスト。

c.      d.

 次に微調整に入るのだが、これは写真b.の青矢印のナットで行う。車体の左右にあるナットを少しずつ締めこんでいくのだが、側面に目盛り(写真c.の赤矢印)があるので、それを目安に左右の位置をあわせてやるとよい。なおこのナットはあくまで微調整なので、締めこむ前に大きくずれている時は、粗調整からやり直すこと。さらに、このナットは「バネワッシャー」がペッタンコになるまでは締めこんでおくこと。そうしないと先に締めた方が走るうちに少しずつずれてくるぞ!

 左右の目盛りが同じになったら、後ろからチェーンとスプロケットが一直線上にあるかを確かめよう。一直線上になっていない場合は、もう一度調整をやり直そう。ちなみに、この写真d.は一直線上に乗っていないというのはお分かりだろうか?このように少しでもずれている場合は即やり直しである。
 しかし、目盛りが一致していれば、きちんと合うように設計されているはずなので、まずは目盛りあわせからしっかりやろう。しかし、車両によってはうまくいかない場合もあるとは思うのだが・・・

 調整が終わったら、のぞき窓のあるあたりで振幅を調べておこう。弱い力での最大振幅が10から20mmが正常値である。通常、上には結構持ち上がるが下にはあまり下がらないので、弱い力で最も上に持ち上がった点から最も下に下がった点までが40mm以下であればよいだろう。また、これが20mm以下では張りすぎなので、再び調整を行う。また、チェーンが均一ではなく部分的に伸びていれば、場所によって振幅が違ってくる。この場合は最も張っている部分の振幅が10から20mmになっていればよいが、あまりにばらつきがある場合はチェーンを交換しよう。

 確認後チェーンオイルをさして、カバーをつけて作業終了となる。また定期的に点検を実施し、オイルをさすのを忘れないようにしよう。


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