生活を守る まかせて安心!
●食の憲法「食品安全基本法」を制定 ●スクールガードリーダーを配置
●中小企業を守る
「資金繰り円滑化借換保証」制度を実現
●白内障手術や、さい帯血移植の保険適用を実現
●定年延長へ「高年齢者雇用安定法」を改正 ●ドクターヘリの配備、AEDの設置を実現
●高額医療費の立て替え不要に ●児童手当の倍増、拡大、乳幼児医療無料化、出産一時金の増額など安心の子育て支援を実現
●奨学金制度を拡充
  希望者ほぼ全員が利用可能に
●「携帯番号ポータビリティー制度」を実現
環境のスペシャリスト 地域をサポート
●不法投棄を監視する「環境Gメン」を創設 ●JR阪和線の高架化を実現
●世界初の「環境教育推進法」を制定 ●バリアフリー化を実現
  (JR大正駅・地下鉄住之江公園駅・地下鉄岸里駅など)
●「ごみ・ゼロ」社会へ
  「循環型社会形成推進基本法」を制定
●「ホームレス自立支援特別措置法」を実現
●「カネミ油症特例法」の成立・調査協力金の支給

地域・経済を活性化 安心を全力でサポート!
●中小企業予算の倍増と税制の充実 ●「地域安全安心まちづくり推進法」の制定
●大和川を子どもが自然とふれあえる憩いの場として整備 ●児童手当の支給対象を中学生まで拡大、出産一時金の増額など子育て支援を更に充実
●定額減税で家計を支援 ●「ガン対策」の強化へ、更なる基盤整備
暮らしやすい街へ! ●高齢者の介護保険料の急激な負担増をストップ、物価上昇分を年金に上乗せ
●低廉な家賃で居住性能の高い賃貸住宅の普及を促進 税金のムダづかいにメス!
●家庭、小さなオフィスに自然エネルギーの導入へ、補助金の拡充や税制優遇策などを充実 ●特別会計の徹底的見直し
●「障害者就業・生活支援センター」の倍増 ●国会議員の歳費と幹部公務員の給与を10%カット
●温室効果ガス50%削減へ、地球温暖化防止策の推進 ●公務員の天下り問題の抜本的解決


与党で国会提出した「低炭素社会まちづくり推進基本法案」 平成21年7月7日
インタビュー 温室効果ガス15%削減の中期目標を発表 平成21年6月22日付公明新聞
住宅街走る大型車を規制 平成21年5月8日付け公明新聞
水基本法制定へ連携を 日本水道新聞インタビュー 平成21年1月30日付け
都市再生機構の家賃引き上げ凍結が実現 平成20年12月2日
妊娠中のシートベルトの正しい着用の推進が実現 平成20年9月11日
インタビュー 温暖化防止へ総合戦略  平成20年7月5日付公明新聞
てい談 実効ある地球温暖化対策を 平成20年6月18日付公明新聞
無差別殺傷事件の再発防止策を町村官房長官に要請 平成20年6月17日
地球温暖化対策で福田首相に提言 平成20年6月6日
田端案をたたき台にした「地域安全・安心推進法案」が与党合意 2008.5.29
自然再生事業について辻井達一北海道大学名誉教授と対談 2008.12.17
2008ホット対談/自然を再生し心豊かに/環境と結び付く人間の「生きざま」/
パーソナリティー 浜村淳/衆院議員、元総務副大臣 田端正広
2008.2.5付公明新聞
田端が作成した「地域安全安心まちづくり推進法案」を発表 平成19年7月5日
公明党実績物語〈公明新聞2007.1.26付〉
循環型社会基本法「この機を逃さず法制化を」
「ごみ・ゼロ」社会めざし奔走
番号ポータビリティ(持ち運び)制度が10月24日から開始決定  平成18年8月9日
携帯電話の契約 本人確認を義務付け H18.4.2公明新聞掲載記事
消費者団体訴訟制度実現へ H18.3.6 公明新聞
アスベスト(石綿)被害者対策が前進 H18.1.24公明新聞掲載記事 
通学路の安全 着実にガード 来年度予算政府案に具体化 H17.12.26公明新聞
携帯の会社変更が容易になる「番号持ち運び」制度が2006年11月から導入へ
「もったいない」運動を展開中 H17/8/3
子どもの安全対策についての緊急申し入れ H17/3/8
安全な学校に取り組み急務 公明新聞インタビュー H17/2/28掲載
安心・安全な社会の構築!(地方警察官の増員) H17/1/1
携帯電話の番号ポータビリティー(持ち運び)制度導入へ!H16/4/27
環境保全・環境教育推進法案(与野党合意案)が衆院を通過H15/7/15
環境保全・環境教育推進法案(与党案)H15/6/17
国際社会の中の日本¢ホ談 今泉雲海−田端正広H15/5/7
環境保全・環境教育振興法案(仮称)骨子H15/4/23
カネミ油症問題関係省連絡会議の設置についてH15/3/28
環境税(地球温暖化対策税)についてH15/3/25
世界水フォーラムに向けてのコメントH15/3/12
自然再生推進事業の今後の課題についてH15/1/10
不法投棄撲滅のため、環境省に立入調査権を付与!H14/12
国連人権委作業部会が拉致事件の再審査を決定!H14/12/5
自然生態系の保護についてH14/11/24
自然再生推進法が成立H14/12/04
ヒートアイランド対策についてH14/10/6
自然再生推進法案(最終合意案)国会に提出H14/7/23
カネミ油症問題(ダイオキシン被害)についてH14/7/18
自然再生推進法案(与党合意案)H14/5/22
地球温暖化対策推進法改正案についてH14/5/3
ホームレス自立支援特別措置法案(与党合意案)H14/4/11
カネミ油症問題(ダイオキシン被害)についてH14/3/7
ホームレス自立支援特別措置法案(田端私案)H14/2/6
自然再生推進法要綱案(公明党案)H14/1/24
COP7後の京都議定書についてH13/11/24
テロ対策新法についてH13/10/10
自然再生型公共事業の推進
環境Gメン(地方環境対策調査官)について
京都議定書について
土壌汚染防止法について
フロン回収・破壊法(与野党合意案 2001年6月15日成立)
フロン回収・破壊法案(与党合意案)
大都市圏エコタウン構想10ヵ年戦略
フロン回収・破壊法案(新公明党案)
21世紀「環境の世紀」への政策提言
循環型社会
不法投棄対策
フロン回収・破壊法案(旧公明党案)
エコライフ運動の展開
人権啓発教育推進法


低炭素社会づくり推進基本法案のポイント

 

1.前文

・地球温暖化は人類の存続の基盤を揺るがす安全保障の問題。

・すべての主要経済国が参加する衡平で実効的な国際枠組みが不可欠。

・低炭素社会づくりが、新たな産業・雇用創出に寄与しうることを認識し、国民一人一人が高い意識を持って進めるべき 。

・技術の普及・開発、産業構造・社会システム・ライフスタイルの変革により、自然共生・循環型社会と共に世界最先端の低炭素社会を構築すべき 。

2.目的(第1条)

・地球環境の保全

・我が国及び世界の経済社会の持続的な発展に貢献

・人類の福祉に貢献

3.定義(2)

・地球温暖化、低炭素社会、温室効果ガス、温室効果ガスの排出、温室効果ガスの吸収作用、地球温暖化に対する適応

4.基本理念(39)

@すべての者による役割分担と負担の下での理解と取組の促進

A科学的知見・予防原則に基づく低炭素社会づくりの推進

B新たな産業・雇用創出、産業の国際競争力強化、地域活性化、エネルギー自給率の向上 等の多様な国民の利益の増進への寄与

C施策の有機的連携と多様な措置の適切な組合せによる対策の推進

D地球温暖化に対する適応策の計画的な推進

E衡平で実効的な国際枠組みの構築と国際協力の推進

F経済の持続的な発展及びエネルギーの安定供給の確保への配慮

5.責務(第1015条)

・国、地方公共団体、事業者、独立行政法人等、国民及び民間団体の責務、相互の連携・協力

6.クールアース・デー(16)

・事業者、国民等の関心と理解を深め、活動の意欲を高めるため、毎年77日をクールアース・デーとし、国・地方公共団体は、趣旨に沿った事業を実施

7.法制上の措置等(17)

・必要な法制上、財政上、税制上、金融上の措置等を講ずる。

8.中長期的な目標(18)

2050年までに、世界全体の排出量半減を目指し、主要経済国の参加の下、我が国の排出量を2005年比6080%削減

・国際交渉の合意に基づき、中期的な目標を設定

9.低炭素社会づくり国家戦略

(1920)

・低炭素社会の在り方、基本方針、中間的な年次における目標、中長期目標達成に必要な措置や施策等を定めた国家戦略を閣議決定・公表する。

5年ごと及び必要に応じ、国家戦略の見直しを行う。

・国の他の施策は、低炭素社会づくりに関しては、本国家戦略を基本とする。

10.基本的施策

(第2132条)

・ポリシーミックス、各分野における施策の連携、国の率先実行等

11.特別行動期間(3353)

・低炭素社会への早期移行を目指して、今後10年間を特別行動期間とし、再生可能エネルギー、税制のグリーン化、排出量取引、革新的技術開発、環境教育、国民運動等の20項目について検討の方向性を規定。検討の結果を踏まえて、必要な措置を講ずる。

12.組織(54)

・別の法律で定めるところにより、国家戦略を長期的、総合的、計画的に実施するため、「低炭素社会づくり国家戦略推進本部」(仮称)を設置。

   

低炭素社会づくり推進基本法案要綱
前文
人間の活動に伴って排出される温室効果ガスの大気中の濃度の上昇が続いており、最新の科学的知見によれば、地球温暖化が進行した場合には、自然環境、人の生命及び健康並びに経済社会に及ぼす影響が深刻化する可能性が高いことが指摘されている。地球温暖化は、人類の存続の基盤を揺るがす安全保障の問題であり、その防止は人類共通の課題である。
地球温暖化を防止するためには、すべての主要な経済国が参加する衡平かつ実効的な国際的枠組みの構築が不可欠である。我が国は、世界全体の温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、国際的枠組みに基づき、自ら低炭素社会づくりを確実に進めていくとともに、世界最高水準の環境・エネルギー技術等を生かして世界に貢献していく。
低炭素社会づくりは、地球温暖化の防止に加え、新たな産業及び雇用の機会の創出、エネルギーの分野における安全保障等に寄与し得るものであるとの認識に立ち、国民一人一人が高い意識を持って、進めていく必要がある。
我が国古来の自然と共生する文化やもったいないの精神に裏打ちされた生活様式等を生かして、環境・エネルギー技術を生かした製品等の生産及び普及、革新的な技術の研究開発の促進、産業構造、社会システム及び生活様式の変革等により、地球環境の保全と経済社会の持続的な発展との両立を図りつつ、自然と共生する社会及び循環型社会を構築するとともに、世界最先端の低炭素社会を実現することが必要である。
ここに、低炭素社会づくりについての基本理念を明らかにしてその方向性を示し、関連する施策を長期的、総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。
第一 総則
 一 目的
   この法律は、地球温暖化が地球環境並びに人の生命及び健康に深刻な影響を及ぼすものであること、世界最先端の低炭素社会を実現することが国民の利益の増進に寄与すること、低炭素社会づくりに当たっては、地球環境の保全と経済社会の持続的な発展とが共に進むように取り組むことが重要であること、及び我が国が世界全体の温室効果ガスの排出の量の削減等に貢献することが重要であることにかんがみ、低炭素社会づくりについて、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者、独立行政法人等、国民及び民間の団体の責務を明らかにするとともに、中長期的な目標の設定、低炭素社会づくり国家戦略の策定その他の低炭素社会づくりに関する施策の基本となる事項を定めることにより、低炭素社会づくりに関する施策を長期的、総合的かつ計画的に推進し、もって地球環境の保全に寄与するとともに、我が国及び世界の経済社会の持続的な発展並びに人類の福祉に貢献することを目的とすること。
                                         (第一条関係)
 二 定義
  1 この法律において「地球温暖化」とは、人の活動に伴って発生する温室効果ガスが大気中の温室効果ガスの濃度を増加させることにより、地球全体として、地表及び大気の温度が追加的に上昇する現象をいうこと。
  2 この法律において「低炭素社会」とは、環境・エネルギー技術を生かした製品等の生産及び普及、革新的な技術の研究開発の促進、産業構造、社会システム及び生活様式の変革等により、大気中の温室効果ガスの濃度が一定の水準で安定化するとともに、安定化するまでの間になお避けることができない地球温暖化の影響による被害が最小となるよう、温室効果ガスの排出の量の削減、温室効果ガスの吸収作用の保全及び強化並びに地球温暖化に対する適応(以下「温室効果ガスの排出の量の削減等」という。)が行われ、もって創造的で活力ある持続的な発展が可能となる社会をいい、「低炭素社会づくり」とは、低炭素社会を形成することをいうこと。
  3 この法律において「温室効果ガス」とは、次に掲げる物質をいうこと。
(一) 二酸化炭素
(二) メタン
(三) 一酸化二窒素
(四) ハイドロフルオロカーボンのうち政令で定めるもの
(五) パーフルオロカーボンのうち政令で定めるもの
(六) 六ふっ化硫黄
  4 この法律において「温室効果ガスの排出」とは、人の活動に伴って発生する温室効果ガスを大気中に排出し、放出し若しくは漏出させ、又は他人から供給された電気若しくは熱(燃料又は電気を熱源とするものに限る。)を使用することをいうこと。
  5 この法律において「温室効果ガスの吸収作用」とは、植物の光合成等を通じて温室効果ガスを大気中から除去する作用をいうこと。
  6 この法律において「地球温暖化に対する適応」とは、地球温暖化が生態系、人の生命若しくは健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産を含む。)、経済社会等に及ぼす影響による被害の防止又は軽減を図ることをいうこと。              (第二条関係)
 三 基本理念
  1 低炭素社会づくりは、国、地方公共団体、事業者、国民等の適切な役割分担と適正かつ公平な負担の下に、かつ、各々の理解及び取組を促進することにより、行われなければならないこと。
                                         (第三条関係)
  2 低炭素社会づくりは、最新の科学的知見及び予防原則に基づき、中長期的な目標及び低炭素社会の在り方を定めた上で、総合的かつ計画的に行われなければならないこと。     (第四条関係)
  3 低炭素社会づくりは、そのための取組が、地球温暖化の防止及びその影響による被害の防止又は軽減に加え、新たな産業及び雇用の機会の創出、産業の国際競争力の強化、地域の活性化、エネルギー自給率の向上、国民の健康の保持その他の多様な国民の利益の増進に寄与し得るという認識の下、地球環境の保全と経済社会の持続的な発展との両立を図りつつ、行われなければならないこと。
                         (第五条関係)
  4 低炭素社会づくりは、温室効果ガスの排出の量の削減等に関する施策が一体的、効果的かつ効率的に実施されるよう、施策相互の有機的な連携を図るとともに、多様な措置を適切に組み合わせることにより、行われなければならないこと。            (第六条関係)
  5 低炭素社会づくりは、地球温暖化に対する適応のための対策を総合的かつ計画的に推進することにより、行われなければならないこと。                (第七条関係)
  6 低炭素社会づくりは、温室効果ガスを大量に排出するすべての主要な経済国(以下「主要経済国」という。)が参加する衡平かつ実効的な国際的枠組みの構築を図るとともに、国際協力を積極的に推進することにより、行われなければならないこと。       (第八条関係)
  7 低炭素社会づくりは、経済の持続的な発展及びエネルギーの安定的な供給の確保に配慮しつつ、行われなければならないこと。                      (第九条関係)
 四 国の責務
  1 国は、世界全体の温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、主要経済国が参加する衡平かつ実効的な国際的枠組みの構築に向けた取組を推進する責務を有すること。
2 国は、三の低炭素社会づくりについての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、低炭素社会づくりに関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有すること。
3 国は、地方公共団体、事業者、七の独立行政法人等、国民又は民間の団体が行う低炭素社会づくりに関する取組の効果が最大限に発揮されるよう、情報の提供その他の必要な措置を講ずる責務を有すること。                                  (第十条関係)
 五 地方公共団体の責務
  1 地方公共団体は、基本理念にのっとり、低炭素社会づくりに関し、地方公共団体相互の広域的な連携を図りつつ、国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有すること。
2 地方公共団体は、その区域の事業者、住民又は民間の団体が行う低炭素社会づくりに関する取組の効果が最大限に発揮されるよう、情報の提供その他の必要な措置を講ずる責務を有すること。
                               (第十一条関係)
 六 事業者の責務
  1 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、製品の製造、輸入、輸出若しくは販売又は役務若しくはエネルギーの提供等に係る温室効果ガスの排出の量の削減等のための措置(他の者の温室効果ガスの排出の量の削減等に寄与するための措置を含む。)を講ずるとともに、国及び地方公共団体が実施する低炭素社会づくりに関する施策に協力する責務を有すること。
2 事業者は、1に規定する措置の実施状況等に関する情報の提供を行う責務を有すること。
(第十二条関係)
 七 独立行政法人等の責務
  1 独立行政法人(独立行政法人通則法第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)及び特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法第四条第十五号の規定の適用を受けるものをいう。)(以下「独立行政法人等」という。)は、基本理念にのっとり、自らの事務及び事業に関し、温室効果ガスの排出の量の削減等のための措置(他の者の温室効果ガスの排出の量の削減等に寄与するための措置を含む。)を講ずるとともに、国及び地方公共団体が実施する低炭素社会づくりに関する施策に協力する責務を有すること。
2 独立行政法人等は、1に規定する措置の実施状況等に関する情報の提供を行う責務を有すること。
                              (第十三条関係)
 八 国民及び民間の団体の責務
  1 国民は、基本理念にのっとり、その日常生活において、温室効果ガスの排出の量の削減等に資する製品、役務及びエネルギーを選択すること等の温室効果ガスの排出の量の削減等のための措置(他の者の温室効果ガスの排出の量の削減等に寄与するための措置を含む。)を講ずる責務を有すること。
2 国民及び民間の団体は、基本理念にのっとり、低炭素社会づくりに関する活動を自ら行うとともに、国及び地方公共団体が実施する低炭素社会づくりに関する施策に協力する責務を有すること。
                              (第十四条関係)
 九 相互の連携及び協力
   国、地方公共団体、事業者、独立行政法人等、国民及び民間の団体は、低炭素社会づくりに関し、相互に、その果たす役割を理解するとともに、適正かつ公平な負担の下に、連携を図りながら協力して取り組むものとすること。                   (第十五条関係)
 十 クールアース・デー
  1 事業者、国民等の間に広く低炭素社会づくりについての関心と理解を深めるとともに、積極的に低炭素社会づくりに関する活動を行う意欲を高めるため、クールアース・デーを設けること。
2 クールアース・デーは、七月七日とすること。
3 国及び地方公共団体は、クールアース・デーの趣旨にふさわしい事業を実施するように努めなければならないこと。                       (第十六条関係)
 十一 法制上の措置等
政府は、低炭素社会づくりに関する施策を実施するため必要な法制上、財政上、税制上又は金融上の措置その他の措置を講じなければならないこと。                (第十七条関係)
第二 中長期的な目標
一 国は、温室効果ガスの排出量に関する長期的な目標として、世界全体の一年間の温室効果ガスの排出量を、二千五十年(平成六十二年)までに、二千五年(平成十七年)における温室効果ガスの排出量からその百分の五十に相当する量以上を削減した量にすることを目指し、主要経済国の参加の下、我が国の一年間の温室効果ガスの排出量を、二千五十年(平成六十二年)までに、二千五年(平成十七年)における温室効果ガスの排出量からその百分の六十ないし百分の八十に相当する量を削減した量にし、それ以後においてもその量を上回らないようにしなければならないこと。
二 国は、国際交渉による合意に基づき、温室効果ガスの排出量及び吸収量に関する中期的な目標を設定するものとすること。                       (第十八条関係)
第三 低炭素社会づくり国家戦略
一 低炭素社会づくり国家戦略
1 政府は、低炭素社会づくりを我が国の経済社会の発展の重要な基盤の一つとして位置付けるとともに、低炭素社会づくりに関する施策の長期的、総合的かつ計画的な推進を図るため、速やかに、低炭素社会づくりに関する基本的な計画(以下「低炭素社会づくり国家戦略」という。)を定めなければならないこと。
2 低炭素社会づくり国家戦略は、次に掲げる事項について定めるものとすること。
  (一) 低炭素社会の在り方
  (二) 低炭素社会づくりに関する施策についての基本的な方針
  (三) 第二の一の目標を達成するための中間的な年次における目標
  (四) 第二の目標を達成するために必要な措置の実施に関する目標
  (五) (四)の目標を達成するために必要な国及び地方公共団体の施策に関する事項
  (六) (一)から(五)までに掲げるもののほか、低炭素社会づくりに関する施策を長期的、総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 内閣総理大臣は、低炭素社会づくり国家戦略の案につき閣議の決定を求めなければならないこと。
4 内閣総理大臣は、3による閣議の決定があったときは、遅滞なく、低炭素社会づくり国家戦略を国会に報告するとともに、インターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならないこと。
5 政府は、おおむね五年ごとに、及び必要に応じ、低炭素社会づくり国家戦略に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更しなければならないこと。
6 3及び4は、低炭素社会づくり国家戦略の変更について準用すること。    (第十九条関係)
 二 低炭素社会づくり国家戦略と国の他の施策との関係
低炭素社会づくり国家戦略以外の国の施策は、低炭素社会づくりに関しては、当該施策の目的の達成との調和を図りつつ、低炭素社会づくり国家戦略を基本とするものとすること。  (第二十条関係)
第四 基本的施策
 一 国の施策
  1 規制措置、経済的措置、自主的な取組の促進に関する措置及び情報の提供に関する措置の適切な組み合わせによる施策の実施
    国は、温室効果ガスの排出の量の削減等を効果的かつ効率的に行うため、規制措置、経済的措置、自主的な取組の促進に関する措置及び情報の提供に関する措置を適切に組み合わせることにより、低炭素社会づくりに関する施策を実施するものとすること。  (第二十一条関係)
  2 国の施策の策定に当たっての配慮
    国は、温室効果ガスの排出等に影響を及ぼすと認められる施策を策定するに当たっては、低炭素社会づくりについて配慮しなければならないものとすること。     (第二十二条関係)
  3 国の率先実行
  (一) 国は、自らの事務及び事業に関し、温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、率先して温室効果ガスの排出の量の削減等に資する製品、役務及びエネルギーの利用、緑化の推進その他の必要な措置を講ずるものとすること。 
  (二) 国は、(一)の措置を最大限に講じてもなお排出される温室効果ガスの排出の量について、当該措置を補完するものとして、国内におけるカーボン・オフセット(自らの温室効果ガスの排出の量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出の量の全部又は一部について、他の者の活動により削減され又は吸収された温室効果ガスの量に対し対価を支払うこと等により、当該削減又は吸収の量をもって相殺する仕組みをいう。以下同じ。)の利用その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。      (第二十三条関係)
  4 利用可能な技術の普及及び革新的な技術の研究開発の促進
    国は、温室効果ガスの排出の量の削減等に資する利用可能な技術の最大限の普及を図るとともに、革新的な技術の研究開発の促進その他の必要な措置を講ずるものとすること。 (第二十四条関係)
  5 環境教育の振興等
    国は、事業者、国民等が低炭素社会づくりについての理解を深めるとともに、これらの者の低炭素社会づくりに関する活動を行う意欲が増進され、その活動が自発的に行われるよう、環境の保全に関する教育及び学習(以下「環境教育」という。)の振興、広報活動の充実その他の必要な措置を講ずるものとすること。                (第二十五条関係)
  6 統計の整備等
    国は、温室効果ガスの排出及び吸収の量の状況、低炭素社会づくりのために必要な措置の進捗(ちょく)状況等の低炭素社会づくりに関する統計の整備及び充実、集計及びその結果の迅速な公表その他の必要な措置を講ずるものとすること。                      (第二十六条関係)
  7 科学的知見の充実等
    国は、大気中における温室効果ガスの濃度変化の状況並びにこれに関連する気候の変動及び生態系の状況等を把握するための観測及び監視の推進、地球温暖化の影響による被害及び温室効果ガスの排出の量の削減等に関する措置の実施が経済社会、国民生活等に及ぼす効果又は影響に関する分析等の低炭素社会づくりに関する研究の推進、試験研究の体制の整備、研究者の養成その他の必要な措置を講ずるものとすること。           (第二十七条関係)
  8 各分野等における施策の推進及び連携の強化
    国は、エネルギーの需給、工場又は事業場、建築物、機械器具、交通、社会資本の整備、都市及び地域づくり、農林水産その他の各分野等における施策について、当該施策の目的の達成との調和を図りつつ、施策相互の有機的な連携の下に、温室効果ガスの排出の量の削減等を促進するために必要な措置を講ずるものとすること。           (第二十八条関係)
  9 温室効果ガスの吸収作用の保全及び強化
    国は、温室効果ガスの吸収作用の保全及び強化を図るため、森林の整備及び保全、緑地の保全及び緑化の推進、農地の管理、海洋における対策その他の必要な措置を講ずるものとすること。
                                (第二十九条関係)
  10 地球温暖化に対する適応のための対策の推進
    国は、地球温暖化に対する適応のための対策を推進するため、生物の多様性の保全、国民の生命及び健康の保持、生活環境の保全、農林漁業の生産力の維持、社会資本の整備、災害による被害の防止その他の必要な措置を総合的かつ計画的に講ずるものとすること。   (第三十条関係)
  11 国際社会の取組への寄与
    国は、世界全体の温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、国際的枠組みの構築及びその下での取組の実施、国際協力の推進その他の必要な措置を講ずるものとすること。 (第三十一条関係)
 二 地方公共団体の施策
   地方公共団体は、一に定める国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた低炭素社会づくりのために必要な施策を、これらの総合的かつ計画的な推進を図りつつ実施するものとすること。               (第三十二条関係)
第五 低炭素社会づくり特別行動期間
 一 通則
   政府は、早期に低炭素社会を実現することが、地球温暖化の防止及びその影響による被害の防止又は軽減に加え、新たな産業及び雇用の機会の創出、産業の国際競争力の強化、地域の活性化等の国民の利益の増進を図る上で重要であること並びに地方公共団体、事業者、国民等による低炭素社会づくりに関する先進的な取組の促進及びその支援等が必要であることにかんがみ、この法律の施行後十年間を、低炭素社会づくりのための特別行動期間とし、当該期間内に、二に定める施策について、検討を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとすること。            (第三十三条関係)
 二 低炭素社会づくり特別行動期間に係る施策
  1 再生可能エネルギーの需給の拡大
    政府は、二千二十年(平成三十二年)を目途に最終エネルギー消費(エネルギーの生産から消費までの一連の行程において最終段階で消費されるエネルギーをいう。)の量の百分の二十に相当する量を再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱、空気中の熱、水力、バイオマスその他のエネルギー源のうち、永続的に利用することができるものを利用して得られる電気、熱又は燃料をいう。以下同じ。)とすることを目指し、再生可能エネルギーの供給に関する目標を設定し、再生可能エネルギーの利用に要する費用の円滑かつ適正な転嫁についての国民の理解と協力の下、電気事業者による再生可能エネルギーの利用の促進、電力系統の高度化の促進等を通じて再生可能エネルギーの供給を拡大するとともに、国又は地方公共団体が設置する庁舎、学校、病院その他の建築物における再生可能エネルギーの利用の推進、住宅、事務所、店舗、工場その他の建築物における再生可能エネルギーの利用の促進、地域における再生可能エネルギーの利用に対する地域住民等による投資の支援等を通じて再生可能エネルギーの需要を増進すること。                   (第三十四条関係)
  2 原子力発電の促進
    政府は、発電の過程で二酸化炭素を排出しない原子力発電施設等についてその安全が確保されることを前提として、自らも関与しつつ、原子力発電施設の設備の利用率を向上させ、並びに原子力発電施設の新設及び増設を促進するとともに、核燃料サイクルの確立及び高速増殖炉サイクルの早期の実用化を目指すこと。                           (第三十五条関係)
  3 石炭火力発電に係る温室効果ガスの排出の抑制
    政府は、電気の安定的な供給を確保しつつ、クリーンコール技術(石炭の利用に伴う温室効果ガスの排出その他の環境への負荷を抑制し、その有効かつ適切な利用を図るための技術をいう。)の活用の推進、世界最高水準の発電効率の維持又は向上等を図ることにより、石炭火力発電に係る温室効果ガスの排出の一層の抑制に努めることを促すとともに、石炭ガス化複合発電、二酸化炭素の回収及び貯留等に係る技術の開発を促進すること。                 (第三十六条関係)
  4 工場又は事業場、建築物、電気機械器具及び輸送用機械器具の低炭素化
    政府は、工場又は事業場、建築物、日常生活において利用する電気機械器具及び自動車等の輸送用機械器具に係る温室効果ガスの排出の量の削減等を促進するため、エネルギーの使用の合理化、温室効果ガスの排出の量の削減等に資する製品、役務及びエネルギーの利用の促進、機械器具等の使用の方法の改善、事業者相互の連携による対策の促進、既存の建築物の改善、質の高い建築物の長期的な利用の促進等を図るための措置を拡充するとともに、温室効果ガスの排出の量の削減等に資する建築物、機械器具等の普及を促進すること。        (第三十七条関係)
  5 交通分野の対策の促進
    政府は、単位輸送量当たりの温室効果ガスの排出の量がより少ない燃料等の利用の促進、電気自動車等に係るエネルギーの供給設備等の整備等により、自動車の利用に伴う温室効果ガスの排出の量の削減を促進するとともに、鉄道、船舶等による物資の流通の促進、公共交通機関の利用者の利便の増進、歩道及び自転車道の整備等により、モーダルシフト(自動車から温室効果ガスの排出の量がより少ない交通手段への転換をいう。)を促進すること。            (第三十八条関係)
  6 グリーンITの利用の促進
    政府は、情報通信システムの利用に伴う温室効果ガスの排出の量の削減を促進するとともに、情報通信技術の利用により、エネルギーの使用、人の往来及び物資の流通並びに物資の生産及び消費の合理化等を促進すること。                     (第三十九条関係)
  7 低炭素型の都市及び地域づくりの推進
    政府は、都市計画、農業振興地域整備計画その他の土地利用に関する施策に低炭素社会づくりに関する施策を位置付けるとともに、地域全体の温室効果ガスの排出の量の削減等と地域の活性化とを共に実現することができるよう、中心市街地への不必要な又は急を要しない自動車の乗入れの抑制、公共交通機関を中心とした集約型の都市構造の構築、エネルギーの共同利用、廃熱の回収利用、緑地の保全及び緑化の推進等により、先進的な都市及び地域づくりを推進すること。  (第四十条関係)
  8 代替フロン等三ガスに係る対策の推進
    政府は、代替フロン等三ガス(第一の二の3(四)から(六)までに掲げる物質をいう。)の適正かつ確実な回収及び破壊、生産及び使用の抑制に資する代替する物質の開発並びに使用可能な代替する物質を使用した製品の普及により、その排出の量の削減を促進すること。  (第四十一条関係)
  9 森林等による温室効果ガスの吸収作用の保全及び強化の推進並びにバイオマスの利用等の促進
    政府は、間伐等の実施による森林等の適正な整備及び保全を推進し、並びに国産の木材等を利用した住宅及び公共の建築物等の普及並びに間伐された木材及び下水汚泥等の未利用の又は利用の程度が低いバイオマスの有効な利用を促進するとともに、農林水産物の生産、流通、加工等に伴う温室効果ガスの排出の量の削減等を促進すること。            (第四十二条関係)
  10 税制のグリーン化の推進
    政府は、低炭素化を促進する観点から、国民経済及び産業の国際競争力に与える影響等を踏まえつつ、経済社会及び国民の生活行動の変化を招来するよう、税制全体の一層のグリーン化(環境への負荷の低減に資するための見直しをいう。)を推進すること。      (第四十三条関係)
  11 国内排出量取引に係る方針の決定
    政府は、国内における温室効果ガスの排出量取引に係る試行的実施の状況の評価を踏まえて、対応についての方針を決定し、当該方針に基づき、必要な措置を講ずるものとすること。
                                       (第四十四条関係)
  12 事業活動に係る温室効果ガスの排出の量等の情報の開示の促進
    政府は、低炭素社会づくりに配慮した事業活動が経済社会の幅広い主体から評価されるよう、温室効果ガスの排出の量その他の事業活動に伴って排出する温室効果ガスに係る情報の開示を促進すること。                                  (第四十五条関係)
  13 製品等に係る温室効果ガスの排出の量の算定方法の確立等
    政府は、製品の製造から輸送、利用及び廃棄に至る一連の国の内外における行程並びに役務に係る温室効果ガスの排出の量並びに他の者の温室効果ガスの排出の量の削減等に対する寄与の程度の算定及び表示の方法等を確立し、その方法の国際的な標準への反映を図るとともに、温室効果ガスの排出の量の削減等に資する製品、役務及びエネルギーの購入及び利用並びに温室効果ガスの排出の量の削減等に配慮した契約を推進すること。            (第四十六条関係)
  14 カーボン・オフセットの推進
    政府は、カーボン・オフセットに係る削減され又は吸収された温室効果ガスの量の算定、認証等に関する基準を設定するとともに、その利用に必要な情報の提供等により、カーボン・オフセットの利用を促進すること。                   (第四十七条関係)
  15 事業者による取組の促進
    政府は、温室効果ガスの排出の量の削減等に資する新たな事業の創出を促進するとともに、中小企業者、農林水産業者等が行う温室効果ガスの排出の量の削減等に資する施設又は設備の設置又は整備その他の取組への投融資等を促進すること。                (第四十八条関係)
  16 革新的な技術の研究開発及び普及の促進
    政府は、太陽光発電装置、蓄電池、電力系統、燃料電池、鉄鋼の製造、自動車、情報通信等に係る温室効果ガスの排出の量の削減等に著しい効果を有する革新的な技術の計画的な研究開発及び普及を促進すること。                      (第四十九条関係)
  17 環境教育の推進
    政府は、家庭、学校、職場、地域その他のあらゆる場における環境教育の充実が図られるよう、教材の開発、人材の育成、環境に配慮した学校施設及び学習環境の整備等を促進すること。
(第五十条関係)
  18 国民運動の推進
    政府は、地球温暖化の状況、事業活動及び日常生活に伴う温室効果ガスの排出の状況、その排出の量の削減等に有効な取組等に関する情報の提供並びに事業者、国民等による協働の取組の促進等により、事業者、国民等の間に、低炭素社会づくりについての関心と理解を深めるとともに、国民一人一人の自主的な行動による低炭素社会づくりに関する国民運動の展開を促進すること。
                                (第五十一条関係)
  19 地球温暖化に対する適応策の推進
    政府は、地球温暖化の影響に関する観測及び監視の体制を強化するとともに、生物多様性の保全、感染症等の予防、農作物の品種改良、洪水、高潮、渇水、干ばつ、土砂災害等による被害の防止等の地球温暖化に対する適応のための対策を総合的かつ計画的に推進すること。  (第五十二条関係)
  20 低炭素社会づくりのための国際貢献
    政府は、低炭素社会づくりに関する国際的枠組みづくりを主導するとともに、この枠組みに責任を共有して参加する開発途上地域の温室効果ガスの排出の量の削減等に寄与するよう、技術協力及び資金供与、社会資本整備、人材育成等に係る協力を推進すること。    (第五十三条関係)
第六 低炭素社会づくりを推進するための体制の整備
一 低炭素社会づくり国家戦略を長期的、総合的かつ計画的に実施するため、別に法律で定めるところにより、政府に、低炭素社会づくり国家戦略推進本部を設置するものとすること。
二 一の低炭素社会づくり国家戦略推進本部の名称については、一の法律においてこれと異なるものとすることを妨げないこと。                          (第五十四条関係)
第七 その他
 一 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。
                                       (附則第一条関係)
 二 政府は、地球温暖化に関する科学的知見の充実の程度、地球温暖化の影響による被害の状況、経済社会の動向、低炭素社会づくりに関する国際的動向等を勘案しつつ、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。 (附則第二条関係)
 三 その他所要の規定の整備を行うこと。




【インタビュー】低炭素社会へ「決意」示す 公明新聞:2009年6月12日付

国際交渉に向け一歩
公明が目標設定リード 最終盤で1%上積み
温暖化ガス削減の中期目標発表


【写真】公明党の地球温暖化防止対策について語る田端
 麻生太郎首相が10日、2020年までの二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス削減の中期目標を「05年比15%減」(90年比8%減)にすると正式発表しました。その評価と意義について、公明党地球温暖化対策本部の田端正広本部長(衆院議員)に聞きました。
 ――中期目標が「05年比15%減」に決まりました。
 
田端正広本部長 政府は当初、「05年比14%減」(90年比7%減)で調整を進めていたのですが、最終段階でマイナス1%を上積みして05年比15%減に決まりました。これは、公明党が「野心的な高い中期目標を」と訴え、わが党の斉藤鉄夫環境相が最後まで粘り強く麻生首相に主張した結果が反映されたものだと実感しています。

 ――中期目標決定をめぐる動きは。
 
田端 首相が中期目標設定を決めるに当たり、経済への影響を懸念する一部の経済団体や労組が「05年比4%減」(90年比4%増)という緩い目標を要求する一方、斉藤環境相が「05年比21〜30%減」(90年比15〜25%減)という高い目標設定を求めてきました。私たちは斉藤環境相の見解を支持する立場から、今月4日、河村建夫官房長官に申し入れを実施しました。

 ――公明党が特に強調したことは。
 
田端 景気回復、そして経済成長の視点から、日本が世界に誇る省エネ・環境技術をさらに磨き、国際競争力の維持・向上へと結び付けるため、温室効果ガス削減の高い目標設定が必要だと強く訴えてきました。昨年の時点で、福田康夫首相(当時)は「05年比14%削減なら可能」と表明していました。しかし、その後、政府は20年までに太陽光発電の導入量を現在の20倍にすることや、エコカーを新車販売の2台に1台にすることなどを打ち出した上で、一連の経済対策で補助制度や、太陽光電力の固定価格買い取り制度の導入など、低炭素社会づくりの政策実行に踏み出しています。それらと整合性を持った高い目標を求めました。

 ――温室効果ガス削減の新しい枠組み構築に向け、目標の数字に注目が集まりました。
 
田端 今年(2009年)12月に国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)がデンマークで開かれます。そこでの合意に向け、13年以降の排出削減の新しい枠組み“ポスト京都議定書”の国際交渉がスタートします。それを踏まえ、日本の中期目標が「すべての主要排出国が参加できるよう、日本が交渉のリーダーシップを発揮できる数字か否か」が焦点になりました。つまり、世界一の排出国・米国、先進国に高い削減率を求める中国やインドを新しい枠組みに引き入れるため、日本が自国の中期目標で「決意」を示す形になったわけです。

 ――今後の国際交渉への期待は。
 
田端 今回の中期目標は、省エネなどによる国内削減分、いわゆる真水のみの「05年比15%減」です。EU(欧州連合)の中期目標は「05年比13%減」、米国は「05年比14%減」ですので、それを上回る日本の“15%減”は見劣りしません。さらに、真水以外の森林吸収や外国との排出権取引は「今後の国際交渉を見て判断」としており、それらを加えると23%前後まで削減幅が上積みできる含みがあります。麻生首相は「15%減」を「本格的な国際交渉に向けた第一歩」としていますが、しっかりと合意できるよう頑張っていただきたい。

 ――50年までの長期目標をめざした道筋はつきましたか。
 
田端 昨年(2008年)の北海道・洞爺湖サミットで合意した「50年までに世界全体で半減」に向け、日本は既に「50年までに60〜80%削減」という長期目標を立てています。公明党は、中期目標が20年までの単発で終わることなく、それ以降も長期目標実現までの道筋をつけるよう求めました。その結果、麻生首相は「20年の15%減達成が、30年の約25%減、50年の約70%減につながる」という見通しを示しました。

 ――今後の地球温暖化防止への決意は。
 
田端 地球温暖化が進めば、気候変動による洪水・高潮の頻発、農産物の大被害、伝染病拡大などで被害額が年間17兆円にも上るという研究結果もあります。温室効果ガス削減は、次世代を守るため、私たち現役世代にとり待ったなしの課題です。国民だけでなく、政府、産業界も具体的な行動を起こして目標を達成し、環境先進国として世界のリーダーシップを発揮していきたい。
 そのために公明党は「基本法」制定を視野に入れ、低炭素社会づくりの具体的な行動を加速させていきます。

中期目標のポイント
◎2020年までに温室効果ガスを05年比15% 削減
◎太陽光発電やエコカー、省エネ住宅の促進な ど経済発展と連動
◎「15%減」は省エネなど国内削減分の“真水”
◎森林吸収や外国との排出権取引は「国際交渉 を見て判断」
◎50年までの長期目標(05年比60〜80%)実現 へ道筋





住宅街走る大型車を規制=西成区=  平成21年5月8日付け公明新聞


 大阪市西成区の市営住宅内の市道を頻繁に走り抜ける何台もの大型トラック。「地域にはお年寄りや子どもも多いし心配だ。何とか規制できないものか」。そんな住民の長年の願いを聞き、実現に奔走した公明党のたばた正広に感謝の声が集まっている。大阪府警がこのほど、同市道に対して5月中に、大型車の通行を終日禁止する規制を開始することを明らかにしたからだ。
 話しの舞台は、同区の南津守市営住宅内の市道。大型トラックの通行規制の朗報は、4月25日に同市営住宅集会所で行われた住民との語る会で、たばた自らが発表した。
市道は、近くを併走する大通りの抜け道になっており、猛スピードで大型車が通り抜けるなど、歩行者が危険を感じることもしばしば。こうした状況の中、たばたは昨年6月、南津守連合第六振興町会の吉村正一会長や同第九振興町会の高原一会長から「何とか大型車の通行を規制してほしい」との相談を受け早速、現場を視察。地元市議と連携し、大阪府警、市当局に住民の安全や規制の必要性を訴える一方、周辺企業30数社にも規制実施への理解と承諾を求めるなど、対話を重ねてきた。
 その結果、周辺企業全社から規制への承諾を取り付け、府警も「終日大型通行禁止規制」の実施に動き出した。
 語る会でたばたらは、終日大型通行禁止規制のほか、横断歩道の設置や歩道のカラー塗装、速度抑止効果のための減速マークの配置、夜間に光る自発光式道路鋲の敷設、飛び出し防止の歩車道分離安全柵の設置など、道路管理当局と協議した市道の整備計画について説明。その上で「市営住宅の真ん中に大型車がバンバン通ること自体が大問題。府警や市道局と協議し、周辺企業と話し合う中で、住民の安全を第一に考えた非常にいい流れができた」と語り、住民の理解を求めた。
 こうした発表に吉村、高原の両町会長は、「公明党のたばたさんの強力な取り組みのおかげで住民待望の規制が開始される見通しになった。本当にうれしい」と感謝していた。



日本水道新聞インタビュー 平成21年1月30日付け

「水問題に対し政治は何をするべきか」
水基本法制定へ連携を

――水問題に対して、どのような印象をお持ちですか。

田端 広い宇宙の中で液体の水が確認できるのは地球だけです。水は地球に住んでいる全ての生物の命の源です。水なくして命はあり得ません。水を制するものは世界を制する。それぐらい大変重要なテーマだと思います。
 1月30日には「水の安全保障戦略機構(以下、機構)」が立ち上げられます。国内外で水に関する議論が活発化する中で、産官学の水の第一人者による議論の場を作っていただいたことは非常に良かったと思いますし、そこに参加できることを非常にうれしく感じています。
話は変わりますが、2年ほど前にインドで水に当たり、お腹を壊しました。インドのみならず、海外に出た場合、東南アジアにしろ、ヨーロッパにしろ、生水を飲めないのが大前提です。日本は水道の水を蛇口から飲むことができます。また、環境省が日本の水百選として、各地の湧水を認定しており、この湧水も直接飲むことができます。例えば、富士山の湧水を持ち帰り、お茶にしたり、コーヒーに入れたり、おいしい水として飲んでいます。こういった国は海外にはありません。
 そういう意味で、日本は非常に水に恵まれた国だと思います。この豊かな水資源、そしてそれを育んでいる大自然は日本の財産です。海外に出て逆に日本の水道や水資源が、いかに優れているかがわかりました。
アフリカなどでは、衛生な水が確保できず、命を落とす方もいる深刻な事態になっています。今後、国民一人ひとりが、水の大切さを理解すると同時に、自然に恵まれた日本の国土をしっかり守り、生水を直接飲める文化を維持していくことが重要だと思います。
――先生が水に興味を持たれたきっかけは。
田端
 私が新聞記者をしていた昭和43〜45年頃、富山県でイタイイタイ病が社会問題化しました。ご承知の通り、この病気の感染源は水です。鉱山からでたカドミウムが神通川に流出し、それが米を汚染して、その米を食べた人がイタイイタイ病にかかって骨が縮んでいくという経過を取材しました。これが水問題に関わった契機です。イタイイタイ病は、公害認定病の第一号で、環境庁設置のきっかけにもなりました。
 同時期に大きな問題になったのは水俣病です。これも原因は水です。チッソの流したメチル水銀を魚が食べ、その魚を食べることによって水銀中毒になり、人体に多大な影響を及ぼしました。
 日本の大きな公害事件は、水を媒介にして起こりました。これらの事件を通して、水は生活基盤を支える大切なものだという認識を強める一方、水が安全で清潔である重要性を改めて痛感しました。
 当時、公明党の国会議員がこれらの公害問題を追及する先頭を走っていました。公明党は、環境問題に熱心であるとよく言われますが、原点はここにあります。環境問題の先頭を走ってきたという歴史を大事にするとともに、当時を知っている人間の一人として、水問題には一生懸命取り組んでいきたいと思います。
――公明党としても、積極的に水問題に取り組んでいく予定でしょうか。
田端
 もちろんです。機構にお声をかけていただいたからには、積極的かつ前向きに取り組んでいきます。
 水問題は、地域や省庁を超え、また日本のみならず地球規模で議論する必要があると思います。水の安全保障は人間の安全保障に繋がるという思いで、これからの議論に取り組んでいきます。
――公明党のこれまでの環境や水に関わる活動をご紹介いただけますか。
田端
 平成12年に成立した循環型社会形成推進法の創案に携わりました。この法律の中に、資源に乏しいわが国の貴重な資源を有効活用するため、3R(リデュース、リユース、リサイクル)という原理を組み込みました。リデュースはごみを抑えること、リユースはもう一度使うことです。ゴミを抑制する一方で、使い捨てを改め、さらにリサイクル、加工してもう一度使います。
それまで使い捨てでしたが、これは良くありません。日本は資源が乏しく、大部分を輸入に頼っています。ですから、使い捨てでなく、一度使ってももう一度使い、さらに加工してもう一度使うという法律を作りました。この法律に基づき、出来る限りゴミを減らす社会、物を大切にする社会を構築していきたいと考えたわけです。
水も原理的に同じだと思います。一度使った水を下水道で処理して放流するのではなく、それをもう一度、あるいは2回3回と使えるように循環させるような仕組みが必要だと思います。そのためには、建築物や都市の構造も含めた検討が必要です。水循環も政治的に大きなテーマだと思います。
平成14年には、自然再生推進法を提案し、翌15年に施行されましたが、この活動の発端も水です。
北海道の釧路湿原の中には、釧路川が蛇行して流れています。今から15年ほど前、川の氾濫を防止する目的で、川の蛇行している部分を2`bにわたって直線にしてしまいました。そうすると、それまで水が流れていた地域に水が流れなくなり、その地域の草や木が枯れ、1000種類いると言われる昆虫にも変化が起こりました。生態系の宝庫と言われる自然の宝庫に人間が手を加え、自然を破壊し生態系が変わってしまいました。水の流れが変わったら生態系がおかしくなってしまいます。それを元に戻す必要があると痛切に感じました。
調べてみると全国にそういった箇所は数多くありました。そこで、自然を再生する法律を作ろうという活動に着手し、法律を制定したわけです。
この法律は、地域で協議会を設立し、地域からプランを出してもらい、そのプランを、環境省、農水省、国土交通省が評価・認定し、事業費を拠出するというものです。
再生事業の一番の具体例は釧路川です。釧路湿原の再生については、議論に5年近い年月がかかりましたが、一昨年の12月に再生事業がスタートし、水枯れしている川に再度通水できるよう整備を行いました。すでに通水工事は終わっていますので、草木や昆虫が元に戻っていることを確認に行きたいと考えています。
現在では、全国で20カ所前後協議会が立ち上がり、活動しています。
――蛇口から直接水を飲める文化を継承するためには、水道施設の計画的な更新が必要ですが、現状あまり進んでいません。
田端 日本の上水道を守るのは非常に重要なことだと考えています。
 更新などの問題もあろうかと思いますが、私が危惧しているのは原水水質が悪化していることです。例えば、私の地元大阪は淀川水系です。その水源の琵琶湖では、温暖化の影響を受け、滞留時間の長期化や流入負荷の増大に伴う富栄養化現象、深層部での貧酸素化現象などによりアオコが発生するなど、非常に水質が悪化し、生態系に影響が出始めています。やはり水は自然循環させなければなりません。
淀川の下流では、大阪市がこの汚れた水を原水にしています。現在の大阪市水道局は高度浄水処理を導入するなど、おいしい水の供給に努めていますが、少し前までは大阪の水はおいしくないと有名でした。高度処理にしても処理能力の限界があるし、通常の浄水処理に対して、エネルギーの使用量も多く、環境負荷も高い。やはり原水の保全が重要です。それには、水道、下水道など、これまでの行政区分ではなく、流域の関係主体が参加した仕組みが必要かもしれませんね。
また、四国の早明浦ダムなどでは、毎年渇水のニュースを耳にします。原水を蓄えられるようにしなければ、優れた浄水技術があっても活用できません。
――チーム水・日本構想については、どのような印象をお持ちですか。
田端
 先ほどお話しました通り、今後日本が海外に誇れる自然や水資源に恵まれた国土を保全していくためにも、また豊かな生態系を健全な姿で保ち続けるためにも、入口から出口までの水を循環できるシステムを構築する必要があると思います。
現状、水に関する法律が約40本もあるのに加え、上水道は厚生労働省、工業用水は経済産業省、河川と下水道は国土交通省、農業用水は農水省、水質は環境省、経営は総務省と、所管する官庁も法律もバラバラです。
ですから、水循環システムを構築するためには、水のチームが必要です。そういう意味で今回のチーム水・日本構想は非常に素晴らしいものだと思います。
今後温暖化に起因する気候変動の影響により、積雪量が減少するなど、水資源にも影響がでる可能性が指摘されています。横の連携を取りながら、水の循環利用を図り、貴重な水資源を最大限活用していく必要があると思います。水循環システムの構築をはじめ、水問題の解決に向け、チーム水・日本として総合的に取り組んでいきたい。
これらの取組みを実現するには国民一人ひとりが主体的に水の大切さを理解し、行動を起こしていく必要があると思います。そのためには、政治として国民に水の大切さを訴えていく必要もあると思います。
――水の安全保障戦略機構にはどのようなことを期待しますか。
田端
 これまでは、それぞれの省庁が縦割りでことを進めてきました。それはそれで大切なことですが、今後は横の連携を取る必要があると思いますし、さらに大きく言えば水に対する基本的な認識の共通の基盤が必要ではないでしょうか。ですから、最終的には、水基本法制定に向けた議論が必要だと思います。
現行の縦割りとなっている法律を統合化し、水の大切さ、命の大切さをベースに、水に対する意識をしっかり持つような基本法があり、その下に個別法があるというのが一番良いと思います。それが、後世に良い水を残していくことに繋がると思います。
縦割りの利点もありますが、やはり弊害もあります。それを乗り越えるには基本法が最適な手法ではないでしょうか。
基本法を成立させるには、全省庁をまとめなければならず、大変な労力を要します。しかし、水問題はそれぐらいのエネルギーを費やすいのに値するテーマだと思います。
公明党は、環境問題に一番熱心に取り組んできたと自負しています。基本制定立のために私も公明党も全力を尽くします。
ただ、基本法の成立には検討すべき課題も多いと思いますので、機構でしっかり議論しながら徐々に進めていきたいと考えています。
機構には、基本法制定に向けた議論が進むこと、また議論を重ねる中で国民の水に対する理解度や、基本法制定に向けた世論が高まっていくことを期待したいですね。
――最後に水の関係者にメッセージをお願いします。 
田端 皆さまは水に関わる仕事をされているということで、心から敬意を表するとともに、これからも頑張っていただきたいと思います。水の大切さを一番わかっている現場で頑張っている皆さまに御礼申し上げます。
冒頭に申し上げた通り、水は地球の生命全てに関わることですから、大切にしなければなりません。
水が無ければ生活できません。よく日本人は「水と空気はタダだと思っている」と言われますが、確かに一番身近のものであるためか、国民の意識は低いように思います。水は大切であり、空気も命にかかわる一番大事なことですから、だからこそ今、環境行政が大きな話題になっているわけです。
今行動を起こさずに、だんだんと水を汚してしまえば、後世につけを回すことになります。だから今こそ、政治主導で水問題に取り組むべき時だと思います。自然を再生する技術にも限界があります。現に集中豪雨や大型ハリケーンの発生など、温暖化に起因する現象も発生しつつあります。温暖化のために地球全体の水循環がおかしくなってきています。そこはしっかり人間の知恵と努力で防げることはやっていかなければならないと思います。
このたび、日本の水問題解決に向けたプラットフォームとして機構が設立されます。私個人としても、公明党と致しましても、皆さまとともに水問題の解決に向け全力で取り組んでまいりますので、皆さま方のご協力をお願いします。
――ありがとうございました。



都市再生機構の家賃引き上げ凍結が実現 平成20年12月2日

【写真】金子国交相に要請するたばたら
  独立行政法人 都市再生機構(UR)は2日、厳しい経済状況を考慮し、平成21年4月に予定していたUR賃貸住宅の継続家賃改定(引き上げ)を当面延期することを決定した。
 UR賃貸住宅の家賃が市場家賃より低い場合、3年ごとに見直してその差の3分の1程度を引き上げることになっている。
しかし景気悪化や物価高騰の中、高齢化の進む居住者からの不安の声を受け、たばた正広は11月28日、太田昭宏代表らと共に、国土交通省を訪れ、金子一義国交相に、国民の生活を守るために、UR賃貸住宅の家賃引き上げを当面の間凍結するよう要請した。これにより、今回、国土交通省は引き上げ延期を決定し、住民の方から喜びの声が寄せられている。

妊娠中のシートベルトの正しい着用の推進が実現 平成20年9月11日

【写真】衆院内閣委で妊娠中のシートベルト着用の必要性を強調(H20.6.4)
 警察庁は、交通の方法に関する教則を改正し、妊娠中のシートベルト着用についての広報啓発・安全教育を推進するとともに、警察官による指導を積極的に行うため、各都道府県警察に指示することを決めた。
道路交通法では「妊娠中であることにより座席ベルトを装着することが健康保持上適当でない者が自動車を運転するとき」はシートベルト着用が免除されていることから、一般には、妊婦はシートベルトをしない方が安全であるとの考え方が普及しており、着用を控える方が多いという実態があった。
 しかし、専門家の調査や、日本産科婦人科学会等によれば、ベルトが腹部を横断しないようにシートベルトを着用する方が、ハンドルや座席による腹部の衝突や、車外へ放り出されることが防止され、母胎と胎児に係る交通事故時の障害を軽減できるという見解が出されている。
 田端正広は、この問題を平成20年6月4日の衆院内閣委員会で取り上げ、妊婦と胎児の生命を交通事故の被害から守るため、正しいシートベルト装着のための運用改善を国家公安委員長ならびに、警察庁に対して要請しており、警察庁は、諸外国の制度の調査や、妊娠中の方の死亡事故の実態調査に基づき、妊娠中のシートベルトの正しい装着のあり方や、広報啓発、安全教育のあり方について、速やかに結論を出すことを約束していた。
 今後、健康保持上適当でない場合を除き、シートベルトを正しく装着するように、広報啓発・安全教育が積極的に推進され、母体と胎児の安全性が高まることが期待されている。

【妊娠中の方の正しいシートベルトの着用方法】
@ シートの背は倒さずに、シートに深く腰掛けましょう。
A 腰ベルト・肩ベルト共に着用するようにしましょう。三点式ベルトの腰ベルトだけの着用や二点式ベルトの着用は、事故などの際に上体が屈曲して腹部を圧迫するおそれがあり、危険です。
B 腰ベルトは、大きくなった腹部(妊娠子宮の膨らみ)を避けて、腰骨のできるだけ低い位置でしっかり締めましょう。
C 肩ベルトは、肩から胸の間を通し、腹部を避けて体の側面に通しましょう。その際には、肩ベルトが首にかからにようにしましょう。また、肩ベルトがたるんでいると事故の際危険ですので注意しましょう。
D 腰ベルトや肩ベルトが腹部を横切らないようにしましょう。
E バックルの金具は確実に差し込み、シートベルトが外れないようにしましょう。
F ベルトがねじれていないかどうか確認しましょう。



インタビュー 温暖化防止へ総合戦略  公明新聞:2008年7月5日付け
注目集める公明党の提言
田端 正広 党地球温暖化対策本部長に聞く


【写真】インタビューに答える田端
 地球温暖化対策が主要なテーマになる北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)を目前にして、公明党が先月6日に福田康夫首相に申し入れた「北海道洞爺湖サミットに向けた地球温暖化対策に関する提言」が注目を集めている。そこで、田端正広・党地球温暖化対策本部長(衆院議員)に、同提言のポイントや具体化に向けた取り組みなどについて話を聞いた。
中長期の数値目標明示
途上国を「技術」「人」「資金」で支援
「クールアース・デー」日本から世界へ
 
――公明党の提言への反響が広がっていますね。
 田端正広本部長 提言は、温暖化対策に関する公明党の政策をまとめ、福田康夫首相に直接、手渡しました。政党が出したものとしては、まさに先駆的な総合的戦略となっていると思います。
 2050年までに地球全体で温室効果ガスを半減することを今回のサミットの参加国が共有し、日本としては80%削減を視野に入れるべきだとの長期目標を示し、中期目標としては20年に25%削減を明確に打ち出しています。
 これらの数値目標は、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)や国立環境研究所のデータなどを基にしたもので、提言は一貫して科学的知見に立脚したものになっています。また、運動論として掲げた「クールアース・デー」の創設については、政府の正式決定により、サミット初日の7月7日、ライトダウン(消灯)・キャンペーンが私たちの提案通り実施される運びとなりました。
 ――提言には公明党らしい理念が盛り込まれていますね。
 田端 数値目標も大切ですが、各国が自国の主張で争い合っていては実効ある温暖化対策は成り立ちません。国益を乗り越え、人類益の立場からのプラス思考が必要との私たちの認識を示しました。また、あるべき持続可能な地球環境をまず想定し、そのためには何をするべきか、現実に即した具体的行動を始めなければなりません。
 さらに、経済と環境の統合も大切な視点です。環境を優先すると経済発展を阻害するなどといった意見がありますが、そこをどう乗り越え相互に補い合う形の政策を見いだすかという視点です。これら三つの考え方に立った政策提言となっています。
 ――具体化に向けた取り組みについては?
 田端 中長期の目標や優れた政策があっても、毎年、着実にどれだけのことが実現できたか、またどのような施策で達成していくのかといったプログラムが重要です。私たちは、そのための「地球温暖化防止基本法(仮称)」の制定を提言しました。将来にわたって着実に受け継がれていく仕組みにするためにも、このような法律は必要です。
 CO2(二酸化炭素)削減に有効な経済手法である国内排出量取引について、公明党はいち早く日本型の排出量取引の必要性を表明してきました。世界的に取引制度が広がりを見せている中で、サミット議長国であり、京都議定書の議長国でもあった日本が無為無策でいるわけにはいきません。排出量取引制度の導入を首相に直接訴えたところ、首相も今秋からの試行的実施を表明。現在、環境省と経済産業省の間で具体的な調整が詰められています。
 ――外国為替取引への課税などの提案も話題を呼びました。
 田端 環境のための資金調達の仕組みとして、人道・環境税や国際連帯税といった新しい資金メカニズムを導入するため為替取引への課税が適用できないかとの考えを示しています。ほかにも、温暖化の影響による災害被災国に対する多国間協力による農業災害保険機構のような制度創設にも触れています。
 先進国と途上国の間に横たわる課題については、日本の積極的役割を指摘しました。ポスト京都議定書の枠組みづくりに中国やインドをはじめ、途上国が参加するには日本は公害などで困っている国に「技術」「人」「資金」で支援していくべきです。
 その国が足元に抱えた課題を無視して、地球規模の問題への参画を促すことは困難です。コベネフィット(Co―benefit=相乗便益)――つまり、公害対策と地球温暖化対策が同時に必要な国々への日本のアプローチは、外交政策としても重要になると考えています。特に、日中環境保全協力なくして今後の地球温暖化対策はあり得ないと公明党は主張しています。
 ――国民の意識改革も不可欠です。
 田端 その通りです。国民一人一人の意識や運動につながることが大事です。「クールアース・デー」は、その意味での提案です。織姫と牽牛が年に一度出会う七夕に天の川を見ながら地球温暖化を考える運動が来年からは世界へと広がってほしい。豊かな自然に囲まれた北海道洞爺湖に世界の首脳が集う今回のサミットは、まさに地球規模の意識啓発を議長国の日本が広げていくものと大いに期待しています。


てい談 実効ある地球温暖化対策を 平成20年6月18日付公明新聞

【写真】気候ネットワークの浅岡美恵代表と地球温暖化対策についててい談
目標達成への行動、施策示せ
政治のリーダーシップ重要
技術革新で環境先進国に

 7月の北海道洞爺湖サミットが迫りました。主要なテーマとなる二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの削減について、この問題に長年取り組んできた気候ネットワーク代表の浅岡美恵代表と、公明党の浜四津敏子代表代行、田端正広党地球温暖化対策本部長に、議長国としてわが国の取り組みなどについて語り合ってもらいました。

地球サミットで問題意識広がる
 浜四津 浅岡さんは気候ネットワーク(NGO)代表として、地球温暖化対策についてさまざまな提言を発表するなど、活発な活動をされています。一方で弁護士として公害問題、消費者問題などに継続して取り組まれていますが、環境問題に取り組まれるきっかけは何ですか。
 浅岡 本格的に環境問題に取り組み始めたのは、1992年のブラジルのリオデジャネイロで開かれた地球サミット(国連環境開発会議)でした。水俣病の被害者の方に同行したのですが、世界的な観点から公害や環境問題をとらえ直すことができました。
 田端 97年には、京都でCOP3(第3回気候変動枠組条約締約国会議)が開かれ、市民レベルでの環境問題への取り組みが一躍大きな存在感を示すことになりました。これを境に日本の環境行政や国民意識も変わりましたね。
 浅岡 日本の外務省や環境庁(当時)、京都府や京都市などの地方自治体も、まだ環境市民団体などのNGOとの付き合いが少なかった時代でしたが、国連は私たちを強力にサポートしてくれました。
 最初は「これほどまでに」と戸惑いましたが、後で「これが世界基準なのだ」と気が付きました。
 田端 議長国・日本は、紆余曲折を経ながらも京都議定書をまとめ上げ、それが今日の温暖化ガス削減の世界的潮流につながっています。
米、中、印の参加が大きな課題
 浜四津 それから10年を経て、7月の北海道洞爺湖サミットでは地球温暖化対策が最大のテーマになります。
 田端 日本は議長国として温暖化防止に向けた強い意志を表明しなければなりません。これまで温室効果ガス削減の枠組みに入っていない米国、中国、インドなどを新たな枠組みに参加させることができるかどうかが大きな課題です。排出量取引に早くから言及されている浅岡さんは、実効性のある対策を、どのようにお考えですか。
 浅岡 大事なのは2020年や50年に二酸化炭素などの温室効果ガスをどれぐらいに抑えるかといったポイント(点)だけでなく、それらを線で結ぶことだと思います。目標に向かって毎年継続的に前進できるよう法律で定めることが大事です。欧米は、すでにその方向に動き始めています。削減の中長期の目標をコンセンサス(意見の一致)とし、その達成のための行動や具体的施策を、その時々の政治が示さなければなりません。国民の側も、日本が歩むべき削減の道を受け入れることが必要です。
 田端 温室効果ガス削減に向け官も民も産業界も一緒になった、国家としての“意志”がなければいけません。わが党は20年までの中期目標を25%削減として掲げました。その達成へ地球温暖化防止基本法(仮称)の制定などを盛り込んだ「地球温暖化対策に関する提言」を今月6日、福田康夫首相に申し入れました。
 浅岡 公明党に動いていただけると、とても大きな力になると思います。このような大きなスキーム(計画)は党派を超えた議論がなければできませんね。
 浜四津 環境問題や、平和の問題は皆で手をつないで取り組まなければいけない問題です。
 浅岡 この機会を積極的に生かし、「新しい産業を興すのだ」というぐらい前向きな気持ちで取り組まないといけません。二酸化炭素を排出しない形で産業を興していく工夫をし、その方向に国民の知恵や力を集めるような呼び掛けが必要です。
 若い人たちが自分たちの将来を明るく築いていく気持ちになってもらうためにも、何度も言うようですが政治の呼び掛けが非常に大事です。また、日本がこのような行動を見せることで、他の国々に希望や目標を与えることにもなります。
 田端 わが党が推進した循環型社会形成推進基本法の導入は、日本の技術革新を飛躍的に高めました。自然との共生と循環型の技術革新が、CO2削減と重なり合えば、日本は本当の意味での先進国になることができます。 
 浅岡 私が10年、この問題に関わってきて実感するのは「行政任せであり過ぎた」ということです。政治は課題の解決に向け国が進むべき道筋を示す灯台の役割を果たさなくてはなりません。

【写真】クールアースデーについて語る田端
国民一人一人の意識が大きな力
 浜四津 国民一人一人が温暖化に関心を持てるよう取り組むことも大切です。
 浅岡 国民の役割は、自分たちが望んでいることを、しっかりと政治家に伝えるといった政治への参加が重要です。また、「環境への将来投資」の意識を持つべきだと訴えています。例えば、安いからと白熱電球を買ってしまうのではなく、多少高くても消費電力の少ない蛍光電球を買うなどです。そうすれば、寿命も長く電気代も節約でき環境にも貢献できます。冷蔵庫やエアコンなど家電製品選びも同じです。
 温暖化対策を考えて設計された住宅は、エアコンを使わなくても温かです。このような考え方でお金を使えば自然にCO2削減型になっていくというものです。経済的に余裕がない方々のためには、公営住宅を公的資金でリフォームし、電気代やガス代の負担が重くならないようにするのが政治の役割だと思います。
 田端 私たちもエコライフのすすめというのを常々言っていますが、まったく同感です。
 浜四津 公明党は結党以来、環境の党を掲げています。当初はいくら環境問題を訴えても、誰も見向きもしませんでした。今では環境が政治を動かし、国民のライフスタイルも変わってきています。
 田端 首相への提言にも盛り込みましたが、7月7日サミット開催初日の七夕の夜、全国の家庭や職場などで一斉にライトダウン(消灯)し、天の川を眺めながら地球環境を考え、行動する日をつくっていこうと党青年局が運動を進めています。
 浜四津 この日を「クールアース・デー」にするため署名運動を全国で展開し、先日の福田ビジョンにも反映させることができました。
 浅岡 やはり(国民運動は)理屈だけではなく、印象的な事や忘れられない事柄が、多くの人を動かすものですものね。
消費者、環境、安全で公明党に期待
 浅岡 公明党が与党でいてくださることは本当に心強いものがあります。大きな観点から現実的に一歩を進めているという意味で公明党の役割は大変に大きいと思います。特に、消費者とか環境関係とか安全などの問題で大いに期待をしています。
 浜四津 環境の問題は、政治のリーダーシップが最も必要な分野です。首相をバックアップしながら、時には官僚と喧嘩してでも、今後も地球温暖化防止や、国民の方々の安全・安心な生活のために一生懸命に頑張らさせていただきたいと思っています。
 田端 公明党はどこまでも“消費者の視点”という軸足から日本が世界のリーダーシップを発揮できるよう頑張ります。
 浜四津・田端 浅岡さんのますますの活躍を祈っています。本日はありがとうございました。

あさおか・みえ
 京都大学法学部卒。弁護士(前京都弁護士会会長)、中央環境審議会委員。公害問題や消費者問題などに取り組みながら、環境NGO代表として数々の国際会議などに参加してきた。


無差別殺傷事件の再発防止策を町村官房長官に要請 平成20年6月17日

【写真】ダガーナイフ等の規制強化を町村官房長官に求める田端ら
東京・秋葉原で7人が死亡、10人が重軽傷を負った通り魔事件に関し、公明党の太田昭宏代表と銃規制見直し検討プロジェクトチーム(座長=田端正広座長)は17日、首相官邸に町村信孝官房長官を訪ね、凶器に使われたダガーナイフに対する規制強化など無差別殺傷事件の再発防止を求める申し入れを行った。大口善徳衆院議員と風間昶参院議員が同席した。
 太田代表は、事件を受けて党内で検討を重ねてきた中で「ダガーナイフの規制強化を求める声が上がっている」と強調。その上で、殺傷能力の高いダガーナイフなど一定の刃物の販売事業者が購入者の身元確認を行うなどの措置を講じるよう求めた。
 さらに、ダガーナイフが現行の銃刀法で所持規制されていないことについて「両刃のナイフであり、(殺傷能力が高いため)所持禁止に踏み込んでほしい」と同法改正の必要性を強く訴えた。
 これに対し、町村官房長官は、政府として先週から規制の検討を始めたと述べるとともに、警察庁が17日、販売事業者への販売の自粛を要請する通達を出したと報告した。
 また、所持の禁止については「法改正を視野に入れ検討し、与党と相談しながら取り組んでいきたい」と述べ、夏以降の臨時国会へ提出を予定している、猟銃所持の欠格事由を見直す銃刀法改正案に合わせてダガーナイフの規制にも取り組む考えを示した。
 このほか、要望では(1)歩行者天国などに車両が進入できないよう積極的に対応(2)インターネット検知システムの技術開発とプロバイダー業者などによる通報制度の検討(3)被害者、遺族に対する経済、精神両面での支援(4)事件発生原因の検証、無差別殺人犯専門の矯正教育プログラムの検討(5)防犯ボランティア団体との連携と支援(6)銃刀法改正についての速やかな対応――も求めている。

無差別殺傷事件の再発防止を求める申し入れ

6月8日に発生した、秋葉原における卑劣な無差別殺傷事件では、17名もの方々が被害に遭われ、そのうち7名もの方々がその尊い生命を奪われた。我々は心から亡くなられた方々のご冥福を祈り、負傷された方々をお見舞い申し上げるとともに、政府としてご遺族への手厚い支援を行い、今後このような事件を繰り返させぬために万全の体制を整えるよう以下、強く要請する。

一、ダガーナイフ等、殺傷能力があり日常生活では必需品ではない刃物等について、用途目的等に応じて販売を規制し、販売事業者が購入する者等に対してその身元確認等を行うようにするための措置を講じること。

一、ダガーナイフ等、殺傷能力があり、日常生活では必需品ではない刃物等の所持等についての規制強化を検討すること。

一、歩行者天国やアーケード商店街等へ容易に車両が進入できないようにするため、歩行者天国の運営者等からの相談に積極的に応じること。

一、ネット検知システムの技術開発をするとともに、プロバイダやサイト開設者等が、自ら開設しているサイト上において犯罪の予告等の書き込みを早期に発見・削除し、警察への110番及び被害者となる可能性が高い関係者等に連絡できる体制を構築させるための制度を検討すること。

一、政府として今回の事件の被害者の方々やご遺族に対して、その尊厳にふさわしい処遇を受けられるよう犯罪被害者等給付金や、自賠責保険、労災保険等の経済面から、またカウンセリングの実施等、精神面からもできうる限りの支援を行うこと。

一、今回の事件の動機、背景等を検証し、日雇い派遣の原則禁止の検討など、国の諸施策に反映させること。また、無差別殺傷事件等の凶悪犯罪の犯人に対して服役中に行う、専門の矯正教育プログラムを検討すること。

一、防犯ボランティア団体との連携や支援を含め、犯罪の発生しにくい街づくりを推進すること。

一、猟銃所持の欠格事由の見直しや、譲受許可の厳格化、また、実包の規制等、銃刀法改正について速やかに対応すること。

以 上
平成20年6月17日
        公明党 銃規制見直し検討プロジェクトチーム
                  座  長    田端 正広
                  事務局長   大口 善徳


地球温暖化対策で福田首相に提言 平成20年6月6日

【写真】福田首相に地球温暖化対策についての日本のリーダーシップを要請する田端ら
 公明党の太田昭宏代表と浜四津敏子代表代行、党地球温暖化対策本部の田端正広本部長らは6日、首相官邸を訪れ、「北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に向けた地球温暖化対策に関する提言」を福田康夫首相に手渡し、実現を申し入れた。同対策本部の江田康幸事務局長(衆院議員)、赤羽一嘉衆院議員、加藤修一、浜田昌良の両参院議員が同席した。
 席上、太田代表は洞爺湖サミットの最重要課題となる地球温暖化対策について日本がリーダーシップを発揮するため、わが国の温室効果ガス削減の長期目標として「2050年までに80%削減」を掲げるとともに、中期目標として「20年に25%削減」をめざすよう要請。田端は、「人類益に立脚し、科学的知見に立った政策の決定、新技術や新しい生活スタイルの必要性を前提にした提言となっている」と説明した。
 提言では、中長期目標と毎年の目標を達成するための政策などを定める地球温暖化防止基本法(仮称)の制定のほか、(1)国内排出量取引制度の導入(2)20年までに再生可能エネルギーの構成率を現在の2・5倍にする(3)家庭や職場で一斉にライトダウンを行うなど地球環境を考え、行動する「クールアース・デー」創設――なども訴えている。
 申し入れでは、すべての主要排出国が参加する新たな枠組みづくりや、各国の公平性を図る観点からの温室効果ガス排出量の基準年見直しについても意見を交わした。
 申し入れに対し福田首相は「意欲的な提言をありがとうございます」と公明党の地球温暖化対策に向けた取り組みに感謝の意を表するとともに、「(温室効果ガス削減に)最も先進的で、技術的にも進んでいる日本が地球温暖化防止をリードしていかなければならないと強く思っている」と述べた。
 さらに、太田代表が地球温暖化対策のための与党プロジェクトチームの立ち上げと、国会に地球温暖化対策に関する新しい委員会設置を提案したのに対し、福田首相は、「環境省の範囲にとどまらない生活スタイル、経済、社会全体をどうするか幅広い取り組みが必要となっている」と述べ、前向きな姿勢を示した。

北海道洞爺湖サミットに向けた地球温暖化対策に関する提言の重点項目

サミットの最重要課題は、すべての主要排出国が参加する実効的な枠組み構築に向けて、意味ある合意をめざすこと。
その前提として、 @国益に拘泥するのでなく、人類益に立脚A科学的知見に立った政策決定B地球と文明の共存(環境と経済の統合)――の3点を確認した上で、以下の諸点を提言する。

○長期目標(ビジョンの共有)
2050年に温室効果ガスを少なくとも半減するとのビジョンでG8各国が合意するとともに、中国、インドを含むG8拡大会合メンバーでもこれを共有すること。また、わが国は50年80%削減を視野に入れた長期目標を掲げること。

○中期目標
世界全体で次の10年から20年の間にピークアウトするとの目標を共有すること。また、わが国は先進国全体で20年に90年比25〜40%削減が必要としたIPCCの科学的知見を念頭に、20年に25%削減するとの中期目標を設定すること。

○資金協力、資金調達
アジア経済・環境共同体構想による環境ビジネス300兆円規模(2030年)の展開に、1500兆円を超える個人金融資産や250兆円を超える対外純資産を活用すること。
為替取引などに課税する人道・環境税や国際連帯税等の資金メカニズム導入の検討を提案すること。
自然災害の被災地が早期に復旧するために、公的資金をテコに、市場メカニズムを利用する多国間協力による農業災害保険機構の検討を提案すること。

○地球温暖化防止基本法(仮称)の制定
  わが国の中長期目標と毎年の目標、政策、地球温暖化防止委員会の設置を定める法律を制定すること。

○国内排出量取引制度の導入
13年以降の大幅な排出削減のため、わが国の実情に合った国内排出量取引制度の設計を開始することにより、同制度の導入を表明すること。また、12年以前に試行的に導入することも検討すること。

○環境税
 温暖化対策の中での位置づけ、特に国内排出量取引制度との補完性、国民経済や
産業の国際競争力に与える影響などに留意し、税制抜本改革に向けて検討すること。

○太陽水素系エネルギー経済社会の構築
太陽光社会の構築などを進め、12年後の2020年に再生可能エネルギーの構成率を現在の2・5倍(15%)を目指すこと。

○国民の意識改革
家庭や職場で一斉にライトダウンを行うなど、地球環境を考え、行動する日として「クールアース・デー」を創設すること。

〈要望書全文〉

内閣総理大臣
福田 康夫 殿

北海道洞爺湖サミットに向けた地球温暖化対策に関する提言

公明党地球温暖化対策本部
                     本部長     田端 正広
                     本部長代理  赤羽 一嘉
                     本部長代理  加藤 修一
                     事務局長   江田 康幸

今般のサミットにおける最も重要な課題は、地球温暖化対策の観点からは、すべての主要排出国が参加する実効的な枠組み構築に向けて、国連の下での交渉を後押しするべく、意味ある合意を果たすことにある。
その議論に当たって第一に確認すべきことは、各国は国益のみに拘泥するのではなく、人類益に立って行動すべきであるという点である。ともすれば、いかに自国の義務や負担を少しでも軽くするかに力点が置かれてしまうが、そのようなマイナス思考の発想から脱却すべきである。むしろ、主要国は率先して目標を設定し、意欲的な政策を進めるとともに、他国の取り組みも積極的に支援し、地球レベルでの貢献を良い意味で競い合っていくことが望まれる。そのようなプラス思考の国こそが21世紀をリードしうる国となることができる。
第二に、科学的知見に立って政策決定を行うべきとの点である。地球温暖化をめぐっては、1988年に設立された「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)による長年の取り組み成果がある。昨年には、世界の最新の研究成果をレビューし、第4次評価報告書をまとめた。われわれは、このような科学的知見に基づいて地球温暖化に対する対応策を取らなければならない。
さらに、われわれは、将来の持続可能な社会の姿を想定し、それを基点として現在を振り返り、想定され得る破局の回避のために、どのような取り組みが必要かを考えて対策を取る「バックキャスティング」の考え方に立つ必要がある。現実から出発しなければならないことは言うまでもないが、それを理由に到達点を回避することは許されない。
第三に、地球と文明の共存を志向することである。地球生態系なくして人類の生存はない。そのために経済と環境保全の統合が急務であり、経済活動に地球温暖化防止機能をビルトインすることが不可欠である。また、低炭素社会づくりは社会経済システムの構造改革と合わせて取り組み、新しい産業や生活のスタイルを生み出すことを通じて、地域の活性化や生活の質を向上させる内発的需要を生み出すものであるべきである。
一方、途上国における経済発展の必要性を考えれば、世界全体の温室効果ガス削減に向けて、先進国による技術移転、革新的技術の開発が強く求められるところである。
わが国は、以上のような諸点を踏まえ、今般のサミットでの議論に臨むべきである。そして議長国として、すべての主要排出国が参加する実効的な枠組み構築に向けて、米国とEUなど先進国間の調整役を務めるとともに、先進国と中国、インド等の途上国との間の架け橋となり、次期枠組み交渉に弾みをつける合意を実現しなければならない。
そのような観点から、わが国の国際的な対応方針ならびに関連した国内政策について以下の諸点を提言する。

T、国際交渉

1、長期目標(ビジョンの共有) 
(ア)世界全体              
長期目標は、文明の方向性について世界全体で認識を共有するという意味で非常に重要である。したがって今般のサミットにおいては2050年までに世界全体の温室効果ガスを少なくとも半減するというビジョンでG8各国が合意するとともに、中国、インドを含むG8拡大会合メンバーの間でもこれを共有すること。
また、世界の温室効果ガスの半減は、先進国が大幅な削減を達成することによって主導しなければならないとの認識を、G8各国が共有すること。

(イ)わが国の長期目標
世界全体の長期目標、ビジョンに向けて、わが国が世界をリードするためには、自ら率先して温室効果ガス削減の範を示す必要がある。
そこでわが国は、IPCCが先進国は2050年に1990年に比べて80〜95%削減することが必要としていること、国立環境研究所などの研究チームが昨年2月に「2050年日本においてCO2を1990年比70%削減する技術的ポテンシャルは存在する」との研究成果を示していることなどを踏まえ、2050年に80%削減することを視野に入れた長期目標を掲げること。また、これに向けて社会経済システムの構造改革を進め、さらに革新的技術開発の成果によって大幅な削減を生み出すことも視野に入れること。

2、2013年以降の枠組み  
次期枠組み交渉の課題は、すべての主要排出国が参加し、温室効果ガスの大幅な削減に実効性のある枠組みを構築することにある。そのために、米国の責任ある参加を確保するとともに、OECD加盟国である韓国などの積極的な参加、その他主要排出国である途上国の前向きの貢献を引き出していくことが重要である。
具体的には、今後10年から20年の間に世界の排出量をピークアウトさせるために、先進国などは国別総量目標を掲げて率先して温室効果ガス削減に取り組むとともに、排出量が急増している中国、インドなどの途上国は排出量増大のスピードの抑制を目指すことが重要であることについて認識を共有すること。 
このような課題を果たすため、わが国は率先して排出削減に取り組むことを明確にするとともに、途上国に対する技術移転、資金協力などで貢献を行う用意があることを具体的に表明すること。また、先進国が中心となって途上国への技術移転や適応策、森林減少対策を推し進めるための仕組みを次期枠組みに盛り込むこと。
また、国別総量目標の策定に当たり、息の長い努力と連帯を維持するために、削減負担の公平さを確保する見地から基準年見直しの検討を行うこと。
そして、これら次期枠組みについては、バリ行動計画に沿って、2009年12月末までに合意することが重要であることをG8全体で確認すること。

3、中期目標
(ア)世界全体              
世界全体で次の10年から20年の間にピークアウトし、その後大幅に削減していくとの目標の共有を働きかけること。
また、IPCCの科学的知見を踏まえ、実効的な目標を設定する必要性があるとの認識で合意すること。

(イ)わが国の中期目標
先進国は2020年に1990年に比べて25〜40%削減する必要があるとのIPCCの科学的知見を念頭に、わが国の削減ポテンシャルも踏まえ、2020年に25%削減するとの中期目標を設定すること。また、わが国の中期目標の考え方については、次期枠組みづくりを進展させるために、サミットに先立って表明すること。

4、セクター別アプローチ
セクター別アプローチは、国別総量目標の設定に替わるものではなく、国別総量目標の検討に当たり、削減負担の公平さを考慮するための科学的かつ透明性の高い尺度として活用すること。
また、効率的な技術移転を通じた途上国の取り組み促進のために有効な手法として、同アプローチを活用すること。
 
5、技術協力
(ア)省エネルギー・再生可能エネルギーの促進
省エネルギーや再生可能エネルギーを中心とした技術開発・技術移転を加速することが必要であり、先進国として、そのための投資・資金の移転を大幅に拡大すること。
省エネルギーについては、世界全体での加速のための国際協力が必要であることにかんがみ、世界で中期的な省エネ目標(2020年までに30%改善)を共有するとともに、「エネルギー効率に関する協力のための国際パートナーシップ」(IPEEC)の立ち上げを目指すこと。
2030年時点のCO2排出量20%削減が可能とされるIEA省エネ25勧告の完全実施を呼びかけ、推進すること。
 
(イ)コベネフィト・アプローチ
開発と温室効果ガス削減の双方に資するコベネフィット・アプローチを、途上国の開発戦略の重要な柱に位置づけること。そのため、わが国の大気汚染、水質汚濁、廃棄物管理の分野におけるノウハウを用いた具体的なプロジェクトの優良事例を紹介するとともに、技術マップ(適用可能な技術リスト)を作成すること。特に日中環境保全協力においてコベネフィット・アプローチを強力に推進すること。

(ウ)環境ビジネス
環境を軸にアジア各国とのつながりを深める「アジア経済・環境共同体構想」を推進し、国際協力銀行による支援を行いつつ、日本企業が持つ省エネルギー技術を広め、温暖化ガスの排出量の削減につなげること。

6、グリーン・テクノロジー・イノベーション――革新的技術開発
長期目標実現に向けて、革新的技術開発のための国際協力を進めるため、技術開発の成果を共有する枠組みとして、技術開発ロードマップの共有を通じた国際協力イニシアティブの立ち上げをめざすこと。
また、総理がダボス会議で表明した革新的技術開発に対する300億ドル程度の資金投入を確実、有効に実施すること。

7、環境金融の潮流化――資金協力、資金調達
途上国、特に中国、インドなどを総量削減の方向に向かわしめるには、先進国からの経済・技術援助が必要である。その資金等はODAのような規模だけでは充分といえず、産業の参加協力が必要である。
わが国としては、総理がダボス会議で表明した100億ドル規模の新たな資金メカニズム(クールアースパートナーシップ)を推進するとともに、多国間の新たな基金(マルチ基金)の創設を実現すること。
また、わが国の1500兆円を超える個人金融資産や250兆円を超える世界一の対外純資産の環境金融的な活用が必要であり、「アジア経済・環境共同体構想」による環境ビジネスの300兆円規模(2030年)の展開に生かすこと。
今後のG8サミットの議題として、為替取引などに課税する人道・環境税や国際連帯税等の新しい資金メカニズム導入の検討を提案すること。
さらに、自然災害の被災地が早期に復旧するために、公的資金をテコにし、市場メカニズムを利用した再保険、再々保険を含めた多国間協力による農業災害保険機構の創設の検討を提案すること。

8、低炭素社会への転換
 低炭素社会に関して世界が共有すべきビジョンづくりを進めるために、国際共同研究を含む政策対話を推進することについて合意をめざし、研究拠点を日本におくことについて提案すること。

U、国内対策 
従来、国内対策の議論は、環境税、排出量取引、技術開発などの個別論議に終始し、総合政策やポリシーミックス、あるいは社会経済改革の考え方が見られなかったことが、実りの少ない議論を長びかせる原因となってきた。
今般のサミットを契機に、政府は長期的な方向性を示し、官民の協力で、あらゆる手段を動員して地球温暖化対策に当たる姿勢を示すべきであり、前述した長中期目標とともに、以下の諸点を提案する。

1、地球温暖化防止基本法(仮称)の制定
  地球温暖化防止を確実に進めていくために、わが国の温室効果ガスを2050年に80%視野、2020年に25%削減するとの中長期目標を設定し、そこに至る毎年の目標を定め、その目標達成のための政策を総合的に策定し、実施していくことを定める法律を制定すること。また、同法に地球温暖化防止対策について総理に勧告し、施策の実施状況を監視し、その結果に基づき総理に意見を述べる権限を持つ「地球温暖化防止委員会」の設置を盛り込むこと。

2、国内排出量取引制度の導入
2013年以降の大幅な排出削減のために、わが国の実情に合った国内排出量取引制度の設計を開始することにより、同制度の導入を表明すること。また、2012年以前についても、京都議定書目標達成計画上の自主行動計画と整合性のある形で、試行的に同制度を導入することも検討すること。
国内排出量取引制度の設計に当たっては、削減余力、早期対策(制度開始以前の削減努力)を考慮するとともに、国際競争力への影響や炭素リーケージについて実証分析を行い、影響の大きい部門・業種に対しては、セクター別の国際合意や国境措置など、影響緩和措置を検討すること。
排出権価格の長期高止まりや短期的な大幅急変動を引き起こす投機的取引を未然に防止したり、柔軟に対処するための「費用緩和措置」について検討すること。また、価格転嫁の国民生活への影響を考慮し、低所得者対策などを検討すること。

3、環境税
 道路特定財源の一般財源化を含む税制抜本改革に向けて、環境税について、地球温暖化対策全体の中での具体的位置づけ、国内排出量取引制度との補完性、国民経済や産業の国際競争力に与える影響などに留意し、検討を進めていくこと。

4、低炭素社会への社会経済改革と技術開発
 2050年に温室効果ガスの排出量を80%削減する低炭素社会を想定し、エネルギー消費量を大幅に削減するために、技術革新によるエネルギー効率の向上、循環型社会の形成、特に3R(リデュース、リユース、リサイクル)による物質循環システムの構築などを盛り込んだ社会経済改革に関する政府ビジョンを策定すること。
 同ビジョンにおいては、エネルギー削減ポテンシャルの大きい輸送、家庭、オフィスの省エネに道筋をつけ、特にエコ・カー(電気自動車)の開発・普及をめざすこと。
     
5、太陽水素系のエネルギー経済社会の構築
太陽エネルギーを一つの大きな柱にした太陽光社会の構築などを進め、12年後の2020年に再生可能エネルギーの構成率を現在の2・5倍(15%)を目指すこと。そのために日本版RPS法(電気・新エネ購入義務化法)の見直し、グリーン電力制度の効果的拡大、太陽光発電ビジネスやその輸出環境の整備、太陽光発電を活用するクール・スクール作戦、環境志向のエコ・アイランドづくりなどを行うこと。
また、エネルギー自給率の向上の観点からも、バイオマスや海洋資源などの非枯渇資源の利用拡大を進めることとし、バイオマス活用推進基本法の法制化などを行うこと。
食料と競合しないセルロース系バイオマスからエタノールを得る日本型技術の開発と実用化を進めること。

6、環境モデル都市
 低炭素社会の実現に向け、先導的でモデル性の高い都市・地域を選定する「環境モデル都市」の取り組みは、地球温暖化対策を地域活性化に結びつける戦略を提示するという意味からも、極めて有効な取り組みである。従来の特区の経験を生かし、規制や税制などの面で、国の総合的な支援を行うこと。

7、豊かな自然に恵まれた国土の構築
 生物多様性基本法の理念に基づき、多くの炭素を貯蔵している森林、湿原、草原などの保全、再生を図るほか、わが国の風土に根差した里地里山の保全、管理などを通して、自然共生社会の形成を図り、低炭素社会の構築に資すること。また、持続可能な森林経営をめざし、国産材を積極的に利用する仕組みを確立すること。
足元の資源、エネルギーを最大限活用し、地域の活性化につなげるため、「地産地消」を推進すること。

8、消費側での削減努力と国民の意識改革
消費側での削減のために、政府は各種基準の見直し強化、排出量の「見える化」、規制緩和や強化に総力を上げるべきこと。深夜化するライフスタイル・ビジネススタイルの見直し、サマータイムの導入について、国民的議論を積極的に進めること。
また、エコ・ライフ運動、もったいない運動などを呼びかけ、消費者としての視点を重視しながら、地球温暖化防止への意識啓発を展開すること。
省エネ・リサイクル製品の購入や公共交通機関の利用など環境にやさしい行動で商品購入ポイントなどがたまる「エコポイント」制度や、日常生活などで避けることができない温室効果ガスの排出を、その排出量に見合った削減活動に投資することなどで埋め合わせる「カーボンオフセット」の普及を促進し、国民の環境問題への意識を高めること。
国民参加型の地球温暖化対策を推進するため、全国の家庭や職場などで一斉にライトダウンを行うなど、市民が一体となって、地球環境を考え、行動する日として「クールアース・デー」を創設すること。
以上

地域安全・安心まちづくり推進法案が与党PTで合意 平成20年5月29日

 29日午後、衆議院第一議員会館で与党安全安心まちづくり推進プロジェクトチーム(PT、座長=自民党 松村龍二参院議員、副座長=田端正広)が開かれ、公明党が提案した「地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する法律案」をたたき台にして、加筆修正された案を与党PTとして合意した。 
 今後、野党とも協議を行い、成立をめざす。

〈法案の趣旨〉

 最近、児童が犠牲になる悲惨な事件や市民を巻き込んだ凶悪犯罪が多発している。
 一方、全国には防犯ボランティア団体は37,774団体(平成19年末)あり、地域防犯活動への国民的機運が高まっている。
 安全で安心して暮らせる地域社会の構築には、こうした地域住民の手による地域に根ざした「犯罪に強いまちづくり」への自発的な取り組みや、防犯意識の向上のための施策に、国及び地方公共団体が積極的に支援していくことが重要だ。
 「地域安全・安心まちづくり法案」では、基本理念や、国及び地方公共団体の責務並びに地域住民等の役割を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりを総合的かつ計画的に推進し、もって地域社会の健全な発展及び国民生活の向上を図る。

地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進
に関する法律案のポイント

第1 目的
 ○地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりを総合的に推進
 ○地域社会の健全な発展及び国民生活の向上に寄与

 ※「地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくり」とは
地域住民等による自発的な地域安全活動、地域住民相互の連帯の強化、地域住民の防犯意識の高揚等を通じて、地域住民の生活の平穏を害するような犯罪の発生しにくい地域社会を構築すること(以下「安全安心まちづくり」)

第2 基本理念
○地域の実情に応じ、地域社会を構成する多様な主体の自発的な参加と協力を促進
○地域住民相互の交流を促進し、活力ある地域社会の実現に資する
○地域における防災、教育、福祉、環境等の分野における取組との連携

第3 国及び地方公共団体の責務等
 ○国及び地方公共団体の責務
 ○地域住民等の役割
 ○地域住民等の意思の尊重
○国、地方公共団体及び地域住民等の連携協力
○安全・安心なまちづくりの日(10月11日)の制定
  ・国民の間に広く安全安心まちづくりについての理解と関心を深める
  ・安全・安心なまちづくりの日の趣旨にふさわしい事業の実施
○法制上の措置等

第4 安全安心まちづくりの推進に関する施策
○民間の団体による活動に対する支援
 ・民間団体との連携協力体制及び活動拠点施設の整備、情報の提供等
○児童の安全の確保
  ・教職員、児童の保護者及び地域住民等との連携協力体制の整備、スクールガードリーダーの配置その他の体制の整備、児童の保護者に対する情報の提供等
○地域生活関連施設における犯罪の防止
  ・国及び地方公共団体の管理施設における防犯訓練の実施、防犯機器の設置等
  ・民間事業者等の管理する施設における必要な措置及び当該措置に対する支援
○犯罪の防止に資する商品等に関する情報の提供等
  ・防犯に資する商品、役務等に関する情報提供、防犯相談・助言等
○人材の確保等
  ・安全安心まちづくりに資する活動に関する専門的知識を有する人材の確保、養成及び資質の向上
○国民の理解及び関心の増進
○調査研究の推進及び情報の収集等

第5 基本方針並びに都道府県計画及び市町村計画
○政府の基本方針
 ・安全安心まちづくりの推進に関する基本的かつ総合的な施策の大綱、その他必要な事項を定める
 ・内閣総理大臣が、あらかじめ、関係行政機関の長と協議して基本方針の案を作成し、閣議決定を求める
○都道府県計画
・基本方針に即し、当該都道府県における安全安心まちづくりの推進に関する施策についての基本的な計画を作成するよう努める
・防災、教育、福祉、環境等の分野における施策との連携、住民の意見を反映させるために必要な措置
○市町村計画
  ・基本方針に即し、かつ、都道府県計画を勘案し、当該市町村における安全安心まちづくりの推進に関する施策についての基本的な計画を作成するよう努める
・防災、教育、福祉、環境等の分野における施策との連携、住民の意見を反映させるために必要な措置

第6 安全安心まちづくり推進協議会
  ・市町村及び関係行政機関並びに地域住民等が組織(任意)
  ・安全安心まちづくりの推進に関し必要な事項について協議
  ・小学校区など地域住民の生活に密接に関連する区域を単位とする

地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進
に関する法律案要綱

第一 総則
 一 目的
   この法律は、地域住民等の自発的な取組により安全で安心して暮らせる地域社会を構築することが極めて重要であることにかんがみ、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務並びに地域住民等の役割を明らかにするとともに、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する施策の基本となる事項を定めること等により、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりを総合的に推進し、もって地域社会の健全な発展及び国民生活の向上に寄与することを目的とすること。
 二 定義
  1 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくり
    この法律において「地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくり」とは、地域住民等による自発的な地域安全活動、地域住民相互の連帯の強化、地域住民の防犯意識の高揚等を通じて、地域住民の生活の平穏を害するような犯罪の発生しにくい地域社会を構築することをいうこと。
  2 地域住民等
    この法律において「地域住民等」とは、地域住民、地縁による団体、特定非営利活動法人、ボランティア活動を行う団体その他の民間の団体及び事業者をいうこと。
 三 基本理念
1 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりは、地域の実情に応じ、地域住民をはじめとする地域社会を構成する多様な主体の自発的な参加と協力を促進するよう、推進されなければならないこと。
2 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりは、地域住民相互の交流を促進し、活力ある地域社会の実現に資するよう、推進されなければならないこと。
3 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりは、地域における防災、教育、福祉、環境その他の分野における取組との連携を図りつつ、推進されなければならないこと。
 四 国及び地方公共団体の責務等
  1 国の責務
    国は、基本理念にのっとり、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有すること。
  2 地方公共団体の責務
  (一)都道府県は、基本理念にのっとり、当該都道府県における地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有すること。
(二)市町村は、基本理念にのっとり、当該市町村における地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関し、当該市町村の区域の実情に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有すること。
  3 地域住民等の役割
    地域住民等は、地域において安全で安心して暮らせることの重要性についての認識を深め、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりに積極的な役割を果たすよう努めるものとすること。
  4 地域住民等の意思の尊重
地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する施策は、地域住民等の意思ができる限り尊重されるよう、策定され、及び実施されなければならないこと。
 五 国、地方公共団体及び地域住民等の連携協力
   国、地方公共団体及び地域住民等は、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する施策が円滑に実施されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならないこと。
 六 安全・安心なまちづくりの日
1 国民の間に広く地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりについての理解と関心を深めるため、安全・安心なまちづくりの日を設けること。
2 安全・安心なまちづくりの日は、十月十一日とすること。
3 国及び地方公共団体は、安全・安心なまちづくりの日の趣旨にふさわしい事業を実施するように努めなければならないこと。
七 法制上の措置等
   政府は、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならないこと。

第二 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する施策
 一 民間の団体による活動に対する支援
   国及び地方公共団体は、地縁による団体、特定非営利活動法人、ボランティア活動を行う団体その他の民間の団体による自発的な地域安全活動その他の地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりに資する活動の促進を図るため、当該活動を行う民間の団体との連携協力体制及び当該活動の拠点となる施設の整備、情報の提供等必要な施策を講ずるものとすること。
 二 児童の安全の確保
   国及び地方公共団体は、学校、保育所、通学路等における児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)に係る犯罪による被害の発生及び拡大を防止し、その安全の確保を図るため、教職員、児童の保護者及び地域住民等との連携協力体制の整備、学校等における児童の安全の確保に関する助言、指導等を行う人員の配置その他の体制の整備、児童の保護者に対する情報の提供等必要な施策を講ずるものとすること。
 三 地域生活関連施設における犯罪の防止
  1 国及び地方公共団体は、多数の地域住民が地域生活において利用する施設(以下「地域生活関連施設」という。)における犯罪の防止を図るため、その管理する地域生活関連施設について、防犯訓練の実施、防犯機器の設置等必要な施策を講ずるものとすること。
  2 地域生活関連施設を管理する者(国及び地方公共団体を除く。)は、その管理する地域生活関連施設における犯罪の防止を図るため、必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
  3 国及び地方公共団体は、2の地域生活関連施設を管理する者が講ずる2の措置に対する支援等必要な施策を講ずるものとすること。
 四 犯罪の防止に資する商品等に関する情報の提供等
  1 地方公共団体は、地域住民に対し、地域における犯罪の防止に資する商品、役務等に関する情報の提供、地域における犯罪の防止に係る相談に応じ必要な助言を行うことその他地域における犯罪の防止のための地域住民による自主的な取組を促進するために必要な施策を講ずるものとすること。
  2 事業者は、その供給する商品又は役務に関し、地域における犯罪の防止に資するものとなるよう努めるものとすること。
 五 人材の確保等
国及び地方公共団体は、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりに資する活動の促進を図るため、当該活動に関する専門的知識を有する人材の確保、養成及び資質の向上のために必要な施策を講ずるものとすること。
 六 国民の理解及び関心の増進
   国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動等を通じて、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの重要性について国民の理解と関心を深めるよう必要な施策を講ずるものとすること。
 七 調査研究の推進及び情報の収集等
   国及び地方公共団体は、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりに関し、調査研究を推進し、並びに情報の収集、整理及び活用を行うものとすること。

第三 基本方針並びに都道府県計画及び市町村計画
 一 基本方針
  1 政府は、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を作成しなければならないこと。
  2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとすること。
   (一) 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する基本的方向
   (二) 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進のための施策に関する基本的事項
(三) 二の都道府県計画及び三の市町村計画の作成に関する基本的事項
(四) (一)から(三)までに掲げるもののほか、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する重要事項
3 内閣総理大臣は、あらかじめ、関係行政機関の長と協議して基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないこと。
二 都道府県計画
  1 都道府県は、基本方針に即し、当該都道府県における地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する施策についての基本的な計画(以下「都道府県計画」という。)を作成するよう努めなければならないこと。
  2 都道府県計画は、次に掲げる事項について定めるものとすること。
  (一)都道府県の区域における地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する総合的な施策の大綱
  (二)(一)に掲げるもののほか、都道府県の区域における地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりを計画的に推進するために必要な事項
  3 都道府県は、都道府県計画を作成するに当たっては、防災、教育、福祉、環境その他の分野における施策との連携を図るよう努めなければならないこと。
4 都道府県計画の作成について、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとすること。
 三 市町村計画
  1 市町村は、基本方針に即し、かつ、都道府県計画を勘案して、当該市町村における地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する施策についての基本的な計画(以下「市町村計画」という。)を作成するよう努めなければならないこと。
  2 市町村計画は、次に掲げる事項について定めるものとすること。
  (一)市町村の区域における地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する総合的な施策の大綱
  (二)地域住民の生活に密接に関連する区域であって地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する施策の地域的な単位となるもの及び当該区域ごとに講ずべき措置に関する事項
  (三)(一)及び(二)に掲げるもののほか、市町村の区域における地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりを計画的に推進するために必要な事項
  3 市町村は、市町村計画を作成するに当たっては、防災、教育、福祉、環境その他の分野における施策との連携を図るよう努めなければならないこと。
4 市町村計画の作成について、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとすること。

第四 安全安心まちづくり推進協議会
 一 安全安心まちづくり推進協議会
   市町村及び関係行政機関並びに地域住民等は、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関し必要な事項について協議するため、第三の三の2(二)の区域を単位として、安全安心まちづくり推進協議会(以下「協議会」という。)を組織することができること。
 二 協議会の組織及び運営
  1 協議会の組織及び運営については、地域住民等の意見が十分に反映されるよう配慮されなければならないこと。
  2 一及び1に掲げるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定めること。

第五 その他
 一 施行期日
   この法律は、公布の日から施行すること。
 二 内閣府設置法の一部改正
   内閣府の所掌事務に、次に掲げる事項を加えること。
  1 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関し行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関すること。
  2 基本方針の作成及び推進に関すること。


対談 釧路湿原から環境問題を診る

田端正広 (衆院議員・公明党エコ・ジャパン会議議長)
辻井達一 (北海道環境財団理事長・北海道大学名誉教授)


 環境保護は経済活動と両立する。自然の保全によって経済的価値が生まれるような方向性を考えるべき。

◎湿原とは何か

 田端 世界に誇る釧路湿原に圧倒されました。本当に貴重な人類の資産だと思います。
 辻井 ラムサール条約では湿原は淡水による湿地という定義になっています。大小にかかわらず、ほとんどの沼や池が湿原内にあると言えます。釧路湿原では、東側の方に塘路湖や達古武湖などいくつもの湖があります。ちょうど真ん中には赤沼という沼があったりもします。ただ、ラムサール条約でいうとこの湿原は、沼や池とか湖とかは別の湿地であると位置付けられてます。逆に池や沼でのその周りにはたいてい湿地があります。そういう時には沼や池が主体で周りに湿地があるということになります。
 田端 希少な動植物が多いとも言われていますが。
 辻井 数はそれほど多いという訳ではありませんが、釧路湿原だけにしかいない固有種は昆虫で言えば、カオジロトンボがいます。動物だとキタサンショウウオです。

◎自然環境は貴重な資産

 田端 2000年の通常国会では、循環型社会推進基本法という法律を私が原案を書いて成立させました。これは資源が少ない日本で、貴重な資源の3R(リデュース・リユース・リサイクル)を進めつつも、経済発展と今ある自然環境を守るということを目的としました。この基本法は1997年に合意された京都議定書を受け、それを達成するために作った法律です。この法律をきっかけにして、さらに自然との共生・協調のあるべき姿を考えなければだめだということで、自然再生推進法を超党派で成立させることができました。
自然再生推進法(2003年1月1日施行)は、日本がこれまで経済成長に偏り過ぎたことで、損なってしまった自然を再生することが大きな目的です。
国は自然再生推進法に基づいて、経済開発などで損なわれた生態系や自然環境を取り戻すための公共事業を実施しています。この法律の特徴は地域からプランを出してもらい、行政と一体になって自然再生事業を行う点です。自然再生事業を地域で盛り上げてもらって、行政もバックアップする。現在も三重県の伊勢志摩国立公園内にある英虞湾で再生のための協議会立ち上げの準備が進んでいます。5年が経過しましたが、思っていた以上に全国で実施計画がされ、良い流れができてきたと考えています。
辻井 確かに「自然環境は日本の貴重な資産」です。自然という「資産」は取り潰してしまえば終わりですから、どのように活かして「利息」を生むかを考えるべきでしょう。湿原でいえば湿原が発達していくというのも一つの利息ですが、それを観光に使って多くの人がその土地にお金を落とすということも一つの利息を生むことになります。ヨーロッパでは国立公園の中にしばしば個人の農地が含まれています。農地ですが国立公園でもあるので、農作物の生産には化学肥料使用を禁止するといった規制があります。これは農家にとって手間がかかるものですが、国立公園の中で生産されたということで、イタリアやフランスでは20%ぐらい高く売れるのです。以前は国立公園化は賛成だが、自分の農地は含めないでもちたい、という声が多かったのですが、EUになってからは変りました。基準は厳しいが、国立公園の中に自分の土地が含まれると農作物にブランドが付き、価値が高くなる。まさに資産の上手い運用です。環境保全は利潤を生むための経済活動と逆ではなく、むしろ一体化しているわけです。自然再生はそういう方向に向くべきではないかと考えています。
 田端 当初この自然再生推進法を言い出したときは、体の良い公共事業の拡大ではないかという声がありました。その影響もあり法律の成立が遅れたりもしましたが、その目的は皆の知恵でその地域を守り、引いては地域の活性化にもつなげるものです。釧路湿原自然再生協議会でも多くの関係者が1年半かかって釧路湿原の再生全体構想について議論し、2年の歳月をかけて全体構想ができあがりました。現在8つの事業が実施されており、例えば、直線の河川を元の蛇行した河川に戻して、自然環境をより豊かにすることをめざしているようですね。
地域住民などの関係者が総意として結論を出している。これまでの公共事業と大きな違いです。このような仕組みができあがったことは、非常に意味があると思います。

◎求められる環境教育

田端 現在、いじめ問題など子どもに関するさまざまな事件が多発しています。私は自然と接する機会が昔に比べて減っていることも一つの原因ではないかと思っています。自然に生きる動植物の生き方を見て、命の尊さを学ぶことができれば、人間はどのように生きるのが正しいのかを子どもたちも考えるのではないでしょうか。それは人格の形成にもつながるのではないでしょうか。
 辻井 環境教育に周辺に存在する自然、釧路の場合には釧路湿原を使うというのは非常に良いでしょう。
この辺りの地域で長く暮らしてきた住民は、釧路湿原を「野地」と呼ばれ何の役にも立たないと考えていました。それを「大切な自然環境だから守らなければならない」と突然言われても、なかなか上手く理解されない場合もあるのです。子どもの頃からもう少し、湿原を理解してくれているともう少しすんなり入るのではないでしょうか。自然再生事業において環境省は、環境教育を非常に重視しています。そして、その場として釧路湿原を使うという試みを始めています。
 湿原というと、そこにどのような珍しいものがあるかと聞かれます。しかし、珍しいものがあるから大事だということでないのです。「なぜ湿原でしか生きられない特別な動植物が存在するのか」といった一歩進んだ考えを持って、「だから湿原は重要なのだ」というふうにしなければいけないのではないでしょうか。
 田端 湿原に対する地球温暖化の影響をどのようにお考えですか。
 辻井 地球温暖化の問題は、湿原にとっても重要な問題です。
湿原は生物学的な視点で捉えられがちです。特別な動物がいるから重要だといった視点です。景色も生物学的な意味での捉えられ方だった。物理的な意味は二番手に置かれてきました。釧路湿原は寒いので、植物の倒れたものが泥炭化します。泥炭化するためには酸素供給が遮断され、水が十分ないといけないのです。ところが水位が下がると泥炭が露出して、分解が始まってしまいます。分解が始まるということは、メタンなどが発生して、大気中のCOヘが増えます。温暖化が進むと、そういう事態になるというのがあまり知られていません。森林はCOヘの吸収量が計算しやすいですが、泥炭がCOヘを蓄えている量は過小評価されています。
 田端 大阪の交野市には交野山という山がありますが、そこからは大阪府内が一望できます。遠足コースとしても市民の憩いの場にもなっています。たくさんの子どもたちが自然に接して、自然の重要性などを知らず知らずに学んでいます。自然再生を各地で進めていくことで、地域のことから地球規模の問題まで考えていくことができるようになります。
地球温暖化は皆が何とかしなければ、と感じているが、どうしたらいいか分からないというのが現状ではないでしょうか。辻井先生の言われたような問題提起から環境問題に携わっていくことは大切だと思います。

◎環境先進国としての日本の役割
 
田端 京都議定書の期限が切れる2013年以降の温室効果ガス排出削減に関する枠組みを規定した「バリ・ロードマップ」が合意しました。さまざまな議論がありましたが、とにかく地球が大変だから京都議定書の後を考えようとなったのは良かった。今回はアメリカも枠組みづくりに加わりました。また、現在の世界で一番のCOヘ排出国である中国も入ることになりました。
その次の方向を考えるのが洞爺湖サミットです。これは非常に大きな意味があると思います。洞爺湖サミットでは日本が議長を務めます。日本の責任は大きく、京都議定書以降の枠組に日本がどう導いていくかが問われています。
 辻井 私も本当にそう思います。せっかく自然再生推進法ができて、ここまで自然再生に対する意識が国内で高まった。北海道では、サロベツでも自然再生をやっています。それをサミットの時に、こういうことを日本でやっていると大いにアピールするべきではないでしょうか。日本はそういう宣伝が下手だと感じることがあります。
湿原には地球温暖化の影響はまだ出ていませんが、北海道を取り巻く北の海では明らかに海水温度が上がっているというデータがあります。最近の釧路では南の魚であるブリが取れたりします。また、流氷が減ってきています。昔は釧路の沖まで根室水道を使って流氷が来ていましたが、最近は釧路沖に流氷がくることはなくなりました。
北極に近い地域は温暖化の影響はより鮮明に出てきています。そこで、何らかの国際的な地球温暖化観測システムを構築する必要があると思います。北海道を中心にして、グリーンランドなど北欧諸国にもそのような体制整備を行おうと日本が働きかける必要があると思います。
 田端 環境先進国として日本の役割は重要です。環境を汚染する廃棄物の処理に必要な技術の供与や汚染された水処理技術の提供を進めるべきです。
日本は高度経済成長の時代に水俣病やイタイイタイ病など数多くの公害を経験し、そして多くの教訓を学びました。また、その経験から多くの環境技術も開発されました。経済成長が著しい中国やインドでもそういう問題が起きていると思います。それらの国々を支援して、かつての日本の二の舞にならないように支援していく必要があると思います。
そこで一つの例として、公明党は日中環境基金の創設を提唱しています。中国という大きな国は公害問題を抱えています。しかし、日本はそれを克服してきた経験があります。それをお手伝いしてこれからの中国の方向性を見いだしてもらうということが必要です。サミットではぜひこれを推進してもらいたい。
 辻井 それは大変に大事なことだと思います。日本の中国への環境分野での技術供与は、中国経済のレベルアップにつながるだけではありません。中国の大気汚染は日本にも影響があります。その悪影響を食い止めるためにも、環境面での対中支援は日本にとっても利益になります。
 田端 これは民間企業が中心ですが、政治決断であると思います。日本が蓄積してきた環境政策で世界に貢献するというのが大事だと思います。日中環境教育という枠組みを作っていくことも重要です。これには将来的に、アメリカやインドも加わってくると思います。
 
◎環境と経済は両立する

 田端 環境保護と経済活動は相反するとの見方は根強いようですが、どう考えますか。
 辻井 私は環境保護と経済活動は両立すると考えています。
環境保護は景気が良くないと取り組めない。経済活動が制限されては困る、と考えるべきではありません。そういう時代ではなくて、自然の保全もするがそれによって経済的価値を生むような方向を考える段階ではないでしょうか。
大事にし過ぎて自然に一歩もいれないということでは意味がないように思います。非常に貴重な高山植物があるようなところに自由に入りなさいということになると問題もあると思いますが、例えば、そういう場所では入る人数を制限するとか入る期間を制限するとか、入るのだったらこれだけのお金を払いなさいという手法をもっと活用すればよいでしょう。
また、入れないけども観察は自由にできるような環境も確立すれば良いと思います。これらは見るほうです。
また、特定の植物が生えていたとして、それが自然保護上において何も影響が無く、しかも食材として適しているなどの場合は食用にしたりしてもよいのではないでしょうか。また、栽培してそれを活用することも考えても良いのではないでしょうか。
このように自然の恵みを見直すことで、新しい経済的価値を生み出すことは可能になるはずです。
 イタリアではさらに一歩進めて、湿地で毒性の非常に弱い大麻の一種を栽培して、服地を作っています。それを有名なデザイナーに作らせて、高付加価値を付けて売るわけです。これなどは明らかに経済的価値を生み出しています。
 私は、20年前にある雑誌でこれからの時代には森林再生や河川の蛇行の復元などが必要になってくると書いたことがあります。そのときに「こうした問題になると、環境庁だけではどうにもなるまい。関連する地域と問題について関与する官庁や自治体との間に緊密な連携が必要だ」と書きました。まさに、これは今やっていることです。自然再生協議会をつくって一番良かったのは、若い人たちがお互いに連携、協力できるようになったことだと思います。これをもっと広げたいと考えています。



(プロフィール)

たばた・まさひろ
1940年和歌山市生まれ。同志社大学経済学部卒。ジャーナリストとして活躍の後1993年衆院選初当選。大阪3区、5期。総務副大臣、衆議院科学技術委員長など歴任。著書に『循環型社会』『自然再生推進法と自然再生事業』

つじい・たついち
1931年東京都生まれ。北海道大学農学部農業生物学科卒。同大学大学院農学研究科農業生物学専攻博士課程修了。北海道大学教授、北星学園大学社会福祉学部教授、環境省中央環境審議会自然環境部会長など歴任。国際湿地保全連合日本代表。著書に『北海道の湿原』『続・日本の樹木』『北海道の湿原と植物』



2008ホット対談/自然を再生し心豊かに/環境と結び付く人間の「生きざま」/
パーソナリティー 浜村淳/衆院議員、元総務副大臣 田端正広


【写真】環境保護と人間のいきざまなどをめぐり、熱く語り合った浜村氏と田端 
『浜村/庶民は本物の政治家を見極める』
 『田端/“粘り腰の政治”が時代を動かす』

 環境問題のスペシャリストとして縦横無尽に活躍する田端正広衆院議員。かたや、著名な映画評論家でパーソナリティーの浜村淳氏。二人が環境保護と人間の生きざまなどをめぐって熱く語り合いました。
 田端正広 浜村さんのご活躍は、本当に素晴らしい。特に毎日放送ラジオの「ありがとう浜村淳です」は、35年も続く長寿番組ですね。気力、体力とも負担は大きいでしょう。パーソナリティーとしての心構えがしっかりしていないと、これほど長く番組は続かないのではないでしょうか。
 浜村淳 そうですね。私は日本人ですから、この国が果たしてどうなるのかという心配が一番、根底にあります。毎日の放送で、いろんな出来事を紹介しながら、「皆さん、よく考えましょう」「この国を良くしていきましょう」と言い続けるだけで、話題は尽きません。そうすると「浜村の言う通りや」「いやいや、そうじゃない」と議論が沸騰しますね。これで35年間、もっているわけです。
 『実を結んだ女子中学生の声』
 田端 長年、ラジオ番組をされていて、印象に残っていることはありますか。
 浜村 ラジオ大阪で「バチョン」という番組をやっていた時に、女子中学生が投書をくれました。淀川のほとりに「ワンド」と呼ばれる水たまりが数十カ所もあって、天然記念物のイタセンパラなど、珍しい魚などがいる。ところが、いろんなごみが放り込まれて、貴重な動植物の環境が危機的だと言うんです。そこで、番組で呼び掛けて、年に1、2回、リスナーと一緒に清掃活動を行いました。
 田端 リスナーの声が実を結んだのですね。清掃は今も続いているんですか。
 浜村 番組自体が終わりましたので、私自身は参加していませんが、ラジオ大阪がずっと続けているそうです。でも、人の心って難しいと思ったのは、「みんなが捨てているから、われわれもええやないか」という人がいたり、私たちが掃除すると、「どうせ掃除してくれるから、捨てても大丈夫や」となって、やっぱりごみがなくならないんです。
 田端 私が今、一貫して取り組んでいる自然再生事業も、地元を流れる大和川が日本一汚い川なので、何とかしようという思いから出てきたんです。最近は清掃運動などが功を奏して、鮎の産卵が確認されるまでに水質も改善しましたが、いまだに全国ランキングでは最下位を争っているようです。より一層、自然再生の必要性を感じています。
 浜村 なるほど。田端さんは、北海道の釧路湿原の再生にも大変な尽力をされましたね。
 『“抵抗派”を説得し循環型社会へ』
 田端 人間の行為で破壊されたものを、もう一回復活させたらどうかということで、自然再生推進法という法律を作りました。大阪では岸和田市の神於山の里山再生事業も、この法律に基づいて、国・自治体に、住民団体や企業も積極的に加わって、ユニークな再生事業を進めています。
 浜村 自然を守るということは、人の心が潤うことにつながります。反対に自然が荒れますと、人の心がすさんでいきます。最近、肉親同士の殺人など、残酷な事件が起きていますが、そこまで人の心が荒れてきたのも、一つは、人間が自然を破壊してきたことが、原因の一つにあるんじゃないかと思います。
 田端 私が環境教育推進法の成立に全力で取り組んだのも、まさに同じ思いからです。2000年には、大量消費型の社会をリサイクル型の社会に転換しなければならないと考え、循環型社会形成推進基本法という法律を私が“たたき台”を提案し、実現しました。
 私案を出した当初は、机をたたいて反対する議員や難癖をつける官僚など、さまざまな反発がありましたが、意を尽くし誠心誠意、真っ正直に自分の思いを訴え続けた結果、新たな修正や意見を加えた政府案としてまとまり、自公連立政権下で第1号の基本法として日の目を見たわけです。私流の言葉ですが、“粘り腰の政治”が時代を動かすと、心底、実感した瞬間でした。
 浜村 土台となった案を提唱した時に、ひどい反対があったわけですね。何事も、諦めないでやり続ける人が必要ですね。
 黒澤明監督の映画に「生きる」という名作があります。これは、小さな町の余命幾ばくもない市民課長が主人公です。ある時、たらい回しにされた下町のお母さんたちの陳情を聞いた市民課長は、「おれはもう命が短い。命をかけて下水道を直し、児童公園をつくる」と腹を据え、猛反対の中を歯を食いしばって頑張り、事業を成し遂げるわけです。名匠・黒澤監督がおもしろおかしく撮りながら、人間の生きざまの教科書のような感動を与える作品です。田端さんのお話を伺っていて、今もこの映画の世界が生きていると実感します。
 田端 ありがとうございます。今後も、子どもたちを犯罪から守るための法整備や日中環境基金の創設などにも全力を挙げます。口先だけのパフォーマンスではなく、誠実に心の通う政治を貫いていきます。
 浜村 庶民は本物の政治家を見極めます。どうか、これからも大阪、日本のために頑張ってください。
 はまむら・じゅん パーソナリティー、タレント、映画評論家。毎日放送ラジオの「ありがとう浜村淳です」はギネス級の長寿番組。同志社大学文学部卒。京都市出身。
 たばた・まさひろ 党衆院議員団会長、同関西副議長。衆院内閣委員会理事。大阪3区選出。衆院当選5回。元総務副大臣。同志社大学経済学部卒。和歌山市出身。68歳。




2000の地域安全安心ステーション整備など「地域安全安心まちづくり推進法案」を発表 平成19年7月5日

【写真】公明党の地域安全安心まちづくり推進法案を発表する斉藤(右)、田端の両氏=5日 衆院第1議員会館
 公明党の斉藤鉄夫政務調査会長と内閣部会長で治安・学校の安全PT座長の田端正広は5日、衆院第1議員会館で地域住民の防犯ボランティア活動を支援する「地域安全安心まちづくり推進法案」(田端作成)を発表した。与党間の調整を経て、今秋の臨時国会での国会提出、法案成立をめざす。
 ここ数年、子どもをはじめ、地域住民を巻き込んだ凶悪事件が頻発化していることを背景に、地域住民による防犯ボランティア活動が活発化。昨年末段階で、こうした団体は全国で3万1931を数え、防犯に対する国民の関心は高まりをみせている。
 安全安心の地域社会を築くには、警察の力に加えて住民自らの防犯活動が欠かせない。「推進法案」は、住民運動が盛り上がりを見せる中、法整備を通して防犯ボランティア団体の活動を多角的にサポートするのが狙い。
 具体的には、(1)防犯ボランティアが「民間交番」をつくる際、公有地や建物の貸し出し、賃貸料補助などを行うことで2000カ所の防犯拠点を整備(2)子どもの安全確保へ、スクールガードリーダーの配置を進め、公園、駅など多くの地域住民が利用する場所に子ども用の緊急通報装置を設置(3)自治体に防犯担当窓口の設置を促進――などが骨子となっている。
 記者会見で、斉藤政調会長は「公明党は参院選の重点政策として『命のマニフェスト』を掲げているが、この法案もその流れの中のものだ。野党の賛同も得て、ぜひ実現に向けて頑張っていきたい」と述べた。


地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する法律案のポイント
 
地域社会の防犯に有効なのは、警察の力はもちろんですが、地域住民による防犯ボランティア活動が重要です。全国には防犯ボランティア団体が31,931団体(平成18年末)あり、防犯に対する国民の関心も非常に高いのが現状です。この度「地域安全安心まちづくり推進法(案)」を制定することによって、防犯ボランティア団体への支援を行うために次のような施策が可能となります。

1.「地域安全安心ステーション」を2000ヵ所まで拡充
この法律により、防犯ボランティアが青色防犯パトロールカーを活用したパトロール等地域住民による活動の拠点確保のため、国や自治体から土地や施設の提供や、賃貸料に対する補助等を受けられるようにし、全国に431ヵ所ある「地域安全安心ステーション」をさらに設置しやすい環境整備を進めます(10条)。

2.子どもの安全の確保
 子どもの安全を守るために、スクールガードリーダーの配置を進めるとともに、公園、道路、駐車場、駅等多数の地域住民が利用する場所における子供用の緊急通報装置や、街路灯、防犯カメラ等の防犯機器の設置を推進します(12条)。

3.自治体に防犯担当窓口を設置
防犯活動に関する自治体の責務を明確化することにより、自治体に防犯担当の窓口をつくるなど地域住民と自治体が地域の安全のために協力しやすい環境整備を図ります(5条)。


地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する法律案の概要

最近、児童が犠牲になる悲惨な事件や市民を巻き込んだ凶悪犯罪が多発しています。
一方、全国には防犯ボランティア団体は31,931団体(平成18年末)あり、地域防犯活動への国民的機運が高まっています。
安全で安心して暮らせる地域社会の構築には、こうした地域住民の手による地域に根ざした「犯罪に強いまちづくり」への自発的な取り組みや、防犯意識の向上のための施策に、国及び地方公共団体が積極的に支援していくことが重要です。
「地域安全・安心まちづくり法案」では、基本理念や、国及び地方公共団体の責務並びに地域住民等の役割を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりを総合的かつ計画的に推進し、もって地域社会の健全な発展及び国民生活の向上を図ります。

○基本となる施策

★民間の団体による活動に対する支援
 民間団体との連携協力体制整備、活動拠点施設の整備、情報の提供等
★児童の安全の確保
教職員及び保護者との連携協力体制整備、スクールガードリーダーの配置その他の体制の整備、保護者に対する情報の提供等
★地域生活関連施設における犯罪の防止
 ・国及び地方公共団体の管理する施設における防犯訓練の実施、防犯機器の設置等
 ・民間事業者等の管理する施設における必要な措置及び当該措置に対する支援
★地域住民による自主的な取組の促進等
 ・防犯に資する商品、役務等に関する情報提供、防犯相談・助言等
 ・防犯に資する商品、役務等を供給する事業者の努力義務
★人材の確保等
★国民の理解及び関心の増進
★調査研究の推進及び情報の収集等

○安全・安心なまちづくりの日(10月11日)の制定
毎年「全国地域安全運動」が実施される10月11日を「安全・安心まちづくりの日」とし、国民の防犯意識の向上・啓発を図る。
○政府の基本計画、都道府県計画、市町村計画の策定
  内閣総理大臣はあらかじめ、関係大臣と協議して基本計画案を作成し、閣議の決定を求める。また、都道府県計画、市町村計画の作成にあたっては、防災、教育、福祉、環境その他の関連施策との連携を図る。
○安全安心まちづくり推進協議会の設置
 市町村及び関係行政機関並びに地域住民等は、安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関し必要な事項について協議するため、小学校区など地域住民の生活に密接に関係する区域に、安全安心まちづくり推進協議会を組織することができることとする。


地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する法律案(要綱骨子)

第一 総則
 一 目的
   安全で安心して暮らせる地域社会を構築する上で地域住民等の自主的かつ主体的な取組が果たす役割の重要性にかんがみ、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務並びに地域住民等の役割を明らかにするとともに、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する施策の基本となる事項を定めること等により、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりを総合的かつ計画的に推進し、もって地域社会の健全な発展及び国民生活の向上に寄与すること。
 二 定義
  1 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくり
地域住民等による自発的な地域安全活動その他の活動、地域住民相互の連帯の強化、地域住民の防犯意識の高揚等を通じて、地域住民の生活の平穏を害するような犯罪の発生しにくい地域社会を構築することをいうこと。
  2 地域住民等
    地域住民、地縁による団体、特定非営利活動法人、ボランティア活動を行う団体その他の民間の団体及び事業者をいうこと。
三 基本理念
1 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりは、地域の実情に応じ、地域住民をはじめとする地域社会を構成する多様な主体の自発的な参加と協力を促進するよう推進されなければならないこと。
2 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりは、地域住民相互の交流を促進し、活力ある地域社会の実現に資するよう推進されなければならないこと。
3 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりは、地域における防災、教育、福祉、環境その他の分野における取組との連携を図りつつ推進されなければならないこと。
 四 国及び地方公共団体の責務並びに地域住民等の役割
 五 国、地方公共団体及び地域住民等の連携協力
 六 安全・安心なまちづくりの日(10月11日)
 七 法制上、財政上又は税制上の措置等

第二 地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりを推進するための施策
 一 民間の団体による活動に対する支援
   民間団体との連携協力体制整備、活動拠点施設の整備、情報の提供等
 二 児童の安全の確保
 教職員及び保護者との連携協力体制整備、スクールガードリーダーの配置その他の体制の整備、保護者に対する情報の提供等
 三 地域生活関連施設における犯罪の防止
  1 国及び地方公共団体の管理する施設における防犯訓練の実施、防犯機器の設置等
  2 民間事業者等の管理する施設における必要な措置及び当該措置に対する支援
 四 地域住民による自主的な取組の促進等
  1 防犯に資する商品、役務等に関する情報提供、防犯相談・助言等
  2 防犯に資する商品、役務等を供給する事業者の努力義務
 五 人材の確保等
六 国民の理解及び関心の増進
 七 調査研究の推進及び情報の収集等

第三 基本計画、都道府県計画及び市町村計画
 一 基本計画
  1 政府は、安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する基本計画を作成しなければならないこと。
  2 内閣総理大臣は、あらかじめ、関係行政機関の長と協議して基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないこと。
 二 都道府県計画
  1 都道府県は、基本計画に基づき、都道府県計画を作成しなければならないこと。
  2 都道府県は、都道府県計画を作成するに当たっては、防災、教育、福祉、環境その他関連施策との連携を図るよう努めなければならないこと。
 三 市町村計画
  1 市町村は、基本計画及び都道府県計画に基づき、市町村計画を作成しなければならないこと。
  2 市町村計画は、地域住民の生活に密接に関連する区域で施策の地域的な単位となるもの及び当該区域ごとに講ずべき措置に関する事項等について定めること。
  3 市町村は、市町村計画を作成するに当たっては、防災、教育、福祉、環境その他関連施策との連携を図るよう努めなければならないこと。

第四 安全安心まちづくり推進協議会
 市町村及び関係行政機関並びに地域住民等は、安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関し必要な事項について協議するため、第三の三の2の区域を単位として、安全安心まちづくり推進協議会を組織することができること。

第五 施行期日等




公明党実績物語〈公明新聞2007.1.26付〉

循環型社会基本法「この機を逃さず法制化を」
「ごみ・ゼロ」社会めざし奔走


 「廃棄物は、ごみとして処理すればいいんだ」「排出者責任なんでものを導入したら、企業は大変だ」「こんな議論やってられるか!」――。
 ごみを増大させる大量生産・大量廃棄社会を転換し、ごみ・ゼロをめざす「循環型社会形成推進基本法」。その法制化をめぐる連立与党プロジェクトチーム(PT)の協議は1999年11月から始まったものの難航。回を重ねるごとに、机をたたいて席を蹴る自民党議員が出るほど荒れていった。
 同年10月に発足した連立政権の政策合意には公明党の主張で「2000年を循環型社会元年と位置づけ、基本的枠組みとしての法制化を図る」と記され、与党PTが結成された。しかし、公明党環境委員長の衆院議員・田端正広が、循環型社会形成の考え方などをまとめた私案を与党PTに提出した途端、自民党から反論が噴出。「実効性がなければ法律をつくる意味がない」と主張する田端に、自民党の委員は「(企業の廃棄物処理負担がない)抽象的な理念法で済ませられないか」と本音を漏らした。
 当時、ごみ処理を担当するのは厚生省、リサイクル担当は通産省とバラバラ。それらを束ねる法律などなかった。自らが所管する個別法への介入を警戒する関係省庁、負担増を嫌う経済界も自民を後押しするように一斉に反発した。
 事態打開へ、公明党は一石を投じた。同年12月10日、党独自の循環型社会形成推進基本法案の発表に踏み切ったのだ。この公明党案が一部の新聞に与党案として報道されたことから、自民側は「了解していない」と猛反発。与党協議は決裂寸前にまで至った。
 「この機械を逃せば法律はできない」。田端は連日、経済界や環境NPO(民間非営利団体)、労働組合などに公明党案を送り、意見を求めた。
 市民団体主催の討論会や会議にも果敢に足を運び、公明党案を真摯に説明していった。
 公明党案は着実に浸透していった。そして、経済団体連合会(経団連)が「公明党の考えを評価したい。ぜひ進めてほしい」と期待を寄せるまでになったのだ。
 状況の変化に、政府も法整備は避けられないと判断、重い腰を上げた。翌00年2月には自民党が法案を与党PTに提出。3月には与党PTでの議論を政策責任者レベルに上げて調整に入った。
 バトンを受けた公明党政策審議会長の坂口力も全力で交渉し、4月に与党の「循環型社会形成推進基本法案」を国会提出。ついに5月26日、同基本法は成立した。なお、採決では民主党のみが反対し、環境問題への不熱心さを露呈した。
 「環境問題は票にならない」。かつて多くの政治家は言った。だが、公明党は結党以来、その環境問題にどの党よりも真剣に取り組んできた。その集大成ともいえる循環型社会基本法の制定によって、日本の経済、社会は確実に変わりつつある。

番号ポータビリティ(持ち運び)制度が10月24日から開始決定  平成18年8月9日

 NTTドコモとKDDI、ボーダフォンの3社は7日までに、携帯電話会社を変えても番号を継続できる「番号ポータビリティ(持ち運び)制度」の開始日を10月24日とする方針を固めた。サービス開始に向け、各社のシェア争いが本格化しそうだ。
 ドコモは携帯にクレジット機能などを付加し、多機能化することで顧客の定着を目指す。KDDIの「au」は音楽のダウンロード機能を強化して対抗。ソフトバンク傘下のボーダフォンは、恋人同士の通話料を定額にする独自の料金体系や、携帯機種の大幅増で劣勢を盛り返す構え。
 番号持ち運び制度では、メールアドレスは維持できない。また変更にかかる手数料は未定で、高額だと利用が低調にとどまる可能性もある。各社はサービス開始ぎりぎりまで、手数料設定などの販売戦略を詰めるとみられる。
 同制度については、公明党青年局が、利用者へのサービス向上などの観点から、いち早くユースポリシー(青年政策)に盛り込み、早期導入を求めてきた。2003年9月には、同青年局が全国から1000万人を超える署名を集め、小泉純一郎首相と片山虎之助総務相(当時)あてに、要望書を提出していた。それを受け、田端正広は平成15年9月の総務副大臣に就任後、直ちに省内に業界や有識者からなる検討会を立ち上げ、議論を重ね、同制度の導入に道筋を立てた。

携帯電話の契約 本人確認を義務付け
  不正利用防止法が完全施行
  振り込め詐欺対策/公明が積極推進
  公明新聞:2006年4月2日付
 
 携帯電話の契約時に、契約者の氏名や住所、生年月日などの本人確認を義務付けた「携帯電話不正利用防止法」が1日、完全施行された。多発する振り込め詐欺には、契約時の本人確認が不十分で利用者を特定しづらいプリペイド式の携帯電話が使用されるケースが多く、同法の完全施行により携帯電話利用者の匿名性が排除され、不正利用防止対策に効果を発揮すると期待されている。
 同法は昨年4月に成立、翌月から一部施行され、携帯電話が犯罪に利用されている場合などに、携帯電話事業者が警察の求めに応じ、電話の契約者について本人確認を行い、確認できない場合は利用を停止できるようになった。
 これに加え、今月からは、事業者側は契約や譲渡を行う際、契約者の本人確認を行うことが義務付けられた。事業者側が確認を行わず、所管する総務大臣の是正命令にも従わない場合は、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される。契約者側も氏名などを虚偽申告すると、50万円以下の罰金刑となる。また、事業者の承諾を得ず、携帯電話を商売として有償で譲渡した場合は、2年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられる。
振り込め詐欺は2003年ごろから急増。昨年1年間の発生件数は2万1612件、被害総額は251億円(警察庁調べ)にも上り、犯行には他人名義の銀行口座とプ リペイド式の携帯電話が主に利用されている。そのため、公明党と与党は04年秋、それぞれ対策プロジェクトチーム(PT)を設置。他人名義の銀行口座やプリペイド式の携帯電話の不正利用防止策について協議し、法整備を主導してきた。
 同法制定の成果として、携帯電話事業者のNTTドコモは今年2月に、名義不明の約1万7000回線すべてを利用停止にした。KDDIとボーダフォンも同様に、今年3月までに合わせて約24万回線すべてを停止している。
 一方、他人名義の銀行口座については、04年12月に「金融機関本人確認法」が改正され、口座の不正な売買が禁止された。これらの法整備により、振り込め詐欺対策が大きく前進している。

団体訴権(被害者に代わり差し止めを請求)法制化へ
政府、契約法改正案を国会提出

田端正広衆院議員
公明新聞:2006年3月6日付

【写真】インタービューをうける田端田端正広衆院議員 
 悪徳商法の被害者に代わり、一定の条件を満たす消費者団体が業者を訴える消費者団体訴訟制度(団体訴権)の導入を盛り込んだ消費者契約法改正案が先週、国会に提出された。公明党がマニフェスト(政策綱領)に掲げ一貫して推進してきたもので、今国会での成立を目指す。同改正案のポイントについて、党消費者問題対策委員長で同内閣部会長の田端正広衆院議員に聞いた。
公益性重視の画期的な法案

 ――消費者契約法改正案のポイントは。
 最大の柱は、公明党がマニフェストに掲げて実現に取り組んできた消費者団体訴訟の制度化が盛り込まれたことです。
 この制度は、認定された適格消費者団体が、不当な契約や勧誘などで被害を受けた人に代わって訴訟を起こすことができる仕組みです。適格団体が、事業者による不当行為の差し止め請求の訴えを起こすことで、被害の拡大を未然に防ぐことが期待できます。不特定多数の消費者の利益を守る、公益性という新たな観点からつくられた、日本では初めての画期的な法案と言えます。
 このため、適格団体には、(1)消費者の利益擁護の活動を一定期間、継続的に実施(2)法律問題に詳しい人材がいる――などの厳しい要件が設けられ、立ち入り調査や認定の取り消しも含めた厳しいチェックを受けます。こうした条件を満たす団体は現在、全国で大都市中心に7〜8団体と想定されています。
悪徳商法の防止に効果
多くの被害者が泣き寝入り
 ――この制度が必要とされる背景は。
 消費者と事業者間でのトラブルに関しては、2000年に成立した消費者契約法で、不当な契約条項の取り消しや無効を訴える仕組みはできています。しかし、事業者を相手に個人が訴訟を起こしたり交渉するとなると大変な労力や費用を要します。最終的には泣き寝入りせざるを得ないケースも少なくありません。
 また、悪徳商法が横行すれば、被害者が多数に及ぶという傾向があります。多発し多様化する消費者トラブルを事前に防ぎ、抑止するためには、できるだけ早い段階で被害の芽を摘み取る必要性があります。
 実際、既に団体訴訟制度の導入が進んでいるEU(欧州連合)主要国では、悪徳商法に対し一定の抑止効果が認められています【表参照】。

諸外国の消費者団体訴訟制度の概要

主な法令

内容

ドイツ

差止訴訟法

消費者団体に消費者保護法違反行為の差止請求権を付与

不正競争防止法

消費者団体は、同法違反行為の差止めや、違反行為で得た利益の国庫返還を請求できる

フランス

消費法典

消費者団体は、不当条項の削除や、不当な勧誘行為などの差止めを要求する訴訟を起こすことができる

イギリス

1999年不公正条項規則

一定の団体に不当条項の使用・推奨の差止め請求権を付与

Enterprise Act 2002

指定団体等に消費者保護放棄違反行為の差止請求と、2人以上の委任に基づく競争法違反行為への損害賠償請求の権利を付与

イタリア

民法

消費者団体に不公正条項の差止請求を行うことを認める

消費者権利法

消費者団体に消費者利益の侵害行為の防止、その悪影響を取り除くために必要な手段を講じることができる

オランダ

民法典

一定の要件を満たした団体に、不当条項の使用・推奨、そのほか消費者の利益を害する行為の差止請求権を認める

公明、マニフェストで推進
評価高い公明の取り組み

 ――公明党の主張が反映された点は。
 消費者団体や弁護士の方々と協議を重ねる中で、多くの意見を頂きました。その声を反映して、例えば、不当契約条項だけでなく、不当勧誘行為も差し止めの対象にしました。また、裁判管轄については、事業者の本社所在地はもちろん、営業所所在地も加えました。そして、同一事件の後訴(後で提起された訴え)制限については、適格消費者団体間で相互に連携協力し、情報を共有し、事業者との間でなれ合いの和解にならないように事前の通知・報告を義務づけています。
 この点については、公明党の強い主張によって、団体間の情報共有や連携協力を進める体制として電子掲示板(共通サイト)が整備されます。
 さらに、事業者と通謀して不利な和解をした場合には、前訴の団体の認定を取り消し、後訴を認める例外措置も設けられ、関係者からも高く評価されています。
 公明党は、これまでも消費者保護を一貫して進めてきました。党内に消費者問題対策プロジェクトチームを設置(現在は党消費者問題対策委)し、消費者契約法の成立を推進。マニフェストにも、06年をメドに「消費者団体訴訟制度」の法制化を明記しており、今国会で必ず実現し、国民の皆さまとの約束を果たしてまいります。

公明の主張を全面的に反映
「補正」含め早期成立めざす 公明新聞:2006年1月24日付


【写真】細田官房長官(当時)に救済策を要望する田端ら
 20日に召集された通常国会に、アスベスト(石綿)対策の“両輪”となる健康被害者の救済法案と除去・被害の未然防止を促す法案が提出された。大幅な対策費が計上された2005年度補正予算案とともに早期成立をめざし、公明党は、全力で取り組みを進めている。

患者・遺族の救済
年度内に申請受付
基金設立、医療費など支給


 石綿が原因で発症する中皮腫などは、潜伏期間が長く、多くの現場に携わる建設労働者などは、原因企業の特定ができず、労災認定に必要な因果関係の判断が難しい。また、健康被害は、労災の対象とならない工場の周辺住民らにまで及び、補償がなされない患者・遺族が数多く存在する。このため、公明党は、いち早く新法による救済の必要性を主張してきた。
 「石綿による健康被害の救済に関する法律案」では、独立行政法人環境再生保全機構に「石綿健康被害救済基金」を設立。「指定疾病」に罹患した患者・遺族であれば、因果関係の特定を求めず、医療費などの支給を行い“すき間のない救済”をめざしている。
 救済の対象となる指定疾病は、中皮腫や石綿を原因とする肺がんなど。中皮腫は、その原因のほとんどが石綿であることから、原則すべての場合を対象としている。一方、肺がんなどの場合、石綿以外の原因の場合があるため、3月までに「石綿による健康被害に係る医学的判断に関する検討会」(森永謙二座長)で患者の認定基準を取りまとめる予定だ。
 指定疾病の認定を受けた場合、現在治療中の患者については、医療費の自己負担分と月額約10万円の療養手当が支給される。既に死亡した患者の遺族に対しては、特別遺族弔慰金280万円と葬祭料20万円の合わせて300万円。制度発足後2年以内に亡くなり、支給額が280万円に満たない場合、その差額が救済給付調整金として遺族に支給される。政府は年度内にも給付の申請受け付けを始める意向だ。
 遺族への支給に関して、政府はいったん弔慰金260万円を提示したが、患者・遺族の切実な声を受け、公明党は増額を強く主張。その結果、政府は、支給額の引き上げを決めた。
 給付の財源について環境省は、救済給付に充てる費用と基金の創設に関するすべての事務費を賄うため、2005年度補正予算案に388億円を計上した。
 一方、石綿は、広範囲にわたって使われてきたことから、政府は、すべての事業者に幅広く費用負担を求める。石綿との関連が深い企業からは、特別拠出金を上乗せして徴収。算定方法などは、06年度の早い時期に決める。都道府県には、06年度以降、全体で約90億円、企業には、07年度から年間70〜80億円の拠出を求める方針としている。
 一方、労災の申請時効(5年)を過ぎた労働者の遺族には、「特別遺族給付金」を労災の財源から支給する。亡くなった労働者の収入で生活をしていた場合は、年240万円の遺族年金、それ以外の場合は、1200万円の一時金を支給する。労災補償給付の認定基準も、3月中に改正される方針だ。

未然防止への対応
4法を一括改正
無害化促進、規制を強化


 既存の建物などからの石綿の除去と被害の未然防止を図るため、関連4法の改正案も一括法として提出された。具体的には、大気汚染防止法、廃棄物処理法、建築基準法、地方財政法の4法の改正案。
 それぞれ、(1)解体作業時の飛散防止対策の対象拡大(2)石綿廃棄物の溶融による無害化を促す特例制度の創設(3)建築物の吹き付け石綿の使用規制(4)公共施設の石綿除去費用を地方債の対象に追加――などの点が改正される。
 法案の閣議決定に先立ち、昨年末に政府がまとめた総合対策は、(1)すき間のない健康被害者の救済(2)今後の被害を未然に防止(3)国民の不安への対応――の3本柱で構成。同3本柱について、それぞれ(1)2005年度補正予算案に388億円、06年度予算案に93億円(2)同1417億円、同29億円(3)06年度予算案に4億円――が計上されている。
 救済新法と4法改正の一括法を対策の両輪とした上で、「救済」については、労災制度の周知徹底、中皮腫抗がん剤「ペメトレキセド」の早期承認など、「未然防止策」としては、全面禁止の前倒し(06年度中)などが盛り込まれた。
 3番目の「国民の不安への対応」としては、解体現場周辺の大気中濃度測定や健康被害者の実態調査と情報提供を行う。このほか、健康管理手帳の交付要件の見直しや石綿関連の作業に従事した退職者への健康診断なども実施する。

 公明党は、昨年7月に党内に対策本部を設置。新法による救済の必要性を一貫して主張するとともに、患者の声や大手機械メーカーの担当者らからの聞き取り調査を踏まえ、小泉純一郎首相に申し入れた。
 さらに、政策綱領「マニフェスト2005」にも重要課題として掲げ、対策を強力に推進。今回の新法制定をはじめ、政府の総合対策は、公明党の主張を全面的に反映するものとなった。

政府の対策に反映された公明党の主な主張

マニフェスト2005 政府の石綿総合対策
・労災時効の患者・遺族の救済 →特別遺族年金 原則240万円/年

・家族、周辺住民の救済 →救済給付 医療費、療養手当など

・使用の早期完全禁止 →2006年度中

・封じ込めと除去 →地財法改正、低利融資制度の創設など

・解体時の安全確保 →飛散防止へ規制を強化(大気汚染防止法改正)

・リスク評価と情報開示 →解体現場の大気中濃度測定など

・早期診断、治療法研究 →国立がんセンターなどの情報システムの整備

・相談体制の強化 →労災病院内「疾患センター」引き続き実施


制度の運用 誠意尽くし対応
田端正広・党内閣部会長(衆院議員)

 
公明党は、石綿による健康被害が社会問題化して以降、いち早く視察や要望を行い、一貫して議論をリードしてきた。与党の対策プロジェクトチームの席上でも、現場で聞いた被害者の生の声を訴え、政府がいったんは提示した周辺住民の遺族に対する給付額を合計300万円にまで増額させることができた。
 一方で、石綿は、被害が顕在化するまでの潜伏期間の長さに加え、長期間にわたり広範囲に使われてきたことから、救済の仕組みができても、運用面で新たな課題が出てくる可能性がある。疾病と石綿との因果関係の立証が難しいケースや、専門医が足りずに正確な診断がなされていない事例などに対しても、引き続き細心の注意と誠意を尽くして対応していきたい。
 健康被害者の救済法案と総合対策の柱となる除去促進の2法案で、措置の流れはできたといえる。2005年度補正予算案でも、環境省としては画期的な388億円をはじめ、政府として多額の対策費を確保している。
 20日から始まった国会の審議で、補正予算案と救済法案の速やかな成立を図り、直ちに救済措置を行えるよう全力で取り組んでいきたい。


通学路の安全 着実にガード
公明党の粘り強い取り組みで来年度予算政府案に具体化 平成17年12月26日付


【写真】子どもの安全対策を小泉首相(中央)に申し入れる田端ら=3月8日 首相官邸
 公明党の取り組みが実り、来年(2006年)度予算政府案で、子どもの安全向上に大幅な対策費が計上された。特に、下校途中の女児が相次いで殺害された事件を教訓に、通学路の安全確保策を強化している。
全小学校に指導員
 具体的には、文部科学省の「子ども安心プロジェクト」に約26億円を計上。学校周辺の巡回や児童の登下校を見守る学校安全ボランティアを指導するスクールガード・リーダー(地域学校安全指導員)が現在の約900人から2400人に拡充される。警察官OBらで構成されるスクールガード・リーダーは、学校を定期的に巡回し、専門家の視点から通学路の危険な場所など警備のポイントを助言する。一人あたり10校程度受け持つことで、私立学校を含む約2万3000の全小学校を対象とする見通しだ。
集団下校へ新事業
 広島、栃木の両県で起きた凶悪犯罪は、女児が一人で下校中に巻き込まれたため、小学生の集団下校を進める「子ども待機スペース交流活動推進事業」も創設した。終業時間の早い低学年児童が上級生の下校を待ちながら、空き教室で地域の住民らと交流を深めながら過ごす。携帯電話やパソコンなどのIT(情報技術)を活用して不審者情報などを地域で共有するシステムの開発事業にも2億円が充てられ新しく始まる。
スーパー防犯灯など整備拡充
 一方、警察庁予算では、緊急通報ボタンを押すとインターホンで警察官と通話ができるスーパー防犯灯(街頭緊急通報システム)や、通学路などに設置する「子ども緊急通報装置」の整備拡充をはじめとする子どもの安全対策に約6億円が盛り込まれた。
 このほか、政府は、来年(2006年)3月までに全通学路の安全点検など、6項目を柱とする緊急対策を実施に移す。
情報提供システム開発へ
 公明党は政策綱領「マニフェスト123」に小学校へのスクールガードの配置を掲げ強力に推進。今年(2005年)2月には、大阪府寝屋川市の小学校教職員殺傷事件を受け、党内に「治安・学校の安全対策プロジェクトチーム(PT)」(田端正広座長=衆院議員)を設置し、事件が起きた小学校を視察したほか、学校の実情を踏まえ小泉純一郎首相に対し万全な対策の実現を申し入れた。


携帯の会社変更が容易になる「番号持ち運び」制度が来年11月から導入へ 平成17年11月

  携帯電話会社を変更しても現行の電話番号を継続して使える「番号ポータビリティー(持ち運び)制度」が、いよいよ2006年11月1日から導入される運びとなった。総務省は22日、情報通信審議会(総務相の諮問機関)に、すべての携帯電話会社に同制度を義務付ける省令改正案を諮問。同審議会は一般から意見を公募したうえで、06年1月中旬に総務相に答申する方針。
 利用者にとっては現在の番号をそのまま使えるので利便性が高まり、価格や携帯電話端末、サービスなどを比較しながら、自由に選ぶことができるようになると期待されている。
 これまでは携帯会社を変えると番号も変わってしまうため、利用者は新しい番号を通知する手間がかかり、気軽に契約先を乗り換えることができなかった。同省は競争を促進するため昨年春に同制度の導入を決め、実施時期を調整していた。
 制度導入に先立ち、NTTドコモとKDDI(au)が今月(11月)から長期契約者の料金を引き下げたほか、ボーダフォンも06年2月に基本料値下げを決定。また、音楽配信や「指定先1件の通話とメールが使い放題」「携帯電話をかざすだけでキャッシュレスで買い物」といった多様なサービス合戦も始まっている。
  さらに、今月(11月)10日には、ソフトバンク子会社のBBモバイルなど3社の12年ぶりの新規参入が正式決定。06年度にサービスを開始する見込みで、顧客の獲得競争が一段と激化するのは確実だ。
  同制度については公明党青年局が、利用者へのサービス向上などの観点から、いち早くユースポリシー(青年政策)に盛り込み、早期導入を求めてきた。03年9月には、同青年局が全国から1000万人を超える署名を集め、小泉純一郎首相と片山虎之助総務相(当時)あてに、要望書を提出していた。また、田端正広が総務副大臣に就任した平成15年10月、早速、担当課に検討のための研究会設置を支持し、11月に学識者や企業などの関係者による「携帯電話の番号ポータビリティーの在り方に関する研究会」が立ち上がり、半年間の議論を経て、平成18年度中の導入の最終報告書をまとめていた。



「もったいない」運動を展開中!!

 ノーベル平和賞を受賞したケニア環境副大臣のワンガリ・マータイさんが、来日の際、『「もったいない」というすぐれた日本の文化に学びたい。「もったいない」を世界に発信したい』と語りました。「もったいない」―― それは私たち日本人も、今日、忘れかけていた言葉であります。公明党エコ・ジャパン会議(議長=田端正広)は、「もったいないのすすめ」というパンフレットを作り、@電源をこまめに切る A歯を磨きながら、水を出しっ放しにしない BリモコンをOFFにするだけでなく、コンセントも抜く・・・など、電気・ガス・水道の節約を呼びかけています。
マータイさんは「もったいないによって日本は循環型社会を築いている。リデュース(ごみの排出抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再利用)の3Rはすばらしい」と語りました。循環型社会形成推進基本法のタタキ台を提案した私としては、マータイさんにお褒めいただき嬉しく思いました。マータイさんにならって、私たちももう一度、「もったいない」を実践したいものです。




公明党の「治安・学校の安全対策プロジェクトチーム(PT)」(座長=田端正広)は3月 8日、首相官邸で小泉純一郎首相に対し、子どもの安全対策についての以下の緊急申し入れを行った。

平成年3月8日

内閣総理大臣 小泉 純一郎 殿

 

子どもの安全対策のための緊急申し入れ

 

公明党「治安・学校の安全対策PT」

顧  問 浜四津敏子

座  長 田端 正広

事務局長 山下 栄一

 

 世界一安全な日本の復活のため、治安対策は最重要テーマである。

先月、小学校内において少年による教職員殺傷という誠に痛ましい事件が発生した。現在、学校の安全を含め、子どもの安全確保が喫緊の課題になっている。

子どもの安全の確保は、安心して教育を受けるための基礎と言ってよく、子どもを持つ保護者の切実な願いでもある。また、不登校やひきこもり、中退などで、現在悩み苦しんでいる子どもへの支援策の充実も併せて重要であると認識する。

以上の観点から、公明党「治安・学校の安全対策PT」は、子どもの安全を守るため、喫緊に取り組まなければならない施策として、以下、要望する。

 

1.     「治安対策及び子ども安全対策本部」(仮称)の設置

子どもの生命を守る観点からの危機管理体制を確立し、「防犯まちづくり推進基本計画」策定などの総合的な施策を推進するため、内閣に「治安対策及び子ども安全対策本部」(仮称)を設置すること。本部長は、内閣総理大臣とし、本部員は関係閣僚とする。

2.     学校の安全確保

 

(1)スクールガード・リーダー及びスクールガードの実効性ある配置

平成17年度予算案における「地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業」のスクールガード・リーダー(地域学校安全指導員)について、予算成立後、この制度及びその趣旨を各自治体に早急に周知徹底するとともに、平成17年度において極力早急に配置されるよう努力すること。

また、スクールガード(学校安全ボランティア)が極力学校に常駐できるようにするなど、運用面において、地域の実情に応じて、学校の安全が十分確保できるよう配慮すること。

さらに、スクールガードに対して十分な訓練・研修を行うとともに、スクールガード・リーダー及びスクールガードが侵入者等による被害に遭った場合の補償等の整備を検討すること。

 

(2)学校と警察の連携の推進

これまで学校と警察の連携が必ずしも十分ではなかった実態も踏まえ、今後、学校の安全確保のため、学校と警察との十分な連携を推進していく必要がある。そのために、

@  緊急事の際、速やかに警察と連携が取れるよう、すべての小中学校において、学校と警察の間の緊急通報システムの整備を促進すること。

A  学校の安全対策のため、防犯教室や、教職員に対する不審者等の侵入を想定した実効性ある防犯訓練等の実施を推進すること。

B  「学校警察連絡協議会」について、これまでの少年の非行防止という設置目的とともに、学校・子どもの安全対策という目的を明確化し、今後、学校や通学路の防犯体制の確立のための学校と警察の連携の中核として、機能させること。

 

(3)通学路の安全確保

通学路の安全確保のため、子ども緊急通報装置の整備を今後促進すること。また、小中学生に対して、防犯ブザーを貸与・配布を促進すること。

 

3.     子どもを守る地域社会づくり

 

(1)子どもを守るためのパトロールの強化

犯罪に強い地域社会を構築するには、まず地域の警察力の強化が急務である。空き交番の解消を図るとともに、とりわけ弱者である子どもを守るため、生徒の登下校などにおける重点的なパトロールを行うこと。

 

(2)自主防犯活動の拠点・基盤の整備

子どもの安全のために地域住民やボランティア団体が行うパトロールや活動の拠点として、公民館などを活用できるようにすること。その際、防犯活動用の機材等の配備などを行い、地域住民が気軽に参加できる防犯情報の集約・発信拠点として位置付けること。

 

(3)自主防犯活動のサポート体制の充実

地域の自主防犯活動が円滑に行われるよう、警察、市町村、消防、学校、教育委員会などが綿密に連携し、地域の防犯情報の提供、講習や訓練の実施を行うこと。その際、警察官OB等を積極的に活用すること。

また、ボランティア保険など、自主防犯活動に参加する人のための補償を推進すること。

 

(4)相談体制の充実

不登校やひきこもり、中退などで悩み苦しんでいる子どもを支援するため、大学生等からなるメンタルフレンドの養成と派遣を促進すること。また、メンタルフレンドの活動について、ジョブパスポートとして活用できるようにすること。

また、スクールカウンセラーの配置について、平成17年度より全中学校への配置を早急に促進するとともに、高等学校に対してもその配置を充実し、高等学校中退者等への支援も行えるようにすること。

 

(5)「青年交流の場」(仮称)の設置

青少年が気軽に交流する場が求められている現状を踏まえ、社会教育施設など既存の公共施設を、ひきこもりや不登校、中退者などを含め、広く青少年に解放することとし、新たに「青年交流の場」(仮称)として活用すること。「青年交流の場」では、青少年が気軽に交流する場として、スポーツや音楽などの機会の提供等を行う。

 

以上





安全な学校に取り組み急務
党「治安・学校の安全対策プロジェクトチーム」田端座長(衆院議員)にインタビュー【公明新聞 平成17年2月28日掲載】



今月(2月)14日に起きた大阪府寝屋川市の市立中央小学校の教職員殺傷事件を受けて、公明党は党内に「治安・学校の安全対策プロジェクトチーム(PT)」を発足させました。不審者などが小学校に侵入して児童に危害を及ぼす恐れがあった事件は、警察庁によると昨年(2004年)だけで19件も発生しています。こうした事件の増加を受けて、各地の学校では警察や警備会社に警戒を要請するなど、安全確保へ向けた取り組みが活発になっています。そこで、同PTの田端正広座長(衆院議員)に再発防止策の在り方などについて聞きました。

危機管理へ総合対策の策定を
スクールガードの積極配置など
近く政策まとめ緊急提言


田端正広治安・学校の安全対策プロジェクトチーム座長――先日、党PTとして事件のあった小学校を視察しましたが。

田端正広座長 池坊保子衆院議員と大阪府議会、寝屋川市議会の公明党議員と一緒に20日に、小学校を訪ね、居合わせた坂根博一校長から話を聞きました。逮捕された少年は、学校の正門、南門、資材運搬用の通用門のうち、下校時に施錠が外されていた南門から侵入しています。しかも、この南門だけ防犯カメラが設置されていませんでした。事件はこうした盲点が重なり起きたわけですが、この視察を通じて、学校の危機管理体制の見直しについて深く考えさせられました。
また、事件のショックは児童や保護者、教職員だけでなく、近隣の学校などにも広がっています。特に、被害校の児童・教職員らへの心のケアについては、時間がかかっても十分にやるべきだと思います。

――22日にはPTの初会合も開きました。

田端 文部科学省と警察庁の担当者から、学校の安全対策について現状を聞くとともに、大阪府の担当者からは、(2001年6月の)大阪教育大学付属池田小学校の児童殺傷事件いらい進めてきた対策を強化し、さらに、今回の事件を受けて大阪府内の全公立小学校(大阪市内を除く)に来年度(2005年度)から民間警備員を配置するとの説明を受けました。
席上、私たちは、内閣に学校安全対策本部を設置し、今回の事件を分析した上で、不審者への対応や警察との連携、児童への心のケアなどを総合的にまとめた緊急対策マニュアルを早急に作成するよう提案しました。
さらに、公明党の追加マニフェスト(政策綱領)にも掲げているスクールガード(学校安全警備員)の積極配置をはじめ、通学路における緊急通報システムの整備促進、不審者侵入を想定した教職員の訓練実施など、具体的な政策の必要性を議論しました。
また、翌23日には、私は衆院内閣委員会の質疑に立ち、公明党の要求で来年度(2005年度)の予算政府案に盛り込まれた警察官OBなどによる地域学校安全指導員(スクールガード・リーダー)についての人員拡充なども訴えました。

――今後、PTとしては学校の安全確保にどう取り組みますか。

田端 これまで浮き彫りとなった多くの問題点を整理し、緊急提言という形で政策をまとめ、近く文科相などに申し入れを行う予定です。また、各地の地方議員とも連携して、意見交換や視察などを重ねて政策に反映させていきます。
今回の事件で逮捕された少年は、中学校で不登校になっていたと聞きます。引きこもりや不登校生徒の増加など社会的背景も踏まえて、そうした児童・生徒に対するカウンセラー体制の充実なども推進していきます。

安心・安全な大阪の街作りに尽力!


 ひったくりや路上強盗などの街頭犯罪が後をたたず、刑法犯発生件数も全国で常に上位という危険水域にある大阪の街の治安を速やかに回復し、市民が渇望する「安心・安全な21世紀社会」を構築するため、田端正広は公明党の内閣部会長として、一貫して国会質問や予算編成等の場を通じ、地方警察官の増員を政府に提案し続けてきました。
 この提案が実を結び、平成14年度から平成17年度にかけて、全国で15,150人が増員され、そのうち大阪府へは警視庁の880人を上回る1,110人が増員されました。今後も地方警察官の増員をはじめ、交番体制の拡充やパトロールの強化など、地域の防犯体制の充実に全力で取り組んで参ります。
 

平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度  合  計
 大  阪 170 380 240 320 1,110
 全  国 4,500 4,000 3,150 3,500 15,150


携帯電話の番号ポータビリティー(持ち運び)制度導入へ!


 総務省が設置した「携帯電話の番号ポータビリティーの在り方に関する研究会」は4月27日、7回目の会合を開き、同じ番号のまま契約先の携帯電話会社を変更できる「番号ポータビリティー(持ち運び)」制度について、平成18年度の早い時期に導入する最終報告書をまとめた。
 同制度の導入が実現すれば、利用者は携帯電話会社を乗り換えやすくなり、携帯電話会社間の競争が一層激化して料金引き下げにつながると期待されている。
 同制度について公明党青年局は、利用者へのサービス向上などの観点から、いち早くユースポリシー(青年政策)に盛り込み、早期導入を求めてきた。
 2003年7月下旬からは、全国各地で同制度導入を求める署名運動を展開し1012万5139人の署名を集めた。同年9月には、署名簿を小泉純一郎首相と片山虎之助総務相(当時)あてに提出していた。
また、田端正広が総務副大臣に就任した昨年10月、早速、担当部局に番号ポータビリティ制度導入の検討のための研究会の設置を指示した。このような経緯から、昨年11月に本研究会が設置され、半年間の議論を経て、今回結果が取りまとめられた。

環境保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律案(与野党合意案)

(目的)

第一条 この法律は、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会(以下「持続可能な社会」という。)を構築する上で事業者、国民及びこれらの者の組織する民間の団体(以下「国民、民間団体等」という。)が行う環境保全活動並びにその促進のための環境保全の意欲の増進及び環境教育が重要であることにかんがみ、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育について、基本理念を定め、並びに国民、民間団体等、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に必要な事項を定め、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「環境保全活動」とは、地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全(良好な環境の創出を含む。以下単に「環境の保全」という。)を主たる目的として自発的に行われる活動のうち、環境の保全上直接の効果を有するものをいう。

2 この法律において「環境保全の意欲の増進」とは、環境の保全に関する情報の提供並びに環境の保全に関する体験の機会の提供及びその便宜の供与であって、環境の保全についての理解を深め、及び環境保全活動を行う意欲を増進するために行われるものをいう。

3 この法律において「環境教育」とは、環境の保全についての理解を深めるために行われる環境の保全に関する教育及び学習をいう。

 (基本理念)

第三条 環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育は、地球環境がもたらす恵みを持続的に享受すること、豊かな自然を保全し及び育成してこれと共生する地域社会を構築すること並びに循環型社会を形成し、環境への負荷を低減することの重要性を踏まえ、国民、民間団体等の自発的意思を尊重しつつ、持続可能な社会の構築のために社会を構成する多様な主体がそれぞれ適切な役割を果たすこととなるように行われるものとする。

2 環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育は、森林、田園、公園、河川、湖沼、海岸、海洋等における自然体験活動その他の体験活動を通じて環境の保全についての理解と関心を深めることの重要性を踏まえ、地域住民その他の社会を構成する多様な主体の参加と協力を得るよう努めるとともに、透明性を確保しながら継続的に行われるものとする。

3 環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育は、森林、田園、公園、河川、湖沼、海岸、海洋等における自然環境をはぐくみ、これを維持管理することの重要性について一般の理解が深まるよう、必要な配慮をするとともに、国土の保全その他の公益との調整に留意し、並びに農林水産業その他の地域における産業との調和、地域住民の生活の安定及び福祉の維持向上並びに地域における環境の保全に関する文化及び歴史の継承に配慮して行われるものとする。

 (国民、民間団体等の責務)

第四条 国民、民間団体等は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、環境保全活動及び環境教育を自ら進んで行うよう努めるとともに、環境保全の意欲の増進その他の環境の保全に関する取組を行うことにより、他の者の行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育に協力するよう努めるものとする。

 (国の責務)

第五条 国は、経済社会の変化に伴い、持続可能な社会の構築に関し国民、民間団体等が行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育の果たすべき役割がより重要となることにかんがみ、基本理念にのっとり、環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育を行う国民、民間団体等との適切な連携を図るよう留意するものとする。

2 国は、基本理念にのっとり、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施するよう努めるものとする。

 (地方公共団体の責務)

第六条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施するよう努めるものとする。

 (基本方針)

第七条 政府は、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。

2 基本方針には、次に掲げる事項について、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育の動向等を勘案して、定めるものとする。

 一 環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的な事項

 二 環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関し政府が実施すべき施策に関する基本的な方針

 三 その他環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する重要な事項

3 環境大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

4 環境大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案の作成に関する事務のうち、農林水産省、経済産業省又は国土交通省の所掌に係るものについては、それぞれ、農林水産大臣、経済産業大臣又は国土交通大臣と共同して行うものとする。

5 環境大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、広く一般の意見を聴かなければならない。

6 環境大臣及び文部科学大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならない。

7 第三項から前項までの規定は、基本方針の変更について準用する。

 (都道府県及び市町村の方針、計画等)

第八条 都道府県及び市町村は、基本方針を勘案して、その都道府県又は市町村の区域の自然的社会的条件に応じた環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する方針、計画等を作成し、及び公表するよう努めるものとする。

 (学校教育等における環境教育に係る支援等)

第九条 国、都道府県及び市町村は、国民が、その発達段階に応じ、あらゆる機会を通じて環境の保全についての理解と関心を深めることができるよう、学校教育及び社会教育における環境教育の推進に必要な施策を講ずるものとする。

2 国、都道府県及び市町村は、環境の保全に関する体験学習等の学校教育における環境教育の充実のための措置、環境教育に係る教育職員の資質の向上のための措置その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

3 国は、都道府県及び市町村に対し、第一項に規定する施策及び前項に規定する措置に関し必要な助言、指導その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

4 国は、前項の措置を講ずるに当たっては、都道府県及び市町村に対し、第十七条の規定による情報の提供(第十一条第七項に規定する登録人材認定等事業に関する情報の提供を含む。)その他の環境教育の推進に資する情報の提供等により、学校教育及び社会教育における環境教育の実施の際に、環境の保全に関する知識、経験等を有する人材が広く活用されることとなるよう、適切な配慮をするよう努めるものとする。

5 国、都道府県及び市町村は、環境教育の内容及び方法についての調査研究を行い、その結果に応じて、これらの改善に努めるものとする。

 (職場における環境保全の意欲の増進及び環境教育)

第十条 事業者及び国民の組織する民間の団体(次項及び第二十三条第一項において「民間団体」という。)、事業者、国並びに地方公共団体は、その雇用する者に対し、環境の保全に関する知識及び技能を向上させるために必要な環境保全の意欲の増進又は環境教育を行うよう努めるものとする。

2 国、都道府県及び市町村は、民間団体又は事業者であってその雇用する者に対して環境保全の意欲の増進又は環境教育を行うものに対し、環境の保全に関する指導を行うことができる人材、環境保全の意欲の増進又は環境教育に係る資料等に関する情報の提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。

 (人材認定等事業の登録)

第十一条 環境の保全に関する知識及び環境の保全に関する指導を行う能力を有する者を育成し、又は認定する事業(以下「人材認定等事業」という。)であって主務省令で定めるものを行う国民、民間団体等は、当該人材認定等事業について、主務大臣の登録を受けることができる。

2 前項の登録(以下この条及び第十三条から第十五条までにおいて単に「登録」という。)の申請をしようとする者は、主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を主務大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人その他の団体にあっては代表者の氏名

 二 人材認定等事業の内容

 三 その他主務省令で定める事項

3 次の各号のいずれかに該当する者は、登録の申請をすることができない。

 一 第二十六条に規定する罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者

 二 第十四条第一項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

 三 法人その他の団体であって、その役員(法人でない団体にあっては、その代表者)のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの

4 主務大臣は、登録の申請に係る人材認定等事業が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、その登録をしなければならない。

 一 基本方針に照らして適切なものであること。

 二 環境の保全に関する知識及び環境の保全に関する指導を行う能力を有する者の育成又は認定を適正かつ確実に行うに足りるものとして主務省令で定める基準に適合するものであること。

5 主務大臣は、登録をした場合においては、遅滞なく、その旨を申請者に通知するとともに、その旨を公示しなければならない。

6 主務大臣は、登録の申請に係る人材認定等事業が第四項各号に掲げる要件に適合しないと認める場合においては、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

7 登録を受けた人材認定等事業(以下「登録人材認定等事業」という。)を行う国民、民間団体等(以下「登録民間団体等」という。)は、第二項各号に掲げる事項を変更したとき又は登録人材認定等事業を廃止したときは、主務省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

8 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 (報告、助言等)

第十二条 主務大臣は、登録民間団体等に対し、その実施する登録人材認定等事業に関し、登録人材認定等事業の適正な実施を確保するために必要な限度において報告若しくは資料の提出を求め、又はその実施する登録人材認定等事業の適正な運営を図るため必要な助言をすることができる。

 (表示の制限)

第十三条 人材認定等事業を行う者は、当該人材認定等事業について、登録を受けていないのに、登録を受けた人材認定等事業を行う者であると明らかに誤認されるおそれのある表示をしてはならない。

 (登録の取消し)

第十四条 主務大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合には、登録を取り消すことができる。

 一 登録人材認定等事業が、第十一条第四項各号に掲げる要件に適合しなくなったとき。

 二 登録民間団体等が、第十一条第三項各号のいずれかに該当するに至ったとき。

 三 登録民間団体等が、第十二条の規定による報告又は資料の提出を求められて、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。

 四 登録民間団体等が、偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。

2 主務大臣は、前項の規定により登録を取り消したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を当該登録の取消しを受けた者に通知するとともに、その旨を公示しなければならない。

 (主務省令への委任)

第十五条 第十一条から前条までに定めるもののほか、登録に関し必要な事項は、主務省令で定める。

 (都道府県又は市町村が行う人材の育成又は認定のための取組に対する情報提供等)

第十六条 主務大臣は、都道府県又は市町村が環境の保全に関する人材の育成又は認定のための取組を行う場合において必要があると認めるときは、情報の提供、助言、指導その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 (人材の育成又は認定のための取組に関する情報の収集、提供等)

第十七条 主務大臣は、国民、民間団体等の行う環境の保全に関する人材の育成又は認定のための取組に関する情報の収集、整理及び分析並びにその結果の提供を行うものとする。

 (人材の育成のための手引その他の資料等の質の向上)

第十八条 主務大臣は、環境の保全に関する人材の育成のための手引その他の資料等の作成、提供等を行う国民、民間団体等の求めに応じ、必要な助言を行うよう努めるものとする。

2 主務大臣は、前項の手引その他の資料等の質の向上を図るため、これらに関連する情報の収集、整理及び分析並びにその結果の提供を行うものとする。

 (環境保全の意欲の増進の拠点としての機能を担う体制の整備)

第十九条 国は、国民、民間団体等並びに都道府県及び市町村が行う環境保全の意欲の増進と相まって、環境保全の意欲の増進を効果的に推進するため、次に掲げる拠点としての機能を担う体制の整備に努めるものとする。

 一 国民、民間団体等が行う環境保全の意欲の増進の内容に関する情報その他環境の保全に関する情報及び資料を収集し、及び提供すること。

 二 環境の保全に関する人材の育成のための手引その他の資料等に係る助言を行うことその他環境の保全に関し、照会及び相談に応じ、並びに必要な助言を行うこと。

 三 環境保全の意欲の増進を行う国民、民間団体等相互間の情報交換及び交流に関し、その機会を提供することその他の便宜を供与すること。

 四 その他環境保全の意欲の増進を行うこと。

2 都道府県及び市町村は、その都道府県又は市町村の区域の自然的社会的条件に応じ、国民、民間団体等及び国が行う環境保全の意欲の増進と相まって、環境保全の意欲の増進を効果的に推進するための拠点としての機能を担う体制の整備(次項において「拠点機能整備」という。)に努めるものとする。

3 国は、都道府県及び市町村が行う拠点機能整備について、必要な支援に努めるものとする。

 (国民、民間団体等による土地等の提供に関する措置)

第二十条 国は、土地又は建物の所有者又は使用及び収益を目的とする権利(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者(国民、民間団体等に限る。)が当該土地又は建物を自然体験活動の場として提供することその他の多数の者を対象とするのにふさわしい環境保全の意欲の増進に係る体験の機会の場として自発的に提供することを促進するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 (協働取組の在り方等の周知)

第二十一条 国は、協働取組(二以上の国民、民間団体等がそれぞれ適切に役割を分担しつつ対等の立場において相互に協力して行う環境保全の意欲の増進その他の環境の保全に関する取組をいう。以下この条において同じ。)について、その在り方、その有効かつ適切な実施の方法及び協働取組相互の連携の在り方の周知のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 (財政上の措置等)

第二十二条 国及び地方公共団体は、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に必要な財政上又は税制上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

 (情報の積極的公表等)

第二十三条 国、地方公共団体、民間団体及び事業者は、環境保全の意欲の増進その他の環境の保全に関する取組への国民、民間団体等の参加を促進するため、その行う環境保全の意欲の増進の内容に関する情報その他の環境の保全に関する情報を積極的に公表するよう努めるものとする。

2 国は、前項の情報の収集、整理及び分析並びにその結果の提供を行うよう努めるものとする。

 (配慮等)

第二十四条 国及び地方公共団体は、この法律に基づく措置を実施するに当たっては、環境保全の意欲の増進又は環境教育を行う国民、民間団体等の自立性を阻害することがないよう配慮するとともに、当該措置の公正性及び透明性を確保するために必要な措置を講ずるものとする。

 (主務大臣等)

第二十五条 この法律における主務大臣は、環境大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣とする。

2 この法律における主務省令は、環境大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣の発する命令とする。

 (罰則)

第二十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 偽りその他不正の手段により第十一条第一項の登録を受けた者

 二 第十二条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

第二十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の刑を科する。

第二十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。

 一 第十一条第七項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 二 第十三条の規定に違反した者

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、平成十五年十月一日から施行する。ただし、第十一条から第十六条まで及び第二十六条から第二十八条までの規定は、平成十六年十月一日から施行する。

 (検討)

2 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。



     理 由

 持続可能な社会を構築する上で国民、民間団体等が行う環境保全活動並びにその促進のための環境保全の意欲の増進及び環境教育が重要であることにかんがみ、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育について、基本理念を定め、並びに国民、民間団体等、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に必要な事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。



環境保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律案(与党案)

環境先進国めざす基礎となる 環境保全・環境教育法案
体験学習など振興へ ◇国連総会で決議された「教育の10年」を具体化◇
公明が与党リード 人材育成、意欲増進も


社会の意欲高める法制
 日本が環境先進国をめざす上で、規制や禁止といった取り締まり的取り組みや情報公開と並んで重要なテーマに、環境問題に取り組む社会のモチベーション(意欲・動機付け)を高めることがある。中でも循環型社会を構築する上で、国民全体の内発的な環境意識を高める環境教育は重要な基礎となるだろう。
 自民・公明・保守新の与党3党の「環境の保全・教育の推進に関するプロジェクトチーム」(副座長=田端正広)が6月17日に素案を取りまとめた「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律案(環境保全・環境教育推進法案)」は、環境教育や、環境保全の人材育成の推進、活動拠点整備などについての基本的な枠組みを作るための法制だ。
 与党3党は現在、与党案として取りまとめ中で、民主党など野党にも働き掛けて超党派の議員立法として今国会に提出し成立させ、10月の法施行を目指す。
 昨年8月に南アフリカ・ヨハネスブルクで開催された環境・開発サミットで日本政府は、日本のNGO(非政府組織)の提言を採用して「持続可能な開発のための教育の10年」(2005〜2014年)を提案、サミットの実施計画に盛り込まれた。さらに同提案は同年12月の国連総会でも決議された。
 提案国である日本は、率先して環境教育に取り組むことが求められていたことはもちろん、環境教育の推進法は、環境立国をめざす日本としての、長年の懸案でもあった。

地域の実情に応じ計画策定
 素案では、国民やNPO(民間非営利団体)、企業などによる自発的意思を尊重しながら、環境保全への理解と取り組みの意欲を高めるための、体験学習など環境教育の振興や環境情報の国民的共有、環境保全を進めるための人材育成支援、環境保全の意欲を増進させるための拠点整備などを法の目的としている。
 また、環境相、文部科学相など関係閣僚が共同でまとめた基本方針に基づいて、自治体が地域の実情に応じた方針や計画の作成・公表に努め、情報の収集と提供を行い、活動拠点や人材育成を進める。
 学校教育での体験学習への支援や、自治体内や企業内などでの環境保全意欲増進や環境教育への取り組みへの支援も推進する。そのため、樹木の診断や治療を行う樹木医やビオトープづくりの指導者など、民間の環境人材認定業に対し、国が“お墨付き”を与える登録制度を新たに設け、それについて国は情報収集・公開を行い、学校や企業などが人材を活用しやすくする。
 制度の悪用などを防ぐため、虚偽表示や虚偽の報告など違反行為があった場合には登録の取り消しや罰則も科す。
 公明党は昨年6月に、環境・文科両省の副大臣を筆頭にした「環境教育・環境学習推進に関する協議会」を政府に設置させた。党の重点政策でも環境教育の推進を、学校教育と社会教育という2つの観点から提案してきた。今回の法制化作業でも常に与党を積極的にリードしてきた。
 環境教育の充実などをめざす今回の法制化が“環境立国”日本への本格的な第一歩となることを期待したい。

   環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律案(素案)

 (目的)

第一条 この法律は、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会(以下「持続可能な社会」という。)を構築する上で事業者、国民及びこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間団体等」という。)が行う環境保全活動並びにその促進のための環境保全の意欲の増進及び環境教育が重要であることにかんがみ、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育について、基本理念を定め、民間団体等、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に必要な事項を定め、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「環境保全活動」とは、地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全(良好な環境の創出を含む。以下単に「環境の保全」という。)を主たる目的として自発的に行われる活動のうち、環境の保全上直接の効果を有するものをいう。

2 この法律において「環境保全の意欲の増進」とは、環境の保全に関する情報の提供並びに環境の保全に関する体験の機会の提供及びその便宜の供与であって、環境の保全についての理解を深め、及び環境保全活動を行う意欲を増進するために行われるものをいう。

3 この法律において「環境教育」とは、環境の保全についての理解を深めるために行われる環境の保全に関する教育及び学習をいう。

 (基本理念)

第三条 環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育は、豊かな自然を保全し及び育成して、これと共生する地域社会を構築することの重要性を踏まえ、民間団体等の自発的意思を尊重しつつ、持続可能な社会の構築のために社会を構成する多様な主体がそれぞれ適切な役割を果たすこととなるように行われるものとする。

2 環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育は、森林、田園、公園、河川、湖沼、海岸、海洋等における自然体験活動その他の体験活動の重要性を踏まえ、地域住民その他の社会を構成する多様な主体の参加と協力を得るよう努めるとともに、透明性を確保しながら継続的に行われるものとする。

3 環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育は、森林、田園、公園、河川、湖沼、海岸、海洋等における自然環境をはぐくみ、これを維持管理することの重要性について一般の理解が深まるよう、必要な配慮をするとともに、国土の保全その他の公益との調整に留意し、並びに農林水産業その他の地域における産業との調和並びに地域住民の生活の安定及び福祉の維持向上に配慮して行われるものとする。

 (民間団体等の責務)

第四条 民間団体等は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、環境保全活動及び環境教育を自ら進んで行うよう努めるとともに、環境保全の意欲の増進その他の環境の保全に関する取組を行うことにより、他の者の行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育に協力するよう努めるものとする。

 (国の責務)

第五条 国は、経済社会の変化に伴い、持続可能な社会の構築に関し民間団体等が行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育の果たすべき役割がより重要となることにかんがみ、基本理念にのっとり、環境の保全に関する施策の策定及び実施に当たっては、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育を行う民間団体等との適切な連携を図るよう留意するものとする。

2 国は、基本理念にのっとり、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施するよう努めるものとする。

 (地方公共団体の責務)

第六条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施するよう努めるものとする。

 (基本方針)

第七条 政府は、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。

2 基本方針には、次に掲げる事項について、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育の動向等を勘案して、定めるものとする。

 一 環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的な事項

 二 環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関し政府が実施すべき施策に関する基本的な方針

 三 その他環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する重要な事項

3 環境大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

4 環境大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案の作成に関する事務のうち、農林水産省、経済産業省又は国土交通省の所掌に係るものについては、それぞれ、農林水産大臣、経済産業大臣又は国土交通大臣と共同して行うものとする。

5 環境大臣及び文部科学大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、広く一般の意見を聴かなければならない。

6 環境大臣及び文部科学大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならない。

7 第三項から前項までの規定は、基本方針の変更について準用する。

 (都道府県及び市町村の方針、計画等)

第八条 都道府県及び市町村は、基本方針を勘案して、当該都道府県又は市町村の区域の自然的社会的条件に応じた環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する方針、計画等を作成し、及び公表するよう努めるものとする。

 (学校教育等における環境教育に係る支援等)

第九条 国、都道府県及び市町村は、国民が、その発達段階に応じ、あらゆる機会を通じて環境の保全についての理解と関心を深めることができるよう、学校教育及び社会教育における環境教育の推進に必要な施策を講ずるものとする。

2 国、都道府県及び市町村は、環境の保全に関する体験学習等の学校教育における環境教育の充実のための措置、環境教育に係る教育職員の資質の向上のための措置その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

3 国は、都道府県及び市町村に対し、第一項に規定する施策及び前項に規定する措置に関し必要な助言、指導その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

4 国は、前項の措置を講ずるに当たっては、都道府県及び市町村に対し、第十七条の規定による情報の提供(第十一条第七項に規定する登録人材認定等事業に関する情報の提供を含む。)その他の環境教育の推進に資する情報の提供等により、学校教育及び社会教育における環境教育の実施の際に、環境の保全に関する知識、経験等を有する人材が広く活用されることとなるよう、適切な配慮をするよう努めるものとする。

5 国、都道府県及び市町村は、環境教育の内容及び方法についての調査研究を行い、その結果に応じて、これらの改善に努めるものとする。

 (職場における環境保全の意欲の増進及び環境教育)

第十条 事業者及び国民の組織する民間の団体(次項及び第二十三条第一項において「民間団体」という。)、事業者、国並びに地方公共団体は、その雇用する者に対し、環境の保全に関する知識及び技能を向上させるために必要な環境保全の意欲の増進又は環境教育を行うよう努めるものとする。

2 国、都道府県及び市町村は、民間団体又は事業者であってその雇用する者に対して環境保全の意欲の増進又は環境教育を行うものに対し、環境の保全に関する指導を行うことができる人材、環境保全の意欲の増進又は環境教育に係る資料等に関する情報の提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。

 (人材認定等事業の登録)

第十一条 環境の保全に関する知識及び環境の保全に関する指導を行う能力を有する者を育成し、又は認定する事業(以下「人材認定等事業」という。)であって主務省令で定めるものを行う民間団体等は、当該人材認定等事業について、主務大臣の登録を受けることができる。

2 前項の登録(以下この条及び第十三条から第十五条までにおいて単に「登録」という。)の申請をしようとする者は、主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を主務大臣に提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人その他の団体にあっては代表者の氏名

 二 人材認定等事業の内容

 三 その他主務省令で定める事項

3 次の各号のいずれかに該当する者は、登録の申請をすることができない。

 一 第二十五条に規定する罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者

 二 第十四条第一項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

 三 法人その他の団体であって、その役員(法人でない団体にあっては、その代表者)のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの

4 主務大臣は、登録の申請に係る人材認定等事業が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、その登録をしなければならない。

 一 基本方針に照らして適切なものであること。

 二 環境の保全に関する知識及び環境の保全に関する指導を行う能力を有する者の育成又は認定を適正かつ確実に行うに足りるものとして主務省令で定める基準に適合するものであること。

5 主務大臣は、登録をした場合においては、遅滞なく、その旨を申請者に通知するとともに、その旨を公示しなければならない。

6 主務大臣は、登録の申請に係る人材認定等事業が第四項各号に掲げる要件に適合しないと認める場合においては、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。

7 登録を受けた人材認定等事業(以下「登録人材認定等事業」という。)を行う民間団体等(以下「登録民間団体等」という。)は、第二項各号に掲げる事項を変更したとき又は登録人材認定等事業を廃止したときは、主務省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

8 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

 (報告、助言等)

第十二条 主務大臣は、登録民間団体等に対し、その実施する登録人材認定等事業に関し、登録人材認定等事業の適正な実施を確保するために必要な限度において報告若しくは資料の提出を求め、又はその実施する登録人材認定等事業の適正な運営を図るため必要な助言をすることができる。

 (表示の制限)

第十三条 人材認定等事業を行う者は、当該人材認定等事業について、登録を受けていないのに、登録を受けた人材認定等事業を行う者であると明らかに誤認されるおそれのある表示をしてはならない。

 (登録の取消し)

第十四条 主務大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合には、登録を取り消すことができる。

 一 登録人材認定等事業が、第十一条第四項各号に掲げる要件に適合しなくなったとき。

 二 登録民間団体等が、第十一条第三項各号のいずれかに該当するに至ったとき。

 三 登録民間団体等が、第十二条の規定による報告又は資料の提出を求められて、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。

 四 登録民間団体等が、偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。

2 主務大臣は、前項の規定により登録を取り消したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を当該登録の取消しを受けた者に通知するとともに、その旨を公示しなければならない。

 (主務省令への委任)

第十五条 第十一条から前条までに定めるもののほか、登録に関し必要な事項は、主務省令で定める。

 (都道府県又は市町村が行う人材の育成又は認定のための取組に対する情報提供等)

第十六条 主務大臣は、都道府県又は市町村が環境の保全に関する人材の育成又は認定のための取組を行う場合において必要があると認めるときは、情報の提供、助言、指導その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 (人材の育成又は認定のための取組に関する情報の収集、提供等)

第十七条 主務大臣は、民間団体等の行う環境の保全に関する人材の育成又は認定のための取組に関する情報の収集、整理及び分析並びにその結果の提供を行うものとする。

 (人材の育成のための手引その他の資料等の質の向上)

第十八条 主務大臣は、環境の保全に関する人材の育成のための手引その他の資料等の作成、提供等を行う民間団体等の求めに応じ、必要な助言を行うよう努めるものとする。

2 主務大臣は、前項の手引その他の資料等の質の向上を図るため、これらに関連する情報の収集、整理及び分析並びにその結果の提供を行うものとする。

 (環境保全の意欲の増進の拠点としての機能を担う体制の整備)

第十九条 国は、民間団体等並びに都道府県及び市町村が行う環境保全の意欲の増進と相まって、環境保全の意欲の増進を効果的に推進するため、次に掲げる拠点としての機能を担う体制の整備に努めるものとする。

 一 民間団体等が行う環境保全の意欲の増進の内容に関する情報その他環境の保全に関する情報及び資料を収集し、及び提供すること。

 二 環境の保全に関する人材の育成のための手引その他の資料等に係る助言を行うことその他環境の保全に関し、照会及び相談に応じ、並びに必要な助言を行うこと。

 三 環境保全の意欲の増進を行う民間団体等相互間の情報交換及び交流に関し、その機会を提供することその他の便宜を供与すること。

 四 その他環境保全の意欲の増進を行うこと。

2 都道府県及び市町村は、その都道府県及び市町村の区域の自然的社会的条件に応じ、民間団体等及び国が行う環境保全の意欲の増進と相まって、環境保全の意欲の増進を効果的に推進するための拠点としての機能を担う体制の整備(次項において「拠点機能整備」という。)に努めるものとする。

3 国は、都道府県及び市町村が行う拠点機能整備について、必要な支援に努めるものとする。

 (民間団体等による土地等の提供に関する措置)

第二十条 国は、土地又は建物の所有者又は使用及び収益を目的とする権利(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者(民間団体等に限る。)が当該土地又は建物を自然体験活動の場として提供することその他の多数の者を対象とするのにふさわしい環境保全の意欲の増進に係る体験の機会の場として自発的に提供することを促進するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 (協働取組の在り方等の周知)

第二十一条 国は、協働取組(二以上の民間団体等がそれぞれ適切に役割を分担しつつ対等の立場において相互に協力して行う環境保全の意欲の増進その他の環境の保全に関する取組をいう。以下この条において同じ。)について、その在り方、その有効かつ適切な実施の方法及び協働取組相互の連携の在り方の周知のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 (財政上の措置等)

第二十二条 国及び地方公共団体は、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に必要な財政上又は税制上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

2 国及び地方公共団体は、前項の措置を講ずるに当たっては、当該措置の対象となる環境保全の意欲の増進又は環境教育を行う民間団体等の自立性を阻害することがないよう配慮するとともに、当該措置の公正性及び透明性を確保するために必要な措置を講ずるものとする。

 (情報の積極的公表等)

第二十三条 国、地方公共団体、民間団体及び事業者は、環境保全の意欲の増進その他の環境の保全に関する取組への民間団体等の参加を促進するため、その行う環境保全の意欲の増進の内容に関する情報その他の環境の保全に関する情報を積極的に公表するよう努めるものとする。

2 国は、前項の情報の収集、整理及び分析並びにその結果の提供を行うよう努めるものとする。

 (主務大臣等)

第二十四条 この法律における主務大臣は、環境大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣とする。

2 この法律における主務省令は、環境大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣の発する命令とする。

 (罰則)

第二十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 偽りその他不正の手段により第十一条第一項の登録を受けた者

 二 第十二条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

第二十六条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の罰金刑を科する。

第二十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。

 一 第十一条第七項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 二 第十三条の規定に違反した者

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、平成十五年十月一日から施行する。ただし、第十一条から第十六条まで及び第二十五条から第二十七条までの規定は、平成十六年十月一日から施行する。

 (検討)

2 政府は、この法律の施行後七年を目途として、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

     理 由

 持続可能な社会を構築する上で民間団体等が行う環境保全活動並びにその促進のための環境保全の意欲の増進及び環境教育が重要であることにかんがみ、環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育について、基本理念を定め、民間団体等、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他の環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に必要な事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

        “国際社会の中の日本”
                   対談 今泉雲海――田端正広
      
                                           収録日2003,5,7
                                    放映:千葉テレビ放送
                                          テレビ神奈川

【写真】国際社会の平和と安全について語る田端
今泉:本日は大阪3区選出の衆議院議員、公明党副幹事長の田端正広議員に出演していただきました。田端議員は、先日、アメリカ・ワシントンを訪問されたとのことですが、ワシントンに行かれた目的からお話を伺いたいと思います。

田端:今回は、安全保障議員協議会という超党派訪米団のメンバーとして、4月28日から、ゴールデンウィークの1週間、ワシントンに行ってきました。
 アーミテージ国務副長官をはじめ、政府の要人や、議会の関係者等々、連日、朝から晩まで日程がびっしりで、大変多くの方にお会いしました。
 ちょうどワシントンは、春爛漫という感じで、ハナミズキの白とピンク、藤の花の紫、ツツジの赤、それに新緑という、美しい大自然に受け入れられながら、有意義な1週間を過ごしました。
 政治的には、様々な国際政治の情報が、ワシントンに集中していると実感しました。中でも、やはりイラク戦争の問題が話題の中心でした。

今泉:アメリカはイラク問題で一色だったでしょうが、今後、治安の問題、国の体制づくりなど、田端議員は、イラク復旧はどんな形が一番よいとお考えですか?

田端:これは、大変大事なことだと思うのですが、今はイラクの復興・復旧は、アメリカの人道対策支援室が中心でやっており、今後、日本からも外務省の職員という身分で何人か派遣して、どのような協力ができるか、現地での情報収集が行われると思います。当面は現実的にアメリカ中心になると思いますが、できるだけ早い期間に国際社会全体が協調してイラク復興にあたる事が必要だと思います。やはり、国連が中心になったイラク復興ということが大切だということを、今回、会談した方全員にそのことを申し上げました。アメリカはそれに難色を示していましたが、国際社会が一致協力しないと、本当のイラクの復興は実現しないと思います。国連が今、機能不全に陥っていますが、早急に国連の体制を元に戻して、イラク復興をきちっと行う段取りを決めるように、日本が率先して発言していくべきだとの思いで会談にのぞみました。

今泉:イラク問題について、アメリカや国連、日本など、それぞれの役割があると思うのですが、アメリカと国連との考え方に、まだ、ずれがあるのではないでしょうか。

田端:そこが問題だと思います。私は、日本にしてみれば、日米同盟が外交、安全保障の基本だと思いますが、しかし、もう一方では国際ルールというか、国際社会がきちんと対応することなしに、これからの21世紀の世界の平和と安全保障が成り立たないと思っております。そういう意味で、国連中心主義というのが一つの機軸ですので、日米同盟と国連中心主義、この二つの両輪が旨く噛み合うようにしなければならない。そうするために、日本は汗をかくべきだと思います。
 先日、小泉総理がヨーロッパを訪問された時も、日本のトップとして、この二つのことを、きちっと言っておられました。

今泉:国連では、日本は常任理事国に入っておらず、発言力が弱い、しかしながら、多くの拠出金を出している。そこのところはどうお考えですか。

田端:国連分担金を日本は20%出しています。アメリカが22、3%だと思いますが、日本とアメリカで国連の経費の半分近く出している。ところが、アメリカは安保理の常任理事国として大きな力を持っていますが、日本はお金を出していながら安保理で発言の場が無い。これが大問題だと思います。今回のイラク戦争について、小泉総理の国際社会の中での説明が無かった等々、色々な指摘を受けられたようですが、実際、説明はしているが、例えば、国連に行って総理が演説するとか、目に見える形での発言がなかった。お金を出しているのですから、それに見合うように国連改革を行い、日本も常任理事国という立場で発言権が持てるようにしなければならない。

今泉:田端さんが言われたとおり、国連で、日本の立場を説明できるシステムを作っておけば、日本の国際貢献についてもスムーズに理解されると思います。そういう意味で、与党の中で、勢いが増している公明党の議員に強く発言してもらいたい。

田端:先日、イラク戦争が起こった時に、衆議院の予算委員会で集中審議をやりまして、私も質問に立ち、総理に「小泉総理は政府専用機を持っているのだから、こうした緊急非常事態の時には、日本のトップとして世界を駆けめぐり、メッセージを出していくべきだ。やはり、テレビで見ていると、シラク大統領やブッシュ大統領等、外国のトップの演説は放映されているが、日本の総理の顔が見えない。これは非常に日本としての外交の弱いところだ」と申し上げた。また、川口外務大臣にも、「G8の中で紅一点、平和を愛する女性の外務大臣として、世界にどんどん出ていって外交活動を行って欲しい」と申し上げました。外務大臣は大変喜んでおられました。同時に委員会の場で、野党の方々にも、「国会中は、総理や外務大臣が海外に行きにくいというか、国会に縛られてしまうというような発想は古すぎる。こういう大事件が起こった時には、日本のトップは、積極的に世界を駆けめぐり、そこで議論をしていくという姿勢が国益につながるんじゃないか。」と言いました。今はそういう時代なのだと。

今泉:田端議員、公明党は、だいぶ勢いが伸びている印象がありますが。

田端:おかげさまで、今回の統一選挙では、前半戦、後半戦合わせて2,121人全員当選という偉業を成し遂げることができ、大変喜んでおります。これで、公明党は約3,500人の地方議員の勢力になりました。そういう意味では、今回の選挙戦、イラク戦争という大変な中で行われましが、公明党の平和に対する思いを訴えたことが評価されて、勝利する事が出来たのだと思います。

今泉:話は戻りますが、イラクに対する物資の援助や、医療支援とか、具体的な日本の役割についてお聞かせ下さい。

田端:基本的に日本は、人道的な支援は全面的に行うべきだと思います。それで、自衛隊を派遣して何を行うかという点に関しては議論しなければならないと思います。なにも戦争しに行くわけではないので、復興のために、自衛隊の能力をどう活用するのかといった議論ですが、例えば、カンボジアとか、東ティモールとか、様々な地域で自衛隊が、人道支援やインフラの整備等を現地の人のために一生懸命に協力しているわけですから、イラクに関して何ができるのかを、これから検討しなければならないと思います。自衛隊を派遣するか、しないかも含め議論をしていきますが、どちらにしても、イラク国民のためになるように、日本の役割をしっかりと決めて、そして、きちっとした範囲を限定して、できる部分はしっかりやらせていただくということが大事だと思います。しかし、この検討にあたっては、最初に申し上げたように、国連できちっとした決議があれば支援しやすい。やはり、国連中心主義という原理原則が大事だと思っております。

今泉:次に北朝鮮の問題がいろいろありますが、その中で特に、核問題についてはどのようにお考えですか。

田端:北朝鮮が核を持っているということを、先日のアメリカと中国、北朝鮮の三者協議の中で、自らが表明したわけですが、これは、大変な問題だと思います。北朝鮮の核に対しては、国際社会が徹底的に、しっかりと発言して、北朝鮮に対して圧力をかけていくが大事だと思います。北朝鮮の核はどういった形でどういうものかということが、まだ、はっきりしていませんが、同時に、ノドンやテポドンというミサイル持っているわけですから、それと核が結びつきますと、日本までは、距離にして1000qくらいですから、大変な脅威になります。日本としてもこの問題は、大変な緊張感を持って考えなければならない問題だと認識しております。

今泉:新聞では、北朝鮮は核を2、3個くらいは保持しているように報道されています。実質、日本には非核三原則がありますが、近隣諸国の核開発に打つ手がないとなると、日本としてもミサイルの防衛や核の防衛等について、どういうふうに考えたらいいんでしょうか。

田端:ミサイル防衛については、検討・研究しなければならないと思います。今回、私も、国防総省、あるいはミサイル防衛庁、ロッキード等の軍需産業も視察し説明も受けましたが、ミサイル防衛は、論理的には可能だと思いますし、日本も先制攻撃ではなく、専守防衛という観点から、研究する余地があると今回の訪米でそう思いました。
 問題は、北朝鮮が危険な行動をとらないように、国際社会として、きちっと、北朝鮮にその事を迫っていかないといけないと思います。現在は、三者協議になっていますが、それに日本と韓国が加わり、五者協議とするか、ロシアも入れれば六者協議となりますが、そうした多国間協議で、北朝鮮に対して、きちっと「核問題を解決しなければ、経済協力なり、人道的支援はやりません」と言って、強い姿勢を貫かないと問題は解決しないと思います。北朝鮮がきちっと国際社会の中で、非を認め、反省の態度をとった上でなければ、経済協力の検討もありえないと考えます。
 もう一つは、日本と北朝鮮には“拉致問題”がありますから、この問題も含めて、きちっと議論しなければならないと思います。

今泉:田端さんが、おっしゃった拉致の問題、これは北朝鮮のモラルの問題もあると思いますが。
 
田端:一種のテロです。普通の人をある日突然連れて行ってしまうわけですから。人権無視も甚だしいと思います。
 先日、ワシントンで、アーミテージ国務副長官と会談した際にも、この問題が議論になりました。その時、副長官に、私は、この問題は人道問題ですから、きちっと国連で決議をし、国際社会として北朝鮮の犯した行動に対して、国連として、きちんと制裁を行う意思表示をする必要があるのではないかと申し上げました。それを受け、副長官も「全くそのとおりだ」と言っておられました。3月に拉致被害者の家族の方が、ワシントンに行き、アーミテージ国務副長官にお会いしたそうですが、副長官は、家族の方に対して「アメリカとしても、できることは何でもやりましょうと、私はこの場所で、そう約束した」と発言されたそうで「われわれも国連できちっとした決議というものが大事だと思っている」とおっしゃっていました。

今泉:なんでもしてあげようというアメリカに比べて、日本の国会議員の方が頼りないように感じますが。

田端:これは国際問題ですから、どういうふうに道筋を開いて、そして答えを出していくかという交渉ごとになるわけですが、問題は日本と北朝鮮の間に直接、交渉できるパイプがありません。そこが、今一番大きな問題だと言われています。ですから、北朝鮮とアメリカと中国の三者協議が始まったわけですから、これに日本と韓国が入った五者協議、あるいはロシアが入れば六者協議になりますが、そういう多国間協議できちっと議論して、北朝鮮に対して、関係国としての意見を言わないと、彼らも分からないと思います。そうしたことがこれから大事でしょう。六者協議か五者協議、つまり多国間協議をこれから出来るだけ早く、きちっと立ち上げるようにしていくことが大事なことだと思います。

今泉:今、イラクや、北朝鮮の問題を話していただいたんですが、日本の安全保障について、どういうふうにお考えですか。

田端:いつ、どういう風に日本が戦争に巻き込まれるかわからないということが、認識されてきたわけですから、日本の安全保障というのが、ますます大事な問題になってきたと思います。
 実は今、有事法制、いわゆる日本が緊急非常事態、武力攻撃を受けたときに、あるいはテロ攻撃を受けた時に、日本が超法規的な行動をとらないための法整備の議論を行っています。いざという時に、日本の国民の生命と財産を守る法律が今まで無かったんです。このような状態は国際社会の中では、まったく、不思議な話ですが、ようやく現在、議論がなされ、その方向が見えてきました。

今泉:有事法制は、何故、必要なのですか。

田端:日本に武力攻撃があった場合に、どう日本を守るか、日本の国民と財産を守るかということを、平時に法律で決めておかなければ、いざという時に何もできなくなる。例えば、泥棒が入った時に、戸締りしていなかったら自分の責任になりますから、いつもしっかり戸締りしておく事が大事なんです。そういうルールだけは決めておく必要があると思いますし、民主党も基本的には必要だと言っており、現在、議論している最中ですので、合意が得られれば民主党も賛成するだろうと思います。だから是非、有事法制を今国会で仕上げたいと思っております。

今泉:他党では「有事法制は必要ではない」と主張しているところもありますが、それについてはどうお考えですか。

田端:国民世論を見ても、大半は必要だと理解していると思います。そういう意味では今回の法制化は、国民的な流れであると思います。

今泉:今国会で残された重要法案であるこの有事法制については、小泉さんは国会延長の最大の課題にするのでしょうか。

田端:会期が6月18日ですから、それまでの間に、この有事法制が成立するか、しないかは、小泉内閣にとっても大きな問題だと思います。是非、総理としては、与党だけでなく、民主党などとも協力して仕上げたいという思いもあるでしょう。出きる限り多くの国民の合意を取り付けたいという流れだと思います。

今泉:わかりました。本日は大阪3区選出、衆議院議員、公明党副幹事長の田端正広議員にお話を聞きました。ワシントンには、桜の花は無かったですか?

田端:ワシントンの桜は、もう散った後で、今はハナミズキでしたね。

今泉:どうも、ありがとうございました。

田端:ありがとうございました。

環境保全・環境教育振興法案仮称)骨子がまとまる

 23日、衆議院第一議員会館で与党3党環境教育PTが開催され、「環境保全・環境教育振興法案」(仮称)の骨子をまとめた。公明党からは副座長の田端正広のほか、斉藤鉄夫衆院議員、加藤修一参院議員が参加した。
 この与党環境教育PTは田端が強く主張し設置されたもので、与党3党は昨年11月から精力的に勉強会を重ねていた。
 骨子の中身は、国の責務として、各種施策の中に環境保全活動と環境教育を適切に位置付けると明記。地方自治体への財政支援などを通じ、人材育成や活動拠点の整備に努めるとしている。また、環境負荷を抑えながら経済を発展させる「持続可能な社会」を築くため、国や自治体だけでなく、国民や事業者にもこうした活動に自発的に取り組むことを求めている。 
 具体的な施策では、環境、文部科学など関係省庁の大臣が共同で国の基本方針をまとめ、閣議決定する。この方針を踏まえ、各自治体は地域の実情を考慮した地域基本方針を作り、関連情報などを提供する活動拠点の整備や人材育成などを進める。
 また、この後開かれた公明党の環境部会(田端正広部会長)と文部科学部会長(斉藤鉄夫部会長)の合同部会で、この骨子が了承された。今後、法案の条文化作業に入り、議員立法での今国会成立をめざす。

環境保全の普及及びこのための環境教育の振興に関する法律案(仮称)骨子


 1.目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
 2.定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
 3.基本理念・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
 4.各主体の責務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

│T 基本的な枠組み│
 5.基本方針等の策定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

│U 環境教育の振興等│
 6.学校教育等における環境教育に対する支援・・・・・・・・・・・・ 3
 7.職員等が有する環境保全に関する知識、技能の向上・・・・・・・・ 3

│V 環境保全普及措置に携わる人材の確保等 │
 8.人材の能力の育成制度の普及・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
 9.環境保全に資する人の能力の育成等に有用な資材、要領等の質の向上 4

│W 環境保全普及措置の体制の整備 │
 10.環境保全普及措置のための拠点機能の整備・・・・・・・・・・・ 5
 11.国民等が土地等の提供を通じて行う環境保全普及措置の促進・・・ 5
 12.パートナーシップ(協働取組)の考え方の普及・・・・・・・・・ 6

│X 資金の支援及びその他の措置│
 13.資金的支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
 14.情報の積極的公表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
 15.罰則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

(注)本骨子案のうち、各省の所管関係については、条文化の段階で調整するもの。

1.目的

  この法律は、環境基本法の基本理念にのっとり、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会(以下「持続可能な社会」という。)を構築する上では、国民、民間団体及び事業者が行う環境保全活動及びその促進のための環境教育が重要であることにかんがみ、環境保全に関して国民等の理解を深め、その意欲の増進を図るため、情報の提供及び体験の機会の普及等の措置を総合的に講ずることを目的とする。

2.定義

  この法律において、環境保全活動とは、地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全(良好な環境の創出を含む。)に直接に寄与することを主たる目的とする活動のうち、自発的に行われるものをいう。
  この法律において、環境教育とは、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場において、環境の保全についての理解を深めるとともに環境保全活動を行う意欲が増進されるようにするために行われる環境保全に関する教育及び学習をいう。
  この法律において、環境保全普及措置とは、環境保全に関する情報を提供し、又は体験の機会を普及する措置であって、環境保全に関する理解を深め、意欲を増進するための支援として行われるものをいう。

3.基本理念

  環境保全活動、環境教育及び環境保全普及措置は、国土の保全その他の公益との調整、地域における農林漁業等との調和の確保及び福祉の向上に配慮しつつ、持続可能な社会の構築のために国民、民間団体及び事業者が適切な役割を果たすことになるように行うことを基本理念として実施するものとする。
  環境保全活動及び環境保全普及措置は、これを行う者の自発的意思を尊重しつつ、社会を構成する多様な主体が環境保全にそれぞれ不可欠な役割を果たしているとの認識を踏まえ、活動の透明性を確保しながら継続的に行うことを基本理念として実施するものとする。
  環境教育は、これを行う者の自発的意思を尊重するとともに、体験活動の重要性を踏まえつつ、社会を構成する多様な主体の参加と協力を得るよう努めながら継続的に行うことを基本理念として実施するものとする。

4.各主体の責務

  国民、民間団体及び事業者は、3に定める基本理念にのっとり、その自発的意思に基づき、環境保全活動及び環境教育を進んで行うよう努めるとともに、環境保全普及措置その他の取組を通じ、他の者の行う環境保全活動及び環境教育に協力するよう努めるものとする。
  国は、国民、民間団体及び事業者が行う環境保全活動及びその促進のための環境教育が効果的な役割を果たすこととなるよう、国の行う施策の中で国民、民間団体及び事業者が行う環境保全活動及びその促進のための環境教育を適切に位置付けるとともに、持続可能な社会の構築に向けた環境保全活動の促進及び環境教育の振興のため、環境保全普及措置に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施するよう努めるものとする。
  地方公共団体は、3に定める基本理念にのっとり、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施するよう努めるものとする。


T 基本的な枠組み

5.基本方針等の策定

  国は、3に定める基本理念にのっとり、国民各界各層の幅広い意見を踏まえ、国の施策の基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定め、これに基づき施策その他の措置を講じるものとする。
  基本方針においては、持続可能な社会の構築に当たっての環境保全活動のあり方、環境保全活動の促進のための環境教育のあり方、並びにこれらを踏まえた環境保全普及措置の目標、環境保全普及措置のあり方、本法に定める環境保全普及措置の的確な実施のために必要な基本的な事項及びその他の環境保全普及措置に係わる重要な事項を定める。
  環境大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣その他の環境保全普及措置の場を提供する等環境保全普及措置に密接に関係する行政機関の長は、共同して基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めるものとする。
  地方公共団体は、前項の基本方針並びにこれに基づく国の施策を踏まえ、その地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた環境保全普及措置の促進のための基本方針(以下「地域基本方針」という。)の策定その他の必要な施策を実施するよう努めるものとする。


U 環境教育の振興等

6.学校教育等における環境教育に対する支援

国は、5に定める基本方針にのっとり、環境保全活動の促進を図るための環境教育の実施及びその支援のために必要な措置を講じるとともに、地方公共団体が環境教育の実施及びその支援に関する施策を策定し、実施するための費用についての必要な財政上の措置その他の支援のための措置を講ずるよう努めるものとする。
地方公共団体は、その区域における、環境保全活動の促進を図るための環境教育の実施及びその支援のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

7.職員等が有する環境保全に関する知識、技能の向上

民間団体、事業者、地方公共団体及び国は、5に定める基本方針等にのっとり、その行う環境保全普及措置として、当該民間団体等の職員等が有する環境保全に関する知識及び技能を向上させるよう努めるものとする。
国及び地方公共団体は、民間団体、事業者等がその職員等に対して前項に定める知識等の向上を図るに際して、環境保全に関する指導を行い得る人材及び研修等に資する資材等に関する情報の提供その他必要な支援を行うよう努めるものとする。


V 環境保全普及措置に携わる人材の確保等

8.人材の能力の育成制度の普及

  環境大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、その他の関係行政機関の長(環境保全普及措置を行う人材に対し主に活動する場を提供する等当該人材の活動に密接に関係する行政機関の長をいう。)(以下「環境大臣等」という。9及び12において同じ。)は、環境保全に関する人材育成に係る取組の情報を収集、分析及び整理し、その結果を広く提供する。
  環境大臣等は、互いに協力し、地方公共団体、民間団体等が管理、運営する制度(法令に基づき管理、運営されるものを除く。)であって、環境保全に関する知識、環境保全普及措置を行う能力等を育成し、又は認定するものを管理、運営する者の求めにより、5に定める基本方針に適合するものについては、これを登録し、公示するものとする。
  環境大臣等は、前項の登録を受けた制度の向上に関し、当該制度を管理、運営する者に対し、必要な助言を行うものとする。
  環境大臣等の登録を受けていない制度(登録が取り消されたものを含む。)については、当該登録を受けた旨の表示その他これに類する行為を行ってはならない。

9.環境保全に資する人の能力の育成等に有用な資材、要領等の質の向上

  環境大臣等は、環境保全に資する人の能力の育成のため、環境保全普及措置に使用し得る資材、要領等の作成、普及等を行う国民、事業者又は民間団体の求めに応じ、必要な助言を行うよう努めるものとする。
環境大臣等は、環境保全に関する知識の普及のための資材その他の環境保全普及措置に使用し得る資材、要領等の質の向上が図られるよう、関連する情報を収集、分析及び整理し、その結果を広く提供するものとする。

W 環境保全普及措置の体制の整備

10.環境保全普及措置のための拠点機能の整備

  国は、環境保全普及措置のため、地方公共団体、民間団体、事業者等が行う支援と相まって必要な支援がなされることとなるよう、5に定める基本方針にのっとり、次に掲げる機能その他の環境保全普及措置のための拠点機能を整備するよう努めるものとする。
  @環境保全に関する知識、能力等を有する人材及び環境保全に資する人の能力の育成等に有用な資材、要領等に関する情報の提供その他の助言、相談
  A環境保全普及措置を実施する場に関する情報の収集及び提供
  B各主体間の情報交換・交流のための場の提供
  C民間団体、事業者等が公表した計画、報告その他の資料の収集、展示及び広報
  都道府県及び市町村は、5に定める基本方針及び地域基本方針にのっとり、国、民間団体、事業者等が行う支援と相まって必要な支援がなされることとなるよう、地域の自然的、社会的条件に応じ、地域の住民、民間団体、事業者等の活用の利便性を考慮しつつ、前項に掲げる機能その他の環境保全普及措置のための拠点機能を整備するなど、環境保全普及措置のための体制の確保に努めるものとする。
  国は、都道府県及び市町村が行う環境保全普及措置のための拠点機能の整備について支援に努めるものとする。
  環境保全普及措置のための拠点機能についての業務に従事する職員(地方公共団体から委託を受けて当該業務に従事する民間団体の職員を含む。)は、その業務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。

11.国民等が土地等の提供を通じて行う環境保全普及措置の促進

  国は、国民、民間団体又は事業者がその所有する土地等を自然体験機会の提供等多くの国民を対象とすることがふさわしい環境保全普及措置に対して自発的に提供することについて、5に定める基本方針にのっとり、必要に応じ、適切な税制上、財政上の配慮その他の支援措置を講ずるよう努めるものとする。

12.パートナーシップ(協働取組)の考え方の普及

環境大臣等は、環境保全普及措置の一環として、協働取組(二以上の国民、民間団体又は事業者がそれぞれ適切に役割を分担しつつ対等の立場から相互に協力して行う環境保全に関する取組をいう。以下同じ。)について、5に定める基本方針にのっとり、協働取組の有効かつ適切な進め方、協働取組の相互の連携のための協力のあり方その他の協働取組の考え方を広く普及するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。


X 資金の支援及びその他の措置

13.資金的支援

  国及び地方公共団体は、5に定める基本方針等にのっとり、予算に定める金額の範囲内で必要な財政措置を講じることにより、国民、民間団体又は事業者の行う環境保全普及措置に必要な人材の育成、施設の整備その他環境保全普及措置への助成に努めるものとする。この場合にあっては、助成の対象となる取組の自立的な発展を阻害しないよう、特段の配慮を行うよう努めるとともに、資金の支援に関する透明性、公平性の確保の仕組みを設けるものとする。

14.情報の積極的公表

国、地方公共団体、民間団体及び事業者は、持続可能な社会の構築の取組への国民、民間団体及び事業者の参加を促進するため、それぞれの行う環境保全普及措置の実施内容その他の情報を積極的に公表するよう努めるものとする。
国は、前項に掲げる情報を収集し、分析し、及び提供するように努めるものとする。

15.罰則
 
  人材の能力の認定制度について環境大臣等の登録を受けていないにもかかわらず登録を受けたと称したとき、環境保全普及措置のための拠点機能に係わる業務に従事する職員等が職務上その知り得た秘密を漏らしたときに関し、必要な罰則を置くことを検討。

カネミ油症問題関係省連絡会議が設置された

 田端正広は、平成15年2月24日の衆院予算委員会でカネミ油症問題について質問し、小泉総理大臣ならびに坂口厚生労働大臣、大島農林水産大臣、鈴木環境大臣に、診断・認定基準の見直しや仮払金返還問題、食品公害という観点から政府として総合的な対策を講じるように強く要請した。それに対し、小泉総理大臣は、「関係省庁で協議して対応していきたい」と前向きに答弁。また、平成15年2月28日の衆院環境委員会でもこの問題を取り上げ、ダイオキシン汚染という観点から環境省としても厚労省、農水省と協議しながら、患者救済に向けて取り組むように要請した際、鈴木環境大臣は「環境省としても厚労省から要請があれば正常人の大気や土壌、水からのダイオキシン被爆のデーター等の提供などの面で協力するとともに、厚労大臣、農水大臣大臣からも話を聞いて、3省その連携の中で環境省としてできることはしっかりやって参りたい」と答弁した。
 その後、鈴木環境大臣が坂口厚生労働大臣に協力を申し出るなど、総合的対策に向け、政府が早速、行動を起こし、この度、カネミ油症問題について、関係省がそれぞれの施策に関する情報を共有化し、対応する必要があることから、各省関係各部局の連携を図る目的で、厚労省、農水省、環境省の3省による「カネミ油症問題関係省連絡会議」が設置され、3月28日に第一回の会議が開催された。
 今後、夏までに、各省のデーター収集・分析や必要な調査が行われ、それに基づいて患者救済対策の方向性が示される予定。


環境税についての田端試案

鈴木環境大臣は、今国会における所信表明演説の中で、他の多くの分野と深く関わっている環境行政について、環境省がしっかりとイニシアティブを発揮し「言うべきことは言う」という強い姿勢で施策を展開して参りたいと決意を述べられた。
また、ライフスタイルや事業活動を根本的に見直し、社会のあり方そのものを環境と経済の活性化が一体化した持続可能な社会にするため、その講ずべき重点政策の第一に、地球温暖化対策の推進を掲げ、「京都議定書の6%削減約束を達成するため、温暖化対策上必要とされた場合には2005年以降早期に温暖化対策税を導入することができるよう、具体的な制度の案について検討を進めて参りたい」と表明している。
公明党としても、こうした環境大臣の強い決意を国会の場でしっかりと後押しして参りたい。


○日本の現在のエネルギー税制

税  目  税  率    税  収
原油等関税  原油1`g当たり170円 527億円
原油税 石油1`g当たり2040円 
液化天然ガス1d当たり720円
液化石油ガス1d当たり670円
4880億円
(石油税は2003年10月から石炭にも課税、天然ガス・液化石油ガスへの税率引き上げ予定)
揮発油税・地方道路税 ガソリン1`g当たり53800円 3兆1400億円
軽油引き取り税 軽油1`g当たり32100円  1兆2472億円
航空機燃料税  ジェット燃料油1`g当たり26000円 1064億円
石油ガス税 自動車用石油ガス1`g当たり9800円 280億円
電源開発促進税 電力販売量1000`h時当たり445円 3799億円
税収合計 税収は2001年度予算ベース) 5兆4421億円



○地球温暖化対策税(炭素税)導入の試案

税  目  税  率   税  率  
地球温暖化対策税 炭素1dあたり3000円程度
ガソリン1gあたり2円程度
電気・都市ガス月あたり数十円
1兆円



〔地球温暖化対策税について〕

@ 低税率・高効果の仕組みにする。
A 炭素トン当たり3000円、ガソリン1gあたり2円に相当。この場合の税収は約1兆円。
B 課税徴収方法は、化石燃料上流(輸入段階)課税、化石燃料下流(燃料の販売段階等)課税、排出量課税の3タイプが考えられるが、より効果が期待されるという点では、化石燃料下流課税を導入し、最終排出者のCO2排出抑制が促される仕組みにする
C 使途は、新エネや省エネ開発を含むCO2排出削減技術への投資や、温暖化防止への各主体の実効性のある取り組み等に対しての補助金に活用する。
D 価格インセンティブ効果+税収を活用した温暖化対策による効果=経済活動への影響は少ない
E ポリシーミックスによって、2010年のCO2排出量を1990年比−2%(600万d)は可能。


〔産業廃棄物税について〕

○産廃税を一部の自治体で行った場合、その周辺の自治体へ産廃が流出する恐れがあり、国として全国的に実施する必要がある。
◆条例が施行 :三重県(申告制のため、実際の徴収はこれから)
◆今後施行予定:【鳥取県、岡山県、広島県(4/1〜)】、北九州市(10/1〜)、【青森県、岩手県、秋田県】
○産廃の量に応じて、出した企業に直接、「産廃税」(1d1000円)を課税する
○県外から搬入される産廃の量や搬入先に応じ、企業に50〜500円の「環境保全協力金」を課す。
 【東北三県の例】:リサイクル施設50円、中間処理施設200円、最終処分場500円
○使途は、産業廃棄物の発生の抑制その他、適正処理の促進に関する施策に要する費用に充てる。
  

京都・滋賀・大阪で開催される
「第3回
世界水フォーラム」(3/16〜3/22)に向けてのコメント


 世界の文明は、ナイル川、チグリス・ユーフラテス川、インダス川、黄河など、河川の流域から発祥しており、「水」は人類文明にとって欠かすことのできない、かけがえのない財産です。また、有限な「水資源」を保全し、健全な姿で後世に残すことが、我々人類の最大の使命といえるでしょう。
そのためには、従来の「人間は自然を征服すべきもの」という考え方や、あるいは「人間は自然に屈服すべきもの」という考え方から脱却し、「自然と人間の調和した文化」を築かなければなりません。

 「自然と人間の調和」を基にした「水資源」の保全という観点からは、元来そこにある「生態系の保全」を一つの目安にすべきだと考えます。湖沼や河川等の水辺環境は、水鳥や魚等の様々な生物の大切な生息場所であり、また水辺に健全な森があって、はじめて健全な水が育まれるとも言われています。

 開発や利用などによる損壊や汚濁による生態系の破壊を防ぐため、流域国が協議し、総合的な施策が講じれるよう、国際機関が責任を持ち、調整に動き出す必要があると考えます。

 また、保全とともに、失われた自然を本来の姿に修復するための自然再生事業も大切です。我が国は昨年、自然再生推進法を議員立法で成立させ、湿原を復元するための釧路川の再生や、産業廃棄物施設の乱立で損なわれた埼玉県くぬぎ山の緑化による里山復元などを行政や、NPO、市民等が一体となって行っております。日本は、こうした自然再生事業に関する技術やノウハウをODAなどを通して世界に発信し、水環境と共生した世界のコミュニティーづくりに寄与すべきだと考えております。
 
 更に、水資源を保全にするための体験学習や人材育成、研究も大切です。水辺などの自然と共生した社会で生活することは、子どもの情操教育においても非常に良い影響を及ぼします。文部省の調査では、自然体験のある子どもほど、「挨拶をする」「悪いことをやめさせる」「席を譲る」など、道徳観や正義感が強いとの結果も出ており、大都市におけるこうした身近な水辺環境の整備や、環境教育も重要な課題です。

 あわせて途上国に対する人材育成支援事業や、世界の水資源のデーター収集と調査についても国際協力のもとで、日本が積極的に行うべきだと考えます。日本が果たすべき役割は大きく、その国際的貢献のために我々も全力を尽くしたいと考えます。

対談 =自然再生推進法がスタート=豊かな自然を取り戻そう<H15・1・10公明新聞掲載記事


 開発などで損なわれた湿原や干潟、里山などの自然環境を復元する自然再生事業を推進するため、今年1月1日から自然再生推進法が施行された。自然再生法の意義やポイント、今後の課題について、東京大学大学院農学生命科学研究科の鷲谷いづみ教授と対談した。

● 鷲谷いづみ(わしたに・いづみ)教授堰@
東京大学大学院農学生命科学研究科教授。生物多様性国家戦略懇談会委員など歴任。現在、中央環境審議会委員。著書に、「生態系を蘇らせる」「サクラソウの目」「タネはどこからきたか」など。


自然との共生考えなければ生活基盤失う事に −鷲谷−
計画段階からNPOなど参画 −田端−


 田端正広 鷲谷教授は著書「生態系を蘇らせる」の中で、「文明と呼ばれるものの多くが豊な自然を背景に発展しながら、誤った利用によって生態系の健全性を失い、その結果、文明自体を崩壊させる」と指摘されていますね。
 鷲谷いづみさん
 はい。豊な自然の恵みに支えられ、文明は栄えますが、その自然を過剰に利用すると、自然が破壊され、最後には砂漠になってしまうなど、人類は過去に何度も失敗を経験してきました。
 例えば、モアイ石象で、有名なチリのイースター島は、かつては島全体が森林に覆われ、高度な文明が栄えていたことが考古学調査などで明らかになっています。
 しかし、無人島だったこの島に、海洋民族が移住してきてから、漁に使う丸木船を作るために、森林を過剰に伐採しました。さらに移住してきた彼らの船に“同乗”していたクマネズミが、木の実を食べ尽くし、森林の再生が妨げられ、やがて消滅してしまったのです。17世紀にヨーロッパ人が島を訪れた時は、人口も少なくなっており、高度な文明があったことなど想像もできない状態でした。
 人間は強大な力を持っており、自然との共生を考えていかなければ、結局自分達が生活していく基盤さえ失う事になりかねません。
 田端 日本はかつては自然と上手に付き合ってきましたが、特にバブル経済全盛期から、大量生産・大量消費の経済一辺倒の社会になり、自然環境が大きく損なわれました。そうした社会への反省から生まれたのが、自然再生推進法です。
 この法律の発想の原点は、鷲谷教授が提唱されてきた、自然再生型公共事業です。汚職事件によって公共事業の在り方が問われていますが、公共事業=悪なのではないと思います。自然との共生をめざす公共事業を進めることが、むしろ環境破壊の公共事業に対する大きな抑止力になります。
 鷲谷 公共事業は何も土木、建設だけではありません。もっとソフトなものがあっていい。人々が力を合わせて自然を蘇らせる公共事業があっていいとも考えました。
 今までは、道路整備などの公共事業を行わなければ雇用は生まれませんでした。しかし、これからは森を取り戻すという事業で雇用が生まれます。これは大きな発想の転換になります。
 田端 同法は、NPO(民間非営利団体)や地域の住民が自然再生事業の計画段階からいわば“主人公”となって参画し、地域主導で事業を実施するのが大きな特徴です。行政中心で事業が進められてきたこれまでの歴史を変える、画期的な法律です。
 鷲谷 法律の目的には、生物多様性の確保も位置付けられました。今までそれを明記した法律はありませんでした。
 田端 同法ではさらに、自然再生に参加するNPO等への国や自治体の協力、財政措置を努力規定化するとともに、自然再生推進会議を設置し関係省庁の連携を明確にしました。
 具体的には、環境相が農林水産相、国土交通相と協議して基本方針を策定し、閣議決定します。自然再生事業を進める地域では、地域住民やNPO、専門家、土地所有者、自治体、国の関係者で自然再生協議会を設置します。
 この協議会が自然再生事業の全体構想を作成し、主務大臣(環境、農水、国土交通各相)の助言を得ます。助言に再しては、国に設置される大学教授等で構成される専門家会議の意見を聞くことが義務づけられています。
 鷲谷 茨城県霞ヶ浦でNPO法人が進めるアサザプロジェクトに研究社の立場から参加させてもらっています。
 このプロジェクトは生態系の保全を目的に、主に小中学校での学校ビオトープ(学校の校庭などに生き物の生息空間を再現した生態園)や里山づくり、水辺の再生に取り組んでいますが、活動する中で自然再生事業の基本的な考え方を提示する必要性を感じていました。それだけに、自然再生事業の在り方を決めるこの法律には大きな意義があります。
 今なら年配の方が、自然が失われる前の姿を知っているので、どんな自然再生事業が必要なのか具体的な目標を立てやすいと思います。これが何十年もたつと、覚えている人もいなくなります。そうなれば、自然を取り戻すのは大変難しくなります。自然再生事業は、今必要なのです。
 田端 ところで、EU(欧州連合)では、既に自然再生事業が進んでいますね。EUでは、1997年に加盟国に対し、3年間で自然再生事業に関する目標を立て、それを2015年までに実行するよう、指令が出されました。EU全体として、約1500ヶ所の再生事業を行う計画です。
 鷲谷 ヨーロッパでは、河川が複数の国を通って流れます。それぞれの国が自然を守る事が、他国にもメリットになります。また、北米でも大規模な自然再生事業が行われています。
 一方、日本では、本格的な自然再生事業は始まったばかりですので、この法律が生かされる良いモデルを作っていくことが求められます。
 田端 その意味では、鷲谷教授が参加されているアサザプロジェクトは約180の学校ビオトープを進めるなど、NPOが中心になって、先行して自然再生事業に取り組んでいますが、私も視察して、大変良いモデルだと思いました。ほかにも直線化した河川を再蛇行させる事業に着手している釧路川(北海道)や、里山の復元を進めている、くぬぎ山(埼玉県)など多くの自然再生事業が進められています。
 鷲谷 霞ヶ浦では、絶滅したと思われていた水草が蘇りつつあります。霞ヶ浦の再生事業が成功すれば、他の湖沼でも生かしていけると思います。
公明党は法律の“生みの親” −鷲谷−
事業の「維持・管理」が重要に −田端−
 田端 日本の自然再生事業を進めていく上で、法律の中にもある「維持・管理」が重要になってきます。そして、この「維持・管理」にはNPOの活動が欠かせません。
 鷲谷 里山などにも見られる通り、日本の自然は人が適度に利用したり、管理することで、多様性の高い自然が維持されているケースも少なくありません。維持・管理まで含めてトータルで事業を考えなければなりません。
 田端 公明党は失われた自然を再生し、自然と共生できる社会こそ、真の循環型社会と位置付け、2001年1月に、党独自で「自然再生推進法案」要綱をまとめました。
 その後、自民、公明、保守(当時)の与党3党でつくる「環境施策に関するプロジェクトチーム」に同要綱を提案。与党3等でまとめた法案に、民主党とも修正合意し、さらに、自由党の修正を加え、昨年12月に成立させることができました。
 自然環境を健全な姿に戻し、未来に残すという地球環境保全の取り組みが重要です。そのためにも、公明党は今後も政治的なリーダーシップを発揮していく決意です。
 鷲谷 公明党はいわば自然再生法の“生みの親”です。ですから今後、事業官庁の行き過ぎのチェックやNPOの支援などを図りながら、この法律がより生かされるよう取り組んでもらいたいと思います。


不法投棄撲滅のため、環境省に立入調査権を付与!

 2003年の通常国会に、廃棄物処理清掃法の一部改正案が提出される予定ですが、その際、不法投棄撲滅のため、田端正広が従来から主張し続けてきた環境省への報告徴収や立入調査権限の付与が盛り込まれることとなりました。
田端正広は循環型社会(ごみゼロ社会)を目指し、その一環として、不法投棄対策に今まで全力を尽くして参りました。
2000年8月、衆院環境委員会において田端正広が不法投棄の取り締まりに際し、県境を越えた業者の追及などをしやすくするため、国が監視や実態チェックの専門官を全国に配置するよう求めたほか、同10月、田端正広や冬柴鉄三幹事長らが森喜朗首相(当時)に不法投棄根絶のための早急な対策を講じるよう申し入れました。
 この中では、「不法投棄という抜け道をふさがなければ、真の循環型社会の構築はあり得ない」と強調、改めて環境Gメンの配置や、警察など関係機関との連携強化、さらに不法投棄の原状回復への仕組みづくりなどを求めていました。
 これに対し政府は、「環境省の職員等が地域で機動的に対処する方法をさらに検討する」と公明党に回答書を送付、環境省設置法を改正することにより、「地方環境対策調査官」(環境Gメン)の創設に踏み切り、2001年10月1日、全国9箇所に46名体制の地方環境対策調査官事務所が設置されました。
 更に、2002年12月4日の公明党環境部会で、部会長の田端正広は、今後の廃棄物・リサイクル制度のあり方について環境省から説明を受けた際、次期通常国会での廃棄物処理清掃法の改正の際、不法投棄対策への国の責任を明確にするため、地方環境調査官への立入調査権の付与等を盛り込むよう強く要請しました。このような田端の粘り強い提案でようやく実現する運びとなりました。
今回、環境省に立入調査権限等が導入されれば、国の関与が明確になり、実質的に地方環境調査官による不法投棄対策が大きく前進することになります。


国連人権委作業部会が拉致事件の再審査を決定!

 北朝鮮による拉致事件被害者を支援する会「救う会」が、2002年11月、外務省を通じて国連人権委員会の「強制失踪問題作業部会」に救済申込書を提出していた問題で、同作業部会は2002年12月4日、日本政府へ北朝鮮が「死亡」と発表した横田めぐみさんら8人を審査対象にすると連絡した。
 この問題では2001年4月、被害者家族らが同様の申し立てをしたが、北朝鮮が拉致を否定したため審査は打ち切られた。しかし、今回は北朝鮮が拉致を認めたことを受け、改めて審査の再開を求めた。
 作業部会は今後、北朝鮮などに情報提供を再度求め、得られた情報を家族に伝える予定。
 田端正広も2002年10月の衆院安全保障委員会で、拉致問題について外務省に対し「北朝鮮を国際社会の中に同引っ張り出すかが重要あり、是非、国連の場で委員会を設置するなど、何らかの形でこの問題を取り上げるよう努力してほしい」と要請した。これに対し、川口外務大臣は「国際社会の理解と協力を得て解決をするという考え方も大事であり、委員のおっしゃるような、国連の場で委員会をつくる、あるいはほかにあるかもしれませんけど、何が一番効果的な方法かということについて考えていきたい」と前向きな答弁をした。

対談 =自然環境を子供に残そう=平成14年11月25日付け 公明新聞掲載

 森林破壊や海洋汚染、動植物の絶滅など、自然生態系の破壊が進んでいる。生態系の重要性や保全に向けた取り組みについて、自然環境の保全活動を続けている財団法人日本生態系協会の池谷奉文会長と公明党環境部会長の田端正広衆議院議員に語り合ってもらった。

●公明党環境部会長 田端正広(写真左)

●(財)日本生態系協会会長 池谷奉文氏(写真右)
<いけや・ほうぶん>財団法人日本生態系協会会長、財団法人埼玉県生態系保護協会会長。国土審議会特別委員等を歴任。獣医師。



50年前に比べ、野鳥は100分の1

池谷奉文氏 私は、日本の野鳥を50年以上観察してきました。田端さん、50年前、国内に生息していた野鳥を100とすると、現在の野鳥の生息状態はどのくらいだと思いますか?
田端正広  3割ぐらいでしょうか。
池谷 違います。これまでに、99%が絶滅しました。
 今残っているのはわずかに1%です。北海道から沖縄まで昔の野鳥のコーラスが聞こえるところはもはや、皆無です。
田端 え?あまりにも衝撃的な数字です。
池谷 生態系はピラミッド型で構成されています。その上位にある野鳥が減ったということは、野鳥が食べていた昆虫も減っているということです。
 さらには昆虫が食べていた植物も減りました。つまり日本の生態系は50年前に比べ、100分の1程度の規模になってしまったということです。
 一見、われわれの周りには緑がありますが、それは人工的に作られたものであり、野生の生物が生息する自然の緑ではありません。例えば、国内には多くの山林がありますが、実際は人間が植栽したスギ、ヒノキといった単純林がほとんどです。見た目よりも、自然の“質”は確実に落ちているのです。
田端 日本生態系協会では、「水」「大気」「土」「太陽の光」、そしてこれらに支えられて生きている「さまざまな野生の生き物」――この五つの要素が複雑に関係しあって成り立つ自然の仕組みを、自然生態系と規定していますね。私は、生態系はまさに自然の循環だと思います。例えば海をきれいにするのであれば、まず森を豊にしなければなりません。
 その基本の発想が、現代社会では忘れられてしまい、利益追求型の大量生産、大量消費型社会になっています。そうした社会は、自然生態系を犠牲にすることで成り立っており、生態系の破壊は、最後には文明そのものの破壊につながります。
池谷 根本的には、文明のあり方に問題があります。欧米の文明は、自然を食いつぶしながら、人間の豊かさだけを追求してきましたが、もはや限界です。これからは、大人たちが自分たちの利益だけでなく、将来の世代である子供たちの利益を考え、持続可能な開発に転換しなければなりません。
 自然は人類の生存基盤であり、自然との共生なくして、持続的な発展はあり得ません。残念ながら、今の日本では、自然というのは“配慮”事項です。例えば新農業基本法では「環境との調和に配慮する」との表記があります。あくまで開発が優先で、「多少、自然環境に配慮しましょう」という程度の意識です。
田端 今夏、南アフリカ・ヨハネスブルグで行われた環境開発サミットに参加しました。テーマは「持続可能な発展」です。開催期間中に、GLOBE(地球環境国際議員連盟)の総会がありましたが、その中で、UNEP(国連環境会計)のクラウス・テプファー事務局長の「森林と海洋と経済はつながっている」と生態系保全の重要性を訴えたスピーチに感動しました。今、そうした警告に、人類がどう応えていくのかが問われています。
池谷 日本では「自然生態系を守ること」の意味が正しく理解されていません。例えば、ヒートアイランド(郊外に比べ都市部の気温が異常に高くなる)現象対策として、屋上緑化が進められていますが、地域の在来品種ではなく、外国品種を植えようとしています。 自然は、地域特性であり、そこにしかないのです。他の地域から持ち込んでも、生態系をまもることにはなりません。

欧米は日本に先行した取り組み

田端 欧米では、これまでの開発優先の在り方への反省から、日本に先行して生態系保全に取り組んでいますね。
池谷 法律まで変えて取り組んでいるのがドイツです。アメリカは連邦国家ですので、国家というより、各州がそれぞれ取り組んでいます。例えば、メリーランド州では、すべての事業を“自然環境と調和し、持続可能な社会を築けるか”という視点で見直し、すでに五つの高速道路の建設を中止しました。
 また、フロリダ州では、住民投票を行って、農家の持っている土地を買い上げました。そのために消費税を上げて、国民も応分の負担をし、自然環境を将来の世代である子供たちに残そうとしています。
 また、ヨーロッパでは、ごみが出る最大の原因は、大量生産にあるという考え方に立っています。大量生産しておいて、いくら大量にリサイクルしてもごみ問題は解決しません。ですから政府は大量生産を止めるため、消費量は今後右肩下がりであるべきことを国民に提示し、理解を求めています。
田端 今後、生態系を守っていく上で必要な事は何でしょう。
池谷 残された自然を守ることは当然ですが、一人ひとりが自然と共生する事です。まず学校や家の庭にビオトープ(地域の野生生物の生活空間)をつくり、地域の自然を取り戻す。そこから「街路樹の作り方を変えていこう」「都市公園の在り方はどうすべきか」といった議論になっていくと思います。例えばドイツでは、家の庭を、芝生ではなく、ビオトープにする意味を学校などで教え、街づくりに生かしています。
田端 日本では開発などで失われた自然林や湿原、干潟などを回復させるために、与党3党などが提案した自然再生推進法案が、今月19日に衆議院を通過しました。地域の自然再生事業にNPO(民間非営利団体)や住民らが計画段階から参加する法律案です。
池谷 画期的なことです。これまで政府は縦割り行政の弊害で、各省がばらばらに環境施策を進めてきましたが、この法律ができることによって、各省が協力しなければならなくなります。
 また、今回の法律案で重要なのは、NPOやNGO(非政府組織)の責任が問われるという点です。しっかりした計画を持って、国民の皆さんに提示しなければ、われわれの存在意義も問われてしまいます。
田端 NPOやNGOの皆さんはいわば“主人公”であり、重要な役割を担っています。この法律ができれば、自然再生事業の計画段階から実施、維持管理に至るまで参加していく事になります。行政側が上から提示して事業を行うのではなく、地域住民が意見を出して、合意したものを実施していくという、ボトムアップ方式を採用するわけです。
池谷 民主主義社会をリードするのは実は、NPOやNGOなのです。行政機関は担当者が2〜3年で交代してしまい、環境行政のプロがなかなか育ちません。ですから、自然環境を守るプロであるNPOやNGOが行動しなければ持続可能な社会は築けません。
田端 今世紀は自然との共生の時代であり、この地球の環境を健全な姿に戻し、未来に残すという地球環境保全の取り組みが何よりも重要です。そのためにも、公明党は今後も政治的なリーダーシップを発揮していく決意です。
池谷 自然環境は国家の最大の基本財産であり、これをどう守るかが、最大課題なのです。しかし、今までの経済優先のシステムでは、21世紀の日本をリードする事は不可能です。かつての自民党単独政権では、大企業との関係が深く、今の経済システムを変革する事は難しかったと思います。そういう意味で、政府・与党の中に公明党の存在する意義は大きく、今後の取り組みに期待しています。

自然再生推進法が成立

 開発などで過去に損なわれた自然環境を取り戻す自然再生事業を総合的に推進するために、与党3党などが議員立法で提案している自然再生推進法案が、12月6日の参院本会議で与党3党のほか、民主党の賛成多数で可決され、成立した。この自然再生自然再生推進法案は、公明党がいち早く提案した要綱案をたたき台にしたもの。施行日は平成15年1月1日。

自然再生推進法(全文)

 (目的)

第一条 この法律は、自然再生についての基本理念を定め、及び実施者等の責務を明らかにするとともに、自然再生基本方針の策定その他の自然再生を推進するために必要な事項を定めることにより、自然再生に関する施策を総合的に推進し、もって生物の多様性の確保を通じて自然と共生する社会の実現を図り、あわせて地球環境の保全に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「自然再生」とは、過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことを目的として、関係行政機関、関係地方公共団体、地域住民、特定非営利活動法人(特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人をいう。以下同じ。)、自然環境に関し専門的知識を有する者等の地域の多様な主体が参加して、河川、湿原、干潟、藻場、里山、里地、森林その他の自然環境を保全し、再生し、若しくは創出し、又はその状態を維持管理することをいう。

2 この法律において「自然再生事業」とは、自然再生を目的として実施される事業をいう。

3 この法律において「土地の所有者等」とは、土地若しくは木竹の所有者又は土地若しくは木竹の使用及び収益を目的とする権利、漁業権若しくは入漁権(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者をいう。

 (基本理念)

第三条 自然再生は、健全で恵み豊かな自然が将来の世代にわたって維持されるとともに、生物の多様性の確保を通じて自然と共生する社会の実現を図り、あわせて地球環境の保全に寄与することを旨として適切に行われなければならない。

2 自然再生は、関係行政機関、関係地方公共団体、地域住民、特定非営利活動法人、自然環境に関し専門的知識を有する者等の地域の多様な主体が連携するとともに、透明性を確保しつつ、自主的かつ積極的に取り組んで実施されなければならない。

3 自然再生は、地域における自然環境の特性、自然の復元力及び生態系の微妙な均衡を踏まえて、かつ、科学的知見に基づいて実施されなければならない。

4 自然再生事業は、自然再生事業の着手後においても自然再生の状況を監視し、その監視の結果に科学的な評価を加え、これを当該自然再生事業に反映させる方法により実施されなければならない。

5 自然再生事業の実施に当たっては、自然環境の保全に関する学習(以下「自然環境学習」という。)の重要性にかんがみ、自然環境学習の場として活用が図られるよう配慮されなければならない。

 (国及び地方公共団体の責務)

第四条 国及び地方公共団体は、地域住民、特定非営利活動法人その他の民間の団体等が実施する自然再生事業について、必要な協力をするよう努めなければならない。

 (実施者の責務)

第五条 この法律に基づいて自然再生事業を実施しようとする者(河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)その他の法律の規定に基づき自然再生事業の対象となる区域の一部又は全部を管理する者からの委託を受けて自然再生事業を実施しようとする者を含む。以下「実施者」という。)は、基本理念にのっとり、自然再生事業の実施に主体的に取り組むよう努めなければならない。

 (他の公益との調整)

第六条 自然再生は、国土の保全その他の公益との調整に留意して実施されなければならない。

 (自然再生基本方針)

第七条 政府は、自然再生に関する施策を総合的に推進するための基本方針(以下「自然再生基本方針」という。)を定めなければならない。

2 自然再生基本方針には、次の事項を定めるものとする。

 一 自然再生の推進に関する基本的方向

 二 次条第一項に規定する協議会に関する基本的事項

 三 次条第二項第一号の自然再生全体構想及び第九条第一項に規定する自然再生事業実施計画の作成に関する基本的事項

 四 自然再生に関して行われる自然環境学習の推進に関する基本的事項

 五 その他自然再生の推進に関する重要事項

3 環境大臣は、あらかじめ農林水産大臣及び国土交通大臣と協議して自然再生基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

4 環境大臣は、自然再生基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、広く一般の意見を聴かなければならない。

5 環境大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、自然再生基本方針を公表しなければならない。

6 自然再生基本方針は、自然再生事業の進捗状況等を踏まえ、おおむね五年ごとに見直しを行うものとする。

7 第三項から第五項までの規定は、自然再生基本方針の変更について準用する。

 (自然再生協議会)

第八条 実施者は、次項に規定する事務を行うため、当該実施者のほか、地域住民、特定非営利活動法人、自然環境に関し専門的知識を有する者、土地の所有者等その他の当該実施者が実施しようとする自然再生事業又はこれに関連する自然再生に関する活動に参加しようとする者並びに関係地方公共団体及び関係行政機関からなる自然再生協議会(以下「協議会」という。)を組織するものとする。

2 協議会は、次の事務を行うものとする。

 一 自然再生全体構想を作成すること。

 二 次条第一項に規定する自然再生事業実施計画の案について協議すること。

 三 自然再生事業の実施に係る連絡調整を行うこと。

3 前項第一号の自然再生全体構想(以下「自然再生全体構想」という。)は、自然再生基本方針に即して、次の事項を定めるものとする。

 一 自然再生の対象となる区域

 二 自然再生の目標

 三 協議会に参加する者の名称又は氏名及びその役割分担

 四 その他自然再生の推進に必要な事項

4 協議会の組織及び運営に関して必要な事項は、協議会が定める。

5 協議会の構成員は、相協力して、自然再生の推進に努めなければならない。

 (自然再生事業実施計画)

第九条 実施者は、自然再生基本方針に基づき、自然再生事業の実施に関する計画(以下「自然再生事業実施計画」という。)を作成しなければならない。

2 自然再生事業実施計画には、次の事項を定めるものとする。

 一 実施者の名称又は氏名及び実施者の属する協議会の名称

 二 自然再生事業の対象となる区域及びその内容

 三 自然再生事業の対象となる区域の周辺地域の自然環境との関係並びに自然環境の保全上の意義及び効果

 四 その他自然再生事業の実施に関し必要な事項

3 実施者は、自然再生事業実施計画を作成しようとするときは、あらかじめ、その案について協議会において十分に協議するとともに、その協議の結果に基づいて作成しなければならない。

4 自然再生事業実施計画は、自然再生全体構想と整合性のとれたものでなければならない。

5 実施者は、自然再生事業実施計画を作成したときは、主務省令で定めるところにより、遅滞なく、主務大臣及び当該自然再生事業実施計画に係る自然再生事業の対象となる区域の所在地を管轄する都道府県知事に、当該自然再生事業実施計画の写し(当該自然再生事業実施計画の添付書類の写しを含む。以下同じ。)及び当該自然再生事業実施計画に係る自然再生全体構想の写し(当該自然再生全体構想の添付書類の写しを含む。以下同じ。)を送付しなければならない。

6 主務大臣及び都道府県知事は、前項の規定により自然再生事業実施計画の写し及び自然再生全体構想の写しの送付を受けたときは、実施者に対し、当該自然再生事業実施計画に関し必要な助言をすることができる。この場合において、主務大臣は、第十七条第二項の自然再生専門家会議の意見を聴くものとする。

7 第三項から前項までの規定は、自然再生事業実施計画の変更について準用する。

 (維持管理に関する協定)

第十条 自然再生事業の対象区域の全部又は一部について自然再生に係る維持管理を実施しようとする実施者は、当該区域の土地の所有者等と協定を締結して、その維持管理を行うことができる。

 (実施者の相談に応じる体制の整備)

第十一条 主務大臣は、実施者の相談に的確に応じることができるよう必要な体制の整備を図るものとする。

 (自然再生事業の実施についての配慮)

第十二条 国の行政機関及び関係地方公共団体の長は、自然再生事業実施計画に基づく自然再生事業の実施のため法令の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該自然再生事業が円滑かつ迅速に実施されるよう、適切な配慮をするものとする。

 (自然再生事業の進捗状況等の公表)

第十三条 主務大臣は、毎年、自然再生事業の進捗状況を公表しなければならない。

2 主務大臣は、第九条第五項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定により自然再生事業実施計画の写し及び自然再生全体構想の写しの送付を受けたときは、これを公表しなければならない。

 (自然再生事業実施計画の進捗状況の報告)

第十四条 主務大臣は、主務省令で定めるところにより、自然再生事業実施計画に基づき自然再生事業を実施する者に対し、当該自然再生事業実施計画の進捗状況について報告を求めることができる。

 (財政上の措置等)

第十五条 国及び地方公共団体は、自然再生を推進するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

 (自然再生に関するその他の措置)

第十六条 国及び地方公共団体は、自然再生に関して行われる自然環境学習の振興及び自然再生に関する広報活動の充実のために必要な措置を講ずるものとする。

2 国及び地方公共団体は、地域住民、特定非営利活動法人、自然環境に関し専門的知識を有する者等が行う自然再生に関する活動の促進に資するため、自然再生に関する情報を適切に提供するよう努めるものとする。

3 国及び地方公共団体は、自然再生に関する研究開発の推進、その成果の普及その他の自然再生に関する科学技術の振興を図るものとする。

4 国及び地方公共団体は、自然再生事業の実施に関連して、地域の環境と調和のとれた農林水産業の推進を図るものとする。

 (自然再生推進会議)

第十七条 政府は、環境省、農林水産省、国土交通省その他の関係行政機関の職員をもって構成する自然再生推進会議を設け、自然再生の総合的、効果的かつ効率的な推進を図るための連絡調整を行うものとする。

2 環境省、農林水産省及び国土交通省は、自然環境に関し専門的知識を有する者によって構成する自然再生専門家会議を設け、前項の連絡調整を行うに際しては、その意見を聴くものとする。

 (主務大臣等)

第十八条 この法律における主務大臣は、環境大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣とする。

2 この法律における主務省令は、環境大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣の発する命令とする。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、平成十五年一月一日から施行する。

2 この法律の施行後五年を経過するまでの間は、自然再生事業については、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)の施行状況その他土地の形状の変更、工作物の新設等の事業に係る自然環境の保全上の支障を防止するための措置の実施状況等に留意して、適正な配慮がなされるものとする。

 (検討)

3 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

     理 由

 自然と共生する社会の実現を図るとともに、地球環境の保全に寄与するため、自然再生についての基本理念を定め、及び実施者等の責務を明らかにするとともに、自然再生基本方針の策定その他の自然再生を推進するために必要な事項を定めることにより、自然再生に関する施策を総合的に推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


迫られるヒートアイランド対策  都市に水と緑と潤いを         
 
                           公明新聞 H14/10/6付
    

【写真】今後の都市構造のあり方について対談

 毎年夏になると話題になる都心の猛烈な暑さ。その元凶であるヒートアイランド現象の実態と、解消に向けた取組について、公明党循環型社会推進会議(エコ・ジャパン会議)議長の田端正広と、建築・都市環境工学が専門の尾島俊雄・早稲田大学建築学科教授に語り合ってもらいました。

〈尾島俊雄氏〉(写真左)
早稲田大学大学院博士課程修了。日本学術会議会員。社団法人日本地域冷暖房協会理事長。早稲田大学理工学部長。日本建築学会会長等を歴任。
 

田端正広 尾島教授は著書「熱くなる大都市」で、都市部で進行しつつあるヒートアイランド現象に着目され、早急に対策を講じるよう警告されました。残念なことに、その後20年以上がたちましたが、本格的な対策がなされないまま、今日に至っています。その間、都市の発達とともに、この現象はより広域化し、都市環境への影響は深刻の度を増しています。
 特に夏、夜の外気温が25℃以上になる熱帯夜や、日中の最高気温が30℃を超える真夏日数が急増し、1990年代に入ってからは38℃の日も出現している。熱帯夜は東京では30日、大阪では40日を超えています。
 さらに、都市部で起こる局地的な集中豪雨や落雷、熱中症の増加などもヒートアイランド現象が関係していると考えられています。

尾島俊雄氏 この10年で地球の平均温度は0.6℃上昇していますが、東京の平均温度は約3℃と5倍の速度で上昇しています。日本では、東京のほか、名古屋、大阪など大都市で特に上昇が目立ちます。
 その原因は、まず都市の構造そのものに問題があります。第一に地表面を道路舗装のアスファルトと、コンクリートとガラスの高層建物で覆っている点です。これらアスファルトやコンクリートは、太陽の熱を大量に吸収すると同時に、その熱は放射熱として空気中に放出され、都市の温度を上昇させるのです。
 第二に、林立する高層の建物は、海や山からの冷気をもたらす風をさえぎる。都心を熱を溜めやすい構造にしてしまいました。
 第三に、最大の原因は、こうした構造の中で、建物の冷房、コンピューターの普及に伴って、都市の排熱量が膨れあがっているという点です。そこに都心への居住が進み、こうした事態に拍車をかけています。ますます解決が困難な状況になっています。

田端 政府はようやく9月、ヒートアイランド現象に歯止めをかける対策を総合的に進めるため、環境、国土交通、経済産業各省と内閣府(都市再生本部)の4府省でつくる「ヒートアイランド対策関係府省連絡会議」を発足させました。今年度中にも同現象の解消に向け、大綱や計画などをとりまとめる方針だということです。

「水の道」「緑の道」「風の道」

尾島 日本のヒートアイランド現象は、私が75年に著作を出版したころ、公明党の議員が国会でこの問題を質問したことから、気象研究所でこの現象が確認されました。
 今度こそ、地球温暖化対策の最先端にある都市大気熱汚染を抜本的に究明し、対策を講じて欲しいのです。
 実は、米国のマンハッタンでも、60年代、激しいヒートアイランド現象(平均気温が4℃上昇)に見舞われましたが克服しています。マンハッタンの街並みを思い描いて下さい。超高層のビルが立ち並んでいる半面、周りに水と緑が豊富にあります。セントラルパークという大きな公園があり、イーストリバーとハドソン川、そして湾がある。あふれる水と緑が都市の熱を冷ましているのです。さらに、ワールドトレードセンターなどの建物から出される排熱もハドソン川の水を使って処理されています。水の冷却効果が非常に多きことが証明されています。
 また、都市近郊から通勤などで流入する自動車を抑制するため、徹底してこの20年間で住民の都心への居住を進め、自動車の量を減らしたことも大きい。シカゴもそうです。ミシガン湖からくる風をうまく取り入れています。
 つまり、「水の道」「緑の道」「風の道」をつくり、建物排熱の処理システムも構築したということです。
 日本の大都市は戦後急拡大したものです。これから50年かけ、冷房不要な都市生活を営める街をつくることができるはずです。いや30年もあれば、日本の大都市も水と緑と風の道によって潤いのある街に十分戻せます。

経済と環境は車の両輪

田端 公明党はこれまで、環境問題への取組として、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会から、資源を効率的に使う循環型社会への転換を図るため、循環型社会形成推進基本法など数々の法整備を実現する一方、エコタウン(循環型都市)高層をまとめ首相に早期実現を申し入れてきました。その一部は、既に政府の都市再生プロジェクト(「大都市のごみゼロ型都市への再構築」)の一つとして具体化されるなど、さまざまな取組が始まっています。
 循環型社会を構築していくには環境問題を無視することはできません。ヒートアイランド現象は、地球温暖化に密接に絡んだ地球的規模の大きな環境問題です。その意味で、ヒートアイランド対策をさらに加速さえるには、立法化を含めた対応が必要だと考えます。
 また、都市構造のあり方など、今後、具体的な対策を講じていく上で自然循環の考え方を取り入れていかないと、この問題は根本的には解決できない気がします。

尾島 その通りです。自然循環を上手に取り入れた人口の循環系をつくることが必要です。自然循環の仕組みを十分に理解した上で、都市構造や工学的な仕掛けに生かしていく。民間まかせでは都市の構造まで変えることはできません。
 そのためには行政がまずその道筋を示すことです。そして大深度地下(地表から40b以上の地下空間)を利用した都市排熱処理システムなど、技術開発に対する公的支援が求められます。
 さらに、ヒートアイランド現象は、地球温暖化を加速する最大の原因とも考えられており、化石燃料エネルギーを大量に消費する私たちの日常のライフスタイルそのものを変えない限り、この問題は解決しません。その意味で、都市排熱対策への国民の合意形成と、意識変革への取組が強く求められます。

田端 この100年間で、都市の発達とともに、私たちの生活環境そのものがおかしくなっている。そこをどう取り戻すのか。今夏、南アフリカ共和国のヨハネスブルグで開かれた環境開発サミットでは、「持続可能な発展」がテーマとなりました。
 経済と環境は車の両輪です。今後は経済発展を考える上で、環境とどうバランスをとっていくかが非常に重要となります。その意味で、国民の意識改革を含めて政治の責任は重大です。
 わが国としても、ヒートアイランド対策を通じ、環境先進立国として世界にリーダーシップを示すチャンスでもあります。

尾島 この問題は、すべての人間活動が熱大気汚染の原因になることから、加害者が被害者になるといえます。そのことを考えれば、繰り返し申し上げますが、多様な分野の研究者や行政の対応が求められます。
 そしてこの問題は、日本ばかりではなく、建設ラッシュが続く北京、上海、バンコクなどアジアの都市の明日の問題でもあるということです。彼らは日本がどう舵を切るか関心を持って見守っています。
 アジアの環境対策を進める上でも、今のうちに日本が解決しておくべき問題なのです。環境の党・公明党の取組に期待します。



自然再生推進法案(最終合意案)H14/7/23

 自民、公明、保守の与党3党と民主党は24日午後、与党3党が議員立法を目指している自然再生推進法案を修正し、4党共同提案で今国会に提出した。ただ会期末が近いため、同法案は継続審議とし、秋の臨時国会での成立を目指す。
 同法案は、湿原や里山など開発によって損なわれた自然を復元するのが目的。事業の計画段階から地域住民やNPO(民間非営利団体)が参加できる。修正案では、再生事業の対象が、廃棄物処理ではないことを明記するため、「生物の多様性の確保」を法案の目的に追加した。
 公明党は党エコ・ジャパン会議(循環型社会推進会議=田端正広議長)が1月24日に発表した法案要綱を基に5月22日に与党として要綱を取りまとめるなど、与党内の議論を一貫してリードしてきた。
 同法案については、与党が超党派での提案と、早期成立を目指し、民主党と7月11日から4回にわたり法案修正について協議。その結果、同16日に民主党も評価する修正案がまとまった。
 しかし、民主党は同18日の党環境部会で一転、修正は「要求通りの満額回答」としながらも、「法案は参考人質疑などを行い、慎重に審議した方がいい」と、継続審議を決定したため、国会への提出が遅れていた。

自然再生推進法案全文(最終合意案)下線部分が修正箇所

 (目的)

第一条 この法律は、自然再生についての基本理念を定め、及び実施者等の責務を明らかにするとともに、自然再生基本方針の策定その他の自然再生を推進するために必要な事項を定めることにより、自然再生に関する施策を総合的に推進し、もって生物の多様性の確保を通じて自然と共生する社会の実現を図り、あわせて地球環境の保全に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「自然再生」とは、過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことを目的として、関係行政機関、関係地方公共団体、地域住民、特定非営利活動法人(特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人をいう。以下同じ。)、自然環境に関し専門的知識を有する者等の地域の多様な主体が参加して、河川、湿原、干潟、藻場、里山、里地、森林その他の自然環境を保全し、再生し、若しくは創出し、又はその状態を維持管理することをいう。

2 この法律において「自然再生事業」とは、自然再生を目的として実施される事業をいう。

3 この法律において「土地の所有者等」とは、土地若しくは木竹の所有者又は土地若しくは木竹の使用及び収益を目的とする権利、漁業権若しくは入漁権(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者をいう。

 (基本理念)

第三条 自然再生は、健全で恵み豊かな自然が将来の世代にわたって維持されるとともに、生物の多様性の確保を通じて自然と共生する社会の実現を図り、あわせて地球環境の保全に寄与することを旨として適切に行われなければならない。

2 自然再生は、関係行政機関、関係地方公共団体、地域住民、特定非営利活動法人、自然環境に関し専門的知識を有する者等の地域の多様な主体が連携するとともに、透明性を確保しつつ、自主的かつ積極的に取り組んで実施されなければならない。

3 自然再生は、地域における自然環境の特性、自然の復元力及び生態系の微妙な均衡を踏まえて、かつ、科学的知見に基づいて実施されなければならない。

4 自然再生事業は、自然再生事業の着手後においても自然再生の状況を監視し、その監視の結果に科学的な評価を加え、これを当該自然再生事業に反映させる方法により実施されなければならない。

5 自然再生事業の実施に当たっては、自然環境の保全に関する学習(以下「自然環境学習」という。)の重要性にかんがみ、自然環境学習の場として活用が図られるよう配慮されなければならない。

 (国及び地方公共団体の責務)

第四条 国及び地方公共団体は、地域住民、特定非営利活動法人その他の民間の団体等が実施する自然再生事業について、必要な協力をするよう努めなければならない。

 (実施者の責務)

第五条 この法律に基づいて自然再生事業を実施しようとする者(河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)その他の法律の規定に基づき自然再生事業の対象となる区域の一部又は全部を管理する者からの委託を受けて自然再生事業を実施しようとする者を含む。以下「実施者」という。)は、基本理念にのっとり、自然再生事業の実施に主体的に取り組むよう努めなければならない。

 (他の公益との調整)

第六条 自然再生は、国土の保全その他の公益との調整に留意して実施されなければならない。

 (自然再生基本方針)

第七条 政府は、自然再生に関する施策を総合的に推進するための基本方針(以下「自然再生基本方針」という。)を定めなければならない。

2 自然再生基本方針には、次の事項を定めるものとする。

 一 自然再生の推進に関する基本的方向

 二 次条第一項に規定する協議会に関する基本的事項

 三 次条第二項第一号の自然再生全体構想及び第九条第一項に規定する自然再生事業実施計画の作成に関する基本的事項

 四 自然再生に関して行われる自然環境学習の推進に関する基本的事項

 五 その他自然再生の推進に関する重要事項

3 環境大臣は、あらかじめ農林水産大臣及び国土交通大臣と協議して自然再生基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

4 環境大臣は、自然再生基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、広く一般の意見を聴かなければならない。

5 環境大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、自然再生基本方針を公表しなければならない。

6 自然再生基本方針は、自然再生事業の進捗状況等を踏まえ、おおむね五年ごとに見直しを行うものとする。

7 第三項から第五項までの規定は、自然再生基本方針の変更について準用する。

 (自然再生協議会)

第八条 実施者は、次項に規定する事務を行うため、当該実施者のほか、地域住民、特定非営利活動法人、自然環境に関し専門的知識を有する者、土地の所有者等その他の当該実施者が実施しようとする自然再生事業又はこれに関連する自然再生に関する活動に参加しようとする者並びに関係地方公共団体及び関係行政機関からなる自然再生協議会(以下「協議会」という。)を組織するものとする。

2 協議会は、次の事務を行うものとする。

 一 自然再生全体構想を作成すること。

 二 次条第一項に規定する自然再生事業実施計画の案について協議すること。

 三 自然再生事業の実施に係る連絡調整を行うこと。

3 前項第一号の自然再生全体構想(以下「自然再生全体構想」という。)は、自然再生基本方針に即して、次の事項を定めるものとする。

 一 自然再生の対象となる区域

 二 自然再生の目標

 三 協議会に参加する者の名称又は氏名及びその役割分担

 四 その他自然再生の推進に必要な事項

4 協議会の組織及び運営に関して必要な事項は、協議会が定める。

5 協議会の構成員は、相協力して、自然再生の推進に努めなければならない。

 (自然再生事業実施計画)

第九条 実施者は、自然再生基本方針に基づき、自然再生事業の実施に関する計画(以下「自然再生事業実施計画」という。)を作成しなければならない。

2 自然再生事業実施計画には、次の事項を定めるものとする。

 一 実施者の名称又は氏名及び実施者の属する協議会の名称

 二 自然再生事業の対象となる区域及びその内容

 三 自然再生事業の対象となる区域の周辺地域の自然環境との関係並びに自然環境の保全上の意義及び効果

 四 その他自然再生事業の実施に関し必要な事項

3 実施者は、自然再生事業実施計画を作成しようとするときは、あらかじめ、その案について協議会において十分に協議するとともに、その協議の結果に基づいて作成しなければならない。

4 自然再生事業実施計画は、自然再生全体構想と整合性のとれたものでなければならない。

5 実施者は、自然再生事業実施計画を作成したときは、主務省令で定めるところにより、遅滞なく、主務大臣及び当該自然再生事業実施計画に係る自然再生事業の対象となる区域の所在地を管轄する都道府県知事に、当該自然再生事業実施計画の写し(当該自然再生事業実施計画の添付書類の写しを含む。以下同じ。)及び当該自然再生事業実施計画に係る自然再生全体構想の写し(当該自然再生全体構想の添付書類の写しを含む。以下同じ。)を送付しなければならない。

6 主務大臣及び都道府県知事は、前項の規定により自然再生事業実施計画の写し及び自然再生全体構想の写しの送付を受けたときは、実施者に対し、当該自然再生事業実施計画に関し必要な助言をすることができる。この場合において、主務大臣は、第十七条第二項の自然再生専門家会議の意見を聞くことができる。

7 第三項から前項までの規定は、自然再生事業実施計画の変更について準用する。

 (維持管理に関する協定)

第十条 自然再生事業の対象区域の全部又は一部について自然再生に係る維持管理を実施しようとする実施者は、当該区域の土地の所有者等と協定を締結して、その維持管理を行うことができる。

 (実施者の相談に応じる体制の整備)

第十一条 主務大臣は、実施者の相談に的確に応じることができるよう必要な体制の整備を図るものとする。

 (自然再生事業の実施についての配慮)

第十二条 国の行政機関及び関係地方公共団体の長は、自然再生事業実施計画に基づく自然再生事業の実施のため法令の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該自然再生事業が円滑かつ迅速に実施されるよう、適切な配慮をするものとする。

 (自然再生事業の進捗状況等の公表)

第十三条 主務大臣は、毎年、自然再生事業の進捗状況を公表しなければならない。

2 主務大臣は、第九条第五項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定により自然再生事業実施計画の写し及び自然再生全体構想の写しの送付を受けたときは、これを公表しなければならない。

 (自然再生事業実施計画の進捗状況の報告)

第十四条 主務大臣は、主務省令で定めるところにより、自然再生事業実施計画に基づき自然再生事業を実施する者に対し、当該自然再生事業実施計画の進捗状況について報告を求めることができる。

 (財政上の措置等)

第十五条 国及び地方公共団体は、自然再生を推進するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

 (自然再生に関するその他の措置)

第十六条 国及び地方公共団体は、自然再生に関して行われる自然環境学習の振興及び自然再生に関する広報活動の充実のために必要な措置を講ずるものとする。

2 国及び地方公共団体は、地域住民、特定非営利活動法人、自然環境に関し専門的知識を有する者等が行う自然再生に関する活動の促進に資するため、自然再生に関する情報を適切に提供するよう努めるものとする。

3 国及び地方公共団体は、自然再生に関する研究開発の推進、その成果の普及その他の自然再生に関する科学技術の振興を図るものとする。

4 国及び地方公共団体は、自然再生事業の実施に関連して、地域の環境と調和のとれた農林水産業の推進を図るものとする。

 (自然再生推進会議)

第十七条 政府は、環境省、農林水産省、国土交通省その他の関係行政機関の職員をもって構成する自然再生推進会議を設け、自然再生の総合的、効果的かつ効率的な推進を図るための連絡調整を行うものとする。

2  環境省、農林水産省及び国土交通省は、自然環境に関し専門的知識を有する者によって構成する自然再生専門会議を設け、前項の連絡調整を行うに際しては、その意見を聴くものとする。

 (主務大臣等)

第十八条 この法律における主務大臣は、環境大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣とする。

2 この法律における主務省令は、環境大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣の発する命令とする。

   附 則

(施行期日)

 この法律は、平成十四年十月一日から施行する。

(検討)

2  政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

     理 由

 自然と共生する社会の実現を図るとともに、地球環境の保全に寄与するため、自然再生についての基本理念を定め、及び実施者等の責務を明らかにするとともに、自然再生基本方針の策定その他の自然再生を推進するために必要な事項を定めることにより、自然再生に関する施策を総合的に推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。



公明新聞解説ワイドH14/7/18掲載

カネミ油症 患者の救済策が前進

 わが国の戦後最大の食品公害「カネミ油症事件」―――。15年も前に判決の和解が成立して“決着済みの過去の出来事”と思われてきた油症問題だが、その健康被害の主な原因がこれまで言われてきたPCB(ポリ塩化ビフェニール)ではなく、ダイオキシン類のPCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)だと昨年末に国が認めたことで、カネミ油症対策はいま、新たな展開を向かえている。ダイオキシンを主原因とした新たな診断基準づくりや被害者の救済対策の充実に向けた働きと今後の課題についてまとめるとともに、油症被害者の救済活動を続ける「油症医療恒久救済対策協議会」の矢野忠義会長、党ダイオキシン対策本部長の田端正広衆院議員に、油症問題と公明党の取り組みについて語ってもらった。

 

◆油症問題の背景

 カネミ油症事件は、北九州市の食品メーカー「カネミ倉庫」で1968年2月に製造出荷された米ぬか油に熱媒体のPCBが混入、これを摂取した福岡、長崎県などの人たちに健康障害が多発したもの。西日本を中心に届けを出した人だけで1万4000人を越える多数の被害者を出した一大食品公害だ。

 油症は、全身に黒色にきびなどの吹き出物が出たり、皮膚が黒ずむ色素沈着などの皮膚症状をはじめ、目やにが出たり、倦怠感や頭痛、目まい、下痢と便秘を繰り返すなど、さまざまな症状が認められた。

 こうした症状は、ダイオキシン類による健康被害の症状によく似ていたが、旧厚生省は72年、油症の主原因をPCBの毒性によるものとして、皮膚症状を中心とした診断基準を作成。これによって、届け出た1万4000人のうち、これまで認定を受けた患者は、わずか1870人にとどまっている。

 しかし、厚生労働省が立ち上げた「油症治療研究班」は75年、被害を引き起こした米ぬか油の中に熱媒体のPCBが存在することを突き止め、その2年後には、患者の体内にもPCBが存在することを確認。それ以降、患者の血液からはPCBよりはるかに毒性が強いPCDFが次々と検出されてるようになった。その後の研究で、PCBが過熱されると非常に毒性の高いPCDFが生成されることが判明した。

 油症研究班がまとめた報告書には、「油症を惹起した主役は、当初考えられたPCBではなく、原因ライスオイル(米ぬか油)に中の含量がPCBの約200分の1に過ぎないPCDFが、むしろ圧倒的に重要な役割を演じている」との記載もある。

 少なくとも80年代後半には「主原因はPCDFであり、それはダイオキシン類の1つだ」ということが明確になっていたにもかかわらず、これまで10年以上も診断基準を見直さずにきた点は、硬直した官僚の体質、姿勢が厳しく問われるものといえる。

 そうした中で、坂口厚生労働相(公明党)は、昨年12月の参院決算委で診断基準について「PCBが主原因であり、即刻見直したい」と名言、カネミ油症対策の前進につながる意義ある突破口を開いた。

 

対策のポイント =全国で血中濃度(PCDF)検査健康管理で相談員を創設=

 坂口厚生労働相が油症の原因物質をPCDFと判断したことは、患者の認定を行う「油症判断基準」について、その症状だけではなく、PCDFの血中濃度を重視する内容に見直すことを意味する。

 このため、油症研究班は早速、今年2月に「油症診断基準再評価委員会」を設置し、「油症判断基準」「油症治療指針」を再評価するための検討に着手した。また、患者のPCDFの血中濃度測定については、昨年度は福岡県だけで実施したが、今年度からは、対象を全国規模に拡大し、油症患者は検診の際、本人の希望で、PCDF濃度も測定できるようにすることを確認した。この検診は長崎県を皮切りに、7月下旬からスタートしていく。

 また、従来、地域ごとに行ってきた年1回の検診体制については、今年度から、長崎、福岡両県での検診では、婦人科医による問診の実施が決定。この結果を見て、今後の婦人科検診を検討していくことにしている。

 さらに、健康不安に悩む患者の健康管理と精神的健康を充実させるため、今年度から新たに「油症相談員制度」を創設。長崎県に2人、福岡県に1人、看護士などの資格を持つ人を配置し、検診時に限らず訪問活動などで、患者の相談を受けることにしている。

 このほか、油症研究班には疫学の専門家を2人追加し、他のダイオキシン類の研究班との連携も強化された。

 

今後の課題  =仮払金返還問題は人道的視点で解決を=

 油症患者側にとって、こうした診断基準の見直しや健康不安を解消する対策が前進する意義は極めて大きい。

 ただ、油症問題の全面解決には「仮払金返還問題」について決着をつける必要がある。

 カネミ油症裁判の和解から10年後の1997年、国は患者達に突如、「仮払金を払う根拠はなくなっており、患者側の不当利得にあたる」として、一審での患者側勝訴に伴って支払われた国からの損害賠償の仮払金、総額27億円の返済を求めた。

 請求額は、患者1人当たり300万〜400万円。既に患者の多くは年金生活者になっており、長年さまざまな症状に悩まされ続け、仕事にも就けない事情を考えれば、極めて過酷なものといえよう。この請求を苦に肉親が自殺したり、離婚騒動に発展したりするなど、波紋も広がっている。

 この問題で「油症医療恒久救済対策協議会」の矢野会長らは、6月28日、農林水産省を訪れ、仮払金返済の免除を求める武部農水相あての要請書を提出した。

 「国が約9年間も返済請求の手続きを放置せず、速やかに手続きを行っていれば大勢の人は返済できたのではないか」――。患者の苦しみは今日もまだ続いている。人道的な視点に立って解決が求められる課題でもある。

 

坂口厚生労働相、公明の対応に感謝 

 油症医療恒久救済対策協議会 矢野忠義 会長

〜闇の中で“希望の光”見た思い〜

 油症事件以来34年間、私たち油症被害者はダイオキシンの影響による疾病のために、治療法もないまま、長く苦しい生活を余儀なくされてきました。そしてその間、関係省庁、油症治療治療班に対し、「油症被害の原因は、従来言われてきたPCBではなく、ダイオキシン類のPCDFによる中毒である」と事あるごとに診断基準の見直しを訴えつづけてきたのです。

 そうした中、この30年間にわたる訴えは、昨年12月の参院決算委員会で公明党の山下栄一議員の質問に対し、坂口力厚生労働大臣(公明党)が「カネミ油症はダイオキシン類による被害だ」と表明したことで一気に結実しました。まさに、暗い闇の中で希望の光明を見いだしたような画期的な発言でした。

 さらに坂口大臣が油症診断基準の見直しとともに、健康被害の救済策を拡大する方針を即座に打ち出されたことは、どれほどの喜びであったことか。

 一方、国会の多忙な中、今年2月の冒頭には、田端正広本部長、福本潤一事務局長をはじめとする公明党ダイオキシン対策本部の皆さんが福岡市や交通不便な長崎県・五島列島の玉之浦町までも視察に足を運んでくださり、私たち被害者の後遺症の実態や、差別の実情を逐一、聞いていただいたことは強く感激しました。そして、公明議員の皆さんがその私たちの思いを国会で代弁してくださる姿には、二重の感動を覚えました。

 あの画期的な答弁から半年余。今、診断基準の見直し作業も始まり、患者の健康管理を支える油症相談員も新たに配置されました。

 私は国民のために尽くす真の政治家の姿を公明党に見て、強い感銘と感謝の念を抱いています。また、私のもとには、喜びの手紙や電話が次々と寄せられますが、「ハンセン病の被害者救済と同様、カネミ油症事件を重視する坂口厚労大臣と公明党議員団によって、いま道は拓かれようとしております。大きな期待と自らの努力を重ね合わせて頑張っていきます」(73歳、男性)など、公明党の尽力に敬意を表するものが多く寄せられています。

 油症被害者を代表し、今後も一層のご支援を頂きたいと願っています。

 

油症問題と公明党の取り組み

 党ダイオキシン対策本部長 田端正広(衆院議員)

〜「主原因はダイオキシン」の画期的答弁引き出す 現地調査の「声」を対策に反映〜

 カネミ油症の健康被害の原因について、公明党の取り組みにより、これまで30年以上もPCBが主犯」とされていたものを、「真の主犯はダイオキシン」と明確にさせたことは、被害者救済の道の拡大へ、大きな意義があったといえます。

 その突破口を開いたのが、公明党の山下栄一参院議員でした。山下氏は1999年3月以来、国会質問でカネミ油症問題を取り上げ、“ダイオキシン被害”としての位置付けをただしてきましたが、昨年12月の参院決算委員会で、坂口力厚生労働相が山下氏の「油症患者の診断基準を見直すべき」との質問に対し、「ダイオキシンが主原因である以上、即刻見直したい」と答弁したわけです。

 党ダイオキシン対策本部は、この厚労相答弁を「国の対応策を根本から見直すことに通じる画期的な答弁」と受け止め、新たな診断基準づくりや被害者の救済を探るために、今年の2月3日から、特に油症患者が集中的に発生した福岡市や長崎県福江市、同県玉之浦町などに調査団を派遣。約40人の患者から個別面談の形で、後遺症の苦しみ、解雇、肉親の自殺、離婚騒動、2世3世でも“黒い赤ちゃん”が生まれている実態など、現在も多くのダイオキシン汚染の恐ろしさ、影響を聞き取り調査しました。

 私たちは、そこでの「生の声」を踏まえ、専門家や関係者からの意見聴取も行って対策の協議を重ねました。また、2月19日には、「油症医療恒久救済対策協議会」の矢野会長夫妻から改めて要請を受け、神埼武法代表が対応を約束しました。

 こうした取り組みを基に公明党は、3月の私の衆院予算委員会での質問、福本潤一参院議員の参院予算委質問などを通して、ダイオキシン被害を前提とした診断・認定基準への見直しをはじめ、油症研究班の再編、被害者救済相談体制の強化、油症仮払金返還の特別措置などの早期実施を政府に強く要求。その結果、@血中ダイオキシン濃度の検査拡大A油症相談員制度の創設B診断基準再評価委員会の設置C治療研究班の体制強化――などが実施されることになりました。

 また、6月28日には、私たちの仲介で、矢野会長夫妻をはじめ、被害者の代表と坂口厚労相との初の懇談の場を実現できました。席上、被害者の皆さんが坂口厚労相の画期的な答弁とその後の迅速な救済策の決定に「大英断だ。本当にありがたい」と心から喜びを語る姿が、忘れられません。

 まだまだ、油症仮払金返済問題への対応など課題は山積していますので、今後ともカネミ油症患者の救済に全力で取り組んでいきたいと決意しています。



自然再生推進法案(与党合意案)H14/5/22

 

 自民、公明、保守の与党3党の「環境施策に関するプロジェクトチーム(PT)」は22日、衆院第一議員会館で会合を開き、公共事業によって損なわれた自然環境を取り戻す自然再生事業を促進する自然再生推進法案をまとめた。
 公明党は2月22日に、同プロジェクトチームに独自の法案要綱を提出し、法案づくりを一貫してリード。今回の法案は、公明党案と自民党案を軸に検討した結果、まとめられた。
 同法案では、従来の行政指導ではなく、地域の自然再生事業には、NPO(民間非営利団体)や住民らが計画段階から参画すると明記。国や自治体はNPOなどに対し、必要な協力をするよう努めなければならないとした。
 また、環境相が農林水産、国土交通両省と協議して「自然再生基本方針」を作成し、閣議決定する。同方針に沿ってNPOや自治体などが地域の荒れた自然の再生や保全、創出事業を行いたい場合、関係者を交えて「自然再生協議会」を設置。事業の対象区域や自然再生の目標などをまとめた全体構想と具体的な実施計画を作成し事業に取り組む。
 政府は、環境、農水、国土3省の職員を中心に「自然再生推進会議」を設け、国が行う自然再生事業の調整やNPOなどの相談に当たる。【下記に法案全文を掲載】



与党が今国会に提出する「自然再生推進法案」とは? 【公明新聞掲載記事】
 

 自民、公明、保守の与党3党は、損なわれた自然環境を公共事業として回復させる「自然再生推進法案」を議員立法で衆議院に提出することを決めました。同法案や自然再生事業について、公明党「循環型杜会推進会議」(エコ・ジャパン会議)の田端正広議長(衆院議員)に聞きました。

 

Q1 再生事業の内容は? 

開発などで自然環境が失われた自然林や自然河川、湿原、干潟などを元の姿に戻します。例えば、北海道の釧路川では、直線部分を再舵行化し、周辺湿地を再生します。また、渡り鳥の渡来地や稀少種の生息・生育地など良好な自然環境の保全と併せ、その周辺地域を整備します。例えば、くぬぎ山(埼玉県)では、廃棄物処理場跡地を緑化し、オオタカの生息環境として雑木林を造成します。

 さらに、自然環境の喪失が著しい大都市圏内の区域で埋立地等を利用し、小型ほ乳類や烏類などが生息・生育できる森をつくり、陸域生態系の形成を図ります。

 

Q2 なぜ白然再生が必要か?

真の循環型杜会築くため物の豊かさと生活の便利さを求め、資源の搾取や大規模開発を進めてきた結果、自然が破壊され、地球旧岨暖化問題など、人類を含む生物の生存にかかわる重大な環境間題に直面しています。

今世紀は、この地球の環境を健全な姿に戻し、未来に残すという地球環境保全の取り組みが何よりも重要です。それをまず目本国内で始め、世界に発信すべきです。

わが国では、20世紀の大量消費型杜会から循環型杜会への転換が進められていますが「真の循環型杜会」は、資源の循環とともに、地球環境保全の視点から自然と共生する杜会といえます。

 

Q3 法案づくりの目的は?

 自然再生事業の対象は、河川や干潟から、湿原、里山、里地、森林、都市部の公園など広範囲にわたります。このため、国の担当省庁も、環境省、国土交通省、農林水産省など複数になります。

各省や担当部局が、それぞれ白然再生事業を独自に進めたのでは、対象となる地域によっては、縦割り行政の弊害が生じかねません。また、同事業には、自治体や地域住民、NPO(特定非営利活動法人)などの協力が不可欠です。

このため、白然再生事業についての基本理念を定め、事業実施者の責務を明確化し、さらに基本方針などを定めて、関係者が協カして自然再生事業に関する施策を総合的に展開していくことが必要です。

 

Q4 与党の法案の内容は?

まず、地域の自然再生事業には、NPOや住民らが計画段階から参画すると明記。国や治体はNPOなどに対し、必要な協力をするよう努めなければならないとしています。

その上で、環境相が農林水産、国土交通両相と協議し「自然再生基本方針」を作成し、閣議決定。一方、NPOや自治体などが地域の自然再生事業を行いたい場合、関係者を交えて「自然再生協議会」を設置します。

同協議会は、先の基本方針に沿って、事業の対象区域や自然再生の目標などをまとめた全体構想の作成と具体的な実施計画を協議し、同事業を推進します。

 

Q5 公明党の取り組みは?

公明党は、「ごみ・ゼロ社会」をめざし、「循環型杜会形成推進基本法」の制定実現など、これまで循環型杜会づくりを先頭に立って推進してきました。

咋年5月には、「本来あるべき自然生態系を回復・保全する」ことなどを提唱した「大都市圏エコタウン構想」を発表。この構想の実現を小泉純一郎首相に申し入れたほか、国会質間でも、自然再生型公共事業の推進を主張してきました。

今回の与党の「自然再生椎進法案」づくりでも、公明党が今年1月に党独自で「自然再生推進法案要綱」()をまとめ、与党3党の「環境施策に関するプロジェクトチーム」(222)にいち早く提案し、議論をリードしてきました。




自然再生推進法案全文

 (目的)

第一条 この法律は、自然再生についての基本理念を定め、及び実施者等の責務を明らかにするとともに、自然再生基本方針の策定その他の自然再生を推進するために必要な事項を定めることにより、自然再生に関する施策を総合的に推進し、もって自然と共生する社会の実現を図り、あわせて地球環境の保全に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「自然再生」とは、過去に損なわれた自然環境を取り戻すことを目的として、関係行政機関、関係地方公共団体、地域住民、特定非営利活動法人(特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人をいう。以下同じ。)、自然環境に関し専門的知識を有する者等の地域の多様な主体が参加して、河川、湿原、干潟、藻場、里山、里地、森林その他の自然環境を保全し、再生し、若しくは創出し、又はその状態を維持管理することをいう。

2 この法律において「自然再生事業」とは、自然再生を目的として実施される事業をいう。

3 この法律において「土地の所有者等」とは、土地若しくは木竹の所有者又は土地若しくは木竹の使用及び収益を目的とする権利、漁業権若しくは入漁権(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者をいう。

 (基本理念)

第三条 自然再生は、健全で恵み豊かな自然が将来の世代にわたって維持されるとともに、自然と共生する社会の実現を図り、あわせて地球環境の保全に寄与することを旨として適切に行われなければならない。

2 自然再生は、関係行政機関、関係地方公共団体、地域住民、特定非営利活動法人、自然環境に関し専門的知識を有する者等の地域の多様な主体が連携しつつ、自主的かつ積極的に取り組んで実施されなければならない。

3 自然再生は、地域における自然環境の特性、自然の復元力及び生態系の微妙な均衡を踏まえて、かつ、科学的知見に基づいて実施されなければならない。

4 自然再生事業は、自然再生事業の着手後においても自然再生の状況を監視し、その監視の結果に科学的な評価を加え、これを当該自然再生事業に反映させる方法により実施されなければならない。

5 自然再生事業の実施に当たっては、自然環境の保全に関する学習(以下「自然環境学習」という。)の重要性にかんがみ、自然環境学習の場として活用が図られるよう配慮されなければならない。

 (国及び地方公共団体の責務)

第四条 国及び地方公共団体は、地域住民、特定非営利活動法人その他の民間の団体等が実施する自然再生事業について、必要な協力をするよう努めなければならない。

 (実施者の責務)

第五条 この法律に基づいて自然再生事業を実施しようとする者(河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)その他の法律の規定に基づき自然再生事業の対象となる区域の一部又は全部を管理する者からの委託を受けて自然再生事業を実施しようとする者を含む。以下「実施者」という。)は、基本理念にのっとり、自然再生事業の実施に主体的に取り組むよう努めなければならない。

 (他の公益との調整)

第六条 自然再生は、国土の保全その他の公益との調整に留意して実施されなければならない。

 (自然再生基本方針)

第七条 政府は、自然再生に関する施策を総合的に推進するための基本方針(以下「自然再生基本方針」という。)を定めなければならない。

2 自然再生基本方針には、次の事項を定めるものとする。

 一 自然再生の推進に関する基本的方向

 二 次条第一項に規定する協議会に関する基本的事項

 三 次条第二項第一号の自然再生全体構想及び第九条第一項に規定する自然再生事業実施計画の作成に関する基本的事項

 四 自然再生に関して行われる自然環境学習の推進に関する基本的事項

 五 その他自然再生の推進に関する重要事項

3 環境大臣は、あらかじめ農林水産大臣及び国土交通大臣と協議して自然再生基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

4 環境大臣は、自然再生基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、広く一般の意見を聴かなければならない。

5 環境大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、自然再生基本方針を公表しなければならない。

6 自然再生基本方針は、自然再生事業の進捗状況等を踏まえ、おおむね五年ごとに見直しを行うものとする。

7 第三項から第五項までの規定は、自然再生基本方針の変更について準用する。

 (自然再生協議会)

第八条 実施者は、次項に規定する事務を行うため、当該実施者のほか、地域住民、特定非営利活動法人、自然環境に関し専門的知識を有する者、土地の所有者等その他の当該実施者が実施しようとする自然再生事業又はこれに関連する自然再生に関する活動に参加しようとする者並びに関係地方公共団体及び関係行政機関からなる自然再生協議会(以下「協議会」という。)を組織するものとする。

2 協議会は、次の事務を行うものとする。

 一 自然再生全体構想を作成すること。

 二 次条第一項に規定する自然再生事業実施計画の案について協議すること。

 三 自然再生事業の実施に係る連絡調整を行うこと。

3 前項第一号の自然再生全体構想(以下「自然再生全体構想」という。)は、自然再生基本方針に即して、次の事項を定めるものとする。

 一 自然再生の対象となる区域

 二 自然再生の目標

 三 協議会に参加する者の名称又は氏名及びその役割分担

 四 その他自然再生の推進に必要な事項

4 協議会の組織及び運営に関して必要な事項は、協議会が定める。

5 協議会の構成員は、相協力して、自然再生の推進に努めなければならない。

 (自然再生事業実施計画)

第九条 実施者は、自然再生基本方針に基づき、自然再生事業の実施に関する計画(以下「自然再生事業実施計画」という。)を作成しなければならない。

2 自然再生事業実施計画には、次の事項を定めるものとする。

 一 実施者の名称又は氏名及び実施者の属する協議会の名称

 二 自然再生事業の対象となる区域及びその内容

 三 自然再生事業の対象となる区域の周辺地域の自然環境との関係並びに自然環境の保全上の意義及び効果

 四 その他自然再生事業の実施に関し必要な事項

3 実施者は、自然再生事業実施計画を作成しようとするときは、あらかじめ、その案について協議会において十分に協議するとともに、その協議の結果に基づいて作成しなければならない。

4 自然再生事業実施計画は、自然再生全体構想と整合性のとれたものでなければならない。

5 実施者は、自然再生事業実施計画を作成したときは、主務省令で定めるところにより、遅滞なく、主務大臣及び当該自然再生事業実施計画に係る自然再生事業の対象となる区域の所在地を管轄する都道府県知事に、当該自然再生事業実施計画の写し(当該自然再生事業実施計画の添付書類の写しを含む。以下同じ。)及び当該自然再生事業実施計画に係る自然再生全体構想の写し(当該自然再生全体構想の添付書類の写しを含む。以下同じ。)を送付しなければならない。

6 主務大臣及び都道府県知事は、前項の規定により自然再生事業実施計画の写し及び自然再生全体構想の写しの送付を受けたときは、実施者に対し、当該自然再生事業実施計画に関し必要な助言をすることができる。

7 第三項から前項までの規定は、自然再生事業実施計画の変更について準用する。

 (維持管理に関する協定)

第十条 自然再生事業の対象区域の全部又は一部について自然再生に係る維持管理を実施しようとする実施者は、当該区域の土地の所有者等と協定を締結して、その維持管理を行うことができる。

 (実施者の相談に応じる体制の整備)

第十一条 主務大臣は、実施者の相談に的確に応じることができるよう必要な体制の整備を図るものとする。

 (自然再生事業の実施についての配慮)

第十二条 国の行政機関及び関係地方公共団体の長は、自然再生事業実施計画に基づく自然再生事業の実施のため法令の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該自然再生事業が円滑かつ迅速に実施されるよう、適切な配慮をするものとする。

 (自然再生事業の進捗状況等の公表)

第十三条 主務大臣は、毎年、自然再生事業の進捗状況を公表しなければならない。

2 主務大臣は、第九条第五項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定により自然再生事業実施計画の写し及び自然再生全体構想の写しの送付を受けたときは、これを公表しなければならない。

 (自然再生事業実施計画の進捗状況の報告)

第十四条 主務大臣は、主務省令で定めるところにより、自然再生事業実施計画に基づき自然再生事業を実施する者に対し、当該自然再生事業実施計画の進捗状況について報告を求めることができる。

 (財政上の措置等)

第十五条 国及び地方公共団体は、自然再生を推進するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

 (自然再生に関するその他の措置)

第十六条 国及び地方公共団体は、自然再生に関して行われる自然環境学習の振興及び自然再生に関する広報活動の充実のために必要な措置を講ずるものとする。

2 国及び地方公共団体は、地域住民、特定非営利活動法人、自然環境に関し専門的知識を有する者等が行う自然再生に関する活動の促進に資するため、自然再生に関する情報を適切に提供するよう努めるものとする。

3 国及び地方公共団体は、自然再生に関する研究開発の推進、その成果の普及その他の自然再生に関する科学技術の振興を図るものとする。

4 国及び地方公共団体は、自然再生事業の実施に関連して、地域の環境と調和のとれた農林水産業の推進を図るものとする。

 (自然再生推進会議)

第十七条 政府は、環境省、農林水産省、国土交通省その他の関係行政機関の職員をもって構成する自然再生推進会議を設け、自然再生の総合的、効果的かつ効率的な推進を図るための連絡調整を行うものとする。

 (主務大臣等)

第十八条 この法律における主務大臣は、環境大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣とする。

2 この法律における主務省令は、環境大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣の発する命令とする。

   附 則

 この法律は、平成十四年十月一日から施行する。

     理 由

 自然と共生する社会の実現を図るとともに、地球環境の保全に寄与するため、自然再生についての基本理念を定め、及び実施者等の責務を明らかにするとともに、自然再生基本方針の策定その他の自然再生を推進するために必要な事項を定めることにより、自然再生に関する施策を総合的に推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


地球温暖化対策推進法改正案 H14/5/3公明新聞掲載

ちょっと教えて5問5答
答える人
党地球温暖化対策プロジェクトチーム事務局長
衆議院議員 田端正広

今国会では、わが国の今後の地球温暖化防止対策の柱となる地球温暖化対策推進法改正案の審議が行われています。同法改正案のポイントなどについて公明党地球温暖化対策プロジェクトチーム事務局長の田端正広衆院議員に聞きました。

Q 改正する背景は?

実効性ある対策を行うため


 「地球」というかけがえのない財産を後世に残すことが現代に生きる人間の使命であり、地球温暖化防止という人類共通の課題を克服するためには、世界の国々が互いに協力しながら、実効性ある対策に取り組まなければなりません。
 この法律は、1997年に採択された京都議定書で義務づけられた日本の温室効果ガス排出削減目標(2008〜12年の排出量平均を90年比で6%削減する)を達成するために98年に制定されました。
 しかし、温室効果ガスの排出量は依然として増加しており、今の対策だけでは10年の排出量は基準年比7%増になると予想されています。そこで、新たな具体的裏付けのある温暖化対策の全体像を示し、強力に対策を推進するため、法律の改正が必要となりました。

Q 改正のポイントは?

「目標達成計画」で対策の“設計図”


 計画的な温暖化対策の実施を国の責務としたうえで、「京都議定書目標達成計画」の策定を義務付けていることです。これは、日本が取り組む温暖化対策の“設計図”といえるもので、新しい地球温暖化対策推進大綱(新大綱)を基に、同計画を作ります。
 また、首相を本部長とする地球温暖化対策推進本部を、閣議決定機関から内閣官房内の「法定機関」として設置します。「特殊法人改革推進本部」「IT戦略本部」と並ぶ重要機関に位置付けることで、政府が地球温暖化対策に取り組む強い姿勢をより明確に打ち出します。

Q 新大綱の概要は?

CO2の削減目標 産業7%、民生2%に


 新大綱は、2010年度のCO排出量について、製造業を中心とする産業部門で90年比7%削減、民生部門(家庭、オフィスなど)で同2%削減の目標を定めました。一方、排出の伸びが著しい運輸部門については、排出量の増大を90年比17%に抑えることを目標としています。
 この目標達成のために低公害車の開発・普及や大規模オフィスビルの省エネルギー、バイオマス(生物資源)・太陽光発電・燃料電池など新エネルギーの開発・普及促進――など100種類を超える個々の対策のパッケージを打ち出しています。
 一方、京都議定書の発効が予想される02年から同議定書の削減対象期間の最終年に当たる12年までを3段階((1)02〜04年(2)05〜07年(3)08〜12年)に分け、第2段階と第3段階の前に、対策、排出状況などの評価・見直しを行うことにしています。

Q 家庭や地域の対策は?

温暖化診断や地域協を設置へ

 「6%削減」の目標を達成するためには、国民1人ひとりのライフスタイル(生活行動の様式)の変革が不可欠です。
 同改正案では、家庭やオフィスなどからの温室効果ガス排出を抑えるため、温暖化防止活動推進委員が住民に具体的な温暖化対策を助言する「地球温暖化対策診断」を実施します。また、地域レベルでの取り組みを促すため、行政、事業者、住民からなる「地球温暖化対策地域協議会」を設置するなど体制を整備します。
 併せて、(1)温室効果ガス排出の少ない製品・自動車の購入(2)住宅の断熱措置、複合ガラスの設置(3)太陽熱温水器、太陽光発電の設置(4)エコドライブ、冷暖房温度の適正化――など、ライフスタイルの変革につながる具体的な対策の実施・普及運動を全国的に展開します。

Q 公明党の取り組みは?

早期批准、対策の充実を主張


 公明党は、京都議定書の早期批准、温暖化対策の充実を一貫して主張しています。京都議定書をまとめた議長国の日本が、温暖化対策で世界のリーダーシップを取るべきだと考えているからです。
 この批准を実現するためには、京都議定書で定められた日本の目標を達成できる裏付けを持った国内対策整備が不可欠です。
 そのカギとなるのが、改正案に盛り込まれている「京都議定書目標達成計画」です。同計画は京都議定書発効直後に決定されますが、実効性をより高めるために、今後、各層から意見を聞き、新たな制度や対策を検討していきたいと考えています。
 また産業界には、温暖化防止と産業の活性化を“車の両輪”とする取り組みを求めていきたいと思います。一方、京都議定書を離脱した米国の復帰を粘り強く働きかけていきます。

ホームレス自立支援特別措置法が成立!

 ホームレス(野宿生活者)の自立支援策の策定と実施を国・自治体促す「ホームレス自立支援特別措置法」が31日午後の参院本会議に緊急上程され、全会一致で可決、成立した。
 同法は、自民、公明、保守の与党三党による作業チームで与党原案をまとめ、民主、社民両党と調整の上で共同提案された議員立法。与党原案づくりでは、公明案を軸に検討が進められた。
 この結果、ホームレスの「人権への配慮」や、@就業機会A保険・医療B生活相談・指導――の確保による自立支援、自治体への実施計画策定の義務づけなど、公明の主張が盛り込まれた。

   ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(全文)

目次

 第一章 総則(第一条―第七条)

 第二章 基本方針及び実施計画(第八条・第九条)

 第三章 財政上の措置等(第十条・第十一条)

 第四章 民間団体の能力の活用等(第十二条―第十四条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、自立の意思がありながらホームレスとなることを余儀なくされた者が多数存在し、健康で文化的な生活を送ることができないでいるとともに、地域社会とのあつれきが生じつつある現状にかんがみ、ホームレスの自立の支援、ホームレスとなることを防止するための生活上の支援等に関し、国等の果たすべき責務を明らかにするとともに、ホームレスの人権に配慮し、かつ、地域社会の理解と協力を得つつ、必要な施策を講ずることにより、ホームレスに関する問題の解決に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「ホームレス」とは、都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者をいう。

 (ホームレスの自立の支援等に関する施策の目標等)

第三条 ホームレスの自立の支援等に関する施策の目標は、次に掲げる事項とする。

 一 自立の意思があるホームレスに対し、安定した雇用の場の確保、職業能力の開発等による就業の機会の確保、住宅への入居の支援等による安定した居住の場所の確保並びに健康診断、医療の提供等による保健及び医療の確保に関する施策並びに生活に関する相談及び指導を実施することにより、これらの者を自立させること。

 二 ホームレスとなることを余儀なくされるおそれのある者が多数存在する地域を中心として行われる、これらの者に対する就業の機会の確保、生活に関する相談及び指導の実施その他の生活上の支援により、これらの者がホームレスとなることを防止すること。

 三 前二号に掲げるもののほか、宿泊場所の一時的な提供、日常生活の需要を満たすために必要な物品の支給その他の緊急に行うべき援助、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)による保護の実施、国民への啓発活動等によるホームレスの人権の擁護、地域における生活環境の改善及び安全の確保等により、ホームレスに関する問題の解決を図ること。

2 ホームレスの自立の支援等に関する施策については、ホームレスの自立のためには就業の機会が確保されることが最も重要であることに留意しつつ、前項の目標に従って総合的に推進されなければならない。

 (ホームレスの自立への努力)

第四条 ホームレスは、その自立を支援するための国及び地方公共団体の施策を活用すること等により、自らの自立に努めるものとする。

 (国の責務)

第五条 国は、第三条第一項各号に掲げる事項につき、総合的な施策を策定し、及びこれを実施するものとする。

 (地方公共団体の責務)

第六条 地方公共団体は、第三条第一項各号に掲げる事項につき、当該地方公共団体におけるホームレスに関する問題の実情に応じた施策を策定し、及びこれを実施するものとする。

 (国民の協力)

第七条 国民は、ホームレスに関する問題について理解を深めるとともに、地域社会において、国及び地方公共団体が実施する施策に協力すること等により、ホームレスの自立の支援等に努めるものとする。

   第二章 基本方針及び実施計画

 (基本方針)

第八条 厚生労働大臣及び国土交通大臣は、第十四条の規定による全国調査を踏まえ、ホームレスの自立の支援等に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を策定しなければならない。

2 基本方針は、次に掲げる事項について策定するものとする。

 一 ホームレスの就業の機会の確保、安定した居住の場所の確保、保健及び医療の確保並びに生活に関する相談及び指導に関する事項

 二 ホームレス自立支援事業(ホームレスに対し、一定期間宿泊場所を提供した上、健康診断、身元の確認並びに生活に関する相談及び指導を行うとともに、就業の相談及びあっせん等を行うことにより、その自立を支援する事業をいう。)その他のホームレスの個々の事情に対応したその自立を総合的に支援する事業の実施に関する事項

 三 ホームレスとなることを余儀なくされるおそれのある者が多数存在する地域を中心として行われるこれらの者に対する生活上の支援に関する事項

 四 ホームレスに対し緊急に行うべき援助に関する事項、生活保護法による保護の実施に関する事項、ホームレスの人権の擁護に関する事項並びに地域における生活環境の改善及び安全の確保に関する事項

 五 ホームレスの自立の支援等を行う民間団体との連携に関する事項

 六 前各号に掲げるもののほか、ホームレスの自立の支援等に関する基本的な事項

3 厚生労働大臣及び国土交通大臣は、基本方針を策定しようとするときは、総務大臣その他関係行政機関の長と協議しなければならない。

 (実施計画)

第九条 都道府県は、ホームレスに関する問題の実情に応じた施策を実施するため必要があると認められるときは、基本方針に即し、当該施策を実施するための計画を策定しなければならない。

2 前項の計画を策定した都道府県の区域内の市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、ホームレスに関する問題の実情に応じた施策を実施するため必要があると認めるときは、基本方針及び同項の計画に即し、当該施策を実施するための計画を策定しなければならない。

3 都道府県又は市町村は、第一項又は前項の計画を策定するに当たっては、地域住民及びホームレスの自立の支援等を行う民間団体の意見を聴くように努めるものとする。

   第三章 財政上の措置等

 (財政上の措置等)

第十条 国は、ホームレスの自立の支援等に関する施策を推進するため、その区域内にホームレスが多数存在する地方公共団体及びホームレスの自立の支援等を行う民間団体を支援するための財政上の措置その他必要な措置を講ずるように努めなければならない。

 (公共の用に供する施設の適正な利用の確保)

第十一条 都市公園その他の公共の用に供する施設を管理する者は、当該施設をホームレスが起居の場所とすることによりその適正な利用が妨げられているときは、ホームレスの自立の支援等に関する施策との連携を図りつつ、法令の規定に基づき、当該施設の適正な利用を確保するために必要な措置をとるものとする。

   第四章 民間団体の能力の活用等

 (民間団体の能力の活用等)

第十二条 国及び地方公共団体は、ホームレスの自立の支援等に関する施策を実施するに当たっては、ホームレスの自立の支援等について民間団体が果たしている役割の重要性に留意し、これらの団体との緊密な連携の確保に努めるとともに、その能力の積極的な活用を図るものとする。

 (国及び地方公共団体の連携)

第十三条 国及び地方公共団体は、ホームレスの自立の支援等に関する施策を実施するに当たっては、相互の緊密な連携の確保に努めるものとする。

 (ホームレスの実態に関する全国調査)

第十四条 国は、ホームレスの自立の支援等に関する施策の策定及び実施に資するため、地方公共団体の協力を得て、ホームレスの実態に関する全国調査を行わなければならない。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (この法律の失効)

第二条 この法律は、この法律の施行の日から起算して十年を経過した日に、その効力を失う。

 (検討)

第三条 この法律の規定については、この法律の施行後五年を目途として、その施行の状況等を勘案して検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。


     理 由

 自立の意思がありながらホームレスとなることを余儀なくされた者が多数存在し、健康で文化的な生活を送ることができないでいるとともに、地域社会とのあつれきが生じつつある現状にかんがみ、ホームレスに関する問題の解決に資するため、ホームレスの自立の支援、ホームレスとなることを防止するための生活上の支援等に関し、国等の果たすべき責務を明らかにするとともに、ホームレスの人権に配慮し、かつ、地域社会の理解と協力を得つつ、必要な施策を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


カネミ油症問題
公明の取り組みで認定基準や仮払金返還問題に道筋
 
公明新聞H14/3/7解説

 今回は、公明党が患者救済問題に全力で取り組み、また近年原因物質がダイオキシン類であると指摘されている「カネミ油症」問題について解説します。

患者救済に大きく動く
仮払金返還問題で負担軽減も検討
PCDF(ジベンゾフラン)加味した診断基準へ
30年以上差別や後遺症に苦しむ

 カネミ油症の油症医療恒久救済対策協議会の矢野忠義会長、トヨコ夫妻が2月19日、公明党の神崎武法代表に30年以上後遺症や差別に苦しむ患者の実情を訴え、救済の道を開くよう要請した。要請の内容は(1)医療費負担への支援(2)治療法の研究推進(3)仮払金返還の減免措置(4)被害者救済の相談活動への援助――などだ。
 これを受け、3月1日の衆院予算委員会第5分科会で、公明党の田端正広氏がカネミ油症問題で質問。坂口力厚生労働相(公明党)は油症の検査、診断基準の見直しや、仮払金返還問題の患者負担軽減策の検討を約した。
 これに先立ち、公明党のダイオキシン対策本部(田端本部長)は今年1月末、市民団体からカネミ油症の現状を聞き、2月2、3の両日、患者の多い福岡市と長崎県・五島列島の玉之浦町を訪れ、後遺症の実態や差別の実情を聞いた。
 また昨年12月の参院決算委員会で公明党の山下栄一氏の質問に対し坂口厚労相は、油症の診断基準を見直し、ダイオキシン類の毒性研究の成果を加味したものにする方針を示した。
 厚労相は1月の那覇市での講演でも、PCB(ポリ塩化ビフェニール)に不純物として含まれていたダイオキシン類のポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)がカネミ油症の主因の可能性が高いとし、患者認定基準改定に早急に取り組む考えを示した。厚労省はこれを受けて再評価委員会を設置し、認定基準の再検討をすることになった。またこの夏の患者の定期健診でPCDFの血中濃度測定を行い、認定基準へ加味できるか検討するとしている。
 公明党の取り組みで、止まっていたカネミ油症患者を救済支援する政治の“時計”が、また動き出した。

PCB対策前進の契機に
 カネミ油症は、北九州市小倉北区にあった当時、西日本最大の食用油メーカー「カネミ倉庫」が販売していた食用油「カネミライスオイル」にPCBが混入したことによる大規模な食品中毒事件。1968年3月ごろから北部九州中心に、届け出ただけで1万4000人(認定患者は90年現在、1682人)という多数の被害を出した。十数人が死亡したといわれる。中毒患者からの、いわゆる「黒い赤ちゃん」の出産も社会に衝撃を与えた。油症を契機に、PCBの使用禁止や無害化、保管などについての対策が進んだ。1万人規模の被害者と130人の死者を出した55年の「森永ヒ素ミルク事件」と並び、日本社会に大きな衝撃を与えた食品公害である。
 だが一方で、塩素中毒特有の吹き出物(塩素挫瘡〈クロロアクネ〉)の出た人に患者認定が偏り、この認定基準が、その後の認定の大きな壁となった。認定患者が届け出の1割余りしかいない理由の一端もそこにある。
 また患者による国などに対する訴訟が88年に和解したが、97年に国(農林水産省)が消滅時効(10年)を防ぐという理由で、一審の患者側勝訴に伴って支払われていた約27億円の仮払金返還を求めたことがさらに悲劇を生んだ。それを苦にした自殺者まで出た悲惨さを本紙「サンデー時評」で熊本学園大学の原田正純教授も指摘した。昨年、本紙元記者に矢野夫妻から苦境を訴える連絡もあった。
 水俣病やイタイイタイ病などでもそうだが、長期間、後遺症や社会的な偏見、差別に苦しんできた患者や家族の苦悩はいかばかりか。他の政党が手をこまねいている中、公明党は行動を開始した。問題解決は前途遼遠だが、それでも行政の対応は進みつつある。

ホームレス自立支援特別措置法案(田端私案)について

 現在、与党ホームレス問題プロジェクトチームで、今通常国会での法制化を目指し、ホームレスの自立支援のための法案の審議が進められている。そのたたき台として、自民党案を修正した「ホームレス自立支援特別措置法案(田端私案)」を2月6日、与党ホームレス問題プロジェクトチームに提出した。(以下全文)

   ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法案(田端私案) ・2・6

目次

 第一章 総則(第一条―第八条)

 第二章 基本方針及び実施計画(第九条・第十条)

 第三章 財政上の措置等(第十一条・第十二条)

 第四章 民間団体の能力の活用等(第十三条―第十五条)

 附則

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、自立の意思がありながらホームレスとなることを余儀なくされた者が多数存在し、健康で文化的な生活を送ることができないでいるとともに、地域社会とのあつれきが生じつつある現状にかんがみ、ホームレスの自立の支援等に関し、国等の果たすべき責務を明らかにするとともに、地域社会の理解と協力を得つつ、必要な施策を講ずることにより、ホームレスに関する問題の解決に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「ホームレス」とは、都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者(安定した居住の場所を有していない者であってこれに準ずるものを含む。)をいう。

 (ホームレスの自立の支援等に関する施策の目標)

第三条 ホームレスの自立の支援等に関する施策は、次に掲げる目標に従って推進されなければならない。

 一 自立の意思があるホームレスに対し、安定した雇用の確保、職業能力の開発等による就業の機会の確保、安定した居住の場所の確保並びに健康診断、医療の提供等による保健及び医療の確保に関する施策並びに生活に関する相談及び指導を実施することにより、これらの者を自立させること。

 二 ホームレスとなることを余儀なくされるおそれのある者が多数存在する地域において、これらの者に対し、就業の機会の確保、生活に関する相談及び指導の実施その他の生活上の支援を行うこと等により、これらの者がホームレスとなることを防止すること。

 三 前二号に掲げるもののほか、宿泊場所の一時的な提供、日常生活の需要を満たすために必要な物品の支給その他の緊急に行うべき援助、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)による保護の実施、国民への啓発活動等によるホームレスの人権の擁護、地域における生活環境の改善及び安全の確保等により、ホームレスに関する問題の解決を図ること。

 (ホームレスの自立への努力)

第四条 ホームレスは、その自立を支援するための国及び地方公共団体の施策を活用すること等により、自らの自立に努めるものとする。

 (国の責務)

第五条 国は、第三条各号に掲げる事項につき、総合的な施策を策定し、及びこれを実施するものとする。

 (地方公共団体の責務)

第六条 地方公共団体は、第三条各号に掲げる事項につき、当該地方公共団体におけるホームレスに関する問題の実情に応じた施策を策定し、及びこれを実施するものとする。

 (施策の策定等に当たっての留意)

第七条 ホームレスの自立の支援等に関する施策については、ホームレスが自立した生活を営むことができるようになるためには安定した就業の機会が確保されることが重要であることに留意して推進されなければならない。

 (国民の協力)

第八条 国民は、ホームレスに関する問題について理解を深めるとともに、地域社会において、国及び地方公共団体が実施する施策に協力すること等により、ホームレスの自立の支援等に努めるものとする。

   第二章 基本方針及び実施計画

 (基本方針)

第九条 厚生労働大臣及び国土交通大臣は、第十五条の規定による全国調査を踏まえ、ホームレスの自立の支援等に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を策定しなければならない。

2 基本方針は、次に掲げる事項について策定するものとする。

 一 ホームレスの就業の機会の確保、安定した居住の場所の確保、保健及び医療の確保並びに生活に関する相談及び指導に関する事項

 二 ホームレス自立支援事業(ホームレスに対し、一定期間宿泊場所を提供した上、健康診断、身元の確認並びに生活に関する相談及び指導を行うとともに、就業の相談及びあっせん等を行うことにより、その自立を支援する事業をいう。)その他のホームレスの個々の事情に対応したその自立を総合的に支援する事業の実施に関する事項

 三 ホームレスとなることを余儀なくされるおそれのある者が多数存在する地域におけるこれらの者に対する生活上の支援に関する事項

 四 ホームレスに対し緊急に行うべき援助に関する事項、生活保護法による保護の実施に関する事項、ホームレスの人権の擁護に関する事項並びに地域における生活環境の改善及び安全の確保に関する事項

 五 ホームレスの自立の支援等を行う民間団体との連携に関する事項

 六 前各号に掲げるもののほか、ホームレスの自立の支援等に関する基本的な事項

3 厚生労働大臣及び国土交通大臣は、基本方針を策定しようとするときは、総務大臣及び法務大臣その他関係行政機関の長と協議しなければならない。

 (実施計画)

第十条 都道府県は、基本方針に即し、ホームレスの自立の支援等に関する施策を実施するための計画を策定しなければならない。

2 その区域内にホームレスが多数存在する市町村(特別区を含む。以下同じ。)として厚生労働大臣及び国土交通大臣が指定する市町村は、基本方針及び前項の計画に即し、ホームレスの自立の支援等に関する施策を実施するための計画を策定しなければならない。

3 都道府県又は市町村は、第一項又は前項の計画を策定するに当たっては、地域住民及びホームレスの自立の支援等を行う民間団体の意見を聴くように努めるものとする。

   第三章 財政上の措置等

 (財政上の措置等)

第十一条 国は、ホームレスの自立の支援等に関する施策を推進するため、その区域内にホームレスが多数存在する地方公共団体及びホームレスの自立の支援等を行う民間団体を支援するための財政上の措置その他必要な措置を講じなければならない。

 (公共の用に供する施設の適正な利用の確保)

第十二条 都市公園その他の公共の用に供する施設を管理する者は、当該施設をホームレスが起居の場所とすることによりその適正な利用が妨げられているときは、ホームレスの自立の支援等に関する施策との連携を図りつつ、法令の規定に基づき、当該施設の適正な利用を確保するために必要な措置をとるものとする。

   第四章 民間団体の能力の活用等

 (民間団体の能力の活用等)

第十三条 国及び地方公共団体は、ホームレスの自立の支援等に関する施策を実施するに当たっては、ホームレスの自立の支援等について民間団体が果たしている役割の重要性に留意し、これらの団体との緊密な連携の確保に努めるとともに、その能力の積極的な活用を図るものとする。

 (国及び地方公共団体の連携)

第十四条 国及び地方公共団体は、ホームレスの自立の支援等に関する施策を実施するに当たっては、相互の緊密な連携の確保に努めるものとする。

 (ホームレスの実態に関する全国調査)

第十五条 国は、ホームレスの自立の支援等に関する施策の策定及び実施に資するため、ホームレスの実態に関する全国調査を行わなければならない。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (検討)

第二条 この法律の規定については、この法律の施行後五年を目途として、その施行の状況等を勘案して検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。


     理 由

 自立の意思がありながらホームレスとなることを余儀なくされた者が多数存在し、健康で文化的な生活を送ることができないでいるとともに、地域社会とのあつれきが生じつつある現状にかんがみ、ホームレスに関する問題の解決に資するため、ホームレスの自立の支援等に関し、国等の果たすべき責務を明らかにするとともに、地域社会の理解と協力を得つつ、必要な施策を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

自然再生推進法案(公明党案)について   平成14年1月24日   田端 正広

 20世紀、我々人類は物の豊かさと生活の便利さを求めて大自然からの資源の搾取と大規模な開発を進めてきた。しかし、それにより自然環境が大幅に改変・破壊され、地球温暖化問題の発生等、今や人類を含む生物の生存に重大な危機を及ぼしている。21世紀を環境の世紀と位置づけ、地球環境を健全な姿で子孫に残すことが、我々現代世代の使命である。
 こうした地球環境保全の視点に立ち、まずは、日本国内において、良好な自然環境や自然生態系を保全するとともに、自然林や自然河川、湿原、藻場、干潟、サンゴ群集、自然海岸等の人為的に失われたり、損なわれた区域において、それぞれもとの自然環境を再生すべきである。また、大都市圏等の自然環境の喪失が著しい区域において、小型哺乳類や鳥類、昆虫類など多様な生き物が生息・生育できる一定規模以上の陸上生態系の形成を図るなど、新たな自然環境と自然生態系を創出すべきである。
 その意味から、公明党は、自然との共生をベースにして地球温暖化対策や循環型社会の構築を踏まえて、自然再生事業の重要性を訴えてきた。そして、こうした自然再生事業を21世紀の我が国の政策の大きな柱として、省庁、自治体、民間団体、市民が協力して計画的に押し進めるため、「自然再生推進法案」を作成した。
この法案を今通常国会で成立させるとともに、真の環境立国をめざし、我が国の自然再生事業のシステムと技術をODA等を通じ、世界に発信していくべきである。

   

自然再生推進法案要綱(案)


第一 目的
 この法律は、人の活動によって損なわれた自然環境を関係行政機関及び地方公共団体が連携して再生する事業並びに当該事業により再生された自然環境を維持管理する事業を適正かつ計画的に推進するための措置等を講ずることにより、自然と共生する社会の実現を図り、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とすること。
第二 基本理念
 一 自然再生事業及び当該事業により再生された自然環境を維持管理する事業は、関係行政機関及び地方公共団体の密接な連携の下に、地域住民の自主的かつ積極的な参加を得て、自然と共生する社会を実現させることを旨として行われなければならないものとすること。
二 自然再生事業が人の活動によって損なわれた自然環境を再生することを目的とするものであることにかんがみ、自然再生事業により再生された自然環境は再び損なわれることのないよう適正に保全されなければならないものとすること。
第三 自然再生事業の定義
 この法律において「自然再生事業」とは、次のいずれかに該当する事業であって、関係行政機関及び地方公共団体の知見を活用することによりこれらの者が連携して実施する必要があるものをいうものとすること。
 一 人の活動によって良好な自然環境が損なわれた地域において当該自然環境を復元する事業
 二 良好な自然環境を形成している地域において当該自然環境を維持し、又は改善するとともに、当該地域の周辺の地域における自然環境を改善するため、当該周辺地域において自然環境を整備する事業
 三 広域的に自然環境の減少が顕著な地域において自然環境を整備する事業
第四 自然再生基本方針
 一 政府は、自然再生事業及び当該自然再生事業により再生された自然環境の維持管理(以下「自然再生事業等」という。)の総合的かつ計画的な実施を図るための基本方針(以下「自然再生基本方針」という。)を定めなければならないものとすること。
 二 自然再生基本方針には、次の事項を定めるものとすること。
  1 自然再生事業等の基本構想
  2 自然再生地域の指定その他自然再生事業等に関する施策に関する基本的な事項
  3 おおむね五年の間に実施する自然再生事業に関する基本的な計画
  4 1から3までに掲げるもののほか、自然再生事業等に関する重要事項
 三 環境大臣は、自然再生基本方針の案を作成して、閣議の決定を求めなければならないものとすること。
 四 環境大臣は、自然再生基本方針の案を作成する場合には、あらかじめ、中央環境審議会の意見を聴かなければならないものとすること。
 五 環境大臣は、閣議の決定があったときは、遅滞なく、自然再生基本方針を公表しなければならないものとすること。
 六 自然再生基本方針の見直しは、おおむね五年ごとに行うものとすること。
第五 自然再生地域
一 環境大臣は、自然再生事業等を実施する必要があると認める地域を自然再生地域として指定することができるものとすること。
二 都道府県知事は、一の地域の要件に該当すると認められる一定の地域があるときは、自然再生地域の指定について、環境大臣に対し、その旨の申出をすることができるものとすること。
三 市町村長は、一の地域の要件に該当すると認められる一定の地域があるときは、都道府県知事に対し、二の申出をするよう申し出ることができるものとすること。
 四 環境大臣は、自然再生地域を指定をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長と協議するとともに、関係地方公共団体の意見を聴かなければならないものとすること。
第六 自然再生計画
 一 都道府県知事による自然再生計画の策定
 1 都道府県知事は、自然再生基本方針に基づき、当該都道府県内の自然再生地域ごとに、自然再生事業の実施及び自然再生事業実施後の維持管理に関する計画(以下「自然再生計画」という。)を定めなければならないものとすること。
  2 自然再生計画には、次の事項を定めるものとすること。
 イ 自然再生事業等の目標
   ロ 自然再生事業の名称、自然再生事業を実施する者(以下「事業者」という。)の名称、実施場所及び実施期間
   ハ 自然再生事業の実施に当たって行う地域の管理に関する事項
   ニ 自然再生事業に係る調査計画、自然再生事業完了後の自然再生地域の維持管理等に係る関係者間の協力体制
   ホ イからニまでに掲げるもののほか、自然再生事業等の実施に関し必要な事項
 3 都道府県知事は、自然再生計画を定めようとするときは、事業者(国及び関係市町村を除く。)及び関係市町村長の意見を聴くとともに、環境大臣に協議し、その同意を得なければならないものとすること。
 4 環境大臣は、3の同意をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならないものとすること。
 5 都道府県知事は、自然再生計画を定めたときは、遅滞なく、これを環境大臣及び関係行政機関の長並びに関係市町村長に送付するとともに、公表しなければならないものとすること。
二 環境大臣による自然再生計画の策定
 1 環境大臣は、第五により指定した自然再生地域について、自然環境の保全の観点からの重要性、想定される自然再生事業の規模その他の事情を勘案して特に必要と認める場合には、都道府県知事に代わって当該自然再生地域について自然再生計画を定めることができるものとすること。
 2 環境大臣は、自然再生計画を定めようとするときは、あらかじめ、事業者(国及び関係地方公共団体を除く。)及び関係地方公共団体の長の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議しなければならないものとすること。
 3 環境大臣は、自然再生計画を定めたときは、遅滞なく、これを関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長に送付するとともに、公表しなければならないものとすること。
第七 財政措置、情報提供等の措置
一 国は、政令で定めるところにより、地方公共団体に対し、自然再生計画に定められた自然再生事業の実施その他の自然再生計画の実施に要する費用の一部を補助することができるものとすること。
二 国及び地方公共団体は、一に定めるもののほか、自然再生計画を実施するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるものとすること。
 三 国は、技術的な情報の提供等を行うものとすること。
四 国は、民間団体等が行う自然再生に係る活動が促進されるよう、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるものとすること。
第八 自然再生基金
 都道府県は、自然再生計画に基づく自然再生地域の維持管理の事業であって、民間団体等の参加を得て行うもの等の円滑な実施のため、自然再生基金を設けることができるものとすること。
第九 自然再生事業推進会議
 政府は、関係行政機関で構成する自然再生事業推進会議を設け、自然再生事業の効果的かつ効率的な推進を図るための連絡調整を行うものとすること。
第十 その他
 その他所要の規定を設けること。
第十一 施行期日
 この法律は、公布の日から施行するものとすること。


「京都議定書」の今後は? 公明新聞読者とのツーウェイ 平成13年11月24日掲載


問い 地球温暖化を防止するため温室効果ガス(CO2など)の削減目標を定めた京都議定書の運用ルールが合意されましたが、今後はどうなるのでしょうか。(大阪市 R・I)


田端正広の回答 10月29日から11月10日まで、アフリカのモロッコ王国マラケシュで開催されたCOP7(気候変動枠組み条約=地球温暖化防止条約=第7回締約国会議)で、2008年から12年までの間の温室効果ガスの削減目標を定めた京都議定書の運用ルールが決定し、02年の議定書発効に向け大きく前進しました。今回のマラケシュ合意によって、地球規模での温暖化防止の具体的な取り組みが始まったといっていいでしょう。
 このマラケシュ合意を踏まえ、日本をはじめ各国とも議定書批准や国内対策強化など国内制度の整備を急ぐことになります。
 日本が議長国となり京都議定書を採択してから4年。協議の中断や米国の不参加などの危機的状況を乗り越え、今回合意したことは世界の良識の勝利であり、日本が果たした役割を評価していいと思います。
     *
 地球温暖化の危機に警鐘を鳴らした92年のブラジル・リオデジャネイロでの地球サミットから10年となる来年9月、南アフリカのヨハネスブルクで地球サミットが行われます。締約国は、この時までに京都議定書を発効させることにしています。
 議定書は、55カ国以上が批准し、批准した先進国の90年におけるCO2(二酸化炭素)排出量の合計が、先進国全体の90年における総排出量の55%を超えるという要件を満たした時点から90日後に発効します。ヨハネスブルク・サミット最終日に発効を間に合わせるには、各国が来年6月14日までに批准することが必要です。
 日本政府は今月12日、地球温暖化対策本部(本部長=小泉純一郎首相)で02年の批准に向け、次期通常国会で承認と国内制度の整備に取り組むことを決定しましたが、できる限り早期批准ができるように公明党は党を挙げて取り組む方針です。
     *
 日本の温室効果ガスの削減目標は基準年である90年比6%減ですが、99年の排出量で90年比6.8%増というように増加傾向にあります。つまり12.8%の削減が必要です。マラケシュ合意で認められた日本の森林吸収量分3.7%を引いたとしても、目標達成には9.1%以上の削減が必要です。
 世界有数の省エネ国である日本が、さらに省エネを進め目標を達成することは大変なことですが、政府、産業界など関係する分野、国民が一致協力して推進していく必要があります。
 特に温室効果ガスの排出量の増加率が大きい運輸、民生(家庭、業務)の分野での削減が不可欠であり、ライフスタイルの見直しは欠かせません。さらに、公明党が一貫して提唱してきた循環型社会への転換も急がれます。
 公明党は循環型社会形成推進基本法を成立させ、フロンガス回収・破棄法の実現をリードしてきました。さらに、温室効果ガス削減目標を達成するために、太陽光や風力、雪氷などの自然エネルギー、バイオマス(生物資源)エネルギーなどクリーンエネルギーの加速度的導入、森林保全、ライフスタイルの見直しなど諸対策の推進を提唱しており、今後も政府に実現を迫っていきます。
     *
 議定書発効の環境が整ったとはいえ、世界最大のCO2排出国である米国抜きでは効果に限界があります。また議定書が削減義務を課しているのは先進国だけですが、発展途上国の温室効果ガスの排出量も10年には先進国を上回ることが予測されており、何らかの形での参加を求める声が高まっています。
 今後、日本は、米国の“復帰”を粘り強く働きかける一方、世界最高の省エネ技術を生かし、発展途上国の“参加”に向けた支援をすることが求められています。21世紀の地球温暖化防止で世界のリーダーシップを日本が取るべきであり、そのために公明党は全力を挙げていきます。

【気候変動枠組み条約締約国会議】
気候変動枠組み条約(地球温暖化防止条約)に基づき、毎年開催されている国際会議で、11月にモロッコ王国マラケシュで開催された会議は第7回なので「COP7(コップ セブン)」と呼ばれる。
【京都議定書】
94年3月に発効した地球温暖化防止条約が2000年以降の取り組みについての規定が不十分であるとし、97年12月に日本が議長国になり京都で開かれたCOP3で全会一致で採択された議定書。温室効果ガス削減へ法的拘束力のある数値目標が決められた。
【温室効果ガス】
地球温暖化の原因となる温室効果をもたらすガス。京都議定書では二酸化炭素(CO2)、メタン、亜酸化窒素、HFC(ハイドロフルオロカーボン=代替フロンの一種)、PFC(パーフルオロカーボン=同)、六フッ化硫黄の6種類の温室効果ガスを対象としている。

テロ対策新法について
   
                                      衆議院議員 田端正広
【写真】テロ対策新法について質問する田端(13・10・10)
9月11日のあの忌まわしい米国同時多発テロ事件は、私たちの想像を超え、6000人以上の犠牲者を出すという大惨事となりました。これは、あの阪神大震災の時の被害にも等しいわけであります。こうした卑劣なテロ事件を誰が予想したでしょうか。

この事件を受けて、日本でもただちにテロ対策新法が整備され、衆議院にテロ対策特別委員会が設置されました。そして、この特別委員会(加藤紘一委員長、委員45人)の理事に、私も選任され、去る1010日、衆院本会議の代表質問に立ち、小泉総理に対して質問しました。

 このテロ事件に対する私の基本的な考えは、こうしたテロ事件は絶対に許せないし、同時に国際的な人道支援を積極的に行うべきだと思います。そして、10月8日未明の米軍によるタリバン軍事拠点等への攻撃は、やむを得ない行動と判断しています。

 私は本会議の質問の中でいくつかの歯止めを主張しました。その前提として、今回の事件がウサマ・ビンラディン一派の犯行であることの証拠の提示を要求しましたが、この点については、1011日のテロ対策特別委員会で、小泉総理から見解が示された通りであります。

 私は、この法案の内容に対しては、あくまでも自衛隊の海外での活動は、国連平和維持(PKO)活動に極めて近い姿が望ましいと訴えました。つまり、難民救援や医療活動など人道的措置が中心となります。特に、戦闘状態でないとはいえ「他国の領域」にまで行くわけですから、隊員の安全確保は絶対に必要です。

今回の米英軍の攻撃はテロリスト根絶が目的であり、アフガンやイスラム社会に対するものではないという視点も重要です。従って、武器・弾薬の輸送についても「より慎重であるべきだ」と主張したことに対して、小泉総理も「同感である」と答えました。

 つまり、このテロ対策新法は、あくまでも憲法の枠内という大前提に立ち、国連決議を受け、しかも、時限立法とするなど、大きな制約の中にあることを確認したわけです。

 私は、先日、東ティモールを視察して参りました。10年以上続いた紛争も終息し、いよいよ来年6月には独立する予定ですが、現地では、日本からのPKO部隊(道路や橋をつくる施設部隊)の参加を求める声が圧倒的でありました。

 自衛隊の国際平和協力活動に対して、大変に期待が高いということです。今回のテロ対策に対しても、私は、日本の平和憲法という枠の中で、堂々と世界平和のために貢献すれば、そのことはイスラム世界の人々にも必ず理解されるものと確信しています。


注目を浴びる自然重視の公共事業
“破壊”から“共生”へ転換 公明が推進



自然破壊や税金ムダ遣いの象徴として批判されてきた公共事業だが、公明党の推進で「環境」が政治のメインテーマに押し上げられつつある中、公共事業の質の転換が図られようとしている。国の来年度予算概算要求では、構造改革のための重点7分野の一つに「環境」が位置付けられ、環境政策の“目玉”として「自然再生型公共事業」が盛り込まれた。「緑の公共事業」ともいわれる自然重視の公共事業が注目を集めている。

「環境」が予算の重要テーマに
雇用の創出効果も
釧路湿原など「再生型事業」

 自然を重視する公共事業の一つである「自然再生型公共事業」は、失われつつある自然の再生と修復を図る発想に立った公共事業。自然破壊のイメージが強い従来型の公共事業とは違って、自然重視の姿勢を前面に出した新しい公共事業だ。来年度予算概算要求に際し、公明党環境部会(田端正広部会長=衆院議員)が重点要望に掲げ、環境省などに強く要請。これを受けるかたちで環境省の重点施策に反映された。
 同事業のモデルケースとなるのが、北海道の釧路湿原の事業だ。同湿原は、国の天然記念物タンチョウが飛来し、多様な動植物が生息するとともに、観光に訪れる人々の心も潤す「水の大地」。
 ところが、水はけを良くすることを目的に、蛇行していた釧路川上流部を直線化した結果、湿原への土砂流入が発生し、「乾燥化」が進行している。そこで今回の事業では、湿原の乾燥化に歯止めをかけるため、釧路川を元のように蛇行させ、本来の姿に復元させる。河川によどみや早瀬をつくって魚類や藻類が定着しやすい環境を取り戻す一方、周辺の荒果てた農地を再び湿地化させ、さらに、広葉樹の植林など、土砂流入を食い止める対策も講じていく。
 このほか、自然再生型公共事業の対象地域として、産業廃棄物の集積場や焼却施設の集中立地によるダイオキシン汚染で名が知られた埼玉県南部の「くぬぎ山」が挙がっている。すでに廃業した産廃施設を撤去し、雑木林を復元して、かつてのように環境に敏感なオオタカが悠々と舞う豊かな自然を取り戻す計画だ。

「緑の公共事業」地方から提言
 一方、地方自治体からも、自然重視の公共事業に期待する声が上がっている。和歌山県の木村良樹、三重県の北川正恭両知事が今月3日、共同提言「緑の公共事業で地方版セーフティーネット(安全網)を」を発表。全国30道府県知事の賛同を得た上で、14日に木村知事が川口順子環境相らに対し、来年度から実施するよう申し入れた。
 同提言では、国土面積の3分の2を占める森林の公益的機能に着目し、水を豊富に貯える水源かん養や、地球温暖化を招く二酸化炭素(CO2)を吸収し、生物に不可欠な酸素(O2)を供給する役割を守る観点から「緑の公共事業」を創設することとしている。
 この事業で特長的なのが、森林保全活動を通じて新規雇用の創出を目的としていること。森林、清流、海洋などの環境保全や整備を計画的に展開することで雇用を新たに創出し、地元の若者にとどまらず、都会の失業者や農村に新天地を求める人たちの人材定着を促すのが狙いだ。
 提言では、「国の来年度予算の重点7分野のうち、環境、地方の活性化、高齢化の3分野にまたがるものとして、ぜひ政策の柱の一つに加えてほしい」と要望。これに対し、川口環境相は「非常に良い発想であり、実現に向けて努力する」と前向きな回答を示している。

党環境部会長 田端正広衆院議員に聞く
新しい発想で構造改革


――「自然再生型公共事業」の意義は

田端 あらゆる分野で構造改革が求められている今、政策を立案する上で新しい発想への転換が不可欠です。例えば環境分野では、公明党が推進役となり、循環型社会形成推進基本法の成立を手始めに、「自然との共生」を基本とした循環型社会づくり、という新しい政策がようやく定着してきました。
 そして、来年度予算の概算要求では、「環境」が重点7分野の一つに掲げられ、公明党の主張してきた「自然再生型公共事業」という自然重視の新しい政策が盛り込まれました。
 ムダな公共事業の見直しが問われている中、同事業は、環境の分野から構造改革を着実に推進する重要な役割を果たすことになります。

――自然重視の公共事業により、どういう効果が期待できますか

田端 各地で自然の再生や修復、保全を進める現場には、たくさんのNPO(民間非営利団体)が存在し、多くの市民が事業にかかわっています。「自然再生型公共事業」についても、こうした地元の人々の力を結集すれば、新しい雇用が創出されることになります。
 ほかにも、自然環境をテーマに据えた新しい雇用としては、(1)国立公園の管理・保全(2)河川レンジャー(3)下刈りや間伐などの森林保全(4)不法投棄の監視(5)都市部における環境カウンセラー(6)子どもたちが自然に触れて学ぶ環境教育の先生(7)登山道の補修(8)生物の生息環境保全――など、たくさん考えられます。
 公明党は、民間の新しいエコビジネス(環境関連産業)育成とともに、自然重視の公共事業を推進し、雇用創出を考慮に入れた環境政策を積極的に推進していこうと考えています。


田端が提案した環境Gメンが10月から始動


 廃棄物の不法投棄や水質・大気汚染対策を強化するため、環境破壊の情報収集や監視を行う「地方環境対策調査官」(環境Gメン)が来月1日から全国の主要都市に配置されます。総勢45人の環境Gメンは、各都道府県当局や同警察などと連携しながら、機動的に対処していくことになっています。「循環型(ごみ・ゼロ)社会」の構築を基本政策に掲げる公明党(環境部会長=田端正広)は、諸制度が有効に機能する前提として不法投棄根絶に向けた環境Gメンの創設を一貫して提唱してきました。

循環型社会へ法の運用が本格化
諸制度が有効に機能するためには環境犯罪の取締りが前提

 大気汚染や地球温暖化などの環境破壊が深刻な社会問題となる中で、「ごみ・ゼロ社会」実現への道筋をつける「循環型社会形成推進基本法」が昨年6月、施行されました。その関連5法がこの4月から施行され、個別・具体的な取り組みが本格化しています。
 ごみの発生を極力減らし資源を大切にする循環型社会へ向けた諸制度が有効に機能するには、まず、ごみの不法投棄などの環境犯罪を厳しく取り締まることが前提です。
 かつて瀬戸内海の豊島で、大量のシュレッダーダスト(自動車や電気製品の破砕ごみ)が不法投棄され社会問題となりましたが、ごみの不法投棄は残念ながら後を絶ちません。
 環境省の「不法投棄件数および投棄量」に関する調査によれば、10トン以上の不法投棄の件数は、93年(274件)から98年(1197件)まで増え続け、99年も依然として高水準にあります。大都市近郊の山野には、“産廃銀座”などと呼ばれている不法投棄の常習地域があり、原状回復された量は全体の半数にも達していません。
 また、家電リサイクル法の施行後、廃電化製品の不法投棄も増えています。このため自治体によっては、公費でリサイクルに回さざるを得ないケースもあります。

「環境Gメン」の仕事
不法投棄の監視や立入調査、情報収集のほか登録業務も

 こうした現状を踏まえ、不法投棄の根絶へ向けた第一歩として環境Gメンが初めて設けられます。任務は廃棄物の不法投棄や水質・大気汚染対策などの強化と、情報収集や監視を行います。同時に、「環境行政全般にわたる自治体との連携の窓口」(環境省)として環境省と密接に連携しながら地方の環境行政を、じん速かつ効率的に行うことが期待されています。
 10月1日から配置される45人は、全国9つのブロックの主要都市に常駐【表参照】します。
 具体的には、各都道府県当局や同警察、ボランティア団体などと密接に連携をとりながら不法投棄に目を光らせる監視役となったり、ダイオキシン汚染など高濃度汚染された現場への立ち入り調査などを行います。
 さらに地域の環境情報を収集する一方、自治体のリサイクル活動への指導や助言も行います。また廃棄物・リサイクル関係業者などの認定、許可、登録業務や、環境アセスメント(環境影響評価)対象地の現地調査および事後のケアなども行うことになっています。
 中でも、産業廃棄物や不法投棄の問題は、一つの自治体で対応することが難しくなっています。しかし、広域的に自治体や警察と連携し、かつ環境Gメンの機能が十分に発揮されれば、環境破壊を未然に防止できる場面が増えることが期待されています。

「地方環境対策調査官」事務所の配置

ブロック

管轄都道府県

事務所地

人数

北海道 北海道 札幌市
東北 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 仙台市
関東 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県 東京都
北越 新潟県、富山県、石川県 新潟市
中部 福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 名古屋市
近畿 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 大阪市
中国 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 広島市
四国 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 高松市
九州 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 福岡市

公明党の取り組み
真の環境大国へ、専門職の創設を含めた早急な対策を求める

 公明党は党の重点政策に「21世紀に循環型(ごみ・ゼロ)社会を築く」ことを大きく掲げて、環境対策に取り組んでいます。
 昨年8月の衆院環境委員会で田端正広(党環境部会長)が不法投棄の取り締まりに際し、監視や実態チェックの専門官として配置するよう求めたほか、同10月、公明党の冬柴鉄三幹事長らが森喜朗首相(当時)に不法投棄根絶のための早急な対策を講じるよう申し入れました。
 この中で、「不法投棄という抜け道をふさがなければ、真の循環型社会の構築はあり得ない」と強調、改めて環境Gメンの配置や、警察など関係機関との連携強化、さらに不法投棄の原状回復への仕組みづくりなどを求めていました。
 これに対し政府は、「環境省の職員等が地域で機動的に対処する方法をさらに検討する」と公明党に回答書を送付、環境省設置法を改正することにより、「地方環境対策調査官」(環境Gメン)の創設に踏み切りました。
 併せて、公明党の主張で廃棄物運搬車両の運行・積み降ろしを記録する「電子モニターシステム」の実証試験が00年度の補正予算に計上されたほか、同補正予算に続き今年度予算に、人工衛星を用いた不法投棄監視システムの開発調査費も計上されており今後、大きな成果を上げることが期待されています。




「京都議定書」 ちょっと教えて5問5答  公明新聞 平成13年8月15日付 掲載

 日本で生まれた「京都議定書」という言葉が今、世界的に注目を集めています。京都議定書は、地球温暖化を防ぐため、CO2(二酸化炭素)などの温室効果ガスを削減するための国際的な取り決めですが、2002年発効(効力が生じること)をめざした交渉が大詰めを迎えています。順調に発効すれば、地球環境問題に世界が協力して取り組む大事な一歩となります。今後の課題や公明党の取り組みについて田端正広党環境部会長(衆院議員)に聞きました。

Q  京都議定書の意味は
温暖化防止への国際的な取り決め

 地球規模で進む温暖化に歯止めをかけるための公式の報告書のことです。CO2など6種類の温室効果ガスをたくさん排出している先進国を対象に、排出削減の義務目標を規定したことが柱です。
 1997年12月に京都市で開かれた第3回地球温暖化防止京都会議(COP3)で採択されたことから「京都議定書」と呼ばれています。「議定書」では、先進国全体で2008〜2012年の5年間の平均値で温室効果ガスの排出量を、1990年に比べて少なくとも5%削減することを決めました。その上で、欧州連合(EU)8%、米国7%、日本6%など国、地域別の具体的な削減目標を定めています。
 「議定書」発効には、55カ国以上の批准(国家として正式に同意すること)と、批准する先進国の合計排出量が、先進国全体の55%を超えることが条件となっています。2002年発効をめざしていますが、日本は「議定書」採択の議長国だったことから、大きな責任を担っています。

Q  どんな目的があるのか
各国が協力し地球環境守る第一歩

 20世紀は、世界各国が経済発展に夢中になり、石油や石炭などの化石燃料を大量に使用することによって、温室効果ガスをまき散らしてきました。これにより、大気中の温室効果ガス濃度が加速度的に高まり、気温上昇や砂漠化など、地球温暖化による影響が深刻になっています。
 科学者の組織である「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が今年1月に発表した予測では、今のまま放置すると2100年には地球の平均気温が最大で5・8度上昇し、南極などの氷も解け、海面が最大88センチ上昇するとしています。
 「議定書」は、こうした地球温暖化による被害を食い止めるための唯一の国際的な取り決めです。目標数値が低かったり、発展途上国の削減目標が明記されていないことなどで、「完ぺきなものではない」との指摘もありますが、「議定書」発効は、地球温暖化防止に世界が歩調を合わせる重要な最初の一歩となることは間違いありません。

Q  米国が不支持表明したが
日本は、再考を粘り強く働きかけ

 米国は、民主党のクリントン前政権のときに「京都議定書」参加を表明しましたが、共和党のブッシュ現政権は態度を変え、今年3月に不支持を表明しました。その理由として「米国経済に影響を与える」「途上国の削減義務が盛り込まれていない」などと述べています。
 EUは、米国抜きで「議定書」を取りまとめる動きを見せていますが、米国の温室効果ガス排出量が先進国全体の36%を占め、世界一の排出国であることを考えれば、米国の不参加は見逃すわけにはいきません。
 日本は、この事態を重視し、私も参加したのですが、与党・政府代表団が今年4月に訪米して再考を促しました。
 引き続き、日本は米国に対し、粘り強く働きかけていくことにしていますが、ここにきて米国議会の上院外交委員会で、単に不参加を決め込むのではなく、修正案提示を含め、国際交渉への参加を求める決議を採択するなど、少しですが流れが変わりつつあります。

Q  日本の国内対策は
目標達成への体制づくり進める

 今年7月の第6回地球温暖化防止会議(COP6)の再開会合で、「議定書」の中核的な運用ルールが合意されました。今年10〜11月にモロッコで開かれるCOP7で細部まで合意すれば、各国が批准するための外交条件が整い、2002年発効が実現します。
 日本が批准を決断する場合、来年1月の通常国会で承認を求めることになりますが、その前提として、6%の削減目標を達成するための国内法の整備が不可欠です。同時に、来年度予算に地球温暖化防止関連予算を組み込むことが必要です。
 日本の温室効果ガスの排出量は、1990年度時点から1999年度までに6・8%増えているため、実質12・8%の削減が必要であり、国民、企業、行政の力を結集し、実効性の高い削減計画を進める体制づくりが早急に必要です。

Q  公明党の取り組みは
早期批准めざし、一貫してリード

 公明党は、京都議定書の早期批准と2002年発効を一貫して推進してきました。
 ごみ・ゼロ社会をめざす循環型社会形成推進基本法の成立に際し、「議定書」を視野に入れ、温室効果ガス削減の取り組みが開始される2008年までに「循環型の国のかたち」を明確に定めることを盛り込みました。
 また、化石燃料に代わる地球にやさしいエネルギーとして、風力や太陽光、バイオマス(生物資源)などの自然エネルギーを普及させるための「自然エネルギー促進法」の早期制定や、クリーンエネルギーを2025年までに1次エネルギー(主に石油や石炭など)総供給量の20%に引き上げる政策を進めています。
 現在は、「議定書」の削減計画を実効性あるものにするための国内法整備と予算措置の準備に全力を挙げています。幸いにも、来年度予算の概算要求基準で重点7分野の中に「環境」が盛り込まれたので、公明党はメリハリのある環境関連予算を獲得していきます。




土壌汚染防止法について

 最近、工業跡地等の再開発などで、土壌の汚染問題が各地で多発しています。環境省が各都道府県等へ土壌汚染のアンケートを行っていますが、これによると、土壌環境基準に適合していないことが判明した事例は、平成3年度には8件であったにも関わらず、平成11年度調査では117件と大幅に増えました。
 また、最近の環境問題に関する国民の意識の向上に伴い、シックハウスのような建設資材からの健康被害に関心が高まっており、今後は土壌汚染への認識も高まることが予想されます。
 公明党は、富山県神通川のカドミウム禍により、骨が萎縮するイタイイタイ病をはじめ、水俣病やダイオキシン、PCB被害などの公害問題に積極的に取り組んできました。公明党の主導で成立したダイオキシン規制法ではじめて、ダイオキシンによる土壌汚染に係る措置が盛り込まれ、知事は土壌環境基準を満たさない地域のうち特に対策が必要な地域を指定し、対策計画を策定することになりました。残された課題は市街地における重金属や揮発性有機化合物による土壌汚染対策です。
 現在、市街地における土壌汚染の調査や原状回復は法的規制がなく、事業者の自主的取り組みに任されています。大企業であれば汚染の浄化もできますが、零細企業や倒産した企業の場合は対応できません。
 また、自治体によっては条例を作り、独自に土壌調査や対策を行っていますが、自治体からは、国の補助や地方財政措置を要望するものが多く、今後は国の関与や、基金などの創設を含めた法律の創設が必要だと考えます。
 公明党は、平成11年7月の党大会政策に、「有害重金属や化学物質で汚染された土壌の地下水を浄化するとともに汚染の防止をはかるためにも、農用地、市街地など、すべての地域に適用される日本に合ったスーパーファンド法ともいうべき『土壌汚染防止法』を制定します」ということを盛り込み、新たな法的措置の検討を政府に求めてきました。
 また、土壌汚染は地下水を伝って周辺住民へ被害を生じさせる恐れがあり、私有地といっても土地は公共財であり、私は以前から、土壌汚染の全国実態調査と全国土壌汚染マップをつくり、住民へ情報を公開することを提唱してきました。
 更に、すべての不動産取引の際、宅地建物取引業法に基づき、契約前に宅地建物取引主任者が購入者に説明することになっている物件についての重要事項の中に土壌汚染を必ず明記することも主張してきました。
これらの主張に対し、「汚染状況の情報公開は汚染地域の土地の評価額が下がり、銀行の不良債権が増える」などの懸念の声が一部にありますが、国民の生命と健康を守るのが国の責任であり、環境を第一に考えた施策を行うべきです。
 環境省においても、平成12年12月から「土壌環境保全対策の制度の在り方に関する検討会」を立ち上げ、土壌汚染防止法の制定も視野に入れた検討が行われておりますが、政府の対応を見守りつつ、意見もいいながら実効性ある対策をリードしていきたいと考えております。また、場合によっては、公明党として法制化も含めた措置を検討して参ります。

公明党のたたき台案を基に作成したフロン回収・破壊法が与野党で調整され、全党一致で成立。

特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律案(環境委員長提出、衆法第四六号)の概要
 

  本案は、人類共通の課題であるオゾン層の保護及び地球温暖化の防止に積極的に取り組むことが重要であることにかんがみ、オゾン層を破壊し又は地球温暖化に深刻な影響をもたらすフロン類の大気中への排出を抑制するため、業務用冷凍空調機器及びカーエアコンからのフロン類の回収及びその破壊の促進等に関する指針及び事業者の責務等を定めるとともに、業務用冷凍空調機器及びカーエアコンに使用されているフロン類の回収及び破壊の実施を確保するための措置等を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 目的

  この法律は、オゾン層を破壊し、地球温暖化に深刻な影響をもたらすフロン類の大気中への排出を抑制するため、特定製品に使用されているフロン類の回収破壊のための措置を講じ、人類の福祉に貢献すること等を目的とすることとする。

二 定義

  この法律において「フロン類」とはCFC、HCFC及びHFCの三種類のフロンとするとともに、「第一種特定製品」とは業務用冷凍空調機器とし、「第二種特定製品」とはカーエアコンとすることとする。

三 指針及び各主体の責務

  特定製品からのフロン類の回収破壊等に関する事項について指針を定めるとともに、事業者、製造業者、国民、国、地方公共団体の責務を定めることとする。

四 第一種特定製品からのフロン類の回収業務用冷凍空調機器が廃棄される場合において、冷媒用フロン類を回収する業者(以下「第一種フロン類回収業者」という。)は、都道府県知事の登録を受けることとし、第一種フロン類回収業者には、フロン類の引取義務、回収・運搬の基準の遵守義務等を課し、都道府県知事は、必要な指導、助言、勧告、命令をすることができることとする。

五 第二種特定製品からのフロン類の回収

 1 使用済自動車に搭載されたカーエアコンを引き取る業者(以下「第二種特定製品引取業者」という。)は都道府県知事の登録を受けることとし、第二種特定製品引取業者は、自動車フロン類管理書を添付して、自動車ユーザーから引き取ったカーエアコンをカーエアコンから冷媒用フロン類を回収する業者(以下「第二種フロン類回収業者」という。)に引き渡すこととする。

  2 第二種フロン類回収業者は、都道府県知事の登録を受けることとする。

  3 第二種特定製品引取業者には第二種特定製品の引取義務等を課すとともに、第二種フロン類回収業者にはフロン類の引取義務、フロン類の回収・運搬の基準の遵守義務等を課し、都道府県知事は、これらの者に対し、必要な指導、助言、勧告、命令をすることができることとする。

六 フロン類の破壊

  特定製品の冷媒フロン類の破壊を行う業者(以下「フロン類破壊業者」という。)は、主務大臣の許可を受けなければならない。また、フロン類破壊業者には、フロン類の引取義務、破壊の基準に従ってフロン類を破壊する義務等を課し、主務大臣は、必要な指導、助言、勧告、命令をすることができることとする。

七 費用負担

  1 業務用冷凍空調機器については、廃棄するユーザー事業者が第一種フロン類回収業者にフロン類の回収等の費用につき適正な料金を支払うこととする。

  2 使用済自動車に係るカーエアコンについては、第二種フロン類回収業者が、引き取ったフロン類を自動車フロン類管理書を添付して、自動車メーカー・輸入業者に引き渡すとともに、回収・運搬の費用を請求することができることとし、自動車メーカー・輸入業者はそのフロン類を引き取るとともに、第二種フロン類回収業者にその費用に関し料金を支払わなければならないこととする。

  3 自動車メーカー・輸入業者が支払う料金は、主務大臣が定める基準に従って自動車メーカー・輸入業者が定めて、公表することし、主務大臣は公表された料金が基準を著しく逸脱すると認めるときは自動車メーカー・輸入業者に対して料金の変更を勧告することができることとする。また、自動車メーカー・輸入業者は、フロン類の回収費用等に関し、自動車ユーザーに負担を求めることができることとする。

八 雑則

  フロン類のみだりな放出の禁止、フロン類の回収破壊に関して必要な事項の特定製品への表示義務等を規定することとする。

九 罰則

  不正な登録、都道府県知事又は主務大臣からの命令違反、フロン類のみだりな放出等に対して、罰則を課すこととする。

十 附則

  1 この法律は、平成十四年四月一日から施行することとする。ただし、カーエアコンからのフロン類の回収義務や費用支払に係る規定に関しては、平成十四年十月三十一日までの間で政令で定める日から施行することとする。

  2 自動車メーカー等から自動車ユーザーへの費用徴収方法、自動車リサイクル法との整合性の確保、断熱材等の冷媒以外の用途に使われているフロン類に関する調査研究等、検討事項を規定することとする。



   特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律案
目次
 第一章 総則(第一条―第八条)
 第二章 第一種特定製品からのフロン類の回収(第九条―第二十四条)
 第三章 第二種特定製品からのフロン類の回収(第二十五条―第四十三条)
 第四章 フロン類の破壊(第四十四条―第五十五条)
 第五章 費用負担(第五十六条―第六十四条)
 第六章 雑則(第六十五条―第八十一条)
 第七章 罰則(第八十二条―第八十七条)
 附則
   第一章 総則
 (目的)
第一条 この法律は、人類共通の課題であるオゾン層の保護及び地球温暖化(地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第百十七号)第二条第一項に規定する地球温暖化をいう。以下同じ。)の防止に積極的に取り組むことが重要であることにかんがみ、オゾン層を破壊し又は地球温暖化に深刻な影響をもたらすフロン類の大気中への排出を抑制するため、特定製品からのフロン類の回収及びその破壊の促進等に関する指針及び事業者の責務等を定めるとともに、特定製品に使用されているフロン類の回収及び破壊の実施を確保するための措置等を講じ、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。
 (定義)
第二条 この法律において「フロン類」とは、クロロフルオロカーボン及びハイドロクロロフルオロカーボンのうち特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(昭和六十三年法律第五十三号)第二条第一項に規定する特定物質であるもの並びに地球温暖化対策の推進に関する法律第二条第三項第四号に掲げる物質をいう。
2 この法律において「第一種特定製品」とは、次に掲げる機器のうち、業務用の機器(一般消費者が通常生活の用に供する機器以外の機器をいう。)であって、冷媒としてフロン類が充てんされているもの(第二種特定製品を除く。)をいう。
 一 エアコンディショナー
 二 冷蔵機器及び冷凍機器(冷蔵又は冷凍の機能を有する自動販売機を含む。)
3 この法律において「第二種特定製品」とは、自動車(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車(政令で定めるものを除く。)をいう。以下同じ。)に搭載されているエアコンディショナー(人用のものに限る。)であって、冷媒としてフロン類が充てんされているものをいう。
4 この法律において「特定製品」とは、第一種特定製品及び第二種特定製品をいう。
 (指針)
第三条 主務大臣は、オゾン層の保護及び地球温暖化の防止に資するため、特定製品からのフロン類の回収及びその破壊の促進その他特定製品の使用及び廃棄に際しての当該フロン類の排出の抑制に関する事項について、指針を定めるものとする。
2 主務大臣は、前項の指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
 (事業者の責務)
第四条 事業者は、前条第一項の指針に従い、特定製品が廃棄される場合において当該特定製品に使用されているフロン類が適正かつ確実に回収され、及び破壊されるために必要な措置その他特定製品に使用されているフロン類の排出の抑制のために必要な措置を講じなければならない。
 (製造業者の責務)
第五条 フロン類又は特定製品の製造を行う事業者は、第三条第一項の指針に従い、フロン類に代替する物質であってオゾン層の破壊をもたらさず、かつ、地球温暖化に深刻な影響をもたらさないものの開発及びその物質を使用した製品の開発を行うように努めるとともに、国及び地方公共団体が特定製品に使用されているフロン類の適正かつ確実な回収及び破壊その他特定製品からのフロン類の排出の抑制のために講ずる施策に協力しなければならない。
 (国民の責務)
第六条 国民は、第三条第一項の指針に従い、特定製品を廃棄する場合には、当該特定製品に使用されているフロン類が適正かつ確実に回収され、及び破壊されるように努めるとともに、国及び地方公共団体が特定製品からのフロン類の排出の抑制のために講ずる施策に協力しなければならない。
 (国の責務)
第七条 国は、特定製品に使用されているフロン類の回収及び破壊が適正かつ確実に行われるよう、事業者及び国民の理解と協力を得るための措置その他必要な措置を講ずるように努めなければならない。
 (地方公共団体の責務)
第八条 地方公共団体は、国の施策に準じて、特定製品に使用されているフロン類の回収及び破壊が適正かつ確実に行われるよう必要な措置を講ずるように努めなければならない。
   第二章 第一種特定製品からのフロン類の回収
 (第一種フロン類回収業者の登録)
第九条 第一種フロン類回収業(第一種特定製品が廃棄される場合において当該第一種特定製品に冷媒として充てんされているフロン類を回収することを業として行うことをいう。以下同じ。)を行おうとする者は、その業務を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
2 前項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書に主務省令で定める書類を添えて、これを都道府県知事に提出しなければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
 二 事業所の名称及び所在地
 三 その業務に係る第一種特定製品の種類及び回収しようとするフロン類の種類
 四 事業所ごとの第一種特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の回収の用に供する設備の種類及びその設備の能力
 五 その他主務省令で定める事項
 (登録の実施)
第十条 都道府県知事は、前条第二項の規定による登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、前条第二項第一号から第三号までに掲げる事項並びに登録年月日及び登録番号を第一種フロン類回収業者登録簿に登録しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。
 (登録の拒否)
第十一条 都道府県知事は、第九条第一項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、同条第二項の規定による登録の申請に係る同項第四号に掲げる事項が第一種特定製品からのフロン類の回収を適正かつ確実に実施するに足りるものとして主務省令で定める基準に適合していないと認めるとき、又は申請書若しくは添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
 一 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
 二 この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
 三 第十七条第一項の規定により登録を取り消され、その処分のあった日から二年を経過しない者
 四 第九条第一項の登録を受けた者(以下「第一種フロン類回収業者」という。)で法人であるものが第十七条第一項の規定により登録を取り消された場合において、その処分のあった日前三十日以内にその第一種フロン類回収業者の役員であった者でその処分のあった日から二年を経過しないもの
 五 第十七条第一項の規定により業務の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
 六 法人であって、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
2 都道府県知事は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。
 (登録の更新)
第十二条 第九条第一項の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 第九条第二項、第十条及び前条の規定は、前項の更新について準用する。
3 第一項の更新の申請があった場合において、同項の期間(以下この条において「登録の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の登録は、登録の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
4 前項の場合において、登録の更新がされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
 (変更の届出)
第十三条 第一種フロン類回収業者は、第九条第二項各号に掲げる事項に変更(主務省令で定める軽微なものを除く。)があったときは、その日から三十日以内に、主務省令で定める書類を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
2 第十条及び第十一条の規定は、前項の規定による届出があった場合に準用する。
 (第一種フロン類回収業者登録簿の閲覧)
第十四条 都道府県知事は、第一種フロン類回収業者登録簿を一般の閲覧に供しなければならない。
 (廃業等の届出)
第十五条 第一種フロン類回収業者が次の各号のいずれかに該当することとなった場合においては、当該各号に定める者は、その日から三十日以内に、その旨を都道府県知事(第五号に掲げる場合にあっては、当該廃止した第一種フロン類回収業に係る第一種フロン類回収業者の登録をした都道府県知事)に届け出なければならない。
 一 死亡した場合 その相続人
 二 法人が合併により消滅した場合 その法人を代表する役員であった者
 三 法人が破産により解散した場合 その破産管財人
 四 法人が合併及び破産以外の理由により解散した場合 その清算人
 五 その登録に係る都道府県の区域内において第一種フロン類回収業を廃止した場合 第一種フロン類回収業者であった個人又は第一種フロン類回収業者であった法人を代表する役員
2 第一種フロン類回収業者が前項各号のいずれかに該当するに至ったときは、第一種フロン類回収業者の登録は、その効力を失う。
 (登録の抹消)
第十六条 都道府県知事は、第十二条第一項若しくは前条第二項の規定により登録がその効力を失ったとき、又は次条第一項の規定により登録を取り消したときは、当該第一種フロン類回収業者の登録を抹消しなければならない。
 (登録の取消し等)
第十七条 都道府県知事は、第一種フロン類回収業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 一 不正の手段により第一種フロン類回収業者の登録を受けたとき。
 二 その者の第一種特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の回収の用に供する設備が第十一条第一項に規定する基準に適合しなくなったとき。
 三 第十一条第一項第一号、第四号又は第六号のいずれかに該当することとなったとき。
 四 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこの法律に基づく処分に違反したとき。
2 第十一条第二項の規定は、前項の規定による処分をした場合に準用する。
 (主務省令への委任)
第十八条 第九条から前条までに定めるもののほか、第一種フロン類回収業者の登録に関し必要な事項については、主務省令で定める。
 (第一種特定製品廃棄者の引渡義務)
第十九条 第一種特定製品を廃棄しようとする者(以下「第一種特定製品廃棄者」という。)は、自ら又は他の者に委託して、第一種フロン類回収業者に対し、当該第一種特定製品に冷媒として充てんされているフロン類を引き渡さなければならない。
 (第一種フロン類回収業者の引取義務)
第二十条 第一種フロン類回収業者は、第一種特定製品廃棄者から前条に規定するフロン類の引取りを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、当該フロン類を引き取らなければならない。
2 第一種フロン類回収業者は、前項の規定によるフロン類の引取りに当たっては、主務省令で定めるフロン類の回収に関する基準に従って、フロン類を回収しなければならない。
 (第一種フロン類回収業者の引渡義務)
第二十一条 第一種フロン類回収業者は、前条第一項の規定によりフロン類を引き取ったときは、自ら当該フロン類の再利用(当該フロン類を自ら冷媒その他製品の原材料として利用し、又は冷媒その他製品の原材料として利用する者に有償若しくは無償で譲渡し得る状態にすることをいう。以下同じ。)をする場合その他主務省令で定める場合を除き、第四十五条第二号ニに規定するフロン類破壊業者に対し、当該フロン類を引き渡さなければならない。
2 第一種フロン類回収業者は、前項の規定によるフロン類の引渡しに当たっては、主務省令で定めるフロン類の運搬に関する基準に従って、フロン類を運搬しなければならない。
 (回収量の記録等)
第二十二条 第一種フロン類回収業者は、主務省令で定めるところにより、フロン類の種類ごとに、第一種特定製品が廃棄される場合において回収した量、第四十五条第二号ニに規定するフロン類破壊業者に引き渡した量、再利用をした量その他の主務省令で定める事項に関し記録を作成し、これをその業務を行う事業所に保存しなければならない。
2 第一種フロン類回収業者は、主務省令で定めるところにより、フロン類の種類ごとに、毎年度、前年度において、第一種特定製品が廃棄される場合において回収した量、第四十五条第二号ニに規定するフロン類破壊業者に引き渡した量、再利用をした量その他の主務省令で定める事項を都道府県知事に報告しなければならない。
3 都道府県知事は、前項の規定による報告を受けたときは、主務省令で定めるところにより、その報告に係る事項を主務大臣に通知しなければならない。
 (指導及び助言)
第二十三条 都道府県知事は、第一種フロン類回収業者に対し、第二十条第一項の規定によるフロン類の引取り又は第二十一条第一項の規定によるフロン類の引渡しの実施を確保するため必要があると認めるときは、当該引取り又は引渡しの実施に関し必要な指導及び助言をすることができる。
 (勧告及び命令)
第二十四条 都道府県知事は、第一種フロン類回収業者が第二十条第二項に規定するフロン類の回収に関する基準又は第二十一条第二項に規定するフロン類の運搬に関する基準を遵守していないと認めるときは、当該第一種フロン類回収業者に対し、期限を定めて、その基準を遵守すべき旨の勧告をすることができる。
2 都道府県知事は、正当な理由がなくて前条に規定する引取り又は引渡しをしない第一種フロン類回収業者があるときは、当該第一種フロン類回収業者に対し、期限を定めて、当該引取り又は引渡しをすべき旨の勧告をすることができる。
3 都道府県知事は、前二項の規定による勧告を受けた第一種フロン類回収業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該第一種フロン類回収業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
   第三章 第二種特定製品からのフロン類の回収
 (第二種特定製品引取業者の登録)
第二十五条 第二種特定製品引取業(使用済自動車(運行の用に供することを終了した自動車をいう。以下同じ。)に係る第二種特定製品の引取りを業として行うことをいう。以下同じ。)を行おうとする者は、その業務を行おうとする事業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
2 前項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書に主務省令で定める書類を添えて、これを都道府県知事に提出しなければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
 二 事業所の名称及び所在地
 三 第二種特定製品に冷媒としてフロン類が含まれているかどうかを確認する体制
 四 その他主務省令で定める事項
 (登録の実施)
第二十六条 都道府県知事は、前条第二項の規定による登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、前条第二項第一号及び第二号に掲げる事項並びに登録年月日及び登録番号を第二種特定製品引取業者登録簿に登録しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。
 (登録の拒否)
第二十七条 都道府県知事は、第二十五条第一項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、同条第二項の規定による登録の申請に係る同項第三号に掲げる事項が第二種特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の適正かつ確実な回収の実施の確保に支障を及ぼすおそれがないものとして主務省令で定める基準に適合していないと認めるとき、又は申請書若しくは添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
 一 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
 二 この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
 三 次条において準用する第十七条第一項の規定により登録を取り消され、その処分のあった日から二年を経過しない者
 四 第二十五条第一項の登録を受けた者(以下「第二種特定製品引取業者」という。)で法人であるものが次条において準用する第十七条第一項の規定により登録を取り消された場合において、その処分のあった日前三十日以内にその第二種特定製品引取業者の役員であった者でその処分のあった日から二年を経過しないもの
 五 次条において準用する第十七条第一項の規定により業務の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
 六 法人であって、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
2 都道府県知事は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。
 (準用)
第二十八条 第十二条から第十八条までの規定は、第二種特定製品引取業者について準用する。この場合において、第十二条第一項中「第九条第一項」とあるのは「第二十五条第一項」と、同条第二項中「第九条第二項、第十条及び前条」とあるのは「第二十五条第二項、第二十六条及び第二十七条」と、第十三条第一項中「第九条第二項各号」とあるのは「第二十五条第二項各号」と、同条第二項中「第十条及び第十一条」とあるのは「第二十六条及び第二十七条」と、第十四条中「第一種フロン類回収業者登録簿」とあるのは「第二種特定製品引取業者登録簿」と、第十五条第一項中「都道府県知事(第五号に掲げる場合にあっては、当該廃止した第一種フロン類回収業に係る第一種フロン類回収業者の登録をした都道府県知事)」とあるのは「都道府県知事」と、同項第五号中「都道府県の区域内において第一種フロン類回収業」とあるのは「第二種特定製品引取業」と、第十六条中「第十二条第一項若しくは前条第二項」とあるのは「第二十八条において準用する第十二条第一項若しくは第十五条第二項」と、「次条第一項」とあるのは「第二十八条において準用する第十七条第一項」と、第十七条第一項第二号中「第一種特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の回収の用に供する設備が第十一条第一項」とあるのは「第二種特定製品に冷媒としてフロン類が含まれているかどうかを確認する体制が第二十七条第一項」と、同項第三号中「第十一条第一項第一号、第四号又は第六号」とあるのは「第二十七条第一項第一号、第四号又は第六号」と、同条第二項中「第十一条第二項」とあるのは「第二十七条第二項」と、第十八条中「第九条から前条まで」とあるのは「第二十五条から第二十七条まで及び第二十八条において準用する第十二条から第十七条まで」と読み替えるものとする。
 (第二種フロン類回収業者の登録)
第二十九条 第二種フロン類回収業(使用済自動車に係る第二種特定製品に冷媒として充てんされているフロン類を回収することを業として行うことをいう。以下同じ。)を行おうとする者は、その業務を行おうとする事業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
2 前項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書に主務省令で定める書類を添えて、これを都道府県知事に提出しなければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
 二 事業所の名称及び所在地
 三 回収しようとするフロン類の種類
 四 第二種特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の回収の用に供する設備の種類及びその設備の能力
 五 その他主務省令で定める事項
 (登録の実施)
第三十条 都道府県知事は、前条第二項の規定による登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、前条第二項第一号から第三号までに掲げる事項並びに登録年月日及び登録番号を第二種フロン類回収業者登録簿に登録しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。
 (登録の拒否)
第三十一条 都道府県知事は、第二十九条第一項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、同条第二項の規定による登録の申請に係る同項第四号に掲げる事項が第二種特定製品からのフロン類の回収を適正かつ確実に実施するに足りるものとして主務省令で定める基準に適合していないと認めるとき、又は申請書若しくは添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
 一 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
 二 この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
 三 第三十三条において準用する第十七条第一項の規定により登録を取り消され、その処分のあった日から二年を経過しない者
 四 第二十九条第一項の登録を受けた者(以下「第二種フロン類回収業者」という。)で法人であるものが第三十三条において準用する第十七条第一項の規定により登録を取り消された場合において、その処分のあった日前三十日以内にその第二種フロン類回収業者の役員であった者でその処分のあった日から二年を経過しないもの
 五 第三十三条において準用する第十七条第一項の規定により業務の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
 六 法人であって、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
2 都道府県知事は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。
 (登録手続の特例)
第三十二条 国土交通大臣は、道路運送車両法第七十八条第四項に規定する自動車分解整備事業者(以下「自動車分解整備事業者」という。)であって第二十九条第一項の登録を受けようとするものが、国土交通省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を記載した書面に主務省令で定める書類を添えて申し出た場合においては、その者に係る同条第二項第四号に掲げる事項が前条第一項に規定する基準に適合していないと認める場合又は当該書面若しくは添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合を除き、当該フロン類の回収の業務を行おうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事に対し、当該添付書類を添えて、その者に係る第二十九条第二項各号に掲げる事項その他主務省令で定める事項を通知するものとする。
 一 第二十九条第二項各号に掲げる事項
 二 その他国土交通省令で定める事項
2 都道府県知事は、前項の規定による通知を受けたときは、当該通知に係る者について、第二十九条第二項第一号から第三号までに掲げる事項並びに登録年月日及び登録番号を第二種フロン類回収業者登録簿に登録しなければならない。ただし、その者が前条第一項各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
3 国土交通大臣は、前項の規定により第二十九条第一項の登録を受けた者について次の各号に掲げる事由が生じたときは、その旨を第一項の規定による通知を行った都道府県知事に通知するものとする。この場合において、国土交通大臣は、第一号に掲げる事由が生じた旨の通知を行う場合において、当該通知に係る事項について次条第二項において準用する第十三条第一項に規定する主務省令で定める書類があるときは、当該書類を添付するものとする。
 一 第一項の規定による通知に係る事項に変更(主務省令で定める軽微なものを除く。)があった場合(次号に該当する場合を除く。)
 二 その者の第二種特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の回収の用に供する設備が前条第一項に規定する基準に適合しなくなったと認める場合
 三 その者について、次条第二項において準用する第十五条第一項の規定による届出があった場合
 四 その者について、道路運送車両法第八十四条の規定により自動車分解整備事業の認証が効力を失った場合又は同法第九十三条の規定により当該認証が取り消された場合
4 第三十条第二項の規定は第二項本文の規定により登録をした場合に、前条第二項の規定は第二項ただし書の規定により登録をしないことを決定した場合に準用する。
5 国土交通大臣は、第一項の規定による申出をした者について同項の規定による通知をしないことを決定したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨をその者に通知しなければならない。
6 第二項及び第四項の規定は、第三項の規定により同項第一号に掲げる事由が生じた旨の通知があった場合に準用する。
7 第二項の規定により登録を受けた第二種フロン類回収業者について、第三項前段の規定により同項第四号に掲げる事由が生じた旨の通知があったときは、当該第二種フロン類回収業者は、当該通知があった日に、第三十条第一項の規定により登録を受けたものとみなす。この場合において、当該通知を受けた都道府県知事は、当該第二種フロン類回収業者にその旨を通知しなければならない。
8 前項後段の規定による通知を受けた第二種フロン類回収業者に係る次条第一項において準用する第十二条第三項に規定する登録の有効期間は、次条第一項において準用する第十二条第一項の規定にかかわらず、当該通知があった日から三月を経過する日に満了するものとする。
9 都道府県知事は、第一項又は第三項の規定による通知に係る者について、第二項(第六項において準用する場合を含む。)の規定により登録をしたとき、又は登録をしないことを決定したときは、その旨を国土交通大臣に通知するものとする。
 (準用等)
第三十三条 第十二条から第十八条まで並びに第二十二条第一項及び第二項の規定は、第二種フロン類回収業者(次項に規定する第二種フロン類回収業者を除く。)について準用する。この場合において、第十二条第一項中「第九条第一項」とあるのは「第二十九条第一項」と、同条第二項中「第九条第二項、第十条及び前条」とあるのは「第二十九条第二項、第三十条及び第三十一条」と、第十三条第一項中「第九条第二項各号」とあるのは「第二十九条第二項各号」と、同条第二項中「第十条及び第十一条」とあるのは「第三十条及び第三十一条」と、第十四条中「第一種フロン類回収業者登録簿」とあるのは「第二種フロン類回収業者登録簿」と、第十五条第一項中「都道府県知事(第五号に掲げる場合にあっては、当該廃止した第一種フロン類回収業に係る第一種フロン類回収業者の登録をした都道府県知事)」とあるのは「都道府県知事」と、同項第五号中「都道府県の区域内において第一種フロン類回収業」とあるのは「第二種フロン類回収業」と、第十六条中「第十二条第一項若しくは前条第二項」とあるのは「第三十三条第一項において準用する第十二条第一項若しくは第十五条第二項」と、「次条第一項」とあるのは「第三十三条第一項において準用する第十七条第一項」と、第十七条第一項第二号中「第一種特定製品」とあるのは「第二種特定製品」と、「第十一条第一項」とあるのは「第三十一条第一項」と、同項第三号中「第十一条第一項第一号、第四号又は第六号」とあるのは「第三十一条第一項第一号、第四号又は第六号」と、同条第二項中「第十一条第二項」とあるのは「第三十一条第二項」と、第十八条中「第九条から前条まで」とあるのは「第二十九条から第三十一条まで及び第三十三条第一項において準用する第十二条から第十七条まで」と、第二十二条第一項及び第二項中「第一種特定製品」とあるのは「使用済自動車に係る第二種特定製品」と読み替えるものとする。
2 第十三条第一項、第十四条から第十八条まで並びに第二十二条第一項及び第二項の規定は、前条第二項の規定により登録を受けた第二種フロン類回収業者について準用する。この場合において、第十三条第一項中「第九条第二項各号」とあるのは「第三十二条第一項各号」と、「主務省令で定める軽微な」とあるのは「同項第一号に掲げる事項に係る変更にあっては主務省令で定める軽微なものを、同項第二号に掲げる事項に係る変更にあっては国土交通省令で定める軽微な」と、「その旨を都道府県知事」とあるのは「国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣」と、第十四条中「第一種フロン類回収業者登録簿」とあるのは「第二種フロン類回収業者登録簿」と、第十五条第一項中「その旨を都道府県知事(第五号に掲げる場合にあっては、当該廃止した第一種フロン類回収業に係る第一種フロン類回収業者の登録をした都道府県知事)」とあるのは「国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣」と、同項第五号中「都道府県の区域内において第一種フロン類回収業」とあるのは「第二種フロン類回収業」と、第十六条中「第十二条第一項若しくは前条第二項」とあるのは「第三十三条第二項において準用する第十五条第二項」と、「次条第一項」とあるのは「第三十三条第二項において準用する第十七条第一項」と、第十七条第一項中「命ずることができる」とあるのは「命ずることができる。この場合において、都道府県知事は、あらかじめ、国土交通大臣に通知しなければならない」と、同項第二号中「第一種特定製品」とあるのは「第二種特定製品」と、「第十一条第一項」とあるのは「第三十一条第一項」と、同項第三号中「第十一条第一項第一号、第四号又は第六号」とあるのは「第三十一条第一項第一号、第四号又は第六号」と、同条第二項中「第十一条第二項」とあるのは「第三十一条第二項」と、第十八条中「第九条から前条まで」とあるのは「第二十九条から第三十二条まで並びに第三十三条第二項において準用する第十三条第一項及び第十四条から第十七条まで」と、第二十二条第一項及び第二項中「第一種特定製品」とあるのは「使用済自動車に係る第二種特定製品」と読み替えるものとする。
第三十四条 都道府県知事は、前条において準用する第二十二条第二項の規定による報告を受けたときは、主務省令で定めるところにより、その報告に係る事項を主務大臣に通知しなければならない。
 (第二種特定製品廃棄者の引渡義務)
第三十五条 使用済自動車に係る第二種特定製品を廃棄しようとする者(以下「第二種特定製品廃棄者」という。)は、自ら又は他の者に委託して、第二種特定製品引取業者に対し、当該第二種特定製品を引き渡さなければならない。
 (第二種特定製品引取業者の引取義務)
第三十六条 第二種特定製品引取業者は、第二種特定製品廃棄者から前条に規定する第二種特定製品の引取りを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、当該第二種特定製品を引き取らなければならない。
 (第二種特定製品引取業者の引渡義務)
第三十七条 第二種特定製品引取業者は、前条の規定により引き取った第二種特定製品に冷媒としてフロン類が充てんされている場合には、第二種フロン類回収業者に対し、当該第二種特定製品が搭載されている自動車の製造等(第三十九条第一項に規定する製造等をいう。)をした者の氏名又は名称その他の主務省令で定める事項を記載した書類(以下「自動車フロン類管理書」という。)を添付して、当該フロン類を引き渡さなければならない。
 (第二種フロン類回収業者の引取義務)
第三十八条 第二種フロン類回収業者は、第二種特定製品引取業者から前条に規定するフロン類の引取りを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、当該フロン類を引き取らなければならない。
2 第二種フロン類回収業者は、前項の規定によるフロン類の引取りに当たっては、主務省令で定めるフロン類の回収に関する基準に従って、フロン類を回収しなければならない。
 (第二種フロン類回収業者の引渡義務)
第三十九条 第二種フロン類回収業者は、前条第一項の規定によりフロン類を引き取ったときは、自ら当該フロン類の再利用をする場合その他主務省令で定める場合を除き、次条第一項の規定により当該フロン類を引き取るべき自動車製造業者等(自動車の製造等(製造する行為(他の者(外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第六条に規定する非居住者を除く。以下この項において同じ。)の委託(主務省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)を受けて行うものを除く。)、輸入する行為(他の者の委託を受けて行うものを除く。)又は製造する行為若しくは輸入する行為を他の者に対し委託をする行為をいう。以下同じ。)を業として行う者をいう。以下同じ。)に対し、第三十七条の規定により添付された自動車フロン類管理書に主務省令で定める事項を記載し、これを添付して、当該フロン類を引き渡さなければならない。
2 第二種フロン類回収業者は、次条第一項の規定によりフロン類を引き取るべき自動車製造業者等が存しないとき、又は当該自動車製造業者等を確知することができないときは、同項、第四十一条、第五十七条第一項及び第二項、第五十八条、第六十条第一項並びに第六十一条の規定により自動車製造業者等が行う事務を適正かつ確実に行うことができる者として、主務省令で定めるところにより、主務大臣が指定する者(以下「指定義務者」という。)に対し、前項の規定の例により当該フロン類を引き渡さなければならない。
3 第二種フロン類回収業者は、前二項の規定によるフロン類の引渡しに当たっては、主務省令で定めるフロン類の運搬に関する基準に従って、フロン類を運搬しなければならない。
 (自動車製造業者等の引取義務)
第四十条 自動車製造業者等(指定義務者を含む。)は、その製造等をした自動車(自動車製造業者等にあっては、その者が他の自動車製造業者等について相続、合併若しくは分割(その製造等の事業を承継させるものに限る。)があった場合における相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割によりその製造等の事業を承継した法人又は他の自動車製造業者等からその製造等の事業を譲り受けた者であるときは、被相続人、合併により消滅した法人若しくは分割をした法人又はその製造等の事業を譲り渡した自動車製造業者等が製造等をした自動車を含み、指定義務者にあっては、その製造等をした自動車製造業者等が存せず、又は自動車製造業者等を確知することができない自動車をいう。以下同じ。)に係る第二種特定製品に冷媒として充てんされていたフロン類について、第二種フロン類回収業者から引取りを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、当該フロン類を引き取らなければならない。
2 自動車製造業者等(指定義務者を含む。以下同じ。)は、前項の規定によるフロン類の引取り及び次条第一項の規定によるフロン類の引渡しに関する事務を他の者に委託して行うことができる。
 (自動車製造業者等の引渡義務)
第四十一条 自動車製造業者等は、前条第一項の規定によりフロン類を引き取ったときは、第四十五条第二号ニに規定するフロン類破壊業者に対し、当該フロン類を引き渡さなければならない。
2 自動車製造業者等は、前項の規定によるフロン類の引渡しに当たっては、第三十九条第三項に規定するフロン類の運搬に関する基準に従って、フロン類を運搬しなければならない。
 (指導及び助言)
第四十二条 都道府県知事は、第二種特定製品引取業者及び第二種フロン類回収業者に対し、第三十六条の規定による第二種特定製品の引取り、第三十八条第一項の規定によるフロン類の引取り又は第三十七条若しくは第三十九条第一項若しくは第二項の規定によるフロン類の引渡しの実施を確保するため必要があると認めるときは、当該引取り又は引渡しの実施に関し必要な指導及び助言をすることができる。
2 主務大臣は、自動車製造業者等に対し、第四十条第一項の規定によるフロン類の引取り又は前条第一項の規定によるフロン類の引渡しの実施を確保するため必要があると認めるときは、当該引取り又は引渡しの実施に関し必要な指導及び助言をすることができる。
 (勧告及び命令)
第四十三条 都道府県知事は、第二種フロン類回収業者が第三十八条第二項に規定するフロン類の回収に関する基準又は第三十九条第三項に規定するフロン類の運搬に関する基準を遵守していないと認めるときは、当該第二種フロン類回収業者に対し、期限を定めて、その基準を遵守すべき旨の勧告をすることができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による勧告をしようとする場合において、当該勧告に係る第二種フロン類回収業者が第三十二条第二項の規定により登録を受けた者であるときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に通知しなければならない。
3 主務大臣は、自動車製造業者等が第三十九条第三項に規定するフロン類の運搬に関する基準を遵守していないと認めるときは、当該自動車製造業者等に対し、期限を定めて、その基準を遵守すべき旨の勧告をすることができる。
4 都道府県知事は、正当な理由がなくて前条第一項に規定する引取り又は引渡しをしない第二種特定製品引取業者又は第二種フロン類回収業者があるときは、当該第二種特定製品引取業者又は第二種フロン類回収業者に対し、期限を定めて、当該引取り又は引渡しをすべき旨の勧告をすることができる。
5 主務大臣は、正当な理由がなくて前条第二項に規定する引取り又は引渡しをしない自動車製造業者等があるときは、当該自動車製造業者等に対し、期限を定めて、当該引取り又は引渡しをすべき旨の勧告をすることができる。
6 都道府県知事は、第一項又は第四項の規定による勧告を受けた第二種特定製品引取業者又は第二種フロン類回収業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該第二種特定製品引取業者又は第二種フロン類回収業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
7 主務大臣は、第三項又は第五項の規定による勧告を受けた自動車製造業者等が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該自動車製造業者等に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
   第四章 フロン類の破壊
 (フロン類破壊業者の許可)
第四十四条 特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の破壊を業として行おうとする者は、その業務を行う事業所ごとに、主務大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に主務省令で定める書類を添えて、これを主務大臣に提出しなければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
 二 事業所の名称及び所在地
 三 破壊しようとするフロン類の種類
 四 フロン類の破壊の用に供する施設(以下「フロン類破壊施設」という。)の種類、数、構造及びその破壊の能力
 五 フロン類破壊施設の使用及び管理の方法
 六 その他主務省令で定める事項
 (許可の基準)
第四十五条 主務大臣は、前条第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
 一 その申請に係る前条第二項第四号及び第五号に掲げる事項が主務省令で定めるフロン類破壊施設に係る構造、破壊の能力並びに使用及び管理に関する基準に適合するものであること。
 二 申請者が次のいずれにも該当しないこと。
  イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
  ロ この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
  ハ 第四十九条の規定により許可を取り消され、その処分のあった日から二年を経過しない者
  ニ 前条第一項の許可を受けた者(以下「フロン類破壊業者」という。)で法人であるものが第四十九条の規定により許可を取り消された場合において、その処分のあった日前三十日以内にそのフロン類破壊業者の役員であった者でその処分のあった日から二年を経過しないもの
  ホ 第四十九条の規定により業務の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
  ヘ 法人であって、その役員のうちにイからホまでのいずれかに該当する者があるもの
 (許可の更新)
第四十六条 第四十四条第一項の許可は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 第四十四条第二項及び前条の規定は、前項の更新について準用する。
3 第一項の更新の申請があった場合において、同項の期間(以下この条において「許可の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
4 前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
 (変更の許可等)
第四十七条 フロン類破壊業者は、第四十四条第二項第三号から第五号までに掲げる事項を変更しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の許可を受けなければならない。ただし、その変更が主務省令で定める軽微な変更であるときは、この限りでない。
2 第四十五条の規定は、前項の許可について準用する。
3 フロン類破壊業者は、第一項ただし書の主務省令で定める軽微な変更があったとき、又は第四十四条第二項第一号若しくは第二号に掲げる事項その他主務省令で定める事項に変更があったときは、その日から三十日以内に、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
 (廃業等の届出)
第四十八条 フロン類破壊業者が次の各号のいずれかに該当することとなった場合においては、当該各号に定める者は、その日から三十日以内に、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
 一 死亡した場合 その相続人
 二 法人が合併により消滅した場合 その法人を代表する役員であった者
 三 法人が破産により解散した場合 その破産管財人
 四 法人が合併及び破産以外の理由により解散した場合 その清算人
 五 フロン類の破壊の業務を廃止した場合 フロン類破壊業者であった個人又はフロン類破壊業者であった法人を代表する役員
 六 フロン類の破壊の業務を休止した場合又は休止した業務を再開した場合 フロン類破壊業者である個人又はフロン類破壊業者である法人を代表する役員
2 フロン類破壊業者が前項第一号から第五号までのいずれかに該当するに至ったときは、当該フロン類破壊業者に対する第四十四条第一項の許可は、その効力を失う。
 (許可の取消し等)
第四十九条 主務大臣は、フロン類破壊業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 一 不正の手段によりフロン類破壊業者の許可を受けたとき。
 二 その者のフロン類破壊施設に係る構造、破壊の能力並びに使用及び管理の方法が第四十五条第一号に規定する基準に適合しなくなったとき。
 三 第四十五条第二号イ、ニ又はヘのいずれかに該当することとなったとき。
 四 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこの法律に基づく処分に違反したとき。
 (フロン類破壊業者名簿)
第五十条 主務大臣は、第四十四条第二項第一号から第三号までに掲げる事項並びに許可年月日及び許可番号を記載したフロン類破壊業者名簿を備え、これを一般の閲覧に供しなければならない。
 (主務省令への委任)
第五十一条 第四十四条から前条までに定めるもののほか、フロン類破壊業者の許可に関し必要な事項については、主務省令で定める。
 (フロン類破壊業者の破壊義務等)
第五十二条 フロン類破壊業者は、第一種フロン類回収業者又は自動車製造業者等から第二十一条第一項又は第四十一条第一項に規定するフロン類の引取りを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、当該フロン類を引き取らなければならない。
2 フロン類破壊業者は、前項の規定によりフロン類を引き取ったときは、主務省令で定めるフロン類の破壊に関する基準に従って、当該フロン類を破壊しなければならない。
3 フロン類破壊業者は、第一項の規定による引取りに係るフロン類の破壊に要する費用に関して、第一種フロン類回収業者及び自動車製造業者等に対し、適正な料金を請求することができる。この場合において、第一種フロン類回収業者及び自動車製造業者等は、その請求に応じて適正な料金の支払を行うものとする。
 (破壊量の記録等)
第五十三条 フロン類破壊業者は、主務省令で定めるところにより、フロン類の種類ごとに、破壊した量その他の主務省令で定める事項に関し記録を作成し、これをその業務を行う事業所に保存しなければならない。
2 フロン類破壊業者は、第一種特定製品廃棄者、第一種フロン類回収業者、第二種特定製品廃棄者、第二種特定製品引取業者、第二種フロン類回収業者又は自動車製造業者等から、これらの者に係る前項の規定による記録を閲覧したい旨の申出があったときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。
3 フロン類破壊業者は、主務省令で定めるところにより、フロン類の種類ごとに、毎年度、前年度において破壊した量その他の主務省令で定める事項を主務大臣に報告しなければならない。
 (指導及び助言)
第五十四条 主務大臣は、フロン類破壊業者に対し、第五十二条第一項の規定によるフロン類の引取り又は同条第二項の規定によるフロン類の破壊の実施を確保するため必要があると認めるときは、当該引取り又は破壊の実施に関し必要な指導及び助言をすることができる。
 (勧告及び命令)
第五十五条 主務大臣は、フロン類破壊業者が第五十二条第二項に規定するフロン類の破壊に関する基準を遵守していないと認めるときは、当該フロン類破壊業者に対し、期限を定めて、その基準を遵守すべき旨の勧告をすることができる。
2 主務大臣は、正当な理由がなくて前条に規定する引取り又は破壊をしないフロン類破壊業者があるときは、当該フロン類破壊業者に対し、期限を定めて、当該引取り又は破壊をすべき旨の勧告をすることができる。
3 主務大臣は、前二項の規定による勧告を受けたフロン類破壊業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該フロン類破壊業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
   第五章 費用負担
 (第一種特定製品廃棄者の費用負担)
第五十六条 第一種フロン類回収業者は、第一種特定製品廃棄者から第十九条に規定するフロン類の引取りを求められたときは、当該第一種特定製品廃棄者に対し、当該フロン類の回収、当該フロン類をフロン類破壊業者に引き渡すために行う運搬及び当該フロン類の破壊を行う場合に必要となる費用(次項において「フロン類の回収等の費用」という。)に関し、適正な料金を請求することができる。
2 第一種特定製品廃棄者は、前項の規定による第一種フロン類回収業者の請求に応じて適正な料金の支払を行うことにより当該フロン類の回収等の費用を負担するものとする。
 (第二種フロン類回収業者に支払う料金)
第五十七条 第二種フロン類回収業者は、主務省令で定めるところにより、自動車製造業者等に対し、第三十九条第一項又は第二項の規定により自動車製造業者等に引き渡したフロン類の回収及び当該フロン類を引き渡すために行う運搬に要する費用に関し、第二種特定製品に係るフロン類の回収の適正かつ確実な実施を確保する観点から主務大臣が定める基準に従って自動車製造業者等が定める料金を請求することができる。
2 自動車製造業者等は、前項の規定による請求があった場合には、正当な理由がある場合を除き、その求めに応じて料金を支払わなければならない。
3 自動車製造業者等は、前項に規定する料金の支払に関する事務を他の者に委託して行うことができる。
 (第二種フロン類回収業者に支払う料金の公表)
第五十八条 自動車製造業者等は、主務省令で定めるところにより、前条第一項に規定する料金について、あらかじめ、公表しなければならない。これを変更するときも、同様とする。
 (第二種フロン類回収業者に支払う料金に関する勧告等)
第五十九条 主務大臣は、自動車製造業者等が前条の規定により公表した料金が第五十七条第一項に規定する基準を著しく逸脱していると認めるときその他第二種特定製品に係るフロン類の回収の適正かつ確実な実施を確保するため特に必要があると認めるときは、当該自動車製造業者等に対し、期限を定めて、その公表した料金を変更すべき旨の勧告をすることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による勧告を受けた自動車製造業者等が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、当該自動車製造業者等に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
 (自動車を運行の用に供する者の費用負担)
第六十条 自動車製造業者等は、第五十七条第二項の規定により支払う料金及び第四十条第一項の規定により引き取ったフロン類の破壊に要する費用(次項において「フロン類の回収等の費用」という。)に関し、その製造等をした自動車を運行の用に供する者に対し、適正な料金を請求することができる。
2 自動車を運行の用に供する者は、前項の規定による請求に応じて適正な料金の支払を行うことにより当該フロン類の回収等の費用を負担するものとする。
 (自動車を運行の用に供する者に請求する料金の公表)
第六十一条 自動車製造業者等は、主務省令で定めるところにより、前条第一項の規定により自動車を運行の用に供する者に対し請求する料金について、あらかじめ、公表しなければならない。これを変更するときも、同様とする。
 (自動車を運行の用に供する者に請求する料金に関する勧告等)
第六十二条 主務大臣は、自動車製造業者等が前条の規定により公表した料金について、第二種特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の適正かつ確実な実施を確保するため特に必要があると認めるときは、当該自動車製造業者等に対し、期限を定めて、その公表した料金を変更すべき旨の勧告をすることができる。
2 主務大臣は、前項の規定による勧告を受けた自動車製造業者等が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、当該自動車製造業者等に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
 (自動車フロン類管理書の保存等)
第六十三条 第二種特定製品引取業者は、第三十七条の規定により第二種フロン類回収業者に引き渡したフロン類に添付した自動車フロン類管理書の写しを当該引渡しを行った日から主務省令で定める期間保存しなければならない。
2 第二種フロン類回収業者は、第三十九条第一項又は第二項の規定により自動車製造業者等に引き渡したフロン類に添付した自動車フロン類管理書の写しを当該引渡しを行った日から主務省令で定める期間保存しなければならない。
3 自動車製造業者等は、第四十条第一項の規定により引き取ったフロン類に添付された自動車フロン類管理書を当該引取りを行った日から主務省令で定める期間保存しなければならない。
4 第二種特定製品引取業者及び第二種フロン類回収業者は、第二種特定製品廃棄者又は自動車製造業者等から、これらの者に係る第一項又は第二項の規定により保存する自動車フロン類管理書の写しを閲覧したい旨の申出があったときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。
 (勧告及び命令)
第六十四条 都道府県知事は、第二種特定製品引取業者又は第二種フロン類回収業者が、自動車フロン類管理書に関し、第三十七条、第三十九条第一項若しくは第二項又は前条第一項、第二項若しくは第四項の規定を遵守していないと認めるときは、当該第二種特定製品引取業者又は第二種フロン類回収業者に対し、報告を求め、又は必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた第二種特定製品引取業者又は第二種フロン類回収業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該第二種特定製品引取業者又は第二種フロン類回収業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
3 主務大臣は、自動車製造業者等が、前条第三項の規定を遵守していないと認めるときは、当該自動車製造業者等に対し、報告を求め、又は必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。
4 主務大臣は、前項の規定による勧告を受けた自動車製造業者等が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該自動車製造業者等に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
   第六章 雑則
 (フロン類の放出の禁止)
第六十五条 何人も、みだりに特定製品に冷媒として充てんされているフロン類を大気中に放出してはならない。
 (表示)
第六十六条 特定製品の製造等を業として行う者は、当該特定製品を販売する時までに、当該特定製品に冷媒として充てんされているフロン類に関し、当該特定製品に、見やすく、かつ、容易に消滅しない方法で、次に掲げる事項を表示しなければならない。
一 当該フロン類をみだりに大気中に放出してはならないこと。
二 当該特定製品(当該特定製品が第二種特定製品である場合にあっては、使用済自動車に係るもの)を廃棄する場合には、当該フロン類の回収が必要であること。
三 当該フロン類の種類及び数量
 (特定製品の整備の際の遵守事項)
第六十七条 第一種特定製品の整備に際して当該第一種特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の回収又は運搬を行う者は、当該フロン類の回収又は運搬を行うに当たっては、第二十条第二項に規定するフロン類の回収に関する基準又は第二十一条第二項に規定するフロン類の運搬に関する基準に従って行わなければならない。
2 第二種特定製品が搭載されている自動車の整備に際して当該第二種特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の回収又は運搬を行う者は、当該フロン類の回収又は運搬を行うに当たっては、第三十八条第二項に規定するフロン類の回収に関する基準又は第三十九条第三項に規定するフロン類の運搬に関する基準に従って行わなければならない。
 (主務大臣によるフロン類製造業者等への協力要請)
第六十八条 主務大臣は、フロン類又は特定製品の製造等を行う事業者に対し、第五条に規定する責務にのっとりフロン類に代替する物質であってオゾン層の破壊をもたらさず、かつ、地球温暖化に深刻な影響をもたらさないものの開発及びその物質を使用した製品の開発を行うように努めることを要請するとともに、国が第七条に規定する責務にのっとり講ずる措置並びに第七十六条及び第七十七条の規定により講ずる措置に関し、フロン類及び特定製品に係る技術的知識の提供、フロン類の回収及び破壊の促進に関する啓発及び知識の普及その他フロン類の適正かつ確実な回収及び破壊を推進するために必要な協力を求めるように努めるものとする。
 (都道府県知事に対する情報の提供その他の措置)
第六十九条 経済産業大臣、国土交通大臣及び環境大臣は、第二種特定製品引取業者の登録及び第二種フロン類回収業者の登録の円滑な実施に資するため、都道府県知事に対し、自動車の販売を行う事業者、自動車分解整備事業者、自動車の解体を行う事業者その他の事業者であって、第二種特定製品の引取り又は第二種特定製品に係るフロン類の回収を業として行おうとするものに関する情報の提供を行うように努めなければならない。
 (報告の徴収)
第七十条 主務大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、第一種フロン類回収業者、第二種特定製品引取業者、第二種フロン類回収業者、自動車製造業者等又はフロン類破壊業者に対し、フロン類の回収又は破壊の実施の状況等に関し報告を求めることができる。
 (立入検査)
第七十一条 主務大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、その職員に、第一種フロン類回収業者、第二種特定製品引取業者、第二種フロン類回収業者、自動車製造業者等又はフロン類破壊業者の事務所若しくは事業所又はフロン類の回収の業務を行う場所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
 (資料の提出の要求)
第七十二条 主務大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係都道府県知事又は第一種フロン類回収業者、第二種特定製品引取業者、第二種フロン類回収業者、自動車製造業者等、フロン類破壊業者、第一種特定製品の整備を行う者若しくは第二種特定製品が搭載されている自動車の整備を行う者に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
 (フロン類に関する情報の公表)
第七十三条 主務大臣は、第二十二条第三項若しくは第三十四条の規定による通知又は第五十三条第三項の規定による報告に係る事項その他この法律の規定により収集された情報を整理して、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の状況その他のフロン類に関する情報を公表するものとする。
 (環境大臣によるフロン類破壊業者に関する調査請求)
第七十四条 環境大臣は、フロン類破壊業者がフロン類の破壊その他のフロン類の取扱いに際して、専ら環境の保全を目的とする法令に違反した場合は、当該フロン類破壊業者が第五十二条第二項に規定するフロン類の破壊に関する基準に違反していないかどうかを調査するよう主務大臣に求めることができる。
 (国の援助)
第七十五条 国は、フロン類の回収及び破壊を促進するために必要な資金の確保、技術的な助言その他の援助に努めるものとする。
 (教育及び学習の振興等)
第七十六条 国は、フロン類の回収及び破壊を促進してフロン類の大気中への排出を抑制するためには、事業者及び国民の理解と協力を得ることが欠くことのできないものであることにかんがみ、フロン類の回収及び破壊の促進に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実のために必要な措置を講ずるものとする。
2 国は、事業者、国民又はこれらの者の組織する団体が自発的に行うフロン類の回収及び破壊に資する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
 (研究開発の推進等)
第七十七条 国は、フロン類の回収及び破壊に関する技術の研究開発、フロン類に代替する物質であってオゾン層の破壊をもたらさず、かつ、地球温暖化に深刻な影響をもたらさないものの研究開発その他フロン類に係る環境の保全上の支障の防止に関する研究開発の推進並びにその成果の普及のために必要な措置を講ずるものとする。
 (情報交換の促進等)
第七十八条 国は、この法律の規定により都道府県知事が行う事務が円滑に実施されるように、国と都道府県及び都道府県相互間の情報交換を促進するとともに、当該事務の実施の状況に応じて必要な措置を講ずることに努めるものとする。
 (主務大臣等)
第七十九条 この法律における主務大臣は、環境大臣及び経済産業大臣とする。ただし、第三条に規定する指針のうち第二種特定製品が搭載されている自動車の整備に係る事項及び第二種特定製品が搭載されている自動車の整備を行う者に係る第七十二条の規定による資料の提出の要求に関する事項については、環境大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣とする。
2 この法律における主務省令は、環境大臣及び経済産業大臣の発する命令とする。ただし、第三十二条第一項及び第三項第一号、第三十三条第二項において準用する第十三条第一項及び第十八条、第三十八条第二項並びに第三十九条第三項の主務省令については、環境大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣の発する命令とする。
 (権限の委任等)
第八十条 この法律に規定する主務大臣の権限は、政令で定めるところにより、地方支分部局の長に委任することができる。
2 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、政令で定めるところにより、地方運輸局長に委任することができる。
3 前項の規定により地方運輸局長に委任された権限は、政令で定めるところにより、陸運支局長に委任することができる。
4 この法律の規定により都道府県知事の権限に属する事務(第二章に規定する事務を除く。)の一部は、政令で定めるところにより、政令で定める市の長が行うこととすることができる。
 (経過措置)
第八十一条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
   第七章 罰則 
第八十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
 一 第九条第一項、第二十五条第一項又は第二十九条第一項の規定に違反して登録を受けないでフロン類の回収又は使用済自動車に係る第二種特定製品の引取りを業として行った者
 二 不正の手段によって第九条第一項、第二十五条第一項又は第二十九条第一項の登録(第十二条第一項(第二十八条及び第三十三条第一項において準用する場合を含む。)の登録の更新を含む。)を受けた者
 三 第十七条第一項(第二十八条及び第三十三条において準用する場合を含む。)の規定による業務の停止の命令に違反した者
 四 第四十四条第一項の規定に違反して許可を受けないでフロン類の破壊を業として行った者
 五 不正の手段によって第四十四条第一項の許可(第四十六条第一項の許可の更新を含む。)を受けた者
 六 第四十七条第一項の規定に違反して第四十四条第二項第三号から第五号までに掲げる事項を変更した者
 七 第四十九条の規定による業務の停止の命令に違反した者
 八 第六十五条の規定に違反して特定製品に冷媒として充てんされているフロン類を大気中に放出した者
第八十三条 第二十四条第三項、第四十三条第六項若しくは第七項、第五十五条第三項、第五十九条第二項、第六十二条第二項又は第六十四条第二項若しくは第四項の規定による命令に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。
第八十四条 第十三条第一項(第二十八条及び第三十三条において準用する場合を含む。)又は第四十七条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
第八十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
 一 第二十二条第一項(第三十三条において準用する場合を含む。)又は第五十三条第一項の規定に違反して、記録を作成せず、若しくは虚偽の記録を作成し、又は記録を保存しなかった者
 二 第二十二条第二項(第三十三条において準用する場合を含む。)、第五十三条第三項又は第七十条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
 三 第六十三条第一項から第三項までの規定に違反して、自動車フロン類管理書又はその写しを保存しなかった者
 四 第七十一条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
第八十六条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第八十二条から前条までの違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第八十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。
 一 第十五条第一項(第二十八条及び第三十三条において準用する場合を含む。)又は第四十八条第一項の規定による届出を怠った者
 二 第六十六条の規定による表示をせず、又は虚偽の表示をした者
   附 則
 (施行期日)
第一条 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 一 第一条、第二条、第九条から第十八条まで、第四十四条から第五十一条まで、第七十条(第一種フロン類回収業者及びフロン類破壊業者に係る部分に限る。)、第七十一条(第一種フロン類回収業者及びフロン類破壊業者に係る部分に限る。)、第七十九条から第八十一条まで、第八十二条第一号(第九条第一項に係る部分に限る。)、第二号(第九条第一項に係る部分に限る。)、第三号(第二十八条及び第三十三条において準用する第十七条第一項に係る部分を除く。)及び第四号から第七号まで、第八十四条(第二十八条及び第三十三条において準用する第十三条第一項に係る部分を除く。)、第八十五条第二号(第七十条(第一種フロン類回収業者及びフロン類破壊業者に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)及び第四号(第七十一条第一項中第一種フロン類回収業者及びフロン類破壊業者に係る部分に限る。)、第八十六条、第八十七条第一号(第二十八条及び第三十三条において準用する第十五条第一項に係る部分を除く。)並びに次条第一項から第四項までの規定 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日
 二 第三十三条において準用する第二十二条第一項及び第二項、第三十四条から第三十八条まで、第三十九条(同条第二項の規定による指定に係る部分を除く。)、第四十条から第四十三条まで、第五十二条(第一種フロン類回収業者からのフロン類の引取り及びその破壊に係る部分を除く。)、第五十七条から第六十四条まで、第六十七条第二項、第七十条(自動車製造業者等に係る部分に限る。)、第七十一条(自動車製造業者等に係る部分に限る。)、第八十三条(第二十四条第三項及び第五十五条第三項に係る部分を除く。)並びに第八十五条第一号(第三十三条において準用する第二十二条第一項に係る部分に限る。)、第二号(第三十三条において準用する第二十二条第二項に係る部分及び第七十条(自動車製造業者等に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)、第三号及び第四号(第七十一条第一項中自動車製造業者等に係る部分に限る。)の規定 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の翌日から平成十四年十月三十一日までの間において政令で定める日
 三 第七十八条並びに附則第四条及び第五条の規定 公布の日
 (経過措置)
第二条 前条第一号に掲げる規定の施行の際現に第一種フロン類回収業を行っている者は、同号に規定する政令で定める日から同日後六月を経過する日又は施行日の前日のいずれか遅い日までの間(当該期間内に第十一条第一項の規定による登録を拒否する処分があったときは、当該処分のあった日までの間)は、第九条第一項の登録を受けないでも、引き続き当該業務を行うことができる。その者がその期間内に当該登録の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について登録又は登録の拒否の処分があるまでの間も、同様とする。
2 前項の規定により引き続き第一種フロン類回収業を行うことができる場合において、同項に規定する期間を経過する日(同項後段の場合にあっては、同項後段の登録又は登録の拒否の処分の日)が施行日以後の日となるときは、その者を当該業務を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録を受けた第一種フロン類回収業者とみなして、第十七条第一項(登録の取消しに係る部分を除く。)及び第二項、第十九条から第二十一条まで、第二十二条第一項及び第二項、第二十三条、第二十四条、第五十二条第一項及び第三項、第五十三条第二項、第五十六条並びに第七十条から第七十二条までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。
3 前条第一号に掲げる規定の施行の際現に特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の破壊を業として行っている者は、同号に規定する政令で定める日から同日後六月を経過する日又は施行日の前日のいずれか遅い日までの間(当該期間内に第四十四条第一項の許可に係る申請について不許可の処分があったときは、当該処分のあった日までの間)は、同項の許可を受けないでも、引き続き当該業務を行うことができる。その者がその期間内に当該許可の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について許可又は不許可の処分があるまでの間も、同様とする。
4 前項の規定により引き続き特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の破壊を業として行うことができる場合において、同項に規定する期間を経過する日(同項後段の場合にあっては、同項後段の許可又は不許可の処分の日)が施行日以後の日となるときは、その者を主務大臣の許可を受けたフロン類破壊業者とみなして、第二十一条第一項、第二十二条第一項及び第二項、第四十九条(許可の取消しに係る部分を除く。)、第五十二条から第五十五条まで、第五十六条第一項、第七十条から第七十二条まで並びに第七十四条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。
5 この法律の施行の際現に第二種特定製品引取業を行っている者は、施行日から前条第二号に規定する政令で定める日の前日までの間(当該期間内に第二十七条第一項の規定による登録を拒否する処分があったときは、当該処分のあった日までの間)は、第二十五条第一項の登録を受けないでも、引き続き当該業務を行うことができる。その者がその期間内に当該登録の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について登録又は登録の拒否の処分があるまでの間も、同様とする。
6 前項後段の規定により引き続き第二種特定製品引取業を行うことができる場合においては、その者を当該業務を行おうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けた第二種特定製品引取業者とみなして、第二十八条において準用する第十七条第一項(登録の取消しに係る部分を除く。)及び第二項、第三十五条から第三十七条まで、第三十八条第一項、第四十二条第一項、第四十三条第四項及び第六項、第五十三条第二項、第六十三条第一項及び第四項、第六十四条第一項及び第二項並びに第七十条から第七十二条までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。
7 この法律の施行の際現に第二種フロン類回収業を行っている者は、施行日から前条第二号に規定する政令で定める日の前日までの間(当該期間内に第三十一条第一項若しくは第三十二条第二項ただし書の規定による登録を拒否する処分又は同条第一項の規定による通知をしないことの決定があったときは、当該処分又は決定のあった日までの間)は、第二十九条第一項の登録を受けないでも、引き続き当該業務を行うことができる。その者がその期間内に当該登録の申請又は第三十二条第一項の規定による申出をした場合において、その期間を経過したときは、その申請又は申出について登録若しくは登録の拒否の処分又は同項の規定による通知をしないことの決定があるまでの間も、同様とする。
8 前項後段の規定により引き続き第二種フロン類回収業を行うことができる場合においては、その者を当該業務を行おうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けた第二種フロン類回収業者とみなして、第三十三条において準用する第十七条第一項(登録の取消しに係る部分を除く。)及び第二項、第三十三条において準用する第二十二条第一項及び第二項、第三十七条から第三十九条まで、第四十条第一項、第四十二条第一項、第四十三条第一項、第四項及び第六項、第五十三条第二項、第五十七条第一項、第六十三条第一項、第二項及び第四項、第六十四条第一項及び第二項並びに第七十条から第七十二条までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。
第三条 施行日から附則第一条第二号に規定する政令で定める日の前日までの間における第八十二条の規定の適用については、同条第八号中「特定製品」とあるのは、「第一種特定製品」とする。
 (検討)
第四条 政府は、第二種特定製品に関し、第六十条の規定により自動車製造業者等がその製造等をした自動車を運行の用に供する者に対して費用の負担を求める方法について検討を加え、その結果に基づいて速やかに必要な措置を講ずるものとする。
2 政府は、第二種特定製品に冷媒として充てんされているフロン類の回収及び破壊については、使用済自動車の循環的な利用の中で一体的に行われることが適当であることにかんがみ、使用済自動車の循環的な利用に関する法律の検討に当たっては、この法律の第二種特定製品からのフロン類の回収及び破壊に関する規定について廃止を含めた見直しを行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第五条 政府は、冷媒以外の用途に使用されているフロン類の回収及び破壊等に関する調査研究を推進し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。この場合において、特に、断熱材に含まれるフロン類の回収及び破壊等については、速やかに調査研究を推進し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第六条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

     理 由
  人類共通の課題であるオゾン層の保護及び地球温暖化の防止に積極的に取り組むことが重要であることにかんがみ、オゾン層を破壊し又は地球温暖化に深刻な影響をもたらすフロン類の大気中への排出を抑制するため、業務用冷凍空調機器等及び自動車用エアコンディショナーからのフロン類の回収及びその破壊の促進等に関する指針及び事業者の責務等を定めるとともに、業務用冷凍空調機器等及び自動車用エアコンディショナーに使用されているフロン類の回収及び破壊の実施を確保するための措置等を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

新公明党案をたたき台にして、与党3党で審議が進められ、以下のような法律案要綱がまとまった。


フロン回収・破壊法案(与党合意案)についてのQ&A

 自民、公明、保守の与党3党の環境施策に関するプロジェクトチームで、公明党案を軸に調整協議を重ねてきた「フロン回収・破壊法案」が11日、最終合意しました。オゾン層破壊や地球温暖化の原因となるフロンの処理を急ぐのが目的で、今月中に議員立法として国会に提出し、早期成立をめざしています。法案の意義やポイント、成立に向けた今後の取り組みについて、党環境部会の田端正広部会長(衆院議員)に聞きました。

Q.法制化の目的は?
地球環境保全へ処理体制を確立

 フロンは、大気中に放出されると、太陽光の有害な紫外線をさえぎる役目を果たしているオゾン層を破壊したり、二酸化炭素(CO2)をはるかに上回る温室効果があるため、地球温暖化を引き起こします。業務用冷凍・空調機器やカーエアコン、冷蔵庫、エアコンの冷媒などに使われてきましたが、世界的に製造禁止などの措置が取られてきました。
 しかし、日本では回収率が極めて低く、放出され続けているのが現状です。冷蔵庫とエアコンは4月に施行された家電リサイクル法で回収されるようになりましたが、あと3、4年でフロン放出のピークが過ぎる業務用冷凍・空調機器とカーエアコンに関しては、一刻も早くフロンの処理体制をつくる必要性に迫られています。同法案は、その対策を講じるためのものです。

Q.法案の主な内容は?
回収・破壊システム、責務を明記

 法案では、3種類(CFC、HCFC、HFC)のフロンが使われている業務用冷凍・空調機器(第1種特定製品)とカーエアコン(第2種同)について、それぞれのフロン回収・破壊システムを明示しています。都道府県に登録する回収業者が回収することとし、環境相と経済産業相の許可を受ける破壊業者が処理するよう定めています。
 また、事業者や国民、行政のフロン回収・破壊に関する責務をそれぞれ明確化しています。施行期日は、来年4月1日とし、回収・破壊の態勢を整える準備期間を要するカーエアコンについては、「来年10月末までの政令で定める日」としています。

Q.カーエアコン対策は?
車メーカーが最終処分まで責任

 法案の焦点は、国内で年間500万台が廃車処分されている自動車のカーエアコンをどう処理するかです。現行では自動車業界が自主的に定めたシステムを中心に回収していますが、1999年度で回収率が18%にとどまっています。
 法案では、自動車メーカーに対して、回収業者からフロンを引き取り、破壊業者に渡して完全に処分するまでの第一義的な責任を課す「拡大生産者責任」を導入しています。さらに、そのための費用負担はメーカーが自動車ユーザーに求めるとする「排出者責任」を盛り込みました。これは、昨年5月に成立した循環型社会形成推進基本法の理念に基づくものであり、画期的な点です。
 費用徴収方法は、経済産業省が検討中の「自動車リサイクル法案」の骨格が固まる今年夏ごろには結論を出す予定です。

Q.公明党の取り組みは?
独自案示し、与党協議をリード

 公明党は、フロン対策の緊急性を考慮し、昨年11月にフロン回収・破壊に関する公明党案を、他党に先駆けて発表しました。この公明党案をたたき台にして、与党のプロジェクトチームで意見調整の協議を今年3月から10回にわたって行いました。この間、自民党の法案骨子とのすり合わせや、経済産業省や自動車業界との意見交換を十分に行い、今月11日に要綱をまとめ上げました
 当初は、経済産業省や自動車業界から「自動車リサイクル法ができるまで先送りすべき」との意見が出たりしました。しかし、私たちが「フロン対策は待ったなしの状況だ」との認識に立ち、粘り強く協議してきた結果、極めて現実的で実効性のある法案に仕上げることができました。

Q.成立への見通しは?
今国会での早期成立めざし全力

 11日の参院本会議の代表質問で、公明党の浜四津敏子代表代行が法案の早期成立を求めたのに対し、小泉純一郎首相は「今国会での成立に向け、精いっぱい努力したい」と答えました。フロン対策は急を要することなので、来年4月から速やかに施行できるよう、私たちは今国会成立に全力を挙げていきます。
 現在、全党一致で今月中に国会へ提出したいと考えており、野党との協議を進めています。地球環境問題に真正面から取り組み、党派を超えた理解が得られるよう、全力を尽くします。 




平成13年5月11日

 

特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律案要綱(案)

 

 

第一章 総則

 

(1−1 目的)

1−1 この法律は、オゾン層の保護及び地球温暖化の防止の重要性にかんがみ、フロン類の大気中への放出を抑制するため、特定製品からのフロン類の回収及び破壊の実施の確保のための措置等を講ずることを目的とする。

 

(1−2 定義)

1−2−1 この法律の対象物質(フロン類)は、CFC、HCFC及びHFCとする。

1−2−2 この法律の対象となる特定製品は、冷媒としてフロン類が使用されている業務用のエアコン、冷蔵機器及び冷凍機器(第一種特定製品)並びにカーエアコン(第二種特定製品)とする。

 

(1−3 指針)

1−3 主務大臣は、特定製品からのフロン類の回収及び破壊に関して指針を定めるものとする。

 


(1−4 責務)

1−4−1 事業者は、特定製品が廃棄される場合にフロン類が確実かつ適正に回収及び破壊されるために必要な措置その他フロン類の大気中への漏出防止のために必要な措置を講じなければならない。

1−4−2 フロン類又は特定製品の製造業者は、代替物質又は代替物質を使用した製品の開発に努めるとともに、特定製品に使用されているフロン類の回収及び破壊が円滑に推進されるよう国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。

1−4−3 国民は、特定製品を廃棄する場合には、特定製品からフロン類が確実かつ適正に回収され、破壊されるよう努めなければならない。

1−4−4 国は、フロン類に関し、情報の収集及び提供、教育振興、研究開発の推進その他の施策を講ずるよう努めなければならない。

1−4−5 地方公共団体は、国の施策に準じて、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

 

 


第二章 第一種特定製品からのフロン類の回収

 

(2−1 第一種フロン類回収業者の登録)

2−1 第一種特定製品の廃棄に際しての当該製品からの冷媒用フロン類の回収を業として行おうとする者(第一種フロン類回収業者)は、都道府県知事の登録を受けなければならない。

 

(2−2 第一種特定製品廃棄者の義務)

2−2 第一種特定製品を廃棄しようとする者(第一種特定製品廃棄者)は、第一種フロン類回収業者に当該特定製品に冷媒として使用されているフロン類の引取りを求めなければならない。

 

(2−3 第一種フロン類回収業者の義務)

2−3−1 第一種フロン類回収業者は、第一種特定製品廃棄者からフロン類の引取りを求められたときは、フロン類を引き取らなければならない。

2−3−2 第一種フロン類回収業者は、自ら回収したフロン類を再利用する場合等を除き、フロン類破壊業者に、引取りを行ったフロン類を引き渡さなければならない。

2−3−3 第一種フロン類回収業者は、回収及び運搬の基準に従ってフロン類の回収及び運搬を行わなければならない。

2−3−4 第一種特定製品の整備に際してフロン類の回収又は運搬を行う際には、回収及び運搬の基準に従って回収又は運搬を行うものとする。

 

(2−4 回収状況の記録等)

2−4 第一種フロン類回収業者は、回収量、破壊業者への引渡量等を記録し、都道府県知事に報告しなければならない。都道府県知事は、報告事項を主務大臣に通知しなければならない。

 

(2−5 指導、勧告等)

2−5 都道府県知事は、第一種フロン類回収業者に対して、回収及び運搬の基準の遵守並びにフロン類の引取り及び引渡しの実施の確保のため、必要な指導、助言、勧告及び命令を行うことができる。

 

 

第三章 第二種特定製品からのフロン類の回収

 

(3−1 第二種特定製品引取業者の登録)

3−1 使用済み自動車に係る第二種特定製品の引取りを業として行おうとする者(第二種特定製品引取業者)は、都道府県知事の登録を受けなければならない。

 

(3−2 第二種フロン類回収業者の登録)

3−2−1 使用済み自動車に係る第二種特定製品の冷媒用フロン類の回収を業として行おうとする者は、都道府県知事の登録を受けなければならない。

3−2−2 国土交通大臣は、自動車整備業者のうちフロン類の回収を業として行おうとする者であり、かつフロン類の回収を適切に行うことができると認められる者を都道府県知事に通知するものとする。都道府県知事は、通知を受けた者のうち欠格要件に当たらないものについて第二種フロン類回収業者として登録する。

 

(3−3 第二種特定製品廃棄者の義務)

3−3 使用済み自動車に係る第二種特定製品を廃棄しようとする者(第二種特定製品廃棄者)は、第二種特定製品引取業者に第二種特定製品の引取りを求めなければならない。

 


(3−4 第二種特定製品引取業者の義務) 

3−4−1 第二種特定製品引取業者は、第二種特定製品廃棄者から第二種特定製品の引取りを求められたときは、当該第二種特定製品を引き取らなければならない。

3−4−2 第二種特定製品引取業者は、第二種フロン類回収業者に対し、自動車フロン類管理書を添付して当該第二種特定製品に冷媒として使用されているフロン類の引取りを求めなければならない。

 

(3−5 第二種フロン類回収業者の義務)

3−5−1 第二種フロン類回収業者は、第二種特定製品引取業者からフロン類の引取りを求められたときは、当該フロン類を引き取らなければならない。

3−5−2 第二種フロン類回収業者は、自らフロン類を再利用する場合等を除き、自動車を製造又は輸入した者(自動車製造者等)に、自動車フロン類管理書を添付して、回収したフロン類の引取りを求めなければならない。

3−5−3 第二種フロン類回収業者は、回収及び運搬の基準に従ってフロン類の回収及び運搬を行わなければならない。

3−5−4 第二種特定製品の整備に際してフロン類の回収又は運搬を行う際には、回収及び運搬の基準に従って回収又は運搬を行うものとする。

 

(3−6 回収状況の記録等)

3−6 第二種フロン類回収業者は、回収量、自動車製造者等への引渡量等を記録し、都道府県知事に報告しなければならない。都道府県知事は、報告事項を主務大臣に通知しなければならない。

 


(3−7 自動車製造者等の義務)

3−7−1 自動車製造者等は、第二種フロン類回収業者から自らが製造し、又は輸入した自動車に係るフロン類の引取りを求められたときは、当該フロン類を引き取らなければならない。

3−7−2 自動車製造者等は、フロン類破壊業者に、引取りを行ったフロン類を引き渡さなければならない。

3−7−3 自動車製造者等は、運搬の基準に従ってフロン類の運搬を行わなければならない。

 

(3−8 指定義務者)

3−8 義務を負うべき自動車製造者等が存在しない場合、主務大臣の指定した者が第二種フロン類回収業者からのフロン類の引取り及びフロン類破壊業者へのフロン類の引渡しを行う。

 

(3−9 指導、勧告等)

3−9−1 都道府県知事は、第二種特定製品引取業者、第二種フロン類回収業者及び自動車製造者等に対して、フロン類の引取り及び引渡しの実施の確保のため、必要に応じて指導及び助言を行うことができる。

3−9−2 都道府県知事は第二種特定製品引取業者及び第二種フロン類回収業者に対して、主務大臣は自動車製造者等に対して、それぞれ、回収及び運搬の基準の遵守並びにフロン類の引取り及び引渡しの実施の確保のため、必要に応じて勧告及び命令を行うことができる。

 

 


第四章 フロン類の破壊

 

(4−1 フロン類破壊業者の許可)

4−1 特定製品の冷媒用フロン類の破壊を業として行おうとする者(フロン類破壊業者)は、主務大臣の許可を受けなければならない。

 

(4−2 フロン類破壊業者の義務)

4−2−1 フロン類破壊業者は、第一種フロン類回収業者及び自動車製造者等からフロン類の引取りを求められたときは当該フロン類を引き取らなければならない。

4−2−2 フロン類破壊業者は、引き取ったフロン類を破壊基準に従って破壊しなければならない。

 

(4−3 破壊状況の記録等)

4−3 フロン類破壊業者は、破壊量を記録し、主務大臣に報告しなければならない。

 

(4−4 指導、勧告等)

4−4 主務大臣は、フロン類破壊業者に対し、破壊基準の遵守及びフロン類の引取りの実施の確保のため、必要な指導、助言、勧告及び命令を行うことができる。


第五章 費用負担

 

(5−1 第一種特定製品に係る費用負担)

5−1 第一種フロン類回収業者は、第一種特定製品廃棄者に対し、回収、運搬及び破壊に関し、適正な料金を請求することができる。この場合において、第一種特定製品廃棄者は、適正な料金を支払うことにより回収等の費用を負担するものとする。

 

(5−2 第二種特定製品に係る費用負担)

5−2−1 第二種フロン類回収業者は、回収したフロン類が含まれる第二種特定製品を搭載した使用済み自動車の製造者等に対し、回収及び運搬に関し、主務大臣が定める基準を勘案して自動車製造者等が定める料金を請求することができる。自動車製造者等は、正当な理由がある場合を除き、その求めに応じて料金を支払わなければならない。

5−2−2 自動車製造者等は、上記により定める料金をあらかじめ公表しなければならない。

5−2−3 主務大臣は、公表した料金が第二種特定製品からのフロン類の回収の促進上不適当であり、特に必要があると認める場合には、料金を変更すべき旨の勧告及び命令を行うことができる。

 


(5−3 自動車ユーザーの費用負担)

5−3−1 自動車製造者等は、第二種フロン類回収業者に支払う上記の料金及び引き取ったフロン類の破壊に要する費用に関し、自動車ユーザーに対して適正な負担を求めることができる。自動車ユーザーは、請求に応じて適正な料金を支払うことにより回収等の費用を負担するものとする。

5−3−2 自動車製造者等は、自動車ユーザーに請求する料金をあらかじめ公表しなければならない。

5−3−3 主務大臣は、公表した料金が第二種特定製品からのフロン類の回収及び破壊の促進上不適当であり、特に必要があると認める場合には、料金を変更すべき旨の勧告及び命令を行うことができる。

 

 


第六章 雑則

 

(6−1 フロン類の放出の禁止)

6−1 何人も、みだりに特定製品に冷媒として使用されているフロン類を大気中に放出してはならない。

 

(6−2 表示)

6−2 特定製品の製造者等は、特定製品に冷媒として使用されているフロン類の種類及び数量の表示をしなければならない。

 

(6−3 フロン類製造業者等への協力要請)

6−3 主務大臣は、フロン類製造業者及び特定製品製造業者に対して代替物質及び代替物質を使用した製品の開発並びにフロン類の回収及び破壊の推進のために必要な協力を求めるよう努めるものとする。

 

(6−4 環境大臣によるフロン類破壊業者に関する調査請求)

6−4 環境大臣は、フロン類破壊業者がフロン類の破壊等に際して専ら環境保全を目的とした法令に違反した場合、破壊基準に違反していないかどうかを調査するよう主務大臣に求めることができる。

 

(6−5 主務大臣)

6−5 主務大臣は、環境大臣及び経済産業大臣とする。ただし、自動車整備業者に係る規定については、国土交通大臣も主務大臣に加わる。

 

第七章 その他

 罰則その他所要の規定を設ける。


附則

 

(施行期日)

○ この法律は、平成14年4月1日から施行する。

○ 第一種回収業者の登録及びフロン類破壊業者の許可は法律公布後6ヶ月までの間で政令で定める日から施行する。

○ 第二種特定製品からのフロン類の回収義務及び費用支払いに係る規定に関しては平成14年10月31日までの間で政令で定める日から施行する。

 

(検討)

○ 政府は、自動車製造者等が自動車ユーザーに対して費用の負担を求める方法について検討を加え、その結果に基づいて、速やかに必要な措置を講ずるものとする。

○ 政府は、第二種特定製品に冷媒として使用されているフロン類の回収及び破壊については、自動車リサイクル制度の下で一体的に行われることが適当であることにかんがみ、自動車リサイクル制度に関する法律の検討に当たり、この法律の第二種特定製品からのフロン類の回収及び破壊に関する規定について廃止も含めた見直しを行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

○ 政府は、冷媒以外の用途に使用されているフロン類の回収及び破壊に関する調査研究を推進し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 ○ 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

都市の循環型社会をめざして

〜大都市圏エコタウン構想10ヵ年戦略〜

平成13年5月16日

公   明   党

 はじめに 

 

 21世紀、健康で希望あふれる日本をつくるには、これまでの私たちの生活のあり方、文明のあり方を根本から変える必要があります。私たち公明党は循環型社会の実現をめざします。

 

1、「資源の循環と自然との共生」が真の循環型社会

 いま、私たちに最も必要なことは、限りある資源を最大限に利用しつつ、本来あるべき自然生態系を回復・保全するという、資源の循環と自然生態系とが共存する形での「循環型社会」を実現することです。都市を自然生態系の環の中に戻すことが、緊急の課題です。

 

2、環境問題の解決は都市の循環型社会実現が決め手

東京など大都市圏で排出される膨大な量のごみは、国内外で不法投棄等、様々な問題を引き起こしています。「ごみはごみ」という、これまでの「廃棄」の発想ではなく、「ごみを資源に」という「循環」を前提とした発想に転換しなければ、この問題を解決することはできません。

 公明党はこうした認識から、「循環型社会形成推進基本法」の制定や関連7法案の整備を推進し、その結果、従来の廃棄物処理の法体系を循環型へと大きく転換させることができました。循環型社会を築く上での重要な岐路は、現代文明の縮図である大都市圏にこれを実現できるかどうかです。

 

3、「都市再生本部」設置を契機に、まず首都圏から具体化

 公明党は、本年2月の予算委員会で、「大都市圏エコタウン構想10ヵ年戦略」の実現を求め、与党政策協議の中でも強く主張しました。その結果、政府の「緊急経済対策」にその趣旨が盛り込まれ、さらに、小泉連立政権の発足と共に、推進機関として内閣に総理を本部長とする「都市再生本部」が設置されました。いよいよ「大都市圏エコタウン構想10ヵ年戦略」が動き出そうとしています。

「都市再生本部」の設置を契機とし、ここに「大都市圏エコタウン構想10ヵ年戦略」を具体的に提言します。政府予算に特別枠を設ける等の特段の予算配分等を含め、まず首都圏から具体化への一歩を踏み出し、順次、関西圏、中部圏でも整備を進めます。

T.大都市圏のごみを資源にビジネスに 

 

 21世紀は、「ごみ・ゼロ」を生活や経済の規範としなければなりません。環境産業を、経済の新たな成長エンジンと位置付け、産・官・学の連携により、起業や雇用の創出を促します。このため、廃棄物処理法をはじめとした関連制度の見直しやリサイクル製品のJIS規格化等、規制改革を推進します。環境産業は、高齢者や障害者にも、働く場を提供しやすい業種だと考えます。

特に、首都圏においては循環型社会を築く第一期として、臨海地区にリサイクル施設を集中立地し、当初の3年間程度で整備することをめざします。さらに、内陸部の他の地域にも順次、整備地域を拡大します。

 

1、「循環型都市推進法」(仮称)を制定します。

 大都市圏に循環型社会を実現するため、政府による「大都市圏エコタウン構想10ヵ年戦略」の策定を進めます。また、理念やビジョン、圏域指定、事業内容、推進体制、情報公開のあり方、目標年次等を明示する「循環型都市推進法」(仮称)の制定を推進します。

 

2、首都圏に「ごみ・ゼロ」施設を集中立地します。

 

@首都圏内の自治体の実情に合った施設を集中立地します。

設置にあたっては、民間活力を最大限に利用します。ペットボトルやプラスチック等の廃棄物リサイクル施設の設置を進めます。

施設から出る残渣(ざんさ)や、医療廃棄物等のリサイクル困難物をそのまま埋め立てないように、溶融炉施設の設置をはかります。また、その処理過程やごみ炭化施設等で熱回収をし、発電を行い、施設内で有効活用します。

自治体それぞれの実情に合わせて施設を立地し、相互の連携をはかります。

・リサイクル施設として

 ペットボトル 廃プラスチック 建築廃材 廃家電・電子機器 ごみの炭化 等

・リサイクル困難物処理施設として

 溶融炉 PCB無害化処理 等

 

A産・官・学の連携による「環境産業センター」(仮称)を設置します。

 環境産業の育成・振興には様々なサポートが必要です。環境産業の事業化を公募するしくみをつくります。大学・研究機関やリサイクル事業者が研究開発や事業計画を立案・実施するための場を提供し、技術指導や事業化コンサルティングを行う支援機能も備えた施設とします。この「センター」に、ある企業の不要物が他の企業の資源となるような、企業間の連携を促進するネットワークの拠点を構築し情報発信します。

 

B環境教育や市民運動の拠点となる「リサイクルパーク」(仮称)を設置します。

 次世代を担う子供たちや、全ての人に気軽に立ち寄ってもらえる「リサイクルパーク」(仮称)を設置します。パーク内では、リサイクル製品の販売やフリーマーケットの場を提供できるリサイクルデパートをつくります。また、環境を大切にする心を育てる環境教育の場にします。運営においては、NPO等の市民団体と連携し、市民のリサイクル運動の拠点としても活用します。

 

C「循環型社会国際交流センター」(仮称)を設置します。

 日本の廃棄物リサイクル技術、温暖化防止技術、公害防止技術、自然環境保全技術等、これまでの先進的な環境技術の成果や情報等を、アジアや世界の各国に向けて積極的に発信し、共同で研究開発を行う等、国際貢献につとめます。

 

D民間を含め施設の地域住民等への情報公開を義務付けます。

 「ごみ」に関わる施設には、「迷惑施設」という認識が一般にあります。これは、「オープン」でないことへの不信感にも依っています。民間を含め全ての施設の運営にあたっては、住民に対しての情報公開を義務付けます。要求に応じて見学や視察が出来る透明な運営を行うこととします。また、それぞれの施設で、小・中学校や希望する全ての人に、「環境教育」の一環として見学ツアー等を開催します。

 

E海上・河川輸送や大深度地下の利用等環境に優しい物流システムを確立します。

 域内のごみの円滑な運搬を進めるためには、効率的で安全な物流システムの構築が必要です。その際、周辺へ環境負荷を与えないために、トラック輸送を極力減らし、海上・河川輸送を主力とします。また、大深度地下の利用等も検討します。

 

3、風力発電やバイオマス発電等、自然エネルギーの活用をはかります。

 湾岸部等における風力発電を推進すると共に、汚泥や食品残渣(ざんさ)の活用等によるバイオマス発電を進めます。

また、自然エネルギー20%供給を目指して、再生可能(=自然)エネルギーを念頭においた都市づくりを推進し、コジェネレーションの普及や、家庭用燃料電池、太陽光発電・温水器の活用等、自然エネルギーの研究開発、利用・普及等を促進します。

これらによって、今後の地域発展に不可欠な分散型エネルギーモデル都市をめざします。

 

 

U. 大都市圏の空気・水・土を健康に 

 

 大都市圏の環境はかなり悪化しています。工場の密集や自動車交通量の増加等により、排ガスやダイオキシン、環境ホルモン等、様々な化学物質が私たちの健康にも重大な影響を及ぼしています。大都市圏内の空気・水・土を一日も早く健康に取り戻すため、総合的な対策に積極的に取り組みます。

 

1、ディーゼル排気ガス規制等、大気汚染を改善します。

 発ガンやアレルギー疾患等の健康被害が懸念されるディーゼル車の排出ガス規制を強化します。低燃費・低公害車への代替やNOx、ディーゼル排気微粒子の排出を抑制する燃料を含めた技術開発を推進します。

 

2、安全でおいしい水をつくるために水質基準を厳しくします。

 環境ホルモン等、多種多様な微粒子物質が存在するようになり、水質の確保が私たちの生活にとって重要です。安全でおいしい水の確保をめざすため、水質保全・基準等を厳しくします。

 

3、「土壌汚染防止法」の制定を促進します。

 有害重金属や化学物質で汚染された土壌や地下水の浄化を推進すると共に汚染の防止をはかるため、「土壌汚染防止法」の制定を促進します。

 

4、不法投棄防止強化のため自治体と連携し、環境Gメン機能を増強します。

 有害物質の不法投棄は、その地域の環境破壊につながります。不法投棄の多発している地域に対して、地方自治体との連携の強化等、「環境Gメン」機能を増強し、不法投棄防止対策の強化をはかります。

 

5、京都議定書の早期批准・発効等、温暖化防止対策を強化します。

 環境税等税制度のあり方について積極的に検討を進めると共に、温暖化防止を強化し、京都議定書の早期批准・発効など実効ある措置を推進します。

 

6、環境に優しい生活を実践するエコライフ運動を推進します。

 私たち一人一人が環境に優しい生活を意識しなければ大都市圏を健康にすることや、循環型社会を実現することはできません。このため、ごみの抑制や省エネ等、環境に優しい生活を実践するエコライフのための国民運動を推進します。

 

V.大都市圏に風と水と緑のネットワークを 

 

 大都市圏では、様々な都市開発等により、自然や生き物の生態系が大きく破壊されています。その結果、カラスやハト等が異常に増え、ごみを荒らしたり人に危害を加える事態にまで至っています。また、ヒートアイランド現象により気温が上昇する等の、都市特有の問題が起きています。

 この問題の解決には、環境先進国ドイツのように、「風の道」や、ビオトープを意識した都市づくりが必要です。ビオトープとは、大小の規模にかかわらず、地域の自然生態系が守られた、野生動植物が生育できる空間のことです。

 公園の増加等で、自然をまとまりで確保し、多くの生き物が移動できるように河川や道路沿いの自然化を行い、つないでいくという、緑のネットワークを総合的につくります。そのことにより、大都市圏を緑豊かな、うるおいのある、様々な生き物がくらすことのできる空間にします。

 これらの実現のため、公共事業を大胆に見直し、環境最優先型に思い切って転換していくことが必要です。

 

1、緑のネットワーク300haの森をつくります。

 大都市圏内に野生の生き物が生息できる環境をつくります。埋立地等を活用し、緑のネットワークの「かたまり」の拠点となる、ニューヨークのセントラルパークや、ロンドンのハイドパーク規模の森づくりをめざします。

 また、わが国の恵まれた自然環境を踏まえ、大都市圏の緑地の割合を欧米並みにするようめざします。

 

2、様々な生き物と緑のある公園をつくります。

 自治体の合併統合による跡地や遊休地等の利用促進によって、カラスやハトの天敵となるオオタカ等が生息できる規模の公園を増やします。

 また、すでにある公園には、木立や緑を増やす等、地域の特性にあった緑化を推進して、都市公園を自然生態系の成立する空間にします。

 

3、風と生き物の通り道になる道路・河川事業を推進します。

 河川や道路は、清涼な風を都市に送り込む「風の道」、様々な生き物の移動空間、としてとらえることができます。それらを踏まえて、道路・河川事業のさらなる緑化、自然化を推進します。

 

 

4、干潟を保全・再生します。

 干潟は渡り鳥をはじめとする様々な生き物の貴重な生息環境です。埋立地等の護岸形状の一部変更等や、三番瀬、藤前干潟等、干潟の再生・保全を行います。

 

5、コンクリート空間の都市の屋上を緑にします。

 ヒートアイランド対策や景観確保のために、すでに建物が密集してしまっている地域に緑を増やすことが重要です。そこで、一定以上の規模の建物に対して屋上緑化を推進するための支援をします。

 

6、子供たちが自然と共に学べる学校をつくります。

 学校の敷地内にビオトープ(生物生息空間)をつくることを促進し、子供たちの身近な自然とのふれあいの場、環境教育の場とします。

 また、子供たちがのびのびと遊ぶことができるように学校のグラウンドの芝生化を促進します。

 







特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律案
(改訂版)の骨子


第一 対象物質、対象製品

 1 対象物質(フロン類)は、CFC、HCFC及びHFC(政令で指定)とすること。
 2 対象製品は、業務用冷凍空調機器(第一種特定製品)とカーエアコン(第二種特定製品)とすること。

第二 フロン類回収業者の登録

 特定製品の冷媒用フロン類の回収を業として行う者は、特定製品の種類ごとに、都道府県知事の登録を受けなければならないものとすること。

第三 フロン類の引渡義務、引取義務

 特定製品廃棄者にフロン類の引渡義務を、フロン類回収業者にフロン類の引取義務及びフロン類破壊業者への引渡義務を課するものとすること。

第四 フロン類破壊業者の許可

 特定製品の冷媒用フロン類の破壊を業として行う者は、環境大臣の許可を受けなければならないものとすること。

第五 フロン類破壊業者の破壊義務等

 フロン類破壊業者に、フロン類の引取義務及び破壊義務並びにフロン類回収業者への破壊証明書の交付義務を課するものとすること。

第六 第一種特定製品(業務用冷凍空調機器)に係る費用負担

 第一種フロン類回収業者は、特定製品廃棄者に対し、回収、運搬及び破壊に関し、料金を請求することができるものとすること。特定製品廃棄者は、料金の支払を行うことにより回収等の費用を負担するものとすること。

第七 第二種特定製品(カーエアコン)に係る費用負担

1 第二種フロン類回収業者は、フロン類を使用したカーエアコンを搭載した自動車のメーカー又は輸入業者(自動車製造者等)に対し、フロン類の回収等の費用(適正な原価を基礎として環境省令で定める基準により算定)を請求(※)することができるものとすること。
※ カーエアコンを搭載した自動車が当該自動車製造者等により製造・輸入されたことを証する書類と破壊証明書を添付して請求。
2 自動車製造者等は、1の請求があった場合には、その求めに応じて費用を支払わなければならないものとすること。
3 自動車製造者等は、2の費用の支払事務について、センターに委託する等により共同して行うことができるものとすること。
4 自動車製造者等が支払う1の費用は、自動車ユーザーに対して負担を求めるものとすること。

第八 フロン類回収破壊促進センター

1 環境大臣は、2及び3の業務を適正かつ確実に行うことができると認められる公益法人を、フロン類回収破壊促進センターとして指定することができるものとすること。
2 センターは、施設等の整備の資金の助成、普及啓発、自動車製造者等が不存在の場合の費用支払等を行うものとすること。
 3 センターは、自動車製造者等の委託を受けて、第七の2の費用の支払に関する事務を行うことができるものとすること。

第九 フロン類製造業者等の協力

 環境大臣は、フロン類又は特定製品の製造者など関連事業者等に対し、センターの業務に要する費用の出えん等の協力を求めるよう努めるものとすること。

第十 放出の禁止

 何人も、みだりに特定製品に冷媒として使用されているフロン類を大気中に放出してはならないものとすること。

第十一 施行期日

 この法律は、平成14年4月1日から施行すること。ただし、フロン類回収業者の登録、フロン類破壊業者の許可、センターの指定等に関する規定は、公布から6月以内の政令で定める日から施行すること。
第十二 検討
 自動車ユーザーの負担、自動車リサイクル制度との調整、断熱材等冷媒以外の用途に使用されるフロン類等についての検討規定を設けること。


第十二 検討

 自動車ユーザーの負担、自動車リサイクル制度との調整、断熱材等冷媒以外の用途に使用されるフロン類等についての検討規定を設けること。

   

特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律案(改訂版)の概要

 

第一章 総則

第一 目的(第一条関係)

  この法律は、人類共通の課題であるオゾン層の保護及び地球温暖化の防止に積極的に取り組むことが重要であることにかんがみ、オゾン層を破壊し又は地球温暖化に深刻な影響を及ぼすフロン類の製造、使用等の指針及び事業者の責務等を定めるとともに、特定製品に使用されているフロン類の回収及び破壊の実施を確保するための措置等を講じ、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とするものとすること。

 

第二 定義等(第二条関係)

1 この法律において「フロン類」とは、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律第二条第一項に規定する特定物質又は地球温暖化対策の推進に関する法律第二条第三項に規定する温室効果ガス(同項第四号に規定するものに限る。)であって、政令で定めるものをいうものとすること。

2 この法律において「第一種特定製品」とは、冷媒としてフロン類が使用されているエアコンディショナー(第二種特定製品を除く。)、冷蔵機器及び冷凍機器のうち業務の用に供されるものであって、政令で定めるものをいうものとすること。

3 この法律において「第二種特定製品」とは、冷媒としてフロン類が使用されているエアコンディショナーであって、自動車に使用する種類のもの(人用のものに限る。)をいうものとすること。

4 この法律において「特定製品」とは、第一種特定製品及び第二種特定製品をいうものとすること。

 

第三 指針(第三条関係)

 環境大臣は、オゾン層の保護及び地球温暖化の防止に資するため、フロン類及び特定製品の製造、運搬、使用、回収及び破壊に当たって配慮すべき事項について、指針を定めるものとすること。

 

第四 事業者の責務(第四条関係)

 事業者は、第三の指針に従い、特定製品が廃棄される場合において当該特定製品に使用されているフロン類が確実かつ適正に回収され、及び破壊されるために必要な措置その他フロン類の大気中への漏出の防止のために必要な措置を講じなければならないものとすること。

 

第五 製造業者の責務(第五条関係)

 フロン類又は特定製品の製造を行う者は、フロン類に代替する物質であってオゾン層の破壊及び地球温暖化をもたらさないものの開発並びにその物質を使用した製品の開発を行うよう努めるとともに、第三の指針に従い、特定製品に使用されているフロン類の確実かつ適正な回収及び破壊が円滑に推進されるよう、国及び地方公共団体の施策に協力しなければならないものとすること。

 

第六 国民の責務(第六条関係)

 国民は、第三の指針に従い、特定製品を廃棄する場合には、当該特定製品に使用されているフロン類が確実かつ適正に回収され、及び破壊されるように努めなければならないものとすること。

 

第七 国の責務(第七条関係)

 国は、特定製品に使用されているフロン類の回収及び破壊が確実かつ適正に行われるよう、フロン類に関し、情報の収集、整理及び提供、教育及び学習の振興、研究開発の推進その他の必要な措置を講ずるように努めなければならないものとすること。

 

第八 地方公共団体の責務(第八条関係)

  地方公共団体は、国の施策に準じて、特定製品に使用されているフロン類の回収及び破壊の適正かつ円滑な実施のために必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとすること。

 

第二章 フロン類の回収

第一 フロン類回収業者の登録(第九条から第十五条まで関係)

1 特定製品に冷媒として使用されているフロン類の回収を業として行おうとする者は、特定製品の種類ごとに、その業務を行う事業所の所在地を管轄する都道府県の知事の登録を受けなければならないものとすること。

2 1の登録を受けようとする者は、所要の事項を記載した申請書に環境省令で定める書類を添えて、これを都道府県知事に提出しなければならないものとすること。

3 都道府県知事は、1の登録の申請について、環境省令で定める基準に適合していると認めるときは、フロン類回収業者登録簿に登録しなければならないものとすること。

4 フロン回収業者の登録制に係る所要の規定を設けるものとすること。

 

第二 特定製品廃棄者のフロン類回収業者への引渡義務(第十六条関係)

 特定製品を廃棄しようとする者(以下「特定製品廃棄者」という。)は、第一種特定製品を廃棄しようとするときは、第一種特定製品に係る登録を受けたフロン類回収業者(以下「第一種フロン類回収業者」という。)に、第二種特定製品を廃棄しようとするときは、第二種特定製品に係る登録を受けたフロン類回収業者(以下「第二種フロン類回収業者」という。)に対し、当該特定製品に冷媒として使用されているフロン類の引取りを求めなければならないものとすること。

 

第三 フロン類回収業者の引取義務(第十七条関係)

1 第一の1の登録を受けた者(以下「フロン類回収業者」という。)は、特定製品廃棄者から第二によりフロン類の引取りを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、そのフロン類の引取りを行わなければならないものとすること。

2 フロン類回収業者は、1によるフロン類の引取りに当たっては、環境省令で定めるフロン類の回収に関する基準に従って、フロン類を回収しなければならないものとすること。

 

第四 フロン類回収業者のフロン類破壊業者への引渡義務(第十八条関係)

 フロン類回収業者は、第三の1の規定によるフロン類の引取りを行ったときは、自ら回収したフロンを再利用する場合その他環境省令で定める場合を除き、環境省令で定めるフロン類の運搬に関する基準に従って、第三章の第一の1の許可を受けた者(以下「フロン類破壊業者」という。)に回収したフロン類を引き渡さなければならないものとすること。

 

第五 回収状況の記録等(第十九条関係)

1 フロン類回収業者は、環境省令で定めるところにより、フロン類の種類ごとに、回収した量、フロン類破壊業者に引き渡した量、再利用した量その他の環境省令で定める事項を記録し、業務を行う事業所に五年間保存しなければならないものとすること。

2 フロン類回収業者は、環境省令で定めるところにより、フロン類の種類ごとに、毎年度、前年度において回収した量、フロン類破壊業者に引き渡した量、再利用した量その他の環境省令で定める事項を都道府県知事に報告しなければならないものとすること。

3 都道府県知事は、2の報告を受けたときは、環境省令で定めるところにより、その報告に係る事項を環境大臣に通知しなければならないものとすること。

 

第六 指導及び助言(第二十条関係)

 都道府県知事は、フロン類回収業者に対し、第三の1のフロン類の引取り又は第四のフロン類の引渡しの実施を確保するため必要があると認めるときは、その引取り又は引渡しの実施に関し必要な指導及び助言をすることができるものとすること。

 

第七 勧告及び命令(第二十一条関係)

1 都道府県知事は、フロン類回収業者が第三の2のフロン類の回収に関する基準又は第四のフロン類の運搬に関する基準を遵守していないと認めるときは、そのフロン類回収業者に対し、期限を定めて、その基準を遵守すべきことを勧告することができるものとすること。

2 都道府県知事は、正当な理由がなく、フロン類回収業者が第三の1のフロン類の引取り又は第四のフロン類の引渡しをしないときは、そのフロン類回収業者に対し、そのフロン類の引取り又は引渡しをすべき旨の勧告をすることができるものとすること。

3 都道府県知事は、1及び2の勧告を受けたフロン類回収業者が、正当な理由がなく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、そのフロン類回収業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができるものとすること。

 

第三章 フロン類の破壊

第一 フロン類破壊業者の許可(第二十二条から第二十六条まで関係)

1 特定製品に冷媒として使用されているフロン類の破壊を業として行おうとする者は、その破壊の用に供する施設ごとに、環境大臣の許可を受けなければならないものとすること。

2 1の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、所要の事項を記載した申請書に環境省令で定める書類を添えて、これを環境大臣に提出しなければならないものとすること。

3 環境大臣は、1の許可の申請が所要の要件のいずれにも適合していると認めるときでなければ、1の許可をしてはならないものとすること。

4 フロン類破壊業者の許可制に係る所要の規定を設けるものとすること。

 

第二 フロン類破壊業者の破壊義務等(第二十七条関係)

1 フロン類破壊業者は、第二章の第三の1によりフロン類回収業者からフロン類の引取りを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、そのフロン類を引き取り、及び環境省令で定めるフロン類の破壊に関する基準に従って、これを破壊しなければならないものとすること。

2 フロン類破壊業者は、フロン類回収業者に対してそのフロン類の破壊に関し、適正な料金を請求することができるものとすること。この場合において、フロン類回収業者は、その請求に応じて適正な料金の支払を行うものとすること。

3 フロン類破壊業者は、1によりフロン類を破壊したときは、速やかに、当該破壊に係るフロン類を回収したフロン類回収業者に対し、フロン類を破壊したことを証する書類として環境省令で定める書類(以下「破壊証明書」という。)を交付しなければならないものとすること。

 

第三 破壊状況の記録等(第二十八条関係)

1 フロン類破壊業者は、環境省令で定めるところにより、フロン類の種類ごとに、破壊した量その他の環境省令で定める事項を記録し、これをそのフロン類破壊施設に五年間保存しなければならないものとすること。

2 フロン類破壊業者は、特定製品廃棄者又はフロン類回収業者から、これらの者から引き取られたフロン類に係る1により保存する記録を閲覧したい旨の申出があったときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならないものとすること。

3 フロン類破壊業者は、環境省令で定めるところにより、フロン類の種類ごとに、毎年度、前年度において破壊した量その他の環境省令で定める事項を環境大臣に報告しなければならないものとすること。

 

第四 勧告及び命令(第二十九条関係)

1 環境大臣は、フロン類破壊業者が第二の1のフロン類の破壊に関する基準を遵守していないと認めるときは、期限を定めて、そのフロン類破壊業者に対して、その基準を遵守すべきことを勧告することができるものとすること。

2 環境大臣は、正当な理由がなく、第二の1のフロン類の引取り及び破壊を行わないフロン類破壊業者があるときは、そのフロン類破壊業者に対し、そのフロン類の引取り及び破壊をすべき旨の勧告をすることができるものとすること。

3 環境大臣は、1及び2に規定する勧告を受けたフロン類破壊業者が、正当な理由がなく、その勧告に係る措置をとらなかったときは、そのフロン類破壊業者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができるものとすること。

 

第四章 費用負担及びフロン類回収破壊促進センター

第一 第一種特定製品に係る費用負担(第三十条関係)

1 第一種フロン類回収業者は、第二章の第二により特定製品廃棄者から第一種特定製品のフロン類の引取りを求められたときは、当該第一種フロン類回収業者が自らフロン類を再利用する場合その他第二章の第四の環境省令で定める場合を除き、その特定製品廃棄者に対し、そのフロン類の回収、そのフロン類を引き渡すために行う運搬及びそのフロン類の破壊(以下「フロン類の回収等」という。)に関し、適正な料金を請求することができるものとすること。この場合において、特定製品廃棄者は、その請求に応じて適正な料金の支払いを行うことにより当該フロン類の回収等の費用を負担するものとすること。

 

第二 第二種特定製品に係る費用負担(第三十一条及び第三十二条関係)

1 第二種フロン類回収業者は、第二章の第三の1により特定製品廃棄者から引き取った第二種特定製品に係るのフロン類について、その破壊が行われたときは、当該破壊に係るフロン類を冷媒として使用する第二種特定製品を搭載した自動車を製造し、又は輸入した者(以下「自動車製造者等」という。)(当該自動車製造者等が存しないとき、又は当該自動車製造者等を確知することができないときは、フロン類回収破壊促進センター)に対し、当該第二種特定製品を搭載した自動車がその自動車製造者等により製造され、又は輸入されたことを証する書類として環境省令で定める書類(以下「自動車フロン類管理書」という。)及び当該破壊に係るフロン類の破壊証明書を添付して、当該破壊に係るフロン類の回収等に関し、適正な原価を基礎として環境省令で定める基準により算定した費用を請求することができるものとすること。

2 自動車製造者等は、1の請求があった場合には、その求めに応じて費用を支払わなければならないものとすること。

3 自動車製造者等は、2の費用の支払に関する事務について、フロン類回収破壊促進センターに委託する等により共同して行うことができるものとすること。

4 自動車製造者等が第二の2により支払う第二の1の費用は、その製造し、又は輸入した自動車を運行の用に供する者に対して負担を求めるものとすること。

 

第三 自動車フロン類管理書及び破壊証明書の保存等(第三十三条関係)

1 第二種フロン類回収業者は自動車フロン類管理書の写し及び破壊証明書の写しを第二の1の費用の請求の日から、フロン類破壊業者は破壊証明書の写しを第三章の第二の3による破壊証明書の交付の日から、それぞれ、五年間保存しなければならないものとすること。

2 第二種フロン類回収業者は、特定製品廃棄者又はその第二種特定製品に係る自動車製造者等若しくはフロン回収破壊促進センターから、これらの者に係る自動車フロン類管理書の写しを閲覧したい旨の申出があったときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならないものとすること。

3 環境大臣は、自動車フロン類管理書及び破壊証明書の適正な運営について必要があると認めるときは、第二種フロン類回収業者又はフロン類破壊業者に対して、報告を求め、又は必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができるものとすること。

4 環境大臣は、第二種フロン類回収業者又はフロン類破壊業者が、正当な理由がなく、3の勧告に係る措置をとらなかったときは、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができるものとすること。

 

第四 フロン類回収破壊促進センターの指定等(第三十四条関係)

1 環境大臣は、民法第三十四条の法人であって、第五の1及び2の業務(以下「フロン類回収破壊促進業務」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて一を限り、フロン類回収破壊促進センター(以下「センター」という。)として指定することができるものとすること。

2 センターの指定に係る所要の規定を設けるものとすること。

 

第五 業務等(第三十五条関係)

1 センターは、次に掲げる業務を行うものとすること。

一 フロン類の回収等をするための設備又は施設の整備に必要な資金に充てるための助成を行うこと。

二 フロン類の回収等に関する研究開発に必要な資金に充てるための助成を行うこと。

三 フロン類の回収等の実施の確保のための普及及び啓発を行うこと。

四 第二の2により費用を支払うべき自動車製造者等が存せず、又は当該自動車製造者等を確知することができない第二種特定製品に係る第二の1の費用の支払を行うこと。

 五 一から四までの業務に附帯する業務を行うこと。

2 センターは、自動車製造者等の委託を受けて、第二の2の費用の支払に関する事務を行うことができるものとすること。

3 政府は、予算の範囲内において、センターに対し、補助金を交付することができるものとすること。

 

第六 フロン類製造業者等の協力(第三十六条関係)

 環境大臣は、フロン類の製造者、特定製品の製造者その他フロン類の製造等に関連のある事業者等に対し、センターの業務に要する費用の出えんその他フロン類の回収及び破壊を円滑に推進するための必要な協力を求めるよう努めるものとすること。

 

第七 フロン類回収破壊促進業務規程等(第三十七条から第四十四条まで関係)

 フロン類回収破壊促進業務規程等センターの運営及び監督に関し必要な規定を設けるものとすること。

 

第五章 雑則

第一 放出の禁止(第四十五条関係)

  何人も、みだりに特定製品に冷媒として使用されているフロン類を大気中に放出してはならないものとすること。

 

第二 表示(第四十六条関係)

  特定製品の製造又は輸入を業として行う者は、その特定製品を販売する時までに、その特定製品に冷媒として使用されているフロン類の種類等の事項の表示をしなければならないものとすること。

 

第六章 罰則その他

  罰則その他所要の規定を設けること。

 

附則関係

第一 施行期日(附則第一条関係)

  この法律は、平成十四年四月一日から施行すること。ただし、第一章の第一及び第二、第二章の第一、第三章の第一並びに第四章の第四から第七までは、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

 

第二 経過措置(附則第二条関係)

  所要の経過措置を設けること。

 

第三 検討(附則第三条から第五条まで関係)

1 政府は、第二種特定製品に関し、第四章の第二の4により自動車製造者等がその製造し、又は輸入した自動車を運行の用に供する者に対して費用の負担を求める方法について検討を加え、その結果に基づいて速やかに必要な措置を講ずるものとすること。この場合において、当該費用の負担を求める方法は、当該負担を免れるためのフロン類の不法な放出を引き起こすおそれのないものでなければならないものとすること。

 政府は、自動車の循環的な利用に関する法律の検討に当たっては、第二種特定製品に関し、その法律の案とこの法律との間で必要な調整を行うよう検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。

3 政府は、冷媒以外の用途に使用されているフロン類の回収及び破壊に関する調査研究を推進し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。

4 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。





21世紀「環境の世紀」への政策提言

 

1,循環型社会の実現で日本社会の構造改革を推進

 21世紀を「環境の世紀」とするため、昨年、公明党は「循環型社会形成推進法案」を発表しました。それがたたき台となって連立与党で「循環型社会形成推進基本法」がまとまり、「建設リサイクル法」や「食品リサイクル法」、「グリーン購入法」、「改正廃棄物処理法」、「資源有効利用促進法」などの関連法とともに成立しました。いよいよ本年1月6日の環境省の発足と同時に、「循環型社会」(ごみ・ゼロ社会)という社会構造改革へ日本が大きく動き出しました。

 

【持続可能な経済発展】

「循環型社会」へ移行すれば、新たな技術や産業が興り、新たな雇用が生まれ、経済発展に大きく貢献できます。いままでの産業構造は、心臓から体中に血液と酸素を送る、つまり、商品の生産・流通・販売を行う「動脈産業」のみに頼ってきましたが、今後は、全身へ送られた血液が、心臓へ戻り、肺で清浄し、またきれいな血液を全身へ送るという、いわゆる廃棄物の処理・再使用(リユース)・再利用(リサイクル)を行う「静脈産業」(エコビジネス)の市場規模が拡大します。              

 事実、平成12年版の環境白書においても、循環型社会に転換すれば、2010年時点で、エコビジネスの市場規模は約39兆円に拡大。環境ビジネスで約86万人の雇用拡大が見込まれる、と予測しています。また、既存の企業についても、最小の資源・エネルギー消費と最小の環境負荷で、最大効率の製品を生産する、あるいは、最大の経営活動を行うということになり、収益の向上につながります。

さらに、昨年9月にまとめた経済企画庁の試算によると、現在の浪費型の社会を続けると、最終処分場等の社会的コストが増大し、2000年から2020年のGDP(国内総生産)成長率は、年平均1.8%減少すると予想されるが、これとは逆に、資源の使用量やエネルギー消費量を減らし、廃棄物の埋めたて処分量も大きく低減する循環型社会を構築すれば、製品の長寿命化、メンテナンス技術の開発やリユース、リサイクル技術の開発のための集中投資が拡大し、また、製造業・物流産業・廃棄物処理業・リサイクル産業の一体化がなされ、それにともなう、新規事業の立ち上がりが進むと予測されています。それによって、2000年から2020年の間のGDP成長率は、年平均1.5%の上昇となり、持続的な経済発展が可能になると予測しています。

このように、循環型社会とは、地球環境保全と持続可能な経済発展が、車の両輪として、互いに機能し合う21世紀の新しい社会構造システムといえます。

 

【エコライフ運動の展開】

 今後、地球温暖化防止と「循環型社会」構築へ向けた法改正や新規立法など様々な施策が一体的に行われますが、「循環型社会」を構築する上で大切なのは、国民一人一人の環境保全への意識啓発です。現在の「大量消費・大量廃棄」という浪費型から省資源型のライフスタイルへの見直しが急務となっています。

 そこで、公明党は、一人一人が身近でできる地球環境保全に向けた省エネ生活の実践項目をわかりやすく提示した「エコライフ運動」を全国各地で展開することによって、循環型社会を推進して参ります。まず、エコライフへの意識改革から始めたいと考えています。

 また、今後は個人のみならず、各企業や組織での循環型社会への意識転換を図るために、環境マネージメントや環境会計、環境報告書等の普及に向けた運動も展開して参ります。

 

【不法投棄対策】

 「循環型社会」を構築するためには、環境犯罪といわれる「不法投棄」の絶滅を図らなければなりません。公明党が、昨年11月に森首相と川口環境庁長官(当時)へ不法投棄絶滅へ向けて予算措置も含めた具体的実践項目を要望しました。その結果、平成12年度の補正予算では、ダイオキシン対策や最終処分場対策など循環型社会の形成に746億円の予算が計上され、「不法投棄等の衛星監視システム開発」や「廃棄物適正処理監視事業の拡充」、「廃棄物運搬車両等電子モニターシステム開発」、「電子マニフェスト制度のシステム改善」等が実現しました。また、平成13年度予算にも「廃棄物処理施設整備費」に1712億円が計上されたのをはじめ、「不法投棄等衛星監視システム開発」、「産業廃棄物情報管理システム構築事業」、「有害廃棄物等の越境移動対策の強化」等が盛り込まれ、更に、公明党が強く要望していた不法投棄等の環境汚染を取り締まる「環境Gメン」が本年10月から45人体制で、全国9ヶ所に創設されることが決まりました。このように、公明党の発想と行動で、不法投棄絶滅へ向けた動きが大きく前進しました。

 

【原状回復の推進とエコ実績マップの作成】

 また、「循環型社会」とは、「天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会」のことです。香川県の豊島や千葉県銚子市、大阪府能勢町など、廃棄物の不法投棄や不適正処理によって汚染された自然や土地や水質などの原状回復を図ることが欠かせません。公明党はその技術開発や普及の促進を図るとともに、原状回復を実効性あらしめるための法改正や新規立法を検討します。

 さらには、全国3300市町村別に公明党議員の活躍によって実現した「全国エコ実績マップ」の作成に取り組み、党活動を推進すると同時に、全国自治体への情報提供をインターネットを通じて実施して参ります。


2,地球温暖化防止の推進

 

【地球温暖化対策税の導入】

IPCCの報告では、2100年までに、全球平均表明気温は最高で5.8℃上昇し、海面は最高88p上昇すると予測されています。一日も早い地球温暖化対策が急務です。公明党は地球温暖化防止を実効あらしめるための経済的手法を取り入れ、化石燃料の炭素含有量や発生させる熱量に応じて税金を徴収する地球温暖化対策税を導入します。その徴収した財源は、Co2等削減技術の普及促進や自然エネルギーの開発、さらには国民のライフスタイル変革の活動などへの補助金にあてることにより、低税率でも大きな効果が得られると考えます。

 

【フロン・回収破壊法の制定】

昨年11月、公明党は、オゾン層破壊や地球温暖化の原因となるフロン対策として、費用負担や回収・破壊の責務を盛り込んだ「フロン回収・破壊法案」を作成し、発表しました。今国会での成立をめざし、現在、連立与党で協議しています。

 

Co2回収・有効利用システムの確立】

日本は発電所からのCo2が国内Co2総排出量の25%をしめています。京都議定書の遵守のためには、排出権取引や吸収源の議論の前に、発電所やCo2を大量に排出するセメント工場、製鉄所などから排出されるCo2の回収・有効利用システムの確立が急務です。

現在、産官学の共同の「地球環境産業技術研究機構」で研究が進められている、Co2をメタノールの原料に有効利用するCo2固定化・有効利用技術開発や、Co2を海底にとじこめるCo2海洋隔離技術開発により一層力を入れるべきだと考えます。

そのため、この事業を世界の安全保障の一環と位置づけ、世界中の英知を結集し、一日も早いシステムの確立に向け、日本主導で国際プロジェクトとして研究を推し進めるべきだと考えます。この地球環境保全への国際協調が世界平和の礎になると確信します。

 

3,国連大学環境部門の沖縄誘致

 

国連アジア本部の沖縄への誘致を積極的に推進します。その際、環境問題についての研究・技術開発、人材育成を目的とした国連大学の環境に関するセクションを国連アジア本部とともに、沖縄に設置します。

 

4,潜在的未利用地の優先的活用と土壌汚染防止法の制定

 

現在産業構造が大きく変化しており、三大都市圏の重厚長大産業の埋立地をはじめとして、各地に膨大な潜在的未利用地が存在しています。それにもかかわらず、山を切り開き海を埋め立てて新たに土地を作る営みは続いています。自然と共生する循環型社会を作っていくには、まず、この潜在的未利用地の活用を優先しなければなりません。

このため、潜在的未利用地の全国地図を作成します。都会の近くに多くの空き地(未利用地)があることが再認識されるでしょう。その活用を町作りにいかしていくことができます。

また、潜在的未利用地の多くは工場跡地であることが多く、土地が汚染されていることがあります。調査を通じて、この実態にも目を向けることができ、この解決のためには、個別の解決だけでなく、政策的な枠組み、すなわち、市街地における汚染土壌防止法が必要になるので、環境省と連係をとり、土壌汚染防止法の制定を推進します。

 

 

循環型社会の実現

―生命と地球を守る共生社会をめざして―

なぜ今、循環型社会なのか

人類は地球の大自然という「循環」の中で、他の生物と共存しながら生活しています。このかけがえのない地球を守り、健全な姿で私たちの子孫へと残していくことが、我々人類の最大の使命であります。

しかしながら我々人類は、モノの豊かさを追い求め続け、「大量生産・大量消費・大量廃棄」という経済活動、いわゆる浪費型社会を続けてきました。

この浪費型社会の文明が、現在のまま、成り行きにまかせに進めば、廃棄物や有害化学物質があふれ、石油をはじめとした化石燃料が枯渇し、フロンによるオゾン層の破壊やCo2の排出による地球温暖化にともなう異常気象や自然体系の崩壊が待ち受けています。現にその兆候が20世紀にも見られ、ダイオキシンをはじめとした環境ホルモン被害など、想像もしなかった化学物質の発生による公害や、酸性雨や砂漠化にみられるような環境破壊として、人類に襲いかかっています。

幸いにも、我が国は、議長国として開催した地球温暖化防止京都会議(COP3)をきっかけに国民の地球環境保全への意識が高まりました。COP3で決められた京都議定書の内容では、我が国は、温室効果ガスの排出を2008年から2012年までの間に1990年に比べの6%削減することとなりました。

今後、温室効果ガス削減に向けた努力をしなければいけませんが、その意味でも、2008年を目標に新たな社会システムの構築が必要となりました。

人類の生存基盤であるこの地球環境を損なわず、維持し、回復させるには、世界中の国々が、この浪費型社会を見直し、資源を大切にし、無駄なモノをつくらず(リデュース)、再使用(リユース)や再利用(リサイクル)を活用し、やむを得ず出たごみは、環境に負荷を与えず、安全な形で処理する「ごみ・ゼロ社会」をめざすとともに、環境にやさしい自然エネルギーの活用などを積極的に行う「循環型社会」への移行が必要です。

20世紀、世界の経済をリードしてきた日本が、21世紀に先頭に立って、人々の幸せと地球との共生に基礎を置く、この「循環型社会」を構築し、その社会システムと技術を世界に発信していくことが、地球環境保全に大きく貢献するのです。

 


持続可能な経済社会をめざして

 

「循環型社会」を構築する上で、一番ネックになるのは、循環型社会が、経済発展のブレーキにならないかという懸念です。もし、そうであるならば、今後、我国が循環型社会へ移行する上で、また、世界各国へ循環型社会を広める上で、大きな障害となります。

 しかし、実際は循環型社会へ移行すれば、新たな技術や産業が興り、新たな雇用が生まれ、経済は上向きになっていくのです。

 いままでの産業構造は、心臓から体中に血液と酸素を送る、商品の生産・流通・販売を行う「動脈産業」のみに頼ってきましたが、今後は、全身へ送られた血液が、心臓へ戻り、肺で清浄し、またきれいな血液を全身へ送るという、廃棄物の処理・再使用(リユース)・再利用(リサイクル)を行う「静脈産業」(エコビジネス)の市場規模が拡大します。

事実、平成12年版の環境白書においても、循環型社会に転換すれば、2010年時点で、エコビジネスの市場規模は約39兆円に拡大。環境ビジネスで約86万人の雇用拡大が、見込まれると予測しています。また、既存の企業についても、最小の資源・エネルギー消費と最小の環境負荷で、最大の効率の製品を生産する、あるいは、最大の経営活動を行うということになり、収益の向上につながります。

さらに、本年9月にまとめた経企庁の試算によると、現在の浪費型の社会を続けると、最終処分場等の社会的コストが増大し、2000年から2020年のGDP(国内総生産)成長率は、年平均1.8%減少すると予想されます。

これとは逆に、資源の使用量やエネルギー消費量を減らし、廃棄物の埋めたて処分量も大きく低減する循環型社会を構築すれば、製品の長寿命化、メンテナンス技術の開発やリユース、リサイクル技術の開発のための集中投資が拡大し、また、製造業・物流産業・廃棄物処理業・リサイクル産業の一体化がなされ、それにともなう、新規事業の立ち上がりが進むと予測されています。

こうしたことにより、2000年から2020年の間のGDP成長率は、年平均1.5%の上昇となり、持続的な経済発展に貢献すると予測しています。

このように、循環型社会とは、地球環境保全と持続可能な経済発展が、車の両輪として互いに機能し合う21世紀の社会構造システムなのです。


循環型社会への公明党公明党の取り組み

 

平成11年10月4日、与党3党の連立政権の発足にあたり、公明党の強い主張で、「平成12年度を循環型社会元年と位置づけ、基本的枠組みとしての法制定を図るとともに、予算、税制、金融面において環境対策に重点的に配慮する」ことが合意されました。

これを受け、与党3党は「循環型社会プロジェクトチーム」を発足させ、公明党の提案した「循環型社会形成推進法案」をたたき台にして調整し、「循環型社会形成推進基本法」をまとめ上げました。そして、遂に平成12年6月2日、民主党を除く賛成多数で成立し、公布・施行されました。

 

循環型社会形成推進基本法の概要

 

 1.循環型社会の姿を明確に提示 

 「循環型社会」とは、地球という大自然の循環の機能を維持し、損なわず、回復しつつ、持続的に発展することができる地球社会をつくっていくために、天然資源の消費の抑制と環境負荷の低減を図り、また、廃棄物・リサイクルを「廃棄物等」と一元的にとらえ、その処理を@発生抑制、A再使用、B再利用、C熱回収、D適正処分─の優先順位で行う、いわゆる「ごみ・ゼロ社会」です。

 

 2.国、地方自治体、事業者及び国民の役割分担を明確化 

国、地方公共団体、事業者及び国民が一体となって循環型社会の形成に取り組んでいくため、それぞれの責務を明確にしました。その中でも特に注目すべき責務は、以下の2つです。

  @「拡大製造者責任」

製品の設計段階での有害物質の使用を少なくしたり、リサイクルしやすい構造や、長持ちするような工夫が、製造者に求められます。また、製品によっては、製造者に引き取り義務を課すようになります。

  A「排出者責任」

不法投棄等に対し、廃棄物業者だけでなく、リサイクル業者、排出事業者も責任を負います。また、環境の保全上の支障が生じる場合、原因事業者にその原状回復等の費用を負担させるとともに、事業者等による基金の造成やその他の必要な措置(課徴金・保険等)を講じます。

 

 3.第三者的機関の設置 

改革の意欲に富んだ既存の利害にとらわれない大胆な発想の出来る第三者的機関として、中央環境審議会に循環型社会づくりのための特別部会を設置し、循環型社会形成推進基本計画策定のための具体的指針を平成14年4月までに、環境大臣に意見します。その人選は「政府・与党連絡会議」で行います。

 

 4.循環型社会形成推進基本計画の策定 

中央環境審議会の特別部会の具体的指針に即して、環境大臣は、平成15年10月までに、個別法の改正や新法の制定など、次々と制度改革を行えるような、実効性のある「循環型社会形成推進基本計画」を作成します。

 

 5.政策評価 

循環型社会形成のための施策の進捗状況について、毎年国会へ報告するとともに、循環型社会形成推進基本計画をおおむね5年ごとに見直します。


 

 

 

循環型社会形成推進基本法(全文)


   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、環境基本法(平成五年法律第九十一号)の基本理念にのっとり、循環型社会の形成について、基本原則を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、循環型社会形成推進基本計画の策定その他循環型社会の形成に関する施策の基本となる事項を定めることにより、循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「循環型社会」とは、製品等が廃棄物等となることが抑制され、並びに製品等が循環資源となった場合においてはこれについて適正に循環的な利用が行われることが促進され、及び循環的な利用が行われない循環資源については適正な処分(廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第二条第一項に規定する廃棄物をいう。以下同じ。)としての処分をいう。以下同じ。)が確保され、もって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会をいう。

2 この法律において「廃棄物等」とは、次に掲げる物をいう。

 一 廃棄物

 二 一度使用され、若しくは使用されずに収集され、若しくは廃棄された物品(現に使用されているものを除く。)又は製品の製造、加工、修理若しくは販売、エネルギーの供給、土木建築に関する工事、農畜産物の生産その他の人の活動に伴い副次的に得られた物品(前号に掲げる物並びに放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)

3 この法律において「循環資源」とは、廃棄物等のうち有用なものをいう。

4 この法律において「循環的な利用」とは、再使用、再生利用及び熱回収をいう。

5 この法律において「再使用」とは、次に掲げる行為をいう。

 一 循環資源を製品としてそのまま使用すること(修理を行ってこれを使用することを含む。)。

 二 循環資源の全部又は一部を部品その他製品の一部として使用すること。

6 この法律において「再生利用」とは、循環資源の全部又は一部を原材料として利用することをいう。

7 この法律において「熱回収」とは、循環資源の全部又は一部であって、燃焼の用に供することができるもの又はその可能性のあるものを熱を得ることに利用することをいう。

8 この法律において「環境への負荷」とは、環境基本法第二条第一項に規定する環境への負荷をいう。

 (循環型社会の形成)

第三条 循環型社会の形成は、これに関する行動がその技術的及び経済的な可能性を踏まえつつ自主的かつ積極的に行われるようになることによって、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会の実現が推進されることを旨として、行われなければならない。

 (適切な役割分担等)

第四条 循環型社会の形成は、このために必要な措置が国、地方公共団体、事業者及び国民の適切な役割分担の下に講じられ、かつ、当該措置に要する費用がこれらの者により適正かつ公平に負担されることにより、行われなければならない。

 (原材料、製品等が廃棄物等となることの抑制)

第五条 原材料、製品等については、これが循環資源となった場合におけるその循環的な利用又は処分に伴う環境への負荷ができる限り低減される必要があることにかんがみ、原材料にあっては効率的に利用されること、製品にあってはなるべく長期間使用されること等により、廃棄物等となることができるだけ抑制されなければならない。

 (循環資源の循環的な利用及び処分)

第六条 循環資源については、その処分の量を減らすことにより環境への負荷を低減する必要があることにかんがみ、できる限り循環的な利用が行われなければならない。

2 循環資源の循環的な利用及び処分に当たっては、環境の保全上の支障が生じないように適正に行われなければならない。

 (循環資源の循環的な利用及び処分の基本原則)

第七条 循環資源の循環的な利用及び処分に当たっては、技術的及び経済的に可能な範囲で、かつ、次に定めるところによることが環境への負荷の低減にとって必要であることが最大限に考慮されることによって、これらが行われなければならない。この場合において、次に定めるところによらないことが環境への負荷の低減にとって有効であると認められるときはこれによらないことが考慮されなければならない。

 一 循環資源の全部又は一部のうち、再使用をすることができるものについては、再使用がされなければならない。

 二 循環資源の全部又は一部のうち、前号の規定による再使用がされないものであって再生利用をすることができるものについては、再生利用がされなければならない。

 三 循環資源の全部又は一部のうち、第一号の規定による再使用及び前号の規定による再生利用がされないものであって熱回収をすることができるものについては、熱回収がされなければならない。

 四 循環資源の全部又は一部のうち、前三号の規定による循環的な利用が行われないものについては、処分されなければならない。

 (施策の有機的な連携への配慮)

第八条 循環型社会の形成に関する施策を講ずるに当たっては、自然界における物質の適正な循環の確保に関する施策その他の環境の保全に関する施策相互の有機的な連携が図られるよう、必要な配慮がなされるものとする。

 (国の責務)

第九条 国は、第三条から第七条までに定める循環型社会の形成についての基本原則(以下「基本原則」という。)にのっとり、循環型社会の形成に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (地方公共団体の責務)

第十条 地方公共団体は、基本原則にのっとり、循環資源について適正に循環的な利用及び処分が行われることを確保するために必要な措置を実施するほか、循環型社会の形成に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (事業者の責務)

第十一条 事業者は、基本原則にのっとり、その事業活動を行うに際しては、原材料等がその事業活動において廃棄物等となることを抑制するために必要な措置を講ずるとともに、原材料等がその事業活動において循環資源となった場合には、これについて自ら適正に循環的な利用を行い、若しくはこれについて適正に循環的な利用が行われるために必要な措置を講じ、又は循環的な利用が行われない循環資源について自らの責任において適正に処分する責務を有する。

2 製品、容器等の製造、販売等を行う事業者は、基本原則にのっとり、その事業活動を行うに際しては、当該製品、容器等の耐久性の向上及び修理の実施体制の充実その他の当該製品、容器等が廃棄物等となることを抑制するために必要な措置を講ずるとともに、当該製品、容器等の設計の工夫及び材質又は成分の表示その他の当該製品、容器等が循環資源となったものについて適正に循環的な利用が行われることを促進し、及びその適正な処分が困難とならないようにするために必要な措置を講ずる責務を有する。

3 前項に定めるもののほか、製品、容器等であって、これが循環資源となった場合におけるその循環的な利用を適正かつ円滑に行うためには国、地方公共団体、事業者及び国民がそれぞれ適切に役割を分担することが必要であるとともに、当該製品、容器等に係る設計及び原材料の選択、当該製品、容器等が循環資源となったものの収集等の観点からその事業者の果たすべき役割が循環型社会の形成を推進する上で重要であると認められるものについては、当該製品、容器等の製造、販売等を行う事業者は、基本原則にのっとり、当該分担すべき役割として、自ら、当該製品、容器等が循環資源となったものを引き取り、若しくは引き渡し、又はこれについて適正に循環的な利用を行う責務を有する。

4 循環資源であって、その循環的な利用を行うことが技術的及び経済的に可能であり、かつ、その循環的な利用が促進されることが循環型社会の形成を推進する上で重要であると認められるものについては、当該循環資源の循環的な利用を行うことができる事業者は、基本原則にのっとり、その事業活動を行うに際しては、これについて適正に循環的な利用を行う責務を有する。

5 前各項に定めるもののほか、事業者は、基本原則にのっとり、その事業活動に際しては、再生品を使用すること等により循環型社会の形成に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する循環型社会の形成に関する施策に協力する責務を有する。

 (国民の責務)

第十二条 国民は、基本原則にのっとり、製品をなるべく長期間使用すること、再生品を使用すること、循環資源が分別して回収されることに協力すること等により、製品等が廃棄物等となることを抑制し、製品等が循環資源となったものについて適正に循環的な利用が行われることを促進するよう努めるとともに、その適正な処分に関し国及び地方公共団体の施策に協力する責務を有する。

2 前項に定めるもののほか、前条第三項に規定する製品、容器等については、国民は、基本原則にのっとり、当該製品、容器等が循環資源となったものを同項に規定する事業者に適切に引き渡すこと等により当該事業者が行う措置に協力する責務を有する。

3 前二項に定めるもののほか、国民は、基本原則にのっとり、循環型社会の形成に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する循環型社会の形成に関する施策に協力する責務を有する。

 (法制上の措置等)

第十三条 政府は、循環型社会の形成に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

 (年次報告等)

第十四条 政府は、毎年、国会に、循環資源の発生、循環的な利用及び処分の状況並びに政府が循環型社会の形成に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。

2 政府は、毎年、前項の報告に係る循環資源の発生、循環的な利用及び処分の状況を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。

   第二章 循環型社会形成推進基本計画

 (循環型社会形成推進基本計画の策定等)

第十五条 政府は、循環型社会の形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、循環型社会の形成に関する基本的な計画(以下「循環型社会形成推進基本計画」という。)を定めなければならない。

2 循環型社会形成推進基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 一 循環型社会の形成に関する施策についての基本的な方針

 二 循環型社会の形成に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策

 三 前二号に掲げるもののほか、循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 中央環境審議会は、平成十四年四月一日までに循環型社会形成推進基本計画の策定のための具体的な指針について、環境大臣に意見を述べるものとする。

4 環境大臣は、前項の具体的な指針に即して、中央環境審議会の意見を聴いて、循環型社会形成推進基本計画の案を作成し、平成十五年十月一日までに、閣議の決定を求めなければならない。

5 環境大臣は、循環型社会形成推進基本計画の案を作成しようとするときは、資源の有効な利用の確保に係る事務を所掌する大臣と協議するものとする。

6 環境大臣は、第四項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、循環型社会形成推進基本計画を国会に報告するとともに、公表しなければならない。

7 循環型社会形成推進基本計画の見直しは、おおむね五年ごとに行うものとし、第三項から前項までの規定は、循環型社会形成推進基本計画の変更について準用する。この場合において、第三項中「平成十四年四月一日までに」とあるのは「あらかじめ、」と、第四項中「平成十五年十月一日までに」とあるのは「遅滞なく」と読み替えるものとする。

 (循環型社会形成推進基本計画と国の他の計画との関係)

第十六条 循環型社会形成推進基本計画は、環境基本法第十五条第一項に規定する環境基本計画(次項において単に「環境基本計画」という。)を基本として策定するものとする。

2 環境基本計画及び循環型社会形成推進基本計画以外の国の計画は、循環型社会の形成に関しては、循環型社会形成推進基本計画を基本とするものとする。

   第三章 循環型社会の形成に関する基本的施策

    第一節 国の施策

 (原材料、製品等が廃棄物等となることの抑制のための措置)

第十七条 国は、事業者がその事業活動に際して原材料を効率的に利用すること、繰り返して使用することが可能な容器等を使用すること等により原材料等が廃棄物等となることを抑制するよう、規制その他の必要な措置を講ずるものとする。

2 国は、国民が製品をなるべく長期間使用すること、商品の購入に当たって容器等が過剰に使用されていない商品を選択すること等により製品等が廃棄物等となることを抑制するよう、これに関する知識の普及その他の必要な措置を講ずるものとする。

 (循環資源の適正な循環的な利用及び処分のための措置)

第十八条 国は、事業者が、その事業活動に際して、当該事業活動において発生した循環資源について自ら適正に循環的な利用を行い、若しくはこれについて適正に循環的な利用が行われることを促進し、又は循環的な利用が行われない当該循環資源について自らの責任において適正に処分するよう、規制その他の必要な措置を講ずるものとする。

2 国は、国民が、その使用に係る製品等が循環資源となったものが分別して回収されることに協力すること、当該循環資源に係る次項に規定する引取り及び引渡し並びに循環的な利用の適正かつ円滑な実施に協力すること等により当該循環資源について適正に循環的な利用及び処分が行われることを促進するよう、必要な措置を講ずるものとする。

3 国は、製品、容器等が循環資源となった場合におけるその循環的な利用が適正かつ円滑に行われることを促進するため、当該循環資源の処分の技術上の困難性、循環的な利用の可能性等を勘案し、国、地方公共団体、事業者及び国民がそれぞれ適切に役割を分担することが必要であり、かつ、当該製品、容器等に係る設計及び原材料の選択、当該製品、容器等が循環資源となったものの収集等の観点からその事業者の果たすべき役割が循環型社会の形成を推進する上で重要であると認められるものについて、当該製品、容器等の製造、販売等を行う事業者が、当該製品、容器等が循環資源となったものの引取りを行い、若しくは当該引取りに係る循環資源の引渡しを行い、又は当該引取りに係る循環資源について適正に循環的な利用を行うよう、必要な措置を講ずるものとする。

4 国は、循環資源であってその循環的な利用を行うことが技術的及び経済的に可能であり、かつ、その循環的な利用が促進されることが循環型社会の形成を推進する上で重要であると認められるものについて、その事業活動を行うに際して当該循環資源の循環的な利用を行うことができる事業者がこれについて適正に循環的な利用を行うよう、規制その他の必要な措置を講ずるものとする。

 (再生品の使用の促進)

第十九条 国は、再生品に対する需要の増進に資するため、自ら率先して再生品を使用するとともに、地方公共団体、事業者及び国民による再生品の使用が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

 (製品、容器等に関する事前評価の促進等)

第二十条 国は、循環資源の循環的な利用及び処分に伴う環境への負荷の程度を勘案して、事業者が、物の製造、加工又は販売その他の事業活動に際して、その事業活動に係る製品、容器等に関し、あらかじめ次に掲げる事項について自ら評価を行い、その結果に基づき、当該製品、容器等に係る環境への負荷を低減するための各種の工夫をすることにより、当該製品、容器等が廃棄物等となることが抑制され、当該製品、容器等が循環資源となった場合におけるその循環的な利用が促進され、並びにその循環的な利用及び処分に伴う環境への負荷の低減が図られるよう、技術的支援その他の必要な措置を講ずるものとする。

 一 その事業活動に係る製品、容器等の耐久性に関すること。

 二 その事業活動に係る製品、容器等が循環資源となった場合におけるその循環的な利用及び処分の困難性に関すること。

 三 その事業活動に係る製品、容器等が循環資源となった場合におけるその重量又は体積に関すること。

 四 その事業活動に係る製品、容器等に含まれる人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずるおそれがある物質の種類及び量その他当該製品、容器等が循環資源となった場合におけるその処分に伴う環境への負荷の程度に関すること。

2 国は、事業者が、その事業活動に係る製品、容器等が廃棄物等となることが抑制され、又は当該製品、容器等が循環資源となった場合においてこれについて適正に循環的な利用及び処分が行われるために必要なその材質又は成分、その処分の方法その他の情報を、その循環的な利用及び処分を行う事業者、国民等に提供するよう、規制その他の必要な措置を講ずるものとする。

 (環境の保全上の支障の防止)

第二十一条 国は、原材料等が廃棄物等となることの抑制並びに循環資源の循環的な利用及び処分を行う際の環境の保全上の支障を防止するため、公害(環境基本法第二条第三項に規定する公害をいう。)の原因となる物質の排出の規制その他の必要な措置を講じなければならない。

 (環境の保全上の支障の除去等の措置)

第二十二条 国は、循環資源の循環的な利用及び処分により環境の保全上の支障が生じると認められる場合において、当該環境の保全上の支障に係る循環資源の利用若しくは処分又は排出を行った事業者に対して、当該循環資源を適正に処理し、環境の保全上の支障を除去し、及び原状を回復させるために必要な費用を負担させるため、必要な措置を講ずるものとする。この場合において、当該事業者が資力がないこと、確知できないこと等により、当該事業者が当該費用を負担できないときにおいても費用を負担することができるよう、事業者等による基金の造成その他の必要な措置を講ずるものとする。

 (原材料等が廃棄物等となることの抑制等に係る経済的措置)

第二十三条 国は、製品等の製造若しくは加工又は循環資源の循環的な利用、処分、収集若しくは運搬を業として行う者が原材料の効率的な利用を図るための施設の整備、再生品を製造するための施設の整備その他の原材料等が廃棄物等となることを抑制し、又は循環資源について適正に循環的な利用及び処分を行うための適切な措置を執ることを促進するため、その者にその経済的な状況等を勘案しつつ必要かつ適正な経済的な助成を行うために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

2 国は、適正かつ公平な経済的な負担を課すことにより、事業者及び国民によって製品、容器等が廃棄物等となることの抑制又は製品、容器等が循環資源となった場合におけるその適正かつ円滑な循環的な利用若しくは処分に資する行為が行われることを促進する施策に関し、これに係る措置を講じた場合における効果、我が国の経済に与える影響等を適切に調査し、及び研究するとともに、その措置を講ずる必要がある場合には、その措置に係る施策を活用して循環型社会の形成を推進することについて国民の理解と協力を得るように努めるものとする。

 (公共的施設の整備)

第二十四条 国は、循環資源の循環的な利用、処分、収集又は運搬に供する施設(移動施設を含む。)その他の循環型社会の形成に資する公共的施設の整備を促進するため、必要な措置を講ずるものとする。

 (地方公共団体による施策の適切な策定等の確保のための措置)

第二十五条 国は、地方公共団体による循環資源の循環的な利用及び処分に関する施策その他の循環型社会の形成に関する施策の適切な策定及び実施を確保するため、必要な措置を講ずるものとする。

 (地方公共団体に対する財政措置等)

第二十六条 国は、地方公共団体が循環型社会の形成に関する施策を策定し、及び実施するための費用について、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるように努めるものとする。

 (循環型社会の形成に関する教育及び学習の振興等)

第二十七条 国は、循環型社会の形成の推進を図るためには事業者及び国民の理解と協力を得ることが欠くことのできないものであることにかんがみ、循環型社会の形成に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実のために必要な措置を講ずるものとする。

 (民間団体等の自発的な活動を促進するための措置)

第二十八条 国は、事業者、国民又はこれらの者の組織する民間の団体(次項において、「民間団体等」という。)が自発的に行う循環資源に係る回収活動、循環資源の譲渡又は交換のための催しの実施、製品、容器等が循環資源となった場合にその循環的な利用又は処分に寄与するものであることを表示することその他の循環型社会の形成に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。

2 国は、前項の民間団体等が自発的に行う循環型社会の形成に関する活動の促進に資するため、循環資源の発生、循環的な利用及び処分の状況に係る情報その他の循環型社会の形成に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。

 (調査の実施)

第二十九条 国は、循環資源の発生、循環的な利用及び処分の状況、これらの将来の見通し又は循環資源の処分による環境への影響に関する調査その他の循環型社会の形成に関する施策の策定及び適正な実施に必要な調査を実施するものとする。

 (科学技術の振興)

第三十条 国は、循環資源の循環的な利用及び処分に伴う環境への負荷の程度の評価の手法、製品等が廃棄物等となることの抑制又は循環資源について適正に循環的な利用及び処分を行うための技術その他の循環型社会の形成に関する科学技術の振興を図るものとする。

2 国は、循環型社会の形成に関する科学技術の振興を図るため、研究体制の整備、研究開発の推進及びその成果の普及、研究者の養成その他の必要な措置を講ずるものとする。

 (国際的協調のための措置)

第三十一条 国は、循環型社会の形成を国際的協調の下で促進することの重要性にかんがみ、循環資源の循環的な利用及び処分に関する国際的な連携の確保その他循環型社会の形成に関する国際的な相互協力を推進するために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

    第二節 地方公共団体の施策

第三十二条 地方公共団体は、その地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた循環型社会の形成のために必要な施策を、その総合的かつ計画的な推進を図りつつ実施するものとする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第十五条及び第十六条の規定は、平成十三年一月六日から施行する。

 (中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律の一部改正)

第二条 中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律(平成十一年法律第百二号)の一部を次のように改正する。

  第百八十五条のうち環境基本法第四十一条第二項第三号を同項第二号とし、同号の次に一号を加える改正規定中「及び絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号)」を「、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号)、ダイオキシン類対策特別措置法(平成十一年法律第百五号)及び循環型社会形成推進基本法(平成十二年法律第百十号)」に改める。


不法投棄絶滅作戦を推進!

●不法投棄対策が具体化へ                    

【公明の申し入れに政府が回答】

循環型社会への転換を急ぐため、公明党の冬柴鐵三幹事長と党政策審議会環境部会(部会長=田端正広)が今月11日に森善朗首相に提出していた「廃棄物の不法投棄絶滅に向けた早急な対策を求める申し入れ」に対して18日、政府から公明党あてに回答書が送付された。回答書は、不法投棄の監視・取り締まりに当たる専門官「環境Gメン」の創設やカーナビゲーションなどの技術を応用して廃棄物運搬車両の運行・積み降ろしを記録する「電子モニターシステム」の開発など、公明党が要求した5項目を「ほぼ全面的に具体化する方針を示したもの」(田端部会長)で、循環型社会の構築に不可欠な“環境犯罪”の監視・取り締まりと不法投棄の原状回復(被害の補償や、元の状態への回復)を強力に推進する方向性が明確に示されている。

11日の公明党申し入れ項目は@環境Gメン創設と、民間団体等との連携も含めた監視・取り締まり体制の整備A不法投棄の衛生監視システム、電子モニターシステムなど最先端技術を活用した不法投棄の全国実態調査の実施B現行の電子マニフェスト(管理票)システムの改善と、産業廃棄物処理業者の格付け、情報公開C不法投棄の原状回復へのシステムの確立D産業廃棄物の最終処分場の確保に対する公的支援――の5つで、森首相は「日本再生枠で対応したい」と述べ、予算措置も含めて前向きな姿勢を示していた。

今回の回答書によると、不法投棄・環境汚染等の環境犯罪を取り締まる環境Gメンの創設については「環境省(現・環境庁)の職員らが、地域で機動的に大書する方法をさらに検討する」と回答。

最先端技術を活用した実態調査については、「人工衛星やICカードなどのIT(情報技術)を用いた不法投棄対策は効果的手段の一つになりうる」との認識を示し、今年度補正予算で、公明党が導入を求めている衛星監視システムの開発調査や電子モニターシステムの実証試験の実施を検討していることを示した。

また、廃棄物処理の委託の際に使用する紙マニフェストに変えて電子情報を活用する「電子マニフェストシステム」の改善については「今後の廃棄物の不法投棄防止に極めて重要」とし、インターネット等を活用した産業廃棄物処理業者の情報公開についても、選定の目安となる「格付け」を行うため、その手法について調査研究を行う意向を示している。

一方、不法投棄の現状回復システムの確立に関しては、1998年6月以前に不法投棄された産業廃棄物の原状回復を行う地方の事業を支援するため、産業廃棄物処理推進センターに対して補助を行う方針を明らかにし、また、産業廃棄物の最終処分場の確保に対する公的支援については、今年度に創設した最終処分場に対するモデル的補助制度で対応していく考えを示している。

今回の回答内容は、主に今年度補正予算で具体化が図られる方向。19日の経済対策閣僚会議、財政首脳会議の合同会議で決定された11兆円規模の新経済対策「日本新生のための新発展政策」にも、循環型社会構築のための施策として、電子マニフェストシステムの改善や環境犯罪撲滅(ぼくめつ)への取り締まり体制の強化などが盛り込まれており、公明党が実現を目指す「ごみ・ゼロ」社会への転換が飛躍的に進むものと期待される。


フロン回収・破壊法案

人類を育むかけがえのないこの地球をとりまくオゾン層は、太陽光の紫外線に含まれる有害なものの大部分を吸収し、地球上の生物を守っています。オゾン層があればこそ、広大な宇宙の中で、奇跡的に地球に生命が誕生したのです。このオゾン層がフロンガスにより、破壊されており、地上にふりそそぐ有害紫外線の量が増え、私たちの健康や生態系に悪影響が生じてきます。このままの状態が進めば、未来の子供たちは、太陽を危険視し、太陽光線を避けながら生活しなければなりません。 現に、1998年には、南極上空に過去最高のオゾンホールが出現しており、オゾン層破壊のピークは、2020年までに訪れるといわれています。人類は、一刻も早い何らかの対策を講じなければなりません。そうしたころから、環境立国をめざす我が国は、まずは率先して、フロンガスの回収・破壊を成し遂げ、そのシステムと技術を世界に発信すべきだと考えています。

こうした理由から、我々公明党は、以前から、フロン問題に積極的に取り組む市民団体と意見交換を行いながら、環境庁や通産省に対策の推進を強く求めてきました。業界や自治体での自主的な取り組みがなされていますが、現実のフロン回収は、なかなか進んでいません。事業者のみならず、カーエアコンや家庭用冷蔵庫の利用者も回収・処理への協力がかかせません。

こうしたことから、我々公明党環境部会として、先日、フロン回収・破壊法案を作成し、記者発表しました。(以下に掲載)

この法案では、製品に対して、回収・破壊を義務付け、使用者の費用負担やフロン・回収促進センターを創設し、業界から資金を集め、基金を運営し、フロン破壊への費用を負担させます。更に、オゾン層破壊の問題は、我が国一国の問題ではなく、世界中が取り組まなければならない問題であり、我が国のシステムと技術を広く諸外国へ普及できるよう、ODAの活用等により、世界に対し、リーダーシップを発揮して参ります。

フロンによるオゾン層破壊は地球規模の問題ですが、重要なのは私たち一人一人の意識と行動です。20世紀の経済発展を優先させた浪費社会により、傷ついた地球を健全な姿で我々の子孫に残すことが、21世紀に生きる私たちの最大の使命でしょう。

これからも、環境の党・公明党として、地球環境保全に向けた施策を強力に推進して参ります。

 

 

   特定製品に係るフロン等の回収及び破壊の実施等に関する特別措置法案(案)

 

目次

 第一章 総則(第一条−第七条)

 第二章 要回収物質の回収(第八条−第十九条)

 第三章 要回収物質の再利用(第二十条−第二十五条)

 第四章 要回収物質の破壊(第二十六条−第三十四条)

 第五章 フロン回収・破壊促進センター(第三十五条・第三十六条)

 第六章 費用の負担(第三十七条・第三十八条)

 第七章 雑則(第三十九条−第四十九条)

 第八章 罰則(第五十条−第五十四条)

 附則

 

   第一章 総則

 

 (目的)

第一条 この法律は、人類共通の課題であるオゾン層の保護及び地球温暖化の防止に積極的に取り組むことが重要であることにかんがみ、オゾン層を破壊し又は地球温暖化に深刻な影響を及ぼす物質であって特定製品に使用されているものについてその回収及び破壊の実施を確保するための措置等を講じ、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。

 

 (定義等)

第二条 この法律において「特定製品」とは、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(昭和六十三年法律第五十三号)第二条第一項に規定する特定物質又は地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律百十七号)第二条第三項に規定する温室効果ガスであって同項第四号に規定するもの(以下この条において「特定物質等」という。)が使用されている製品又は設備であって、当該製品又は設備が廃棄される場合において当該特定物質等を回収して破壊する必要があるものとして政令で定めるものをいう。

2 この法律において「要回収物質」とは、特定製品に使用されている特定物質等であって政令で定めるものをいう。

3 この法律において「要回収物質の引取り」とは、特定製品から政令で定める用途に使用されている要回収物質を回収することをいう。

4 前二項の政令は、特定製品の種類ごとに定めるものとする。

 

 (指針)

第三条 環境大臣は、オゾン層の保護及び地球温暖化の防止に資するため、特定製品に使用されている要回収物質の製造、使用、回収及び破壊に当たって配慮すべき事項について、指針を定めるものとする。

2 環境大臣は、前項の指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

 

 (製造業者等の責務)

第四条 要回収物質及び特定製品の製造等を業として行う者は、要回収物質又は特定製品の製造等に当たっては、前条第一項の指針に従い、当該要回収物質の漏洩の防止に努めなければならない。

2 要回収物質及び特定製品の製造等を業として行う者は、前条第一項の指針に従い、特定製品に使用されている要回収物質の回収及び破壊の適正かつ円滑な実施のため、必要な情報の提供その他の措置を講ずるよう努めなければならない。

 

 (事業者及び消費者の責務)

第五条 特定製品を使用する事業者及び消費者は、第三条第一項の指針に従い、特定製品の使用等に当たっては、要回収物質の漏洩の防止に努めなければならない。

2 特定製品を使用する事業者及び消費者は、要回収物質が使用されている特定製品を廃棄する場合には、要回収物質の回収及び破壊の適正かつ円滑な実施のためにとられる措置に協力しなければならない。

 

 (国の責務)

第六条 国は、特定製品に使用されている要回収物質の回収及び破壊の適正かつ円滑な実施のために必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めなければならない。

2 国は、教育活動、広報活動等を通じて、特定製品に使用されている要回収物質の回収及び破壊に関する国民の理解を深めるとともに、その実施に関する国民の協力を求めるよう努めなければならない。

3 国は、特定製品に使用されている要回収物質の回収及び破壊等に関する研究開発の推進及びその成果の普及等必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

 

 (地方公共団体の責務)

第七条 地方公共団体は、国の施策に準じて、特定製品に使用されている要回収物質の回収及び破壊の適正かつ円滑な実施のために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

 

   第二章 要回収物質の回収

 

 (特定製品廃棄者の要回収物質の引渡義務)

第八条 要回収物質が使用されている特定製品を廃棄しようとする者(以下「特定製品廃棄者」という。)は、第十条第一項に規定する要回収物質回収者に対し、要回収物質の引取りを求めなければならない。

 

 (要回収物質の回収業務を行う者の届出)

第九条 要回収物質の回収業務(特定製品廃棄者の求めに応じて要回収物質の引取りを行う業務をいう。以下同じ。)を行おうとする者は、環境省令で定めるところにより、当該業務を行う事業所の所在地を管轄する都道府県知事に次の事項を届け出なければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

 二 回収しようとする要回収物質の種類及び当該要回収物質が使用されている特定製品の種類

 三 特定製品に使用されている要回収物質の回収の用に供する設備の種類及び当該設備による回収の能力

 四 その他環境省令で定める事項

2 前項の規定による届出には、環境省令で定める書類を添付しなければならない。

3 都道府県知事は、第一項の届出を受理したときは、速やかに同項第一号及び第二号に掲げる事項を公示しなければならない。

 

 (変更の届出)

第十条 前条第一項の規定による届出をした者(以下「要回収物質回収者」という。)は、同項の規定による届出に係る事項の変更をしようとするときは、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、その変更が環境省令で定める軽微なものである場合は、この限りでない。

2 前条第二項及び第三項の規定は、前項の届出について準用する。

 

 (承継)

第十一条 第九条第一項の規定による届出をした者について相続又は合併があったときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、当該届出をした者の地位を承継する。

2 前項の規定により第九条第一項の規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があった日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

3 都道府県知事は、前項の規定による届出があったときは、同項の承継があった旨を公示しなければならない。

 

 (要回収物質回収者の要回収物質の引取義務等)

第十二条 要回収物質回収者は、特定製品廃棄者から第八条の規定による要回収物質の引取りを求められた場合には、正当な理由がある場合を除き、当該要回収物質の引取りを行わなければならない。

2 要回収物質回収者は、前項の規定による要回収物質の引取りを行うに当たっては、環境省令で定める要回収物質の回収に関する基準を遵守しなければならない。

 

 (要回収物質回収者の要回収物質の引渡義務)

第十三条 要回収物質回収者は、前条第一項の規定による要回収物質の引取りを行ったときは、第二十一条第一項に規定する要回収物質再利用者又は第二十七条第一項に規定する要回収物質破壊者に当該要回収物質を引き渡さなければならない。

 

 (回収状況の報告等)

第十四条 要回収物質回収者は、環境省令で定めるところにより、毎年度、前年度において要回収物質の種類ごとに回収した量その他の環境省令で定める事項を都道府県知事に報告しなければならない。

2 都道府県知事は、環境省令で定めるところにより、毎年度、前項の報告に係る前年度において要回収物質の種類ごとに回収した量その他の環境省令で定める事項を環境大臣に報告しなければならない。

3 環境大臣は、前項の報告を受けたときは、当該報告に係る事項を第三十五条に規定するフロン回収・破壊促進センターに通知しなければならない。

 

 (料金等の請求)

第十五条 要回収物質回収者は、特定製品廃棄者から第八条の規定による要回収物質の引取りを求められたときは、当該特定製品廃棄者に対し、当該要回収物質の引取りに関し、料金を請求することができる。

2 要回収物質回収者に対して第八条の規定による要回収物質の引取りを求めた特定製品廃棄者は、当該要回収物質回収者から前項の料金の請求があった場合には、その求めに応じ料金の支払に応じることにより、当該要回収物質回収者がその引取りのために行う措置に協力しなければならない。

3 要回収物質回収者は、第十三条の規定により、要回収物質破壊者に要回収物質を引き渡したときは、当該要回収物質破壊者に対し、当該要回収物質を引き渡すために行う運搬に関し、費用を請求することができる。

 

 (料金の公表等)

第十六条 要回収物質回収者は、環境省令で定めるところにより、前条第一項に規定する料金について、あらかじめ公表しなければならない。これを変更するときも同様とする。

2 前項の規定により公表される料金は、要回収物質の引取りに必要な行為を能率的に行った場合における適正な原価を勘案して定められなければならない。

3 要回収物質回収者は、第一項の規定により公表される料金の設定に当たっては、特定製品の適正な廃棄を妨げることのないよう配慮しなければならない。

4 要回収物質回収者は、第八条の規定による要回収物質の引取りを求めた特定製品廃棄者に対し、第一項の規定により公表した料金の額以外の額を当該要回収物質の引取りに必要な行為に関する料金として請求してはならない。

 

 (料金に対する勧告等)

第十七条 都道府県知事は、要回収物質回収者が前条第一項の規定により公表した料金が要回収物質の引取りに必要な行為を能率的に行った場合における適正な原価を著しく超えているとき、又は要回収物質回収者が要回収物質の引取りに際し同項の規定により公表した料金の額以外の額を請求しているときは、当該要回収物質回収者に対し、期限を定めて、その公表した料金を変更すべき旨の勧告をすることができる。

2 都道府県知事は、前項に規定する勧告を受けた要回収物質回収者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該要回収物質回収者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

 

 (指導及び助言)

第十八条 都道府県知事は、要回収物質回収者に対し、第十二条第一項に規定する要回収物質の引取り又は第十三条に規定する要回収物質の引渡しの実施を確保するため必要があると認めるときは、当該引取り又は引渡しの実施に関し必要な指導及び助言をすることができる。

 

 (勧告及び命令)

第十九条 都道府県知事は、要回収物質回収者が第十二条第二項に規定する要回収物質の回収に関する基準を遵守していないと認めるときは、当該要回収物質回収者に対し、期限を定めて、当該基準を遵守すべきことを勧告することができる。

2 都道府県知事は、正当な理由がなくて前条に規定する引取り又は引渡しをしない要回収物質回収者があるときは、当該要回収物質回収者に対し、当該引取り又は引渡しをすべき旨の勧告をすることができる。

3 都道府県知事は、前二項に規定する勧告を受けた要回収物質回収者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該要回収物質回収者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

 

   第三章 要回収物質の再利用

 

 (要回収物質の再利用を行う者の届出)

第二十条 要回収物質の再利用(特定製品から回収した要回収物質を他の製品の原材料等として利用する行為をいう。以下同じ。)を行おうとする者は、環境省令で定めるところにより、当該要回収物質の再利用を行う事業所の所在地を管轄する都道府県知事に次の事項を届け出なければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

 二 再利用を行う要回収物質の種類及び再利用の用途

 三 その他環境省令で定める事項

2 前項の規定による届出には、環境省令で定める書類を添付しなければならない。

3 都道府県知事は、第一項の届出を受理したときは、速やかに同項第一号及び第二号に掲げる事項を公示しなければならない。

 

 (変更の届出)

第二十一条 前条第一項の規定により届出をした者(以下「要回収物質再利用者」という。)は、同項の規定の届出に係る事項の変更をしようとするときは、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、その変更が環境省令で定める軽微なものである場合は、この限りでない。

2 前条第二項及び第三項の規定は、前項の届出について準用する。

 

 (承継)

第二十二条 第二十条第一項の規定による届出をした者について相続又は合併があったときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、当該届出をした者の地位を承継する。

2 前項の規定により第二十条第一項の規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があった日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

3 都道府県知事は、前項の規定による届出があったときは、同項の承継があった旨を公示しなければならない。

 

 (要回収物質再利用者の要回収物質の再利用等)

第二十三条 要回収物質再利用者は、要回収物質の再利用を行うに当たっては、環境省令で定める要回収物質の再利用に関する基準を遵守しなければならない。

2 要回収物質再利用者は、要回収物質回収者又は他の要回収物質再利用者から引き取った要回収物質について、自ら当該要回収物質の再利用を行わない場合には、当該要回収物質を他の要回収物質再利用者又は第二十七条第一項に規定する要回収物質破壊者に引き渡さなければならない。

 

 (再利用の状況の報告等)

第二十四条 要回収物質再利用者は、環境省令で定めるところにより、毎年度、前年度において要回収物質の種類ごとに再利用をした量その他の環境省令で定める事項を都道府県知事に報告しなければならない。

2 都道府県知事は、環境省令で定めるところにより、毎年度、前項の報告に係る前年度において要回収物質の種類ごとに再利用をした量その他の環境省令で定める事項を環境大臣に報告しなければならない。

3 環境大臣は、前項の報告を受けたときは、当該報告に係る事項を第三十五条に規定するフロン回収・破壊促進センターに通知しなければならない。

 

 (勧告及び命令)

第二十五条 都道府県知事は、要回収物質再利用者が第二十三条第一項に規定する要回収物質の再利用に関する基準を遵守していないと認めるときは、当該要回収物質再利用者に対し、期限を定めて、当該基準を遵守すべきことを勧告することができる。

2 都道府県知事は、要回収物質再利用者が第二十三条第二項の規定を遵守していないと認めるときは、当該要回収物質再利用者に対し、必要な措置を講ずべき旨を勧告することができる。

3 都道府県知事は、前二項に規定する勧告を受けた要回収物質再利用者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該要回収物質再利用者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

 

   第四章 要回収物質の破壊

 

 (要回収物質の破壊を行う者の許可)

第二十六条 要回収物質の破壊を行おうとする者は、当該破壊の用に供する施設ごとに、環境省令で定めるところにより、環境大臣の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。

 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

 二 破壊を行う要回収物質の種類

 三 要回収物質の破壊の用に供する施設(以下「要回収物質破壊施設」という。)の種類、構造及び当該要回収物質破壊施設による要回収物質の破壊の能力

 四 要回収物質破壊施設の使用及び管理の方法

 五 その他環境省令で定める事項

3 前項の申請書には、環境省令で定める書類を添付しなければならない。

4 環境大臣は、第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

 一 その要回収物質破壊施設が環境省令で定める構造並びに使用及び管理に関する基準に適合するものであること。

 二 その申請者の能力が要回収物質の破壊を的確にかつ継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。

5 環境大臣は、第一項の許可をしたときは、第二項第一号及び第二号に掲げる事項を公示しなければならない。

 

 (変更の許可)

第二十七条 前条第一項の許可を受けた者(以下「要回収物質破壊者」という。)は、当該許可に係る同条第二項に掲げる事項を変更しようとするときは、環境省令で定めるところにより、環境大臣の許可を受けなければならない。ただし、その変更が環境省令で定める軽微な変更であるときは、この限りでない。

2 前条第三項から第五項までの規定は、前項の許可について準用する。

 

 (承継)

第二十八条 第二十六条第一項の許可を受けた者について相続又は合併があったときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、当該許可を受けた者の地位を承継する。

2 前項の規定により第二十六条第一項の許可を受けた者の地位を承継した者は、その承継があった日から三十日以内に、その旨を環境大臣に届け出なければならない。

3 環境大臣は、前項の規定による届出があったときは、同項の承継があった旨を公示しなければならない。

 

 (破壊義務)

第二十九条 要回収物質破壊者は、第十三条又は第二十三条第二項の規定により要回収物質について要回収物質回収者又は要回収物質再利用者からその引取りを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、当該要回収物質を引き取り、及びこれを破壊しなければならない。

 

 (記録及び閲覧)

第三十条 要回収物質破壊者は、環境省令で定めるところにより、毎年度、前年度において要回収物質の種類ごとに破壊した量その他の環境省令で定める事項を記録し、これをその要回収物質破壊施設に備えて置かなければならない。

2 要回収物質破壊者は、特定製品廃棄者、要回収物質回収者又は要回収物質再利用者から前項の規定による記録の閲覧を求められたときは、正当な理由がなければ、当該記録を閲覧させなければならない。

 

 (破壊状況の報告等)

第三十一条 要回収物質破壊者は、環境省令で定めるところにより、毎年度、前年度において要回収物質の種類ごとに破壊した量その他の環境省令で定める事項を環境大臣に報告しなければならない。

2 環境大臣は、前項の報告を受けたときは、当該報告に係る事項を第三十五条に規定するフロン回収・破壊促進センターに通知しなければならない。

 

 (費用の請求)

第三十二条 要回収物質破壊者は、要回収物質を破壊したときは、第三十五条に規定するフロン回収・破壊促進センターに対し、環境省令で定めるところにより、当該要回収物質について、第十五条第三項の費用及びその破壊に係る費用を請求することができる。

 

 (勧告及び命令)

第三十三条 環境大臣は、正当な理由がなくて第二十九条に規定する引取り及び破壊を行わない要回収物質破壊者があるときは、当該要回収物質破壊者に対し、当該引取り及び破壊をすべき旨の勧告をすることができる。

2 環境大臣は、前項に規定する勧告を受けた要回収物質破壊者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該要回収物質破壊者に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

 

 (許可の取消し等)

第三十四条 環境大臣は、要回収物質破壊者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分に違反する行為をしたときは、その許可を取り消し、又は期間を定めて要回収物質破壊施設の全部若しくは一部の使用の停止を命ずることができる。

2 環境大臣は、前項の規定により許可を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

 

   第五章 フロン回収・破壊促進センター

 

       強制徴収の実施のため、フロン回収・破壊促進センターの業務は特殊法人において行うこととする。関係条文の整備は、フロン回収・破壊促進センターの事務を行う具体的な法人名が決定された後、行うこととする。

 

 (業務の特例)

第三十五条 ○○○○は、○○○○法(××年法律第××号)第○条に規定する業務のほか、この法律の目的を達成するため、フロン回収・破壊促進センターとして次に掲げる業務を行う。

 一 要回収物質の回収及び破壊の総合的な管理に関すること。

 二 第三十二条の規定による請求に係る費用の支払に関すること。

 三 要回収物質の回収又は運搬をするための設備の整備に必要な資金に充てるための助成に関すること。

 四 要回収物質の回収及び破壊に関する研究開発に必要な資金に充てるための助成に関すること。

 五 拠出金に関すること。

 六 要回収物質の回収及び破壊の実施の確保のための普及及び啓発に関すること。

 七 前各号の業務に附帯する業務

2 前項の規定により○○○○の業務が行われる場合には、…〔当該特殊法人の根拠法の規定のうち、区分経理、監督等に関するものを読み替える所要の規定を置く。

 

 (経費)

第三十六条 フロン回収・破壊促進センターは、次条第一項の規定により納付された金額の合計額をもって前条第一項各号に掲げる業務(以下「回収破壊促進業務」という。)の全部又は一部に要する費用に充てるものとする。

2 政府は、予算の範囲内において、フロン回収・破壊促進センターに対し、回収破壊促進業務に要する費用を補助することができる。

 

   第六章 費用の負担

 

 (要回収物質製造業者の要回収物質の破壊等の費用の負担)

第三十七条 要回収物質製造業者(要回収物質の製造又は輸入を業として行う者(中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号)第二条第五項に規定する小規模企業者その他の政令で定める者であって、その事業年度(その期間が一年を超える場合は、当該期間をその開始の日以後一年ごとに区分した各期間)における政令で定める売上高が政令で定める金額以下であるものを除く。)をいう。以下同じ。)は、毎年度、環境省令で定めるところにより、回収破壊促進業務に必要な費用に充てるため、フロン回収・破壊促進センターに対し、拠出金を納付しなければならない。

2 前項の拠出金の額は、第一号に掲げる金額に第二号に掲げる率を乗じて得た額とする。

 一 環境省令で定める金額

 二 イに掲げる量をロに掲げる量で除して得た率

  イ 当該要回収物質製造業者が製造又は輸入をした要回収物質であって、前年度において販売した量のうち特定製品に使用された量

  ロ すべての要回収物質製造業者が製造又は輸入をした要回収物質であって、前年度において販売した量のうち特定製品に使用された量

3 拠出金の納期限、延納その他拠出金の納付に関して必要な事項は、政令で定める。

 

 (督促及び滞納処分)

第三十八条 フロン回収・破壊促進センターは、前条第一項の拠出金の納付義務者が納期限までに同項の拠出金を納付しないときは、期限を指定して、これを督促しなければならない。

2 フロン回収・破壊促進センターは、前項の規定により督促をするときは、納付義務者に対し、督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。

3 フロン回収・破壊促進センターは、第一項の規定による督促を受けた納付義務者がその指定の期限までにその督促に係る拠出金及び第五項の規定による延滞金を納付しないときは、国税の滞納処分の例により、環境大臣の認可を受けて、滞納処分をすることができる。

4 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例による。

5 フロン回収・破壊促進センターは、第一項の規定により督促をしたときは、その督促に係る拠出金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納期限の翌日からその拠出金の完納の日又は財産の差押えの日の前日までの日数により計算した額の延滞金を徴収することができる。ただし、環境省令で定める場合は、この限りでない。

 

   第七章 雑則

 

 (要回収物質の回収に係る管理票)

第三十九条 要回収物質回収者は、特定製品廃棄者の求めに応じて要回収物質の引取りを行うときは、特定製品要回収物質管理票(以下単に「管理票」という。)に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定めるところにより、当該特定製品廃棄者に当該管理票の写しを交付しなければならない。

2 前項の規定により要回収物質の引取りを行った要回収物質回収者は、要回収物質再利用者又は要回収物質破壊者(以下この条において「破壊等実施者」という。)に当該要回収物質を引き渡すときは、環境省令で定めるところにより、当該破壊等実施者に同項の規定により記載した管理票を交付しなければならない。

3 破壊等実施者は、前項の規定により要回収物質回収者から要回収物質を引き取った場合は、当該要回収物質の再利用をし、又は当該要回収物質の破壊をしたときに、同項の規定により交付された管理票に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定めるところにより、当該要回収物質回収者に当該管理票を回付しなければならない。この場合において、当該破壊等実施者は、当該管理票の写しを当該回付をした日から環境省令で定める期間保存しなければならない。

4 要回収物質回収者は、前項の規定による管理票の回付を受けたときは、当該管理票を当該回付を受けた日から環境省令で定める期間保存しなければならない。

5 要回収物質回収者は、第一項の規定により管理票の写しを交付した特定製品廃棄者から、その者から引き取った要回収物質に係る前項の規定により保存する管理票を閲覧したい旨の申出があったときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。

6 第二項の規定は要回収物質再利用者が要回収物質を破壊等実施者に引き渡す場合に、第三項の規定は破壊等実施者が要回収物質再利用者から要回収物質を引き取った場合について準用する。

 

 (管理票の受領の確認)

第四十条 破壊等実施者は、特定製品廃棄者からその者が廃棄した特定製品に使用されていた要回収物質に係る管理票の受領についての確認を求められたときは、正当な理由がなければ、当該管理票の受領の有無について返答しなければならない。

 

 (管理票に係る勧告)

第四十一条 環境大臣又は都道府県知事は、要回収物質回収者又は破壊等実施者が前二条の規定を遵守していないと認めるときは、これらの者に対し、必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。

 

 (表示)

第四十二条 特定製品の製造又は輸入を業として行う者(以下「特定製品製造業者」という。)は、環境省令で定めるところにより、当該特定製品を販売する時までに、当該特定製品に要回収物質の種類その他環境省令で定める事項の表示をしなければならない。

 

 (放出の禁止)

第四十三条 何人も、みだりに特定製品に使用され、又は使用されていた要回収物質を放出させてはならない。

 

 (帳簿)

第四十四条 要回収物質回収者、要回収物質再利用者及び要回収物質破壊者は、環境省令で定めるところにより、帳簿を備え、要回収物質の回収、再利用又は破壊に関し環境省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

 

 (報告の徴収)

第四十五条 環境大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、要回収物質回収者、要回収物質再利用者又は要回収物質破壊者に対し、要回収物質の回収、再利用又は破壊の実施の状況に関し報告をさせることができる。

 

 (立入検査)

第四十六条 環境大臣又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、その職員に、要回収物質回収者、要回収物質再利用者又は要回収物質破壊者の事務所、工場、事業場又は倉庫に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 

 (資料の提出の要求)

第四十七条 環境大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係都道府県知事又は要回収物質製造業者若しくは特定製品製造業者に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。

 

 (経過措置)

第四十八条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

 

 (事務の区分)

第四十九条 第十四条第二項及び第二十四条第二項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

 

   第八章 罰則

 

第五十条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 一 第二十六条第一項の規定に違反して要回収物質の破壊を行った者

 二 第二十七条第一項の規定に違反して第二十六条第二項各号に掲げる事項を変更した者

 

第五十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

 一 第九条第一項、第十条第一項、第二十条第一項又は第二十一条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 二 第十九条第三項、第二十五条第三項、第三十三条第二項又は第三十四条第一項の規定による命令に違反した者

 

第五十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第十七条第二項の規定による命令に違反した者

 二 第四十三条の規定に違反した者

 

第五十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

 一 第十一条第二項、第二十二条第二項又は第二十八条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 二 第十四条第一項、第二十四条第一項、第三十一条第一項又は第四十五条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 三 第三十条第一項の規定に違反して、記録せず、若しくは虚偽の記録をし、又は記録を備え置かなかった者

 四 第四十二条の規定による表示をせず、又は虚偽の表示をした者

 五 第四十四条の規定による帳簿の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者

 六 第四十六条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

 

第五十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第五十条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

 

附 則

 

 (施行期日)

第一条この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に要回収物質の回収業務を行っている者は、第九条第一項の規定による届出をしないでも、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から三月間を限り、同項の規定による届出をした要回収物質回収者とみなし、この法律の規定を適用する。

2 この法律の施行の際現に要回収物質の再利用を行っている者は、第二十条第一項の規定による届出をしないでも、施行日から三月間を限り、同項の規定による届出をした要回収物質再利用者とみなし、この法律の規定を適用する。

3 この法律の施行の際現に要回収物質の破壊を行っている者は、第二十六条第一項の許可を受けないでも、施行日から一年間を限り、同項の許可を受けた要回収物質破壊者とみなし、この法律の規定を適用する。その者がその期間内に同項の規定による許可を申請した場合において、許可をする旨又はしない旨の通知を受けるまでの間も、同様とする。

 

 (検討)

第三条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 

エコライフ運動の展開

 今後、地球温暖化防止と「循環型社会」構築へ向けた法改正や新規立法など様々な施策が一体的に行われますが、「循環型社会」を構築する上で大切なのは、国民一人一人の環境保全への意識啓発です。現在の「大量消費・大量廃棄」という浪費型から省資源型のライフスタイルへの見直しが急務となっています。

 そこで、公明党は、一人一人が身近でできる地球環境保全に向けた省エネ生活の実践項目をわかりやすく提示した「エコライフ運動」を全国各地で展開することによって、循環型社会を推進して参ります。まず、エコライフへの意識改革から始めたいと考えています。

 また、今後は個人のみならず、各企業や組織での循環型社会への意識転換を図るために、環境マネージメントや環境会計、環境報告書等の普及に向けた運動も展開して参ります。


【田端正広のエコライフのすすめ】

地球のためにできること
地球環境を守り、温暖化を防ぐために、ライフスタイルを変えてみませんか。
そして、できることから実践しましょう。
省エネ生活は環境を守ることにもつながりますからー。
環境家計簿をつけましょう。
   (電気・ガス・水道のムダを減らせば、家計費の節約にも!)

電源をコマメに切りましょう。

冷蔵庫の開閉の回数を減らしましょう。

冷暖房のつけっぱなしに注意しましょう。
  (設定温度は、夏は28℃以上、冬は20℃以下に!)

歯磨きや洗顔、ヒゲをそる時もコマメに水を止めましょう。
クルマをやめて、できるだけ電車やバスに!
 (徒歩10分以内なら、健康のためにも歩こう!あるいは自転車を活用しましょう!)
アイドリング(駐車の際のエンジンのつけっぱなし)をしないよう注意しまし ょう。
お風呂の水を再活用しましょう。
買い物袋を持参しよう!
リサイクル製品を活用しましょう。

家電製品は省エネ型を選びましょう。

印刷物は再生紙や非木材紙を使用しましょう。
古紙、紙パック、空缶、ペットボトルなどのリサイクル運動に参加しましょう。

エレベーターの使用を減らし、できる限り階段を利用しよう!


※エコライフの実践により、エネルギーや資源の浪費を抑えるだけではなく、1ヶ月で千円〜3千円、年間で1万円〜3万円ぐらいの家計(電気代・水道代・ガス代)の節約になります。


人権啓発教育推進法

人権教育・啓発法成立                                     平成11年11月29日

  自民、公明、保守三党が議員立法で提出した「人権教育・啓発推進法案」は、29日の参院本会議で可決、成立した。部落差別など人権侵害を防止する教育、啓発のために、国や自治体は施策を作って実施する責任があることを示し、国に対しては基本計画の策定、国会に対する年次報告を義務付けた。国が自治体に財政支出ができることも盛り込まれた。
 また、新たな人権救済機関が、設立される見通しが強いため、3年以内に見直すことも付記として加えた。
 田端正広は、本法案の提出者の一人として、衆参の法務委員会で質問の答弁に立った。

   人権教育及び人権啓発の推進に関する法律

 (目的)

第一条 この法律は、人権の尊重の緊要性に関する認識の高まり、社会的身分、門地、人種、信条又は性別による不当な差別の発生等の人権侵害の現状その他人権の擁護に関する内外の情勢にかんがみ、人権教育及び人権啓発に関する施策の推進について、国、地方公共団体及び国民の責務を明らかにするとともに、必要な措置を定め、もって人権の擁護に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において、人権教育とは、人権尊重の精神の 涵養を目的とする教育活動をいい、人権啓発とは、国民の間に人権尊重の理念を普及させ、及びそれに対する国民の理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動(人権教育を除く。)をいう。

 (基本理念)

第三条 国及び地方公共団体が行う人権教育及び人権啓発は、学校、地域、家庭、職域その他の様々な場を通じて、国民が、その発達段階に応じ、人権尊重の理念に対する理解を深め、これを体得することができるよう、多様な機会の提供、効果的な手法の採用、国民の自主性の尊重及び実施機関の中立性の確保を旨として行われなければならない。

 (国の責務)

第四条 国は、前条に定める人権教育及び人権啓発の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、人権教育及び人権啓発に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (地方公共団体の責務)

第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、人権教育及び人権啓発に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。

 (国民の責務)

第六条 国民は、人権尊重の精神の涵養に努めるとともに、人権が尊重される社会の実現に寄与するよう努めなければならない。

 (基本計画の策定)

第七条 国は、人権教育及び人権啓発に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、人権教育及び人権啓発に関する基本的な計画を策定しなければならない。

 (年次報告)

第八条 政府は、毎年、国会に、政府が講じた人権教育及び人権啓発に関する施策についての報告を提出しなければならない。

 (財政上の措置)

第九条 国は、人権教育及び人権啓発に関する施策を実施する地方公共団体に対し、当該施策に係る事業の委託その他の方法により、財政上の措置を講ずることができる。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第八条の規定は、この法律の施行の日の属する年度の翌年度以後に講じる人権教育及び人権啓発に関する施策について適用する。

 (見直し)

第二条 この法律は、この法律の施行の日から三年以内に、人権擁護施策推進法(平成八年法律第百二十号)第三条第二項に基づく人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策の充実に関する基本的事項についての人権擁護推進審議会の調査審議の結果をも踏まえ、見直しを行うものとする。