小学校の思ひで 


 河内の貴公子が通学していた小学校は分校(確か大阪府下で2校しかないはず)があり、1〜2年生の時にはそこに通学していました。というのは本校がちょっと遠いため1〜2年生には少々荷が重いためです。当時、本校に通う通学路は山を越えるために体力も必要ですが、ぶどう畑の近くを通るためにマムシなどの行く手を阻むものたちを蹴散らして行くだけの気力も必要でした。

 そんな本校に通学するようになって、ある衝撃的な事件に遭遇しました。

 何年生の時の事件かははっきりと覚えていませんが、3時間目と4時間目の間の10分くらいの休み時間に同じクラスの友達のひとりが運動場に遊びに行きました。今から考えるとそんな短い休み時間にわざわざ外に遊びに行ったのが彼にとって不幸の始まりでした。

 4時間目の授業が始まり、担任の先生も教室に来てしまったのに、彼はまだ教室には戻ってきませんでした。心配になり先生をはじめクラスのみんなが探したところ、彼はまだ運動場にいました。「おーーーーい!何やってんねん。授業が始まってんぞー!」このみんなの声に彼は何か言葉を返しているようなのですが聞こえません。仕方ないので運動場に出てみると、彼は雲梯の第一番目の棒(図参照)につかまったままでいました。「何してんねん?」と問うと彼は半泣きになりながら「手が離れへんねん。」とのたまいました。

 そう、これは誰かが雲梯の一発目の棒に『アロンアルファ』をベタ塗りしてずらかったらしく、彼はその罠にまんまとはまってしまったのです。何をしても雲梯から両手が離れないため、とうとう彼は「えい!」というかけ声とともに両手を勢い良く引っ張りました。彼の両手は雲梯から離れたものの、そこには手の皮がしっかりと残っていました。

 それからしばらくして、その雲梯はペンキで色を塗り替えました。

 この出来事は後に高分子化学を専攻した私にとっての初めての高分子化学との出合いでした。いやー、シアノアクリレートって本当に凄いですね。

参照図


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