北朝鮮絶望収容所

安 明哲(アン ミョンチョル) 著 池田菊敏 訳 ワニ文庫 本体価格 590円


 ノドンやテポドン騒動の後、北朝鮮を扱った本が出版された。特に北朝鮮から韓国に亡命した姜哲煥(カンチョルファン)、安赫(アンヒョク)両氏が記した「北朝鮮脱出」(文藝春秋刊)では収容所に約20万人の政治犯が収容されていると伝えるとともに、所内で非人道的な虐待行為が行われていることを著した。

 著者は1969年生まれ。政治犯強制収容所の警備隊員として勤務していた人物で、1994年9月、単身で中国を経由して韓国に亡命した。1996年に韓国で「彼らは泣いている」というタイトルで出版した本の日本語版である。

 著者の生い立ち、特に軍に入隊するまでの描写は終始淡々としているが、強制収容所に関する記述は同じトーンで表現されているにも関わらず非常に残酷で、読んでいる側がフィクションであって欲しいと願いたくなる内容がたくさんある。私たち日本人は拉致疑惑、核開発疑惑の際には、北朝鮮の体制についての世論は批判的であったが、今まで国際舞台に姿を見せなかった金正日総書記がひょっこり出てくるとこれらの問題に対する問題意識が薄れたように感じる。もう一度私たちは隣国である朝鮮民主主義人民共和国のことを十分検討し、私たちは何ができるのか模索していく必要があるのではないだろうか。


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