さらばマンチェスター・ユナイテッド
 とうとうマンチェスター・ユナイテッド(ロンドン市場 MAN UNITED (LSE:MNU.L) )の株を手離さなくてはならなくなった。アメリカNFL(アメリカンフットボール)のパッカニアーズのオーナーであるマルコム・グレーザーによる公開買付にも応じず、ささやかな抵抗を続けてきたが、グレイザーはすでに全株式の96%を取得。上場廃止と強制買付が決定した。
 3年前、3500株ほどを購入し、株価は1.7倍になった。投資としては悪くない数字だ。昨年にはトヨタ以上の優良株として紹介されたこともあった。配当もきっちり出しており、サッカーチームの運営のみならず、クレジットカードや住宅ローンまで手がけるほどの企業である。
 このように優良企業であり、公開企業である以上、買収の標的にされるのは致し方のないことだろう。常にそのようなリスクは付きまとって当然である。しかし、淋しい。言いようもなく淋しい。配当が出るたびにユニフォーム、サッカーボール、携帯ストラップ、子供のTシャツ、弁当箱、弁当袋、ナップサック、文具(クリアファイル、メモ、ボールペン、消しゴム等)、バスローブに至るまで、マンチェスター・ユナイテッドの赤い悪魔で揃える楽しみがなくなってしまうのだ。

 マンチェスター・ユナイテッドに、いや、サッカーに理解があるとは思えない、どうしようもないグレイザー親子がオーナーになるようでは、マンチェスター・ユナイテッドに「さらば」と言うしかないだろう。オールドトラッドフォードの売却話が出るようでは彼らの経営手腕は知れたものである。もう一度言おう、
「さらば、マンシェスター・ユナイテッド。私のかわいい子供らよ。」
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