4スト・シリンダーヘッドの整備1


さて、いよいよシリンダーヘッドの整備に移りましょう。その前に充分洗浄を行い、カーボン等を取り除いてください。

 エンジンのオーバーホールというとすぐにビッグバルブの組み込みやポート研磨などを思い浮かべる人もいます(実際、メカニック経験者にもいます。)が、それはチューニング。オーバーホールは念入りな洗浄やガスケット落とし、クリアランスの計測など地味な作業の積み重ねなのです。

 ここからが4ストエンジンの整備の肝。これがあるから2ストと比べて手間も掛かるし、組み立て方でエンジン性能が変わってくるわけです。ポート研磨やボアアップなどよりもまず、バルブの密閉性をしっかり確保する事が大切。そのための作業は根気根気の地味な作業です。


さて、この写真はなんでしょ。ほぼ洗浄の終了した排気ポートのアップです。すでに燃焼室のカーボンは完全に除去されていて、バルブガイドに若干のカーボンが残留していますね。

 燃焼室側にはまっているリングがバルブシート。この部分がバルブの傘の部分と接することで燃焼室を密閉しているわけです。この部分の密閉が悪いと圧縮が減少する事になります。

 このポートの場合、写真ではわかりにくいですが右側の方にカーボンの噛み込みが見られます。下の方にもポツポツと当たりの悪い部分が見られますね。

 バルブ整備の道具類。タコ棒、ノギス、バルブコンパウンド、光明丹です。バルブコンパウンドについては私の場合細目しか使用しません。粗目が必要な場合はバルブシートカットに出した方が良いのではないでしょうか。

 今回はバルブ交換のリクエストなので、バルブは新品。その分あたりは出しやすいはずですが・・。

光明丹。缶の中身は蛍光オレンジの粉末です。これをエンジンオイルで溶かして使用します。早い話が印鑑の朱肉みたいな存在です。どうやって使用するかと言うと・・。
まずはタコ棒に装着したバルブのフェイス部分に光明丹を塗ります。この写真は塗りすぎ!。こんなに塗るとわけが判らなくなります。
光明丹を塗ったバルブをシリンダーヘッドに装着。バルブシートにフェイスが接触したら軽く回転させてバルブシートに光明丹を付着させます。

 うーんやはり塗りすぎですね。

 一旦バルブを抜いたらフェイスの光明丹をきれいにふき取って、再度ヘッドに装着。

 今回はフェイスを”カツンッ”と1回だけ接触させて引き抜きます。

光明丹を塗りすぎた場合はあたりが見にくいので一度ふき取って再度挑戦。

この写真は2度目の風景。ちょっとピンボケですが、手前側にバルブフェイスとシートが接触していない部分がある事が確認できます。

 こうなるとエンジンは正常な圧縮を発生させてくれません。

 

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