クランクケースの分解⇒組み立てG

 先週は部品調達が間に合わなくて組み立てに入れなかったエンジンですが、日曜日の夜には部品が到着。月曜日に早速内然機屋さんへシリンダーのボーリングに出して金曜日にはシリンダーも加工を完了して届き、いよいよ2個1作業の開始です。

 今回、シリンダーのボーリングは井上ボーリングさんにお願いしました。ボーリングに出したシリンダーは部品取り車を引き上げたとき、近くに転がっていた焼きつきシリンダーだったので結構乱暴に扱われていて、シリンダーヘッドやシリンダー座面に打痕などがあって修正が必要だったので、ボーリングが終わったらオイルストーンをかけるつもりでしたが、井上ボーリングから帰ってきたシリンダーはそのあたりも軽く修正済みでした。ありがとうございました。

 それでは最終回。張り切ってまいりましょう。

 土曜日のうちに現在使用中の暫定エンジンを降ろして分解、トランスミッションを取り出します。

 右の写真はこの暫定エンジンの有名な(?)鉄板修正部分。カウンターシャフトのベアリングをサイズが合う鉄板リテーナーで無理やり押さえ込んで走っていた記念写真。

 このクランクケースも今回でお役ご免。ついに廃棄されることになります。

 暫定エンジンのピストン。チョッと見にくいですが縦キズが結構入ってしまっているのがわかりますか?これは焼きついたのではなく、クリアランスが広がりすぎたシリンダーの中でピストンが暴れ、ピストンスカートがシリンダーに傷をつけ、傷ついたシリンダーがピストンに傷をつけた物と思われます。ピストンスカート部はガリガリ。

 このピストンも、新車時から搭載されていたものですが、今回ついにお役ご免となります。

 こっちは先日まで整備してきたクランクケース。ベアリングとオイルシールをすべて新品に打ち直し、自作特殊工具でクランクをセット完了。あとはミッションを組み込んで一気にくみ上げます。

 ちなみにベアリングを打ち込む際。私はベアリングを冷蔵庫でキンキンに冷やしてから打ち込んでいます。外すときと同じで温度差による膨張率の差で入れやすくしているんですね。

 問題の2速ギア。左が新品、右が従来エンジンに入っていたもの。左側のギヤはドッグの飛び込み部分が”穴あき”になっていないのとおそらく熱処理も違いますね。

 つまり、故障が多かった箇所で対策部品になってるわけです。

 こういうことは、メーカーはユーザーに公表して、有料でも良いので対策を呼びかけるべきだと思うのですが・・・・というか、これはリコール対象とどこが違うんでしょうか???

 いずれにしても92年モデル以前のTSに乗ってる人は早めに対策部品に交換したほうがいいかもしれませんね。

 暫定エンジンから取り出したミッションに新品の2速を組み込んだ後、ケース左側に立てていきます。手ごわいミッションもこうやってユニットごとに考えればたいして複雑ではありません。クランクを含めてミッション2本、シフトフォーク2本、シフトカム、クランクシャフトの4本のシャフトを組み込めれば出来上がり。

 右下の真鍮ブラシの横に落ちてるのはねじロック。こういうエンジン内部部品にはねじロック指定箇所が何箇所もあるのでマニュアルで確認しながら進めましょう。

 それから、最初のエンジン始動時にカジリが発生しそうなところや、オイルシール類のリップにはグリスアップしておくことをお勧めします。

 TS200の場合、ミッション、クランクすべてを左ケースに組み、オイルラインのOリングやノックピンもすべて左ケースに組んだら右ケースに液体ガスケットを塗ってケースを合わせます。

 液体ガスケットを塗布した後は時間勝負になるので(ガスケットの乾燥前に組まなければならない)ボルト類の準備も済ませておく必要があります。

 ケースを合わせる際、カウンターシャフトを指で回しながらあわせていって、変な抵抗を感じたらどこか間違ってるので中止しましょう。

 私はここで重大な問題に直面した。

 前に分解したときは簡単に合わさったケースが合わさらない。どこが当たってるか調べてみるとミッションが”長すぎる”のだ。

 土曜日の夜、日曜の午前、あわせて5時間悩んだ結果・・・・。

 ”分解”の時にせっかくTレンチにはめておいたミッションですが、組みなおした後、慎重な私はマニュアルでミッションの組み合わせを確認していたのでした。そのとき、メインシャフトの5速が”逆”なのを発見。これを組みなおしていたのですが・・。

 マニュアルの記載が・・あるいは私の解釈が”逆”だったんですね。

 つまり、素直にそのまま組めばこの5時間は必要なかったのであった。


 

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