結局無視できない切り上り寸法の巻


 きっかけは交通事故だった。本来飽きやすい私はそれなりにセッティングの出たPWKを更に良くする可能性に気がつきながら、”まあ、不便を感じないからいいや”とそのまま乗り続けていたのでした。不調箇所は1箇所だけ、スロットル1/4辺りで瞬間的に不正爆発を起こすこと。だから、このスロットル開度を使用しなければなんとなく走れちゃうわけです。この解決はある程度方法が見えていただけに逆に興味を失ってしまっておりました。

 ところが事故によりしばらくバイクを離れていて、再度乗り始めると、この不正爆発が気になって仕方なくなったのです。要はずっと乗ってたときはなんとなく慣れちゃってたわけですね。事故で慣れがリセットされて・・・気になってきたので、解決させる事にしたのです。

 さて、このシリーズの最初の方でR○○○○Jとかの最後のアルファベットはクリップ段数で相殺できるので無視といった趣旨のことを書いていたと思うのですが、ホントに相殺できるかどうかの話。これが今回のポイントです。

 私の手元にあったニードルを比較してみましょう。

【上:R2072Jと下:R1472N

PWKを入手すると標準でついてくるのがR2072J。TSの場合、このニードルで殆ど1/2スロットル以下は問題なく走れてしまうのではないでしょうか。

 私の場合、スロットル開度が大きい部分でかぶってしまって回転が下がる現象が出たのでテストのためにR1372JとR1472Jを購入。入れ替えてみた結果、現在R14XXXシリーズを使用しています。R13XXXは1/4開度あたりからトルク感が減少してAETCが作動したあたりから更に”ただ回っている”印象が強かったのでR14XXXを選択しました。

 さて、上の写真の説明。写真上が2072J、下が1472Nです。ちょっと見づらいですが、写真背景中央あたりに縦に線が入っているのが判るでしょうか。これはテーパー開始部分をマークしてみたものです。つまりこの2本のニードルはテーパー開始部を基準として並べてあります。これにより2072Jと1472Nだとだいたいクリップで1段分くらい1472Nの方がストレート部が長いように見えます。

 正確な数値は右記を参照(無断リンク) http://brc.milky-web.net/pj-jn.htm

 ちなみにこの無断リンクの出所、バムレーシングはPWKやFCRのセッティングパーツを豊富に在庫されている強い味方。但し、インターネット販売はやっていません。

 ケイヒンの場合、切り上り寸法はテーパー部が始まってから直径が特定の値になる部分を基準として表記されているので、実際にはストレート径やテーパー角に影響されます。これを細かく考え始めるとややこしくなるのですが、とりあえず理解する必要があるのはR2072JとR1472Jでは同じJ記号でも切り上り寸法が違うという事です。


【上:R1372Jと下:R1472N】
さて、上と同じ基準で撮影したR1372JとR1472Nです。前にも書いたように私は結局R13XXXは使用していません。下のR1472Nのクリップポジションは3段です。

前のR2072JとR1472Nとの比較とも見比べて見てください。

 ここで発生するのは、例えば最初に入っているR2072Jでスロットル開度が大きい部分での不調を感じて、よりテーパーの緩いR1372Jに変更した場合、テーパー開始部分が大幅に変わるので、今度は低開度に大きな影響が出てくるという事です。これは実際、私が体験した話・・・・だからR1372Jを持っているわけです。

 つまり、R2072J⇒R1372Jという風にニードルを変更する事により、同じクリップ段数を選択すると結果としてクリップを3段ほど下げた事になるのです。例えばR2072Jでクリップ4段目にしていたとしたらR1372Jではもはやクリップを5段目にしても濃すぎる事になります。

 上の写真を見て判るとおり、R2072JとR1472Nでは1段位の違いであったものが3段以上も違って、もはやクリップでの調整範囲を超えている可能性がありますね。

 ここまで書いて気がついたのですが、R2072JとR1372Jの比較写真もあった方が判りやすかったですね。すみません。

【上:R1472Jと下:R1472N】
R1472JとR1472Nの比較。クリップで3段くらいの違いです。

JとNの1字違いで大違いですね。ここまで読んできた人はそれなりにセッティングを触った事がある人でしょうから、クリップ3段の差というのがどのくらいフィーリングの差となるか判ると思います。場合によってはこの差で充分エンジンがかからなくなるほどの差です。

 逆に例えばR1472Jでクリップが最上段に来てしまったりした場合はR1472Mで3段目にする事ができるわけです。


 高開度での不調を直すためにテーパーの緩いニードルに変換した場合に、その影響でストレート長が減少して、低開度に不調をきたす事があるという事を頭に入れておけば、セッティングの迷いは少なくなるでしょう。


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