ケイヒン・キャブレターセッティングA


(文:永持 典孝)

 @で、あまり深く触れなかったスロットル開度と各ジェット類の影響の関係については他のWEBページや各文献などに触れられているので省略しますが、そういうのを読んでもあまりよくわからない方向けのセッティング方法を教えましょう。

 命名:労働集約型セッティング。

 通常のセッティングではスロットル開度に応じて全閉, 1/16, 1/8, 1/4, 1/2, 7/8, 全開の各開度でスロットルグリップに目印をつけて不調箇所を探るわけですが、このやり方を使いこなすには各開度(7種類もあるわけです。)でのキャブレターパーツの影響範囲を正確に把握し、且つ、スロットルグリップに注意を集中して走る瞬間を必要とするわけで、レースなどで時間的制約がある中、経験のあるメカニックがセッティングを出すには有効でしょうが、一般ピープルである私たちにはなかなか難しいものがあります。

 逆にじっくり時間をかけてセッティングに挑戦してみようという我々は、名人が1回でこなすことを4回でこなして、4倍の労働を行い、4倍の時間をかけてみようというのが”労働集約型セッティング”。

 その方法とは・・・

 大まかな区分けとしてスロットル開度1/2以下とスロットル開度1/2以上の2つに分類します。

 スロットル開度1/2以下に不調がある場合は・・・

  1. ジェットニードルのクリップ段数を1段下にして様子をみます。
  2. ジェットニードルのクリップ段数を1段上げて様子をみます。
  3. エアスクリューを1/4閉じて様子をみます。
  4. エアスクリューを1/4空けて様子をみます。
  5. ジェットニードルのストレート径を1ランク太くして様子をみます。
  6. ジェットニードルのストレート径を1ランク細くして様子をみます。

 この6つを実践してみて、最も不調箇所改善に効果があった変更をさらに進めてみるわけです。

 スロットル開度1/2以上に不調がある場合は

  1. メインジェットを1ランク上げてみる
  2. メインジェットを1ランク下げてみる
  3. ジェットニードルのテーパー角を1ランクきついものにしてみる
  4. ジェットニードルのテーパー角を1ランクゆるいものにしてみる

 この4点つの作業をベースにします。

 作業量は圧倒的に多くなります。ただ、各ジェットはそれぞれオーバーラップしているため、影響箇所と違うところを調整しても方向性さえ合っていればある程度改善されてしまい、更なるセッティングの迷いを呼ぶ傾向があるのです。迷いを呼びにくくするため、1つの調整箇所に対する作業量で勝負しようという方法です。

 サスペンションでも、キャブレターでもセッティングというと難しく考えがちですが、基本的な流れとしては調子がよくなる方向へ作業を進めていけばよいわけであって、多くの作業をこなせば必ず結論に達するはず。経験や知識が豊富な人ほど”早く”結論に達するのであって知識も経験も希薄な我々は作業量で勝負しましょう。


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