燃料タンクの話。
 ちょっと工具ネタに流れすぎたので軌道修正します。 今回は工具すら必要ない日常的なメンテナンス。ガソリンの取り扱いについてです。 

 昔、バイク屋にいたとき、”リザーブ使っちゃったんですけど、どこから補給すれば良いですか?”と駆け込んできたお客さんがいたので、念のため、ガソリンタンクの大まかな構造を。右図を見てください。

  ご存知のとおり、リザーブは、燃料コックの吸い出す高さを変えているだけなので、”リザーブタンクに給油”する必要はありません。

  で、皆さん、どのくらいのタイミングで燃料を補給するでしょうか。 

  1. ”だいたい、トリップメーターで消費量を予測してリザーブになる前に入れる”
  2. ”リザーブに入ったら入れる” 
  3. ”トリップメーターで消費量を予測してリザーブを使い切る直前まで我慢する”

 おそらくそれぞれのスタイルがあるでしょう。

 私の場合限りなく3に近い2を採用しています。もちろんあんまりお金がないので”あるものは使い切る”精神を発揮しているわけですが、1を採用している人、そして時には2の人も、燃料タンクの構造上、少し気を遣ってあげないといけません。

 たとえば、久しぶりにツーリングに行って、久しぶりにリザーブに入れたら、なんとなくエンジンが不調になった。その後、燃料を補給したら直ったなんていう経験はありませんか?だいたい、”直った”のでそのまま放っておくんですが、なぜなのか考えると、放っておくのはちょっとヤバイかも。タンクが錆びてしまいますよ。

 ちなみにここからの話は、”冬の間は寒いのであんまり乗らない”人にも関係する話です。  


 上の絵はガソリン満タンをベースにしています。ホントは、たいていの場合、図1のような状態になっていることがほとんどではないでしょうか。

 この図に追加された「空気」が曲者です。知ってのとおり、空気中には水蒸気が含まれています。水蒸気とは”水”の気化したものであることはご存知ですね。日中の気温の中で水蒸気として空気中に存在していた水が、夜間、気温の低下とともに水蒸気として存在できなくなり、タンクの内壁に結露します。

 タンク内壁を伝った水はガソリンの中に混入します。水とガソリン、どっちが比重が重いかというと圧倒的に水です。

 ということは、次に訪れるタンク内の風景は図2のような状況です。

 ”リザーブ”という機能があるバイクの宿命。めったに”リザーブ”を使用しない人にとって、この”水”が出て行く経路がないことが判りますか?この”水”がタンク底部の錆びを発生させるわけです。また、この図を見れば、先ほどの”リザーブに入れたら調子悪くなって、燃料補給したら直った”を発生させる可能性があることがお分かりではないでしょうか。

 で、どうすればよいか。

  1. やっぱりガソリンは全部使いましょう。
  2. 時々ガソリンを全部捨てる

1は、時々ガソリンスタンドまでバイクを押さなければならないので、やめましょう。

2は効果的です。私もやってみたことあります。が、面倒です。

 で、提案。

 ガソリンを満タンにしてから、しばらくコックをリザーブのままにして走行すれば、タンクの一番下からガソリン+水を吸い出すので、水をエンジン経由で捨てることができます。気をつかっていればタンク内に水が大量にたまっていることはないと思いますので、エンジン停止まで行くことはありません。但し、途中でONに戻すのを忘れると、次のガス欠でバイクを押すことになりますよ。

 で、リザーブにした途端、始動不能になるくらい水がたまっていたら・・・・。

 燃料ホースをキャブレターから抜いて、ガソリンを全部捨ててください。

 それから、寒い間はあんまり乗らない人や、普段も休みのとき以外あんまり乗らない人は、止めておく間、ガソリンは超満タンにしておくのが基本です。”空気”の部分をなくしておくわけです。

 過去、バイク屋で勤務していた時代に、冬、ガソリンを空にして保管してたのに、春乗ろうと思ったら満タンになってたという得した人がいましたよ。但し”水”で満タンになってて、結局大損しましたが・・・。


 

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