中津川林道の怪現象

夏になりましたね。掲示板で騒がれ、ファーストエイドのコーナーで実況したように今年の夏は怪我をしてバイクに乗れそうにありません。

いっそ、自分が乗れないのであれば、みんなも乗れないようにしてあげようという恨みのページがこのページ。

さて、夏といえば怪談。母親の実家はお寺、仏教系の高校出身である私は怪談には事欠かないのですが、せっかくですから、ここでは身近な林道での不思議体験をいよいよ発表しましょう。この話はクラブのメンバーは結構知ってる話ですね。

私がまだ会社員時代の話ですからいまから十数年前の話になりますね。バイク仲間の友人が結婚。結婚記念のパーティを開く事になったのです。T田さんとかも出席してたんじゃないでしょうか。バイク乗りの考える事はロクな事ではなく、どういうわけかパーティ会場は八ヶ岳の麓のキャンプ場。日、月が連休の日を利用して土曜日の夜集合という2泊3日の予定だったと思います。

運の悪い事にその週に風邪をひいた私はこじらせてしまったらしく、土曜日は高熱にうなされておりました。この状態では出席はムリかなと・・。ところがそこに出席予定の友人O崎氏から電話がかかってきたのです。私の病状を確認すると、早速トランポで家に現れ、”ボーッ”としている私と私の愛車NX650を積み込んで会場へ。よい友達をもったものです。

会場のキャンプ場に到着すると私はあまりにも体調が悪いので早々にテントを設営してそのまま眠ってしまいました。テントの中で朦朧とする意識の中、外でスライド上映などが進行しているのは判っているのですが、どうしても立ち上がることすらできない状況です。

翌日になると、ほぼ半日を寝て過ごした私の体調は画期的に回復。みんなでツーリングに行こうという話に”行く”といえるほどになりました。良い空気と充分な睡眠が良い薬になったようです。ただ、私は翌月曜日は出勤になっていたので、テントを撤収。ツーリングの途中でみんなと別れて一人で帰る事にしたのです。

ツーリングルートの設定者に、”帰りやすいところで声をかけてください。”と言っておいた私は、キャンプ場から一番遠い地点で復路を検討。山の中にいる自分たちは中央自動車道に出るのも遠いのです。見せてもらった地図で私の目を引いたのは”中津川林道"。ここから秩父を抜けて家に帰るのがかなり魅力的なルートと思えたのです。他の人たちも”中津川を抜けるのが近道だよ”とけしかけます。(多分、川上牧丘林道あたりにいたんでしょうね)

他のメンバーにさよならを言って走りだした私。教えられたとおり141号線を北上します。しか〜し、自分の意に反して連れてこられた私は地図を持っていないのです。

案の定、中津川林道への入り口を見つける事ができない私は苦肉の策で道路沿いのコンビニに寄りながら、そこで売られているロードマップを立ち読みして・・・コンビニの方々、すみませんでした・・・ようやく峠にたどり着いた時にはバッチリ日も暮れておりました。

ちなみに中津川林道は夜間走行が禁止されています。17時以降は走行禁止です。

もう、ここまできたら後戻りはできません。走行禁止であろうとこの林道を抜けていくしかないでしょう。

意を決して三國峠からダートを下り始めます。最初はどこからか人が出てきて走行禁止時間であることを咎められ、追い返されることを恐れながら走っていたのですが、どういうわけか、対向方向からバイクや四駆、果ては軽トラ、普通車までかなりの交通量があります。これなら大丈夫と真っ暗な林道をどんどん進みます。

三國峠を出てしばらくは多くの対向車があったのですが、それも次第になくなって孤独な林道ナイトラン。ハイビームを使うと足元の路面が見えないし、ロービームだとコーナーの奥が見えない難しいライディングです。対向車は17時までに入り込んで、今抜けてきた感じでしょうね

しばらく走ると右側が渓谷になっている地点に出ます。(わかる人にはわかりますよね。)こうなってくると怖いのは転落事故。通行禁止時間帯に転落すると、早急な救助は期待できないし、第一、これを機会に全面通行止めになったりして他のライダーにも迷惑をかけます。

ところが、渓谷には光が溢れているのです。渓谷に生える植物の葉に月が反射しているなどという規模ではありません。明らかに人工的な光で、普通に”ランタンの光”だと思いました。つまり、渓谷沿いだと思って走っているのだが、実際には下の河原にキャンプ場がかなり大規模に広がっていて、かなり大勢の人がキャンプしているか、あるいはたくさんの釣り人が夜の渓流釣りを楽しんでいるのだと思ってそれを見ながら走っていたのです。”これは、転落するとキャンプ場に直突入だな"と。

そのまま何とか中津川林道を走破して家に帰りつき、そしてその後中津川林道を走る機会もなく何年かが過ぎ去りました。

あるとき、関東周辺の林道に詳しい人と居酒屋で飲んでおりました。その話の流れで中津川林道の話になったのです。

”中津川林道も、17時以降通行止めの割には途中にたくさんキャンプ場ができてますねぇ。”などと発言する私に、

”エッ?キャンプ場は埼玉側の入り口のところ1箇所でしょ?増えたって話は聞かないけど”

私は細かくその光り輝いていた渓谷の情景と場所を説明したのですが、”そのあたりは釣り人が立てるようなところじゃないでしょ? 変なもの見ちゃったんじゃないの?”

その後、ツーリングクラブのツーリングで中津川林道に行くたびに”この辺だったなぁ”と渓谷を覗き込むのですが、やはりキャンプ場はもちろんのこと、人が立てるような環境ではありませんでした。

それにしてもあの光り輝いていた渓谷は何だったんでしょうか。あれはあれで結構美しい情景だったんですが。

夜間通行止めにはきっとそれなりに理由があるのです。これで1人で林道に行けなくなりましたか?

▲トップページへ戻る▲