不定期日記
 
近況報告用。つれづれ更新します。
文中、本や映画等の感想については、すべてネタバレが前提になっています。ご注意を。

040914
 中村融伝説

 この前の日曜、『SFファン交流を考える会』に遅れて参加した。今回メインでアンサンブルについて話す細井さんと向井君も、中村融さんがいらっしゃると聞いて正直かなーりドキドキだったのを事前に知っていたので、どんなかなあと思っていたのだ。
 ファン交の別の方がゲストのときに語ってくれた話は、中央大学のSF研の読書会にオブザーバー参加した中村さんが、「このSF作品は英米文学の○○と××と△△を踏まえて書かれたものですが、この中でそれらのどれかを読んできたものは?」と問い、全員爆沈した、というものであった。
 中村融さんにはこのような逸話がいくつもあり、ファン交参加者のごく一部の間で“中村融伝説”として畏怖(オソレウヤマウコト)されていたのである。

 さて、今回のファン交当日の話は「アンサンブルと細井威男は如何にして成ったか」という内容でとても楽しく、中村さん参加の理由も「絶滅寸前の海外SFファンを見学・応援するため」という素晴らしいお言葉だったため、我々は楽しく二次会で美味い酒を飲んだのであった。

 ところでこの前、佐藤哲也の『熱帯』を読んだのである。ダサコンで佐藤哲也さんから新作の話題としてお話しいただいた、「SE職の裏話と古代ギリシャの英雄叙事詩を組み合わせた作品」が遂に読めるとあって買ってすぐ読んで感動した。

 僕的には、文学のリアリティという問題において、「自然主義的リアリティとアニメ・漫画的なリアリティの接続問題」について、舞城が『九十九十九』で「ゲーム的リアリティという語り口」を用いて実験的批評をしてみせたという『ファウスト第3号』での東浩紀の指摘を受けて考えるに、『熱帯』は佐藤哲也が「ホメロス的/叙事詩的リアリティという語り口」を用いて実験的批評をした作品、という風にも読んだんだけど、それは今日の日記の話題には関係ない。

 例によって些末にこだわると、何故かSFセミナースタッフはほぼ全員セミナーのスタッフ合宿で夜中に酒飲みながら『ウルトラファイト』を観ているので、「プラトンファイト」であのヌルーいアナウンサーの口調が完全に再現されているのには僕も爆笑を禁じ得なかった。車内で。
 「俺は流されない!」はプロレス方面の言葉だったと思うが如何だろうか。 水棲人には萌えたし部長もどき・課長もどきにもド肝を抜かれたのであるが、それらも今日の日記の話題には関係ない。

 そんでもってそんなバカ話をファン交の二次会の宴会でも延々していたのだが、翌日細井さんによると中村融さんが『熱帯』について、「ディケンズを読め」と謎の言葉を残していたそうな。
 『ケルベロス第五の首』を読み終わって頭を抱えていた私は、とりあえずそっちは他人に任せて自分は目前の熱帯問題を解き明かすべくgoogle神に教えを請うた。

 とりあえず『熱帯』の中でディケンズ的にありそうなトピックを次々にgoogleに突っ込んでみたところ、「ディケンズ 官僚批判」のクロス検索でひとつの作品に突き当たった。
 ディケンズ晩年の長編に"Little Dorrit"(『リトル・ドリット』)というのがあって、その中に"Circumlocution Office"(迂遠省、訳によっては繁文縟礼省)というおバカな官僚組織が出てくるらしいのである。
 http://wwwsoc.nii.ac.jp/dickens/archive/ld/ld-fujii.pdf (PDFです)
 今、『熱帯』を読んだごく一部の間ではホメロスを読むのが地味に流行っているのだが、他にも手をつけねばならぬ古典がいろいろありそうである。
 こうして、中村融伝説に新たな1ページが加わった。



040810
 『頭スッキリ、能力倍増! 3分間パズル』

 著者:芦ヶ原伸之 新書版192P 価格900円(税込) 株式会社銀河出版 bk1 アマゾン
 昨日から店頭に並んでます。
 比較的解きやすい問題を中心に、難易度別に章立てした古典的なパズルの王道本です。

●僕が芦ヶ原先生に初めてお会いしたのは今年の3月。飯田橋の事務所は世界中のパズルと文献・資料で埋まった博物館のようであった。
 先生は今のパズル業界がクロスワードや漢字ナンクロ、イラスト・ロジック主流になっているのを嘆いていて、「ああいうのもいいけどあれはpuzzleじゃなくてpass time、暇つぶしだよ」と言っておられた。
 そんなわけで、僕の大きな目標はいずれ『芦ヶ原伸之の究極のパズル』を、Quark連載後期分と併せた完全版にして発刊することだったんだけど、とりあえず最初は簡単な初心者向けの、先生の名前で若い人たちにパズルの面白さを伝えるキッカケになるような本を作っていくことにしましょう、という話になったのだ。
 先生は書店で売っているハナヤマ/永岡書店のキャストパズル全作品のプロデュースもやっていて、外国から届いたサンプルなどを見せてくれ、「コイツがまた難しいんだよ!」 と嬉しそうに語っておられた。

 4月に一度体調を崩されたが無事に退院し、編集作業が進行している6月、アメリカから帰国して飯田橋の事務所に1泊した夜に突然お亡くなりになった。本書は遺作に相当する。まだゲラも見てもらってなかったのに……。
 お葬式は盛大で、出版各社、世界中のパズル仲間、高校時代の同級生だった福田元官房長官らの盛大な献花に囲まれていた。

 僕が最初に購入した先生の本は、中1の時。『目玉の体操』という迷路の本。クレタの迷路から順に説明しつつ、先生の新作が詰まったとても楽しい本だ。一度進むと壁にぶつかるまで曲がれないという「猪突猛進迷路」や、一見数字が並んだだけの枠だが、上下移動は少ない数字、左右移動は多い数字側へしか移動できない迷路になっていたりなど、意外な迷路の楽しさと奥深さを教えてくれた。90年代に国内あちこちのテーマパークで巨大迷路が流行ったことがあったが、それを仕掛けていたイベント会社の顧問もされており、設計に携わっていた。

 『頭の体操』シリーズで知られる多湖輝先生とは学生時代からの友人で、シリーズを通じて芦ヶ原先生もかなりの問題を提供している。
 テレビ出演も多い先生だったが、テレビの仕事で一番世間に思い出してもらえそうなのは、日本テレビ系列放送の「マジカル頭脳パワー!!」の立ち上げと初期数年間の監修であろう。一斉を風靡した「ある・なし問題」は先生が新作を持ち込んで火がついた。パズル雑誌『ニコリ』でも創刊初期から今号まで欠かさず連載を続けていた。

 世界3大パズルコレクターの一人で、マーチン・ガードナーを始め、世界中のパズル愛好家のネットワークづくりに大きく貢献した。世界パズル家パーティーのアドバイザー、世界パズルコンペの審査員を歴任。第2回ロイド賞も受賞している。まだまだ、お亡くなりになるには早すぎた。
 福井健太さんの文章がよかったのでリンク

 著者本来の志す歯ごたえある難問が解きたいならブルーバックスの『超々難問数理パズル』、上質のパズルエッセイならPHPから出てる『大人のパズル』、『能力パズル』、英語で読みたいならA K Petersの"Puzzles101 A Puzzlemaster's Challenge"がお勧め。
 でもとりあえず僕もこの本が売れて2冊目を作りたいので、本書を買ってください。お子様、甥、姪へのプレゼントに最適。自分でやっても結構解けないのあるよー。イラストは佐藤静江。ちなみに、先生追悼のためパズルのタイトルはすべて駄ジャレにしてみました。よろしく。



040727
 日々是ダメ人間

 毎日毎日毎日毎日2時間も韓ドラを摂取し続けた人体実験の結果、曇りダラケのマナコで見定めた今日の『ウルトラQ』はとっても面白かった! 超ベタで古典的なサラリーマン青春ドリームメイドロボモノ。
 ビバ浴衣マトリックス! ビバ容赦ないダンプ! ビバ散らばる基盤! ビバ回収します! ビバ理解しました! ビバラーメン屋のオヤジ! ビバ乾杯! 長澤奈央はやっぱカワイイなあー。

 なんていうかそのね、今やってる韓ドラの『美しき日々』とか、頑張って露骨な伏線イッパイ張って複雑な心情らしきキャラが本気でやってるんだけどさ、連中頑張って作れば作るほどさ、じゃあそこまで話に凝るならこの部分の超ご都合主義ってなんなのよ、都合のいい男と都合のいい女ってオカシイんじゃないの? ってどんどん文句言いたくなってくるワケ。連中それに気づいてない(というかその程度の理由付けで制作者も視聴者も一応納得しちゃってる)からよけいイライラすんのよ。そこがまたぐるっと回って日本人が忘れてしまったパワーであり魅力でもあるんだけどさ。

 でも今日『ウルトラQ』観て確信したね。韓国映画には本当にスゴイ監督が何人かいるようだけど、テレビのほうは意識がまだまだ。オイラには今日の腐りきった『ウルトラQ』のほうが100万倍イイね!

 なんていうか、一番の違いは宮台語で言うところの『「あえて」やっているという自覚』があるかどうかなんだよね。
 今回のウルトラは上原正三大先生の古くさ……じゃなくて超古典的で(つまり今の韓国ドラマっぽい話で)60年代の中学生が学研のジュブナイルSFとして読まされそうな「何も足さない、何も引かない」それゆえ今観ると超ハズカシイ脚本を「「「お約束!」」」として理解したスタッフとキャストが実に楽しそうに演じている。「あえて」サラリーマンドリームモノやってまーす! という「ホラ話」の魅力に満ちてるんだよねー。
 その「あえて」やっているという作り手側の意識が技術の低さとして露骨に透けて見えてるところがなんとも自主制作ノリで稚拙なんだけど(そう、今回のウルトラも観てない人のために言っとくけど、ちゃんといつも通りクズなのよ! そこお忘れナク!)、韓ドラで曇りきった僕のマナコには逆に「自分の属しているオタク文化コード」に乗っかった安定感ある話として安心して観れたのだった。最後の「おしまい」のテロップとか、イイじゃん!

 今回のような古典的な話をもし向こうのキャスト主演で韓国テレビスタッフが演出したとしたら、おそらくキッチリ本気で熱くて本気で切なくて本気で幸せなドラマを作ると思うのよ。でもぶっちゃけそんなドラマあったとしてもツマラナイじゃん。がんばって質高く作れば作るほど、それに伴って物語に求められるリアルの閾値が高くなって、古典的な脚本(物語)がそれに耐えられなくなる。バカドラマとして観てたときにはオッケーだった細かいところがどんどんツッコミ所に変わってきちゃう。
 そこを無理矢理作ってみせる(であろう)ところが今の韓国パワーであり今の日本人から見ると羨ましいくらいのバイタリティーだと思うし、正直今の日本が失った魅力の一つではあると思うんだけど(だからオイラは韓ドラ観てる)、それはでもちょっと違うのよ。今の日本のオレらがこの時代に感じてしまっているもうひとつのリアリティとは。

 そんなこんなで韓ドラに毒されたオイラには、こんな古典的でクズみたいな深夜にオタクとマニアのためにやってる『ウルトラQ』のほうが、丁寧に作られた最先端の韓ドラより一歩時代の先を行ってるという感覚がびりびり感じられてしまって、衝撃、っちゅうか、ダウンな気分になるのであった。

 それが韓国に対する日本文化の先進性を示しているのか、それとも向こうがまだ健全で、日本は絶頂期を過ぎてアトはダメへの道を転がり落ちていっているだけなのか、それはこの場でもう少しダラダラ展開してみようと思うのであるのよ。



040723
 韓ドラ問題

 最近忙しいワケはパラパラあるんだけど、一番トホホな理由がこれである。
 韓国版ドラえもんではなく麻雀でもなく韓国ドラマ。BSの集中放送のせいで『美しき日々』のために毎日毎日毎日毎日2時間も貴重な時間が失われている。
 いや、韓ドラ面白いヨ! 地上波の冬ソナも結構飛び飛びながら見てるけど、この冬ソナ娘が主演してる『美しき日々』もまたよい。基本的には皆で酒飲んで指差しながら見るのが正しいんだろうけど一人でゲーラゲラ見るのもまたよい。
 孤児院育ちの冬ソナ娘&歌手志望のドラ妹、そして音楽会社の息子兄弟&ドラ妹の三角関係五割増ドラマ。これだけでお腹イッパイなのに出生の秘密ネタ、親子の確執とトラウマネタ、住み込み女家庭教師兄弟で取り合いネタ、芸能界イジメネタ、さらに後半には白血病ネタまで投入予定という最強パターン。
 前にTVKかどっかでやってた『真実』ってのも凄かったな。金持ちのドラ娘とそこで働く運転手の子である冬ソナ娘の話。家賃代わりに替え玉受験したり、酒酔い運転で事故起こしたドラ娘が助手席に乗ってて植物人間になっちゃった冬ソナ娘に濡れ衣被せたりするの。最後はドラ娘が男と車で海に突っ込んで心中。おい男! おまえ先週ダマされて車で海に沈んだばっかやんかい!
 冬ソナも含めてみんなそうだけど、今の韓国人のツボに入っている価値観はどうも運命論らしい。偶然の出会いや時を経た再会や主人公のバカツキが皆「運命」の二文字で肯定されていく世界。運命大好き韓国人。
 その他の特徴としては、男は皆野心丸出し野郎かナイスガイなシンジ君。女は皆嫉妬丸出しヒステリーか美人な優柔不断。度重なる偶然の出会い。至近距離でまとわりつく視線と視線。女は同情誘うか待ち伏せか尾行か強制連行でウヤムヤのうちに落とす。
 ドラマ作りの技術自体は高くて日本のトレンディードラマとほとんど変わらないため、逆に「話がこんなんなのに連中、本気でやってる!」っちゅうミスマッチさ加減を浮き上がらせ、僕等ダメ日本人には妙に懐かしいリアリティがあって不思議と惹きつけられてしまう。
 でも韓ドラのために今までに失った時間と、予約されているあらかじめ失われた時間は、もう二度と帰ってこないのだ。韓ドラ恐るべし。



040714
 なのにあなたは京都へ行くの

 今度カラオケ行ったらチェリッシュ歌うことに超決定。
 京都の町は それほどいいの?  ヒドイ歌。



040708
 伝言板替わり
 PC用モニタ1台余ってる方、安く譲ってください。メールにて連絡乞。



040701
 些末な組版考

 長いことテキトウに考えていたポイントの謎に最近ようやく一歩だけ迫ることができた。
 入門書には1ポ=約0.3514mmと書いてあるものと約0.3527mmと書いてあるものがある。大した違いはないんだけど、なんか納得いかんかったのよ。
 活字のポイント数は、アメリカンポイント(=パイカポイント、1ポ=0.3514mm)とフランス発でヨーロッパ(英国以外)標準のディドーポイント(1ポ=0.3759mm)がある(本当はディドーの前にフールニエポイントとシセロの戦いがあった。更にその前は大きさごとに宝石の名前がついていて旧英国5.5ポ相当の大きさ“ruby”が日本語“ルビ”の語源なのはちょっと知られている)。

 さて、ディドーのほうはこの際忘れてよろしい。アメリカンポイントに話を絞ろう。アメリカンポイント(パイカポイント)はインチを基準に、最初は1ポ=正確な1/72インチ=25.4mm/72=0.3527777…mm>約0.352778mmになるはずだったが、昔からアメリカで使われていたパイカの規格を活かすため1ポ=0.3514mmに制定された。これはJIS規格にも採用され、日米共通となったのである。

 ところがMacで採用されている(=DTPで使われている)ポイントはなんでだか正確な1/72インチ(=25.4mm/72=0.3527777…mm>約0.352778mm)を基準としているため、DTPポイント(ビッグポイント)と呼ばれるこっちがDTPの標準規格になってしまっている。WindowsのMicrosoftWardも同様に1pt=0.352778mm。まったくもう、誰や!?(チコタン風)

 モリサワやらなんやらのフォントは確かに日本製ではあるが、そのPostScript情報を「このサイズで表示せい!」と命令するのはMacでありWindowsでありQuarkXpressやなんかなので、我々はいつのまにか日々1ポ=約0.352778mmで矛盾なくアメリカン・グローバナイズな暮らしをしているのである(元のJIS規格0.3514mmからして既にアメリカンなんだが)。

 TeXはなんだか、何種類かのポイントを設定して対処しているらしい。TeXの標準1ポ=1/72.27インチ=0.35145980351…(以下5980351が循環)という記述もなんかで見たことがある。ソースはメモってないので不明。ここらへんよく解らんので御教授乞。

 ちなみに、幕末に日本のグーテンベルク・本木昌造大先生がガンブル・ウイリアムの号数活字のシステムを参考に号数制っちゅうのを制定したそうな。そのとき本文活字に使われた5号活字が今のおよそ10.5ポという大きさで、それに日本人は馴染んでいるという説があってMicrosoft Ward日本語版のデフォルトポイントは10.5ポという中途半端な数になっているんだと。やれやれ。

 そんじゃあ、ポイントは計算とか面倒だから級数ならどうよ! 1Q=0.25mm、解りやすいぞ! という話になるんだが、こっちもDTPでは余計な問題があるのである。以下続く、かも。

●BSマンガ夜話
 今回のシリーズは番組的な理由で問題作が多く、イチ視聴者としてはとても面白かった。

●NHKトップランナー
 メガスターの大平貴之。プラネタリウム作る前はロケット作ってたそうだが、その映像が見れてラッキー。ロケット作りのほうはちょっと人前で話せない裏話があると某掲示板で読んでたので、それも気になる。プラネタリウムの良さはテレビじゃ判らないなあ。実物見たい。

●Phantom Memory KURAU
 はーどSF(?)な第1話に対してエモーショナルな第2話、ということで。

●探偵ナイトスクープ
 みんな泣いてた。



040624
 打ち合わせ

 SF大会の打ち合わせでルノアールとうどん屋に6時間半もいたよ。疲れた。

●Phantom Memory KURAU 第一話
 BONES・入江泰浩・吉永亜矢・尾崎智美&新居昭乃&金子隆一。
 展開早っ! でもハイクオリティで超期待。某誌の記事より若干シリアスな印象。リナクスはあらゆる物質を原子に分解しちゃうのである。

●恩田陸「Q&A」
 面白くなってきた。先が読めん展開。俺本読むの遅いかも。



040623
 なんか


●いろいろあれどまた地味に。

●LEE 辛さ×30倍
 コンビニで久々にレトルトカレーを買ったぞ。辛さ増強ソース付きで×40倍なんだそうな。これは辛い。でも結構うまいです。

●ナターシャ
 日独最強の知的メガネっ子おねえさんはNHKドイツ語講座の長岡ナターシャ先生だというのは衆知の事実だが、いい写真がネットにはあまりないなあ。とにかく皆様には是非動画で見ていただきたい。ドイツ語と黒板とメガネ、この3つが揃って完璧。毎週水曜11:30〜です。

●「ニコール・キッドマンの恋愛天国」(90未)
日本未公開。昨日の夜中になんとなくテレビ見てたらなかなか面白いので思わず最後まで見てしまった。このトホホな題名だけじゃ絶対見るはずなかったこの映画、カメラが追い続けているカワイイ高校生はニコール・キッドマンではない。
 だって黒人なんだもん!
 実は主役はサ(ダ)ンディ・ニュートンとノア・テイラー。2人の恋愛劇の脇役がニコール・キッドマンなんである。確かに当時日本未公開で今さらソフトを売るにはニコちゃんの名前使ったほうがいいのかもしらんが、しかしまあなんという破廉恥な商売! (原題は「FLIRTING」) 日アニの「赤毛のアン」を早いとこ降板した宮崎駿の名で売るようなもんかね。 
 そんでもってさ、このサンディのカワイイことカワイイこと! 文句なしオレ的黒人美少女NO.1なのだ。知的メガネっ子に引き続き黒人美少女も俺ギネスを更新!
 ストーリーは萌え要素タップリの英国風寄宿舎青春恋愛モノ(オーストラリア映画なんだけどさ)。女の子の中でちょっと不良っぽくて浮いてるサンディと、男の子の中で弱っちくてイジメられ役のノア・テイラー、2人の障害だらけの恋の行方は! みたいな感じよ。
 「ダンスパーティーの夜」「女子寮忍び込み」「女の子からの手紙をいじめっ子が取り上げて朗読」「やけっぱちボクシング対決でコテンパン」「どきどきボディ・タッチ」「優等生(ニコちゃん)との確執と和解」などなど、定番イヴェント盛り沢山で飽きない。なんのヒネリもないストレートな話なんだけど、社会派になっちゃう悲劇のラスト、そして一縷の希望などなど、思春期の恋愛青春映画の佳作です。(普通に「青春映画」というと僕は「アメリカン・グラフィティ」とか「ファンダンゴ」なんかのほうを思い出してしまうのだ。「大人になる前の最後のバカ騒ぎ系」ね)

 このサンディ・ニュートン、「M:i-2」にトム・クルーズと出てたあの超カッコイイ姉ちゃんに育ってたのね! トムトムとは「インタビュー・ウイズ・ヴァンパイア」にも出てるから、元奥さんのニコちゃんとは因縁のペアなのかもしんない。ビデオが店頭ワゴンに落ちてたら逃さず拾うべし! ていうかオレに知らせれ! 

●買い物
 恩田陸「Q&A」
 チェーホフ「チェーホフ一幕物全集」

●ウルトラQ dark fantasy
 で、昨日の話だけどさ、結局ドロップ食うとどうなるのよ? って、言いたくなっちゃうぞ。



040325
 適当

 チョーさんに続き、イワエモンまで亡くなってしまった。
 会社の近所に、昔ドリフの付き人やってた人が店長の店があって、よくクソ辛いつけめんを食べに行くのだ。開店前からの知り合いなのである。
 昨日行ったら丁度お通夜のニュース。「店長今日行ってるんですか?」って聞いたら「そうなの。昨日から一晩お棺の横につきっきり。中本さんは今日北海道でお仕事なんだって」「タイミング悪いですねえ」「ホントに」
 親の死に目にも会えないという芸能人。大変。小学校2年の時秋田に引っ越したら8時にドリフやってなくて大泣きした愉快な子供でした。ありがとうございます。

 岩田さんはよくコミケの会場で自転車に乗ってるのを見かけたよ。膨大な整理された同人誌の資料、すごい人だったのにとにかく残念。 「悲しみのセールスマン」含蓄のあるいい文章だった。ありがとうございます。

●「十兵衛ちゃん2」すごいことになってる。ほんとに先が読めないアニメだね。次の最終回までキッチリつき合います。

●「僕と彼女と彼女の生きる道」いつもの最終回だけ見逃すパターンなんだけど、ノリがビデオ撮ってくれたので大丈夫。

●社長は静岡へ刷り出しを見に行ったよ。問題だらけで今日は泊まりになってしまった模様。合掌。

●この間の「NHKアーカイブス」の「なぞの転校生」話古くてありゃりゃ〜とおもったけど、とにかく真摯で真面目な作りで、当時ハマった人の気持ちもちょっと分かった。硬派だね。SFな中学生日記。高校だけどさ。

●「水晶内制度」ちびちび読んでます。強烈。

●ラジオニュースの原稿書きでちょっと失敗。反省。

●クラゲ飼いたいな、とウチの妹のようなことを言ってみる。



040308
 それは命

 週末に「イノセンス」見てきたですよ。最初「攻殻機動隊2」として構想されてた通り、題名替えても攻殻2です。押井映画初見の方は最初の攻殻を見ておくのを強くオススメ。再会のサインとか。最後に出てきた大ガジェットも、僕はテレビ版に登場するのを見てたから踏ん張れたけどはーどなSFな人がいきなり見たらちゃぶ台返しちゃうかも。

 でも、掛け値なしで現時点での押井守の最高到達点だと思います(最高傑作、ではないと思うな……)。ただ、身体論や心と体、といったテーマに少しでも興味のある人は必見だし、凝りに凝った凄まじい画面は世界で初めてのものを見せてもらった感が強くする映像です。超お勧め。押井映画見てる人にはデジャヴュ感強いけどよく見ればすべての点で今までの映像を超えていることは解ると思う。この、画面の中心は普通なんだけど端へ行くにしたがって広角になる謎な画づくりって、一人称的な視点に合ってるのかも。

 ストーリーは無骨なほどまっとうなのにあらゆる細部に幻惑されて最後まで飽きないのはさすが押井ワールド。バトーの悩みをもっとうまく描けば……というのには賛成。エンターテイメントとして何がもの足りないのか考えてたときにいい指摘を読みました。犬も今までで最高。素子の意識はもっと変容してて違和感あってもよかったかなと思うけど、こっちの知覚レベルに合わせてくれてるという解釈もあるかな。もっと“体”に合った“意識”になっててほしいわけですよ。

 エンディングの大量の西田さんは「西田社中」という民謡かなんか伝統芸能の一門だった気がします。ネットで調べても僕にはよく解らないんだけど、認められると西田の名前をもらえるとかいうのを聞いたことがあるな。亀山社中とは違います(^_^;)。詳しい人教えて。
 まあともかく宣伝の割にはまだ客入ってなかったけど僕も不完全消化なのでもう一度行くつもり。



040226
 いろいろ

 いろいろ仕事のメールの返事が来て大変だけど面白そう。

●今日のBSマンガ夜話はせっかく『ブルーシティ』だったけど、ちょっと脱線が多くて時間もったいなかったな。

●『自虐の詩』オンライン読書会は今のところ参加者4名。来週頭からゆるゆると始めるつもりなので、週末に読んで参加してね。初心者・否定派大歓迎!



040225
 BSマンガ夜話

 今日は信じられないことに業田良家の『自虐の詩』。昨日の猫十字社といい一昨日のはいからさんといい、今回はかなりキてます。
 今日の『自虐の詩』はゲストが『自虐の詩』伝道師の呉智英と夢枕獏という濃いメンバーで、とにかく大月隆寛もいしかわじゅんも夏目房之介も岡田斗司夫も誉めすぎで「感動するよ! 泣くよ!」といい続ける異様なノリ。「下巻を持ち歩いてます」という井崎脩五郎からのFAXもあってちとBSマンガ夜話ならぬ珍しい展開。唯一、「今日は自分も含めオジサン達は泣いて誉めるに決まってるのでクールに行きます」と言ってた岡田斗司夫が、最後に「この物語で泣けないからといって自分が劣ってたり間違ってたりするわけじゃないですから」と釘を刺していたあたりがさすが。

 僕も『自虐の詩』感動派なんだけど、ジェンダー的に違う読み方をしている方には不快に感じる人もいるかもしれないしもしかしたら今日の喋ってるメンバーのほとんどが男性なせいもあるかもしれないので、『自虐の詩』については特別にMLを作って男女交えたオンライン読書会をやることに勝手に決めました。一歩さん作成のMLです。
 参加希望の方は「メーリングリストの使い方」をざっと読んだ上で、jigyaku@ml.t-con.jp 宛に空メールを送ってください。その際、ccの欄に僕のアドレスs-ide@tkh.att.ne.jp を入れるのをお忘れなく。ちょっと話から逸脱して、僕が最近のジェンダー論について思っていることとかいろいろぶちまける……ような展開になればいいのですが。
 マンガ夜話。明日は山本弘とオーケンを呼んで星野之宣の『ブルーシティー』ですよ!



040217
 防衛庁

 速報が流れて以後、TVでは今現在まで情報ナシだけど、近所の友達が送ってくれた写真によるとものすごい報道陣と民間人の人だかり。


040215
 宴会

 仕事の後ロフトプラスワンのイベント覗いて、その後はストリップを見てきた人たちに呼ばれて宴会。久々に飲み過ぎる。



040214
 銀座の恋の物語

 ジョニイたかはしさんの、

 おいしいチョコレートは自分で探しに行かないと!
 受け身になっていちゃ駄目だ!

というおさそいのアジ文に感激。彼にくっついて男3人で銀座のチョコレート専門店を豪遊してきました。並んだよ! カップルと女の子の大行列! 4軒で1箱ずつ買って(中身は1箱、4〜6粒くらい)合計6190円(税込)。松屋の屋上でお茶とか買って会食。美味しい!
 その後は秋葉原でチョコレート交換をしていたらしい男3人組と合流。最終7人で宴会。「マリみて」話と「このSFが読みたい!」話。



030211
 特になし

 最近、日本近代史に手を出してるんだけど、いろいろ複雑すぎてどっから手をつけていいか判らんのよ。なんかド素人向けのいい参考書ないかな。
 大学受験は世にも珍しい政経選択だったので僕の近現代史はかなり偏ってるのよ。何読んでも言ってること違う風にみえるし、かなりヤバイ状況。

●『それがVガンダムだ』今売っているSFマガジンとアニメージュとニュータイプとガンダムエースとハイパーホビーと電撃ホビーマガジンとまんがの森の小冊子のBOOK紹介欄に載ってます。多くのご協力いただいた方々、ありがとうございます。
 bk1にもコメント書きました。ササキバラさんのコメントと本書の序文もアップされてます。よろしく。初心者大歓迎! マジ!!



040208
 休日
 久々の休日なのでドトールで本を読んだ。ようやく『夜更けのエントロピー』。面白い。面白い以外の感想は特にないけど、とにかく巧いなあとひたすら思うのである。
 ベトナム戦争にしてもチャウセスク政権の扱いにしても、とにかくストーリーとして巧すぎな処理なのが実はちょっと不満。読むのがすたーじょんより後になっちゃったけど、でもホントに面白かったよ。

●渋谷、新宿、池袋と、本の売れ行き調査を兼ねて書店巡り。ダッシュは良くても最初からパイは見えているので、あとでピタリと止まることは判ってる。少部数増刷すべきか、それとも初回配本の返品を待つか……。大手なら過去のデータがあって判断の拠りどころがあるんだろうけど、悩ましいところ。

●一軒、書店の担当さんで面白い方がいた。オレもこういうときは取次の搬入状況とか著者の出版意図とかの話をメインにするワケよ。でもその人は女性なんだけど、カトキメカの凄さと『逆シャア』のモビルスーツのバーニアの色づかいの美しさなんかの話が大好きでガンガン話を振ってくる。それは確かにオレの得意分野なんだけど、営業トークとしては……。もしかして見透かされてわざわざ振ってくれたか? そんなこと考えながらもノリノリで答 まあいいや。

●今日の『NHKアーカイブス』はまたもや再放送の再放送。でもまた見てしまうのだった。
 最初のはNHK特集「のぞみ5歳〜手さぐりの子育て日記」(昭和61年)。全盲の夫婦がイカすバリバリのキャラで艱難辛苦をモノともせず子育てに励むドキュメンタリー。最後の子どもを叱る場面では相変わらず自分が説教されてるようで泣けてくる。でも見ちゃう。加賀アナウンサーによるとあの時5歳だった女の子は今22歳。保母さんをしているそうだ。その一言の報告が聞きたくて見てたようなもん。
 2本目は新日本紀行「三重連の峠〜秋田・青森県境 矢立峠」(昭和45年)。D-51を3つつなげて峠を越える区間があったんだけど、そこの路線が廃止される直前の機関士なんかのドキュメント。V林田さん的に面白い番組(想像!)かと思ってたけど、改めてそういう視点で見てみると、美しい映像やブンガク的な映像を撮ることに終始していて鉄道ファン的にはちょっとヌルイなあと思う出来(ヒューマンドキュメント部分は結構いい)。
 でも昭和45年当時まだ2000台のSLが走っていて、その10年前には4000台も走ってたってのを知ったときはなかなか感慨深かったなあ。ちなみにオレは46年生まれ。

●SLは水上とかあちこちで今でも区間・時期限定で走っていて高校の仲間と見に行ったことがあるけど(べんじゃみんが手帳無くして大変だった!)、あれは是非現物をその目で見てもらいたい! 僕は別に鉄道ファンではないんだけど、あの姿には本当に感動した。連れて行ってくれた達裕とべんじゃみんには本当に感謝したい。あの時は土合駅にも降りたぞ。
 映像なんかとは全然違うっていうか、表現出来ない強烈な存在感がある。全身くまなく必要な部品だけで構成されているのにこんなにでかい、ってことはこの巨大な鉄の塊のすべての部品が必要な役割を背負って、全身全霊をかけすべてを機能させて「うがあーーー!!」って走るワケですよ! ものすごい!。
 SLの煙って、煙突からしか出てないと思うでしょ。でもそうじゃない。体中のものすごい箇所にバルブが走っていて、常に全身のあちこちから「ぷしゅー! ぷしゅー!」って蒸気を振りまていて、巨大な体全体が生きている感じ。冬なんかに見てごらん、あの動力車の全体に蒸気のシステムが行き渡ってるワケだから、円筒の本体“全体から”湯気がもわもわ立ち上る。あれはまるで箱根峠の駅伝ランナー。アスリート。ホントに生きてるよ! この黒い塊は! 
 
●ゆびわのつづき見たい。



040128
 とり急ぎ本の話

『それがVガンダムだ─機動戦士Vガンダム徹底ガイドブック─』
 年末年始を潰し、SFないいお仕事もお断りしちゃってようやく完成した本が発売になりました。応援してください。凄まじくイイ内容の本です。今出すことにも意味のある本です。作品を知らない人も十分楽しめるし得るところの多い、初心者大歓迎な本に仕上がってます。
 ガンダムと富野監督をよく知らない方にこそオススメ。多少なりとも知っていれば100万倍楽しめます。
 万人向けに作りつつも大変奥深い本で、著者が本書で本当に伝えたいところまで読み込んでくれる方は、もしかしたら少ないかもしれません。そんな意味では本読みの方のレベルが問われる本でもあります。
 ここまでの内容になったのはすべて著者ササキバラ・ゴウさんの熱意と筆力によるもの。多少なりとも世に出すお手伝いができて、本当に嬉しい1冊です。
 お知り合いの書店さんにも沢山取ってもらいました。池袋へGO!

●クイックジャパンの「水曜どうでしょう!」特集号がバカ売れで増刷もかかっているそうです。ようやく俺たちの時代がやって来た! いけいけ大泉洋! 世界をどうでしょうで埋め尽くすのだ! bk1でも実売聞いたけど凄い数字。たまたまVガン本も広告を出している号なので、嬉しいです。同時発売の『アルファ・システム サーガ』と2冊で1/2広告です。アルファは宣伝のあるなしにかかわらず一定部数売れる予定です。

●今の仕事はちょっと予定変更で大変そう。

●「ちょっと待って神様」「十兵衛ちゃん2」「巨人の星」「僕と彼女と彼女の生き道」「白い巨塔」があれば、今期はつらいことも乗り越えられそうです。なかなか見れないんだけどね。

●ハヤカワのスターリング新作(旧作)買ったけどなかなか読めません。「ボーンフリー」のDVDも買ったけど当分見れません。



040106

 年末年始
 明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いします。
 今年の年末年始はお仕事でガタガタ動いていて、なんだか結構欲求不満ぎみ。

●アメリ
 それでも暇を作ってビデオをいろいろ借りて見てたのだ。そしたら見終わった翌々日にテレ東で丁度「アメリ」やってて超ショック! しかもノーカット! もったいない。
 悔しいのでまた見た。テレビの声は林原。控えめの演技でOK。ナレーションは野沢那智でこちらも芸達者なんだけどちょっと軽妙さが入ってて、字幕のビデオで見た重厚な声で淡々とトンデモな内容をしゃべる面白さを先に知ってたのでちょっと違和感あるかな。
 アメリがいろいろと愛すべきイタズラを仕掛けるんだけど、それが倒叙ミステリっぽい面白さがあってとにかく飽きない。ドワーフが旅をするのは実話にあったね。イタズラがすべて上手くいくわけではないし、策士が策に溺れて狼狽する様子や実は何でもお見通しの老人の配置など、作りこまれたストーリーはとても良かった。最後は幸せになれてよかったね。これはいわゆる御伽噺ですよ。地味でヘンな映画だけど2時間飽きずに楽しく見れた。

●ブリジット・ジョーンズの日記
 これもレンタルで見た。野蛮なパワーに満ち溢れるアイタタな恋愛映画。主人公のすさまじいパワー(とカラ回りぶり)には圧倒される。ミもフタもない様が好き。ヒュー・グラントの二重人格的なダメぶりもいい。トナカイのセーターもいい。

●すべては愛のために
 これは2日になんとなく劇場で見た。NPOで働く医師を世界中追っかける国連難民高等弁務官事務所職員のアンジェリーナ・ジョリーの話。ちゃんと失敗している映画。
 監督も脚本家も「愛」のほうはハナから適当にしか描く気がないという割り切りぶり。とにかくエチオピア、カンボジア、チェチェンでのNPOの凄まじい奮闘ぶりが圧巻。
 援助物資にたかるゲリラ、不正と怠惰の温床となっている現地政府、見せしめのために難民やNPOスタッフを虐殺する反政府軍などなどと、きれいごとだけではすまない交渉を繰り返すことで今目の前の難民を救おうと必死の努力を続けるクライヴ・オーウェン。
 麻酔のない開腹手術、どこまでも続く墓、死の行進、衰弱し生きたままハエとハゲタカに食われていく人々、救援物資に武器を隠して密輸に荷担する矛盾……。
 こんなドシリアスな救援活動の実態を超ハードに描いておいて、それを無理矢理不倫恋愛ストーリーで包もうとしたところで、いかにあんじぇが美人でも失敗は当然なのだ。無茶ムチャ。

 制作経緯はわからないけど、凄惨なNPOと難民たちの現実をハリウッドの営業力で先進各国の民に知らしめてやるのじゃ! そのためには、出資者をだまくらかすためにあんじぇの美貌と「テーマは愛」を貼りつけておくのじゃ! といったところだったんじゃないかなあ。そうだとしたらその企みはほぼ成功。

 あんじぇは演技はともかく、とんでもなく過酷(だったと思う)なロケに体当たりで挑んでいてとても良い。あんじぇ自身、この映画がきっかけで国連親善大使にまでなって難民救済のための啓蒙活動をやっていてとんでもない額の寄付をしたり、たしかどっかの難民の子供を養子に迎えたりしてるわけだし、金持ちがなんかにハマるってのはまったくスゲエなあとも思う。
 とにかく、凄まじい難民問題の現実の前ではどんなに強靭な個人でも中途半端にしか関われない、という悲しい事実を皮肉にも実に“リアル”に縮図にしてみせてくれた、愛と難民の乖離した中途半端な映画。そんでもって中途半端でも何でもいいからとにかく関わり続けていくことに決めた人達ってのは、充実した人生が送れるという勇気だけは貰えるかも。人によっては。
 こういう「熱い情熱のせいで歪んでしまった作品(想像)」って、個人的には好き。戦争を軽薄なスペクタクルに描いたおかげでそこそこの恋愛映画に仕上がった「パールハーバー」とかより百万倍好き(ちょっと言い過ぎ)。

●東京ゴッドファーザーズ
 30日コミケに一瞬顔出した後に池袋で見た。今監督のアニメ力(あにめちから)と「新しいことをやろう!」という気構えは十分伝わってくるし、実際大したクオリティなんだけど、こういう密度の濃い画のアニメは個人的にちょっと食傷気味。
 説教臭いのもオーバーアクションなのもぜんぶ確信犯なのは良く解るんだけど、こういう「計算しすぎのせいで歪んでしまった作品(想像)」ってちょっとだけハナにつく感じ。でもストーリーは実に「いい映画」です。
「千年女優」は華があってまだ良かったなあ。僕には。