ちょっとリアルめの顔を モデリング(後編) |
モデリング講座第4回:「男性の頭部モデル製作・後編」
さてさて、前回の続きですぅ。
Step6:表情
いよいよ顔の表情です。と言っても特筆すべきことはあまりなく、顔モデルを頂点編集でいじってやるだけです。
今回は「怒り」の表情なので口を吊り上げて開き、片目を見開いたものを作成しました。まず、どう変形したかを見比べていただいた方が早いでしょう。
口は内側にスイープして、内部をさらに広げておきます。 |
右目 | とにかくガバっと見開いています。頂点の移動のみです。 | ||
左目 | こちらは細く窄めています。右目もそうですが、眉びさしの部分からぐいっとダイナミックに形を作ってやります。 | ||
口 | まず、口の内周を内側に向けてスイープします。次に頂点編集で横に広げ(歯を食いしばっているという設定なので、イ〜〜〜って言ってるイメージで作業すると解りやすいですね)さらに左側をおもいっきり吊り上げます。なお、口を大きく開けたようなモデルを作る際は、口だけを頂点変形させると変な感じになりますので、あくまでアゴの骨が入っているイメージでアゴ全体を変形していくようにしてください。 | ||
鼻 | 左側の鼻腔の膨らみを口にあわせて吊り上げています | ||
頬 | 口と鼻の変形に伴い、シワを追加してやってます。もし表情をモーフィングでアニメーションさせたいような場合、このように原型から頂点数を増やしたりするのはご法度なんですが、今回は静止画なので好きなようにやりました(笑) |
とにかく、何回もサブディバイドしてプレビューしながら顔の表情を煮詰めていってください。
表情が作り終わると、後頭部と「つなげ君」で接合し、頭部の完成です。(上の例ではすでに接合し終わったモデルを比較しています) |
Step7:眼球と歯
さっそく、眼球を埋めこんでやりましょう。眼球はこんな感じです。→ |
眼球はプリミティブの球の末端を削り、そこにテクスチャーを張った後、透明のレンズを被せるようにして作ってあります。まあ、気にしないでプリミティブの球をそのまま使っても全然OKでしょう。 |
歯はテキトーにプリミティブを変形してこんな感じで作ってやります。 ああ、総入れ歯だ・・・。 |
具体的には、立方体にサブディバイドをかけて球状にしたものをオブジェクト変形で薄く潰してやっているわけでして、前歯も奥歯もサイズ違いの同じモデルだったりします(笑) 手抜きですなぁ。開いた口を作る場合は奥歯などがマジで見えますので、もうちょっと気合を入れて作るべきでしょう。歯が出来あがったら、同様にして作った歯茎に埋めこんでやります。 |
とりあえず目と歯を埋めこんでみました。(→)なんだか怖いぞ。 |
Step8:テクスチャー
灰色の顔では流石に怖いので、テクスチャーを貼ってやりましょう。
本来は球面型UV投影を行い、Unwrapper等のプラグインでテクスチャーを起すべきなのですが、今回は簡易に、前からの平面型UV投影でやっつけてみます。
まず、頭部全体(耳や目、歯などは除く)を適度な肌色に塗り、前面ビューからBMPファイルでレンダリングしてやります。この時、余分な陰がつかないように、できるだけ平坦な画像になる位置に光源を調整してからレンダリングしましょう。 レンダリング画像を頭部サイズギリギリにカットし、サイズを調整したものがこれです。→ |
色を暗く調整してからコントラストを下げ、さらに陰影を取り除いた後、目の部分に暗い色を入れてやり、唇周囲を赤く塗ります。 また、眉毛を描きこみ、エアブラシ等で顔全体に汚しを入れてやります。う〜ん、しかし、こんなテキトーなのでよいのでしょうか・・・。 |
一応、シワを深く掘りこむためのバンプテクスチャーも作っておきましょう。 う〜ん、こっちはさらにいいかげんだなぁ。 |
テクスチャーが用意できたら、頭部モデルにUV投影を行って、実際に貼りこんでやりましょう。
モデルの前面からテクスチャーを貼る場合、平面UVを(x90.00/y0.00/z180.0)の角度から指定してやる必要があります。
これはモデルの角度を0に戻した状態でUV機能を立ち上げ、オブジェクト情報パネルから下のように入力してやると簡単です。回転のX軸を入力状態にする→(X回転に-90と入力)→(tab)→(Y回転に180と入力)→(enter)
一回目のX軸回転にマイナス90を入れるのがミソです。まあ、とにかくだまされたと思ってやってみてください。
これで下図のように(x90.00/y0.00/z180.0)、つまり正面からのUV投影になったハズです。
さて、テクスチャーとバンプマップを貼りつけてみましょう。
シェーディング属性は今回こんな感じでやりました。
ちなみに、耳には顔の肌と同じ色の小さいテクスチャーを用意し、ベタで貼ってあります。
なお、今回はテクスチャー作業にフォトショップを使用しました。
Step9:髪の植毛
植毛植毛。髪の毛の制作です。 まず、平面プリミティブを解像度8で作成し、そこから2×8ポリゴンを抜き出します。ポリゴン密度は今回は2×8でやってますが、4×16など、モデルの密度に合わせて変更しましょう。 |
これに透明抜きをしたテクスチャーを貼ってやるわけなんですが、このままだと表側は四角形ポリゴンで割られていますが、裏面は20角形のポリゴン1つのままなので、なんとか両面が割られたポリゴン状態にしてやります。
まず、オブジェクトをコピーし、片方を「オブジェクト法線を全て反転」機能で向きを逆にしてやります。これで表向きに割られたオブジェクトと、逆向きに割られたオブジェクトができたわけですが、これを「つなげ君」で繋げてやるわけです。
次に、髪のテクスチャーと、それを透明抜きするためのマスクテクスチャーを用意します。 今回はこんな感じで作成しました。(本来はもっと大きなサイズです) 左が画像テクスチャー、右が透過マップ用マスクです。 |
マスク画像は、髪の先端と根元に透明を適応しているのに注意して下さい。これは、ちょっと浮いたような状態でも自然に見えるようにするためです。
さて、平面UVを指定し、テクスチャーを実際に貼ってみましょう。 あとはこれをオブジェクト変形でぐにぐにと曲げてやり(左図参照)、植え込んでいくわけです。 |
前髪だけ植え込んで見ました→ |
←別に同じようなテクスチャーを作り、もみ上げを作成。基本的には髪と同じです。 |
頭部全体に植毛→ |
これでひとまず完成・・・。
うう、疲れたッス。今日は発熱してるのでもうダウンっす。では、次回まで、アディオス!