このホームページに載せている建築は、クライアントさんとの共同作業で出来上がったものです。建築や敷地の可能性を、クライアントさんと共同作業するのが建築の設計ではないでしょうか。

たとえば自然を取り込んだ家、部屋から月や空が見たい。朝目覚めた時、ベッドでその日の天気がわかる。あるいは、街のざわめきを快適に感じるくらいにコントロールしたい。など・・・

スタートはそのようなベーシックなこと、人に伝えるには数字ではなく言葉が必要な事柄なのです。

それから必ず建築には「条件」があります。法規、コスト、時間、敷地、周辺環境。それらの条件の内、特に周辺環境を含めた敷地は見逃せません。必ず敷地は調査に行きますし、それを見ないことにはイメージさえ膨らみません。
土地にはその場所の風土や歴史や社会性が必ずありますし、地形(ぢがた)には必ずその性格があると思います。それらの読み取り作業は欠かせません。


私の仕事は、敷地や周辺環境を考察し、敷地の持つ潜在能力を引き出すことと言っても過言ではないと思います。色々な機能や条件を整理して「見えるもの」「数字化できるもの」に置き換えるのが私の一義的な仕事です。具体的には、模型を作る、図面を描く、構造計算をする、仕様/性能を決める、予算を確定する、などです。


かし、大事なことはそのようなルーティンワークではなく、見えないもの、数字ではなく言葉が必要な事柄を、現実の形態に映し出すことです。それが設計やデザインの本質ではないでしょうか。

ベーシックな見えないもの、数字ではなく言葉が必要な事柄がある種の「夢」だとしたら、現実の形とは「リアル」です。ですからクライアントさんも私も「夢見るリアリスト」でなければなりません。夢をみるだけでも、リアリストだけでもいけないのです。

出来上がった建築は、往々にして数字で表現されます。
たとえばnLDKとか建築費だとか最近では性能もそうです。
しかし、現実に使用する人々にとってはそれらの数字ではなく、言葉でその建築を表現/評価するのが自然でしょう。なぜなら、人は心と身体を持ち、そのための建築であるからです。

建築という目に見えるものを通して、最後は、言葉や記憶で語るものに帰っていく。そういう建築を作りたいと思っています。