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大 塩 博 美 展

HIROMI OSHIO EXHIBITION

ー ランボーにささげるうた ー

2004 年 8月30日(月) 〜 9月30日(木)

 なぜランボーか ・・・ そうそれはアルチュール・ランボーのことだ。フランスの詩人、ヴェルレーヌ、地獄の季節、イリュミナシオン、オリエンタル、イスラムの貿易商、ここでそんな彼の説明をしていても仕方がないが、彼の詩に何を見たか?彼の短い生涯に何を感じたか? そんなところからこの題名は始まっている。青春の希望、冒険、現実の野望、そして失望、そんなものを考えるうちに、彼はどうして進歩的フランス社会からイスラムの世界に入り込んでいったのか。写真機材を使いセルフポートレートを撮り、地質調査をし、そして武器を商い、奴隷売買にも手を出していったのか? いろいろな興味が現代のこの社会の事象にクロスオーバーし、ランボーをテーマにした現実への疑問が「ランボーにささげるうた」(Object) に具現化し、そして提示された物質は事実の再認識としてのきっかけに、そして青春の希望、現実の希望となることを思いながら出来たものがこの作品であり題名にこめた意味でもある。
 ここ何年かLittle-Boy and Fat-Man をテーマにした作品を作ってきた。コレは誰もが知っているように日本に落ちたふたつの原爆のニックネームである。幼少の頃母親から当時のことを聞いたことがあった。資料集の写真に写っている光景が、リアルに伝わってくるような事柄であったような気がする。美術としての作品で、これ見よがしに反戦を唱えようというものではない。その話や歴史から感じ伝わってくるものを事実としてとらえ、イメージを形体として提示することで記憶にとどめておきたいだけである。そんな時代の変遷の中、湾岸戦争から始まるイラク戦争はいまだ混沌とした情況を呈している。そんな中、生まれた作品が今回の「ランボーにささげるうた」(Object) である。ガラス瓶がある。古いチープなガラス瓶がある。その中にLittle-BoyとFat-Manの形をした透明な物質が詰め込まれている。照らし出される透明なシルエットが幾重にも重なっている。幾重にも重なったチープな物質が浄化し、意識の中で何か新しく再生されていくようなモノになってくれればと思っている。