Diary

Ichiro Satoh

もともとAgentSpaceというモバイルエージェントシステムの開発履歴に関するページがあったのですが、開発関連話よりも雑談の方が多くなったので、2001年分から別のページを用意することにしました。

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2003年7月31日 

電機・コンピュータメーカは決算内容も芳しくなく合理化・事業再編の発表が続いていますが、近所の某メーカの携帯電話部隊のいる事業所が売却されるみたい。以前は国産人工衛星の7割以上を作っていたところなのですが。もっとも朝は駅を降りる人の波でプラットホームに辿り着くのがやっという状況でしたが、なくなるとどうなるのでしょうか。近所のマクドナルドで朝からヘッドハンティングが見られるという変なところなのですが、すこしは普通になるかも。ただ隣接しているライバルメーカの同規模の事業所(こちらも携帯電話部隊)は残っていますから、大差はなしでしょうけど。ところで、この某メーカは川崎にある中央研究所も売却するそうです。中央研究所といえばこのメーカに限らず国内メーカの花形部門でしたが、最近はどこも廃止か縮小。これは大学などのアカデミアにも深刻で、国内はアカデミアと産業界とのギャップがあるのですが、昔は各メーカの中央研究所がアカデミアとメーカのパイプ役になってくれていましたが、とうとうそのパイプも無くなり、ますますギャップが広がっています。結構まずい状況です。

2003年7月30日 

早大で開催されたCOE21関連イベントに呼ばれて講演。COE21は取れたら取れたで結構たいへんみたい。ところで文科省のCOE21は当初はトップ30大学構想という名称で一部大学に研究を集中化することを目指したはずなのですが、結局少し大口の競争的資金になってしまったのでしょうか。トップ30大学構想が発表されたときは大学業界では大騒ぎになりましたし、知り合いの大学関係者はCOE21の採否に一喜一憂したわけですが、何か変わるのでしょうか。おそらくは予算があるところには予算が集まるということを繰り返して徐々に淘汰されることを狙っているのでしょうが、問題は現在の財政状況を考えると自然淘汰を待っている時間的な余裕がないということ。ところで最近は研究予算に対する成果評価が増えてきましたが、予算スキーム自体の評価もしてもらいたいです。

2003年7月29日 

毎週火曜日は慶大矢上の講義だったのですが、先週で終わってしまい今日は講義がありません。ということで何となく夏休み気分。といっても勤務先にいくので、実際に休めるわけではありませんが、講義がないと思うだけで気分が晴れます。問題は採点でサンプルで採点した数枚以外は放置状態。それにしても慶大の講義はいい加減止めたいです。いろいろな意味で疲れました。

2003年7月28日 

国際会議のカメラレディ論文のことを忘れていました。催促されるまで完全に忘却の彼方です。実は7月は締め切りが重なって論文誌を含めると3本のカメラレディ論文を仕上げる羽目になったとはいえ、ここまでボケると先が思いやられます。ということで慌てて作成中。幸いSpringerのLNCSシリーズ用なので2段組の行幅に短くしなくていいので式の図版の調整はしなくて済みそう。それから国内学会の論文もそろそろ締め切りを過ぎる頃だと思うのですが、その期日すら定かではない始末。ちなみに一行も書けておりません。

2003年7月27日 

久しぶりにエディタを変えてみました。といってもEmacsのバージョンを19.28.1から21.1.1にあげただけ。最近はソフトウェア開発ツールも統合環境IDEが多くなり、新しい技術はIDEが先行し、Emacsに同等機能が使えるようになるにはよくても数年遅れ。結局、Emacsに固着している限りは最新の開発ツールが使えないことになります。当方もEmacsでプログラムを書くことはほとんどないというか、IDEの便利な機能なしにはプログラミングもできません。それにしても情報系の技術者や研究者は当初は新しい物好きのなのですが、あるエディタやOS、プログラミング言語に慣れるとそれらに固着して、新しいものを拒絶する傾向があるようです。ただ、ある段階まで引き離されるとキャッチアップはできなくなって完全に時代に取り残されますし、実際そうなってしまった方も多い。もっともこれが世代交代やパラダイムシフトを進めるわけですから歓迎すべきことかもしれませんが。ただ、大学などで教える側がEmacs に慣れているという理由で、授業で学生にEmacsを強制するのは端で見ていても気の毒です。なんか10年ぐらい前、C言語全盛だった時代だというのに、汎用機しか知らない教員の都合でCOBOLやPL/Iを教えられてしまった学生と同じ状況みたい。やはり歴史は繰り返すのでしょうか。そうだとするとここ数年、汎用機ソフトウェアのメンテナンス要員にそれなりに需要があるように、今後UNIX系ソフトウェアにもメンテナンス要員に需要があるでしょうから、なんとかなるのかも。

2003年7月26日 

休日なのにというか、休日だからなのですが、ネットワークと機材をお借りて開発中のプログラムをテスト。といいたいところだったのですが、UDPマルチキャストが通らないという問題が発生して何も進まず。まぁ原因は想像できるのですが、休日に管理者の方を呼び出すわけにもいきません。それにしてもSolarisを使ったのは久しぶり。ところで今日は33通のメールを受け取ったのですが、そのうち31通がスパムメール。フィルターを駆使して特定キーワードの入ったメールなど自動削除にするのですが、2/3 程度は手動で削除。削除は一瞬なのですが数多いとそれなりの手間になりますし、当方だけでなく多くの人が同じ作業をしているわけですから、足しあわせると経済的損失も無視できないかもしれません。特に大企業は従業員一人一人にスパムの削除作業をさせるよりは企業側がまとめて削除した方が無駄な人件費を使わなくて済みます。それはそれでメールの検閲だといって問題になりそうですが。なお、当方の場合は差出元がhotmail.comになっているメールとhtmlメールはファイターに通らずそのまま削除されますので、送付される際は御注意下さい。

2003年7月25日 

朝早くから青山。前にも書きましたが青山周辺は朝が遅いというか、11時にならないとCafeも開いてません。研究所に戻って雑用。仕事の合間に常用ノートPCの引っ越し作業。ということで実は手持ちのThinkPadの10周年記念モデル(製造番号1188/2002)を箱から取り出してインストール。なんとなく納品から時間が経っているような気がしないでもないですが、何はともあれ有効利用です。例のピアノ面のツルツル黒色の仕上げの筐体に高級感があるのですが、手で触ると指紋が目立つというか、汚くなるので、人前で使う以上は多少は拭いて綺麗にしなければならず、ノートPC にいいのか悪いのか不明。拭くための布までご丁寧についてます。さて夜は某学会の編集委員会。つい「(財政的に)某学会はいつまで持つの?」と委員会の席上で聞いてしまったのですが、ちょっとまずかったかも。なにしろその回答は当方の予想を上回る短さでしたから。

2003年7月24日 

今日は注目のソニーの4半期(4-6月期)決算発表です。一応、ソニーのWeb上にある決算書類を拝見。大学時代の先輩・同期・後輩から指導教官、そして前の勤務先のときの学生まで結構大勢ソニーに行っていますし、修士・博士課程時代は社内研修の講師で稼がしてもらいました。その意味では結構身近なのですが、報道発表のとおり今期は辛うじて黒字を確保したとはいえ厳しそう。ところでこの種類を見たことから当方の立場は微妙になってしまいました。現行の証券取引法ではインターネット上で公開される財務情報は正式な公表情報にはならないので、この決算書類のような情報をWeb上で見た当方はインサイダー取引規制に関する第一次情報受領者となり、ソニー及び関連株の売買をすると証券取引法違反となります。ただ、企業が2つ以上の新聞やテレビに会見を行なった場合はその時点で公表とみなされ、12時間が経つとインサイダー規制が解かれます。このため記者会見から12時間後にWebに載せるところが多いのですが、ソニーは早いですね。金融庁も近々改正するようなので問題になることはないでしょうが。問題なのは記者会見などを開かずに財務情報をWebにおかれて、それを知らずに読んで株式を売買すると3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金となります。でも企業がプレス発表したか否かなんてわからないので知らぬまにインサイダー取引をすることになります。まぁ、株に興味のない当方には無関係な話ですが、心当たりのある方はお気を付け下さい。

2003年7月23日 

論文を書いているのですが、あいかわらずまるで進みません。ところで自宅で実験用に使っているEthernetスイッチのファンが変な音を立て始めたので、ひとまず分解してホコリをとったのですが、少し治まったみたい。なんか素朴な方法なのですが、コンピュータ類の故障はホコリによる物が多いので中を掃除すると結構な確率で直ります。最近流行りの静音ファンと取り換えるといいのかもしれませんが、最近はEthernetスイッチが安いので下手したら価格が逆転してしまいそう。もっとも、実験の時以外は使わないので我慢できるのですが。それで思いついたのですが、Wake On LANなどでネットワークを通して電源を制御できるEthernetスイッチやルータはないものでしょうか。Ethernetスイッチやルータは年中動かしておくべきなのかもしれませんが、ファンの音が結構耳障りなので使わないときは止めておきたいし、セキュリティを考えると不要な機材は動かさないのが得策。いちおう地球に優しいし。もっともWebやTelnetで制御する電源タップというものがあるので組み合わせればネットワークを介して電源を制御できるのですが、そもそもEthernetスイッチにはネットワークがつながっているわけですから直接制御した方が合理的。

2003年7月22日 

慶大矢上の試験が終わりました。やれやれといいたいところなのですが、現実は逆で、試験をする方は採点作業が待っています。今年は減ったとはいえ70枚以上の答案を採点するのは結構しんどいです。サンプルに数枚を採点したところでは90点台もいる一方で10点台いるということで、狙い通り点数が散らばりそう。ただ、一問ぐらいは減らしてもABCDの4段階成績付けには影響なかったかもしれません。その意味では学生さんには悪いことをしてしまいました。それからこのページを見ているが学生さんが結構いるそうですが、問5(1)の答えは「3の倍数の2進数表示」です。これの正解者は数人でした。確かにコンピュータにセンスがないと思いつきもしないでしょうが、この答え自体は講義中の例題に使っているので何とかなると思ったのですが。

2003年7月21日 

一週間ほど中断していた論文執筆を再開。進むどころか推敲のし過ぎで短くなってしまいました。前途多難です。考えてみるとこの論文のネタは昨年末にも論文を書きかけて、そのときは実装が間に合わずに断念。今回は何とか動くところまでは実装したのですが、今度は論文が進みません。だいたい論文の流れがすんなりと決まらないときは研究自体がどこかで道を間違えている可能性があるので要検討です。

2003年7月20日 

昨日の話の続き。先日ソフトバンクのメディア系部門の方にお会いした際に聞いたのですが、ソフトバンクとしては路上や電話勧誘は一切関知しておらず、代理店が勝手にやっているというスタンスだそうです。ほとんどPHS全盛時代の勧誘活動を彷彿させます。ところでソフトバンクから出る契約一口あたりの奨励金はいくらなのでしょうかね。そちらの方に興味津々。ところでヤフーBBことソフトバンクBBでも新規契約数の伸びは鈍化傾向だそうですが、そろそろ行き渡るところには行き渡ったということでしょうか。ということでヤフーBBに限らずADSL業者は理論値24Mbpsまたは26Mbpsの高価高速回線に既存の8Mbpsや12Mbpsのユーザを誘導させるのだと思いますが、10Mbps超の高速回線はうれしいのでしょうか。例えば動画ストリーミングは300kbps程度を念頭に作っていますが、またHDTVでも非同期転送を組み合わせれば4Mbpsもあれば十分なはず。また、最近何かと話題が多いP2Pファイル交換もダウンロード先にPCの性能が追いついていません。つまり回線をいくら高速化して接続先の計算機がネックになってしまい、利用者のいない高速道路と作るのと同じ。また、計算機側の入出力装置及びOSの技術動向を考えるとおそらくこの傾向は5年程度は続くでしょう。だから当面は配信元のサーバ側に投資しした方がいいです。ただし、それに見合うコンテンツがあるならばという条件付きですが。

2003年7月19日 

最近、近所の駅前や路上ではソフトバンクBB(つまりYahoo BB)のADSLのキャッチセールスを見かけなくなったと思っていたら、ソフトバンクBBはケイマン諸島に作った子会社にADSLモデムを売却するそうです。いちおう報道発表されているのでここで書いてもいいでしょう。つまり例の駅前で紙袋に入れて配っているモデムが対象になるので、家にあるモデムがいつの間にかカリブ海の小島にある会社の物になっていたというユーザは多そうです。ただユーザが契約した時点ではソフトバンクBBとリース契約をしているはずなのですが、そのリース契約によっては各モデムに対してそのユーザの承認なし譲渡することは法律上問題が生じるような気がします。またユーザ側の顧客情報として銀行口座やクレジット番号もケイマン諸島の譲渡先に開示される可能性がありますが、守秘義務とかは大丈夫なのでしょうかね。まぁ当方はYahoo BBのADSLとは関係がないので他人事で傍観できてよかったです。それにしても売却資金で顧客獲得費用にまわすそうですが、財務的にはいろいろ苦労されているようです。ケイマン諸島に作ったというのも税金対策でしょうし。

2003年7月18日 

一昨日に引き続きまたまたカメラレディ論文の送付。これで論文誌絡みの仕事は一段落。ところでコンビニで普通のサンドイッチを買ったら暖めますかと聞かれたのですが、こちらが断る前に店員が気がついて謝られてしまったのですが、今思うと試してみても良かったかも。でも食パンのサンドイッチが暖かくなってもパニーニになるはずがありませんが。

2003年7月17日 

今日は大学入試において入学辞退者への入学金返還義務の判決が出たそうですが、入学辞退の入学金を収入の足しにしていた私大は死活問題でしょう。このためその分を在学生から多めに取ることになる、つまり授業料の値上げになるでしょうから、全体としていいのか悪いのかは難しいところです。ただ、ADSLの無料お試し期間ではないですが、最初は安くして後で儲けるというビジネスモデルも考えられます。つまり、例えば入学金や1年生の授業料は安く抑えて学生をたくさん集めます。この際、どこかのADSL業者ではないですが街で教科書を入れた紙袋を配ってもいいでしょう。そして、学年が上がってもう後戻りの出来ないところにいってからは徐々に授業料を上げていく、そして入学金の代わりに卒業金を導入して、その卒業金を払わないと卒業できない仕掛けにします。実はこの話を私大協のお偉い方に話したことがあるのですが、結構気に入ってもらえたのですが、私大の多くはそれでなくても運転資金が枯渇しているので入学時から徴収しないと財務的に厳しくなるということでした。それで考えたのが携帯電話方式。つまり携帯電話のような割り引きプランを用意してなるべく4年間分を一括払いするように仕向けます。例えば途中退学しても返金されないが割安なプランとか、4年間はお手ごろ価格だが1年でも留年すると倍以上高くなるプラントか、留年2回までは保証されるけど割高なプランとかね。これならば前金で確保できるので大学経営にも大丈夫だと思うのですが。特にデフレ基調の時代ですから4年間の授業料を前もって決められるというのは大学にとっては魅力なはずです。

2003年7月16日 

朝から会議なのですが、その会議が長い長い。発言されている方は一生懸命説明されているのですが、一つの話題を1時間以上かけて説明されても途中でわからなくなります。ところで懸案の論文誌用のカメラレディ論文はなんとか完成して送付。でもこの作業に手間取り、ビックサイトの見本市に行く時間がなくなってしまいました。ただし、どうも行く価値はなかったみたいなのでかえって良かったのかも知れませんけど。そもそも毎週お台場にいってどうするの。特に夏休み近くになるとお台場の方はお遊びモードに人が多くなるので、仕事で行くのは辛いです。

2003年7月15日 

午前中は慶大矢上の講義。来週は試験なので前期の講義はこれが最後。もっとも後期の授業も残っていますが。ここだけの話というか講義中に公然といっていますが、授業は好きか嫌いかと聞かれればもちろん後者です。とはいえ仕事ですから手は抜かずにやりますけど。それから、たまに授業が楽しいという先生がおられますが、多くの先生は当方と同様に楽しいという感覚はゼロのはず。ただ、つまらそうに講義しても仕方ないので楽しそうなふりはしますが、営業さんの営業スマイルと同じです。そのうえこの講義の内容が内容というか、講義している本人ですらつまらないというか、何が面白いのかがわからないという内容なので相当無理をして面白そうに話すのですが、結構辛かったりします。もちろんわからないと後々困るのでしょうけどね。それにしても来年は慶大の講義はやめたいです。

2003年7月14日 

事務仕事とカメラレディ論文の作成で忙殺された一日。もっともそのほとんどの時間は現実逃避で論文を書いていたのですが。だから論文執筆が捗っても喜んでいいのかどうだか。ところで新しいノートPCクラスタを第2弾を計画中。1G-Ethernetの対応のノートPC(ThinkPad X31)を4台確保したので、ひとまずスモールスタート。今日発表になったHPの新型ノートPCといい、ビジネス用の高性能B5ノートPCは1000BASE-T内蔵がトレンドになりつつあります。前回はノートPCクラスタとはいえ、発熱を考えて大柄のノートPCを調達してしまったために椅子上クラスターになったのですが、今度はシングルスピンドルのサブノートにして16台程度の卓上クラスタを狙うことになりそう。問題はノートPCで1G-Ethernetの性能が活かしきれないことなのですが、サーバ用筐体でも64bit-PCIと32bit-PCIの性能差は実効性能で10%も違わないので気にしないことにします。やはりPCI-Xあたりにしないと1G-Ethernetの性能をいかしきれませんし、1G-Ethernet自体の最適化がまだまだのようです。あとはPentium-Mまわりが電力制御に使っている電力データがユーザレベルからアクセスできると研究としてはすごく面白いのですが、現状では情報不足で手が出せません。実は当初はiPAQあたりのPDAを集めたクラスタを考えたのですが、さすがにやめました。その理由ですが、計算性能の問題ではなく無線LANのクラスタでは通信性能がネックになるからです。ちょっと基準が変なのですが当たり前のことを当たり前にやっていては研究の世界では生きていけません。

2003年7月13日 

夕方から論文を書き始めるものの、章立てだけで試行錯誤状態。そのうえ集中力がまるない状態で、まるで進みません。その上、カメラレディ論文が締め切りが増えてしまいました。さすがに無計画な論文投稿にも限度がありました。自転車操業でも間に合わなくなってきています。もし銀行だったら、破綻とまでは行かないものの債務超過状態で廃業を迫られているというところでしょうか。

2003年7月12日 

Wal-MartがRFIDタグを実証実験の延期を決めましたが、物流や倉庫管理を目的に、複数商品を詰めたパレットや段ボールにRFIDタグを貼る分にはプライバシー上の問題もおきないのに、個々の商品にまで色気を出すので話がややこしくなります。どちらにしてもRFIDは話題先行のバブル状態でしたから、これで落ち着いて実用化ができるのではないでしょうか。だいたいSuicaに代表される非接触ICカードとRFIDタグの区別すら付かない方々が、RFID事業の立ち上げを目論んでいますから、程度が知れています。少なくてもマスコミ受けを狙ってRFIDに近寄ってきた方々のほとんどは別のネタを探しに旅だたれるのでしょう。

2003年7月11日 

わざわざお台場で打ち合わせをする必要は全くなかったのですが、ビックサイト開催の見本市に行くものが多く、お台場となってしまいました。それにしても見本市は疲れます。要所要所しか見ないのですが、すごい人です。最近の見本市は分野を絞ると人が集まって、広い分野の見本市は軒並み低調だそうです。専門化が進んでいるということなのだと思いますが、以前のように主催者側が出展数を誇らなくなったところをみると大きいだけでは集客にはならないのでしょう。ところで、見本市のブースで係員に説明して頂くときは、専門ぶっても仕方ないので、ずぶの素人のふりに徹するのですが、ブースによっては知り合いがいたりしてだんだん難しくなっています。今回もあるブースで説明係の方から素人っぽく聞いていたら、某所で当方の講演を聞きましたといわれてしまい、完全に最初からバレていたようです。

2003年7月10日 

書類作成と試験問題作成。ところで試験問題作成の内実を少々。まず期末試験などでは点数をつけることが目的ではなく、4段階程度の成績を絶対評価で付けることが目的ですので、まったくわかっていない(D)、すこしわかっている(C)、まぁまぁわかっている(B)、よくわかっている(A)に属する学生さんをグループ分けできれば十分なのであり、適切にグループ分けができるように問題を作ります。逆にグループ内の順位とかに関心ないし、別にわからなくてもいいのです。このため、わかっていなくても解けてしまうような簡単な問題だけでもいけないし、よくわかっていないと解けないような難しい問題だけでも、グループ間の差が出ません。だから、各グループの解ける問題と解けない問題を見極めて、簡単な問題から難しい問題までを中間難易度の層を多少厚くしながら揃えて、なるべく実力に相当するグループに各学生が引っかかるようにします。それから大学講義の成績評価の場合は学生さんの理解度とか実力を計り、それに応じて成績を付けるのが目的ですから、ケアレスミスのように確率的に発生する間違いで大きく影響しないように採点基準を作っていきますし、逆に答えが合っていてもそこに至る過程が間違っていれば理解していないと評価されます。どうも受験的な試験感覚から抜け出せないのでしょうか、入試と同じ感覚でいる学生さんが多いようです。理解しているかが重要なのであって、答えがあっているかはどうでもいいのです。それから当方が学生の頃もそうでしたが、いわゆる過去問が出まわりますし、最近は問題をスキャナーにとってWebで公開されています。ただ、これも考えようでして、学生さんは過去問に出た問題は真剣にやるので、勉強しておいて欲しい内容を重点的に問題に出すと試験勉強の過程で勉強するので教育効果が高いのですし、勉強させるという意味では問題を満遍なく出すと効果的なので、当方の場合はわざと問題数を多くします。つまり、過去問を勉強するというモチベーション程度は過去問に似せさせて、その試験対策過程で当該分野を勉強させるということ。ただ、あまり似せると過去問にフォーカスして他の問題が解けなくなるので、新規な問題を適当に織り交ぜます。ようはバランスなのです。

2003年7月9日 

午後は勤務先の会議。ところでMicrosoftがストックオプションの廃止して、制限付き株式を付与することになるそうです。ここ1年ほどストックオプション費用の計上方法が議論の対象になっていましたから、その流れを受けたものと思われますが、ストックオプションは実体のない約束手形ようなものなのですから、現物指向に向かっているともいえます。ただ、Microsoftは今年になって株の配当に踏み切っており、今後は株価の上昇は望めず、いままでのような株価の上昇期待だけでは投資家も従業員もつなぎ止められないと考えているのでしょうか。どちらにしてもストックオプションで従業員を維持してきた米国の情報系企業に与える影響は大きそうですし、株価の大幅上昇は数年内にはないということなのかもしれません。シリコンバレー的な経営モデルの終焉を表す出来事になりそうです。ちなみに同社の配当で創業者であるB.Gates氏が受け取る配当額は117億円だそうです。同社は現金と短期有価証券だけで5兆円もあるそうですから無理もないです。この際、B.Gatesの悪口をいうのは止めるので、彼とお友達になりたいです。どこかの政府もオープンソースとかLinuxとかいわずに、Microsoft本社とGates氏を誘致して法人税と所得税を頂いた方が得策かも。まずは先立つお金です。

2003年7月8日 

先週の疲れが出てちょっとぐったり。やはり休日がないと辛いです。さてさて打ち合わせの関係で、某社の携帯電話505シリーズを一通り拝見。さすがに100万画素CCDを積んだSO505iとD505iは一昔のデジタルカメラなみに撮れます。確かに本屋さんで本や雑誌のコピーができるはずです。先方の方にSO505iの回転式のボディに興味があるといったのですが、何でもいってみるものです。数社の携帯電話を分解したものまで見せてもらいました。SO505iの回転部分のメカニカルは思っていたより普通でがっかりだったのですが、回転機構の専門メーカがあるそうで他社の携帯電話でも同じメーカから調達しているところが多いそうです。むしろ意外だったのはカメラ部分で、3枚レンズの一枚は非球面ガラスレンズだそうです。携帯電話は落下可能性があるのでガラスは厳禁のはずだったのですが、それどころではないのでしょうか。それと非球面ガラスレンズは作るのがたいへんはなずで、さらに価格とサイズからして成形で作っていると思われますが、ガラスの場合は成形温度が高いので、金型の方が熱膨張することになり製造は格段に難しいのです。ちなみにレンズはSO505iのメーカがビデオカメラ製造の関係で出資している某レンズメーカT製。D505iのカメラは樹脂レンズだそうですが、レンズメーカはSO505iと同じだそうです。よくよく考えればSO505iもD505iもMemory Stick Duo内蔵ですし、もしかすると携帯電話メーカ再編の兆しでしょうか。

2003年7月7日 

会合の最終日。早々に終わってしまったのでお昼ご飯だけ食べたら、飛行機までの時間を再び福岡市内を散策。キャナルシティにいってみたのですが、ここの建築設計は六本木ヒルズの商業施設の設計を手がけたジョン・ジャーディーなのでどのぐらい両者が似ているかに興味があったのですが、迷路のような構造はよく似ており、数回来ただけではわかったとは思わせないようにする工夫が随所に見られます。それと目的地が見えるけど真っ直ぐは行けないというところもそっくり。どちらも一回ずつしかいっていないので評価はできませんが、キャナルシティの方が出来がいいというか、目的にかなっているかも。キャナルシティは純然なショッピングセンターなので機能性よりも娯楽性が優先されるはずですが、六本木ヒルズはビジネス街のショッピングモールなので短時間にピンポイントで店を回れることが望まれるはずで、利便性や機能性がないとすぐに飽きられそう。ちなみに六本木ヒルズのメインタワーの方は名古屋駅のJRセントラルタワーズと同じ設計者なのですが、こちらは両方ともビルとして使いにくそうです。それはさておき、4時頃の飛行機で福岡から羽田に戻りました。

2003年7月6日 

実は福岡は初めてだったので、早起きをして天神近くを散歩。ミニ東京化というと語弊があるのでしょうが、東京と変わらないというのが率直な感想。会合の方は市内から福岡の海の中道というところに船で移動。どうもリゾート地のようなのですが、会合に出ている限りは関係ありません。

2003年7月5日 

さきがけ研究21という研究予算の会合で福岡におります。東京よりも暑いというか、なんかむしむししています。ひとまず会合の前に県立美術館にいってみましたが、あえて感想は書きませんが、2度いくことはないでしょう。それから東京にも店を出している博多の有名ラーメン店にもいったのですが、これは東京と同じでした。ちなみに夜もラーメン屋に連れて行かれたので、一日二食食べることに。別にラーメン店の食べ歩きの趣味はないですが。

2003年7月4日 

昨日と同じような顔ぶれなのですが、今日は大手町。昨日と違って会場が勤務先から1キロと離れていないので助かります。さてさて5日から7 日から福岡出張です。すでに今週は体力的には限界を感じていますのでちょっと辛いのです。ところで最近すごくスパムメールが多いというか、メールの2/3はスパムメールという感じ。削除する作業だけでも時間と手間の無駄なのですし、これだけ多いとスパムに重要なメールが埋もれてやってくるという感じ。ひとまずHTMLメール、怪しいキーワードの入ったメールなどなどが入ったメールは自動削除にしてみました。スパム以外のメールも結構削除される様子なのですが、この際ですから気にしないことにします。

2003年7月3日 

ネットワーク系の見本市NetWorld+Interop 2003で講演。内容はRFID関連なのですが立ち見の方までおられました。見本市のカンファレンスなのでただではないと思うのですが。やはりRFIDは流行りなのですね。Webニュースにも出ていました。その前後はスピーカの控え室にいたのですが、他のスピーカも知り合いが多いというか、世間は狭いというのか。こんなんでいいのでしょうか。それから帰りがけに見本市の方も少しだけ覗いてみたのですが、機材を並べているだけのブースが多く、まぁ機材のスペックはわかるのですが、それで何ができるのかというビジョンはほとんどいっていいほどわかりませんでした。さらに各企業さんの展示内容がよく似ているというか、標準規格品やプロトコルに準拠しているといえば聞こえはいいのですが、組み合わせるだけではオリジナリティは出せないと思います。まぁ心配する義理もないのでどうでもいいのですが。それにしても幕張メッセは遠い。本当に遠いです。埼京線に乗っているだけでも相当な時間になります。講演ウィークはまだまだ続きます。

2003年7月2日 

ほとんど徹夜状態でなんとか論文を仕上げたのですが、今日の現状は一つ減っても二つ増えたため好転していません。そのうちの一つは今日届いた情報処理学会論文誌のカメラレディ原稿の確認依頼。これはチェックを入れるだけなので3,4時間も集中すれば十分でしょう。ちなみに8月号掲載予定の原稿なのですが、情報処理学会論文誌への短期集中掲載大作戦は共著論文2本も入れると10ヶ月間に7本掲載という結果で幕と閉じました。当初の計画はは半年に6本だったので僅かに及びませんでした。投稿ならば自分で時期をコントロールできますが、採録・掲載となるとなかなか難しかったです。またしばらくしたら再挑戦をしてみたいのですが、一部の論文誌編集委員(当方もその一人でしたが)から、手間がかかるから止めてくれといわれていますし、こちらも別刷り代もかかります。さて、増えたもう一つの方は国際会議のカメラレディ原稿。その国際会議から採録通知がきたのですが、このページの先月の23日のところに書いたように投稿直後スケジュールがつかないことが判明したので投稿取り止めを頼んだのですが、カメラレディ原稿を用意してというメールが来ています。どうなっているのかよくわからないのですが、ここまでくるとカメラレディ原稿が1本増えようと大勢には影響なしという心境。この国際会議のカメラレディ原稿はSpringerのLNCS用なのですが、以前LNCSになる論文集は年に数十冊だったのですが、最近は百冊を超えているそうです。おかげでこちらもLNCSに掲載される論文は年に1本だったのですが、最近は毎年3本以上になっています。今年はこれをいれるとすでに3本目。ということはLNCSも時期を考えて国際会議投稿をすれば短期集中掲載はできるかもしれませんね。来年の目標はLNCSでしょうか。

2003年7月1日 

7月になってしまいましたが、あいかわらず論文執筆中。明日までに仕上げないといけません。さてさて間に合いますでしょうか。現実逃避にJDK1.4.2をインストールしてみました。β版を取っかえ引っかえでインストールしているのであまり変化がないのですが、ひとまず開発中のソフトウェアで動作確認。SwingにWindowsXPのLook and Feelというかスキンが用意されたのはいいのですが、Windows XP上で元のWindows 2000風スキンにもどすオプションを発見するまでに一苦労。まぁ普通はそんなことしないのでしょうが、研究の関係でLook and Feelに手を入れておりまして結構深刻のなのです。それにしてもJavaはどんどん重たくなるというか、機能が増えていくのですが、いったいどこに行こうとしているのでしょうか。個人的にはJDK1.1.xの言語仕様&基本ライブラリにしばらく固定した方が良かったのではないかと思います。どんなシステムでも機能はないよりはあった方がいいということで、おのずと多機能化が進むのですが、無計画な機能追加はシステムの肥大化と複雑化を招きます。特にJavaはプログラミング言語なので道具としての習得のし易さがないと、どんなに強力な道具でも使いこなせる人は限られてしまいます。JavaもC++と同じ道を歩くのでしょうか、複雑化したC++から初期の単純なJavaにプログラマーが流れたように、Javaも複雑化していますから、あるタイミングで登場した単純な言語に流れる可能性は高いように思います。問題はその時期なのですが、意外に早いような気がします。

2003年6月30日 

論文はいまだ執筆中。本当はいろいろな論文が並行に進んでいるのでわけがわからないのが現状。今日は一本送付して、一本執筆中。どこに出しても恥ずかしくないほどの自転車操業状態になっております。さてさて、新型PowerMac を発注してしまいました。もちろんPowerPC G5のDualマシンです。実は手持ちのG4マシンではVirtual PCでMacOS Xと仮想PC上のWindows2000を行き来しながら使っているのですが、その仮想PCを速くしたいのがその理由。もちろんWindowsマシンを使えばいいのですが、Macintoshの中でWindowsが動いていると、MacintoshとWindowsのいいとこ取りができるので結構便利なのです。ただ、仮想マシン上のWindows 2000をフルスクリーンでを使っていたりすと、たまに仮想マシン上で動いていることを忘れてしまって、WindowsをシャットダウンしたらMacOS X の画面で出てきてびっくりする始末。でも、以前Virtual PC上にWindowsXP Proを12インチ液晶のPowerBook G4に入れたことがあるのですが、さすがにこれは遅くて使い物になりませんでした。それ以前にWindows XPがいまだに使えず、世の中に取り残されつつあります。Windows2000で不自由しないし、わざわざ遅いOSを使う理由が見いだせないとかいろいろいっておりますが、本当のところはWindows XPに馴染めないのが真相。

2003年6月29日 

まずいです。論文が書き上がっていません。スケジューリングがうまくいかないというか、当初の想定時間の倍かかっているというか、崩壊寸前です。ことの原因は無計画な論文投稿なのですが、投稿するときはカメラレディ論文の作成のことまでは考えてはおらず、締め切りが集中状態です。書いて送って、書いて送っての日々が続きます。昔はカメラレディ論文は残るので気合いをいれて修正していたのですが、最近は一日仕事で終わらせないときりがありません。

2003年6月28日 

結局、そのまま寝むらずに別の論文を書いております。ただしくは気がついたら昼になっていたので、いまさら寝るのも生活周期がずれるので起きているだけですが。でもさすがに夕方になると集中力が落ちてしまい、論文の方はまとまりません。ところで、コンピュータの熱が身に応える時期になりました。ノートPCで12インチ液晶を積んだPowerBook G4はアルミボディで見た目はいいのですが、パームレストまで熱がまわってくるので結構つらく、手首が低温火傷状態になりそう。なお、他のPowerBook G4と違って、12インチ液晶モデルはL3キャッシュを積んでいないのですが、この発熱を考えると回路&スペースの問題ではなく発熱の問題ではないでしょうか。同じノートPCでもThinkPad X23の方はパームレスト自体はそれほど熱くならないのですが、こちらはキーボードが熱くなり、指先が低温火傷状態になります。去年はクロックの低い旧型コンピュータ(ThinkPad X20)に切り替えるという策に出たのですが、今年はどうしましょうか。

2003年6月27日 

論文の修正稿の執筆&送付。結局、執筆に手間取り10時過ぎ。夕方には余裕で終わって宅配便で遅れる予定だったのですが。もっとも国内とはいえ英文論文誌の修正稿を一日だけで始末を付けようと考える方が間違っていますが。こうした修正稿では査読者の要求を素直に聞き入れるのが常套なのですが、今回は日本語も変ですし、意味不明のコメントだったので確信犯的に拒絶してみました。実はこうすると査読者と編集委員の程度が結構わかるので面白いのですが、問題は採録の場合は通知だけとなりレスポンスがわからないこと。その執筆が終わってから論文誌の査読を一気に3本。気がつくと10時過ぎ。これも朝方には終わると思っていたのですが、倍以上時間がかかってしまいました。

2003年6月26日 

Macintoshの新しいOSであるMacOS 1.2の仕様を見ていると、J2EE準拠(?)のアプリケーションサーバのJBossが含まれるようです。いよいよJava&XMLベースのアプリケーションサーバがOSに組み込まれる時代になったかと思う反面、ちょっと疑問もあります。J2EEないしEJBを見ていると、確かに多機能でアプリケーションサーバなどパッケージを組み合わせれば一当たりの実システムはできるのかもしれませんが、ここまでの変遷を見ていると、何でも出来ますというために機能を入れるだけ入れてしまい、整理されていないし、不要な機能を削ろうとしない。もちろんこうした議論では細かく根拠を見せないとフェアではないことを承知の上で書いているのですが。一番わからないのが使う側のメリット。作る側はメリットがあるとは思いますが、使う方はちょっとしたことをするにもアプリケーションサーバが必要となるようなシステムは購入費も高いですし、維持費も高いです。前述のJBossはオープンソース系のソフトウェアであり、購入費は安いですが維持費はそれなりにかかるはずです。前年度末にIBMのWebSphereを購入しようと思い、見積もりをとったり、SEの方にもおいで頂いたりしたのですが、どうしても現行のアプリケーションサーバの必然性がわからず、結局購入できずにおります。JavaにしてもXMLしても使う側にはメリットが少ないというか、遅いだけだったりします。もちろん立場上、かなりの問題発言かつ自己否定ですね。

2003年6月25日 

地下の会議室に閉じこめられていました。お昼には地上に出られると思ったのにご丁寧にもお弁当が出てしまい、約7時間に地下から出られずじまい。途中で嫌になり何度か「地上に出たい」と叫びそうになっていたのですが、隣に座られた方には何度も忍耐ですと小声で言われてガマン、ガマン。ところで一昨日の国際会議への論文投稿ですが、締め切りが延びたという連絡がありました締め切りにはfirm と書いてあったので、延びないとおもってせっかく徹夜して書いたのに。国際会議は締め切りは1週間程度は伸びるものというのが常識になりつつありますが、低調な国際会議などでは2度、3度の締め切り延長をするところまで出てきています。もうこうなると最悪。そういえば1ヶ月ほど前、シンガポール開催のIEEE系の国際会議関係者に投稿を何度も懇願されたのですが、結局、SARSの影響で3回締め切りを延ばしても、前年の1/4も論文が集まらなかったそうです。それなりに有名な会議なのに。全然関係ないのですが、コール市場&外為&日銀当座預金絡みとはいえ、とうとう円はマイナス金利になったそうです。おもわずお金を借りると儲かるかと思ったのですが、そうもいかなみたい。つまり円は持っているだけで損するということになり、いったい円というお金は何なのでしょうか。一応、国家公務員なのですが給料はEUROで頂きたいです。

2003年6月24日 

午前中は慶大矢上で講義をすました後、午後からは品川で会合。でも例の再開発地域の反対側でしたけど。ところで、AppleからPowerMac G5が発表となりました。スペースの問題があり、デスクトップ型PCは買わないことにしているのですが、これはちょっと欲しいかも。Appleの発表通りPentiumの3.2Ghzを凌駕するかは実際にみてみないとわかりませんが、カタログスペックを見る限りは本当かも。旧iMacや現行iBookは多くのそっくりPCが登場しましたが、最近のiMacやPowerMacはデザイン的にぶっ飛びすぎているのか、そっくりPCはあまり出ていなかったのですが、今度のPowerMacは金属感とメッシュボディを使った筐体で、結構落ち着いたデザインでまわりとも調和がとれそう。ということで、そっくりデザインのPCが増えそうです。ちなみにPowerMac G5はファン整流用のアクリルパネルやロゴをあしらった放熱板などなど筐体内部まで凝ったデザインがされていますが、そっくりPCはどこまで近づけるでしょうか。それと一緒に発表されたiSightというカメラもなかなかよさそうというか、デザイン的にも機能のまとめ方もこっちの方がPowerMac G5よりも上かも。完全にAppleの術中にはまっているかも。

2003年6月23日 

最近は無計画な論文執筆が続いているのですが、とうとうやってしまいました。招待講演と国際会議が重なっていました。幸い国際会議の方は採否通知前だったので、国際会議の方をキャンセルすることに。幸い、先方は快く了解してくれましたけど、やはり迷惑かも。と反省しながらも、夕方には別の国際会議に投稿している始末ですから、学習が足りません。それにしても場所がモロッコだったので行きたかったのに。アフリカ大陸への初上陸はお預けになりました。ところで勤務先の後期博士課程向け講義の担当日数が終了。結局、最後の最後まで講義をしている当方のが講義のシラバスどころか題目すら知らないまま、好き勝手を話しただけですが。学部や修士の講義でこの調子でやったらたいへんなことになりますけど、きっと博士課程なのでいいのでしょう。ということにしておきます。

2003年6月22日 

仕事柄、メーカのPC担当の商品企画や開発の方とお会いすることが多いのですが、総じて携帯可能なサブノートPCは市場がないというおっしゃいます。実際、販売ランキングの上位5機種は14,5インチの大型液晶を掲載したCDドライブ付きノートPCが占めているわけですが、今日の某新聞に出ていた販売ランキングを見ると新しい傾向がでているようです。このランキングではベスト5のうち3位と5位にソニーと松下のサブノートが入っており、どちらも1.3kg前後と軽量・小型の携帯可能マシンなのにCDドライブを内蔵していることがウリになっている商品。つまり、このデータからわかることは、携帯可能なサブノートが売れないのではなく、CDドライブが掲載されていないノートPCが売れなかったということ。まぁ当たり前だともいえますが、先月末にお会いした某メーカの商品企画担当者も1.5kg以下のノートPCは売れないとやはり豪語されており、市場をわかっていないメーカも多そう。このメーカさんに限らず、今頃は同業メーカはCDドライブ内蔵で1.5kg以下の小型軽量ノートマシンの開発に大忙しではないでしょうか。販売店の方は売れ筋のスペックからちょっとでもはずれた商品は展示もしませんから、市場の売れ筋に商品を持っていないメーカは店頭から消えることになります。ただ、個人的にはサブノートPCにCD-ROMドライブは必要としないのですが、来年の今頃はCD-ROMドライブなしマシンを探す方が難しくなっている可能性が高いです。ちょっと困るかも。ちなみに現行マシンは1.5kg以下は売れないと豪語されているメーカさんの1.6kg超のサブノートPC。ちなみにCD-ROMドライブはついていません。

2003年6月21日 

昨日のことで書き忘れたことがあります。赤坂の某所にいったら、あのSegwayを見ました。現物を見たのは初めてです。でも想像よりも2輪ホイールは大きく、横幅も結構あります。このため屋内では使うのはつらそう。廊下とかで2台がすれ違ったら厳しそう。ということでまぁ欲しいとは思いますが、興味はかなり失せました。残念。ところで昼過ぎ以降メールが来なくなっています。サーバが調子が悪いのかもしれませんけど、それはそれでうれしいので構いませんし、このままずっとメールが来ないのも幸せかもしれません。最近はWebも仕事以外ではほとんど見なくなったのですが、見なければ見ないで不自由はないですし、その分の時間だけ仕事が捗るのでなかなかいいです。こんな仕事をしていますが、ネットワークもコンピュータも嫌いだったりします。ただ、まわりの研究者を見ていても嫌いな人の方が多いのでそれが普通なのでしょうけど。そもそもコンピュータが好きとか趣味とかという感覚では研究者稼業はやっていけないので当然といえば当然ですが。

2003年6月20日 

朝から赤坂。24MbpsのADSLの発表が続いてますが、FTTHはどうなってしまうのでしょうか。FTTHキャリアさんからよく、FTTHが普及すると通信速度が上がって新しいコンテンツが生まれ、それにトリガーになってますますユーザが増えるというストーリを聞かされるのですが、本当なのでしょうか。通信速度とコンテンツは実は関係ないように思います。例えば企業や大学などのようにFTTHを含む専用線にアクセスできる人は業務とはいえその利用方法は電子メールとWebアクセスが主体。ADSLに加入した家庭のPCがインターネットにつなぐ理由は電子メールとWebアクセス。そのうえ携帯電話の使い方も電子メールとi-modeというかWebアクセスが主体。つまり、通信速度が上がったからといってもコンテンツの種類が広がるわけではないようです。それにADSLが普及したのは通信速度ではなく、低価格化がトリガーになったように思います。この流れが引き継がれるとしたら、仮にFTTHが普及するとしても、低価格などが普及要因になり、FTTHキャリアさんのいうような新しいコンテンツやサービスの登場は少なくても普及要因にはならないはずです。さて24MbpsのADSLですが、結局は高速化された通信速度と価格のバランスに普及が依存すると思いますが、ある程度ADSLも普及しているという現実を考えると、既存の8Mbpsや12Mbpsのユーザを移行させないと需要は生まれないわけない。一方、その接続理由が電子メールとWebアクセスであれば、プロバイダ側でWebキャッシュなどを導入して、高速化されたADSL通信速度を活かさないと厳しいように思います。

2003年6月19日 

どうも最近効率が悪いです。メールの返事に追われたり、書類を書いたり、Webで調べものをしたり、意味なく窓から空を見たり、それだけで一日が終わってしまう感じ。ネットワークへの接続時間を一日のべ1時間程度に制限した方が効率があるでしょうか。実は最近、オフィスにいるときはネットワークケーブルを外していることが多くなっています。いまにして思うと昔のUUCPは正しいアプローチだったように思います。ところで昨日書いたRFIDのことでお問い合わせを数件受けております。それもユビキタスIDセンタの会員企業の方から規格がよくわからないので、規格書を持っていたら見せて欲しいというもの。こっちが聞きたいぐらいなのに。いったいどうなっているのでしょうか。この件はいろいろいいたいことがありますが、明日は早いのでもう寝ます。

2003年6月18日 

今朝の新聞を見ていたら、大手メーカなど170社が参加するユビキタスIDセンターがRFIDの規格を決めたと出ていました。もちろんRFID以外にも国内独自規格はたくさんあるのですが、RFIDは物流や在庫管理に使うものなので、これが世界標準ではなく国内独自標準にするということは、世界規模の物流との互換性をなくし、ありとあらゆる商品の輸出入に支障をきたすということなのです。最近、国内メーカは国際競争力をなくしたためか、保護主義や鎖国主義的な発言が多くなっていますが、今回のRFID独自規格の狙いもそこにあるのかもしれません。もちろん何でもかんでも世界標準にあわせるべきとはいいませんが、顧客である小売・物流業を抜きにして、メーカだけで規格を決められるほど簡単にすむ問題ではありません。ただ、この新聞発表は一部報道機関だけですし、そもそも170社と行っても、どの企業も主流がきまるで全部顔を出すというスタンスですから、何を発表しても大勢には影響がないでしょうが。それとユビキタスIDセンターは発表はいつも派手なのですが、いまだに具体的な話が見えず。実は賛同したことになっているメーカ数社のRFID担当者から新聞発表になった規格の情報を持っているかと、逆に当方に問い合わせをしてくる受ける始末。結局規格として何を決めたのかすら謎のまま。なお、謎といえばユビキタスIDセンターの他にAuto-IDセンターという組織もあり、RFID 規格というか、正しくは識別子のデータ形式の標準化を争っていますが、これがまた謎が多い。世界的にはAutoIDセンタは商品用識別子のデータ標準化なのですが、なぜかAutoIDセンタ日本支部ではAutoIDとIPv6を強引に結びつけており、AutoID = IPv6といいだす人もいるそうで、端から見ているとIPv6 (という名称)の延命策にしか見えません。ちなみにAuto-IDとIPv6が関連づけるのは日本支部の一部関係者に限られ、米国のAuto-IDセンタはIPv6には興味はないそうです。また、ユビキタスIDセンターの方も一部の関係者が「RFIDはTRONだ」といい出しているそうですが、TRONはOSで、RFIDは無線を使ったデータ発信器ですから一緒にするのには相当無理があります。実は国内の携帯電話端末でさえもTRONを見限ってLinuxやSymbianに向かうようですから、こちらもTRON(という名称)の延命策でしょうか。最近はRFIDまわりの講演が多いせいか、両者センターについてよく聞かれるのですが、答えに窮しております。

2003年6月17日 

午前中は慶大講義。それから研究所で打ち合わせとカメラレディ原稿の仕上げ。神保町へは武蔵小杉から三田線で行くつもりでしたが、なかなか電車が来そうないので渋谷から半蔵門線。その渋谷で書籍を買うというか、正しくは発注用の書籍リストを作るために東急文化会館の三省堂によったのですが、東急文化会館は今月で閉まるようでイベント開催中。だいぶ先になりますが、明治通りを通る地下鉄の新線と東横線が乗り入れになり、東横線のホームが明治通りの下になるはずでその準備なのかもしれません。ところで東急文化会館は閉館記念ということでプラネタリウムを再開しているのですが、ものすごい人気のようで整理券配布所はできているし、その前には本日分は完売という立て看板がたっている始末。そんなにプラネタリウムが好きならばもっと前に行ってあげればいいのに、客入り不振で閉館に追い込まれたのですから。ちなみに5,6数年前に時間つぶしに行ったことがあるのですが、客は当方一人でした。ところで文化会館の映画館では閉館記念でベンハーやアラビアのロレンスなどの4時間クラスの長編映画をやるようです。最近の2時間程度の短い映画が多いのですが、オペラのように途中休みの入る長編映画もなかなかいいものです。体力と暇があればの話ですが。でもベンハーはスクリーンで見た方がいいですよね。

2003年6月16日 

4年ぶりぐらいに電子メールソフトウェアを変えました。といってもEudora4.0からEudora 5.1に。よくまぁこんな古いバージョンのソフトウェアを使っているものだといわれそうですが、余計な機能がついていないのでシンプルですし、PCを換えたときもフォルダーごとコピーすればいいので楽だったのです。4年前にMacintoshからWindowsに引っ越したのですが、当時Macintoshで使っていたメールソフトウェアがEudora 3だったので、WindowsでもそのままEudoraを使うことに。ただ、Outlookのようにメール規格無視のやりたい放題メールソフトウェアから送信されたメールが読めないという本来は正当でも、逆に不自由な思いをすることが多くなり、現実を受け入れることをしました。候補としてはOutlookやBecky、Shurikenあたりを考えたのですが、最近はWindowsノートPC の他にMacOS XがのったPowerBookを併用することが多く、またまたEudoraとなってしまいました。EudoraはもともとがMacintosh用だったのでMacintoshとのデータ資産が受け渡しやすいのです。なお、いちおうOutlookも使うのですが、メジャーなメールソフトウェアほどウィルスの発生が多いので、いくらワクチンソフトウェアを使うにしてもマイナーなメールソフトウェアでないと怖くてメール受信はできません。実際、同業の研究者からのメールのヘッダーを眺めると、Emacs上のメールソフトウェア、Becky、Eudoraが多く。Outlookは少数派。それにしてもメールソフトウェアはどこに向かうのでしょうか。一時はスケジュール機能なども組み込み手帳化を進んでいたのですが、このままHTMLメールが増えるとWebブラウザと区別なくなるかもしれません。

2003年6月15日 

慌てて論文査読を7本することに。締め切りがすぎていますから文句がいえる立場ではないですが。今回はすべて国内論文、それも企業及び国立系研究機関からの論文と思われますが、全般に国内論文の査読は論文内容が?なので読んでいても気が滅入いります。ということで国内論文は基本的にお断りしております。さらに不思議なのは国内の場合は企業、それも研究所の方が書いた論文と学生が書いたと思われる論文を比べてそのクオリティ差は本来想定されるのとは逆になることがほとんど。いったいどういうことなのでしょうか。ちなみに先週某企業の研究所のお偉い方とお話しする機会があったのですが、その方曰く国内の大学はダメで企業からは見るべき研究はないと堂々と言い切っておられましたが。残念ながら今日の査読論文にはその企業の論文は含まれておりませんでしたが、さぞや御立派な研究ばかりなのでしょうね。

2003年6月14日 

会期ぎりぎりなのですが、六本木ヒルズ53Fで開催されていたメディアアート展にいってきました。企業の冠企画展なのでどの作品も綺麗にまとまっており、一見するだけで主題がわかりメディアアート入門としては非常にいいのですが、その代わり前衛性や実験性がゼロに近いのが残念。予想されたこととはいえ個人的にはちょっとがっかり。会場は10月から森美術館になるところなのですが、高層ビルなので結構狭いと想像していたのですが、天井が5メートル程度はあるでしょうか、結構高くメディアアート系の展示にはいいかもしれません。この美術館はモダンアート系を狙うそうですが、最近できた海外モダンアート系美術館をよく研究してある感じ。実はまったく期待していなかったのですが、期待できそうです。ただ、企画展を中心にいかれるようですが、美術館は常設展で勝負しないとただの展示場で終わってしまうし、少なくてもキュレータを内部で育てないと発散してしまいます。

2003年6月13日 

昨日提出した科研費報告書ですが、担当事務から別の教官が提出した科研費報告書をわざわざ見せられました。実はそれも当方と同様にハンドメイドなのですが、きれいに出来ており大ショック。心境としては夏休みの工作で作った作品に自信をもっていったのに、他人の作品を見て自らの作品の貧弱さを思い知らされてしまうというところでしょうか。さてそのショックも癒えぬまま夕方から某社の研究所のオープンハウスにお出かけ。その内容はコメントしませんが、訪問していた知り合いの研究者と情報交換をして終わってしまいました。もっとも研究所を失礼したのは結局9時過ぎでしたが。ところでCHI系の研究を展示しているフロアーは結構混んでいました。たしかに派手ですし楽しそうなのですが、研究的な価値はわからずじまい。今の時代はこうした研究が世間受けるのかもしれませんが、CHI系の研究には手を出すまいと再認識。ところで、これまでこの研究所のオープンハウスは何度か行かせてもらっていますが、今回でいくのは最後になりそう。

2003年6月12日 

科研費基盤研究の報告書を作成・提出。大学関係者は御存知でしょうが、研究期間が2年を超える科研費は研究期間中の論文を印刷・製本した報告書を出さなければいけないのです。今の時代だからWebにおいておけばいいではないかと思いつつも、それはぐっと堪えて報告書作成。3冊でいいというのに業者に頼むと最低印刷冊数が多くなるので、自前で印刷・製本して必要最小限の冊数だけ作成することに。こうなったのにはいろいろ理由があるのですが、ひとまず地球に優しいからということにしておきましょう。こんな時に備えて簡易卓上印刷機を用意したのですが、表紙はその裏面の背表紙部分にノリが予めついたタイプだったためにレーザプリンターでは印刷できませんし、手持ちのインクジェット系のプリンタはA4までで表紙用紙のA3は対象外。つまり表紙のタイトルなどの印刷が不可能という事態に。一時は途方に暮れて諦めかけたものの(諦めていいものではない)、追い込まれるといろいろ思いつくものです。苦肉の策が表紙をのりしろ分以外は切って、その部分にOHP用トランスパレンシーを貼ってカバー風に見せかけておいて、タイトルなどの表紙を印刷した紙を透かすということに。背表紙はどうしようもないのでタイトルなどを印刷した紙帯を用意してそれを貼ってさらにテープで補強。中身の方は研究期間中の関連論文を一通り入れるつもりだったのですが、論文誌8本と国際会議16本は印刷してみると膨大な量となりあえなく断念。結局10本ほどを選んで、それらを両面印刷した紙束の一辺にノリをベタベタ塗って閉じて、表紙と合体させて出来上がり。そして、ほとんど夏休みの工作を学校に持っていく小学生のように喜び勇んで勤務先事務に持っていったのですが、事務の皆さんには「きたない」とか散々いわれる始末。でもさすがにこれ以上は無理だと理解して頂いたのでしょうか、何とか提出。その後、表紙の記載に間違いが発見されたのですが、ハンドメイドの良さで、15分ほどで解体・表紙の取り替え・再合成して再提出。なお、作成要項の注意書きにあるように「安価に作成すること」は守れたのですが、素人ハンドメイドのためページを広げると崩壊する危険があります。やはり「乱丁・落丁は一切お取り換えしません」と書いておくべきでした。

2003年6月11日 

関係者が読んでいるのを承知で書いてしまいますけど、打ち合わせで苦手なのは携帯電話キャリア会社さんとの会合。携帯電話代はタダということで社員の方々は頻繁に社内連絡に携帯電話を使われます。ということで会議中に携帯電話の受け答えのために入れ替わり立ち替わりで部屋を出たり入ったりされるので、議論がすすみません。携帯電話会社の方々はすぐに忙しいとおっしゃるのですが、ひっきりなしに電話かけたり、かかってきては仕事がはかどるはずもなく、深夜残業が日常化していると嘆く前に電話の使い方を考えた方がいいように他人事ながら思ってしまいます。ところで、携帯電話キャリアの携帯電話通信のコスト意識がなくなると、必要性の有無に関わらず頻繁に通信を始めると効率が下がるとすると、IP電話が普及して固定料金になったら電話をかけまくるのでしょうか。現在は長電話は経済的な理由で抑制されていますが、それがなくなるわけですから、長電話は急激に増えるでしょうし、ワイヤレスのヘッドセットをつけて一日中の電話で話し続ける人が出てきそう。やはりIP電話は結果として社会全体の生産性は相当下げる要因になりそう。実際、専用線やADSL で接続されたインターネット上の電子メールのWebもコスト意識がなくなり、かえって生産性を下げている人は多そうです。ただ、電子メールは非同期通信、つまり送信側と受信側は独立なので受信側は好きなときにメールを読めますが、IP電話は受信側だけでなく着信側の時間も占有することになるので深刻です。

2003年6月10日 

慶大矢上の講義。毎週のことですが、マイクがあっても90分間しゃべり続けると喉がボロボロ。講演中に水を飲むと痛めにくいのですが、授業だとなかなかそうもいきません。結構辛いです。来年こそは辞めたい。さらに面倒なのが採点。去年は試験が厳しいとか散々なことをいろいろいって履修者の自発的な減少を試みたのですが、履修登録者に対して数%しか減らないという事態になったので、今年は諦めて何も言っていないのですが、増えることはないにしても採点シーズンを考えると気が滅入ります。ところでソニーから200万画素のズームなしのデジタルカメラが発表になりましたが、お値段が38万円だそうです。このクラスのカメラは実売は2万円台なので最初は3.8万円と勘違いし、それでも高いと思ったのですが。値段を付けるのはメーカの勝手ですが、買う人がいるのでしょうか。もっとも目出す製品の場合は同業他社が調査用に買うのでその数だけは確実ですが。ブランド名がQUALIAだそうですが、これって認知科学系の脳研究者が好きな用語(ラテン語?)と同じなのですが、何か関係があるのでしょうか。よくよく考えるとソニーにも大好きな研究者がいますし。今回はデジタルカメラだけでなく、プロジェクタやブラウン管テレビやHiFiオーディオでも同様の高級路線製品を発表したところを見ると社内技術者の不満解消が目的でしょうか。どこのメーカもそうですか、シェア重視や低下価格化の圧力で技術者の欲求不満は高まっていますから、自動車のF1ではないですがどこかでガス抜きをしないと維持できないし、優秀な人材を集めるのも難しくなってしまいます。ただソニーの場合、先週発表になったPSXもそうですが、どうも戦略や商品企画がちぐはぐになってきているような感じがありますけど、大丈夫なのでしょうか。

2003年6月9日 

カメラレディ論文の投稿。ファイルで送ればいいと思っていたのですが、ハードコピーも必要と気づいて大あわてあわてて送付。今回は集配時間の関係でDHLで送付。米国だとFedexの方が割安だったりしますが、欧州だと大差なし。いまでこそ選択できるようになりましたが、学生時代は私学にいたためにFedexは大学案内などの関連書類を用意していないと私大は相手にしてくれませんでした。電話で頼んでも「○○大学は私学ですよね。うちは私大とは取引しません。まず大学案内を送ってください。社内調査した上で返事をします」という感じで取り合ってもくれませんでした。DHLは大丈夫でしたけど。ということで国立大学に勤め始めたころDHLとFedexが選べるようになったのはうれしかったです。そのころは国際会議の投稿はDHLやFedexなどの配送業者を使うのが普通でしたから、選択の幅が狭いというのは結構深刻でした。いまではWebや電子メールで投稿できるのでお手軽ですけどね。国立大学または私立大学のどちらか一方でずっと過ごした方にはわからないと思いますが、機材発注ひとつをとっても世間の対応は国立大と私大ではまるで違います。

2003年6月8日 

最近は論文を書く度にデジタルカメラでPDAなどの画面やセンサをせっせと撮影することが多いのですが、明日締め切りのカメラレディ論文(昨日投稿した論文とは別)のために先週も写真を何枚か撮ったのですが、見てみると手ぶれ写真ばかり。スプライトを使ってシャッター速度を稼げばいいのでしょうが、スプライトの光がディプレーに写り込むので実行画面の撮影には使えないのです。手ぶれでもサイズを縮小するので何とかなると思ったのですが、結局Photoshopでアンシャープネスフィルターなどなどレタッチを駆使する羽目に。まずは三脚を購入することにします。ディプレーへの写り込みといえば国内メーカの最近のノートPCの液晶はテカテカと写り込みをするものが増えています。理由は販売展示をするときに見栄えがするということらしいのですが、使っている人の顔が映り込んだら非常に使いにくいと思うのですが、いったい何を考えているのでしょうか。見栄えにつられて買う方も買う方だけど、使いにくいのを承知でテカテカにするメーカもメーカ。オフィスの中で使っている限りは液晶パネルの角度を調整したりして対処できるのかもしれませんが、外出先でも使う場合はいつも調整できるとは限らず、太陽がぎらぎらと映り込んでいるディスプレーと立ち向かわないといけません。ちなみに映り込みディスプレーが好きがメーカに限って、ノートPCの広告にユーザビリティという言葉を何度も登場させていたりします。ということで最近のノートPCは購入したくありません。

2003年6月7日 

徹夜で論文執筆。朝方になんとか論文投稿。ところでWebブラウザの初期URLをGoogleにしてから結構月日が経ったのですが、日増しにGoogle依存が高まっています。同様の方は多そう。仮に故意にサーチ内容に偏りがあったりしたらそのまま信じてしまうのは確実で、これはちょっと怖い事態かもしれません。某政府も安全保障でとかでオープンソースを推奨するぐらいだったら、Googleに対抗すべきWebサーチサイトを作る方がいいのでは。ところで、1995年にGoogleの設立に関わった方(元々は計算機科学の研究者)から、今度新しいベンチャーを起こすということをきいていたのですが、未公開株を売ってくれるように頼んでおくべきでした。Yahoo株を勧められながら買わなかったことの次に一生でもっとも悔やまれることです。今頃はリタイヤ生活が送られたのに。

2003年6月6日 

貴重な体験です。会計検査院の方がおいでになりました。文科省の某特殊法人の研究員を去年の9月まで兼業していた関係で、某特殊法人への検査の一つとして当方までも調査検対象サンプリングされてしまい、わざわざ会計検査院の調査官さんがオフィスまでおいでになりました。さて結果ですが、設備備品のうち一つのマシンの型番末尾が8と3の写し間違えがあったぐらいで、無事に終わってしまいました。そもそも問題になるようなことは何もないので当然なのですが、あっけなく終了。ところで会計検査院から来られたのはお一人なのですが、その某特殊法人から説明補助に来られた事務官さんはちょっと多めだったのでしょうか、物品検査中「細かい検査をすること自体が税金のムダといわれます」と某特殊法人の方をわざわざ見ながら話されていたのが印象的。調査官と事業団の皆様方にはたいへん申し訳ないのですが、イベントとまではいわないものの、変化のある一日でした。ところで会計検査院の方は一つ違うと恨まれるだけでお気の毒な仕事です。また、おいでになられた某特集法人の皆様方も御苦労様でした。

2003年6月5日 

RFIDのチュートリアル講演。ペース配分に失敗して後半は急ぎ足。ところで今日は講演会場が変わっていて青山の明治記念館。数年前に知り合いの結婚式にいったきりでした。それにしてもRFIDは関心が高いのでしょうか、受講者名簿を見ると有名情報系企業ほぼは揃って、結構壮観。2年前はRFIDの話をしても、皆さんまるで関心がなかったのですが、世の中変わるものです。この2,3ヶ月のあいだにRFID関連の講演依頼がいろいろ来るのですが、他に依頼する人はいないのでしょうか、こちらのが教えてもらいたいぐらいなのですが。確かにRFIDに関していうと電波屋からみると亜流技術なので本腰でやる人は少なそう。最近話題騒然のUWBも1年前はキワモノ扱いで、ちょうど2年前に知り合いと勉強会を始めたときはFCCと米国ベンチャーの資料があるぐらいで、電波まわりの研究者でも名前すら知らない人が多いぐらいでした。やはり技術動向はどうなるかは本当にわかりません。

2003年6月4日 

朝から勤務先の発明委員会。普段は委員ですが、今回は当方の特許案件の審議。国に帰属するか、発明者個人に帰属するかを審議するのですが、今回は研究予算の関係上、個人に帰属しても権利は国の特殊法人が保有するので、どちらに帰属しても大差なし。それにしても特許は申請費や維持費がかかりますから、特許でどれだけ収益があったかが重要なのですが、国内では特許数を自慢するばかり。企業は特許使用権の物々交換という使い方があるのでまだいいのですが、国はそれができないので不良在庫処分が難しいはず。いろいろいいたいことはありますが、あまり書くと怒られるので今日はここまでにしておきます。ところで経済産業省の経済産業研究所に依頼されていた原稿が掲載されていました。こちらの原稿も内容的に物議になりそう。実は先月の日経新聞のサイトに掲載された原稿のおかげで問い合わせ多数になっております。明日はその関係でチュートリアル講演です。

2003年6月3日 

慶大矢上に行って講義、それから打ち合わせ、結局研究所による時間はありませんでした。それから30日に書いた携帯電話の充電器の故障ですが、結局ACアダプターを買ってしまいましたので、携帯電話の買い換えは当分先でしょうか。ところで昨日Letteraのことを書いたら、OlivettiのタイプライタならValentineといわれてしまったのですが、確かに赤バケツことValentineは本体と携帯ケースとのデザイン的一体性などトータルではすごいのですが、キータッチがあまり良くなかったと記憶しています。わかる人にしかわからない世界になっていますが、WebサーチでOlivetti、Lettera、Valentineあたりキーワードにして探せばわかるでしょう。もちろんドイツ的な機能美もいいのですが、イタリアデザインには色気のようなものがありますし、素材の使い方がうまいものが多い。それにしても国内メーカさんのPCデザインは何とかならないのでしょうか。50年後に美術館に展示されるような美しいモノをたまには作って欲しいところ。そのまえにごてごてデザインと、売れた製品のデザインをまねる習慣からやめないとね。

2003年6月2日 

原稿とカメラレディ論文を同時進行。ただし、もう一本のカメラレディ論文ですが29日締め切りにかかわらず手付かずのまま。そのうえ昨日締め切りの査読も終わっていません。かなりまずい状態になっているのですが、そんなときに限ってプログラミングは捗ったりします。困ったものです。帰りにOlivettiデザイン展にいったのですが、ちょうど終わったところで断念。まぁ9時過ぎにギャラリーに行く方がどうかしているのですか。ただ、どうも往年の広告ポスターの展示がメインのようなのでちょっとお好みではないかも。国内ではOlivettiはマイナーなのですが、なぜか家にOlivettiのタイプライターlettera 32があり、それでよく遊びました。その関係でキー入力だけはlettera 32とタイプライター教則本で鍛えられております。コンピュータにふれるのはずっと後になるのですが。それにしてもlettera 32はいい音を立てていましたし、機械という感じがありました。今更あの重いキーを打つ気にはなりませんけど。ちなみにlettera 22のデザインはMarcello Nizzoliなのですが、その後のプロダクトデザインを鑑賞するという趣味のきっかけとなります。

2003年6月1日 

カメラレディ論文2本を執筆中。一本は英語を直すだけなのですが、もう一本は規定ページに収まらずに四苦八苦です。多少、現実逃避という側面もあるのですが、研究用に作っているミドルウェアを組み合わせてRMIをJava言語で作ってみました。なお、これは勤務先の後期博士課程の講義に使う副教材として2500行ほどで作ったものなのであまりきっちりと作っていませんが、ソースプログラムとバイナリを公開しておきます。それから、ちょっと癖があって、Java言語の純正RMIではRemoteインターフェースを実装していないクラス以外は別のコンピュータから呼び出せませんが、こちらはJavaのクラスなら何でも呼び出せてしまいます。もっと正確に言うと、遠隔オブジェクトの生成とメソッド呼び出し時に必要なクラスをすべてを呼び出した側から呼び出される側に転送するので、呼び出される側にはミドルウェアだけ走らしておけばよく、クラスを事前にインストールする必要はありません。だから、開発時など呼び出される側のプログラムも頻繁に更新するときは結構便利なツールになります。なお、公開されているバージョンはわざとjava.lang.Objectなどの基本的なクラスも必要ならば先方にあろうとなかろうと転送するようにしてあります。ほとんど悪趣味ですが。実は先日並列処理系の某シンポジウムである論文発表を見ていて、この程度ならば一瞬で作れると思って試しに作ってみたもの。結果としては使い回し部分が多いのですが、サンプルプログラムを含めて作業時間は延べ10時間はかかっていないです。もっともその論文では遠隔メソッドにJavaのRMIをそのまま使っていたようなので、さらに簡単にできると思うけど。ただその論文の水準というよりも、最近の水準だと国内大学ならばこの程度でも修論ぐらいにはなってしまうのでしょう。むしろ、この方が問題です。

2003年5月31日 

あまりマスコミに取り上げられていないのが不思議なのですが、Intelが半導体の製造時のレジストが、現行の0.13μm用技術を0.045μmまで使って、2010年頃の0.032μmからF2やEUV、EBへの移行するそうです。当初は2005年からF2に移行するという話だったので相当大きな計画変更です。問題は現行のArF方式のレジストで2007,8年まで現在のような性能向上を維持できるのか、2009年ぐらいから始まる次世代レジスト技術への移行がスムーズにいくのかです。もちろんIntelのことですから目算があっての計画変更でしょうが、0.065μmでArF方式は限界と叫んでステッパーメーカにさんざん発破を掛けていましたから、やはり技術的に難しいということでしょうか。どちらにしてもこの先10年のプロセッサ性能のロードマップは実質下方修正という可能性が強くなってきました。それとステッパーメーカは大丈夫なのでしょうか、相当次世代技術に投資していますから、その市場が3,4年以上先に伸びるとなると死活問題ですし、国内でも2 大メーカの一方は脱落気味なので厳しいかもしれません。まぁこちらはソフトウェアを研究している身とはいえ、ソフトウェアの技術自体がプロセッサの性能によって大きく左右されるので、半導体の性能予測は重要なのです。

2003年5月30日 

シンポジウムの最終日。来客、関係者の会合、外人招待講演へのサクラ質問、セッション座長、来客と息つく暇がありません。まぁ専門でもないので来年はシンポジウムのプログラム委員はおりたいところです。ところで携帯電話のACアダプタのケーブルの一部が接触不良になり、充電がうまくできなくなってしまいました。そろそろ携帯電話ごと買い換えてもいい時期なのですが、最近の携帯電話は付加機能でいっぱい。1メガピクセルのカメラ付きとなり初期のデジタルカメラ並み、着メロは電子楽器状態、そのほかにも機能満載。数回使う程度ならばこうした付加機能いらないし、その分価格を下げてくれた方がいいです。ということで携帯電話ごと買いかけるか、ACアダプタのケーブルだけ買うか思案中。それにしても国内の携帯電話はどこに向かうのでしょうか。過去の歴史では本来機能以外の過当な付加機能は飽和すると急激に衰退しているので、携帯電話も同じ歴史を繰り返すのでしょうか。

2003年5月29日 

今日もシンポジウムの続き。ところで最近よく思うのですが、ここ数年で国内の計算機系の論文は論文クオリティが落ちているように感じるし、その速度も加速されているように感じるのですが気のせいでしょうか。当方はその理由を知るよしもないのですが、計算機系の研究者は他の分野と比較して論文数が少ない、だから論文数を増やそうというここ数年で見られた動きとの関連は多少なりとも関係があるように思います。つまり、論文誌もシンポジウムの採録基準を下げてしまい、○○研究会論文誌とかいう名称で論文誌自体を大量生産する始末。もちろん発表機会を増やすということはいいことだと思いますし、他分野よりも論文採択条件が厳しいというのも事実ですから、ある意味で目標は正しかったと思うのですが、その制度設計には疑問を感じます。他の分野の研究者にきくと同様らしいので計算機系に限った問題ではないようですが、計算機系の問題は論文誌もシンポジウムもみんな揃って採録基準を下げてしまったことにあるように感じます。結果として国内で採録されると一目を置かれるような目標となる論文誌やシンポジウムを失ってしまいました。一般の傾向として論文誌やシンポジウムにクオリティの低い論文が採録されると、その論文をみた投稿者がクオリティの低い研究と論文を再生産するというネガティブスパイラルに陥りやすいのですが、通常はその逆向きのベクトルがありバランスがとれます。計算機系は逆に動くベクトルが制度的にない状態。他の分野は学会自体の乱造に向かったため(それはそれで問題だけど)、前からある学会の権威は必ずしもレベルが下がっているとは限らず、あいかわらずそうした学会への採録を目指して努力する人がいるそうです。当方には因果関係は知るよしもありませんし、研究者の一人としては論文数はないよりはあった方がいいというと思うのですが、仮にの話として、もし論文数の確保という研究者の地位保全のために研究クオリティを下げているとしたら由々しきことです。それと、ゆとりの教育と同じ構図があって、論文の水準が下がったからといって論文採録判定水準を下げるとますますレベルが下がります。もちろんコミュニティの維持や勢力拡大は大切ですが、まずは層をあつくしないとね。

2003年5月28日 

SACSISというシンポジウムに参加。プログラム委員ですし、会場は勤務先のビルなので出ないわけにもいきません。前身のJSPPでも4年間ほどプログラム委員をしておりましたが、実は座長以外では行っていないかも。さて今回のシンポジウムではJSPP時代のように並列処理だけでなく、分散とかプログラミングなどにも範囲を広げることになったので、まぁ当然といえば当然なのですが、タイトルに「並列」が入っている論文は激減。ポスター発表には結構残っていますが、さすがにフル論文で採録されたものは「並列」がついていても「並列分散」になっています。ここまで鮮明になるとは関係者としても正直いって意外でした。これまでも研究の世界は浮き沈みがあり、伸びる分野とそうでない分野というのが時代の流れとともに必ず出てきます。そして、当事者である研究者の方もたまたま偶然なのか、先見があるのかはいろいろですが、伸びた分野にいた人は予算的にも社会的にも恵まれるのは事実で、ポジティブループとなり負け組と勝ち組の差がますます鮮明になります。もちろん、そうではない分野にいた人でもうまく乗り換えられた人や地道に続けて成果を出す方は大勢おられますが、その一方で名前すら聞かなくなる人も多い。当方としては流行の研究をしたいとは思いませんが、むしろ常に変わり続けていたいです。

2003年5月27日 

オープンハウスが終わってやれやれ、講演の方はどうでもいいのですが、ポスター展示はノイジーな環境で喋らされるのでかなり辛かったです。もっとも当方のところには通信やコンピュータ会社などの業界の方ばかり来られるので、前置きなどの余計な説明を省けたのは助かりました。ポスターを英語にしたのが功を奏しました。ところでステージの上で講演の順番をまっているのは効率的ではないです。ところで、ドコモから現行携帯電話のPDCが使えるFOMA端末が発表になりました。久しぶりに携帯電話を買い換えてもいいかもという心境になりました。仮にFOMAを含めてIMT2000携帯電話に手を出すにしても、現在の384kbpsデータ通信はパケットロスがおきているのか実効速度はあまり速くないので、384kbpsから2Mbpsにあげられるのを待った方がいいように考えていたのですが、データ通信の場合はデータ量に応じた料金設定をされていますから、速度が上がると通信量が増えることとなり高くついてしまうので通信速度はどうでもいい。それとデータ通信は一定料金のAirH" を使うので携帯電話でデータ通信をそもそも使うことがないと悟りました。そうなると携帯電話に求めることは音質だけとなり、その観点からはFOMAはいいかも。この際、データ通信は現行PDC携帯電話程度の性能で十分ではないでしょうか。需要もないのに速度を上げておいて、動画メールなどのパケット数を使うアプリケーションを宣伝するというのは企業戦略としてはいいのかもしれませんが、何かが違うような気がします。

2003年5月26日 

6時半頃の地震があまりましたが、オフィスは19階なので揺れにあわせてゆっくり大きく、くらり、くらり、そのうえ長かったので酔ってしまいそうでした。ところで明日は研究所のオープンハウスとかで研究展示用ポスターの作成・準備。短い講演もしないといけません。もちろん、仕事だからやりますけど。ただ、日頃から週に1,2回は1時間以上の講演をしている身には正直いって、これ以上プレゼンを増やしたくないというのも本音。

2003年5月25日 

未だにスライドができていません。朝から液晶ディスプレーと睨めっこしたせいか、目が異様に疲れてこれ以上は作業が困難になっています。ということで現実で逃避でTBSの世界遺産という番組でParisが取り上げられていましたが、やっぱりParisはいいです。Charles de Gaulle空港は往復を含めると年に5,6回は行くのですが、ここ3,4年は乗り換えるだけで空港の外に出たことがない。Parisに行きたいです。昨日に続いて昔話になってしまいますが、博士課程時代の数ヶ月は隔週で金曜日にVersailles宮殿近くの国立情報科学研究所INRIAに仕事に出かけて、土日をParisで過ごすという生活を2,3ヶ月ほどしておりました。もっともそのときはLyon近くのGrenobleにおりましたけど。TGV代は結構高かったはず。ちなみに別の隔週はハイヤーで国境を越えてGeneva大学に打ち合わせに行くというEU予算の無駄遣いまでしておりました(2人以上で行く場合は列車より安いのです)。今考えると贅沢なのですが、当時も贅沢だったようである日突然プロジェクトごとキャンセルになり、プロジェクトメンバは路頭に迷うことになります。もっとも欧米風のリストラを身をもって体験できたのは貴重な経験でしたけど。昔話はともかく、まずはParis開催の国際会議への投稿を狙うことにします。

2003年5月24日 

講演のスライド作りでPowerPointと格闘中普段は新しい研究といっても今までの研究の流れのなかですから、過去の学会発表に使ったスライドを部分的に使い回しができるのですが、今回は内容がいまで研究とはまったく違うので全部新規に作る必要があります。そのうえ1時間強の講演用なので枚数も多く、非常に手間取っております。ところで何人かの方からは鋭い指摘をうけているのですが、当方の発表スライドのデザインだけは10年間ほど変わっていません。昔、Macintosh用のPersuasion、それもAludusがAdobeに買収される前のもの使って学生時代にデザインしたもので、その後PowerPointに移植して現在にいっています。もちろん少しずつ改良が加わっていますけど、基本的なデザインは変わっていない。むしろどんどんシンプルになっています。PowerPointもバージョン3から使っているので結構早い段階で使い始めています。なお、デザインを変えないのは発表の度にデザインするのが面倒というのもあるのですが、同じデザインの方が過去のスライドが使い回せるので楽なのです。もちろん学会発表ならば30分なので新規に作ってもいいのですが、1時間を超える講演だとそうもいきません。どちらにしても、再利用できるのは内容があってこそ今回のスライド作りは再利用が効かずつらいです。

2003年5月23日 

朝から特許書類、査読。夜は浜離宮朝日ホールでPeter Nordahl Trioのコンサート。結構気に入っているピアノトリオなので期待していったのですが、なぜか一曲目のAn American in Parisは伸ばすだけ伸ばして一曲40分以上の長い演奏。聴かされる方は飽き飽き。はんぶんウトウト。いまどきKeith Jarrettだってこんな長くは弾かない。後半のスタンダード曲は短くまとまっていましたし、演奏も良かったので救われました。今回は最前列に座ることになったのですが、間近でみるとコンサートホールでもJazzクラブ的な雰囲気が楽しめます。

2003年5月22日 

打ち合わせで都内を徘徊。それから研究所。新宿のパークタワーで打ち合わせがあったついでにNTT ICCに行ってみたのですが、展示は内容はE.A.T.回顧展。わかる人にしかわからないし、こちらも作曲家のJohn Cageの流れで名前ぐらいしか知りませんでした。おもしろいかというと?ですが、この地味な内容を取り上げたことは評価します。海外も含めてメディアアート系の美術館には結構行くのですが、いまの作品しか展示していないことが多く、歴史的な流れがよくわからないし、作品の方も歴史を無視して奇抜に走るので深みが出ない。英語ではここ1,2年でメディアアートの体系的な教科書が数冊出始めているのですが、それ以外は企画展のカタログ以上の資料がほとんどない。それにしても新宿からパークタワーというか、今回はさらに離れたオペラシティまで歩いたことになりますが、やはり遠いです。普段はOZONE行きに無料シャトルバスにちゃっかり乗ってしまうのですが、待つより速いと思って歩いたが失敗。よくよく考えると地下鉄ひと駅分ありました。数年前はオペラシティにある某社やその隣にある某社に打ち合わせや講演でよくいったのですが、最近はあまり行く機会がありません。ところで、ICCのカフェもそうなのですが、最近、美術館のカフェとかレストランの値段が下がっているような気がするのですが、当方の勘違いでしょうか、それともデフレの影響でしょうか。

2003年5月21日 

朝から会議、会議、それから講演。会議に出るのも仕事なのでいちおう出ますけど時間の有効利用という点ではいささか疑問。もっとも忍耐力がないので10分もたたないうちに飽きてしまうのですが。むかし、授業90分間に出られたことが今更ながら不思議です。もっとも出席率は低かったような気がしますけど。講義する方はしゃべり続けていますから飽きませんが、ただ座って、ノートを取っているというのは耐えられないと思うのです。

2003年5月20日 

昨日引き続き講義。ただし、今日は慶大理工。板書が多いせいか終わるとチョークで真っ白。そのあとはひたすら特許資料書き。ところで、ThinkPad X24は2日目にしてのキーボードのホームポジションの一部のキーの弾性がなくなってしまいました。結果としてキーストロークが短くなったので、薄型のDynabookSSを使っているみたいな感触。またまたキーボードの取り替え作業を敢行。実はまえの同型機種はマウスボタンの弾性がなくなって、耐久性不足はシリーズ固有の問題かもしれません。ところで、とうとう家の近所でもYahoo BBの無料モデム配りが出現しました。情報通信系企業がたくさんいるので、需要はありそうですが。ちなみに某所で伺ったところでは、Yahoo BBは1ユーザーあたりの顧客獲得費用が3.7万円で、そのうちが2.3万円が営業経費、つまり配っている人の人件費などで、1.4万円が無料割引費用分と設定費だそうです。なお、無料モデムは数字が不明なのですが、0.6万円程度でしょう。また、無料をもらって無料期間後の課金ユーザーになる比率は6割だそうです。あるユーザ数を確保すれば黒字化するのでしょうが、本当にやっていけるのかが他人事ながら心配です。こけたらユーザにも迷惑がかかるわけですから、サービスを持続するという点でも採算性は重要だと思うのですが。ところでYahoo BBの無料モデム配りの連中を世間ではパラソル隊というそうですが。分布図を作ったら経済学的にはおもしろいかも。

2003年5月19日 

勤務先の後期博士課程の講義。今ひとつの講義趣旨がわかっていないのですが、まぁこちらは好き勝手を言っていればいいのですが、もっとも聞いている価値があるのどうかは不明。どちらにしてもあと数回は講義をしないといけません。先週から手持ちのDVD-R/RWドライブでDVD-R作っているのですが悪戦苦闘。16日はうまくいったのですが、なぜかメディアを認識せず先に進みませんし、なんどもWindowsがフリーズして、終いにWindowsまでおかしくな`るなど最悪の展開になっています。それにしてもDVDはいくつ種類があるのでしょうか。わけがわからないのでDVD-R、DVD+R、DVD-RW、DVD+RWに対応したドライブを購入したのですが、やっぱりわからない。ハードディスクはここまでは順調に容量を増やしていますが、光ディスク系は容量以前に規格が乱立。あまりメーカの御都合を強いていると、ビデオテープ代わりにTV録画以外に需要がなくなってしまいますし、録画はTV専用DVDレコーダを使うでしょうからコンピュータ側DVD-ROMで十分なのかもしれません。

2003年5月18日 

結局のノートPCを取り替えました。ただしあまり代わり映えはなくThinkPadのX23がX24になっただけ。外見上は区別不能。これでCPUクロックは1GHz超になったのですが、その効果以前に発熱がすごい。ファンからは熱風が出ています。幸いキーボード側に熱が回ってこないのですが、裏面は相当厚くなるので膝の上において使うのは厳しいです。低温やけどになりそう。夏場を越せるかどうかちょっと心配。実はCentrino搭載したX31も手持ちにあるのですが、1G-Ethernetを使ったPCクラスタに使う予定なので当面は高熱PentiumIIIと戯れることになりそう。ところで、一昨日書いたネットオークションに出ているIBMのS/390ですが、今晩サイトを覗く最高入札価格は60万円を超えていました。まぁ純粋に物としての作りはいいので60万円の価値はあるかもしれませんが、置物にして飾るには大きすぎますし、動態保存するには相当な知識が必要です。

2003年5月17日 

学生の頃は論文を投稿すると2,3日放心状態になり、その採否結果が届く日を忘れることはなかったのですが(当時は郵送でしたが)、いまでは数ヶ月たって採録通知がきた頃にはすっかり忘却の彼方にあります。ということで今回も忘れていた頃にVenice開催の国際会議の採録通知がきました。9月だから時期もいいかも。これでイタリアはRoma、Milano、Torino, Firenze、Pisa、Siena、そして今回のVeniceとなるので結構行ったことになるかも。それより問題は当面の論文執筆。今回の国際会議を含めて書かないといけないカメラレディ論文が溜まりつつあります。徐々にピンチ状態に向かっているみたい。何にしても落ち着いて研究をするためには論文を減らさないといけませんし、論文にまとめないと研究でなくなりますから、そのバランスが難しいです。どちらにしてもしばらくは論文を書かずにひっそりと研究していたい心境です。

2003年5月16日 

ノートPC(ThinkPad X23)のキーボードがだいぶ痛んできたので、キーボードだけ新品に取っ替え作業を敢行。仕事柄キーを打つ量が多いのでしょうか、半年も使うと柔なキーボードだと壊れます。それも押す回数の多いキーから。今回は壊れたところまではいっていませんが、マウスの右ボタンに相当するボタンと一部のキーの弾性が弱くなってしまいました。ちなみにそのキーはAボタンの隣にあるCaps Lockキーなのですが、なんでCaps Lockキーが頻繁に押されるのかはわかる人にはわかると思いますが。何にしてもこんな調子だとキーボードだけバラで買えるメーカに限定されてしまうのが悩みの種です。もちろん開封したすぐに英語キーボードに変えるので、PCを購入する前に英語キーボードだけ発注する始末。ところで知り合いに教えてもらったのですが、IBMのS/390一式がヤフーオークションで売りに出ています。S/390といえば6,7年前のIBMの主力メインフレームです。当時は数千万円でしょうか。それが当方がオークションサイトを覗いたときは5,750円が最高入札価格。超破格です。それから、当時のIBMキーボードはなかなかいいです。ただし、出展者の注意書きによると個人宅に入る大きさではありません、また床が抜けます、などと書かれております。確かにそうです。興味本位で買ったらたいへんなことになります。ただ、これを教えてくれた知り合いは本当に買いそうだから怖い。彼はSunやNeXTの古いワークステーションを買い集めて、その置き場のためにわざわざアパートを借りています。

2003年5月15日 

何とか論文を書いて投稿。出先で送ったのですが、論文に写真を入れてしまったためPDFなのにファイルサイズがとうとう2MBを超えてしまい、32kbpsのAirH"では送信に時間がかかりました。綱渡りの生活が続きます。それにしても数年前までは200KBを超えることはまれだったのに。そのうえファイルサイズの増加に比例して、論文の質も上がっているかというと疑問なところも悲しい。ところで、相次いで香港と中国で開催する国際会議の関係者から論文が集まらないのでというメールが来たのですが、IEEE系の会議ですから締め切りを2回伸ばしても絶対的に論文数が少ないそうで、特に欧州から投稿は全滅に近いみたい。やはりSARSの影響は大きいです。確かに自分が行くのは自己責任でいいのでしょうか、学生とか部下を行かせるのは気が進まないでしょうし、止めると思います。ただ、SARSは関係なく今年は海外出張を減らして実装していたいです。なお、投稿こうした論文も論文誌用であって国際会議ではありません。

2003年5月14日 

打ち合わせと会議の一日。ところでSONYが携帯ゲーム機を明日発表するそうですが、今回は事前情報を聞いていませんでした(関係者へ)。別段興味ないのですが、一足先に発表された技術資料だけ拝見。MIPSコアのプロセッサから主記憶、グラフィック、サウンドなどのもろもの周辺回路もワンチップ化、それも90nmプロセスケールで作るとなっていますが、このクラスのチップを大量に作れるFabは世界的にもそうは多くないと思うのですが、どこで作るのでしょうか。技術的にも謎がいっぱい。3DサーフェスモデルにNURBSを使うというのですが、そもものNURBSはCADのように高精度かつ大規模3次元データ向けの手法であり、ゲームに限らず通常のCGでも使わないはずで、まして携帯ゲーム機のように小型画面(480x272-液晶)にはいらないような気がするのですが、なにか野望があるのでしょうか。どちらにしても3Dグラフィックに相当思い入れがあるようです。あと気になるのはリコンフィギュアブルDSPという記述があるのですが、まさかFPGAを組み込むつもりなのでしょうか。また、グラフィックエンジンでMPEG4に対応となっていること、MPEG4の特許問題は別にして携帯ビデオプレーヤとして売るつもりでしょうか。SCEは知り合いが多いので怒られそうですが、前回のPS2にしてもアーキテクチャが複雑かつオーバースペックで、どうも詰め込むだけ詰め込んだという印象があるのですが、今度はどうなるのでしょうか。むしろ携帯電話機向けに初代PS互換チップでも開発した方が面白いと思いますし、持ち歩くには値が張りそう。国内のお子様のようにお金持ちならば買えるかもしれませんが。もっとも携帯電話代に吸われているので可処分所得は意外に少ない可能性は高いかも。まぁ、どちらにしても明日には現物が発表されるそうですから、それを見てから評価をすることにしましょう。

2003年5月13日 

慶大矢上で講義、慶大三田で講演。三田の方は計算理論関連セミナーに呼ばれたのですが、理論系で話すのは何年ぶりでしょうか。実は理論研究者を目指した時期もあったですが、今では地を這うような実装ばかり。理論もそれはそれで面白いと思うのですが、しばらくはシステムプログラミングを続けることになりそうです。数式などきれいな世界にあこがれがないわけではないのですが。それにしてもどうして理論研究と実装研究を分けたがるのでしょうか、どちらも一方だけではうまくいかないはずで、ステレオタイプで捉えるよりは両者の融合を考えた方がいいのに。実際、フランスの大学では博士課程で理論と実装の両方の研究を学位の条件にしているところがありますが、センスのいい研究者を育てるという点では正しいように思います。それにしても国内では理論と実装以外にも、通信、OS、プログラミング言語など研究分野で研究者にレッテルを貼りたがる。もちろん専門分野の深化を深めるという点ではいいのかもしれませんが、そろそろ止めて欲しいです。

2003年5月12日 

今週は論文締め切りが2つ重なっているのに、某論文誌の最終稿の確認依頼まで来る始末。そのうえ書類書きもあって収拾がつかなくなっています。ところでこの最終稿はいささか事情があります。以前、知り合いとテレビで黄金伝説とかいう番組に感化されて「研究者も何か伝説を作ろう」ということで、考えついたネタが「人は年に何本一つの論文誌に論文が掲載できるか」というものだったのですが、一年を続けられない当方は簡単な目標として「人は半年に某論文誌に何本掲載できるか」に勘弁してもらって、早速単著論文5本を投稿。なかなかうまくいかず去年の11月から3月までに掲載された論文は3本が限界でした。実はこれ以外にも共著論文2本が掲載されましたで、合計5本掲載ですけど。今回の最終稿はその間に合わなかった単著論文の一本。掲載は6月号だそうです。ところで、もう一本の単著論文ですが、採録になっているのですが、掲載はさらに遅くなりそう。世の中そんなにうまくいかないことを実感。でも、よくよく考えるとその某論文誌の編集委員でしたから、怒られそう。それに査読者の方にはお手間をかけるわけですから申し訳ないです。

2003年5月11日 

深夜の地震で積んであった論文の山が崩壊・散乱。ただ復旧する際にその論文を読み始めてしまい、結局徹夜状態です。ところで某新聞にNTT株売却益で設立した官民共同の基礎研究事業の収支が出ていました。出資金約2880億円のうち96%が損失になっているそうです。事業体によっては内容よりも金にものをいわせた研究をしていたところもあったので、まぁ予想されていた範囲内の数字ともいえるのですが、さすがに考えさせられたのは特許えられた収入は25億円だったということ。これから国立大学なども独立法人化されるわけですが、この基礎研究事業で設立した事業体よりも基礎研究比率が高いので採算性は想像するまでもありません。このままでは第3セクタのように助成金で生きをつなぐ状態になりそうです。当方の勤務先も組織的には国立大学のようなところなので国立大学と同じ時期に同じように独法化になりますが、さてどうなるのでしょうか。明日は我が身です。

2003年5月10日 

一昨日になるのですが、P社からDVD-ROM&CD-R/RWドライブ+12inch液晶搭載で1.29kgのノートPCが発表になっていました。ただ、このノートPCはどうでもよく、むしろ気になるのはノートPCに載されているDVD-ROM&CD-R/RWドライブの方。P社の報道資料をみるとドライブの重量が99gになっています。トレーが省かれる部分が結構多いとはいえその程度の重さに収まるのならば、ノートPC のほとんどがCD-R/RWドライブを搭載することになりそう。100gの違いでCD-R/RWドライブ付きモデルとドライブなしモデルがあったら前者を選ぶ人が大多数でしょう。ちなみにCDドライブなしのノートPC が売れるのは国内ぐらいで海外では極めて少数派だったりします。ところでノートPC発表に報道資料にわざわざ部品であるドライブの重量を書くのは珍しいのですが、おそらくこのドライブはP社直系の○○寿電子社のものだと思われるので、ノートPCよりもドライブを他メーカにOEM供給する方で稼ぐつもりなのでしょうか。普段携帯しているI社のノートPCは同じ12inch液晶ですが、CD-R/RWドライブはないのに重量は1.64kg(現行モデルだと1.65kg)。そのうえカタログスペック的にはP社のマシンの方がバッテリ持ちは1.7倍ぐらいいい。まぁ軽くすればいいというものではないのですが、やっぱり差がありすぎ。

2003年5月9日 

なぜか一日に2つの国際会議からプログラム委員の着任依頼メールが来ているのですが、それが申し合わせたように会議の開催時期が同じ。そのうえすでにプログラム委員を引き受けた別の国際会議とも同じ時期。去年は査読論文数が100本を超えるような事態になったので今年は極力お断りする方針で、今回は同じ時期の別の国際会議の委員というのを口実に断りのせっせとメールを送ったのですが、結局一勝一敗。なかなかうまくいきません。ところでちょっと気になることを一つ。なんとか今日の夕方回復したそうですが、昨日からジャパンネット銀行のシステムダウンが話題になっています。こちらは口座を持っているわけではないで無関係なのですが、当方の記憶正しければ同銀行は勘定系までUNIXサーバで組んだ初めての国内銀行のはず。このため今回のトラブルは国内のメインフレーム信仰者にいい口実をあたえることになりそう。もちろんメインフレームとUNIXサーバ系はそれぞれメリットとデメリットがあり、単純に優劣はつけられないのですが、世界的にみても国内市場、特に政府系ほどメインフレームがいまだに売れている市場はありません。どちらにしても今回の騒動で国内のメインフレーム信仰の延命に一役買いそうです。それにしても去年のみずほ銀行といい、F社が構築に関わったシステムではいろいろ騒動が起きているようですが、ただの偶然なのでしょうか。それにしても先週の社長・会長人事といい、F社はいろいろ話題を提供してくれます。

2003年5月8日 

技術的な話題ですみません。ここ一週間ほどせっせとJavaのプログラムを書いているのですが、実行系であるjavaコマンドの動作設定に迷って、JDK1.4.1のリリースノートを眺めていたら、仮想マシンに-XX:+UseConcMarkSweepGCと-XX:+UseParallelGCというオプションを発見。JDK1.4.1から仮想マシンのGarbage Collection (GC)アルゴリズムが選べるようになっていたのですね。もしかして有名だったのでしょうか、リリースノートには情報があってもコマンドマニュアルには記載がなく、今まで気づきませんでした。それ以前の仮想マシンでもMark-and-sweepとIncrementalアルゴリズムが選べましたが、Concurrent GCとParallel GCもサポートかつ選択可能になっているようです。まぁ、Parallel GCは並列マシンでなければ使ってもしかたないのですが、Concurrent GCは使えるかも。作成するプログラムはメモリに余裕がある状況なので、通常のConcurrent GC と同じで動作ならば性能測定のときのバラツキが減る可能性があります。ということで現在実装中のプログラムで早速実験。ただ残念ながらあまり差が出ず、いまひとつよくわかりませんでした。もちろんわざにヒープメモリ領域を絞ればいいのかもしれませんが、普段と違う実行環境で実験してもベンチマーク屋ではない当方には意味ないので今日の実験はひとまず終わり。中断した本当の理由はこの発見から実験までがすべて電車内の出来事であり、その電車が降りる駅に着いてしまったからですけど。ただ、電車内でプログラミングしているだけでも変な人と間違えられるのに、ベンチマークとかしていると完全に変な人扱いになります。

2003年5月7日 

勤務先で特許書類と事務書類の作成。ところで、某社からIntelのItaniumプロセッサの搭載マシンを貸してもいいという連絡がありました。結局、貸出時期とOSの問題があり、時期を変えてお願いすることになりましたけど。それで考え込んでしまったのが、64-bitプロセッサの使い道。科学計算やデータベース以外の使い道をさがしているそうですが、そんなこと聞かれても困っています。この依頼が来たときはJSPPやSASICSなどの並列・クラスタコンピュータ系の会議のプログラム委員を結構しているのでその関係で製品評価を依頼しているのだと思ったのですが、どうも違うみたい。なぜかその担当者は当方がItaniumを評価していないことを知っているし、まさか、このページでItaniumの悪口をさんざん書いたからでしょうか。なおItaniumを嫌っている理由は、ItaniumというよりそのVLIWアーキテクチャが嫌いで、VLIWを嫌っている理由というのは学部3年後期の期末試験だったと思いますが、VLIW 最適化に関する問題が出て苦労したからかも。それは別にして、もちろん技術的にもItaniumにはいろいろ意見がありますけどね。

2003年5月6日 

連休明け早々打ち合わせの一日。その事前連絡をメールでやっていて気づいたのですが、ここ数年は会社関係の方からも連休中に業務メールが飛び交います。ネットワークが発達して自宅で業務メールの読み書きできるようになったわけですが、いいんだか悪いんだか。少なくてもIT技術では幸せになれないことはたしかなようです。ところで、Peer-to-PeerのゲームでPalmが特許侵害で訴えられているそうです。特許を直に見ていないのですが、要はPDAに相当するものを無線ゲーム端末と定義して、その端末によるサーバーレスによるゲームは特許に抵触するというのが言い分らしいのですが、そんな何でもありの特許が有効になったらゲームだけでなくPDA業界は死活問題ですし、Peer-to-Peerやアドホックネットワーク関連の研究者は食べていけなくなりそう。もちろん学術研究の場合は営利が伴わないので訴えられる可能性は少ないのですが、それでも研究としては非常にやりにくくなります。実は最近は論文サーベイだけでなく、米国の特許庁のウェブページの確認まですることが多くなり、情報系の研究はやりにくくなっています。実は数年前に某大手ゲーム会社に当時まだ発売前だったARMプロセッサ搭載のゲーム機を見せてもらったことがありARMならば無線LANも制御できるのでPeer-to-peerベースゲームもできそうですねと聞いたら、特許があるとかなないとか話していたのですが、この特許のことかもしれません。なお、ゲーム機がよくわかっていない当方はそれがすごいリークだったことも気づきませんでしたけど。

2003年5月5日 

プログラミングはいったん中断して、論文執筆・投稿。なんか一日中AdobeのIllustratorの格闘していたという感じ。昔、理論系の研究をしている頃は論文に図版をいれることすらなかったのですが、最近は論文に10枚以上の図版を用意する事態になっています。それにしてもIllustratorは機能が多すぎで使いにくい。プロデザイナー向けのドローイングソフトウェアを使う方がいけないのですが、PowerPointぐらいの気楽さでまともなPostScriptが書き出せるツールはないのでしょうか。Macintosh の方はMacOSXの関係でver.10を使うしかないのですが、Windowsの方はIllustratorをver.7あたりにバージョンダウンした方がいいのかもしれません。それと図版が多数・複雑になるとPostScriptに変換するのやたらに時間がかかり、今回の論文では2日に撮った写真を数枚を組み込まれているのですが、やはり写真の変換には時間がかかるようでやたらに1分以上がかかっています。ところで常時携帯しているノートPC(ThinkPadX23、Pentium3-866MHz)の遅さに耐えきれず、ソフトウェア開発用のノートPC(ThinkPad-T30、Pentium4-2.0GHz)に切り替えたのですが、TeXのdviファイルからPostScriptファイルへの変換に限っては15%ほどPentium3の方が速いという予想外の結果に。実はPostScript変換はメモリも食ってキャッシュ効果が少ないし、そのうえ整数計算がばかりなのでPentium4マシンには不向きなのかもしれません。それにしても、いくら同じクロックでは旧型Pentium3に勝てないPentium4ですが、クロックが2倍以上あるのに負けるのはちょっと問題。ちなみにハードディスクは同じ型番のドライブですし、メモリも640MBを超えているので、仮想記憶の影響は非常に少ないはず。でも、これでは携帯用ノートPCをPentium4ベースのPentium-Mマシンに移行するよりPentium3マシンを使い続けた方が、論文執筆という目的にはいいかもしれません。因みにそれをやっていて思ったのですが、PostScriptのコードは構造化されているので、PostScriptへの変換作業はクラスタリングで並列処理向きかもしれません。さてさて、徹夜というか時間を無視してプログラミングしていた関係で、1.5日ぐらいしか経っていないという感覚なのですが、3連休は終わってしまいました。連休といっても仕事していたわけだから休みという感覚もないですが。

2003年5月4日 

今日もというか2日の夜からずーっとプログラミング中。そろそろ文法ミスなどのケアレスミスが目立ってきたので寝ることにします。もう5日の朝方だし。それと明日は投稿論文も仕上げないといけない。ところで、メールはひとまず読んでみたのですが、スパムメールばかり。特に週末になると一気に増えるようです。中にはスパムメール撃退ソフトウェアを宣伝するスパムメールまでやってきます。確かに宣伝媒体としてはいいかもしれませんが、マッチポンプ状態なので宣伝効果は不明。でもこれってうまくやるといい商売かも。

2003年5月3日 

プログラミングに手間取っています。正しくは原因不明の動作不良に頭を悩ませる日々。実は3日前には動いていたのでますます悩むことに。低レベルの入出力が絡むとdebuggerで対処できる世界ではなく、ひとすら試行錯誤。それから昨日からメールを読んでいませんでした。実はその動作実験の関係でメールを読み書きするノートPCも含めて手近のコンピュータにはEthernetから無線LANまでマシンにさせるだけのネットワークカードをさしたうえに、マシンにローカル固定アドレスを割り当てたのでインターネットに接続できなくなっています。

2003年5月2日 

論文用に機材と実行画面をデジタルカメラで撮影。今回はビデオ用三脚を投入したのですが、撮影対象となる機材が調子が悪くて断念。一昨日はちゃんと動作していたのにどうなっているのでしょうか。実は社員がノーベル賞をもらった会社の機材なのですが、試作品を提供してもらったので不安定なのは仕方ないです。デジタルカメラといえば先月末に発売直後のデジタルカメラIXY Digial 400を手に入れて、早速メモ代わりに持ち歩きはじめたばかりなのですが、もうSD100という新製品が発表になったそうです。米国だけで国内はまだみたいですけど。でも製品よりも仕様が要注目です。というか、この新製品はフラッシュメモリカード戦争の終焉を意味する可能性があります。この新製品ですが、従来のIXY Digitalよりボディが一回り小さくなっているのですが、フラッシュメモリがCFカードではなくSDカードになっています。キヤノンといえばデジタルカメラ業界では一角を占める企業ですし、フラッシュメモリとしてCFカードを使い続けてきたのですが、、そのキヤノンがSDカードに踏み切るとなるとフラッシュメモリの勢力図に大きな影響を与えます。実はキヤノンのSDカード対応は兼ねてから噂にはなっていましたが、思ったよりは早かったです。これでデジタルカメラは高級機種はCFカード、低価格機種はSDカードという棲み分けになり、少なくてもxD-Picture (Smart Media)とMemory Stickの先はなさそう。むしろ、今後はxD-pictureやMemory Stickのカードを使っているメーカがいつまで続けられるかが焦点になりそう。あまり面子にこだわっているとメモリ規格だけでなくメーカ自体にも致命傷を与えることになりそう。

2003年5月1日 

論文の締め切りが延びたことをいいことに徹夜でプログラミング中。ひとまずJava言語で書いているのですが、非ブロックネットワーク処理で手間取っています。そんな処理をJavaで書く人は普通いないのでしょうけど。それにしてもJDK1.4のNIOまわりのAPIは実装が甘いようです。それと実装しながらNIO APIを眺めているとアドホックネットワーク向けの機能拡張が多いことに気づいたのですが、なんか思惑があるのでしょうか。ところで現実逃避でIPv6に対応できるようにしてみたのですが、今度はアドレス取得がうまくいきません。どうもWindowsかWindows用のJavaの問題のような気がするので、明日はOSをかえて再度実験です。もしかすると日頃からIPv6をさんざんけなしているので、そのせいかもしれません。やっぱりIPv6は嫌いです。

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Ichiro Satoh

Ph.D, Associate Professor
National Institute of Informatics

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