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もともとは研究用ソフトウェアの開発履歴に関するページだったのですが、開発関連よりも雑談の方が多くなったので、2001年分から別のページを用意することにしました(過去のページの一覧はこちら)。リンクは勝手にしてください(でもリンクしたい人なんているのでしょうか)。それから海外出張の写真一覧はこちらにのせてあります。筆者のプロフィールはこちらです。SNSは苦手なのですが、Twitterもはじめてみました(ichiro_satoh)。なお、このページはRSSに対応していませんが、外部のを使うとRSS購読もできるそうです(当方は関知していません)。下記はあくまでも個人の意見であり、組織を代表するものではありません。

2015年9月29日

ベルリン国立歌劇場StaatsoperのオペラWeber作「魔弾の射手(Der Freischutz)」。といっても国立歌劇場は改修工事中なので、西ベルリン(それも用務先近く)の劇場で観劇。「魔弾の射手」は2008年4月に初台の新国立劇場で観ており、これは二回目。Wagner的なドイツオペラにつながる作品であり、世界観や合唱などがWagner的な要素が散見されます。正しくいうとWagnerが影響を受けたというべきなのですがね。さて配役ですが、Max役テノール歌手Michael Schade、Agathe役はソプラノ歌手Anna Samuil、その従姉妹のÄnnchen役がソプラノ歌手Anna Prohaska、Kaspar役がバリトン歌手Falk Struckmann、隠者役がバス歌手Wilhelm Schwinghammer、領主Ottokar役がバリトン歌手Alfredo Daza、指揮はAlexander Soddy。さて出来ですが、舞台は凝っているのですが、終始、変化がなく、演出も単調だったのが残念ですが、演奏は弦楽器の出来はよかったです。歌手はAnna SamuilとAnna Samuilの出来はよく、続いてMichael Schadeでしょうか。歌手のうち、Falk Struckmannは2007年にウィーン国立歌劇場でワグナー「Parsifal」でAmfortas役できいていて、好印象だったのですが、今回は配役もあり目立たなかった感じ。

2015年9月27日

Deutschen Oper Berlinで、プッチーニのオペラ「トゥーランドット(Turandot)」を観劇。作曲のプッチーニが完成直前になくなったこともあり、後半は上演時にいろいろな解釈されがちな演目。例えば劇中劇という設定してしまった上演(新国立劇場)という斬新な解釈もありましたが、今回は最後にカラフとトゥーランドットがそれぞれの父親を刺し殺すという内容。その解釈はありなのか。さて配役はTurandot役はソプラノ歌手Erika Sunnegardh、Calaf役はテノール歌手Roy Cornelius Smith、Liu役はソプラノ歌手Martina Welschenbach、Timur役はバス歌手Albert Pesendorfer、Altoum役はテノール歌手Peter Maus、Ping役はMichael Adams、Pang役はJörg Schörner、Pong役はMatthew Newlin、指揮がIvan Repusic。ともかく演出と舞台がお世辞でもいいとはいえず、客入りもいまひとつ。そもそもPing、Pang、Pongはカーデガン姿の不通の叔父さんだし、Liu役は刺繍入りのジャンバーを来た不通のお姉さん。名アリアを歌っている横で、他の歌手が不必要に動くので歌に集中できない。ただ、歌手の出来はよく、特にLiu役のMartina Welschenbachのできがよく、続いてErika Sunnegardh、Roy Cornelius Smithという感じ。演奏は目立たず、しかし要所は決めている感じでよかったです。

2015年4月13日

こちらの記事によるとインテルのアルテラ買収交渉が決裂したそうです。この決裂は半導体業界に全体に影響しかねない。というのはムーアの法則の終焉を意味するから。

半導体微細化とともに製造設備の高くなり、14nmプロセスの半導体工場の場合、1兆円近くかかるはずで、その投資ができる企業はインテルを含めて、2,3社と少ない。ただ、高額な設備を償却するには相当な生産枚数が必要で、14nmの向上の場合、月産100万枚は必要となるはず。インテルはPC向けプロセッサでは寡占状態とはいえ、PCの需要だけでは、月産100万枚の供給力を使い切れない。一方で、半導体は枚数や回路の特性で、半導体製造上の様々なパラメーターをチューニングするので、多品種少量生産は簡単ではない。そこでインテルが考えたのは、FPGAでは、その最大手となるアルテラを買収して、FPGA製造で生産設備の稼働率をあげることだったはず。ただ、これは落ち着いて考えると本末転倒な事態で、過剰生産設備を活かすために製品を増やすわけで、健全とはいえない(このため、インテルの株主から買収反対圧力がかかった可能性が高いと勝手に予想しています)。

そもそも今回の買収話は、先端の微細半導体の場合、生産設備のコストに見合う需要がないことが意味します。半導体業界の雄ともいえるインテルですから、さらなる微細化の設備投資がむずかしくなることとなり、今後、半導体微細化の流れは遅れる、または止まってしまう、つまりいよいよムーアの法則の終焉につながっていきます。

そして考えないといけないのは、半導体の微細化が止まる、つまりムーアの法則が終焉したとき、コンピュータとその業界がどうなるのかです。

2015年3月24日

Niceの歌劇場で、ロッシーニのオペラ「セミラーミデ」(Semiramide)を観劇。あまり上映されることがない演目で、当方も観るのははじめて。出来ですが、一言で言うと、ニースの歌劇場を嘗めていました。歌、演奏、演出のすべてが非常に高水準。主役となるSemiramide役はソプラノ歌手Joanna Mongiardo、行方不明だった王子様Arsace役がメゾソプラノ歌手Kristina Hammarström、敵となるAssur役がPaolo Pecchioli、神官Oroe役がZiyan Atfeh、インドの王子様Idreno役がDaniele Zanfardino、Azema姫役がClaudia Sorokina、軍人Mitrane役Frédéric Diquero、指揮はGeorge Petrou。Joanna MongiardoとKristina Hammarströmが非常にいい出来。Paolo Pecchioliは難度が高そうな歌をうまくまとめておりました。また指揮のGeorge Petrouはいいですね、ニースの歌劇場を聞くのがはじめて、オーケストラの実力がわからないのですが、非常にうまくまとめていました。「セミラーミデ」はほとんど上演されない演目なのですが、その理由はArsace役がセミラーミデ歌手を使うことを想定していたからかと思ったのですが、それ以外に、歌自体の難度が高そうで、特にAssur役とArsace役は歌うこと自体がたいへんで、クオリティを維持するのが難しかったのでしょう。

2015年1月18日

MSはWindows 10を無償配布するそうですが、MSにとってはOSライセンス販売は大きな収益源であり、別の収益源にあてがなければ踏み切れない判断。R.Ozzie時代には広告収入のビジネスモデルを模索したようですが、今回はOffice 365をはじめとするサービスの利用料でしょうか。そうなると無償OSを呼び水にして、MSの各種サービスをユーザに使わせるというビジネスモデルを指向してくるはず。さてその場合ですが、サービスの種類を増やしてくるでしょうから、オフィスまわりでも、個人まわりでも、サードパーティのちょっと便利なサービスを、MSが提供・横取りしていく展開が予想され、ITのサービス化に関わるビジネスは新しい段階に入ることでしょう。

2014年11月14日

帰国のため、往路と同様にヒースローエクスプレスで空港に向かう。このページはもともとAgentSpaceというモバイルエージェントのシステムの開発履歴情報ページだったのですが、久しぶりにアップデート。そもそも1997年に最初のバージョン、その後、2005年ぐらいに大幅に更新したのが現在のバージョンですが、当時はIPv4が主流、いまはOS設定のデフォルトがIPv6になりつつあり、遅まきながらIPv6に対応させることにします。ということでテスティングを含めて、復路の飛行機で終わるといいのですが、意外にもIPv4依存になっている部分が多い(特に一部に配布されているマルチキャスト対応版は変更が本質的になりそう)。特にエージェントの識別子生成がIPv4依存になっており、ここを変えると他にも変更が及ぶことになります。また、悩ましいのはIPv4とIPv6の環境が動的に変わるケースに対応させるか否か。IPv4からIPv6は簡単なのですが、逆は難しい。

2014年11月13日

午前はカタパルトセンターという、英国政府の組織に伺い、午後はUCLでワークショップ。デモを失敗する。原因がIPv4とIPv6の切り替えの問題。直した方がいい問題なので、要対応。夜もUCL関係者とディナー。

2014年11月12日

午前はOpen Data Instituionという英国政府が作ったオープンデータの促進組織に伺う。午後はウェストミンスター地域の官庁街で、日本でいうとJETRO相当の組織でプレゼン。

2014年11月11日

BBCに行った後、Cambridge大学。Trinity Collegeの伝統ある校舎でワークショップ。ところで期せずして、同大学の古い友人と再会して、彼の家に招かれてディナーをご馳走になる。彼も偉くなったもので、驚くやら、うれしいやら。

2014年11月10日

二週続けてのロンドン出張ですが、二回目出張の1日目は英国政府の、日本だと内閣府総合学術会議相当の組織(BIS)に訪問して、いろいろ議論、それからImperial Collegeでプレゼンと議論。夜の自由時間はロイヤルオペラハウスで、モーツァルトのオペラ「イドメネオ」を観劇。配役はイドメネオ役をテノール歌手Matthew Polenzani、イダマンテ役のソプラノ・カストラート歌手Franco Fagioli、イリア役をソプラノ歌手Sophie Bevan、エレットラをソプラノ歌手Malin Bystrom、アルバーチェ役をテノール歌手Stanislas de Barbeyrac。指揮はMarc Minkowski。全体として無駄な演出が目についたことを省くと、歌、演奏ともに非常にいいできした。珍しくソプラノ・カストラート歌手を使ったわけですが、女性ソプラノ以上に女性的な声で舞台を観ていないと誰が歌っているのかがわからなくなるほど。舞台セットは回転舞台をフルに使った構成でしたが、切り替わる舞台がよく似ていて単調でしたし、演出自体が静的なので、舞台装置を生かし切れているとはいいにく。「イドメネオ」はインターバルを抜いても3時間以上の長い演目ですが、集中して観られたのは、オペラ自体の出来と、歌と演奏でしょうか。イドメネオはモーツァルトの初期のオペラ作品ですが、こうして聴いてみるとよく出来ていますね。ちなみに前回、イドメネオを観たのは新国立劇場の2006年プレミア演目でした。8年前だと覚えていない。

2014年11月9日

ANA便で羽田からロンドンに飛ぶ。宿泊先のホテルがウォータールー駅の裏なので、いつもの地下鉄ピカデリー線は使わずに、ヒースローエクスプレスを使ってみる。地下鉄だと市内まで50分以上かかるのにヒースローエクスプレスだと15分。ただし地下鉄は5.7ポンドですが、ヒースローエクスプレスは21ポンド。お値段も4倍になります。

2014年11月8日

ANA便でミュンヘンから羽田に飛ぶ。ミュンヘンでは5時間以上のまち時間となり、市内に行こうかと思いましたが、明日も欧州出張なの体力温存するために空港待機。

2014年11月4日

OECDの部会に出席。内容は書いていいのかはわからないので書きませんが、イギリス主導という会議ですが、イギリス、スペイン、スイス、ノルウェー、イスラエル、アメリカ、メキシコ、南アフリカ、日本からの代表者が議論するわけで、それぞれの立場もあるし、代表者それぞれもいろいろな考え方、バックグランドがあるわけで、今回はFace-to-faceで会うのは初回なので、それぞれの意見の違いがわかっただけはいいかも。

2014年9月27日

飛行機で映画「ドラえもん」を見た。周囲では評価が二分していた映画でしたが、見た印象は、これほど観客に補足を要求する映画も珍しいのでは、というものでした。よくも悪くもドラえもんのストーリーをかき集めているために、ストーリーとしての整合性に欠けているのですが、でも理解できるのは、観客が「ドラえもん」の知識、特に「のび太」の将来も知っているからがあり、その知識による補足が必須なようです。実は個人的には「ドラえもん」は漫画もテレビもあまり見ていない(理由は「のび太」を見ていると腹が立ってくるから)。

さて書きたかったのは映画の批評ではなく、映画で描かれる「未来」について。一言でいうと高度成長期的な未来感(20世紀的な未来感というべきか)なのです。当方自身も20世紀的な未来感に囲まれた育ったわけで、映画で描かれる「未来」を見た印象は懐かしいという感覚。映画でも絵が描かれるぐらいですから、同様の未来感を持っている人は多く、その意味では未来感が共有化されていたいえます。しかし、自動車が空を飛ぶような20世紀的な未来感は、当時、未来であった21世紀になったいま、その未来感は実現していないし、将来も実現する気にはなれない。

研究ではある程度、未来を予測して、その未来に必要となる技術を研究していく必要があります。しかし、20世紀的な未来感のような、多くの人が共有されるような未来感はなく、むしろ目の前の課題を解決することに注力しているのが現状なのでしょう。正直言って、つまらないわけですがね。

2014年8月29日

今日は入試。試験といっても面接なのですが、その面接では学生さんを入学に値するかを知るための質問はすごく難しい。ただ、よくない質問というのも典型例があります。その一つは知識を問う質問。これは誤解されるので、真意を説明しておくと、企業ならば即戦力が求められますが、大学院の入試というのは後期ならば3年後、5年生ならば5年後に博士がとれるのかを見るのが最重要。だから知りたいのは受験生さんの現時点の知識ではなく、その受験者が3年後または5年後にどれだけ知識を高められるかを見極めるべき。逆にいうと、入学させて失敗したと思うのは、入試時点に知識は豊富でも、入学後に伸びない人の場合。また知識に関しては、面接教員が知らないことでも、受験者は知っていることもあるわけで、その意味では受験者が知っていることは聞き出す方がまだいい。しつこくいいますが、「伸びる人材か否か」が重要。ジャンプで高いところに手が届くようになるには、そもそも高いお立ち台に立って、ちょっとジャンプする方法と、低いお立ち台でも、ジャンプの飛躍力が高めれば手が届くこともある。どちらでもいいのですが、前者は別に大学院に行かなくてもいいわけです。結局、飛躍力が大きくなれる余地を高いことが重要となります。

あと重要なのは説明がうまいか否か。博士をもつ研究者というのは、大学ならば授業がありますし、企業においても研究開発プロジェクトを率いることが求められます。そのためには自分とは違う分野、自分よりも知識がない人に、技術的な課題は何か、その課題の解決には何をすべきなのかを説明しないといけません。だから、技術的に難しいことをわかりやすく説明できるか、少なくてもわかりやすく説明したいというモチベーションがあるかをみます。もちろん、技術的な難しいことを理解・発展させるのがうまいけど、人に説明するのが下手という方もおられますが、数学のように一人で考える分野ならば別でしょうが、プロジェクトベースで研究開発する分野には企業でも大学でも研究者に向かない。

あえて受験者が知らないことを聞くことがあります。一つ違うと圧迫面接になるのですが、質問の意図は知らないことに対してどう反応するかを見ます。個人的に研究者として一番大切なことは「知らないことには知らない」といえることだと思っています。ここで虚勢を張って知らないことに確信犯的に「知っている」とこたえる方は合格させるべきではない。というのは一緒に仕事をした場合、その人の虚勢のために大きなトラブルや事故につながるから。

また困るのは本人も知っているか知らないかを認識していないタイプの受験者。当該分野に関する知識が曖昧だと、自分の知っている範囲と知らない範囲の線を引けない。こうした方は入学後も伸びないケースが多いように思います。というのは勉強は自分自身が知っていることと知らないことを分けることが第一歩で、その次にその知らないことを書物や人から学ぶことのはず。でも、その範囲に線が引けなければ、自分は何を知らないかわからないので、そもそも何を学ぶべきかがわからないはず。面接担当が望んでいる答えは「○○は知りませんが、当方が持つ××の分野の知見から類推して答えますと・・・」という回答される方なのですが、これは本当に少数だし、その類推が的確な方は安心して合格判定できます。結局、研究は一人で大きく進められることは少なく、多くの場合、他の方々の成果を足し合わせた土台にて、ほんの少し前進することだから、他分野の知見で考えられる方は、研究の土台を大きくできますから、人より先に行けます。

2014年4月10日

最近、ビッグデータとオープンデータの二つのバズワードを並べたシンポジウムやセミナーをみかけるのですが、どちらもデータというキーワードがついていても、両者は究極的には相反するように思うのです。ビッグデータはデータ分析に注目が集まっています。確かにいまのマシンパワーで大量データを処理しようとしたら、データ特性や分析目的に応じて処理手法を選ぶ必要がありますが、マシンパワーがあがれば力業でできる部分も多くなるし、マシンパワーは長期的には安くなっていく。そうなるとビッグデータの価値の源泉はデータそのものになっていく。究極的にはデータの売買が大きな収入源になっていくはず。一方でオープンデータは、結局のところ、(行政機関が保有する)データの無償公開であり、ビッグデータにおけるデータ販売価格を下げる要素になっていく可能性が高い。だからといってオープンデータに意義がないというつもりは毛頭なく、ここでいいたいのはビッグデータとオープンデータの関係。

2014年4月9日

Microsoft様が発表したWindows XPを使い続けるサービスですが、(1)すべてのセキュリティ更新プログラムを適用する(4月9日に公開された最終版は今後1年は提供)、(2)セキュリティ製品(ウイルスチェックソフトの定義ファイルなど)も最新の状態にする、(3)インターネットから切断する、(4)USBメモリなど、感染源となる外付けメディアの利用を停止する。の4つのお願いがあるそうです。でも率直な疑問としては、インターネントから切断するとセキュリティ製品のアップデータはできないし、仮にインターネントを切断しておいて、USBメモリにアップデータとコピーしておいて、それを介してアップデータを写すことも、USBメモリなどの感染源のメディアを利用するなとあります。不思議だなぁ。

2014年4月1日

消費税アップに向けて、情報システムが遅れていることがあるというのを、こちらに書いたこともあり。数人から、予想が当たりましたね、いわれるわけですが、書いた本人はシステムトラブルが出ないことを祈って書いたので複雑な心境。さて、いなげやのケースは開店にこぎ着けた店もあるようですから、店側のシステムの更新に不備があったのか、スーパー全体の基幹系システムとの接続で何らかの問題が発生したのでしょうか。ただ、全店でシステムが止まるような状況は事前テストで確認できる可能性が高く、確認作業に問題があったとみられても仕方ないでしょう。

個人的に危惧していたのは改修漏れ。17年前と比べると情報システムの数は増えています。基幹系ならば改修対象をリストアップできるでしょうが、小さいシステムやデバイスはたくさんありますし、現場担当者が作ったExcel マクロなどもあるでしょう。そうしたマクロは更新作業を実施する情報システム担当者は知らない可能性があり、漏れやすい。そのマクロが簡単な売上集計などをしていれば中で消費税率をいれている可能性は高いです。

それと上記の記事でも書いたのですが、税率を変数などに入れずに、プログラム中に、×1.05など直接税率を書いている、つまりハードコードをしている稚拙なプログラムも残念だけど少なくない。そうしたハードコードは見つけにくく、基幹系でも更新漏れがでてきます。それときちんとしたプログラムでも、税率が変われば1円未満の端数計算も違ってくることがあり、それを新税率に合わせ適切に端数処理をするのは手間がかかります。

いずれにしても今日、表面化するのは店で使われるフロント系のシステム。夜以降は本部で売上集計に使われるバックエンド系が動き出しますから、こちらのトラブルも出てくるはず。ただ、客には直接見えないので、トラブルが出て持て裏で解決するはず。なお、バックエンドは月販集計などがありますから、一ヶ月ぐらいは気が抜けない、システム担当者も多いはず。

ところで、御存知のように税率が変わったといっても、納品された商品は以前の税率ですし、支払いなどでは前月以前に遡るケースもあり、税率変更後の数ヶ月は複雑な処理を強いられますし、慣れていない処理ですからミスも入り込みやすい。6月末ぐらいまでは各所でトラブルがでる可能性はあります。

2014年2月28日

某業界団体で講演。いろいろ勉強になったのですが、参加された企業の一部は、その企業体質なのか、参加された人材の問題かはわかりませんが、深刻な劣化も感じたわけで、複雑な印象だったというのが正直なところですね。当たり前だけど、こちらもその程度にあわせて話すわけで、本当に肝心なところは話せないんですよね。

2014年2月14日

楽天が通話アプリ会社のViberを920億円で買収するそうですね。対話系サービスは、基本機能に共通性が高いので、他社との差別化が難しい。結局、基本機能とは菅家ないプラスアルファ的機能次第のところがあり、一気にシェアもとれる一方で、浮き沈みも激しいサービス。楽天がViberを活かせるかのお手並み拝見。ところでViberは本社はキプロスですが、開発は旧ソ連邦のベラルーシ。そもそもキプロスはタックスヘイブン的な政策をとっていたので、法人税が安いというのが背景にありそうです。また、キプロスはロシア正教の国。ロシアとの関係は深いし、実際、ロシア人の投資は多い。そのロシアに近い、ベラルーシに拠点があるのもその関係でしょうし、そもそもどちらが本社なのでしょうね。

2014年2月7日

ソニーがVAIOを手放すそうですね。実は最初に頭によぎったのは日本のMSとIntelのこと。両者の日本法人はたいへんでしょうね。というのは海外販売数を含めて、Windowsやプロセッサの窓口はそれぞれ日本のMSとIntelのはずで、それが海外に移るとなったら、両者の日本法人は販売数が一気に減るわけで、社内的な発言力は小さくなるし、販売数が小さくなれば人員整理は避けられない。ちなみにVAIOというと、PCG-505EX、VAIO C1、SR、Type Pなどを使ってきました。一台も手元に残っていないと思いますが(コンピュータに愛着を持たないことにしています)。

さてVAIO事業を手放すのは、Windows+Intelという枠組みはサードパーティーは儲からないということを図らずも示したことになります。 MS及びIntelがどのような手が残されているのか、そして手を打つとしたらどうするのか。

2014年1月24日

続き。それにしてもキーワードドリブンはやめたいですね。メディアは流行キーワードが好き。さらにIT業界はキーワードが大好きです。ITベンダーは次から次への流行のキーワードを懲りもせず追いかけます。しかし、流行キーワードと実状が合致しているとは限りません。実際、メディアに掲載されるビッグデータ事例も、よく読むとExcelで簡単に計算できるようなデータ量であることは少ない。そしてベンダーはおよそビッグデータと関係のない商品にも「ビッグデータ」というキーワードを入れて宣伝していますが、今後は「ビッグデータ」の代わりに、「IoT」と書かれる日も近いでしょうね。

2014年1月23日

IoTで忘れてはいけないのはネットビジネスとの相性の悪さです。IoTはモノのインターネットと訳されることがありますが、インターネットのビジネスモデルが成立するとは限りません。IoTではネット広告ビジネスは成立しません。ひとつエピソードを紹介すると、著者がTwitterをはじめて使ったのは5年以上前(Twitterが流行る前)、それも相当、変わった使い方をしていました。それは温度センサーの測定情報の一時的保存でした。センサーによる情報収集では、所定の時間間隔や、所定の変化があったときだけで情報を収集することがあるのですが、測定したデータを時系列にならべる必要があり、Twitterのタイムラインは都合がよかったのです。そこで測定したデータをTwitterに送っていました。当時のTwitterは広告なども少なかったのですが、そのとき感じたのは、当方の使い方はTwitterにとってメリットがないだろう、ということでした。というのはTwitterにデータを送る温度センサーノードも、Twitterに一時保存したデータを収集・分析するコンピュータも、人間ではありませんから、広告を見ません。

これはネットビジネスには脅威です。IoTでは、デバイス同士をつなぐだけでなく、デバイスがインターネットを介してネットサービスを使うようになります。いまのネットサービスは、その利用者は人間であることが大前提になっていますし、GoogleやFacebookをはじめとして、その多くが広告で収入を得ています。デバイスに広告をみせても、商品やサービスを買ってくれることはないでしょう。IoTは、ネットビジネス事業者からみれば儲けにつながらないユーザであり、デバイスからの利用はお断りというネットサービスも出てくるでしょうね。

2014年1月22日

続き。IoTといえば、昔、流行ったユビキタス(あえて本来のユビキタスコンピューティングと流行ったユビキタスは違う意味で、ユビキタスと書いています)と似ているという議論があります。というかほとんど同じですよね。IoTでは、ネットワークを介して、センサーを含む多数デバイスを接続した構成をとります。それを実現する技術自体は、昔、流行ったユビキタスコンピューティングと大差ない。そのためユビキタス関連の技術を知る人ほど、IoTにデジャヴー感を強く持つことになります。その一方で、ユビキタスとIoTには違いもあるように思います。ユビキタスコンピューティングではデバイスをつなぐことと、そのデバイスからユーザに対してサービスを提供することが目的になっていました。一方、IoTでは、センサーをつなぎ、現実世界のデータを集めることに主眼がおかれています。両者の実現技術自体は重なっていますが、両者の目的は重なるとは限りません。

2014年1月21日

続き。ネット系でも現実世界を扱う動きはありました。その一例はTwitterなどの書き込みから、局地的豪雨や電車遅延などの現実世界の動きを見つけるという方法です。しかし、所詮は間接的な情報にすぎません。そんな間接的な情報から、苦労して情報収集するよりは、気象センサーがいたるところにあれば、局所豪雨の発生だけでなく、雨量を含めて定量的にわかります。電車がGPSなどを通じて位置情報を発信していれば高精度で運行状態がわかりますし、列車運行管理も変化することもあるでしょう。つまり、現実世界は、センサーなどを通じて直接的に把握した方が効率的かつ的確なはず。
 ただ、センサーを使えば現実世界がわかるというものでもありません。例えば前述のトンネルの経年劣化状況を調べるためにトンネル内に多数のセンサーを設置しても、センサーは直接、経年劣化を測定できることは少なく、センサーの測定結果と実際の劣化状況の関連性は、相当長期にデータを収集してみないとわからないでしょう。また、仮に経年劣化による破壊がある段階で急速に進み、それが突然の崩落につながるとしたら、いくらセンサーで測定していても、崩落事故を予見することはできません。センサーによりデータを測定・収集することと、関心事がわかることには大きなギャップがあります。これを理解しておかないと、IoTを過大評価してしまいます。

とはいえIoTが最善策とは限りません。他の方法がいい場合も多い。例えばセンサーを駆使するよりも人間が見た方がいい場合もあります。いま農業のIT化が望まれています。畑などに温度や湿度、日照などの環境センサーを設置して、畑の状況を調べるためのインフラを作る話しですが、実際には農家の方がざっと畑を見渡した方が、得られる情報量が多くなるケースもあります。今後、農業従事者の人口減を含めて、人間に頼れないケースや、人間にはなかなかわからないこと、例えば森林全体の状況など、を想定しないと無駄なインフラ投資となりかねません。

2014年1月20日

続き。ビッグデータがその技術よりも、流行った理由が重要な似ように、IoTに関してもなぜいま注目される背景が重要の方が重要でしょう。ビッグデータは、当初から本丸は現実世界のデータといわれていましたが、現状はネットの世界のデータが中心です。実際、SNSやネットゲーム、EC(エレクトリックコマース)などのネット系サービスは大量データを生み出しますし、量が大きいがために、その分析は従来技術では難しい。そのために開発された技術がいまのビッグデータと呼ばれるようになっているケースは少なくない。

さてIoTに話を戻しますが、ビッグデータの本丸とされた現実世界に関するデータ分析が進まなかった、大きな理由は、現実世界に関するデータが少ない、またはデータを集めるのが難しいからです。まずセンサーなどにより現実世界に関するデータを収集するようなインフラは普及していません。例えば笹子トンネルの事故後に、トンネルの経年劣化を調べるためにトンネル内にセンサーを設置することが望まれました。しかし、既存設備にセンサーの設置は簡単ではありませんし、そもそもセンサーを設置する財政的な余裕もありません。さらに技術的な制約もあります。センサー技術そのものは進んでいますが、多数・多様なセンサーを統合し、センサーが測定したデータを収集することは簡単ではありません。一方、IoTはセンサーを含むデバイスを、ネットワークを介して統合して、デバイス間で情報を交換できるようにする技術です。前述の技術課題の解決には大きな役割を演じるでしょう。そして今後、センサーによる現実世界のデータを集めるインフラが普及すればIoT関連ビジネスは大きな市場が期待できます。

くどくどと説明しましたが、ビッグデータの本丸である現実世界のデータを収集・分析しようとしたら、実際には現実世界のデータを集める技術やインフラが進んでいなかった。それを開発・整備しようという動きが、いまのIoTというキーワードになって表れているのでしょう。 

2014年1月19日

今年に入って、メディアでは、ビッグデータに代わって、IoT (Internet of Things)やM2M (Machine-to-Machine)というキーワードが目立ってきました。トレンドの潮目が代わってきているのでしょう。以下ではIoTとM2MをひとまとめにIoTと表記します。ビッグデータが終わって、IoTが土のトレンドになるのでしょうか? これは単純ではありません。というのは研究者からみると、ビッグデータも、IoTも向いている方向は同じではないでしょうか。どちらもデータを通じて現実世界を扱いますが、このときデータの分析や処理に主軸をおけばビッグデータですし、現実世界に関するデータの収集に主軸をおけばIoTとなります。実際、ビッグデータにおけるデータ分析は、対象となるデータがなければ分析はできません。センサーなどを通じてデータを収集しても、生データのままで活かせませんから、何らかのデータ分析や処理が必要となります。その意味ではビッグデータとIoTは両輪なのかもしれません。もちろん、ビッグデータにしても、IoTにしても、流行キーワードをポジティブに評価するならばという前提条件付きですが。

2014年1月18日

続き。SIビジネスに話に戻します。人月という言葉に代表されるように、SIビジネスでは、技術者の能力などに応じて単価を設定し、それに開発に必要な人員数と期間を掛け合わせた額で、開発費用を見積もることが広く行われてきたことについては、改めてかくまでもないでしょう。つまり、開発要員が多ければ多いほど、そして開発期間が長ければ長いほど開発費を高く見積もれます。一方、生産性とは資源(この場合は人)から生み出される価値のことであり、生産性をあげるとは、開発要員一人当たりの、開発従事期間を短くすることになります。つまり、SIビジネスでは開発に関わる生産性を上げると売り上げが下がることになります。でも生産性をあげるほど減収になるビジネスというのは根本的におかしい。

2014年1月17日

続き。受託開発の問題は日本の本質的な問題かもしれません。ユーザ企業からみると受託開発は、それぞれの要望を聞いてくれるから、便利なシステムになりえます。しかし、受託開発は、開発側の生産性が低い分、受託費用というコストとして跳ね返ってきます。システム開発に限らず、日本は小売でもメーカでも、丁寧な接客、高品質な製品が当たり前です。それは重要ですが、そのコストは最終的には利用者や購入者に跳ね返っています。システム開発に限らず、利用者や購入者も、どこかで妥協しないと、世界との競争には勝てなくなってきます。

2014年1月16日

SI業界の将来を憂う記事やブログが増えているようですね。当方自身はSI業界に身を置いたことはないのですが、受託側の立場に立つこともあるし、実際にSI企業の技術的なお手伝いをすることは結構多い。またSI業界が弱体化すると、困るのはユーザ側ですから、他人事ではないです。

SIビジネスにはいろいろ問題がありますが、最大の問題は受託開発というSIビジネスの本質にあると思っています。理由は簡単です。受託開発を続ける限りは生産性は高くならないから。SI企業は顧客の要望をしっかり聞いて、個々の顧客の要望にあったシステムを構築されます。それはすばらしいことです。しかし、個々の顧客向けにそれぞれ開発するのと、複数の顧客向けにまとめて開発するのでは、全体としてみれば後者の方が生産性が高くなります。このためパッケージソフトウェアや、複数ユーザ向けのサービスの開発と比べたら、生産性では絶対に勝てません。もう一度いいますが、受託開発を続ける限りは生産性で勝てません。そして、生産性が低い企業や業界は淘汰されるのが運命です。

2014年1月15日

勤務先のイベントで講演。大丈夫なんですかね、このイベント。こうなるのはわかっていたのですがね。当たり前だけど、こちらも本質的な話は一切しない。参加された方々には申し訳ないけど、いっけん盛り上がるような話にしてありますけど、新味ある内容や重要な話はゼロ。午後は霞が関の委員会。

2014年1月14日

消費税の話はさすがに飽きたので今日はしません。明日はマネージメントに問題が多いイベントで講演。問題のあるイベント等の仕事は避けているのですが、今回は諸般の事情で関わる羽目になる。

2014年1月13日

消費税処理の続きですが、10%の引き上げも控えているので、4月に入っても担当者はたいへんそう。なお、このとき気をつけた方がいいのは桁数。例えば税率を一桁だと前提にしているシステムがあると、8%に税率が上がった場合はいいとしても、10%に税率があがったときに問題が出てきます。2000年問題を思わす状況だが、内部処理は複数桁数の税率に対応していても、画面表示などでは一桁の税率を前提にしているシステムはありえる。その場合、10%になると1や0と表示されてしまうかもしれないません。

2014年1月12日

9日の話の続き。税込みか税抜きか。小売の場合、商品価格は税込み表示(内税)、つまり消費税を含んだ価格での表示が多いが、4月以降、スーパーは税抜き表示(外税)にするところが増えそうです。つまり、店頭では商品に消費税分を含まない価格を表示して、レジで会計するときに消費税を加算することになります。ただ、内税を前提にしていた既存システムを外税に変えるのは簡単ではなく、ソフトウェアの改修作業は大きくなります。先日、小売業界のITに詳しい方に伺った打開策は、情報システムでは従来通り、内税で処理して、店頭表示やレジの会計処理だけ外税にする方法です。一見よさそうだが、消費税率をかけたり、割ったりするので端数の問題が出ます。つまり一円単位では金額がずれることが出てきます。そのずれが積み重なると税務署も黙認できない金額になる可能性もあります。いずれにしても消費税率変更まで時間がありません。実際、テストや変更作業を考えると1月末、遅くても2月上旬に終わらせないと、その企業だけでなく、顧客や仕入れ先に迷惑をかけることになります。間に合わして欲しいですね。

2014年1月11日

泊まりを門司港ホテルにしたこともあり、門司港を探索。町並みも施設も小樽とよく似ている街ですね。どちらも港町で、大正時代の建物が観光名所。そして、どちらも鉄道博物館があります。鉄道博物館に関しては、JR九州の博物館より、小樽の市立博物館の方が格段に大きかったですが。実は小樽によった理由は通信博物館。大手町の逓信博物館が閉館になったいま一般に公開されている唯一の通信博物館。なかなかの取りそろえ。学芸員の方には土曜日だというのにご出勤いただき、いろいろお世話になりました。

2014年1月10日

福岡で講演。実は講演前にラーメン屋巡りをするなど、おなかいっぱい状態でした。

2014年1月9日

続き。問題は他にもいろいろあり、その一つ3月末までの5%の税率と4月からの8%の税率の切り替えへの対応方法。切り替え時期にシステムを停止できるか、仮に停止できないとすると税率パラメータを変えるだけで、システムを止めることなく対応できることが望まれんます。同様に切り替えるタイミングも要注意です。24時間営業のコンビニエンスストアなどの場合、売上などの締め処理は日付通りではなく、客数が少なくなる、深夜の2時や3時に締め処理を行うことが多い。その締め処理のタイミングで税率変更すると、2時や3時までは5%で販売してしまうことがあります。税法上の問題が出ないかを調べた方がいいです。また、どうしても古い伝票などの処理が残るから、4月に入ってから数ヵ月は過去に遡って処理が必要となり、処理に応じて5%と8%のどちらかに切り替える仕掛けも必要となることも留意すべきでしょう。

2014年1月8日

続き。消費税処理に限らないのですが、稚拙なソフトウェアが少なくないことも問題です。少しでもプログラミング経験のある方ならばおわかり頂けると思うが、まともなプログラムならば、消費税率を表す変数を一つだけ用意して、そこに税率(2014年3月末までならば0.05という数値)を入れる。例えば税込み価格を計算するときは、税抜き価格×(1+変数)という計算をするようにプログラムを書く。税率が変わったときは、その高々一つの変数の中身を変えれば済みます。具体的にいうと前述の変数などを使わずに税率を直接書き込んでいるプログラムも少なくない。例えば税込み計算をさせる処理では、税抜き価格×1.05という計算をさせていたり。そうなると改修対象のプログラムから当該の処理を見つけるだけでも大きな手間がかかります。

2014年1月7日

ところで企業の情報システムの消費税率アップ対応は間に合うのでしょうかね。当方が知る範囲でも、危険視号がついている事例を少なくないです。担当者はたいへんだが、なんとか間に合わせてもらいたいものです。さて遅れている背景の一つは改修すべきソフトウェアが増えていることがあげられます。

消費税の税率が5%になったのは1997年。当時と今では使われているソフトウェアの数が違います。当時は多くの企業にとって消費税に関わるのは基幹系システムぐらいで、税率変更時はその基幹系用のソフトウェアだけを改修すればよかった。でも、いまは至る所でソフトウェアが使われていて、その中で消費税率と関わるソフトウェアは少なくありません。例えば担当者がExcel上で簡単な財務状況を予測するマクロを自作している場合、そのマクロも改修対象となり、こうした改修対象のソフトウェアを調べ切れていない企業も少なくないようです。

2014年1月6日

クラウドにはIaaS (Infrastructure as a Service)に加えて、PaaS (Platform as a Service)と呼ばれるサービスがあります。前者はサーバなどのハードウェアの相当の機能をクラウドからサービスとして提供します。後者はOSやミドルウェアなどのプログラムを実行するためのソフトウェアを含む環境をクラウドからサービスとして提供するので、プログラムをクラウドにおきさえすれば実行できます。現状はIaaSはAmazon EC2などが広く普及していますが、ユーザはOSやミドルウェアを用意する必要があります。一方でPaaSは当初期待されたようには普及していません。さてInfrastructure as codeを利用すると、IaaSにおいてPaaS同様にサービスを提供できてします。つまり、IaaS上にOSやミドルウェアなどのプログラムを実行環境を自動で構築・設定できるようにしておけば、IaaS上でもPaaS同様にプログラムにクラウドに置きさえすれば実行できます。その意味ではIaaSとPaaSを区別する必然性は小さくなるでしょうし、あたかもPaaSのようにお手軽に利用できるIaaSも増えるでしょう。

2014年1月5日

Infrastructure as serviceの続き。クラウドのメリットというべきですが、システム開発における試験環境と本番環境の区別はなくなります。システム開発では、本番の情報システムの実行環境を模した試験環境を構築して、その試験環境でプログラムを含むソフトウェアが仕様通りに動作するかの試験を行います。従来、試験環境は本番環境に比べてシステム規模は小さくなりますし、ネットワーク構成などで本番環境と試験環境は一致するとは限りません。このため、試験環境では動いていても、本番環境では動かなくなることは実際にはよくあり、本番環境における動作確認に時間と手間がかかります。また、その動作確認のために本番環境を本来業務で利用できなくなります。これはいいかえると企業であれば業務を止めることにもなります。しかし、クラウドでは開発段階から本番環境と同じ構成・規模のシステムを使えますから、本番環境と試験環境は同じであり、本番環境における動作試験は不要になります。さらに開発段階で動作確認済みの実行環境をInfrastructure as codeでプログラム化しておけば、自動的に本番環境を構築・設定できます。

2014年1月4日

昨日の続き。Infrastructure as codeは、クラウドの使い方だけでなく、情報システムの開発から使い方まで大きく変えます。一番影響を受けるのはシステム開発でしょう。従来のシステム開発では、サーバやネットワークを含む、ハードウェア込みで設計されますが、Infrastructure as codeでは、ネットワーク構成を含めて、システム開発の対象すべてがソフトウェアになります。以前、ハードウェアとして実現した機能が、ソフトウェアとして実現されることは多くなっていますが、クラウドの利用に限れば、すべてソフトウェアとして実現できるようになりつつあります。

システム開発・導入の現場も大きく変わるでしょう。従来のシステム開発では、システムの開発従事する技術者と構築・設定に従事する技術者は違うことが多い。このため、前述のように前者の技術者は、構築・設定に関する手順書を作り、後者はその手順書に従って作業を行いますが、手順書の指示を読み間違えたり、作業を間違えるというヒューマンエラーが入り込む余地がありますし、実際、そのトラブルは多いのが現実です。しかし、情報システムの構築・設定そのものがプログラムとなり、それを実行することでサーバの展開からネットワーク設定までできるのであれば、手順書に関わるヒューマンエラーを排除できます。これは情報システムの安定運用において重要です。また構築・設定に従事する技術者の中には仕事を失う方もおられるでしょう。

さて人間介在しないで済むということは、システムの構築・設定の高速化・迅速化につながります。クラウドではサーバの構築・設定はWebベースのユーザインタフェースから行えますが、人間が構築・設定するのと比べて、プログラムの実行による構築・設定は格段に高速です。1日どころか、1時間に何度もシステムの再構築や設定が行えます。ちなみにInfrastructure as codeの導入に積極的なのはネットサービスの事業者です。ネットサービスは、ユーザ数の増減やサービス内容の変更により、情報システムの変更や拡張(または縮小)が頻繁に求められるからです。

ところでシステムの設計・構築に高速化されれば情報システムの使い方も変わります。システムの利用状況が変化したときに、従来であれば稼働中のサーバの設定変更やチューニングを行いましたが、サーバの展開が高速ならば既存のサーバを止めつつ、新しい利用状況にあったサーバを新たに動かして対応できます。そうなると稼働中のサーバの設定変更はしなくなるかもしれません。また、皆さんがPCやスマートフォンを使うときに、ワープロやWebブラウザ、メールなどのソフトウェアを切り替えることで様々な処理を行うように、Infrastructure as codeにより情報システムを頻繁に切り替えたり、変更して使えるようになります。この結果、多機能な巨大な情報システムよりも、単機能な小規模な情報システムを切り替えて運用するというケースも出てくるでしょう。

2014年1月3日

昨日の続きです。クラウドを表す言葉のひとつは"Infrastructure as code"です。これはインフラストラクチャの構成や設定をコードによって行うという技術ですが、ここで重要なのは、Infrastructure as codeという技術によって、クラウドは単にサーバの集合体ではなく、クラウドそのものがプログラムを実行するコンピュータとなることです。

これについては後述するとして、Infrastructure as codeから説明しましょう。さてクラウドに限らず、これまでの情報システムの開発では、開発者は情報システムの設計・実装を行うとともに、英語や日本語などの自然言語により、サーバの構成や設定の手順書を書いて、それを別の技術者が読んで構成や設定を行っていました。一方、Infrastructure as codeでは自然言語の手順書の代わりにコード、つまりプログラムとして手順を書き、それを実行することで構成や設定を自動化してくれます。例えばChefというInfrastructure as codeのフレームワークを使うと、クラウドはもちろん、物理または仮想サーバを含む、各種インフラに対してサーバやアプリケーションの自動的に展開・設定してくれます。

Infrastructure as codeの考え方そのものはクラウド以外にも応用できますが、クラウドの場合、(仮想化技術を使うかは別にして)サーバなどのインフラは均質に見えるので、インフラの詳細を気にせずに使えます。そして、いまどきのクラウドではAPI(Application Programming Interface)と呼ばれる、プログラムから呼び出せるインタフェースをサーバの構築やストレージ確保など、クラウドを使う上で必要な機能をプログラム中から呼び出せるようになっています。だからサーバの構築から設定まで、プログラム、つまりソフトウェアとして定義できるのです。そうなると情報システムを構成するサーバ上で動くソフトウェアだけでなく、構築から設定を情報システム全体がソフトウェアとして定義され、ソフトウェアの実行により、情報システムを実現することになります。これはPCというコンピュータで、ワープロソフトウェアや表計算ソフトウェアを実行すれば、そのPCでワープロや表計算ができるのと同じです。クラウドの大量のサーバを利用すれば、数万台規模の超巨大情報システムであっても、すべてソフトウェアとして定義・稼働できることになります。

2014年1月2日

クラウド黎明期、強調されたクラウドのメリットとして次の二つが話題になりました。(1)必要なときに必要なだけサーバが使える、(2)所有から利用へです。当時、(1)の事例として頻繁にあげられたのが、米ニューヨークタイムズ社が、パブリッククラウドの代表であるAmazon EC2のサーバ大量に使って、過去の100年分の新聞記事データのPDF化処理を1日で終わらせたという話でした。古い記事のPDF化は一過性の処理でしょうから、そのためにシステムを用意するのは無駄であり、クラウドを有効に利用した事例となります。しかし、昨今のクラウドの利用事例をみると、一過性の処理は少数で、むしろ基幹系など日々使い続けるような情報システムをクラウドに移行する事例が多い。
 (2)で強調されたのは、情報システムを365日24時間、稼働させるわけではないので、自前でもつよりは借りた方が安上がりという話でした。しかし、実際にクラウドは安上がりといえるでしょうか。御存知のようにハードウェアなどの進歩により、サーバ性能やストレージ容量は向上しています。つまりサーバ性能やストレージ容量当たりのコストは下がっていますが、Amazon EC2を含めて、パブリッククラウドの利用料はそれに見合うほど下がっているようにはみえません。つまり、費用対効果を考えると、最新情報システムの性能を享受できる自前システムと比べて、クラウドは割高になる場合があります。
 それでもクラウドの利用が増えているということは、前述の(1)使いたいときだけサーバを使える、 (2) 所有から利用へ以外に、クラウドにはメリットがあると考えるべきです。

2014年1月1日

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートをテレビで観る。20年近く続けている正月行事なのですが(フランス在住時も観ていたし)、当方にとって年間のテレビを観る時間≒ウィーンフィルのニューイヤーコンサートという状況だったりします。今年の指揮はダニエル・バレンボイム。個人的にはディースカウのピアノ伴奏者というイメージが強いのですが、指揮者として実績がありますし、2009年のニューイヤーコンサートでは、ユダヤ人でありながら、イスラエルのガザ地区侵攻を批判スピーチをするなど、平和主義を前面に出したのですが、今回は音楽で平和を前面に出した感じ。もちろん、今年のニューイヤーコンサート出来は、音楽的にも申し分のないものでしたし、特にアンコール定番である美しき青きドナウの出来はここ数年で最高ではなかったでしょうか。また何よりも楽団員が楽しそうに演奏していましたし、前回を超える自由な演出もよく、ニューイヤーコンサートらしいニューイヤーコンサートでした。それにしても最後のラデツキー行進曲で、指揮をせずに楽団員全員と名残惜しそうに握手するのはびっくりでした。それとマイナーな曲が多かったのですが、名曲を発掘というところがあり、選曲的にもよかったのではないでしょうか。

2013年12月31日

大瀧詠一氏が亡くなる。残念ですね。というわけで今夜は往年のアルバムを聴いて過ごすことにします。

2013年12月30日

普通に出勤。海外は休日ではないので、そうそう休んでいられないのが実状。

2013年12月28日

人工知能学会の表紙の続きですが、よくよく考えてみるとAIの極めて本質的なところを表しているのかも。人間と同じ「こと」ができるロボットが欲しいのか、その「こと」を代行・支援してくれる機械が欲しいのか、というAIの位置づけにつながるんですよね。前者ならば懸案の表紙は妥当となりますが、後者ならば人間型ロボットである必要性もないし、まして人間が使う道具や情報メディアを扱える必然性もない。今回の表紙に価値があるとしたら、人工知能学会が考えるAIは前者、つまり人間と同じ「こと」ができるロボットを目的としているということを世間に知らしめたこと。ただし、人工知能学会にとってAIが前者でないとしたら、あの表紙は適切とはいえませんね。さて人工知能学会が狙うAIとはどちらなのでしょうか。

2013年12月27日

リニューアルしたという人工知能学会誌の表紙が物議を醸しているようですね。まぁ、炎上マーケティングだと思えばマーケィング的には成功だとはおいますが、そもそも学会が炎上マーケィングすべきかは疑問。マーケティングでは話題性をあげることは重要だけど、それは読者と媚びることとは違うはず。

表紙そのものについては、学会やIT業界が男性社会であることをはからずも露呈した感じですが、それ以上に技術的なセンスの低さが気になります。なぜ人間型にしたのか。掃除だったら箒(ほうき)のような非効率的な道具ではなく、掃除専用道具またはそれに特化したロボットでよいはず。またロボットが本を読む必要もなく、オンラインで情報を吸い込めばいいはず。この表紙を選んだ方々の女性観以前に、技術的なセンスの欠如を感じるのですよね。おそらく編集依託している業者さんが選んだとは思いますが、逆に言うと仮にこの表紙を選んだのが研究者だったら、研究者は無理とまではいいませんが、技術的なセンスが低過ぎ。実は表紙を見たときの第一印象は、その技術的なセンスの低さに気の毒になったことでした。

2013年12月26日

毎年恒例のトレンド予測の会合。メディアから霞が関関係者まで出席。それにしてもセンスのいい人達との議論は刺激になっていいものですね。さて今年はいろいろ潮目が変わったと感じさせる一年でした。生々しい話ばかりなので内容は書けませんが、実は昨年の会合では、世の中の話題(実態ではない)はビッグデータからIoT/M2Mに移るという予測だったのですが、来年こそはというところでしょうか。結局、ビッグデータとIoT/M2Mの違いは、トレンドキーワードとしてデータの収集側に焦点を当てるのか、データの活用側に焦点を当てるのかの違いしかないわけですがね。

ただ、いい加減、世の中がデータを集めれば儲かるという幻想から醒めて欲しいところです。データがなければデータ活用はできない。一方、IoT/M2Mによりデータを取得できるかもしれないけど、データがあったからといってそれが活用できるとは限らない。アカデミアはデータから興味深い特性が発見できれば論文になるけど、企業はその特性がビジネスにつながらなければ意味がない。ビッグデータもIoT/M2Mも所詮は手段、その手段で何を解決するのかに焦点を当てない限りは意味がない。

いずれにしてもメディアは流行言葉を取り上げるし、流行言葉だから記事を読む人もいる。だから流行言葉の変遷は、実際とは別に追っておく必要があるわけ、いろいろ複雑。

2013年12月24日

リアクティブシステム(Reactive System)やリアクティブプログラミング(Reactive Programming)が最新キーワードになっているようですが、両概念は1980年代にあったわけで、時代は繰り返すというのか、何を今更というのか、という気分になりますね。リアクティブシステムは簡単に言うと、外部環境からイベントを受けると、その外部環境に影響を与えるかもしれないシステムのことであり、リアクティブプログラミングとはそのリアクティブシステム向けのプログラミング言語や開発手法のこととなります。Googleが開発したGoにしても、基本的には1980年代のリアクティブシステム向けのプログラミング言語や計算モデルであるAdaやCSPの流れを汲むもの。ミッションクリティカルな組込系システムでは広く使われていた手法ですし、最新航空機ではいまでもリアクティブプログラミング言語を使っているわけで、最近、リアクティブプログラミングというキーワードをおっしゃる方はその辺りの普及状況をわかっているのか、いないのか。リアクティブプログラミングに関しては、むしろなぜ今、再びに流行っているのかの方が重要。長くなりそうなので、続きはいずれですがね。

2013年12月23日

某知事の辞職騒動を見ていて、思い出したのはカール・ユングが生み出した用語「ペルソナ(Persona)」でした。研究者でも自らが作った仮面に押しつぶされる人は多い。特に優秀といわれる人に。研究者の評価はこれまでの研究実績で評価するけど、その一方で研究は未来を見据えている以上は、研究者の評価も将来性を重視して評価することがあります。だから自他とともに優秀な研究者とされる方の中には、その評価に押しつぶされる人が出てきます。確かに研究者の場合、周囲の期待が研究への原動力になることはありますが、それはアイデアの実現過程では役に立っても、研究的なアイデアを生み出す段階では周囲の期待はプレッシャだけとなる。さて当方はというと、自分が優秀という意識が1ミリもないんですよね。強いていえば人と違うことをしたいだけ。

2013年12月20日

秘書さん用のコンピュータを置換作業。OS(Widnows 7)やオフィスソフトウェアのインストール自体は結構前にしておいたのですが、あいかわらずWindowsにセットアップにはまる。はまりながら考えていたのは、結局、PCってなんなのですかね。大多数に人にとって、オフィスソフトやWebブラウザを使うことが目的ならば、それに特化して、余計な機能な抜いてもいいはず。すでにワープロ専用機を知っている人は少なくなってきていますが、ワープロ専用機は機能を限定している分、電源を入れればすぐに作業が開始できたし、アプリケーションも少なく迷いようがない。オフィスソフトウェアに特化した進化もあったと思うのです。

それからWindowsのセットアップはセキュリティ関連でいろいろきかれるわけですが、いちいちユーザにきくことなのか、OSが未然に防ぐべきことなのかをいろいろ考えさせられます。また、外部アプリケーションのインストールも、認証されたアプリケーション配布サイトを用意して、そのサイト側で調べればいいことであり、PCに任せるべきかは疑問。

結局、PCは道具。だとすればユーザの生産性をあげたかがすべてのはず。WindowsもMacintoshにしても、10年前と比べて、ユーザの生産性をあげているのでしょうか。特にWindowsがピンの来ないのは、ユーザの生産性向上という点を考慮しているかどうもいえないところだったりします。

2013年12月13日

移動。今回の行程の関係でビジネスクラスにアップグレード可能クラスでしたが、ANA様はビジネスどころか、プレミアムエコノミーにもアップグレードしてくれず。儲かっている航空会社は違います。

2013年12月12日

ドレスデン歌劇場で、プッチーニの蝶々婦人を観劇。蝶々婦人役がKyung-Hae Kang、Pinkerton役がStefano Secco、Suzuki役がChrista Mayer、Goro役がTom Martinsen、Sharpless役がChristoph Pohl、Kate役がSabine Brohm、指揮はPier Giorgio Morandi。出来ですが、1幕目はいい出来ではなかったのですが、2幕目移行はよくなってきて、特にKyung-Hae Kangの3幕目ラストの圧巻という感じでした。意外によかったのがSuzuki役がChrista Mayerと、Sharpless役がChristoph Pohl。というわけで3幕目だけみれば非常にいい出来なのですが、残念だったのは舞台と演出。舞台は山地のような家になっていて、それでなくても動きのない演目なのにさらに動きがなくなっていますし、演出も無駄な動きが多い。さて今年、これで今年のオペラの観劇は10回。国内での観劇をせずに、二桁になったのははじめてかも。

2013年12月11日

前日の都合で、深夜便で羽田からフランクフルトに移動、そしてドレスデンに移動。それにしてもドレスデンは久しぶり。前回はドイツでワールドカップが開かれている真っ最中だったはず。

2013年12月6日

マーケティング関係者の集まりで講演してきたのですが、主催者から話す内容についての注文が多い講演でした。主催者というか、マーケティングのメディアの編集長さんなのですが、当該のメディアの編集長として、マーケティングのプロを自認されておられるようで、当方が想定していた内容はことごとくウケないと一蹴されてしまう。ただ、講演後に聞いていただいた方からは、一様にその一蹴された話題について話さなかったことに文句をいわれてしまう。というわけで、なんとも後味の悪い講演となりました。まぁ、マーケティングは理屈ではなく、感性のところがあり、現場のマーケティング関係者がもっている現在の関心事と将来の関心事は違うわけで、その編集長さんが後者まで予見していればご立派なのですが、違っていればメディアとしては非常に厳しいことになります。それからマーケティング関係者というか、広告代理店系の方々はカタカナ用語が好きですね、まったく理解不能でございました。

2013年11月13日

国際会議は今日は人が少ないい。昨日、あれだけつまらない基調講演を聞かされると来なくなるのはわかるようなもの。ウィーン国立歌劇場でヴェルディの「仮面舞踏会」を観劇。さて仮面舞踏会はパリオペラ座でみている演目。主な配役はRiccardo役はKamen Chanev、Renato役はGeorge Petean、Amelia役Sondra Radvanovsky、そして指揮はJesus Lopez-Cobos。ともかく凄まじくいい出来。楽しめました。歌手の歌唱力が凄まじいし、演奏も凄まじい。なんというかヴェルディなのにワグナー的な重厚感のある歌と演奏。「仮面舞踏会」は有名なアリアがいくつかありますが、どれもすばらしい出来。声質・歌唱力もさることながら、感情がこもった歌い方。ドイツ語圏はカーテンコールには素っ気ないのに、今回は拍手が続いて、4回もカーテンコールをするほど。強いて残念な点をいうとウィーン国立歌劇場は舞台がおもしろくない。これは舞台装置の制約なので仕方ないのですがね。ところで仮面舞踏会はボストンが舞台なのですが、本当はスエーデンだったとか(仮面舞踏会で銃で暗殺されたスエーデン王グスタフ3世)。総督暗殺というストーリーは検閲上の問題で欧州以外にしたそうですが、実際、オペラを見る限りはアメリカ的な要素はゼロですからね。唯一、史実通りの人物の名前は占い師ウルリカだけですね。

2013年11月12日

国際会議はちょっとつまらない。正しくは専門を外れているので、さっぱりわからない。ウィーン国立歌劇場でデニゼッティのオペラ「愛の妙薬」。主な配役はNemorino役のテノール歌手Sylvia Schwartz、Adina役がソプラノ歌手Sylvia Schwartz、Belcore役がバリトン歌手Alessio Arduini、Dulcamara博士役がバスのAdam Plachetka、指揮はGuillermo Garcia Calvo。出来ですが、歌手の出来が非常にいい、特にSylvia Schwartzは有名なアリアを歌いきっており(そのアリア語は演目中なのに拍手が終わらない)、下手なそのアリアのCDを超えています。また、Adam PlachetkaとAlessio Arduiniも役を演じきっており、さらに歌の出来もいい。Sylvia Schwartzも声質・歌唱力ともに申し分がない。それにしても、アラがまったくない。ある意味で憎いぐらい完璧というパフォーマンスでした。実は「愛の妙薬」はパリでみているのですが、それが印象が残っていない(強いていえば舞台をオートバイが走ったことぐらい)、天井に近い安席にしましたが、高い席にしてもよかったです。「愛の妙薬」が楽曲のいい作品ですが、どちらかというと軽い作品という扱いになりますが、それでも完璧に仕上げてくるところは、さすがはウィーン国立歌劇場というところです。何度も言いますが、すばらしい出来でした。

2013年11月11日

国際会議で発表。夜はウィーンのVolksoperでシュトラウスのオペレッタ「コウモリ」を観劇。さて「コウモリ」を見るのは二回目。前回は新国立劇場でした。Volksoperは「コウモリ」に関しては事実上の本場という演目。配役はEisenstein役はThomas Sigwald、Eisensteinの妻Rosalinde役はUlrike Steinsky、Eisensteinの小間使いAdele役はBeate Ritter、Adele の姉Ida役はKlaudia Nagy、お騒がせのAlfred役はMehrzad Montazeri、刑務所長(Frank)役Martin Winkler、Orlofsky伯爵役はMartina Mikelic、Falke役はGunter Haumer、看守役(Frosch)はFranz Suhrada、弁護士(Blind)役はJeffrey Treganza。全体の出来はいいのですが、一番よかったのは本来脇役であるはずのAdele役はBeate Ritter。若い歌手だと思いますが、歌と声質ともに非常によくて、将来は大役に勤めるのではないでしょうか。逆にRosalinde役のUlrike SteinskyはVolksoperを代表するソプラノ歌手ですが、絶叫的な歌い方で聴いていて心地よい感じがしませんでした。男性陣は総じて出来がよく、特にEisenstein役のThomas Sigwald、Frank役Martin Winklerは講演でした。指揮はRoberto Paternostro。可もなく不可もなくという指揮でしたが、演奏で荒れたところはまったくというぐらいなく、円熟した感じでしたね。衣装と舞台は奇をねらったものではなく、「コウモリ」らしい衣装と舞台。舞台は三幕目以外はよかったです。演出はドイツ語ネタで笑いをとっていましたが、非ドイツ語圏の人にはやや興味半減だったかも。さて新国立劇場の「コウモリ」は出来がよかったのですが、正直いうとVolksoperで同演目をみて、逆に新国立劇場の「コウモリ」がよかったことが再認識させられました。今度はウィーン国立歌劇場で「こうもり」を観てみたいですね。でもそのためには年末にウィーンにいないといけないんですよね。

2013年11月1日

内閣官房で委員会。

2013年10月30日

一昨日に引き続いてMavericksことMacOS X 10.9のこと。10.9でGUI的に一番気になるのはDock(主要アプリケーションの一覧)で、稼働中とそれ以外のアプリケーションの可視性がさがったこと。Dockのアイコンを目を懲らさないとわからないレベル。ここで疑問なのは、AppleといえばGUIデザインには定評があるわけで、この変更は改悪なのか、何か意図があるのか。個人的には後者の可能性が高いと思っています。iPhoneやiPadでは起動中のアプリケーションとそれ以外の区別が気迫。AppleがMacintoshをiPhoneなどと近い操作性に向かわせるのであれば、今回の変更は意図的といえますし、将来のOSのあるべき姿を垣間見せていることになります。

2013年10月28日

手持ちのマシンの一台にMavericksことMacOS X 10.9をいれてみました。10.6を使い続けている身には違和感がいろいろなのですが、意外だったのはメモリ管理。10.9にはAppleが呼ぶ「Compressed Memory」という技術が導入されたそうですが、10.9を入れたマシンは主記憶4GB+SSDという構成で、10.8以前は動作が重かったのですが、むしろ軽くなっている感じ。なお、この技術では仮想記憶を改良して、使用されていないメモリを積極的に圧縮して、スワッピング頻度を低減しSSDを利用して、アプリケーションが開く速度を速めたそうですが、仮想記憶はよくなっていて、メモリ4GBでもアプリケーション切り替え時のレスポンスはあがりましたね。SSDという新しい二次記憶はOSも変えるということですね。

2013年10月27日

小学生の頃、書道で横書きを書いてみたりするタイプでした。目立ちたいのではない。ただ、人と違うことがしたいだけ。だって、みんな同じならばつまらないから。

2013年10月26日

インターンの希望を頂くことが多い。当方の場合、サポートできるインターンで来られる学生さんは理論的な研究をしたいのか、システムを作るのか。後者では、ソフトウェア開発についてを訊ねる。そのときに困るのは○○言語で開発した経験がある、××データベースのSQLを書けるとか、おっしゃる学生さん。研究の場合、求められる経験は、どんな言語やミドルウェア、フレームワークの開発をしたかではない。どんなソフトウェアを作ったのか。当方は正直いって、ソフトウェアをどう作るのかに関心はない。何を作りたいのかを話して欲しいだけ。だから「あなたは△△言語を知っているようだけど、何を作ろうと思って、その言語を覚えたの?」と訊ねます。研究で重要なのはHowではなく、Whatだから。

2013年10月24日

Microsoft Research Asia (MSRA)のイベント。今回のイベントはビッグデータによるe-Scienceにフォーカスをしているのですが、上手くいっている部分と行っていない部分が見え隠れしている感じ。たしかにAzureなどのクラウド環境を使えば計算リソースの確保は容易です。ただ、大規模計算には単に計算量が多いという意外に問題があります。それはデータ量が多くなるとデータの質も悪くなっていきます。つまりデータにノイズも増えるし、誤差も増えていくので、データ処理は難しくなっていきます。データの多様性だけならば、変換処理でなんとかなりますが、ノイズや誤差を補完するのは難しい。特に高度な分析をする場合は、データの品質は分析の品質に大きく影響していきます。ビッグデータの現実の話をそろそろ伺いたい心境でもあります。

2013年10月23日

Microsoft Research Asia (MSRA)のイベント。まぁ、ひたすら聞いていればいいので気楽なのですが、申し訳ないので一応するなどして参加中。午前と午後で同じスライドを使う講演があったりと、あらあらというところはあるものの、興味深い話も多い。

ところでMacProの新型が発表されましたが、オフィスのメインマシンが2008年のMacProという身には気になるニュース。Thunderboltが6本というのは豪勢というか、6個もつなぐほどないし、世の中にある製品も100種類ないような気がしますが、何をつなぐのでしょうか。もっとも一番期待していたのはMacBook Pro 17インチの復活。自宅マシンは17インチMacBook Pro (2009年のCore 2 Duo)なので、そろそろ置き換えたい心境。

2013年10月22日

Microsoft Research Asia (MSRA)のイベントは午後からとなったので、午前中は紫禁城にいってみる。中国は朝が早いのか、8時半に開くので、2時間半ほどの広い紫禁城を歩き回る。映画「ラストエンペラー」の世界そのもの。あの映画が紫禁城で撮影されたので当たり前とえいばその通りですが。ちょっと驚いたのは皇帝の住まいは意外なほど小さい。あの西太后の住まいでも、決して大きくないですし、質素な生活をしていたようです。

MSRAのイベントですが、今日はMSの技術に関するチュートリアルを拝聴したのですが、比較的製品紹介レベルで詳細な話は少なかったのは残念。KinectとAzureの話を伺ったのですが、Kinectは噂される新しいデバイスに関しては短い紹介にとどまったのは残念。また紹介されたデモが日本における広告活用に偏っており、新味がややなかったのは残念。個人的にはエンターテインメント系や広告系ではなく、業務利用をみたかったのですが。Azureは後半だけの参加となりましたが、ちょっと表面的だったでしょうか。ただ、印象深かったのは途中にAzure向けの開発のデモが、Eclipse+Javaを使っていたことでしょうか。

さて北京ですが、晴れているのだと思うのですが、かすんでいます。例の大気汚染の影響だとは思います。ただ、PM2.5もさることながら、自動車の排気ガスNOXがひどい。ドイツ車や日本車も排気ガスが良くないので、おそらく燃料に問題があるのではないでしょうか。例えば精錬がきちんとされていないなど。

2013年10月21日

Microsoft Research Asiaのイベントに招待されて北京に移動。ANAの飛行機に乗ったのですが、ボーイング787、しかも機体番号がJ804A。例のバッテリトラブルで緊急着陸した機体です。なんで気づいたのかという、ANAから以前、おもちゃ(風船)のボーイング787をいただいたことがあり、それの機体番号がJ804Aだったのです。その後、J804Aはバッテリトラブルを起こします。ちなみにCAさんに伺ったら、トラブル後、上記のおもちゃは配布禁止となったそうです。確かに配れませんよね。

さてANA便は出発が遅れたこともあって、昼過ぎにやや遅れて到着。ホテルに着いたのは14時過ぎ。中途半端な時間なのですが、ひとまず天安門広場にいってみる。

ところで北京ですが、メールは読めますし、Webもつながりますが、FacebookとTwitterのサイトにはつながりません。また、Google検索も妙に遅いので、何かが挟まっているのでしょうか。以前、こうしたことを書いたメールを知り合いに送ったら、そのあとつながらなくなりましたが、今回もタイミングをみて試したいところ。

2013年10月20日

休日出勤。雨がひどかった。オフィスに着いた頃は全身ずぶ濡れ。

2013年10月19日

秋葉原方面にお出かけ。掃除機を購入。ダイソンを使っていたのですが、一度故障している、どうも使い勝手に問題があり、買い換え。ただ、国内メーカの製品にはいい製品はなく、またもや海外メーカとなる。それにしても国内メーカは空気の吸引力ではなく、ゴミの吸引力をしっかりあげてほしいところ。

2013年10月18日

いろいろ雑用。

2013年10月17日

霞が関の委員会。最近、多い週では毎日、それ以外でも2日以上は霞が関に行っている状況。ご奉公なのでやらせていただきますが、さすがに疲れてきている今日この頃です。

2013年10月16日

某メディアの10回目。今回はだいぶ時間があいてしまいましたがね。

2013年10月15日

23時のニュース番組の出演だったのですが、台風のために番組変更となり、当方の出演はなくなる。個人的には、人前に立つ仕事は苦手なので、実は出演なしになってほっとしていたり。世の中には、目立ちたがり屋の研究者も多いですから、当方ではなく、そうした方々に依頼をした方がいいと思うのですよね。

2013年10月14日

ブログ界で日本の生産性の悪さが話題になっているようです。ここで重要なのは生産性の悪さを指摘することではなく、なぜ生産性が低いのか、それを改善する方法はあるのか。さて「生産性」は生産量÷時間。生産性が低いという前に、生産量が少ないのか、時間がかかりすぎているのかをみないといけない。当たり前ですが、生産に要する時間が半分になっても、生産量が半分ならば意味がないし、逆に生産量が倍になっても、その生産に要する時間が倍になったら何も変わっていない。ただ、強いてどちらがたいせつかと問われれば生産に要する時間を短くすることのはず。理由は簡単、人間というのは寿命があるし、人間は教育・学習にかかる時間も長いので、世の中に生産に寄与できる時間は短い。話を戻すと単純に生産性を上げるには就労時間を短くしつつ、生産量を変えない仕組みが必要。ただ、本来、企業も生産に要する時間を増やして、生産量をあげても、超過勤務手当などのコストもあがるから、時間当たりの生産量が上がる方向にいくのですが、サービス残業が横行していると、就労時間を延ばしてもコストが上がらないので、就労時間を延ばすことで、生産量をあげることになり、生産性がいっこうに上がらないことになります。これが日本の生産性が低い要因のように思います。そうなるとひとつの方法はサービス残業を制限するしかない。ただ、法制度で制限できてないし、本来は株主がサービス残業を否定すべきかも。短期的にはサービス残業は企業収益の向上ですが、長期的には生産性が下げかねないから。株のことは専門家に任せますが、端から見ている日本の株価があがらないのは、日本の生産性が上がっていないからのような気がします。本来、生産性があがれば企業収益はあがっているはずですから。株主も企業の生産性をあげる方向に考えていただきたいところ。

2013年10月12日

休日出勤の前に秋葉原。欲しかったのは半田ごての先端部分。半田ごては中学生時代に買ったものなので、30年以上の前の半田ごて。問題なのはちょっと特殊な構造であること。というわけで手持ちの半田ごてに合わなかったときは、削って入れるつもりでしたが、なんと手持ちの半田ごてと同じ製品が売れており、さらにその半田ごて用の先端の交換部品もおいてある。ということで、問題解決。半田ごてって、ヒーターで熱くするだけの道具だから、技術の進歩させる必要はないのでしょうね。ついでに半田ごて台も購入。手持ちの半田ごて台は25年ぐらい前に購入したのですが、赤さびだらけだったの新調。実は半田ごて台も散々迷ったあげく、手持ちと同じ製品を購入。進歩がないというか、なんというか。

2013年10月10日

米国は予算問題から政府機関のロックアウトが続いていますが、これで如実にわかるのは米国大統領の権限は決して大きくないと言うこと。予算を作り、承認する議会であり、大統領はその予算の遂行が仕事。これは予算は個別の法律によって定められることと、税収などの統括するのは議会であるため。また、軍事面でも、大統領は最高指揮官とはいえ、軍隊を組織するのは議会。シリア問題でわかったように、宣戦布告も議会以外は議決できない。それからワシトンDCは議会の特別行政地域であって、ホワイトハウスの特別行政地域ではない。なお、米国の場合は予算は単年度単位ではないので、すべての予算が不成立とは限らない。

2013年10月5日

羽田を1AMに飛び、5日の6AMに戻ったので、国内移動時間を除くと計53時間の旅。うち飛行機に乗っている時間は29時間(待ち時間を除く)。さらに鉄道移動もあったので、用務地、タンペレの滞在時間は5時間。当事者的には2日に用務後に日帰り出張をした感覚。本当は30日に出発する予定だったのですが、官邸というか、内閣官房の委員会の都合で、短期出張となった次第。

2013年10月4日

未明にヘルシンキ行きの列車が90分以上で遅れて到着、そして90遅れでヘルシンキ中央駅到着。ヘルシンキ中央駅から空港までのバスは終わっているので、タクシーで空港まで移動。そして7AM過ぎのフランクフルト行きに搭乗。そして正午頃にでる羽田行きに搭乗。長い長い、一日は続きます。

2013年10月3日

羽田を1AMに飛び、5AM過ぎにフランクフルトに到着。そして9時過ぎまでヘルシンキ行きの飛行機を待つ。ヘルシンキ到着後、ヘルシンキ中央駅までバスで行くつもりが、飛行機のヘルシンキ到着が遅れて、仕方なくタクシーでヘルシンキ中央駅に行き、そしてタンペレ行きの列車に飛び乗る。そしてタンペレに4PMに到着、5PMからMindtrekに講演して、関係者と歓談後、再びタンペレ駅。しかし、列車が遅れてこない。それにしても3日が続いている心境。

2013年10月2日

今朝は山本IT担当大臣も出席して内閣官房の「パーソナルデータに関する検討会」。こちらは検討会の委員かつ、技術ワーキングの主査でもあるため、議論では振られっぱなしでした。ただ匿名化の技術的限界については説明させていただき、大臣並びに各委員にもご理解いただけた様子で、海外出張の出発を遅らせてまでして、委員会に望んだ価値はありました。今日の議論内容はこちらに記事になっております。それでは一泊のフィンランド出張に行ってまいります。

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