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Diaryもともとは研究用ソフトウェアの開発履歴に関するページだったのですが、開発関連よりも雑談の方が多くなったので、2001年分から別のページを用意することにしました(過去のページの一覧はこちら)。リンクは勝手にしてください(でもリンクしたい人なんているのでしょうか)。それから海外出張の写真一覧はこちらにのせてあります。筆者のプロフィールはこちらです。SNSは苦手なのですが、Twitterもはじめてみました(ichiro_satoh)。なお、このページはRSSに対応していませんが、外部のRSS化サービスを使うとRSS購読もできるそうです(当方は関知していません)。下記はあくまでも個人の意見であり、組織を代表するものではありません。 2012年1月20日秋入学にするのもいいのだけど、入学時期を変えたからといって海外からいい学生が集まる保証はないわけで、むしろ現状の就活の状況を打開することの方が意味が大きいのでしょうね。いわゆる難関大学は追随するかもしれませんが、それ以外は未知数。いずれにしても入学時期を半年変えるという変化をレバレッジで世の中を変えられるのか。唐突に秋入学の話が出してき感じあるところは感心しませんが、大学から投げられた、世の中を変化させる一石としては意味を持つように思います。 2012年1月19日昨日に続いて千代田区内を移動する日。 2012年1月18日千代田区内を移動する日。 2012年1月17日いつからデータベース=RDBMSになったんですかね。どうせ中途半端なSQLしか書かないんだったら、RDBMSに拘る必要ないし、O/Rマッピングで苦労することもない。オブジェクト指向データベース(OODB)の方が素直でいいと想うことも多い。ただ、OODBはRDBを凌駕することを期待されながら、消えていったのですよね。ただ、ソーシャル系データを扱うときは下手にRDBに記録するより、OODBを使った方がいい場合もおおいような気がします。 2012年1月16日秘密の仕事の結果をお国に提出。一件ぐらいわくわくするようなものに出会えるかと思ったのですが、淡い期待でした。まぁ、この仕事は片付いたので来月の実験の準備に戻ります。 2012年1月15日今日もお国の秘密の仕事のため休日出勤。ただし、勤務先は17時まで停電なので夕方からの出勤。 2012年1月14日お国の秘密の仕事のため休日出勤。勤務先経由の仕事だけど、兼業扱いになっているので、休日にすることに。それに法定休日数的には勤務先は関知しないという言い訳になるらしい。ブラックな感じもするけど。 2012年1月13日国際会議のカメラレディ論文2本仕上げて、送付。どちらもSpringerからでる同じシリーズの論文集ですが、なぜか参考文献の指示が違う。ひとつはLaTeXのbibitemを使えという指示があり、もう一方はbibtexを使えという指示。ひとまずそれぞれの指示に従って作りましたが、どちらかが間違っている可能性が高く、書き直しをありかも。 2012年1月12日ビッグデータの続き。ビッグデータの報道でいつも疑問なのは、データ分析の結果、予想もつかなかった特性が見つかって、それでビジネスチャンスを広げたという話。いわゆるビッグデータの分析は仮説検証がベース。ある特性があると仮説を立てて、その特性を調べるための分析をして、その特性があるかを検証することの繰り返し。つまり特性をある程度、予想できていることが大前提で、予想していない結果が見いだせたというのは、まずありえない。というのはビッグデータのようにデータ量が多く、多様になると、個々の特性に応じて分析対象と分析手法を選ばないといけないのです。まぁ、記事にするときはインパクトがないので仕方ないのですが、それを真に受ける人が少なくないでしょう。実際、ビッグデータの案件を伺うと、現場が気づいていた特性を数字として確かめるとか、現場はよくわかっているのに、数字を出さないと納得しない経営陣を説得するためだったりすることが多かったり。ビッグデータがいいのかはよくわかりませんが、現状に満足せず、積極的にビジネスチャンスを見つけるということにつながればいいのかもしれません。 2012年1月11日ビッグデータの取材が多いのですが、困るのはデータを集まればいいという誤解。実際、生データや細かいデータがいいとは限らないのですよね。例えば街中の歩行者流量を予測するために、街中に何らかのセンサーを設置して、歩行者流量を1分おきにサンプリングしたデータと、1時間おきにサンプリングしたデータがあったときに、実際に分析すると前者が後者よりも精度がいいとは限らない。というのは1分程度サンプリングだと、交通信号などで流量にムラが出るのです。また、イベント、例えばスーパーで大安売りや学校行事などで歩行者流量は大きく影響します。そうしたムラやイベントを排除して、予測するには対策としては二つあります。ひとつは交通信号による変化補正して、イベント情報を集めて、補正をかけることです。もう一つは1分おきにサンプリングしたデータを平均化して、ムラを打ち消す方法です。ただし、統計多重でムラを打ち消すには相当数のサンプリングを平均化しないといけないので、1時間おきにサンプリングするのと大差なくなるかもしれません。ここで気をつけないといけないのは1分おきにサンプリングしたデータの精度。一般に高速なセンシングは誤差も多く、精度が落ちます。しかし、その誤差にクセがある場合はそれを統計多重で消せるとは限らないです。何が言いたいのかというと、生データがあるならばそれに超したことないかもしれませんし、サンプリング間隔が短ければそれに超したことはないかもしれませんが、それがいい結果を生み出すとは限らないということです。 2012年1月10日研究予算について考えさせられる仕事をしているのですが、研究者は予算プロポーザルを書き、研究費を獲得していきます。ただ、研究のために予算をとっているはずなのに、いつのまにか予算を取りたいから研究しているようなプロポーザルを書く人も出てきます。さらにその研究費も短い期間に研究成果を期待してきます。そうなると本来は5年先、10年先を見通して重要と考えられる研究をすべきなのですが、短期的かつ成果の上がりやすい方向に研究が誘導されていってしまう。学生さん達もそういう環境で育っているので、長期的視野の研究へのインセンティブが落ちていくんですよね。研究費が取れる研究者が偉いわけではなく、研究で評価すべきなんですよね。 2012年1月9日休日出勤。業務執筆。 2012年1月8日休日出勤。業務執筆。 2012年1月7日ちょっとだけカメラのこと。ニコンが同社のデジタル一眼レフのフラグシップモデルとなるD4を発表。スペックは既知になっていましたが、ニコンファンを大騒ぎなのでしょう。昨年、キヤノンが発表した1DXに対して画素数や連射速度では劣るものの、ニコンのことですから、D4はトータルな使い勝手は1DXよりいいのかもしれません。とはいえ大きなカメラは欲しくないですがね。個人的に気になったのは同時に発表された単焦点レンズNIKKOR 85mm-F1.8の方(現行の85mm F1.8は線が固かたいですよね)。取材のインタビューなどでは同じ85mmでもF値が小さいNIKKOR 85mm-F1.4で取られることが多いのですが、撮影される側からするとF1.4以下の大口径レンズは緊張するんですよね。いちどインタビュー中をキヤノンの85mm F1.2Lで撮られたことがありますが、大きく、そしてLレンズ特有のガラスが気になったのか、目が泳いでいるとカメラマンに指摘されたことがあります。 2012年1月6日いろいろ打合せ他。ところでTwitterは、ハイデッガー流にいえば待合室で待つ人が時計を頻繁に見ることで時間を埋めるかのように、今の活動(例えば仕事)に退屈している人が、その退屈さを埋めるためにツイートを見たり、書き込んでいるところがありますね。「忙しい」は感覚なので、たぶん熱中していたら忙しいと感じることは少なく、むしろ退屈しているから忙しいと感じるのでしょう。 2012年1月5日Kodakの経営危機がニュースになっていましたが、Kodakといえば、創業そのものは19世紀末ですが、写真や映画のフィルムという20世紀を代表する技術を広めた企業(ロール型のフィルムとカラーフィルムはKodakが最初)。ただ、倒産回避のためにデジタル関連の特許の売却を狙っているそうですが、そうなると実質、同社に残るのはフィルム事業だけ。再び経営危機になるのは時間の問題。Kodakの経営陣はそこまでしてフィルム事業を延命したいのですかね。 2012年1月4日世の中は仕事始めらしいのですが、そもそも年末年始に休みがある仕事でもないのでピンとこない。それから新年の挨拶とか今年の抱負とかをメールしてくるのはやめてください。頂くのはありがたいのですが、お互い時間をセーブしましょうね。 2012年1月3日通常業務。au版のiPhone 4Sが不調で、ランチのついでにオフィス近くのauショップに持ち込み。オールリセットで治ったものの原因不明。正月休み中で暇だったのか、auスマートフォンのいくつかのトラブル対応マニュアルを見せてもらったのですが、スマートフォンは売るのも難しいですが、トラブル対策もたいへんですね。また対応を考えると店側としては機種は増やしてほしくないそうです。特にiPhoneに関してはお店利益が低いこと以上に、トラブル時の対応が、Apple側に依存した部分があり、お客様にそれを説明することを考えると売りたくないご様子。たいへんですね。 2012年1月2日通常業務。個人的にはテレビは見ない。普段は月間で15分も見ていないと思います(昨日は年に一回あるかないかという例外)。とはいえ本当は結構、テレビ好きだし、一応、大きな液晶テレビもあるのですがね。見ない理由はテレビがつまらないという理由よりも、時間を作りたいから。一人一人に割り当てられた一日の時間は24時間。それを増やすことはできない(世界中で地球の時点方向と逆に進まない限り)。忙しくなれば何かの時間を諦めないと時間は作れない。当方にとってその諦める対象がテレビを見る時間だったというだけ。忙しいを口にする人は多いのですが、何かの時間を諦めなければ時間はなくなりますよね。 2012年1月1日休日。今年もウィーンフィルのニューイヤーコンサートを見る。指揮は2006年以来、二回目となるMariss Jansons。2006年の時は巨大携帯電話を持ち込んだり、楽団と掛け合いなど楽しさいっぱいでしたが、今回はそれ以上に小道具をいっぱい持ち出し、楽しさを前面に出していましたが、演奏は非の打ち所がない。ここ数年レベルが上がっていますが、ベストワンといっていいのではないでしょうか。毎年、カメラワークはいいのですが、今年は映像的に最高レベル。それとバレエがよかったですね。ルグリがバレエ団芸術監督になって、単調さがなくなり艶が出たというか、よくなっていますね。彼はいずれはパリオペラ座芸術監督になるのでしょうが、それまでにウィーン国立バレエ団が相当の肉薄するかも。 2011年12月31日通常業務。今年はいろいろなことがあった年でした。今年の論文は査読付きの論文誌が1本。同じく査読付きの国際会議が12本(単著)。予算的な理由で論文数を増やしましたが、研究の善し悪しは論文数とは一致しないのですよね。それに論文というのは研究の派生物ですから、論文になるまえの研究が重要で、論文になったのは研究は過去。 2011年12月30日通常業務。某所でHadoopのバージョンが話題になったのですが、逆にHadoopの将来に疑問をもってしまいました。HadoopはOSSとはいえ、開発主体は企業だし、当然、裏には営利目的があります。利用目的もエンタープライズ系が多いし、実際の開発を担っている企業もエンタープライズを狙っているはず。ただ、エンタープライズは社交クラブみたいなものですから、端から見ると理解できない慣習もあります。例えばデータベース系の場合はバージョン番号は2から始める。いいとか悪いとかではなく、その仕来りに従う製品が多い。ただ、そのあたりの事情を知らない方が多い。当方が(エンタープライズ系を狙うならば)Hadoop ver.1とかにせずに、ver.2とかver.3にした方がいいのではといったら、開発ロードマップの説明をされてしまいました。 2011年12月29日私事で外出。ところで、こちらの報道によると日本学術振興会、大学入試センター、大学評価機構、学生支援機構の4法人を統合だそうです。業務内容が違いすぎて、意味があるのかないのか、どうなのでしょう。特にガバナンス的にいえば大学評価機構は評価組織ですから、その独立性は必要だと思うのですがね。また、産総研とNEDOを1法人化も検討されているようですが、研究機関とファウンダーを一緒にするのは、別省の事例、例えばCRLとTAOの統合を見てても、あまりいいことないと思うけど。 2011年12月28日今日も霞が関仕事。御用納めの日といえ、霞が関の中央官庁は年内は通常業務でしょうから、民間用語ですよね。こちらも29日と日曜日の1日は休ませて頂く予定ですが、それ以外は通常勤務の予定。 2011年12月27日年末に立て続けに霞が関仕事。まぁ頼まれればやりますが、急にいわないでよね。話は変わってユーロ安のこと。欧州出張が多い身にはユーロ安はありがたいのですがね。さて今年はイタリアやスペイン、ポルトガルなど財務内容が悪化した国々への渡航が多かったのですが、共通しているのはイタリアやスペイン、ポルトガルも地元志向が高い。生まれた街で仕事をしているというケースが多いし、別の街で仕事をするにしても同じ地方からでない。例えばフィレンツェ出身の人は近隣のトスカーナから出ようとしないし、アンダルシアの人はアンダルシア内に住みたがる。でも地元に仕事があるとは限らない。例えばスペインは平均失業率が23%。11月にいったアンダルシアは35%近い失業率になっています。つまり仕事がないことがわかっていても住み続けているわけで、地元志向の高さが伺えます(実際、むしろ親と同居していればなんとなるという状況) ただ、これは労働力の移動性が低いということ。地元に仕事がなければ失業率の低い国、例えばドイツなどにいけばいいのですが、失業していても地元を離れない。もちろんドイツの場合は言語圏が違いますが、アンダルシアの方がマドリッドやバルセロナに移住するかというと、それも彼らの発想にはない。 こうなると失業率の違いがあっても労働力の移動が起きないから、失業率が平準化されない。それでもリーマンショック前は失業率が高い地域、つまり人件費の低い地域に工場が作られることで、労働力の移動はなくても雇用が移動していたから、失業率の差の拡大は抑えられていましたが、いまは雇用は移動しない。そのうえユーロという貨幣は欧州で広く使われているし、中央銀行の貸出金利は統一。つまり労働力は動かないけど、お金は自由に動いている状態。信用不安になればお金だけが逃げていくことになります。 2011年12月26日しつこくポストPCネタ。ポストPCというスマートフォンやパッドをあげる人が多いのですが、23日も書いたようにポストPCの主要市場となる発展途上国の文盲率を考えると、ディスプレーやタッチパネルよりも音声インターフェースの方がいい。その意味ではスマートフォンやパッドをポストPCというのは何かが違うような気がします。ただ、いまのスマートフォンの原型を作ったAppleはひとつ先を行っています。音声読み上げサービス(VoiceOver)に加えて、iPhone 4SではSiriという音声入力インターフェスを入れてきました。現時点では音声認識も使い勝手も実用という段階ではないのですがね。 注目しているのはAndroidが音声インターフェスに対応してくるか。というのは音声入力による情報検索では、Googleの稼ぎ頭であるWeb検索向け広告が難しいのです。音声出力は順番に再生することになるので、広告と使い勝手を両立できないのです。つまり音声インターフェスが主力になると、Googleはビジネスモデルを大きく変えない限りは生き残れないでしょう。おそらくApple、そしてJobsはそこまで読んで、未完成のSiriをあえて市場に導入したのでしょう。 さてポストPCにおける音声インターフェースですが、音声入力処理は端末側でする必要性はなく、クラウドコンピューティング側で処理することが考えられます。発展途上国の人件費が安いのであれば人手による音声入力を組み合わせる可能性もあるかもしれません。 2011年12月25日しつこいのですが、ポストPC話の続き。PCはPersonal Computerという言葉どおり、個人のコンピュータ。ただ、発展途上国の場合、50ドルのコンピュータでも、個人で所有できるとは限らない。複数人でシェアリングすることが前提になるかもしれません。ノキアの新興国向け携帯電話には消費者が他人とシェアリングするための機能があります。具体的には利用者毎に個別の電話帳を作ることができ、また誰が通話料金をいくら使ったかを確認できる機能もあります。ちなみに5人分程度らしいので、シェアリングするにしても一台を2〜3人程度なのでしょう。 このシェアリングは代金回収という点でも重要。発展途上国の場合、個人の貯蓄額は少ないので、ローン販売が前提になるからです。マイクロファイナンスの代表格であるグラミン銀行では、担保を求めない代わりに、顧客5人による互助グループをつくることを条件として課しています。このグループは連帯責任はない、誰かが踏み倒したときに他のメンバーに支払い義務は生じないのですが、以降の融資を受けられない可能性があり、自発的に肩代わりすることは多いとされます。 ポストPCの販売形態も、シェアリングと融資が前提になるかもしれません。建設機器のコマツは建機にGPSを組み込んで、世界中の建機の場所を把握して、それをマーケティングに使っているので有名ですが、コマツのGPSシステム(KOMTRAX)は、遠隔から建機を止める機能があります。これは盗難にあった建機を止めるためのものですが、発展途上国ではローン不払いの建機を外部から止められるようにして、ローン回収率をあげているそうです。ポストPCもローン不払い時は外部から止められる仕掛けがはいるかもしれませんね。 2011年12月24日ポストPCの続き。構成的に見たポストPC。まずプロセッサですが、Intelの86系は価格的にも難しいし、何よりも5千円以下で汎用的なコンピュータを作ろうしたら、各種インターフェースをワンチップ化すべきで、そうなるとSoCベースの開発ができるARMは有力候補になると思われます。プロセッサを組み込めるレベルの集積度をもつLSIの場合、生産する数にもよりますが、500円-1000円程度はかかるはずで、一個が限界で、それを二個も三個も載せられません。 実際、Raspberry PIというベンチャーが、ARMを使った25ドルのLinuxベースのPC用ボードを発表しています(2チップ構成のようですが)。これでEthernet、USB、ディスプレーが接続可能で、PCとして使えるそうです。これを見た方は性能の悪いPCか、組込用ボードとみるかもしれませんが、こうした玩具のようなコンピュータでも数が出れば、いずれはPCを凌駕していくことになるのです。 さてRaspberry PIのWebページをご覧なるとわかると思いますが、イギリスのケンブリッチ大学のロゴが入っています。ケンブリッチ大は大学研究をスピンアウトさせたベンチャーを育成をしており、Raspberry PIもそのひとつ。そしてケンブリッチ大からのスピンアウトしたベンチャーの代表格がARMなのです。ケンブリッチ大はベンチャーのエコシステムを構築しています。そしてポストPCの時代はイギリスのケンブリッチ周辺が、IT業界の重要エリアになりそうです。 さて話をポストPCの構成にもどすと、最近のARMは性能が向上しているといっても、スマートフォンを使っていればわかるようにPCと比べると遅い。ただ、負荷の重い処理はネットワーク側、つまりクラウドコンピューティングに任せることになりそう。それとPCと比べると演算性能に着目がいってしまいますが、いまのスマートフォンやパッドの使い方を見ている、ユーザが必要としているのは演算性能ではなく、使いたいときに使えるというレスポンスかもしれません。 2011年12月23日ポストPCのお話。コンピュータの歴史を紐解くと、1960年代のメインフレーム、1970年代のミニコン、1980年代のワークステーション、1990年代のPCへと、主役が移り変わってきました。ここで注目すべきはその市場。メインフレームは超大手企業、ミニコンは大手や中規模企業、ワークステーションは企業(だけど一人一台)、PCは先進国の消費者。つまり世代毎に市場が大きくなっています。正しくいうと、市場が大きいと技術開発が進んだというべきでしょう。昔のPCはミニコンと比べると玩具みたいな存在でしたが、ミニコンよりも多く売れる。多く売れれば技術開発が進み、性能的にもミニコンを追い抜きました。 さて話をポストPCに戻すと、ポストPCに要件が一つあるとするとそれはPCよりも売れること。PCよりも数が売れれば性能的にもPCを凌駕することになりますから。ただ、PCより売れるためには、PCよりも大きな市場がなければいけません。PCは先進国の消費者という市場で売れましたが、その市場よりも大きい市場は唯一、発展途上国の消費者だけです。 ポストPCは発展途上国の方々の要件に合致し、購入可能な価格帯でないといけません。日本にいると自分は中流などと言い合っていますが、年収300万円もあったら世界の金持ち10%にはいれます。年収600万円もあったら世界の金持ち1%に入れます。世界では年収100万円以下の人の方が圧倒的に多いのです。例えばバングラディシュの場合、人口は1億4千万人、一人あたりのGDPが684ドル(外務省の資料)、平均年収はバングラディシュ政府が正式統計を出していないそうですが、労働者比率が一番高い縫製従事者の年収が20000タカ(1ドル=28タカ)だそうで、5万5千円くらい。為替レートがあるので5〜6万円くらいと思ってください。つまり安物PC一台が1年分収入に相当し、当たり前ですがPCの購入は不可能です。仮に変えたとしても十分の一である5千円前後のコンピュータでないと無理でしょう。こうした貧国がアフリカをはじめ世界にいっぱいあるのです。 それからポストPCに求められる機能も先進国の常識は捨てるべきです。バングラディシュの場合、文盲率は44%。世界レベルで見ると、ネパールは48%(人口3千万人)、エチオピアは65%(人口8千万)など、識字ができない人は多いのです。そうした方に文字情報が主体のメールやWebに需要があるとは限りません。文章が書けなければキーボードも意味があるとはいえなくなってきます。そうなってくるとポストPCは、文字以外の情報、つまり音声ユーザインターフェースの比率がPCよりもあがるはずです。そうなるとディスプレーは文字よりも絵を移すことになるかもしれませんし、仮に文字情報の読み上げをしてくれるのであればディスプレーそのものもいらないかもしれません。いずれにしても、いまのPCに囚われずに、ポストPCを考えたいものです。 2011年12月22日打合せで外出です。 2011年12月21日講演。それもビッグデータ。あえて他では話されないことだけを話してみる。ビッグデータに関しては賛否があって、個人的にも懐疑的なのですが、一方でビッグデータによって可能になることも多い。今回の講演では、将来、ビッグデータに可能になる(かもしれない)ことをいくつか話したのですが、その一つはテレビ局や広告代理店の将来。今後、広告がユーザや場所、時間などのターゲティング指向になっていくことは多くの方が同意することですが、問題はその先。実際、細かくターゲティング広告を提供するにはユーザの行動を監視しないといけないし、そのデータ処理はビッグデータ化することが想定されます。ただ、広告には広告効果が常に問われ、それを評価できることが望まれます。ターゲティング広告の効果を評価するために、個々のユーザの行動、例えば行動を調べることで効果が評価できますが、その評価というのは何かというアリフェイト広告そのものです。いいかえるとテレビ局や広告代理店がアリフェイト料を主な収益源にする状況も想定されます。 それとビッグデータというとビジネスチャンスの拡大的な話題が多いのですが、別の使い方もあると思っています。IBMがインドでやっているSpoken Webというサービスでは、Webなどのテキストデータに、読み上げ用のタグ付けであるVoice XMLを付けています。なんで読み上げサービスが必要なのかというと文盲の人も使えるように。これはデータの構造化といえますし、テキストデータ同士に依存関係がないので、MapReduceやHadoopで処理しやすい。また、発展途上国では通信インフラも整っているとはいえない。南アフリカでEricssonが提供している仕組みでは、携帯電話のインフラを有効利用するために、ネットワークが空いているときは料金を下げる、正しくは輻輳状態が予測されると料金を上げることで、通信量を平滑化させています。この予測の時にはビッグデータ的な技術が使われています。 2011年12月20日作家による自炊代行業者への差し止めに向けて提訴したことが話題になっていますね。 ただ、今回の提訴に関わる作家の方々の主張でで思い出したのは米国鉄道会社の衰退でした。米国鉄道会社は1990年から40年ほどは、米国の旅客輸送のシェア9割を締めて不動の位置を占めていたのですが、その後は自動車や飛行機に旅客輸送を奪われます。ただ、そのとき米国鉄道会社は客が自家用車やバス、飛行機を使っても脅威と考えなかったとされます。その理由は米国鉄道会社は鉄道事業をしているという発想で、旅客輸送をしているという発想がなかったためといわれます。 さて話を元にもどすと、今回の提訴に関する記者会見時の作家の主張をあげると「本を作るのは大変なこと。このままでは漫画家や作家が近い将来職業として成立しない可能性もある」、「本という物の尊厳がこんなに傷つけられることはとんでもないことだ」、「作家から見ると裁断本を見るのは本当につらい」というもの。彼らは「本」に固着しています。作家(著作家というべきかも)を本のための文章を書く職業と考えているのでしょうか。本来、作家というのは文章を書くことを職業とする人のはず。本はその文章をのせる媒体にすぎません。つまり作家が自らの文章を傷つけられたならば怒るべきですが、今回のケースでは文章が改竄されたわけでもないし、削られたわけでもない。 米国鉄道会社ではないですが、今回提訴された作家の方々は本に縛られ、彼ら自身を本のための文章を書く職業と捉えているのではないでしょうか。広く文章を書くことと捉えれば別の行動がとれたかもしれません。 なお、裁判は良くも悪くも法的関係を整理する場ですから、著作権法に則ることになるのでしょう。 2011年12月19日ひたすらお仕事。 2011年12月18日夕方から休日出勤。そのままお泊まり残業。 2011年12月17日ところで偶然、自分のwikiページを発見。どなたが作ってくれたのでしょうね。謎です。これを見つけたときに、自分の出身高校のwikiページと出身大学のwikiページを見てみたのですが、なんと「主な出身者」に自分が入っている。「変な」という意識はあっても、「主な」という意識はないのですけど。 2011年12月16日文科省の科学技術政策研究所による調査「減少する大学教員の研究時」。確かに時間が減っているのですよね。ミヒャエル・エンデの小説「モモ」にでてくる灰色の男達(時間泥棒)から逃げ出さないとね。 2011年12月15日朝まで電話会議で国際会議(PerCom'2011)のプログラム委員会。PerComはかつてはコンピュータサイエンス系で採択率が一番低かった時代もあるなどトップ国際会議。毎回プログラム委員をしておりますが、最近は査読に疑問を感じることが多い。提案手法の問題点を伏せた論文が採録され、真面目に問題点もあげた論文が不採録になりやすい昨今の傾向はいいとは思えないのですよね。少なくてもこれでは研究が発展しない。分野によっては他者の再実験で問題点が見いだされますが、コンピュータサイエンスは他者による再実験が難しい。だから、論文で提案手法の問題点を隠されると、その問題点を隠されたまま。そんな論文がトップ国際会議で採録されると、不備のない手法ということになってしまう。論文というのは研究を周知される手段に過ぎず、最終目的ではないはず。むしろ他者が後に続けるように論文を書いてくれないと、研究としての発展が止まってしまう。 提案手法の問題点に隠した論文を有名論文誌や国際会議に採録して、その研究コミュニティが衰退するのは自業自得ですが、深刻なのは一般の方々に科学は都合が悪い問題を隠すと思わせてしまうこと。実際、昨今の放射線による健康被害疑惑でも、科学者が問題をきちんと説明しないのではという疑念が背景にあるように思います。まずは個々の科学者が不利な問題も積極的に説明することが必要ですが、なかなかうまくいきません。実際、こうした研究者としての反省的なことを書くと、書いた研究者に一般の方から非難がきて、何も言わない研究者は何も非難されないので、何も書かない方がいいというロジックになるのですよね。 2011年12月14日なぜか講演依頼が3件やってくる。夜は電話会議。国際会議(PerCom'2011)のプログラム委員のお仕事。 2011年12月13日京都議定書の延長に日本は拒否するそうです(ただしくは数値目標の設定を拒否)。その是非以前に、メディア等で大騒ぎになっていないことに一番驚きました。流れとしては前々回のコペンハーゲンの流れの延長線ですし、日本は単純延長時は削減義務は負わないという方向だったのですが、それでも参加拒否表明となれば大騒ぎなったと思うのですが、時代は変わりましたね。ただ、これで温室効果ガスの削減が終わったわけでもないし、欧州は確実に先に進めてきますから、再目標設定時を想定した準備をしおかないと次が相当辛くなるのも事実。どんな準備が必要なのでしょうね。 2011年12月12日オフィスでお仕事。ところでこちらの記事によると京急電鉄が新造車両にLED照明を導入して、CO2排出は2.7トン削減したそうです。こうした話は感心する一方で、採算性が不思議になります。CO2を2.7トンの削減するならば排出権ならば4千円ぐらい。おそらくLED電流の2個か3個分の投資です。消費電力3割減にしても、電車の場合、多くは動力に使われており、照明の電力は微々たるもので、それを3割削減してもね、という気分になるのです。 2011年12月11日さすがにぐったり。でも午後は東京駅、それもJR東日本の新幹線ホームに行くことに。東海道新幹線ばかり乗っていて、東北、上越、長野方面の新幹線には滅多に乗らないため、個人的には新鮮な体験。 2011年12月10日ドバイで乗り換えて、成田に移動。普段、飛行機では寝ないのですが、今回はさすがに寝ました。というか起きてられませんでした。 2011年12月9日帰りの飛行機は19時。ということで17時過ぎまでキプロス観光。深夜にドバイに移動。 2011年12月8日国際会議(ICSOC'2011)の4日目。論文を通しておいていうのはなんなのですが、今回発表したICSOCはトップ国際会議ということになっています。お世辞でもレベルが高いとはいえない。論文が通っても自慢できるどころか、むしろ恥ずかしいと思うほどに凋落。さらに驚いたのが、会議中にあった方々が、一様に、自分はサービス研究の周辺技術を研究しているということ。また、当方から当該分野のコア技術とは何かと訊ねても、これまた一様にわからないと答えられてしまったこと。当方は専門分野でないので他人事でいられるけど、コアがない研究分野と長くは続かないのですよね。実際、ICSOCも初期は企業関係者が多かったのですが(昔はプログラム委員でした)、今回来てみれば皆無。それにしても、当該分野の研究者はどうするのでしょうかね。 2011年12月7日国際会議(ICSOC'2011)の3日目。当方は午後に発表。さて今日の基調講演はSalesforceのお二人。前半の一人はMBA風講演の典型。意味がなくても、ほとんどのスライドには右上がりのグラフを入れる、技術そのものより、その技術の採用企業を強調。 後半の方の講演はおそらく知られていなかった同社のデータ管理の話。これはおもしろかった。SalesforceはRDBMSをマルチテナント(複数ユーザで共用)していることで知られていますが、その仕組みは謎だったと思います。今日の講演でわかったことは。RDBMSの単一テーブルに複数顧客のデータを入れて、インデクシングを駆使してユーザ管理・効率化しているということ。もう少し説明すると一つのテーブルに複数企業のデータをいれると、中身のデータの多様化するので、RDBでありながらKVS的な使い方になっていること。データ格納用テーブルの各行には、行固有のID、企業コード、データが入っており、インデクスには行IDと企業名を入れる。データ用テーブルとインデクスの紐付けはIDによるようですが、企業コードを使って、IDの不整合による問題、例えば別の企業のデータを呼んでしまうような問題を回避しているようです。インデクスもRDMBSで格納していますが、統計的に最適化を裏でまわして、問い合わせ処理が効率化していそうです。また、個々の問い合わせもJIT 的に前処理で最適化後に実行しているそうです。また、可用性を維持するために、外部から処理をうけつけると、システム状態によっては拒絶することで可用性をあげている。システム負荷が80%以上、65-85%、65%以下に応じて処理手法を変更しているとのこと。Salesforceの内部システムは、負荷の高いタスクは複数サーバに振り分けるが、タスク割り当てサーバがあるのではなく、空いているサーバは忙しいサーバからタスクを盗む(Steal)という形の負荷分散らしい。 2011年12月6日国際会議(ICSOC'2011)の2日目。ICSOCは過去に論文を通しているし、プログラム委員だった時代もあるのですが、当時の知り合いがいない。人が入れ替わったのでしょうね。こうした国際会議は人が固定化されるといいことはないのですが、総入れ替えはいいのか悪いのか。まぁそれはいいとして、気になったのは企業からの参加者が皆無ということ。ICSOCは初期は企業関係者が半分以上だったのですがね。企業関係者が少ないというのは健全とはいえない。むしろ当該分野では危険な状態。サービスというのは提供主体が一番問題を知っているので、その提供主体である企業から見放された国際会議っていったい何という感じ。 2011年12月5日国際会議(ICSOC'2011)の1日目。ところでキプロスですが、ギリシャ語圏ということで、ギリシャの島のようなイメージでいたのですが、勤労意欲が高いし、仕事は手早い。1960年代までイギリス領だったためかもしれませんが、ギリシャとは違う国民性のようです。またご年配者を含めて英語が通じます。 ところでEclipseにScalaのプラグインを入れたときに、Eclipseを壊してしまって、作業が出来ない。現地のネットワークは3KB/s以下なので、Eclipseをダウンロードしたらいつになったらおわるかわからないし。 2011年12月4日ドバイからイラクとサウジアラビアの国境沿いを飛行して、キプロスのラナルカに移動。それからタクシーで1時間半ほどかけてパフォスの街に移動。遠かったし、公共交通機関がない。道中に発電所がみえたのですが、同国最大の発電所なのですが、壊れた状態。御存知の方も多いと思いますが、7月に海軍の弾薬庫爆発事故、その爆発で国内最大発電所が破損。さらにその修理費用に国債を発行すると債務比率GDP比65%から75%になるそうです。キプロスですが、ギリシアほどではないにしても財政状態はよくないので、この修理は難しいそうです。ただ、この騒動でキプロスは被害者的なところがあり、海軍基地の爆発事故は、米英が押収したイランからシリア向けの武器を一時預かりしていて、それが爆発したらしい。 今回の出張で、2000年代初頭のEU加盟国すべてを制覇。でもその後に東欧・バルト三国が加入したので、まだまだ先は長い。 2011年12月3日夜10時発のエミレーツ航空でドバイに移動。予行便の欧州方面は夜出て、早朝に着くので結構しんどい。飛行機中では論文を書かないといけないのに、Java FX 2.0と戯れるというか、プログラミング。ポテンシャルとしてはSwingよりはいいのかもしれないけど、何をやるにも試行錯誤で進まない。だいたいHello Worldのプログラムを書くまでにかなり手間取りました。実は実装中というか、実装予定のシステムのGUIとしてJava FX 2.0が使えるかを評価するためだったのですが、要件には合致するけど、試行錯誤をして遊んでいる暇もない。 2011年12月2日某プロジェクトの打ち合わせ。このプロジェクトは何回も会合を開かれたそうですが、海外出張のために出るようになったのは最近。こうした新規案件絡み会合の鉄則は、まず最初にその会合で何を決めるのか、それをいつ、どのような手順で決めるかを明確にしておくべきなのですが、どうも初回にその議論はなかった様子。メンバーに次々に報告と追加調査をするだけの様子。たしかに議論は盛り上がっても、結局、何も決まらないような気がするのは当方だけでしょうか。 2011年12月1日今日から新卒就職活動が解禁だとか。勤務先は博士課程だけなので、就活的な話から縁遠くなりました。ただ、端から見ていると不思議なところがいっぱい。何から指摘していいかもわかりませんが、感心する一方で戸惑うのが、業種という言葉。マイコムやリクナビなどの学生向け資料をみていると、各企業を分類して業種ごとにリスト化しているのですが、例えば「情報通信」という業種にはいってる企業でも、通信キャリアとソフトウェア会社って、職場としてもだいぶ違うし、そもそも「情報通信」だけを生業としているわけではなく、業種をまたがってビジネスにしています。整理している側は百も承知なのかもしれませんが、学生さんの方は良くも悪くも「業種」で企業を選ぶのですよね。 搾取という言葉が今の時代にあうのかわかりませんが、就職情報誌やセミナー会社などが、一大産業化していて、学生さんをよってたかって搾取している感じがして仕方ないのですよね。 2011年11月30日取材。ところで「ドコモ、来年夏にiPhone参入」という記事が出ていたのですが、真偽はわかりませんが、ドコモユーザがauやSBMのiPhoneに乗り換えることを防ぐために打ったリークならば、たいへん効果的。ただし、来年夏にドコモ版iPhoneでなかったりすると、この報道を信じたドコモユーザがauやSMBに乗換える確率は高くなるわけで、仮に現在、Appleと交渉中だとすると今後の交渉はAppleに主導権を取られるだけになりそう。ドコモは否定コメントを出すでしょうが、具体的な交渉であるかは別にして、大きなシェアをもつスマートフォンですから、何も交渉していないことの方が不自然。 2011年11月29日霞が関仕事。協力するけど、急に言わないでほしい。 2011年11月28日Amazon AWS (アマゾンデータサービスジャパン(株))からオフィス移転のハガキを頂いたのですが、まったくの部外者からAmazon AWSについて思うことを少々。日本のAWS関係者は各所でAWSの啓蒙など熱心に活動されているわけですが、営業力的にいえば国内系のデータセンター/ホスティング/クラウド事業者には量的に勝てない。この状況は日本ほどではないのでしょうが、世界的にみても共通だと思います。 だとしたらエンドユーザというか、ユーザ企業への営業をするよりも、SaaSを含む、IaaSやPaaSなどのクラウドコンピューティング事業者向けのインフラ提供サービスに徹した方がいいように思うのです。なんどもいいますが、端から見ている限りは。Amazon EC2を利用したSaaSやPaaSはありますが、むしろサードパーティIaaS業者のためのIaaSの提供。 こんなことをいうのはAmazonに対してもありますが、国内のIaaS業者にとってもそろそろ今後を考えた方がいい時期だから。国内のIaaS業者(を名乗る業者)は、クラウドコンピューティングが流行ったので何かをしないといけないという状況で始めており、いずれも規模が小さい。しかし、クラウドコンピューティングは「規模の経済」といわれますが、相当数のユーザを確保していなければ採算性は厳しいはず。早晩、事業を続けられなくなるIaaS業者が出てくることが予想されます。 そうなると国内IaaS業者はやっていけるのかが問題ですが、自社でサーバを抱えて、運用するコストを考えたら、AWSから借りた方が安くなる業者も多いはず。それとAWSの料金モデルは多様化していますが、それでも国内のユーザ企業の要求すべてを満足できるわけでないので、例えば先物的に利用料を決めるとか、AWSではサポートしきれない料金モデルや、オンプレミスからクラウドコンピューティングへの以降サービスなど生き残る道はきっとあると思うのです。 2011年11月27日所用で羽田空港の国際線ターミナル。別に飛ぶわけではありません。ただ、新しくなってから国際線ターミナルは初めてでした。ショッピングモールは江戸風ということになっているそうですが、海外の日本風レストランのような不思議な世界。 ところで最初に海外は羽田からでした。まだアンカレッジ経由の時代。乗ったのはエールフランスの羽田発パリ行き。アンカレッジで一時間ぐらいターミナルをうろうろ(心配したエールフランスのフランス人CAさんがついていてくれた)。アンカレッジからパリまでは北極越え。ひたすら氷が続く世界をいまでも鮮明に覚えています。それにしても小学生4年生で一人で飛行機によく乗ったと思う。怖いもの知らずというのか、何も考えていなかったというべきか。 2011年11月26日成田に到着。満員エコノミー。ANAはパリ便も新造のBoeing777となり、プレミアムエコノミーがなくなりました。プレミアムエコミーへのアップグレードがなければStar Allianceの会員のメリットはないに等しく。来年はどこの航空会社を使いましょうか。出張では複数用務があることも多く、往路と復路では経路が違うことが多く、成田発と着便で路線が変えやすいという点では日系航空会社が楽なのですが、かといってJALはいまさら感があるしね。 2011年11月25日マラガからパリに移動。乗り換えは7時間待ち。当然、パリ市内に出て先月はスト中でいけなかったオルセー美術館に直行。そのまま空港に戻る。 2011年11月24日国際会議と委員会のバンケットには出ずに、原稿書き。仕事をいろいろ連れてきてしまいました。 2011年11月23日国際会議と委員会。夜は国際会議のパーティがあったのですが、場所が厩舎。臭いはありませんでしたがね。さてコルドバですが、おもしろい街ですね。イスラムが勢力を伸ばしていた時期、欧州におけるイスラムの首都的な位置づけにあったそうで、欧州なのにイスラム風の建物がいっぱい。街は迷路のようだし、イスラム的な幾何学模様の飾りがいっぱい。教会もモスクを改造した場所。 2011年11月22日委員会。国際会議と同じホテルで開催。その方が運営が楽だからだそうですが、出張理由にはなりやすい。 2011年11月21日マラガからコルドバに移動。スペイン版の新幹線でしたが、最新車両。先頭車両の空力設計は日本の新幹線に似ていますが、車内環境は数段上。また前後の電気機関車が牽引する方式なので、客車にはモーターがなく、静かで快適。たまに日本の新幹線が世界で一番優れているとか、おっしゃる方がおられますが、海外の新幹線に乗ってみてほしいですね。特にここ数年で差が広がっていることは、当方のような素人でもわかりますから。お客にとっては先頭車両の形などはどうでもいい。重要なのは車内環境。日本の新幹線の宣伝で車内環境を前面に出した例を見たことがない。 2011年11月20日今年二回目のスペイン。パリを経由して、マラガに移動。ここまで自宅を出てから24時間を超える旅でしたが、まだ最終目的地ではないところが悲しい。 ところで前回のスペイン訪問とは行き先が違いますが、空港から駅、コインロッカー、市役所まで、X線の大型手荷物検査装置で荷物をチェックしていること。現地の知り合いにテロの恐れでもあるのか、と聞いたら、笑いながら「雇用確保」と答えてくれました。スペインの失業率は20%を超えている水準(渡航先のアンダルシア地方は30%)。まさに安全という雇用確保。誰でも危険よりも安全の方がいいわけで、雇用対策であっても、安全のためといわれると反対しにくい。 2011年11月19日休日出勤。だいぶ疲れているのですが、そんな個人的な事情は許されるわけでもない。 ちょっと前なのですが、国内学会の英文論文誌に投稿されたバリバリの理論系研究の論文の査読を頼まれたのですが、少なくてもシステム屋の当方が査読するよりは、多少分野が違っても理論系研究者が査読した方がいいと思い、断ったのですが、担当編集員さん曰く、理論系の研究者には分野が違うと行って、ことごとく査読を断られたとか。でも読んでみるとその分野の専門家でなくても、理論系コンピュータサイエンスの基礎知識があれば読める論文でしたで、専門のど真ん中でないと正しい評価ができないというのはこの論文に関して当てはまらない。 一方、システム系の研究者だと多少分野が違っても査読してしまいますし、査読を割り当てる方もどん真ん中の研究者以外の研究者にも査読をしてもらって、多角的に評価することが多い。ということもあって理論系の研究者がちょっと分野が違うだけで査読を断るという発想はなかなか興味深い。 まぁいろいろな理由があるだろうし、当方が何か言うと理論系の研究者様から、いろいろ怒られるわけですがね。ただ、これは学問というもの本質が隠れているような気がします。研究分野は細分化される方向に進みやすい。そして細分化の結果、研究分野が確立すると、他の分野との違いを明確するという差別化とともに、その分野を確固たるものにするため精密化、例えば理論の構築が行われていきます。 その理論は当該の研究分野に特化したものとなりますから、他の分野をみなくなるのでしょうかね。もちろん、自然科学系の場合は、研究分野が違っても、研究対象そのものは共通なことも多く、細分化が抑制されるのでしょうが、コンピュータサイエンスの場合、共通するのは計算という概念ぐらいで、それ以外は発散しやすいし、恣意的に研究分野を作ることもできてしまうんですよね。 もちろんその専門のど真ん中の研究者でないと正しく査読できないというのは理にかなっていますが、論文を書くのも読む側も、狭い同じ専門内だけというのは、言葉が悪いのですがタコ壺化しやすいし、むしろ違う分野から査読してもらって、別の知見を吹き込んだ方がいいと思うのですがね。 2011年11月18日ひたすら論文査読。いわゆる難関会議への投稿論文だし、本数が多い。ひとまず10本中、5本を終わらせる。 2011年11月17日取材3件と外出1件。ハードな一日。 2011年11月16日東京国際フォーラムで開催されたイベントで基調講演。お題はビッグデータ。いかがだったでしょうか。立場もあって、話せることと話せないことがあったのですが、現状のビッグデータに疑問をもっている当方に基調講演をさせるとは、ある意味ですごいイベントでした。 さて講演中に話したのですが、まずは小規模データの解析もできていない企業が、大規模データの解析は無理。ビッグデータという言葉に飛び付く前に、手持ちのデータの解析をきちんとした方がいい。 それとビッグデータのまわりには誤解が多い。一番の困るのはビッグデータを魔法か何かと思っているケース。ここで決まって話題になるのが、機械学習手法により大量データからパターンを自動抽出できるという話。でもそれが有効なのは限られます。例えば将棋ソフトウェアのように、ルールセットが小さくさらに変わらない、盤面のように閉じた世界で、さらに過去のデータが大量にある場合など。一方、実世界はルールなんてあってないようなものだし、開いた世界でその中のルールもどんどん変化します。そうなると機械学習を駆使しようと、抽出できるパターンは限定的なものとなります。また仮に静的な小さいルールセットがあって、閉じた世界だったとしても、相当量の過去データがないと抽出は難しい。 次に困るのはビッグデータを新しい技術だと思っているケース。クレジット会社のカードの不正利用の判別システムは、いわゆるビックデータと同じ処理。つまりビックデータは新しいわけではない。だからといって、既存のBusiness Intelligence (BI)とは技術が違うことにも気をつけてほしいところ。BIでは、解析すべきデータが決まっていて、それを様々な統計手法を使って解析することになりますが、ビッグデータと呼ばれる世界では、大量かつ多様なでーたがあるので、それを全部調べることはできない。むしろ調べたい関心事とデータの特性から、データの中から解析すべき対象をみつけることが一番重要。その意味ではBI系のデータ解析技術者すべてがビッグデータの世界で活躍できるとは限らない。というのは彼らは関心事にあった解析手法を選ぶ能力には長けていますが、データを読んで、解析に必要なカ所を見つけられるとは限らない。 それとデータ解析の結果、仮におもしろい解析結果が得られたとしても、それが収益拡大または損出縮小につながるとは限らない。実際、多くの解析結果はおもしろいだけで、役に立たない。また、ビッグデータから得られる解析結果というのは、全体動向ではなく、細かいデータ。細かいデータを誰の役に立つのかというと、経営者ではなく、現場。つまり現場に裁量がない組織はビッグデータをはじめて役に立たないこともお忘れなく。 さて講演の冒頭で触れたように、ビッグデータという技術よりも、ビッグデータが注目される背景の方が重要。そのひとつは既存のマーケティング手法が通用しなくなっていることがあげられます。従来はフィリップ・コトラーが提唱したように、セグメント、ポジショニング、ターゲティングでしたが、それが通用しない。顧客は企業ではなく、他の顧客を信用する傾向が強く、下手なTVCMよりもネットの口コミ情報の方が重要。そうなると個々の顧客の行動を把握する必要がありますが、その場合、店舗別の月間売り上げとか、商品別の月間売り上げなど、BI用語でいうところのディメンションデータではなく、個々の販売というファクトデータを追う必要があります。ファクトデータは大量。だからビッグデータが重要となるということ。 2011年11月15日ひたすら仕事。それにしても時間がだけがどんどん過ぎていく。しつこくスマートフォンの話なのですが、Windows Phone 7のこと。なぜWindowsという名称を付けないといけないのかがわからない。PC用Windowsとアプリケーションの互換はもちろんないし、アーキテクチャ的にも同じものとはいいのくい。そもそもWindows Phone 7.0は携帯電話用のWindows Mobile 6.5の後継版という位置づけでしたが、そのWindows Mobile 6.5と比べてもWindows Phone 7.0は互換性がなければ、アーキテクチャも違う。いくらWindowsがMicrosoftの代名詞とはいえ、なんでもWindowsという名称を付ければいいというものではないと思うのですがね。それから携帯電話の場合、Metroのようなインターフェースでもいいのかなぁ、という気がしなくもないけど、ビジネス用途のPCにメトロはピンと来ない。 2011年11月14日ひたすら仕事。スマートフォンの話題が続いてしまいますが、個人所有スマートフォンの業務利用が広がっているのか、スマートフォンの業務利用規程を作る企業は多くなりました。でもスマートフォンをはじめとして、携帯端末では、内蔵アプリケーションよりも、SNSなどの社外サービスを使うことも多いの現実。ならば携帯端末の業務利用を作るより、社外サービスの業務利用規程を作る方が重要だと思うのですが、端末のことしか考えていない規定がまだまだ多いですよね。例えばFacebookで顧客企業の担当者を友達として登録した場合、顧客情報の漏洩になるのか、とか考えなければいけないことがいっぱい。 2011年11月13日3日のAndroid話の続き。Androidを採用する端末メーカも、iPhoneに対抗するには、現状ではAndroidにしかないわけで、いいも悪いもついていくしかない。MSのスマートフォン向けOSもありますが、アプリケーションマーケットなどが充実しているとはいえませんから。 AndroidはGoogleから端末メーカに無償で提供されることになっているが、Googleは決して社会事業でやっているわけではなく、儲かるからやっているだけ。例えばGoogleはAndroidを採用した端末に対して、GoogleのWeb検索がトップに表示されるように求めています。つまり、Android端末が普及するほど、GoogleのWeb検索が増えて、そのWeb検索の広告を大きな収益源としているGoogleには広告主からお金が落ちるのです。いいかえればAndoridは所詮はGoogleの広告ビジネスのための看板に過ぎません。その意味では、ユーザは、端末というか、看板を買わされたあげく、その看板で広告を見させられている状態。端末メーカは持ち出しでGoogleの看板開発をしているようなもの。その意味では無償どころか、むしろ開発費用の一部をG社に負担願ってもいいぐらいかも。まぁ、そこまでいかなくても特許問題ではその費用の一部をG社にご負担願いたいというのは理屈として正しい。なお、キャリアに関しては通信料がとれればいいので、損ではないと思いますけどね。 何を言いのかというと、端末メーカは承知尽くでやっているでしょうが、OSというソフトウェアを広告収入目的で無償配布するというのは無理があるように思うのですよね。そもそもOSそのものは広告媒体ではないから。それに無償配布をするならば端末も無償配布をすべきだと思います。 2011年11月12日朝9時発のフライトで帰国。現地滞在時間36時間弱、台湾は到着して、出発するまでずっと雨でした。結局、写真は一枚も撮らず。 2011年11月11日昼食を挟んで台湾の研究機関の方と打ち合わせ、そして夕方は国際会議で発表。ところで国際会議(TAAI'2011)ですが、このページを関係者の方も読まれているので、あまりいいたくないけど、冒頭の基調講演がつまらなすぎる。当然、席を立つ人が多く、基調講演よりも、パラレルセッションの一般論文発表の方が聴衆が多いという状況。台湾の方は紳士的なので付き合ってくれていますが、なんともあと味が悪い感じでした。 文科省で某野球団の記者会見があったそうですが、こうした問題を起こすことも問題ですが、社内問題を解決するために文科省やマスコミに頼るのも問題だし、社外を巻き込まないと社内問題を解決できないことも問題。 2011年11月10日3時近くまでオフィスで書類仕事。それから成田空港にいってANAで台北桃園空港に移動。せめて午前中に仕事ができると効率がいい。ただし、体力的には辛いものがありますが。 2011年11月9日某予算書類作成。さて間に合うのか。さすがに今回は自信がなくなってきています。ところでAdobeはモバイル版Flashの開発を中止したそうですね。AdobeはFlashの普及に熱心だったので意外感はありますが、Flashのようなソフトウェアはインストール数とかサポートしているデバイスの種類よりも、Flashのコンテンツを作るクリエーターさん達の支持を得られているかが勝負なのだと思います。FlashをインストールユーザはFlashのコンテンツを見たいだけで、Flashを使いたいという人は皆無なはず。そのクリエーターさん達ですが、大昔のFlash 5あたりの機能で止まっている方々と、先端指向の方々に二分されているように見えます。当然、モバイル系のコンテンツを作ってくれるのは後者のクリエーターさん達になりますが、彼らはHTML 5などWeb標準機能に関心があるのではないでしょうか。 それと将来的には携帯端末向けのアプリケーションはネットワークの向こう側、つまりサービス化してしまって、携帯端末で動作するのはユーザインターフェース部分だけになっていくと思います。そのインターフェースとしてもFlashは有用ですが、サーバとの連携という点ではFlashよりもHTML 5の方がいいように思います。やはりFlashの場合、動的コンテンツの生成に向いていませんから。 2011年11月8日打合せで四ッ谷方面。話は変わりますが、品川方面の某家電メーカさんはたいへんなようですね。このメーカに限らず、テレビ事業はどのメーカもたいへんそうです。かつての稼ぎ頭だったからと行って、再び稼ぎ頭になるとは限らないわけで、見切りを付けた方がいいのかもしれませんね。液晶テレビはサイズと値段で買うわけで、メーカがどこかはどうでもいい。 2011年11月7日マイナスイオンなど効果不明の機能をうたい文句にして拡販している家電メーカをみていると、昨今の放射線の危険性を必要以上に煽る、怪しい自称評論家の方々も大差ないような気がしてならない。もちろん放射線汚染は未解明の部分があって軽視すべきではないので、別問題なのでしょうが。でも家電メーカは技術力を自慢するならば、だじゃれのような商品名で拡販をねらったり、効果不明の機能で商品差別化するのは卒業して欲しい気がします。 2011年11月6日休日出勤。困りましたね、仕事がおわらない。昨日に続いて国際情勢。タイの洪水はたいへんなことになっていますね。被害地域の方々はたいへんかと思います。ところで洪水の影響で海外でもでていますが、IT業界にかわる影響としてはハードディスクの値上げ。ハードディスクの工場はタイに集中しており、当面は供給不足が続くと思われます。これでハードディスクからSSDへ移行が進むかもしれません。長期的にはハードディスクからSSDへの流れだったとはいえ、洪水という自然災害がその流れを速めるとは思っていませんでした。 2011年11月5日休日出勤。ユーロ危機が収まりませんね。これがドルに広がらないといいのですが。欧州銀行は米国債という長期貸し出しをする一方で、米国から短期貸し出しを受ける立場。サブプライムローン問題にしても、証券化された不動産ローンが背景ですが、直接的な引き金は直接的に資金難になった理由は短期貸出のロール・オーバー不能でした。総量的にバランスされていても、長期と短期のように時間軸の違うところは破綻が起きやすい。これは経済もITも同じかもしれません。 2011年11月4日PCを床に並べてひたすら評価。ラックはあるのですが、手前にスペースがなくて、サーバをさせない(正しくはラックの扉を全開できない)という情けない状況。本当は書類仕事をしないといけないのですがね。 ところで来月にキプロス出張があるのですが、アテネまわりは避けてドバイ経由にすることに。アテネの空港は管制官のストまであったようで、安全策をとることに。結果的に飛行時間も短くなりそう。 2011年11月3日休日出勤。iPhoneではなく、Androidスマートフォンにするか迷ったのですが、使い勝手とか、知財問題以前に、Androidの状況があまりいいとは思えないのです。Androidはいい意味でも悪い意味でも携帯電話よりもPCに近いと思っています。それはソフトウェア的には自由度があるし、AndroidというOSを使えば誰でもスマートフォーンが作れるわけですが、同時にPCのよくないところ、例えばウィルスソフトウェアの問題なども引き継ぐことになります。Windowsで懲りた問題をスマートフォンで再燃してほしくないですね。まぁAndroidスマートフォンを出しているメーカとしては、他に選択肢がないからということなのでしょうが。 2011年11月2日3日は休日と知らずに打ち合わせをいれていたことに2日に気づく。こちらはどうせ出勤だからいいのですが。 さて夜、頼んでおいたiPhone 4Sを取りに行く。さてiPhone 4Sですが、普通にiPhoneでした。さてiPhone 4Sは新味がないと評判がよくないようですが、これだけ売れた商品になると、下手に新味を出すと、従来ユーザは以前からある、慣れた方がいいと不満を持つわけで難しい。それとAppleがスマートフォンをサービスやアプリで進化させるものと思っているのであれば、スマートフォン自体の機能はこの程度にして価格を下げて普及を広げるという戦略もあります。 2011年11月1日なんと11月。まだ年明けから日にちがさほど経っていないつもりでいたのですがね。 昨日の続きになってしまいますが、研究分野としての深みがあるようだけど、端から見るとひたすら細分化させているだけの分野があります。下手に例を挙げると関係者に怒られるわけの、例はさけますけど。ただ、国際会議などで自分の専門分野のセッション以外の論文がよくわからないというのは危険かもしれませんね。研究は難しそうにみえると、すごいことをやっているように見えますが、本質的なこと、つまり分野を超えた知見は、その専門以外の人にもわかるはずですから。 2011年10月31日学問って、生物の進化の系譜とよく似ているところがありますね。どちらも細分化されていく。例えば物理学でもコンピュータサイエンスでも様々な分野に細分化されているし、その細分化された分野もさらに細分化されていく。さらに学問の場合、細分化により分野ができると、その分野を確立するための動き、例えばコアとなる理論の精密化や、その分野に特化した手法が発展していく。ただ、その理論や手法というのは他の分野では役に立つは限らないし、その分野における成果を他分野に使いにくくする方向に進んでしまう。つまり特殊化といえます(発想まで特殊化されてしまって自分の狭い専門分野の見方でしか、他の世界が見えなくなっている人まで出てくる。ここまでいくと哀れとしかいいようがない)。 生物の進化では単細胞生物から始まって、枝別れを繰り返しながら発展をしてきています。ただ、そのほとんどの枝は袋小路に陥っている。つまり進化は環境におうじた特殊化を進めてしまい、その先がなくなっている状態。わかりやすい例はパンダですが、パンダは、本来肉食だったクマの枝分かれだけど、笹を食べることに特殊化しており、笹が食べられない地域に適応できないし、この先、パンダが種として進化するとも思えず、やはり袋小路に陥っているのではないでしょうか。 生物進化では、大きく発展する種というのは特殊化の先にあるのではなく、特殊化する以前、つまり個々の環境に最適化されていないけど、相違な環境に適応できる種が伸びることになります。その意味では学問でも、特殊化の果てに、特定分野が袋小路に至ったときは、その分野が新しい発展をみせる可能性は低く、むしろ特殊化する前の段階に戻ってみるということが必要なのかもしれません。研究者でも研究分野を変えられる方がおられます。そうした方をみていると細分化した枝から枝にジャンプしているのではなく、学問分野という木をいったん根の方に戻って別の枝に行っているように見えます。 理工学部に入学した学生さんは、(学科や新振などの縛りがあるにしても)大学一年生は物理学にも化学にも、コンピュータサイエンスにもいけるわけですが、学年が上がるごとに所属学科の専門に特化してしていき、他の分野に移ることは難しくなっていきます。これが修士課程になるとさらに細分化した分野の特化していきます。いいかえれば専門性を得る代わりに、可能性の幅を減らしているとみることもできます。どんな研究分野も袋小路に陥るリスクをもっています。いざとなったら戻って、別の分野にいけるようにしておきたいですね。そのためには自分がたどってきた道を忘れないこと、つまり専門分野に特殊化される前に通ってきた道で、学んだことをしっかり身につけておくこと。 2011年10月30日ぐったり中。さすがに疲れるのですよね。それでこれで今月の休日は4日あったことになり、法定休日数をクリアできそう。これで人事に怒られずに済みます。 2011年10月29日休日出勤。昨日はB777に乗ったのですが、B777の制御系は3重化(論文)。例えば各系統には違うプロセッサAMD29050と68040と80486にしてあり、未知のプロセッサやコンパイラによるバグまで疑う構成になっているのですよね。つまりロバストにするためには多様性が必要ということ。それと比べると、開発ターゲットのソフトウェアだけ検証して安心しているような程度では高信頼性とかデペンダブルとは恥ずかしくていえないのでしょうね。もちろん飛行機は極端な例かもしれませんが、ハイエンドを知らないのと、それ以下のレンジの方向性はわからないはず。高信頼性とかデペンダブルに関わられる方には航空機系の信頼性工学もウオッチしてほしいですね。個人的にデペンダブルや耐故障性の研究に手を出せなかったのは、航空機の高信頼性手法を知る機会があって、ソフトウェアのデペンダブルや耐故障性を研究しても、ソフトウェアの世界で評価されても、世の中では評価されるレベルにいけるとは限らないから。 2011年10月28日久しぶりにほぼ定刻通りに成田到着。実は登場したANA便は3回連続で1時間以上遅れだったので。それからオフィス直行。今回は乗り継ぎがなかった分、体力的には楽でしたが、12時間フライトのあとにお仕事は辛いです。優しさのない職場ですよね。 2011年10月27日ひたすら市内見聞というか、徘徊して、シャルルドゴール空港に。空港にいってみるとANAのチェックインカウンターは、トルコ航空に乗ると思われる中東系の方々でごった返している状況。どうもチェックインが遅れたためのようですが、近寄れないほどの大混乱。 2011年10月26日国際会議の3日目。夜はパリオペラ座でワグナーのオペラ「タンホイザー(Tannhauser)」を観劇。タンホイザーは何回かみていますが、4年前の10月に新国立劇場で観た以来(この年はタンホイザーを9月にも観ている)。出来は当方が観た中では一番かも。パリオペラ座らしく、過激かつ官能的な演出。出だしからVinus役のメゾソプラノ歌手Sophie Kochがヌード状態で登場(やはりパリオペラ座でトップレスで歌う演出もありました)。舞台は中世ではなく、衣装からいうと1950年代から1960年代風。ワグナーオペらしくシンプル。 さてオペラの出来ですが、Tannhauser役のテノールChristoper Ventrisは水準が高いし、タンホイザーの感情の揺れを見事に歌いきってました。Elisabeth役のソプラノNina Stemmeはタンホイザーへの想いと不安の両方を感じさせる歌い方。そしてVinus役のSophie Kochは歌唱力に加えて演技をみせてくれました。それと演出上、スタイルも抜群でした。実はSophie Kochは、今年の4月にマドリッド歌劇場でマスネの「ウェーテル」で、ヒロインのCharlotte役を演じたときに聞いたばかり。そのときも非常によかったと記憶していますが、今回も非常にいい。これから伸びそうですね。それとWolfram役のテノールStephane Degoutはアリアパートは圧倒してました。この4人は出来がすごくよかった。他のHermann王役のバリトンChrsitof Fischesserも現代調における同役をうまく歌っていました。 演奏は指揮はSir Mark Selderでしたが、非常によかったです。一幕冒頭の金管部分はちょっと揺れたのですが、それ以外はよかったです。過去にもパリオペラ座でワグナーもののオペラを聴いたことがありますが、ドイツやオーストリアの歌劇場のように重厚さを出すために演奏やコーラスが重くなっていないのは好感がもてますね。悪い言い方をすると「軽い」のですが、ワグナーオペラは重厚な演奏しか印象が残らないことがありますが、演奏が軽い分、オペラ全体としてのバランスはよくなっている感じがします。 それから演出に戻りますが、舞台も衣装もシンプルなので、演出の巧みさですね。 演出的におもしろかったのは、タンホイザーは二幕目に歌合戦という、いまの時代にはピントこない設定なのですが、それを絵画コンテストに置き換えているので違和感を減らしている。また2幕目は劇場内は明るいままにして、観客席を使った演出。劇場内は明るいままにして、観客席を使った演出。逆に違和感があったのは、3幕目でエリザベスとヴィーナスがほぼ同じ衣装で、さらに手を取り合って退場すること。多くの演出ではヴィーナスはエリザベス(の死体)の登場前に消えるはずなのですがね。それとタンホイザーはエリザベスの死体に寄り添うようにして死ぬのですが、この演出では死ないどころか、新しい絵が認められた人々との祝福をうけること。3幕目はちょっとやり過ぎだったかも。いずれにしても一幕目からブラボーの嵐。それにしても演出でこれだけ魅せるワグナーオペラは珍しい。ドイツ語圏のワグナーオペラだと、形から抜けようとする努力をするのだけど、その葛藤がみえてしまうところがあるのですが、パリオペラ座の場合は演奏も演出も、そうした形にとらわれていませんね。そうそう東京のオペラ祭「オペラの森」と共同演出にだそうです。 2011年10月25日パリでは馴染みのプチホテルに泊まるのですが、そのホテルの新人スタッフが、今回の用務先のUniversity Paris-EST Créteil、それも情報系学科出身ということを知る。フランスは本当に就職ないのね。 ところで仏サルコジ政権は、恣意的に大学への予算配分にメリハリをつけているようで、フランスでは大学間の格差が拡大している感じですね。ただし、伝統大学&有名大学が優遇されているわけではなく、場所的に制約が大きいことから予算を絞って、郊外・地方大に配分。よってパリ市内にある大学、当方の専門だったらパリ第6大学などは予算の減らされかたが大きい。日本でいうと、東大の予算を絞って、地方の新設の大学に予算に多めにつける感じでしょうか。 2011年10月24日国際会議の発表。いちおう無難に終わらせましたが、いまひとつ聴衆の関心がわからないない会議でしたね。さて用務先はUniversity Paris-EST Créteil (UPEC)。博士論文の副査で行ったことがあるところ。まわりに何にもないところでしたが、相変わらず何もない。建物がないのです。 2011年10月23日パリに移動。ANAの成田発パリ行きをつかったのですが、チェックイン時にプレミアムエコノミーにアップグレードしてもらったのですが、搭乗前に呼び出されて、チケット交換を求められ、今度はエコノミーに逆戻り。機材変更だったので仕方ないし、エコノミーでもいいのですが、気になったのは、交換時に奪われたようににチケットをとられ、ダウングレードの説明もなければ、座席が変わる旨の説明もなし。搭乗して初めて、ダウングレードされていることに気がつく始末。CAさんにいったら、エコノミーの4つ並びの席を用意してくれるので、フルフラットのエコノミー席となりました。それにしても説明なしの座席変更は、エコノミーからエコノミーでもよくないのに、ダウングレード扱いなら説明してほしかったです。 2011年10月22日観念してiPhone 4Sの予約。いちおう店頭でソフトバンクとauを比較してみたのですが、体感的にはauの圧勝でした。ということでau版にすることに。おそらく通信帯域的には差はあまりないのだと思いますが、通信遅延はauの方が短く、それがWeb表示などで体感的な大きな差になっている思われます。携帯機器はスループットではなく、レイテンシが重要という、通信業界の鉄則を再認識することになりました。 2011年10月21日徹夜残業。実は一昨日、昨日も徹夜状態だったので、朝方には眠り落ちました。まわりの研究者をみていると一週間ぐらい不眠不休で仕事をするタフな方がおられますが、3日で果てるようでは修練がたりません。研究は集中力勝負なので、集中できるときに集中しないと捗らないのですよね。 2011年10月20日打ち合わせの日。結局、夜は徹夜。 2011年10月19日Hadoopの発展版として、MapReduce 2.0が話題になっていますが、ネーミングもおかしいし(それに2.0をつける立場でもない)、方向性も正しいとはいえないような気がしますね。Hadoopが汎用的な分散処理フレームワークと位置づけられるのは違和感というか、危惧を覚えますね。昨日のセミナーとも関わるのですが、ビッグデータ絡みの話では、データベース用語でいうところの構造化データと非構造化データを分けて議論されるし、今後は後者が重視がされることまでは正しいと思うのですが、Hadoopは構造化データにも向かないし、実は非構造化データの解析にも向かないと思うのです。正しくいうとHadoopはテキストデータという、非構造化データを解析するために構造化するために開発された分散処理フレームワーク。簡単に言えば非構造化データを構造化データに変換することが目的になっています。というわけで非構造化データの解析、それもデータ間の関係を抽出するためにHadoopを利用しても活かせるとは限らない。むしろMPIなどの別の分散処理手法を使った方がいい場合も多いはず。 計算理論的にいえば、チューリングマシンの能力があれば、どんな計算もできます。ただ、何でもできるということと、実用になるかは別の問題。Hadoopに関してもたいていのデータ処理はできると思うのですが、処理対象のデータの特性や処理手法によっては、Hadoop以外の手法の方が向いている場合があるのです。MapReduce 2.0はMapReduce的な処理以外も、Hadoopで面倒をみるという発想なのでしょう。それはそれで正しいのですが、例えば構造化データならば普通にRDBMSを使った方が効率がよくなることも多い。Hadoopは所詮、分散処理でも特殊な処理なので、汎用性を増やす方向よりも得意分野を磨く方向も重要で、下手に汎用性をあげると何でもできるけど、得意なことのないシステムになりかねない。 何が言いたいというのかというと、技術は当初目的が一番向いていることが多く、それを活かすのが一番効率的なのですよね。MapReduceを主眼においたフレームワークから、MapReduceを主眼に置かないようにアーキテクチャを改めるMapReduce 2.0が、そのあたりをどうするかは興味があるところ。Hadoopの問題点の一つは、MapReduceという処理の効率性の低さだと思っているのですが、他の処理を組み合わせることで全体としての処理効率をあげるという方向性であれば正しいのですが、ただそれは活かせるのはインハウスではなく、パブリッククラウドだとは思いますが。 2011年10月18日某社のビッグデータ絡みの話を伺ったのですが、そこで気になったのはHadoopの位置づけ。某社は自社技術以外にHadoopを利用するそうで、Hadoopの位置づけはわかっている企業なのでしょう。講演者が当該分野のオーソリティなので、たいへんおもしろかったです。 というわけでビッグデータ絡みの話が続いていますが、続けます。個人的にはビッグデータは、コンピュータ絡みの技術よりも、データ解析能力がすべてだと思っているので、当方のようなコンピュータサイエンスの研究者が絡んでも、統計学などのデータ屋には勝てないのですよね。なお、このとき気をつけてほしいのはデータ解析のソフトウェアがくめる能力よりも、データが読める能力が重要。基本的にビッグデータは仮説検証なので、データをいろいろみて、想定される特徴を予測して、次にその特徴を抽出する解析手法を選んで、実際に解析してみることの繰り返し。まずはデータを読んで、そこに隠された特徴を見抜く能力が必須。分散システムやデータベースの知識はいまは重要かもしれないけど、それは本質ではないのですよね。分散システム屋としてのは残念な話なのですが、それが現実なんですよね。それにデータ解析ソフトウェアをパッケージや既存サービスを利用するでしょうから、データ解析ソフトウェアをかける人材が必要とされるのも長くないでしょう。 2011年10月17日大急ぎで論文作成。あまり急ぎ仕事はしたくないのですがね。 ビッグデータの話の続きになってしまいますが、ビッグデータとの対比として、スモールデータという用語があるそうですね。もちろん従来のデータ処理をさしていう言葉ですが、ある意味で言い当てて妙かもしれませんね。ただ、ビッグデータの話になるとそのデータ量としてペタなどの単位が踊るわけですが、例えば顧客データに関してペタ単位のデータをもっているのは、世界的に成功しているWebサービス事業者ぐらいでしょう。むしろ、ビッグデータは重要なところは、相違なデータを組み合わせることで、従来は埋もれていた事実を見つけることなので、絶対的なデータ量よりも、データの種類の方が重要なはず。その意味では手持ちのデータはスモールデータでも、外部の複数のデータを利用することで、実質的にビッグデータ化する企業はすくなくないと思います。例えば個々の家庭の水道使用量をモニタリングしても、ユーザ行動はわかりません。しかし、同時にガス使用量もモニタリングして、その二つを組み合わせば、ガスと水道を同時に利用しているときはお風呂を沸かしているなどのユーザ行動がいろいろみえてきます。ビッグデータというのは組み合わせ方。ただ、その組み合わせ方は、残念ながら自動化はできない。まだまだ人間に頼ることになることになります。当面は仮説検証的な試行錯誤をするしかないのでしょう。逆に言えば自動的に見つけられるようなデータの組み合わせは、他社もやっているはずで、むしろ他社が気づいていない組み合わせ方を見いだすことが一番重要です。 2011年10月16日いわゆるビッグデータは話題先行で、正直いってなんかねぇ、と思うのですが、ただ、ビッグデータはベンダーが作ったブームとはいいきれないところがありますね。企業のマーケティング系の方と話でよく出てくるのは、情報的には企業よりも顧客が優位になっていること、顧客は企業よりも他の顧客を信用するというお話。いいかえれば従来のマーケティング手法、例えばコトラーのセグメント論なマーケティングが通用しなくなっているのでしょうね。つまりセグメント単位で市場を調査して、その想定購入者に的を絞って宣伝すればいい、商品が売れる時代ではなくなっているということ。上述のように企業の宣伝活動よりも、顧客の行動が他の顧客に影響をあたえる時代では、個々の顧客の行動を調べてあげるしかない。そうなると従来のように商品種別の売り上げや店舗単位の売り上げのようにディメンション単位に情報を集めてもだめで、例えば各顧客の一回ごとの購入品目を調べないといけないことになります。 例えばコンビニエンスストアーは3000〜5000種類の商品がありますが、従来は各商品の売り上げを調べればいいので、それを毎日に集計しても3000〜5000×365日なので、10万単位のデータ個数。一方、各顧客の行動を調べる場合は、一店舗あたりの延べ1000人として、そしてチェーン全体で100店あれば、1000×100×365ですから、百万単位のデータとなり、その各データには各顧客が購入した品目と数量がはいるので、実質は千万単位のデータ量となります。解析対象のデータ量が一桁程度大きくなるだけならばシステム増強で対応できるかもしれませんが、二桁違えば従来とは違う方法が必要になりますし、ましてディメンションデータ主体からファクトデータ主体に切り替われば解析方法はまったくちがうものになります。 これは一例ですが、顧客の行動把握のためにデータ量の飛躍的増加がビッグデータが話題になる背景があると思います。IT業界では本当にベンダー主導で作られたブームも多いのですが、ただ世の中的な要求がないとブームは仕掛けられないと思います。その意味ではクラウドコンピューティングよりもビッグデータの方が重要だと思っています。 2011年10月15日ANAの成田便は搭乗は予定通りでしたが、40分以上遅れて成田着陸。それにしても日系航空会社は機内食の水準が高いですよね。機内では当然、お仕事。往路で1本、復路でも一本論文を書き上げたので、今回の出張は体調はよくなかったのですが、生産性だけは高かったです。 2011年10月14日帰国の途につく日。市内の市電博物館というところにいってみる。朝一だったこともありますが、他にお客さんはおらず結局、貸し切り状態。市電整備工場の一部を展示室しているようですが、工場内のその展示室間の移動もレトロな市電を使うのですが、それも貸し切り状態で乗せていただきました。さてTAP便でリスボン空港からフランクフルト空港に移動。それからANAの成田行きに。ANA便は往路と同様にB777の新型機。エコノミー席でもシート電源があってたすかります。 2011年10月13日国際会議で講演。なかなか実用ソフトウェア開発をしていないとわからない問題を扱っていたので、受けるかが心配したのですが、結構、好評だったようでよかったです。 2011年10月12日用務先の大学のセミナーで講演。昨日は違うセミナーというところがややこしい。 昨日の続きですが、Hadoopにおける最大の懸念材料はApache内の主導権争い。というのはHadoopのもととなったMapReduceはGoogleが特許をもっていて、GoogleはApacheには特許侵害訴訟を起こさないと言明していることから、MapReduce的な処理をするにはApache内でやるしかない。そうなるとApache内で主導権が争いになったときに、その争い負けた企業はApache外で進めるとというオプションがないので、自ずとApache内の主導権争いが激しくなるのです。もちろん、当事者たち、つまりClouderaやHortonはわきまえていると思いますが、問題はClouderaとHortonの出資者の御意向。出資者が純粋ベンチャーキャピタルならば投資回収額が多い方向にいきますが、IT企業が絡んでいたりすると、代理戦争状態になりかねない、利益よりも面子優先になってしまうのです。 2011年10月11日国際会議の会場となっている大学のセミナーで講演。 ところでMicorosoftはHortonと提携して、Windows用のHadoopを始めるとか。これで気になるのはMicrosft Researchが開発したDryadをどうするのか。教科書的な答えは、Hadoop対応とDryadの開発は別。さらにHadoopを提供するにしてもDryadの知見や経験が活かされる、あたりだと思います。ただ、2007年のEUROSYS。ということは結構な時間が経過しています。これだけの時間とMicrosoftの技術力があれば、余裕でHadoopを超えて、大規模データ処理の有力基盤になれていたはず。実際、Dryadの方が技術的にもHadoopより上でしたからね。 ビッグデータなどのバズワードが先行していますが、長期的には大規模データ処理はエンタープライズ向けITでは最重要な技術となるはず。そのエンタープライズ市場を主戦場としているMicrosoftにしてみれば、その大規模データ処理でトップに立てなかったのは非常に痛い。当該技術がなかったのならば仕方ないですが、Dryadという有力技術を持っていながら、Hadoopを蹴散らせなかったのは、喩えていうならば過去にWeb検索に出遅れたのと同じか、それ以上に大きいミス。今後、ボディブローのように効いてくることになると思います。当方はMicorosoft ResearchのDryadプロジェクトのメンバーに知り合いが多いのでいいにくいのですがね。 いま必要なのはいいわけではなく、Dryadによる結果。それを見たい人は多いはず。 2011年10月10日国際会議の一日目。会場は昨夏と同じ大学ですが、同じ建物。ただ、新学期早々のためか、正装姿の学生が見かけますね。ちなみにポルトガルの大学生の正装というのは、黒のスーツ(チョッキ付き)に黒マント。今週は気温が30度越えだそうですから、みているだけでも暑くなりますが。 さてリスボンですが、昨夏と比べても不景気感が明らかに上がっている感じ。交通機関などのの公共料金は総じて上がっていますし、失業率もあがっているのか、町中にも暇そうな方々が増えています。それと物乞いをされる方が増えていますね。それも昼夜とはず、言い寄ってくるので、面倒。数年前、リスボンは治安が悪くなって、観光客が減って、ホテルなどの料金が下がるということになっていたのですが、そのときもよくないですね。治安的にいって、リスボンは避けた方がいいかもしれませんね。 2011年10月9日フランクフルトに移動。ANA便を使いましたが、ANAの新型機体のエコノミー席は電源もあるので、機内で仕事をしている限りは必要にして十分。さすがに12時間フライトだと腰が痛くなりますがね。ところでチェックイン時にANAの方にいわれたのですが、今日は多くのフライトでビジネスが満員なので、セキュリティチェックはプライオリティレーンは使うな、といわれましたが、一般セキュリティチェックの方によると、ビジネス席向けのセキュリティチェックは過去にない混み方だったそうです。 フランクフルトからはLufthansaでリスボンに移動。このところ年に2回はポルトガルに行くことになっています。 2011年10月8日Macintoshは、Xerox PARCのAltoやSmalltalkの真似として、一蹴される方がおられるのですが、そうした方はプロダクトの本当の難しさを知らない人たちなのかもしれません。Xeroxの研究所の客員研究員だったので、PARCでAltoやSmalltalkなどのプロジェクトの関わった研究員と話す機会もあったのですが、少なくても当事者達はMacintoshをAltoやSmalltalkや真似だとはまったく思っていない。むしろ高く評価していました。彼らは一様にいうのは、プロトタイプとプロダクトでは大きな谷間がある。PARCの一連の研究は先駆的だったかもしれないけど、どれもプロトタイプに過ぎない。コンシューマでも使えるレベルのプロダクトにするには、数多くの課題を解決しなければならない。当方はAltoを使う機会はありませんでしたが、研究者向けのプロトタイプの域を超えているとはいえなかったと聞いていますし、「斬新」というのと「使える」というのはまったく別の次元のはず。Macintoshに限らず、iPhoneでも、その機能や画面と取り出して、他社のプロトタイプと似ているというのは簡単ですが、プロダクト、それもコンシューマが使えるレベルにまとめるのは並大抵ではなかったはず。 2011年10月7日Steve Jobs氏が、Macintoshを発売する前に、パーソナルコンピュータとは何か、尋ねられて、それに対する答えを引用しておきます。これを知ったのは学部生の頃でした。当時は将来のコンピュータというと人工知能のようにコンピュータが考えることを考えていたのですが、これを読んで、個人的なコンピュータ感が大きく変わることになりました。Steve Jobs氏の答えを引用します。 それについては、自転車とコンドルとのアナロジーで答えたい。 数年前に、僕は「サイエンティフィック・アメリカン」と思いますが、人間を含めた地上のさまざまな動物の種の、運動の効率に関する研究を読みました。その研究はA地点からB地点へ最小限のエネルギーを用いて移動する時に、どの種が一番効率が良いか、結論を出したのです。結果はコンドルが最高だった。人間は下から数えて3分の1のところにいて、あまり印象に残っていません。 しかし、人間が自転車を利用した場合を、ある人が考察しました。その結果、人間はコンドルの倍の効率を見せました。つまり、自転車を発明した時、人間は本来持っている歩くという肉体的な機能を拡大する道具を作り出したといえるのです。 ほとんどの人々は、まだ、パーソナルコンピュータの存在すら認識していません。この業界の挑戦は人々にパーソナルコンピュータを学んでもらう手助けをするだけでなく、パーソナルコンピュータを使いやすくして、ここ10年の間に自転車と同じくらいに人間の精神の拡張であるパーソナルコンピュータを社会に普及させようとするものです。 2011年10月6日ありがとう。Steve Jobs。 2011年10月5日神宮前の飲食系の某社、夜は鉄道系の某社と打ち合わせ。どちらも興味深い話をありがとうございます。新型(iPhone 4S)が発表されましたね。実は買おうかと思っているのですが、それとは別にiPhoneは良くも悪くもスマートフォーンの基準。今回の発表スペックが、今後一年間に発表されるスマートフォーンの最低スペックになるということ。個人的に一番驚いたのは現行iPadと性能を同じにしてきたこと。スマートフォンよりPadの方が性能が高くてもいいはずですが、同じ性能にしてきたというのは要注目。 2011年10月4日某社の創立パーティ、というか講演会に伺う。せっかくの講演なのに質疑はちょっとがっかりだったかも。設立パーティに参加しているのですから、講演に質問するにしても会社の方針につながるような質問をするべきなのに、実装上の細かい質問ばかり。空気を読めとはいいませんが、社会人としてのどうなのだろうか、本気で思いました。少なくても講演者に失礼ですし、設立パーティを台無しにするだけ。また、後半、拡張可能なゲートウェイの話があったのですが、ゲートウェイの細かい実装に質問が集中。何らかの意図があって拡張可能にしているし、それは設立した会社の方向性とも密接に関連があるはず。だから設立パーティで拡張をもつ機能の話をいれてきたはず、拡張性の意図や方向を質問すべき。なのに細かい可用性や実装言語などの愚問を執拗に繰り返す。そんな愚問でわかるのは質問者の社会人としての未熟さと技術的なセンスのなさだけ。 2011年10月3日徹夜残業。 Hadoopの話の続き。Hadoopを使ったことがある方ならばわかると思いますが、IOがボトルネックになりやすい。正しくいうとMap主体の処理ならばいいのですが、ReduceでIOが溢れやすい。 昔、米国の有力ベンチャーの役員の方に教えてもらったのですが、投資先のIT系ベンチャーを見分ける方法。それはそのベンチャーのソフトウェアやサービスが、コンピュータのリソースを使い切れているかどうか。例えばプロセッサはフルに使うけどIOは使い切っていない処理、またIOは使い切っているけどプロセッサやメモリはあまり使っていない処理。こうした処理によるソフトウェアやサービスには資金を出さないそうです。なぜかというと他のベンチャーが、プロセッサもメモリ、IOもフルに使い切る処理を開発したら、性能的にそこに勝てない可能性が高いから。 さてHadoopに関していうと、IOは使い切っているかもしれませんが、プロセッサやメモリを使い切るのは難しい。逆にRDBMSを使ったシステムは、長年の性能向上努力からか、リソースを使い切ルことが多い。効率という点ではHadoopよりも、RDBMSをベースにする分散処理の方が高いし、そうしたシステムが処理規模を上げてきたときは、Hadoopはもとの効率が低いので逆に劣勢に追い込まれるかもしれません。 その意味ではHadoopの開発でいますべきことは効率をあげて、他の分散フレームワークの追い上げをかわすことだと思うのですが、次期版とされるHadoopでは接続可能なサーバ数を増やす方向に舵を切ってしまった。確かに処理量を大きくするには重要な改良だけど、サーバ数が増えると効率は上がるどころか、下がることが多い。 自動車の開発競争でもいえますが、ほとんどの利用者は自動車レースをしているわけではないので、最大性能は関心がない。それよりも燃費、つまり効率をあげてくれた方がいいでしょう。最大性能をあげようとすると、どうしても重くなるし、重くなれば小回りがきかなくなります。正直いってHadoopはどこにいこうしているかがわかりませんね。いずれにしても、もったいない気はしますね。 2011年10月2日休日出勤中。 2011年10月1日Hadoopはテキスト解析という、非構造化データ向けに開発されてきたもの。それも大量のテキストデータを非構造化データを構造化データするために利用されることも多い。例えばGoogleが、Hadoopの大元になったMapReduce をなぜ開発しかというと、Webページのインデクス化、つまりWebページに含まれる自然言語で書かれたテキスト、つまり非構造化データを、インデクス化した構造化データに変換する処理が必要だったから。一方で、ベンダーの皆様方が例に挙げるHadoopの応用事例は構造化データを前提にしているものが多い。もちろんログデータ解析のように、ある程度は構造化されているとはいえ、量が膨大で既存のサーバで処理しきれない場合はHadoopを使うのは正しいとは思いますが、これまでRDBMSで管理していたような構造化されたデータをHadoopで処理するのはいいとは限らない。もちろん確信犯的にというか、Hadoopが話題性があるので、Hadoopといいながら、バックエンドはHadoop以外に置き換えられるように作られているところもありますが。 それとHadoopではしばしば運用・管理が話題になります。分散システムの運用・管理と、Hadoop独特の運用・管理が混ざって議論されてしまっているのが気になりますが、それ以前にHadoopの場合はそれを実行するインフラが明確になっていないことが遠因にあるように思います。 ハードウェアベンダーからしてみれば、Hadoop専用マシンを売りたいと思われるでしょうが、現状としては(1)オンプレミスのHadoop専用マシン、(2)他用途のオンプレミスシステム上での運用、(3)パブリッククラウドを借りる、(4)AmazonのMapReduceサービスのように専用サービスを借りる、の4つの選択肢があります。さてビッグデータ系の処理は、うまくいくとデータ量が指数的に増える傾向がある。例えば売り上げデータでいれば13ヶ月で捨てていたところを、Hadoopで処理時間的に数年分が処理で器量になると、データ量は毎年一年分ずつ増えます。仮に4年間、Hadoop専用マシンを稼働させるとして、4年分後に必要なデータ量を想定してシステムを組んだら、最初の3年間は無駄になります。また、指数的と書いたのは、データが新しいデータと生むといいましょうか、処理結果が新しいデータとなるので、4年後に4倍に済まない。 そうなると(3)または(4)のようにパブリッククラウドを借りる方が合理的。それとビッグデータ的な処理は、実データを使って処理してみないと、それが収益につながるとは限らないリスクがあるので、うまくいく否かがわからない処理に投資をするのはリスクが大きいから。 さて(2)は反射的に拒否される方が多いのですが、GoogleはMapReduceをGmailなどの他の処理とサーバを共用していたと思われることをお忘れなく。GoogleはMapReduceをWebページから検索サービス用のインデックス作成処理に使っていたのですが、おそらくサーバの空き状況をみて処理量を変動させていたのでしょう。仮にオンプレミスのシステムを組むにしても、稼働率は可能な限り100%に近づけるべきで、IOがボトルネックになりやすいHadoopは単体で動かしていると、効率的に勝てないのです。 2011年9月30日HPの迷走が止まりませんね。先月、個人向けPC事業の分社化または売却、WebOS事業の停止という路線変更を打ち出したのに、そのCEOが辞任とか。経営上の大きな路線変更を打ち出したならば、その変更が軌道に乗るまで、そのCEOはコミットメントする(させる)のが普通なのですがね。さて新CEOはHPの社外重役だそうですし、eBayを成長させた立役者。ただ、その一方で、カリフォルニア州知事選に名乗りを上げて民主党の最終選挙で敗れた方で、経営者というよりは政治家志望。大丈夫なのですかね。ここまでCEOの交代が多いと、個々のCEOの問題というよりは、そのCEOを選んでいる役員会の問題にみえてきます。いずれにしてもHPといえば世界代表するテクノロジーカンパニーのひとつ(だったはず)。復活していただきたいですね。 2011年9月29日午後から講演。2時間講演のうち、かなりの時間をAmazonネタが占めたのですが、その意味ではAmazonには感謝です。ただ、体力的に弱っていたところだったために2時間講演が終わった後はぐったりでした。 ところでAmazonの新型Kindleの話の続きですが、昨日は技術的にも重要と書きながら買ったのかというと実は買う気になれませんでした。理由は価格の妥当性。昨日発表された新機種は世間では安いという評判なのですが、KindleはAmazon独自の電子書籍フォーマットに最適化されているので、(もちろんPDFそのフォーマットに変換できますが)コンテンツをAmazonから買わないといけなくなるわけで、その費用を考えるとKindleは決して安いとはいえないはず。 その意味ではAppleのiPadも同じかもしれませんが、AppleがAmazonに対して上手いのは、サービス開始当時にiTunes Storeにおいて楽曲を統一価格で提供することで、ユーザに対して将来コストを明示したことがあげられます。それと、どんな商品にもいえますが、安く売られるにはそれなりの理由があるはず。他社の同様商品と比べると半値程度ですが、Amazonとしてはコンテンツ販売や通販でKindleユーザからお金を取って採算をあわせるのでしょう。例えばKindle Fireはカラーですし、昨日書いたAmazon Silkのおかげで、PC用並のWebブラウザが動くでしょうから、Kindle FireでAmazonの通販を利用させる。このときにKindle Fire購入者はAmazonの通販を例えば3%割引きなどのセールスキャンペーンを張れば、Kindle Fireも売れるし、本業の通販も売れるわけですから。 実際、Amazonの価格戦略はおもしろいところがあって、過去にWalmartと、赤字覚悟の書籍の安売り合戦をしたことがありました。その背景としてよくいわれているのが、AmazonはWalmartと競争しなければならない必然性なかったけど(両社の購買層が相違)、安売り王であるWalmartと争うことで、ネット通販は安いという印象をユーザに植え付けたかったからといわれます。もちろんユーザにとっては安売り合戦はありがたいことなのですが、この安売り合戦が、米国における2大書店チェーンの倒産の大きな要因といわれます。その意味では本好きのユーザにとってよかったのかはよくわからない。通販のAmazonはもちろん、Walmartも本をじっくり選ぶような店では決してないですから。 さて新型KindleではAmazonが戦陣をきって安売り戦略をとってきましたが、興味があるのはその安売り戦略に乗るところがあるか。ブランド重視のApple はおそらく参戦しないと思いますが、Android陣営は電子書籍端末で出遅れていることもあり、参戦してくるかもしれません。どちらが勝つかは別にして、敗者はまったく別の業種や企業かもしれません。個人的には仮に電子書籍端末の安売り競争が始まったときの敗者は新聞社と出版社ではないかと予想しています。その理由はまたいずれ。 2011年9月28日Amazonが新型Kindleを発表しましたが、最上機種のKindle Fireに摘んだAmazon SilkというWebブラウザがおもしろいですね。簡単に言えば、普通ならばWebブラウザからインターネットを介してWebサーバにつなぐところを、いったんAmazon EC2/S3上のサービスに接続する。ただし、ただのキャッシュではなく、HTML/CSSの展開やJavaScriptの実行など、計算処理が思い処理をこのサービス上で実行して、電子書籍端末(この場合、Kindle Fire) 側の処理を減らしています。さらに単純に計算代行するのではなく、端末の画面サイズなどを想定して、画像などを縮小して転送させるそうです。この結果、通信回数が減りますし、端末の計算リソースが少なくても重たいWebコンテンツを扱えるようになります。ただ、個人的には、Webコンテンツの事前展開・縮小には限界があるので、短期的に重要なのは計算や通信が減ることによってバッテリ持ちがよくなることだと思っています。 問題なのはインターネットとの関係です。クラウド側で、インターネット上のWebサーバ情報を集めて、それを束ねてしまうというのは、事実上、端末からインターネットはアクセスできないということになり、いいかえればクラウドという雲でインターネットを被い隠されることになります。モバイルとクラウドの関係を再定義するのはもちろん、インターネットの再定義しかねないので興味のあるところです。 それとソフトウェアの研究者としては、Amazon Silkは考え深いものがあります。というのはいまのPCのアプリケーション、例えばワープロ、表計算、メールなどはWeb上で実現することができるようになり、アプリケーション(つまり実行可能なソフトウェア)がサービスに置き換えられてきたのですが、唯一のアプリケーションとして残されたがWebブラウザでした。これはWebブラウザが、サービスの表示・操作するためのアプリケーションだったからですが、そのWebブラウザもサービス化されることを意味します。FirefoxなどのWebブラウザがありますが、今後はWebブラウザの差別化は、Webブラウザそのものではなく、背後にあるWebブラウザの支援サービス次第ということになりそうです。 2011年9月27日来客と外出。夕方、新しく会社をおこされた方のオフィスにお邪魔したのですが、リバーサイドのオフィスっていいですね。やはりオフィスって、窓から見える景色は重要だと思います。以前、シアトル方面にある某大手ソフトウェア会社の研究所に伺ったときに、いくら個室でも窓がない個室というのは、オフィス環境としてよくないのではないかと思ったのですよね。 2011年9月26日ぐったりしながら仕事中。今日はいくつかの用務の日程変更をさせていただいたのですが、それでも追いつかない。 2011年9月25日今日も休日出勤。海外出張をしたからといって、誰かがその間の仕事を代わりにしてくれるわけではなく、出張中に生じた仕事を黙々と片付けております。それとカメラレディ論文2本の仕上げと、投稿論文の執筆というお仕事もあるし。ギリギリの状態がしばらく続きそう。 2011年9月24日休日出勤、午前はオフィス、午後は早大理工。 ちょうど10年立ったので時効だとは思いますが、当時、某携帯電話キャリアの役員の方から、(その1年後にはそのキャリアは海外企業に多額出資までして、そのサービス売り込んまでした) 某サービス(携帯電話向け電子メールやWeb観覧) を使ったことがない、という話を自慢げに聞かされたことがありました(まったく使った経験がないというよりは、使っていないという意図なのでしょうが)。 情報関連の経営陣というのは自社製品・サービスは使いこなせるべきだと思うし、特に携帯電話は使い勝手が重要なので、自社製品・サービスを使ったことがない、または使えない人にその製品・サービスに対する正しい経営判断ができるわけがないです。 その一年後にはそのサービスの普及を狙って、海外の大手キャリアの大型出資をはじめます。ただ、他にも同様の役員がおられたとしたら、そのサービスに関わる海外戦略が描けていたとは思えない。結果は御存知のように同サービスの普及はおろか、同社は多額な損出を残して終わります。 これは10年前の話だし、いまは違うのだと思いたいのですが、Steve Jobsのようにデモンストレーション付きのプレゼンは無理にしても、日本のIT企業や通信キャリアの経営陣でデモンストレーションをされる方は皆無(自分でデモンストレーションするのはKDDIの社長ぐらい)。本当に自社製品・サービスは使いこなせているのかはいまも謎ですね。 2011年9月23日エアーカナダのトロント発成田行きは予定よりも1時間半ぐらい遅れて成田空港到着。カナダは米国よりも北に位置するので、飛行時間はかからないという感覚でしたが、それでも約13時間。やっぱり疲れますね。ただ、エアーカナダのエコノミー席のうち2/3はシート電源があるので、助かります。 それから渡航先のナイアガラの写真をWebに置きます。写真をみるといい場所に見えますが、個人的にはNGでした。というのはナイアガラは都会というか、アトラクションからカジノまで乱立した観光地。有名な滝も人工アトラクションといわれればそう思えるぐらい。そうそう、虹がかかる写真がありますが、通常、カメラだと人間の目ほどは虹はきれいに写りません。今回はPLフィルターを使ったので、きれいに写せました。サーキュラーPL(円偏光)フィルターは、虹に限らず、青空やビルを撮すときは便利なので、持っていると便利です。 2011年9月22日早朝から11時ぐらいまでトロント市内をまわってみる。トロントは人口の半分が移民だそうですが、人種と文化が多様化していますね。多少写真を撮ったので、トロントの写真をWebにおいておきます。トロントの街の雰囲気が伝われば幸いです。 さて帰国なのですが、空港に着いてみるとエアーカナダのトロント発成田行は1時間強の遅れだとか。21日に台風の影響で成田発トロント行きが欠航になったために、機体のやりくりのためにパリ発トロント行きの飛行機を、トロント到着後に成田行きで使うことになったためとか。でもそれも遅れて出発したとか。 2011年9月21日国際会議の3日目。国際会議は午前中で終わり。さらに今夜はホテルの予約がとれなかったので、トロント市内に移動。カナダとはまったく関係ないのですが、8月のFirenze出張で撮った、Finrezeの写真と、やはり8月のClermont-Ferrand出張で移動の都合上、立ち寄ったParisの写真をそれぞれWebにおきます。朝晩と帰国日ぐらいしか写真を撮る時間はないので、寄れたところだけ。 2011年9月20日国際会議の2日目。発表終了。ところで、はじめての国際会議なのですが、不思議なコミュニティですね。昼食時に見知らぬ研究者の席に着いたのですが、話題が国際会議をマネージメントが中心。国際会議の開くの好きな方が多いコミュニティのようですね。個人的には国際会議のチェアとか面倒なことはしたくない方なので、話題についていけませんでした。夜はバンケットだったのですが、ビュッフェ形式、しかもランチとまったく同じ。ランチとしてもお世辞でもおいしいとはいえないのに、これをバンケットとして出されてもね。というわけで、10分ほどで早々に退出、まっとうそうなレストランに行きました。出張ですから、食事のお味でとやかくいう立場でもないのですが、米国・カナダ開催の国際会議でバンケットがおいしかった例しがないのですよね。 2011年9月19日国際会議の一日目。実はナイアガラの滝の近くのホテルが国際会議の会場なのですが、ナイアガラはラスベガス状態ですね。ど派手なホテルがいっぱい、大観覧車からカジノまでアトラクション施設もいっぱい。会場のホテルの両隣は、ハードロックカフェとプラネットハリウッド。観光化されすぎてますよね。有名なナイアガラの滝も迫力こそありますが、夜はカラフルにライトアップされるし、人工のアトラクションといわれれば信じるぐらい。実はナイアガラの滝というと大自然を想像していたのですが、大都会でした。 ところで学会会場とナイアガラの滝の遊覧船乗り場が至近なことをいいことに、昼休みに遊覧船に乗ってみました。ただ、びしょ濡れになってしまって、午後のセッションぎりぎりに学会会場に戻ったときは一人びしょ濡れで目立ってしまいました。 2011年9月18日今月二回目のカナダ行き。国際会議のためにトロントに移動。それからバスでナイアガラまで移動。ところでトロントともナイアガラとも関係ないのですが、今月、カナダのバンフで撮影したBanffの写真をWebにおきます。ほとんど泊まったホテルの写真ばかりになっていますが、カナダ有数のホテルらしいので、そのホテルをお楽しみください。 2011年9月17日ひさしぶりに量販店(ヨドバシカメラ秋葉原)にいってみる。相変わらず人が多いですね。ヨドバシカメラ秋葉原の売り上げは、デパートを含めて一店舗あたりの売り上げは国内一番だそうですが、それも頷けます。それと家電製品やパソコン関連はヨドバシカメラに限らず、量販店による売り上げが多いわけですが、コモディティ化された商品におけるメーカと販売店の力関係をみることになりますね。そうそうヨドバシカメラの入り口のところで、スターウォーズのBlu-ray版発売イベントをやっていました。ダースベーダーなど帝国側キャラクターが複数出演した撮影会。とっても参加したかった。DVD版はもっているけど、Blu-ray版もほしかったり。スターウォーズのためならBlu-rayプレーヤーを買ってもいいです。 2011年9月16日教授会。博士論文の最終判定。特にもめる要素もなく、すんなりで終わる。まぁ、教授会は儀式。構成員が複数専攻の教授以上だからといって、その人件費はいくらとか悩んではいけない。 それにしても教授会があることをすっかり忘れて、カジュアルな格好で出勤してしまい、教授会の会場に入るときに事務方から冷やかされる。確かにカジュアルすぎました。昔は外出や来客がない場合も、ある程度はドレスコードを気にしていたので、スーツ、内勤モード、プライベートの3種類だったのですが、内勤モードが欠落して、スーツ(スーツコスプレともいいます)かカジュアルのどちらかになりつつあります。カジュアル系の服装だと、同僚から事務方、そして守衛さんにまで認識されないことが多かったり。 2011年9月15日来客と取材。取材は写真を撮るならば前に言っておいてください。お願いしますです。 ARM版Windowsは簡単なシステム構成図程度しか情報がないので評価がしにくいのですが、MSにとっては自社の将来にも関わるので慎重なのでしょうね。Windows 8に関する報道などではARM版Windowsは亜流のように位置づけられていますが、台数ベースで見ればARM版の方が多くなり、実質的には主流に可能性はありますからね。 個人的には興味があるのは、ARM版Windowsで、非Windows開発者を呼び込めるのか。MSの最大の強みはWindows向けアプリケーションの開発者に対する手厚いサポート。これはWindows向けアプリケーションを拡充する上で役に立ちました。しかし、既存Windows開発者へのサポートというのは、非Windows開発者からみれば、古参優遇で参入障壁になり、その結果としてWindows開発者は固定化されてしまい、それがWindows向けアプリケーションの停滞につながりました。これをいうとWindows開発者の方は怒るのですが、WebにしてもSNSにしても、ここ10年間の新しい人気アプリケーションやサービスはWindowsとは違うところで生まれてきており、逆にここ10年間で従来にない新しい人気アプリケーションがWindowsにあったといえるでしょうか。それと他の比べて、Windows開発者の平均年齢が高いと思うのは当方だけでしょうか。 MSにとって古くからライバルであるAppleは、iPhoneとともに非Macintoshの数多くの新参開発者を集めらることに成功して、それがiPhone/iPad用アプリケーションの多様化につながりました。それを端で見ていたMSとしても新参開発者を集めることの重要性はわかっていると思います。ただ、それは既存開発者の優遇とは矛盾することになるし、仮に既存開発者の存在が新参開発者の障害になるならば、既存開発者を切り捨てるしかない。企業も開発者コミュニティも、組織は結局は人なので、組織を新しく変えたければ人を入れ替えるしかない。その意味でいえば、MSが取り込みたいのは、今回のMSの開発者向けカンファレンス(Build)に来ていないし、そのカンファレンスの存在する知らないような非Windows系開発者なのでしょう。 ARM版WindowsはMSにとっては、非Windows系開発者を招き入れる大きなチャンスなのだと思います(もしかすると最後のチャンスかも)。その意味ではアプリケーションの実行だけでなく、アプリケーション開発に関しても既存Windowsとの互換性を捨てて、古参Windows開発者と新参Windows開発者が対等に競える場を提供するのもひとつの戦略だと思います。そうでないとWindowsは、いまの古参Windows開発者とともに年を取っていくだけの存在になります。 2011年9月14日札幌まで日帰り出張。北海道ぐらい泊まりで出張してみたいものですが、その余裕もなし。 ところでMicrosoftの開発者向けのカンファレンスで、Windows 8のプロトタイプが紹介されたようですね。ご存じのようにx86系に加えて、ARM系にも対応するそうですが、これは携帯電話以上、PC未満の市場を狙えることを意味しており、大きな変化だと思っています。 というのは過去のコンピュータの歴史では、メインフレームからミニコン、そしてワークステーション、PCと変遷があったのですが、いずれも変遷でも共通していることは、その時点は主流のコンピュータと比べて、安価だけど低性能なコンピュータが、その後、高性能化されて主流のコンピュータを凌駕することになることの繰り返し。どうして高性能化されたのかというと、それは数が出たから。逆に言えば変遷の条件は数が出る市場があることです。さて当初、玩具扱いだったPCが、なぜミニコンやワークステーションを性能的に凌駕できたのかといえば、ミニコンやワークステーションは企業向け市場に限定されていたのに、PCは先進国の消費者という大きな市場を持てたから。 仮にポストPCが出てくるとしたら、その絶対条件は先進国の消費者よりも大きな市場があることになります。現状で該当するような市場はただひとつで、それはBOP市場、つまり新興国や発展途上国の消費者市場だけです。BOP市場の所得は年間50千ドル程度。そうなるとBOP市場で売れるコンピュータは2百ドル以下になるでしょうが、市場は大きい。先進国はせいぜい10億人ですが、BOP市場は40億人以上。今いえることは当初は先進国の消費者が玩具扱いするような安価かつ低性能なコンピュータですが、数がでることにより、いずれは今のPCを越える性能を持つことになるはず。 さて類似した事例は100ドルPCという構想がありました。ただ、100ドルPCは、いまのPC向けアプリケーションを安価なコンピュータで動かすことを狙ってしまいましたが、過去のコンピュータの変遷を考えると、新しいコンピュータは必ずしも主力コンピュータの縮小版ではないし、そこで動作するアプリケーションも別物です。例えばメインフレームは往年は銀行の感情系などのトランザクション処理に利用にされてきましたが、実はそれは今も変わらない。ミニコンはメインフレームとは違うアプリケーションに使われたし、ミニコンやワークステーションのアプリケーションとPCのアプリケーションは同じではない。つまり、ポストPCのアプリケーションはPC向けアプリケーションとはちがう可能性もあるのです。 さて話をWindowsに戻すと、ARMという安価かつ低性能なコンピュータ向けプロセッサに対応したことは評価できますが、PCとARMの両方を対応に対応した時点で、ARM搭載にターゲットに絞ったOSには勝てないことになります。その意味ではBOP市場向けのコンピュータに近いOSはAndroidかもしれません。ただ、Androidも先進国消費者相手のスマートフォンやパッド以外の別の道を探って欲しいところ。 2011年9月13日新横浜方面で打ち合わせ。新横浜の昔を知っている者としては(通っていた高校の最寄り駅の一つだった)、変貌ぶりに驚かされる街です。 さてHadoop関連の某セミナーへの参加者が900人を越えたそうです。個人的にはHadoopを必要としている人、またはHadoopに関わる人というのはそれほど多くないと思うのですがね。HadoopのもととなったMapReduceは良くも悪くも、きわめて癖が強い分散処理手法。それをベースにしたHadoopも当然、汎用的なシステムではなく、データ特性や処理内容を選びます。どちらかというと既存のデータ処理に問題を抱えている方で、その中で問題解決にHadoopがたまたま向いている方になると思うのですがね。 それとHadoopを使うと分散システムは様々な難しい問題を解決すると思っている方が多いのも気になります。分散システムのは難しい問題のほとんどは、元を辿れば通信遅延に起因します。つまりコンピュータ間で情報共有する場合、他のコンピュータに関しては恒に過去の情報しか知り得ないということです。これは光が有限速度で進むのと同じで、物理的制約なので根本的に解決することはできず、その通信遅延の影響を見えないようにするのが限界です。 1990年代、分散システム、特に分散アルゴリズムの研究は、コンピュータサイエンスでも最も秀英といわれるような人材が集まっていたのですが、それでも分散システムにおねる多くの難しい問題は解決できませんでした。これは研究上の経験則ですが、最優秀の連中が集まって無理だった難題はその後に解ける可能性はほとんどない。その意味では残念ながら、MapReduce/Hadoopのような特定の分散処理に対する個別対応が限界と思った方がいいのですよね。 2011年9月12日数ヶ月前の話なのですが、ミドルウェア関連のベンチャーの社長様から、そこの製品であるミドルウェアの特許を取ったという話を伺ったのですが、(特許そのものは拝見していませんが)そのミドルウェアの機能を伺う限りは、目新しい技術は皆無。特許は成立すれば絶対安心だと勘違いしている方がおられますが、例えば特許侵害訴訟で、その特許以前に同様技術の公知事例があることがわかれば実質的にその特許は無効化されてしまいます。もちろん特許庁の審査官は先行技術を調べるわけですが、すべての先行技術を調べられるわけではない。せいぜい既存特許か、論文ぐらい。そもそも先行技術がないことは出願側が調べておくことというのが大前提。だから、先行調査能力のない弁理士さんに頼んだりすると、実際的には価値のない特許をとることになります。 それでも大手の場合は他社との特許のクロスすることがあり、その場合は中身よりも数なので、そうしたダメな特許でも数にいれられるという存在意義があります。でもベンチャーの場合、特許の使い道は他社に同様技術を使われないためなので、侵害訴訟で逆に消えてしまうような特許はもつだけ無駄なことがほとんど(維持費はかかるし)。 さて上述のベンチャーのケースでは、出願時期と成立時期を考えると、弁理士は早期審査をかけているはずで、早期審査したのですか、とその社長に伺うと、要領を得ない返答。通常は出願した特許を出願者が必要とするかは不明なので、審査請求期限ぎりぎりまで審査請求はしない。悪質と言っていいのかはわかりませんが、その弁理士さんは、出願早々に早期審査を申請して、出願費用だけでなく、審査の手数料も早々にとりたかったのでしょう。その意味ではその社長さんは哀れなかもしれませんが、むしろ自業自得。むしろそのベンチャーの社員さんは気の毒というか、技術系ベンチャーで知財戦略が欠けた経営陣の下では将来性があるとは限らないですからね。もちろん、その話を伺ったときは「強力な特許ですね」とお世辞で解答しておきましたがね。ただ、その自慢話は聞いていて本当に痛かったです。 2011年9月11日今日も休日。ところでLuxembourgの国際会議後の会食会では、フランスの銀行の財務状況が話題に上ったのですが、フランスの大手銀の借金はフランスのGNPに対しても無視できない水準だそうで、そうとうたいへんみたいですね。リーマンショックの予兆のひとつにBNP Paribasの財務問題がありましたが、その問題は根本的に解決されているとはいえなのかも。当然、BNP Paribas以外の大手銀行(Credit AgricoleやSociete Generaleなど)にも不安の矛先が向かいます。これ以上書くと風評になりかねないのでさけますが、欧州経済は欧州銀行指数とフランスの大手銀行株価がキー指標になるのかもしれませんね。先方の金融系関係者の関心はQE3のようですが、QE3を期待する方とQE2およびQE3の後遺症を心配する方がおられます。日銀のQE2政策はデフレ抑制という意味が強かったのですが、FRBとECBに関しては金融機関の維持のためにQE2になっており、それが実体経済にいいとは限らないと思ったり。ただ、フランス銀行のバランスシートが崩れるといい悪い以前にQE3に迫られるかもしれませんね。いずれにしてもすでに前人未踏の世界に入ってしまっているのかもしれません。 2011年9月10日さすがに疲れました。本当は某シンポジウムに行きたかったけど休養。今日は8月14日以来の休日とさせていただきました。 2011年9月9日成田空港に到着。今回の出張は世界一周となってしまい、さすがに疲れましたね。でも荷物を置いたらオフィスにいってお仕事。お仕事。 ところで、ご存じ方も多いと思いますが、LufthansaのFrankfurt発成田行きはエアバスのA380の就航路線。実はA380に乗るのは初めて。乗ってみると大きいですね。CAさんに頼み込んで、1階席と2階席の両方を見学させてもらう。機体後方に階段があるのですが、鍵かかっていて乗客は移動できないのです。さて1階は全部エコノミー席。シートは最近はやりのクッション材を使った薄いシート、配列はBoing 747と同じ、3-4-3。機体が太い分、ちょっと広いかも。2階はビジネスとファーストクラス。ビジネスですが、シートはLufthansaの標準シートとほぼ同じようです。配列は2-3-2。ファーストクラスは見せてもらえなかったので謎(乗ることないからみてもしょうがないし)。機体自体は悪くないと思いますが、乗客数が多いので、荷物を預けると荷物が出てくるまでに時間がかかりますね。待ちくたびれてしまいました。 2011年9月8日朝、Luxair便でLuxembourgからFrankufurtに移動。そして昼過ぎにはLufthansaのFrankfurt発成田行きに搭乗。驚いたのはFrankfurtのターミナルCのLufthansaのラウンジは、その中に搭乗ゲートがあるのですね。びっくり。確かに顧客サービス的には理想なのでしょうが、個人的には搭乗カウンターが目に入ると落ち着けないように思ってみたり。 ところで話は戻りますが、Luxembourgへの出張はいつも慌ただしい。Parisからの日帰りとか、泊まっても深夜に着いて一泊して用務だけ済ましたら電車に飛び乗るようなことばかり。今回も慌ただしい滞在となりました。ただ、昨日は会食会の前・後に夜のLuxembourgをそれぞれ1時間ぐらいうろうろできたぐらいでしょうか(実は昨日は昼食の時間も一時市内に、PCのプロジェクター用のアダプターをホテルに取りに行ったので)。わずかな時間で撮った写真をWebにおきます。撮りっぱなしをそのままおくので、クオリティは高いとはいえず。 2011年9月7日国際会議で発表。結構、好評だったようでよかったです。というかいくつか質問がピンポイントで来たのにはびっくり。その意味では日程を無理してきただけのことはあったかもしれません。ただ、e-Commerce系の国際会議、それもいまや世界有数の金融の街であるLuxembourg、それも銀行が集まるエリアの開催ということで、企業でe-Commerceに関わっている方の参加が多いと期待したのですが、参加者の多くはアカデミア。コンピュータサイエンスでも基礎系はそれでもいいのでしょうが、商業的な応用がターゲットの分野の場合はアカデミアだけで集まっても、実際の問題点はわからない。その意味では期待はずれでした。ただ、夜は先方の大学の方の計らいで、国際会議の関係者数名と企業関係者で会食。同席されたAdobeの方のユーザサポートの裏話がおもしろかったです。会食はAmazon.euの方がアレンジされたそうで、Amazon.euのオフィス近くのレストランでしたが、おいしかったです。ビストロっぽいところでもミシュラン一つ星が付いていたりと、さすがにLuxembourgは水準が高い。Amazon.euのオフィスはLuxembourgでも世界遺産になっている旧市街にあるのですね。ただ、Amazon.euの入っている建屋だけ、夜も明かり付いていて、ちょっと雰囲気壊しているかもね。 ところで9月1日の講演を記事にしていただきました。それも前編と後編という大作記事。 2011年9月6日昨日、Calgaryを出発は昼ですが、Frankfurtの到着は早朝。それからLuxembourg空港へ。Luxembourg空港から、e-Commerceの国際会議(CEC'2011)の会場へ。昼休みにホテルにいって荷物を預けて、夜はバンケット。e-Commerceはまったくの専門外で縁遠い分野なのですが、バンケットで両隣に座った研究者は、面識はないもののの実は非常に近い関係と判明。ただ、バンケットが終わったのは12時過ぎ。夜行便で北米から欧州に到着した身には結構、ハードな一日でした。 さて国際会議の会場はLuxemburg大学なのですが、新しいビルができていて、会場もそのビル。Luxembourgは来るたびに、新しいビルができていて驚かされるのですが、大学の近くには大きなコンサートホールまでできていて、変化が大きい街です。新しいビルの多くは銀行関連なのですが、街ゆく人はLondonのシティ以上にスーツ姿が多い。当方が泊まったホテルは、そうしたビジネス客が御用達だったようで、スーツ姿でない当方は浮いていました。あとLuxembourgは食事がおいしい。どちらかというとベルギーに近い状況なのですが、水準の高さは欧州でも最上位ではないでしょうか。というかLuxembourgに住んだら絶対太ります。 2011年9月5日さてCalgary空港に移動。それからLufthnasaで大西洋を越えて、Frankfurtに移動。ところでCalgary空港では無線LANサービスがあるのですが、それがおもしろいことに、Facebookアカウントで認証。たしかに実名ベースのFacebookならば誰なのかはある程度は特定できるので、実際的な効果もありそうです。このページの8月26日で転職とFacebookのことを書きましたが、実名ベースのSNSというのは、日本の匿名ベースのSNSにはない応用がありそうですね。 2011年9月4日国際会議の発表。当方のセッションは他の論文の共著者は10年以上前からの知り合いの欧州研究ばかりという展開。というわけで先方への講演を依頼されることに。それにしても研究分野を変えるにしても、同じ方向に変えるということなのでしょうかね。Banffで泊まったホテルは120年以上の歴史があるそうですが、増改築を繰り返した結果、迷路のよう。同じ系列で、ちょっと離れたところになるLake Louiseにあるホテルの方がよかったかも。まぁお値段も違うわけですが。 2011年9月3日カナダのBanffで国際会議(UIC)。二日目から参加なのですが、すでに最終日の午後という雰囲気でした。それと会議マネージメントに問題がある感じ。今回はちょっといいホテルにしたので、ホテルを楽しむことにします。ところでBanffは日本人が多いですね。たまたま訪問して、住み着く人が多いとか、確かに自然に囲まれていいのかも。ただ、日本からの旅行客は減少気味で、日本人旅行客相手の日本人ガイドさんは減ったとか。リーマンショック以降は日本人観光客は減っているそうですし、夏場はともかく、日本でもスキーをされる方は減っているので、冬場はたいへんかもしれませんね。 2011年9月2日一昨日、フランスから帰国した場会ですが、今日からカナダです。さすがに中1日の海外出張は疲れます。その今回の出張は大西洋越えを含む世界一周。そして、このあとも中数日で海外出張が続きます。というわけで体力温存モードです。 2011年9月1日入試と講演。さて講演は東京国際フォーラムでクラウド関連。2日間のセミナーでしたが、当方の講演分が最初に満員御礼になったとか、当日は立ち見で聞いていただいた方も多く、感謝です。ちなみに講演資料はこちら。なお、当たり前ですが、重要な話題は口頭説明で、資料には書いていないので、そのつもりでみてくださいね。 さて、そのイベントではビッグデータ関連が多かったので、ビッグデータの話題に半分近くついやしたのですが、そもそもビッグデータは一部の企業や組織が対象。最近はビッグデータで儲かる的な風潮がありますが、そもそも少量のデータの解析ができていない企業が組織がビッグデータの解析ができるわけでもない。それとHadoopなどの分散システムよりもデータ解析が重要という話をすると、いままでもデータ解析をしてきたと反論される方がおられますが、いままでのデータ解析とビッグデータのデータ解析は本質的に違う。前者は全データを解析にしていたのですが、後者ではデータ量が多いので、全解析は無理。どちらかというとつまみ食い的にデータを選んで解析することになります。ただ、どのデータを選ぶのかは人間に依存するので、データを読んで、必要なデータを選び、必要な解析方法を選べる人材が必要なのです。それとビッグデータは単一のデータがたくさんあるのではなく、相違なデータがたくさんある世界。そうなるとデータの組み合わせが重要で、どう組み合わせるかもやはり人間に頼るしかないのです。結局、データが読める技術者が必須だし、DWHなどでは人材を一変させる必要があるかもしれませんね。 それともう一つは、ビッグデータをもっている組織は少ないのですが、ビッグデータを扱う分散システムや解析手法は小規模データの解析の高速化などに役に立ちます。ただ、データ解析の結果を活かせるかは組織の問題。例えば公理で売上げデータ解析で、13ヶ月でなく、過去数年分になれば売り上げ予測精度があがりますし、データ処理が一日から数十分になればリアルタイムに商品構成を見直せます。でもデータ解析の詳細化やリアルタイム化を活かすのは経営上層部ではなく現場。つまり現場裁量が大きい組織でないと活かせないということをお忘れなく。 さて、今回は参加される方のバックグラウンドや立場がわからないので、話題をかなりセーブしてしまったのですが、何かの参考になれば幸いです。いいたいことはいっぱいあるのですが、こうしたセミナーで言っていいこととNGなことがありまして。 2011年8月31日成田空港着。機内ではスライドの作成。実は明日はクラウド関連の講演。直前に講演スライドを作ると、内容が過激になる傾向があるんですよね。 2011年8月30日帰国のためにParisに出て、それからパリCDG空港。そしてANA便に搭乗。ところでClermont-FerrandのあるAuvergne地域はフランスでは田舎というイメージなのですよね。農・工業的にも観光的にも空白地域。それだけに落ち着いた雰囲気。さてClermont-Ferrand市内の写真をおいておきます。最後の写真をみると、ミネラルウォーターVolvicのラベルの絵の意味がわかると思います。ちなみに火山なのですよね。そのためか石材が黒く、建物も黒いものが多いのがこの地域の特徴です。 2011年8月29日国際会議のワークショップで基調講演。結構、好評だったようでなにより。物流系のワークショップだったので、いつもとは違う世界で、ちょっと緊張したのですが、質疑はどれも想定範囲内だったのはがっかりでした。ところで基調講演は朝一だったのですが、今日はClermont-Ferrand市内の公共交通機関はストライキ。ホテルから会場までは徒歩1時間半。結局、タクシーを見つけて間に合わせる。 2011年8月28日Parisから特急(といってもTGVではなく、Teozという在来型の特急)で3時間半で、Clermont-Ferrandに到着。地方都市に多いのですが、駅前にタクシーが来る気配はなく、荷物を引きずりながら、2kmほどホテルまで徒歩移動。さらに部屋に入れず、トランクだけをおいて、国際会議の会場となる大学に移動。体力的に疲れます。ビジネスプロセス系の国際会議は初めて参加したのですが、名称にビジネスが付くだけあって、スーツ姿の参加者が多いのが印象的(しかもフランス開催だというのに)。先週(というか今週)のFirenzeは38度でしたが、こちらは10度。夏から秋になったという感じ。 2011年8月27日前回海外出張(フィレンツェ)から帰ったばっかりですが、中4日で再び海外出張。今回はフランスのClermont-Ferrandという場所。ただ、今日中に到着できないので、Parisで一泊。Clermont-FerrandはAuvergne地方を代表する都市。日本ではVolvicの水源の近くで、タイヤのMichelinの発祥の地(いまも本社がある)というとイメージがわくかも知れませんね。フランスに住んでいた時代に同僚にClermont-Ferrandの出身がいて、いいところだと自慢を聞かされておりました。フランス人は地元びいきなので、話半分にしないといけないのですが、Clermont-Ferrandに関しては他の地域出身者もいい場所といっていたので、おそらくいい場所なのでしょう。 2011年8月26日今日も残業、さすがにタクシーで帰る。というのは明日から出張でその準備があるので。 さて9月1日から転職される方が多いのか、何人かから退社のご案内。共通点はTwitterやFacebookををよく使う人たち。以前、TwitterのフォローワーさんやFacebookのお友達さんの転職率が高いと驚いている人がおられましたが、それは逆で、転職希望しているから実名ベースである海外SNSを使っているからでしょうね。TwitterやFacebookも米国SNSですが、米国の場合、企業にお勤めの方でも、キャリアパスとして他社への転職や独立を考えており、そうなると国内系SNSのような匿名ベースよりも、実名で参加して、自分を売り込んだ方がいいということなのでしょう。実際、Facebookの場合、(当方のまわりに限りますが)外資系にお勤めの方が多い。逆に言えばFacebookなどの実名ベースのSNSが日本でもユーザが増えると、企業への帰属意識は弱くなるかもしれませんね。 ところで、Steve JobsがApple CEOを辞めるそうですね(求職)。彼ほど個性ある経営者も珍しいわけですが、Appleは大きい会社ですから、彼一人で回しているはずで、 彼がいなくなったからといって大きく変わるわけではないでしょう。個人的には「お疲れ様でした」といいたいですね。 2011年8月25日徹夜残業。ところで、先日のHPのリストラ策発表では、個人向けPC事業の撤退以外に、WebOSの撤退も発表されたようですが、WebOSを使ったことがある方はわかると思いますが、設計思想はいいにしても、動作が遅い。もちろんプロセッサの改良でカバーできる問題なのですが、現状でタブレットやパッドサイズは難しいのではないでしょうか。 2011年8月24日今日もひたすら残務処理と、27日から出張の事前処理。実は中4日で次の出張なのです。 2011年8月23日出張中の残務処理と取材、打ち合わせ。取材はクラウドコンピューティング関連だったのですが、なんというかクラウドコンピューティングの位置づけって難しいですよね。ただ、コンピューティングの名が付く以上は、コンピュータの歴史を繰り返すのだと思います。取材時にはCloud as a Serviceといいましたが、コンピュータの基本モデルはチューリングマシン。そのチューリングマシンには万能チューリングマシンという概念があります。つまり、チューリングマシン(コンピュータ)をコード化(ソフトウェア化)して、別のチューリングマシンで、それを実行することで、元のチューリングマシンを再現するというもの。クラウドもコンピュータである以上は、クラウド上で、別のクラウドを再現するというのは可能だし、むしろコンピュータの歴史を考えると、その方向性は避けては通れない。それが理解できれば、クラウドコンピューティングの将来も自ずと見えてくるはず。打ち合わせもクラウド関連だったので、クラウドコンピューティング漬けの一日。 2011年8月22日成田空港に到着です。実はFirenzeが暑かったこともあり、第一印象は日本は涼しいでした。そうそうCAさんに手書きのお手紙をいただく。これもサービスなのでしょうが、CAさんもたいへんですね。でもそんなにいっぱい乗っていると思われたのかなぁ。 2011年8月21日Firenzeの最高気温は38度。日陰はともかく、日が差しているところは歩くのも辛い高温。午前中はFirenze観光。といっても日曜日なので美術館以外は休み。というわけで美術館巡りをして、Firenze空港に移動。それからMunich空港に移動、そして全日空の成田行きに搭乗です。 2011年8月20日国際会議はお昼で終わり。でんしゃnMontepulcianoに行ってみる。Montepulcianoはイタリアンワインがお好きな方ならば、トスカーナワインでは、白のSan Gimignanoの並んで、赤ワインで有名な場所。Montepulcianoの写真をおいておきますので、お楽しみください。Firenzeのルネサンス建築の原型となった街といういわれるだけあって、フィレンツェの有名建築物の小型版の建物がいくつかあるのですが、正しくはMontepulcianoが先で、それをFirenzeはその後に設計・建築されているものばかり。実はFirenzeで泊まったホテルの支配人がMontepulciano出身だそうで、おすすめのワイナリー(Contucci)とおすすめレストランに行ってみたのですがが、ワイン素人の当方でも、これこそがおいしい赤ワインということがわかるお味でした。 2011年8月19日国際会議の発表終了。今回初めて参加する会議なのですが、内輪で固まっている感じ。発表するにしてもアゥエー感が強し、そもそも参加者のバックグランドがわからない。発表しにくかったですね。会議運営に問題があったわけではないのですが、なんかお友達同士で運営しているという感じ。国際会議は人に依存するので、それを悪いとはいいませんが、議論にならないのですよね。 話はかわって、HPが個人向けPC事業から撤退だそうですね。HPはPC市場ではシェアトップですから、規模の経済を制したところでも、薄利多売のPC市場ではやっていけないということなのか、それともPC市場の前途がジリ貧であると思っているのか。後者だとPCに関わるすべての企業にとって深刻ですね。さてHPは技術系企業の代表的な存在でしたが、前CEO時代に研究開発を大幅に削減しており、今後、技術系企業としてやっていけるのでしょうかね。高収益事業に特化されるそうですが、それなりに高額給の企業ですから、当然な話で、薄利多売のPC事業に入れ込む方が間違っているように思います。あとは手遅れになっていないことを祈るばかり。 2011年8月18日国際会議に来ていて、こんなことを書くのはよろしくないのですが、最近思うことを少々。 ひとつめは国際会議が技術の先端ではなくなってきていること。Googleがいい例なのですが、彼らはWeb検索やデータセンター技術では先端にいっているわけですが、論文として発表されるものは最新技術でも現用技術でもなく、すでに使わなくなった技術だけ。 それと昔は論文誌や国際会議で論文として発表された技術は、そのあと企業が製品化して、社会に普及させるというサイクルができていました。このため研究者は論文を通じて論文誌や国際会議に研究成果を発信していても、企業を介してその成果を社会に還元できていたことになります。しかし、企業の方は論文を読まなくなっています。例えば国際会議の場合、企業の方で参加される方の数は減っているし、企業関係者がまったくいない会議も多い。仮に企業の関係者がきていても、事業とは全く別のセクションだったりします。これはいいかえると、アカデミアの研究者と社会の接点が減っているということ。 つまり、アカデミアの研究者がその成果を論文誌や国際会議で論文として発表したところで、それを社会に還元していくれる企業は相手にしていないことになるし、アカデミックの研究者の存在意義そのものが否定されつつあるとも解釈できます。というのはアカデミアの研究者の多くはその人件費や研究予算は税金などの公的資金に依存しており、これの根拠は研究成果が間接的に社会貢献につながるということが大前提になっており、その大前提が崩れてしまえば、その存在意義もなくなってしまいます。 もちろん研究分野によってはそもそも企業による事業化と無関係な分野があり、そうした分野の研究は今も昔も続いています。ただ、コンピュータサイエンスに限ると工学的な色が強く、ビジネスと無関係と開き直れるわけでもない。 さてアカデミアの研究者としてどうすればいいのか。(1)研究成果を事業を通じて社会に還元してくれる企業を探すのか、(2)企業が媒体になってくれないのであれば、研究者が直接、社会に還元するしかないのかもしれません。(3)開き直って、商用化が難しい分野の研究をする。(1)の場合も論文というの媒体は意味がないかもしれませんし、(2)の場合、そのもの論文そのものがいらないのかもしれません。(3)は商業ベースで採算性がとれず、公的研究資金に依存した研究(数学基礎論とかHPCとか)が相当しますが、研究成果を社会還元するというパスを作れるか否かが分かれ道になるのでしょうね。 とはいってもアカデミアにおける論文を中心としたシステムは数百年も続いてきたものであり、早々に崩れることはないのでしょう。でも論文だけを書いていればいい時代でもなくなってきているように思います。 2011年8月17日ミュンヘンを経由して、フィレンツェに移動です。何度もフィレンツェにいっているのですが、フィレンツェ空港からはいるのは初めて。列車移動だったり、空港が工事だったりでなぜか縁がなかった。 2011年8月16日明日から出張なのですが、やらないといけないことがいろいろ。 2011年8月15日GoogleによるMotorola Mobilityの買収。特許目的と報道されていますが、当方も、特許がすべてとはいいませんが、特許目的だったと見ています。Motorola Mobilityが、本家Motorolaから引き継いだ無線関連特許は多く、それを手中にすることは大きい。ただ、報道されているように対HTCや対Appleの特許紛争への対抗策という見方には疑問を持っています。というのは特許防衛策にしては買収金額が大きすぎ。逆に言えば、Android事業が特許防衛のために130億ドルもかかるならば、ビジネスとしては失敗のはず。少なくても自社ソフトウェアを採用したパートナー企業を守るために100億ドル以上使うほどお人好しの企業はいないはず。 というわけで個人的にはAndroidに関わる特許防衛策よりも、Androidの絶対的優位を作るための布石だと思っています。Googleは他の端末メーカに対して、Motorolaの特許の利用許諾とひき換えに、Androidの採用を迫るためではないかと見ています。前述のようにMotorolaは無線関連では強力な特許をもっているので、端末メーカは逆らえないでしょう。 もちろん、いまはAndroidのライセンス料は無料ですが、Googleはそれを有償にして、端末メーカから徴収するというやり方もできますが、Androidの各種サービスはGoogleのインフラに依存していますから、世界中のAndroid搭載携帯電話を通じてユーザの行動履歴を集めることによるメリットを重視しているのでしょう。たまにGoogleをIT企業と勘違いしている方がおられますが、Googleは広告代理店です。実際、売上の9割以上は広告収入なのですから。 それにしても同業の端末メーカにとって今回の買収で困惑しているでしょう。Samsung、HTC、ソニーエリクソンなどは、今回の買収を歓迎するというコメントを発表したそうですが、彼らは、Googleに頼まれてAndroidを採用してあげたのに、恩を仇で返された状態。なんども書きますが、Motorolaの無線関連特許は強力なので、端末メーカはGoogleに逆らえる立場ではなく、助けた相手が商売敵になっても甘んじて受け入れるしかない。厳しい見方ですが、数年のうちに、これらの端末メーカはGoogleが設計したハードウェアを外見だけを変えて作るだけの工場になると予想しています。 それと今回の買収が興味深いのは、期せずしてAppleの垂直統合モデルが優勢を示したことになること。ハードウェアとソフトウェアを別々の企業が作るよりも、統合的に設計した方がいいということを、他社にハードウェアを任せていたGoogle自らが認めたことになります。実際、Androidはハードウェアがカオス化しており、それが普及の足かせになっていますからね。ただ、これはGoogleと同様に、水平統合モデルをとってきたMicrosoftには心中穏やかではないでしょう。早々に垂直統合モデルに切り替えるか、スマートフォンから徹底するかのどちらかの選択に迫られそう。前者の場合は、(Microsoft出身者を役員として迎えてくれる)Nokiaあたりを買収するしかないかもしれません。ただ、それはMicrosoftを大きく変えることになると思いますが。 さてGoogleからすると端末メーカとしてのMotorola Mobilityには魅力はないでしょう。実際、Motorola Mobileは大ヒットしたRAZR以降はジリ貧状態。というわけで特許だけ抜き取ったら、早々に売却すると思いますが、気になるのはMotorolaの軍事系部門の存在。当該部門がMotorolaからMotorola Mobilityに移管されているかはわからないのですが、その部門が含まれる場合は国防省の意向も重要になるし、Google自体の性格も変わるかもしれません。 ところで今回の買収劇ですが、仕掛けたのはCarl Icahn氏なのでしょうかね。すくなくても彼のコミットメントなしでは買収話は進まなかったはずですし。だとするとGoogleではなく、Microsoftが買収した可能性もありますね。もちろんYahoo!の一件でMicrosoftが同氏のやり方に懲りていなければとなりますが。 2011年8月14日暑いです。近所に出かけただけでぐったりになりそう。 2011年8月13日OSってなんなのですかね。突然何を思われますが、OSの代表であるUNIXの開発は1960年代の終わりなので、40年以上、昔に遡ります。なのにLinuxはもちろん、MacOS XもベースはUNIX。いまのWindowsはVMSに近いのですが、そのVMSも20年以上前。さらにWindowsは幼稚なUNIXもどきだったMS-DOSのうえに構築されており、いまもMS-DOSを歴史的経緯を引きずっている始末。そのうえUNIX自体の改良も、UNIXの前身となったMulticsの機能を付け足しているところがあって、そこまで考えるとOSは進歩しているのだろうかと疑問になってきます。 技術的にUNIXを超えるOSを作れなかったのか、そんなOSは必要なかったのかは悩ましいところ。ただ、一ついえるのは世の中は互換性をもとめるので、仮にまったく新しいOSを作ったところで、UNIXとの互換性をもとめることになることでしょうか。そうなるとその互換性維持のためにUNIXの束縛から逃れられないし、互換性という点では既存のUNIX系OSに勝てない。 結局、UNIXから脱却するためにはPaaSのようにOSを不要にする、正しくはOSを見えなくしてしまうしかないのかもしれません。OSの上で動いているアプリケーションやサービスを使いたいわけで、OSそのものを使いわけでないはずですから。問題なのはそのアプリケーションやサービス、そしてミドルウェアはOSの思想を引きずってしまっているところ。例えばデータのアクセス制御でもUNIX的に何でもできる管理者とそれ以外に分けてしまうように、OSとしての設計思想をアプリケーションやミドルウェアに持ち込んでしまう。それのすべてが悪いわけではないのですが、OSの思想から脱却できないと、まったく新しいソフトウェアを作るのは難しいと思っております。 2011年8月12日前にも書いたことですが、某省の研究助成の制約上、今年度は4月早々に作った予算計画書通りに、国際会議に投稿・採録・出張することが求められています。不採録になった論文の発表分の予算が要返還になってもいいのですが、その予算に関わる間接経費は事務方が使ってしまっている可能性もあるので、結局、計画通りに投稿・採録・発表は必須。 そんなわけで、今年度はひたすら当初計画通りに投稿・採録。おかげさまで昨日の採録通知で当初計画分は結果が出て、7つ採録、1つ不採録(以前2つと書いたですが、計画書になかった)。ただ、どんな会議でもいいかというとそういうわけでもなく、国際会議のレベルを下げると文句をいわれますから、当該分野のトップ会議をいれながら、LNCSの掲載論文が4本。あとIEEE主催が1本、Elsevier系が1本、その他が1本。それと予算返還となると迷惑がかかるので、なるべく早く結果がわかった方がいいので、年内の国際会議にしなければならず、自ずと日程がタイトになります。 それにしても採録必須という状況下で論文書くのは辛かったです。でもさまざまなことを背負って研究しているわけで、当初予定通りに採録させるというのもプロの研究者としては重要なミッションなのです。それが、いいかわるいかは別にしてね。 2011年8月11日横浜方面にいくことに、それにしても暑かった。まぁ横浜は東京よりも涼しいことが多いのですが(といっても一度ぐらい)。 さて先日ですが、コンパクトデジタルカメラを購入。モデルチェンジに近い機種(キヤノンのS95)だったので、かなりお安く調達。写りには定評がある機種なのですが、こちらの狙いは日常記録用と露出計代わり。露出計付きまたはAE付きカメラを使うことが多いのですが、ポジフィルムかつ光が複雑なシチュエーションではマニュアルであわせた方がいい場合もあり、そんなときに露出計は有用なのです。もちろん専用露出計(特にメータ式ね)は、小型なものでも、測光用アタッチメントをつけると嵩張るのです。 ただ、露出計としてのコンパクトデジタルカメラは使い勝手が悪いところもあって、一番困るのが絞値の幅が広くないこと。この機種を選んだのは絞り値が下がF2からだから(広角端)。上はF8まで。本音で言えばF22までは用意してほしいところですが、F8以上に絞ることはまずないのでよしとしましょう(古いレンズは小さく絞ると内部反射のためか、かえって絵が甘くなることがあるのです)。なお、露出計としてコンパクトデジタルカメラを使う場合、なぜこの機種を選んだのかという理由は、詳しい方ならばわかるはず。あとこの機種のメーカ(キヤノン)のオートホワイトバランス(AWB)は優秀なのですが、色温度を表示してくれないでしょうか。色温度を調べておきた場合もあるのですよね。 2011年8月10日イギリスの騒動は、報道されているかぎりだと人種差別や政治的な背景というよりも、ただの破壊と略奪になっていますね。そのニュースを見ていて思い出したのがキューブリックが監督した映画「時計じかけのオレンジ」。決して好きな映画ではないのですが、舞台が同じロンドンということもありますが、破壊と略奪などの無法を繰り返すという設定はよく似てます。もちろん今回の騒動も失業や緊縮財政などの背景があるのでしょうが、なかなか単純に整理できるものでもないのかもしれません。 2011年8月9日昨日のAmazonのクラウドインフラ(AWS)のトラブルはたいへんだったようですね。クラウドコンピューティングでも、クラウドインフラ提供事業は、コンテナ型データセンターとか、次世代ネットワーク制御(例えばOpenFlow)性とか技術的な話題を重視される方が多いのですが、個人的にはクラウドインフラの善し悪しは運用能力に依るところが大きいように考えています。 長期的にはクラウドインフラのハードや基盤ソフトの差は縮まっていくのでしょうが、運用能力の差は縮まるとは限らない。むしろ早い時期に様々なトラブルを経験・解決した事業者はそれだけ運用能力が高まっているわけで、あとからクラウドインフラ事業に参入した事業者は永遠に追いつけないことになります。 個人的に興味深かったのは、今回のAWSトラブルの見方が人によって二分されたことでした。一つはAWSは可用性に関わるトラブルが起きたのだから、AWSの運用能力には問題があるといる見方。もうひとつはトラブルとその解決過程でノウハウが蓄積されてAWSの運用能力が高まったという見方。おそらく従来情報システムの常識では前者の見方で、後者は絶対にありえない見方とされるでしょう。これは従来情報システムの常識では将来の可用性を、過去のシステム稼働時間などで算出した可用性で計算するからです。でも本当にたいせつなのは過去ではなく、将来の可用性のはず。過去にトラブルがあっても、そのトラブルを通じて運用能力が上がって、将来の可用性が改善されるのであれば、トラブルが直ちによくないとは言い切れなくなってきます。少なくてもクラウドインフラ事業は導入が始まったばかりだし、その技術も進歩中だから、過去の可用性で将来を評価するのは適切とはいえないように思っています。 いずれにしても従来の情報システムの常識にとらわれていたら、クラウドコンピューティングを見誤ることだけは確かだと思います。もちろんこれは自戒をこめてね。 2011年8月8日ビッグデータはお金になるという期待が膨らんでいるそうですね。先日、その方面の講演を頼まれたのですが(お断りしましたが)、ビッグデータまわりのお話は不思議なことがいっぱい(システムを売りたいベンダーが騒ぐのはわかるのですが、ユーザ企業までいっしょになって騒いでますからね)。 確かにこれまではデータは企業単位や部署単位などで分散されて保持していましたが、クラウドコンピューティングなどにより、ストレージだけでなく、計算能力もあるサーバ群に集中するようになるとと、相違なデータを組み合わせることで、これまでできなかったデータ分析もできるかもしれません。とはいっても小さいデータでもそれを価値に変えられる企業や組織が、大きなデータならば価値に変えられるかというと難しいと思います。データ量が多くなると、いくらMapReduce/Hadoopなどの流行の技術を駆使するにしても、その処理も難しくなります。まして、データの種類が多くなると、それを適切に組み合わせだけでも難しい。それと忘れてはいけないのは、多くの場合、データ量が増えるとノイズが増えるという現実です。厳選したデータと雑多なデータでは当然、精度も違うし、間違ったデータを含まれてきます。 データとコンピュータがあれば価値のデータが自ずと取り出せると思っている人がいたりしますが、実際には対象となるデータと、欲しいデータに応じてデータ解析方法は違うため、対象データの特性と調べたい性質に応じてデータ解析方法を選ばないといけません。残念だけど、最適なデータ解析を自動的に選ぶ技術はありません。だから、データを読んで、最適な解析手法を見つけられる知識や経験をもつ人材が必須。そうした人材がいなければ大規模データがあっても宝の持ち腐れ。少なくてもビッグデータでビジネスしたいならば、MapReduce/Hadoopのクラスタを組むことを考えるより、数学の統計系が強い人材を集めた方がいいと思います。 もうひとつ忘れてはいけないのは、ビッグデータの処理技術を駆使しないといけないような大規模データをもっている組織は少ないということ。むしろ本命はデータ処理時間の短縮でしょう。実際、データ量が問題になるのは、ストレージよりも、処理時間。例えば売上データ解析でも、数年分の売上データをもっていても、一年分(実際は13ヶ月など)しか解析対象にしないことが多い。それはデータ量を増やすと終わらないから。数年分のデータを使った方がいいのはわかっていも、夜間バッチでデータ解析をしている場合、バッチの突き抜けをさけたいわけで、一年分など短期に限られます。ビッグデータの処理技術で、処理時間の都合上、捨てていたデータを使えるようになることは大きい。 それと処理時間の短縮により、一週間かかっていた処理を一日で済ましたり、一晩かかっていた処理を一時間でできるようにすることの意味は大きい。というのは例えば売上データ管理を一日単位から一時間単位にかわれば、販売方法を含むビジネスそのものも変わりますから。 ビッグデータをもっているところは少ないと書きましたが、それは企業内ではという意味。仮に異なる企業や組織間でデータの共有ができるようになったら話は別です。ただ、データは各企業や様々な制約(守秘性や所有権など)があって、マルチステークホルダー化しています。そのマルチステークホルダー間の問題を解決することが前提になります。逆に言えばマルチステークホルダー間データ共有が進まないと、本当の意味のビッグデータの時代は来ないと思います。 2011年8月7日非常勤で授業を持っている某大学の大学院レポートの採点。今年は40人ほど提出があってたいへんかと思ったのですが、採点がこのほか楽でした。というのはコピー元がひとつに集中したので、一つを読むと10通ほどは読まなくても済みました。評価は別にして、読む立場からみると本当に助かります。 ただ、コピーレポートの取り扱いは難しい。われわれの知識のほとんどは先人たちの知識の上にたっています。その意味ではコピーは仕方ない部分があります。ただ、だからといって引用を明記すれば図版を含めてコピー&ペーストが許されるというものでもないと思うのですがね。もっとも先方の先生に伺ったところでは「引用明記されていればコピーは可」とのことですから、当方が関知すべきことではないでしょう。 それはさておきコピーレポートの典型はこんなところでしょうか。(1)設問と内容が微妙にずれている、苦労して選んだと思うのですが、設問と合致した元ネタがあるとは限らないので(出題する方も微妙にずらしているし)、結局、設問とはずれた内容のレポート。これは採点しやすい。(2)無駄な説明が多い。(1)と似ていますが、一応、結論は設問に合致しているのですが、文量を増やせばいいと思っているのか、パターンは設問とは関係ない説明をコピーして内容を増やしたレポート。無駄に読む量が多いので、結構迷惑。(3)理解せずにコピー。これは本人がどこまで気づいているかは別にして、用語が不適切だったり、論理が不整合だったりするので、見つけやすい。コピーの是非以前に自分が理解していないことはコピーすべきではない。(4)コピー元が間違っている。これは(3)の亜流ともいえますが、設問の内容すら理解していないので、コピー元の選択も間違えるというケース。本人は間違っていることも気づいていないのでしょうが、採点する側は楽です。 手抜くにしても採点する側にそれを気がつかないようにしてほしいところ。もちろん今回の採点は学部と違って、修士だから当然、教育は受けてきているはずだし、大学側の教育方針とも関わる問題。だから、当方が関知するべき事項ではないのかもしれません。強いていえば、当方もその大学の出身なので、一緒にされるということでしょうか。 2011年8月6日研究者って、未知の現象の発見したり、新しい理論的説明を考えるのがお仕事。実は研究絡みでコメントを求められたので、答えたのですが、「そのコメントに関する文献を教えろ」と言われてしまう。そのときはお教えしましたが、文献がある時点で、研究者としては興味外。もちろん何事も文献がないと納得しないというのは、勉学指向が高いのだと思いますが、そこが勉強と研究の違いなのかもしれません。 2011年8月5日いろいろ打合せ。どうなることやら。さすがに今回は想定外の世界。どうしたもんでしょう。 2011年8月4日朝からびっくり。日経朝刊に「日立製作所と三菱重工が統合」という記事。この組み合わせはおどろきました。可否はともかく、20世紀ならば冗談でも出ない組み合わせですから、時代は変わったということでしょう。 ただ、経営的に理解できないことも多いように思います。そもそも、どうして統合してどうするのでしょうか。記事ではトヨタに次ぐ規模のメーカが誕生するとありましたが、売上げ規模からいえばその通りですが、三菱重工は日立製作所ほどではないものの、両社ともに多様な部門を抱えるコングロマリット型企業の典型。全社的な売上げ規模は大きくても、個々の部門は大きいとはいえない(特に日立製作所の部門)。つまり比較対象にあがったトヨタの場合、自動車メーカとしては大きな規模をもっていますが、日立製作所と三菱重工を統合しても、重電もインフラ事業、材料系などの主要部門はどれも圧倒的なシェアをとれるわけではない。もう少し正確に言うと、三菱重工は航空宇宙などの特定分野では大きなシェアをもっている部門がありますが、そうした部門は日立製作所は非常に小さい。一方で日立製作所は部門こそ多いけど、小粒の部門ばかり。そうなると日立製作所はともかく、三菱重工にしてみれば日立製作所と統合してもメリットが少ないはず。 むしろ、いま両社に必要なのは選択と集中。つまりさらに巨大なコングロマリット型企業を作ることではなく、不要な部門を売却して、今後の収益性をあげられる事業を強化することのはず。その意味では例えば日立製作所が三菱重工の特定部門を買い取って、自社の当該部分もいっしょにすれば十分。当然、その逆に三菱重工が日立製作所の特定部門を買い取ってもいい。どちらにしても経営統合する必然性は少ない。両社の経営陣とも、当方が考えるより深い経営論理をお持ちなのだと信じますが、当方から見ると巨大コングロマリット型企業という、時代遅れの弱者連合にしかみなかったりします。 ちなみに当方が一番驚いたのは、この統合を賢明だと評価する方が多いことでした。当方の考え方が間違っているのか、競争力よりも企業規模に拘る方が多いということなのでしょう。これをいうと「国内巨大企業が変わることが重要」と反論されるわけですが、それは「政権交代」が目的化したのと同じで、組織が変わることは目的ではないはず。重要なのは組織が変わることで何が変わるか。今回の統合の話はそこが見えないのが気になるのです。実際、日立は巨大なコングロマリット経営の典型だったわけで、それで太刀打ちいかなくなってきたらから、さらに巨大な巨大なコングロマリットになることで問題が解決できるのかは興味あるところ。 2011年8月3日ある意味で、これって真のThinkPadかもしれない。というか、これまでThinkか否かは別にして、Padとはいいにくかったから。 それにしても、上述のThinkPadをはじめ、PC未満のマシンのARM系チップへの流れが大きくなっていますね。気になるのはPCもARM系チップに向かうのかということ。MicrosoftはWindows 8でx86系以外にARMのサポートを正式発表。AppleもARMを前提にしたiOS系と、x86を前提にしたMac OSを統合に動くと思いますし、その場合、Mac OSがx86に加えてARM対応してくるはず。実際、AppleはPowerPCとx86のハイブリッドアプリケーションの経験もあり、アプリケーションについてもx86とARMのハイブリッド化をしてくるでしょう。もっともWindowsにしてもMacintoshにしても、アプリケーションは本体はクラウドコンピューティング上、GUIはHTML5+JavaScriptとなって、バイナリアプリケーションはなくなってしまうかもしれませんが。 2011年8月2日まだまだ若造だった頃、IT製品のエンタープライズ向けとコンシュマー向けの価格差に驚いていたとき、大手メーカの部長さん(その後は役員になられた)から、エンタープライズ向け製品は技術ではなく、クラブだから、そのクラブに入るならば、仕来りに従わなければいけないし、会費もかかるんだよ、と言われたことがあります。エンタープライズ市場に需要があるからといって、テクノロジー指向の新参企業がエンタープライズ市場に参入すると軋轢を生むことになります。まず既存会員はクラブの一員になれるか試そうとします。さらにその新参企業がクラブにとって鬼っ子と思われると排除を試みてきます。クラブの会誌に新参企業の紹介文を削除・変更を迫るぐらいは序の口。風評的なことから、露骨な営業妨害まで、およそ紳士的なクラブとは思えない手段が繰り出されます。とはいえ一部の声の大きな会員の反感を買うかもしれませんが、古い仕来りに疑問をもっている会員は多いわけで、正論をついている限りは応援してくれるはず。でも入会間もない時期は如何せん多勢に無勢になりやすい。ときには羊の皮を被った狼になることも必要。牙はいつでも剥けますから。 2011年8月1日来客の日。今年は企業は夏休み時期が分散しているようで、今日来られた方はすでに夏休み取得済みだとか。それはそれでいいのでしょうが、タイミングが狂いますよね。 話題はかわって、スルガ銀行とIBMの裁判が終盤戦に入ったようですね。内実は当事者しかわからないのですが、個人的に気になるのは、裁判になるほど拗れてしまったこと。昔、IBMスパイ事件でも、スパイした企業にIBMにとっての顧客企業が含まれていたとき、IBMは米国司法当局にその顧客企業は訴追対象から外させたぐらいに顧客は重視するのに、この裁判では正面切って戦うこととなりました。スルガ銀行はいいとして、IBMにとっては他の地銀への営業を考えると裁判にするより、水面下で処理した方がよかったはず。第三者には知り得ない何かがあったんでしょうね。 2011年7月31日今週末は休日出勤はなし。やれやれ。 2011年7月30日Java 7が正式リリースだそうです。ダウンロードだけはしたのですが、新たに追加された機能のほとんどを使う予定もなく、関心があまりなかったり。スレッドを駆使するプログラミングや入出力は使うので、もちろん新機能は関係するのですが、研究としてソフトウェアを作る立場だと、それらは必須ではないのですよね。説明しにくいのですが、あれば便利な機能が拡張された感じで、いままでできなかったことをできるようにしてくれる機能ではないのですよね。それと先日も書いたのですが、Javaに限らず特定の言語に特化した技術というのはその言語以外の世界からみると価値が見いだせるとは限らないのです。 2011年7月29日新丸ビルで開催された環境系のセミナーで講演。いかがだったでしょうか。自分的には話すべき情報をいろいろ話し忘れていて、反省の多い講演でした。そうそう環境省の方も講師にこられていましたが、Coolbizロゴ付きのポロシャツでいらっしゃいました。当方はネクタイ締めていったのですが、浮きました。ただ、普段の服装はカジュアルすぎて絶対NGでしょうけど。 2011年7月28日結局、サブマシンに入れたLionはSnow Leopardで上書きされました。気になるのはLionと同時期に発表されたMacBook AirのOSをLionからSnow Leopardにダウングレードできるか。メーカは不可というと思いますが、ちょっと知りたいところ。試された方はおられるのでしょうか。 2011年7月27日なんで以下のようなことを書いているかというと、伏線があるわけですが。それはともかく研究でも(シーズベースの)製品開発でも共通していると思うのですが、何らかの有用性や需要があると仮定して研究をしたり、製品開発を行います。ただ、そのとき有用性や需要の仮定は可能な限りに明確に定義をして、仮にその仮定が間違っていたら、その間違いが明確にわかるようにしておくべき。というのは途中でその仮定が間違いだったと気づいても、仮定が不明確だと仮定を拡大解釈をしていってしまう。製品開発でいえば、そもそも製品の機能要求が不明確だと、当初想定していた機能が不要とわかると、別の機能を追加してしまうし、その機能追加をあたかも当初予定の機能のように扱ってしまって、製品ターゲットがますます不明確になっていきます。最悪、機能リストのチェックマークを増やすことが自己目的化してしまう。だから製品開発でも研究でも、どうしてその製品が必要なのか、どうしてその研究が必要なのかという仮定は明確に定義をして、それが仮に間違っていた場合は、誰の目からも間違いだと気がつくようにしておかないといけない。でも現実はそれで失敗する研究や製品開発は多い。とっても多い。 特にソフトウェア開発の場合、Agile的な開発にもいえると思いますが、動的特性をもつスクリプティング言語を使う場合はマネージメントが難しい。実装的に機能追加が簡単なことと、実際に機能追加をすべきかとは違います。結局、とりあえず動いたところでリリースしてしまうか、永遠に機能追加を続けていつまでも完成しないかのどちらか、になりがち。 いまのソフトウェア開発に求められているのは、生産性や機能よりも、信頼性や使い勝手。従来の発想から抜け出せないと、結局、信頼性と使い勝手に問題がありながら、短期開発の自慢話か、機能リストのチェックマークの数以外にとりえのないソフトウェアができあがります。学術研究はもちろん、ベンチャー的な企業は全方位的な戦略はとれません。機能リストにチェックマークを増やすより、コアになる部分、つまり他の研究や他の製品に対して、差別化できる部分だけにフォーカスした方がいい。 研究の場合、仮定の妥当性やその明確な定義は学生さんにはなかなか難しいかも。指導する教員がマネージメントすべきなのでしょうね。開発者の場合はどうすればいいのかはなんともいえませんが。 それと個人的には、特定のプログラミング言語が好きとおっしゃる研究者や開発者は苦手だったりします。「ある言語を使える」というのと「ある言語を好き」というのは違いますから。あるプログラミング言語を好きという方は、しばしばその言語の機能をとことん使い切ろうとされることが多いようです(もちろん、そうでない方もおられます)。でも、そうした機能やテクニックはその言語のコミュニティでは高く評価されても、それ以外からは意義が見いだせないことが多い。所詮プログラミング言語は道具ですから、適材適所で使い分けをしてくれればいいし、ソフトウェアを使う側からは、そのソフトウェアをどんなプログラミング言語で書かれたかはそもそも見えません。特にソフトウェアのアーキテクチャは言語と独立して考えた方がいい。相違な言語を組み合わせてソフトウェアを作れる時代ですから、特定の言語に入れ込むのはいかがなものかと思います。 2011年7月26日鉄道事故の続きですが、ニュース記事に日本の鉄道関係者が「日本の新幹線、追突ありえない」というコメントがでていましたが、原発事故のあとだけに「ありえない」といわれると逆に怖くなります。それはともかく、今回の事故の背景には、相違な国やメーカの技術を組み合わせたシステムだったために、その組み合わせで不整合がでていることがあげられています。逆に言えば新幹線は特定のオペレータ(鉄道会社)とメーカが摺り合わせで作っているシステムであり、こうした問題は置きにくいのでしょう。 ただ、長期的には特定の国やメーカで閉じたシステムがいいともいえないような気がします。情報系と鉄道系では違うのかもしれませんが、本来は各国や各メーカや強みを組み合わせてシステムを組んだ方がいいはずです。問題なのはその組み合わせが難しいこと。その意味では国内IT業界のSIに相当する事業者が必要なのかもしれません。日本は個々の技術は強いが、そのシステム化に弱いとされます。鉄道、水道、電力、通信などのインフラ系はオペレータがSI的な役割を演じており、それはそのオペレータ内ではうまくいきますが、それをオペレータ外(海外展開を含む)に出すことは難しくなります。インフラ系のSI的な事業者を育てなかったからなのか、そもそもSI的な事業が苦手なのかは難しい問題ですが。それはともかく、インフラ輸出にSI的な事業が必要だとして、情報系のSI事業者に長年、SIビジネスを続けてきたのですが、インフラ系SIに役立つ知見や経験があるのかは興味深いところ。 2011年7月25日事故車両を早々に粉砕し、野菜畑に埋めてしまうことまでは想定していませんでした。これもお国柄なのでしょうか。でもその国におられた昔の偉人は「小人之過也必文(小人の過つや必ず、文る)」(論語)をおっしゃっております。もっともどこかの国も原発事故をみていると大差ないというか、もっと困ったさんなのかもしれません。 修理された自宅メインPC(17インチMacBookpro)が届く。実質、2日間で修理・配送となり、作業停滞は必要最小限となりました(今回は魔法を使ったお願いはしておりません)。データはバックアップがあったのですが、アプリケーションはライセンスの関係もあって、最新版をこのPCにしか入れていないものがあり、一部の図版データが開かないという事態になっていました。 2011年7月24日今日も休日出勤。今日でアナログTV放送終了。休日出勤でその瞬間をみることはできませんでしたが。実は停波延期になると予想をしていたのですが、予定通りに実施することになることは想定外でした(某省の皆様、ごめんなさい)。テレビは滅多に見ないのですが、砂嵐をみるためにつけてみる。なお、砂嵐を見ても画面から貞子は出てきませんでした。 ここまで書いて思い出したのですが、自宅は電波の影響でケーブルテレビ回線を使っていて、そのケーブルテレビが先週のうちに、アナログ放送を止めていたとか。いかにテレビを見ていないかがわかる結果となりました。 2011年7月23日休日出勤。いろいろお仕事いっぱい、いっぱい。お休み欲しいです。 ノルウェーでテロが起きるとはね。ノルウェーの政治状況は知らないのですが、スウェーデンやフィンランドでは反移民を掲げる極右政党が議席をとるようになっており、そうした流れが今回のテロにつながったのかもしれません。ただ、そうなると他の欧州諸国でも同様のことが起きる可能性があるわけで、欧州のMulticulturalismの流れはひとつの曲がり角を迎えるかもしれません。実は以前関わったEUの技術委員会でも、Multiculturalismは中心課題で、MulticulturalismとCitizenshipを両立することがITの役割の一つとしてあげられており、それを3日間ひたすら議論したのでした。 2011年7月22日思い切って受信メールを全削除したら、すがすがしい気分になれそう。そうそう自宅のメインPC(17インチMacBookpro)が起動しなくなり(おそらくメモリスロットのまわりのトラブル)、急ぎだったこともあり、夜遅くにメーカの直営店に持ち込み。やはりメモリスロットの問題だとかで、預かり修理でボード交換。 2011年7月21日Googleが「Google Labs」を終了させるそうです(Webニュース記事)。Googleは収益の9割以上は広告収入からあげる広告代理店。一方でGoogle Labsが提供してきたのは(Web上の)ツール群(サービスといいにくい)。ツールは広告媒体になりにくいし、広告を直接的に集められるとは限らないわけで、Googleが本業、つまり広告代理業に集中するというのであれば合理的な経営判断といえるでしょう。問題があるとしたらGoogle Labsが提供しているツールが直接的または間接的に収集するユーザデータが広告効果に貢献していた場合でしょう。世間的にはGoogleをテクノロジーカンパニーだと思っている方々が社内外におられることでしょうか。こうした方々には今回の発表は戸惑うと思いますし、顧客離れや社員流出につながると思います。ただ、前述のように収益を見る限りは純粋な広告代理店なのですから、テクノロジーカンパニーだと思う方が無理があると思います。 2011年7月20日いよいよMac OS X 10.7 (Lion)が発売になったようですね。先日書いたように、一足先にLionを使う機会があり、使い勝手や互換性問題は情報を持っていたこともあり、ひとまず古いMacBook Airに入れてみただけ。当面は普段使うマシンにLionをいれる予定はなし。LionがAppleにとって終わりの始まりにならないといいですね。先日はLionはVistaの轍を踏んだかもと書いたのですが、Vistaよりも深刻かもしれませんね。 2011年7月19日私事でいっぱい、いっぱい。ここ数日、中央区で寝泊まりしてましたが、それも今日で終わり。 2011年7月18日国際会議用のカメラレディ論文を送付。このところ、ある国際会議のカメラレディ論文を作成・送付すると、別の国際会議のカメラレディ論文を作成・送付の繰り返し。今月中はこの繰り返しが続く。論文を書くのは研究者の重要な仕事の一つですが、今年度は某省の研究予算で4月に作った研究計画&予算計画書通りに、国際会議に投稿して、採択されて、発表・出張するという状況。国際会議の論文は当初計画通りに書けるわけでもないし、まして採択されるとは限らない。すでに採択結果がわかっている国際会議に限ると、6つ中、取りこぼしは2つですが(通しやすそうな国際会議でミスるという状況)、もうすこし研究の不確定性というものを理解して欲しいのが本音。 2011年7月17日しつこくGoogle+のことですが、グループウェアとしてみると結構おもしろい。サークルの機能はグループウェアのユーザグループと本質的に同じですから。これでカスタマイズ機能があれば企業向けの汎用グループウェアとしては十分なのではないでしょうか。 2011年7月16日昨日の続いて、GoogleとFacebookのこと。極めて個人的な印象を書くと、Googleは(Web上の)ツールを提供する企業、それに対してFacebookはSNSという場を提供する企業。ツールは技術ですから、優秀な技術者が必要です。一方、場というのは居場所や環境ですから、居心地のよさや、場としての魅力を作り出す人材が必要です。GoogleとFacebookは対象が違うのですから、両者は対抗する必要性もない。ただ、不幸だったのはGoogleの収益源は、そのツールではなく、広告代理業。いいかえれば広告用看板です。その広告用看板は場に置かないと効果がない、つまり広告が集まらない。そうなるとGoogleとFacebookは敵対するしかない。 どんなビジネスでもいえますが、場をもっている企業は強い。例えば電子マネーを例に取りましょう。同じFelicaカードを使っているにしても、場を持つJR東日本やセブン&アイ、イオンと、場を持たないEdyを比べると、いくらEdyに対応した店舗が多くても、JR東日本やセブン&アイ、イオンは駅構内や店舗で自社の電子マネーだけを使えるようにすることができます。 これはGoogleとFacebookの関係にもいえて、Googleは優秀な人材を抱え、すばらしいツールを数多く提供していますが、ユーザが他社の類似ツールを使うことを排除することはできない。一方でFacebookは、ぱっとしないツールでも、自らの場の中ではユーザに使うことを強制できます。この差は大きいのです。 それとGoogleほど提供しているサービスと収益源が乖離している企業も珍しいと思っています。その乖離がGoogleの強さの源泉なのかもしれませんが、やはりサービスと収益源を一致させるのが本筋だと思います。ただ、Googleを見ているとその乖離を埋める努力は見えないのですよね 2011年7月15日Google+に関して聞かれたのですが、どうなんでしょうかね。ちょっと使った感想をいうと、サークルなどの機能はあるものの、現状はFacebookとTwitterを足したようなサービス。一方でFacebookとTwitterはすでに多数のユーザ数が獲得している状態。新しい仕掛けを提供しない限りは両者を凌駕するのは難しいのではないでしょうか。つまり個人的な評価としては、Google+はいいと思うのですが、登場するのが遅すぎたというもの。ただ、Googleというブランドの大きく、それを上手く使えば伸びると思います。ただ、いまからFacebookを超えるユーザ数を獲得できるかというと、Facebookが何らかの失敗をしないかぎりは難しいかもしれません。 Googleにとって一番恐れていることは、Facebookがユーザ数を拡大することよりも、Googleの収入のほとんどをあげているネット広告が、Facebookにとられることにより、収益悪化ではないでしょうか。ならばFacebookに乗ずる形のサービス展開もあったと思うのですがね。 個人的にはFacebookやTwitterの対抗馬よりも、複数のSNSを統合してくれるようなサービスが欲しかったり。これ以上、SNSが増えると対応しきれないのですが、SNSは相手があってのことですから、その相手が相違なSNSを使う場合は相違なSNSに対応しなければならないという事態になります。 2011年7月14日まだ発売まで数日あるそうですが、先日、MacOS X 10.7 Lionの事前配布の最終版(Gold Master)を使わしてもらったので、その感想を少々。短時間の評価であまり論評すべきではないのですが、個人的には様子見でしょうか。ひとことでいうと使い勝手とひき換えに複雑なことがやりにくくなっている感じ。特にフルスクリーン指向なので、大画面で複数アプリのウィンドウを開きながら使っている方は改悪と感じるかもしれません。それとデスクトップでMagic Trackpadを使っているか、マルチタッチに対応したMacBook系 (どちらかというとProよりもAirの方が相性がいいかも)でないと真価が発揮ができなさそう。逆にいうとマウスなどのポインティングデバイスと決別したGUIといえるかもしれません。また、Macintoshの伝統である画面上部のメニューはある意味で役割を終えたのかもしれません。このメニューは画面の高解像度化とともにユーザ操作の負担になっていたので、いいように思いました。それとコンテンツを見るときは使いやすそうですが、コンテンツを作るときは結局、アプリケーションまかせだし、見るときの操作と作るときの操作の差異が大きくなって、使いにくいように感じます。 いずれにしても全体としてみたときには理解に苦しむ部分はあり、特にUI設計に一貫性がいまひとつない。GUIは入出力デバイスとの依存性が高い。iPhone/iPadのマルチタッチスクリーン向けのインターフェイスがPCに向いているとは限らない。 当方のまわりではLionへはネガティブな評価をする方が多いのですが、もちろん新しいもの、慣れていないものにはネガティブな評価になりがちなのですが、その一方で新しくする必然性も少ないのも事実。MacOS XもWindowsのXPからVistaへの移行時と同様のトラップにはまっているのかも。もちろんLionの新機能はおもしろいのですが、ユーザが求めているのはその新機能で(ユーザにとって)何が変わるのか。残念だけど、何が変わるのか、という部分については未消化におわっているように感じます。 2011年7月13日なぜか今日のある一時間ぐらいのあいだに3つの国際会議の論文採録通知がやってくる。そのうち一つはいままでとはちょっと別の分野、どちらかというと、コンピュータサイエンスというよりも、物理学や生物学に近い分野。別の分野の研究を始めるのはたいへんなのですが、その研究の論文が当該のトップ研究者が集まる国際会議に通ったのはよかったです。というわけで、たいへんありがたいのですが、ちょっと無計画に投稿しすぎたのか、ぎりぎりになりつつあるのも事実。もちろん日程は重なっていないものの、こんなに採択されると思わなかったから、綱渡り状態。というわけで採録済み未発表の単著論文は7本から10本となりました。 2011年7月12日大急ぎでカメラレディ論文を作成・送付。採録通知が届いているに気づいていなかったというか、投稿したことも忘れていた始末。危ない、危ない。国際会議に採録済み未発表の単著論文が7本あり(既発表は単著論文3本)、把握できていません。 論文を書くのは研究者の仕事なのですが、論文は研究の副産物みたいなもので、論文を書くことと研究とは同じではない。というわけで論文よりも研究をしないといけないのですが、今年度は予算的な理由もあり、論文の大量生産状態。不毛ですね。 2011年7月11日午前中は慶大の大学院の授業。来週は祭日なので、今期は今日が最後。 Miamiの写真はなし。というか時間もないし、そもそも写真を写す気もない。北米出張と欧州出張ではモチベーションが違いすぎですね。というわけで4月にスペインのSalamancaに出張したときに撮った写真をここにおきます。夜に加えて、シエスタの時間に炎天下で写真を撮っておりました。もうひとつは数年前にいったドイツのUlmの写真もおいておきます。 2011年7月10日ANAのワシントン発成田行きは機内トイレ(複数)の故障で、ワシントン空港から発着が大幅に遅れ。さらに修理できなかったので使えるトイレの数が少ない状態。乗客が2/3 程度だったからよかったものの、もし満員だったら待ち行列ができて険悪なムードになっていたかも。CAさん曰く、「化粧室(トイレ)なので、運行には支障がないので、出発することになったようです・・・」と申し訳なさそうにおっしゃっていましたが。なお、成田空港ではゲートにつけるのに手間取り、結構な時間待機することとなりました。それでも米国の航空会社と比べればトラブルのうちに入らないでしょう。 余談ですが、飛行機は乗り降りは左側の出入り口を使って、右側を使わない。不思議に思ったことはありませんか。技術的な理由があるわけではなく、船の古くからの習慣から。というのは欧州の中世以前の船は船尾に舵をつけるのではなく、船のサイドに板(Steering board)を付けて、これを動かして船の向きを変えていました(さらに昔はオールや帆で向きを変えていたので、舵の要求は少なかったらしい。ちなみに船尾に舵をつけるのは中国が最初で、その後に欧州に伝わったとされます)。この板を船の右側に付けていたので、港に付けるときは船の左側(右舷)を岸壁につけていました。飛行機は機体をシップ(Ship)、機長を船長(Captain)と呼ぶように船舶の影響を受けており、旅客機が左側からドアから乗り降りするのその影響。ちなみに組織の意志決定機関をSteering boardと呼ぶことがありますが、これは船の方向を変える板(Steering board)からきています。 2011年7月9日なんか着いたばかりのような気がしますが、早朝、ワシントンDCに向かって飛んで、それから成田行きに搭乗。昨夜、昨日書いたようなことを現地大学の関係者(NSFへの出向経験もあるシニアの研究者)と議論したのですが、米国の場合、コンピュータサイエンスは人材輩出というミッションがあり、それがある限りは大学におけるコンピュータサイエンス学科の存在意義があるとのこと。ただ、今後は二つの懸念があるとか。 一つ目ですが、米国でも教育は基本的に連邦政府や州政府の持ち出しで実現しています。さて米国大学のコンピュータサイエンス学科の大きな特徴は外国人比率が他学科と比べて突出して高い。これでも許されたのは、その外国人学生の多くが米国内で就職して、米国のIT産業の競争力の源泉になってきたから。ただ、彼らが米国以外で働くようになると、風当たりが強くなることが予想されるそうです。 二つ目は、以前はコンピュータサイエンスの教育は米国が高かったけど、インドや中国の大学でもコンピュータサイエンスの教育がよくなってきており、インドや中国から優秀な人材が輩出されるようになりつつある。一方で米国内のIT系労働者の人件費は高く、同じ水準ならば米国内のIT系労働者ではなく、インドや中国で安い人件費でコンピュータサイエンス学科出身者を雇えばいいことになる。という危惧あるとか。 そのため、長期的にはコンピュータサイエンス学科は縮小して、需要と供給のバランスをとるのか、インドや中国などの新興国の大学が苦手な分野(教育設備費用がかかる分野、例えば機械など)などの知識をもつ付加価値の高い人材を輩出するような教育にかえる必要があるとか。一昨日からネガティブな話題が続いてしまいましたが、中にいる人間が思っている以上に事態は深刻ということでお許しください。今回の出張の最大の成果は、米国のコンピュータサイエンス系学科の方が、これほどまで前途を懸念しているということがわかったことでしょうか。この国際会議は会議自体はたいしたレベルでないのですが、妙に人脈があるというのか、去年は本来知り得ないシリコンバレーの裏側を見せてもらいましたし。 2011年7月8日愚痴の続き。国際会議は採録数が決まっているし、集客も考えないといけないので、どうしても流行しているテーマに変重しがち(もう少し正確に言うと予算がついているテーマというべきですが)。流行しているテーマは、優秀な研究者が集まっているから、おもしろいのですが、ただ流行しているテーマからといって、研究すべきテーマとは限らない。多くの場合は研究のための研究テーマになっていることが多い。そして難関国際会議のプログラム委員をされたことは経験があると思いますが、本来、研究すべきテーマを流行っていないからという理由で採録しないということがあります。 それと難関国際会議の場合、ゲーム化しているというべきか、国際会議を通すことを目的とした研究も散見する始末。かくいう当方も、今回の出張は予算の実績作りという側面があるわけですが。ただ、ゲームというのは参加しているプレーヤーはそのゲームのゴールしか目に入らず、そもそもゲームそのもの目的は目に入らないものなのです。まわりが同じゲームに参加しているからといって、そのゲームが永遠に続くとは限らないし、ゲームに熱中していると、日暮れに近づいていて、ゲームオーバーに近づいていることに案外気がつかないもの。 以前、米国NSFのお偉い方から指摘をうけたのですが、自然科学系の研究は他分野からも参照されることがあるが、コンピュータサイエンスの論文は他分野から参照されることが皆無であるとのこと。それも難関国際会議でもコンピュータサイエンス、それも同じ分野の論文誌から参照されないところがあり、サイテーションが高くても、外部的には低評価になってしまう。コンピュータサイエンスの研究者が思うほど、コンピュータサイエンスは必要とされていないかもしれません。少なくても他分野から参照されるような研究をしないといけないのでしょうね。 2011年7月7日国際会議の一日目。というわけでコンピュータサイエンスの国際会議にきているわけですが、そのコンピュータサイエンスの国際会議全般のこと。コンピュータサイエンス系の研究者には説明するまでもなく、コンピュータサイエンスは論文誌の論文よりも国際会議の論文が重視するという他の分野にはない特徴があります。これにはメリットがあり、は国際会議は論文発表の場であるとともに、人と会う場なので、ポジション探しから、有意義なコメントをもらえる場なっていたから。ただ、これも過去の話かもしれませんね。 国際会議は特定テーマで開かれるにしても、研究内容が多岐にわたってしまって、会議の参加者にその論文にコメントできる人がいるとは限らない。実際、コンピュータサイエンスは研究内容も多岐に広がってきているし、研究者も増えているし、国際会議も増えている。国際会議で論文を発表してもその論文に適切な研究者にあえる可能性は低くなります。 もちろん国際会議にもいろいろあって、国内学会の全国大会のように全通しの国際会議もあれば、当該分野のトップレベル研究があつまる難関国際会議までいろいろ。優秀な研究者が集まるのは難関国際会議なのですが、その難関国際会議にいっても、発表は聞かずに裏で雑談している研究者ばかり(その話題も研究ではなく、予算や人事の話が多い)。そうなると論文が通って、発表したところで、研究に役立つようなコメントがもらえるとは限らない。実際、当該分野のトップの国際会議で発表しても、有意義なコメントはもらえることが減りました。 それと最近、危惧しているのは企業からの参加者が減っていること。コンピュータサイエンスというように科学と名乗っても、コンピュータは工業製品なので工学的・商業的な視点は欠かせない。というわけでアカデミアの研究者は企業関係者との接点が先細り。そうなると実際的な課題を知る機会が減り、その結果、実際的な課題から離れた研究が増えてしまい、ますます企業関係者との接点が減るという悪循環。 愚痴っぽいことを書きましたが、最近、コンピュータサイエンスの研究が世の中の役に立っているのかが疑問になることが多いのです。特に国際会議はなんのために会議しているのかが、わからなくなることが結構あるのです。 2011年7月6日Chicagoを経由して、Miamiまで移動。いつもながら米国は入国審査に時間がかかるし、空港のカフェやレストランのサービスはよろしくない。というわけで着いた早々、一分でも早く出国したい気分にさせてくれます。ちなみにMiamiは雨でした。出張中、ホテルの外に出ることもないので関係ないわけですが。 2011年7月5日打ち合わせの日。某省の某予算の某プロトコルのために、某アイドルグループを想定した企画書をつくることになったのですが、いったい何をやっているだろうかという感じもありますが、内実はまじめなお話。午後はその某省の違う部局と別件の打ち合わせ。先方の人事異動絡みで挨拶的な内容でしたが、霞ヶ関もいろいろたいへんですね。既存の産業や企業(とそこで働く従業員)を守るための政策と、新しい産業を育てる政策は相容れるとはいえない。話題は日本のITが今後、成長産業なのか、衰退産業なのかというものだったのですが、前者ならば発展させるべきですが、後者ならば今後、有望になる産業を育てるために衰退産業をスクラップして、人的・資金的リソースを成長産業に注入しないといけない。 2011年7月4日慶大の大学院授業。疲労困憊状態で授業をしてしまって、おそらくわかりにくい説明をしてしまったかも。反省です。 昨日の続きですが、クラウドコンピューティングが、計算だけでなく、ネットワークも取り込み始めるだろう、と書いたのですが、もうひとつのクラウドコンピューティングが取り込むであろうものはクライアント側。Web技術の進歩により、クライアント側のエンドはOSから、Webブラウザになりつつあります。今後、データなどはクライアント側ではなく、クラウドインフラ側におくでしょうし、ユーザが操作するのはOSのGUIではなく、Webブラウザ上に表示されたGUI。 さてWebブラウザがサポートする通信プロトコルやWeb技術は標準化されたものですが、それは接続先のサーバ側が他社のものであるから。でも接続先のサーバが特定されるのであれば、標準化にあわせる必要もない。クラウドインフラとWebブラウザの両方を提供する事業者(Microsoft、Google、Apple)は自社のクラウドインフラと自社製Webブラウザ間の通信は独自仕様にできることになります。実際、OfficeサービスなどのアプリケーションをWebブラウザで実現する場合、独自プロトコルの方が容易だし、使い勝手もよくなることが多い。今後、上記の3社のWebブラウザは標準化されたプロトコルに加えて、自社のクラウドインフラ上のサービス限定のプロトコルも乗せてくることが予想されます。 その絡みですが、いま最有力コンテンツ配信事業者はAppleのiTunesStore。iTunes Storeの強さは、Appleがコンテンツプロバイダーを取り込んだこともありますが、それ以上にiTunes StoreのクライアントであるアプリケーションiTunesがWebブラウザではなかったことがあると個人的には思っています。以前、音楽再生はMP3専用アプリケーションがあり、iTunesが専用アプリケーションなのは当然なのかもしれませんが、技術的には当時ですら、Webブラウザを想定して、プラグラインとしても実現できたはずです(iTunesの内部的な通信はきわめてWebブラウザに近いはず)。さらにAppleに御謹製Webブラウザ(Safari)を抱えているにも関わらず、いまだにiTunesからWebブラウザへの移行や統合をする気配がない。 AppleがiTunes Storeのクライアントを独自アプリケーションにこだわるのは、独自通信プロトコルが自由に使えるからでしょう。Webブラウザ上に乗せればWebの規範にあわせないといけなくなり、他社との差別化ができない。そしてこの状況はコンテンツ配信だけではなく、一般のWebブラウザにも広がるように思っています。 2011年7月3日クラウドコンピューティングはブラックホールのようにコンピューティングを取り込み、巨大なコンピュータになりつつありますが、次の段階はインターネットを含むネットワークを取り込むことになるのかもしれません。インターネットの基本設計はエンドツーエンド。エンド側、つまりインターネットにつながったコンピュータ同士が通信を処理することが前提となっています。例えばメールでは送信側と受信側のメールクライアントとそのあいだのメールサーバが連携してメールを送ります。しかし、Gmailのようなサービスはメールクライアントもメールサーバもクラウド側になります。また各種Webサービスもサーバ間の連携から、クラウド上のAPIの呼び出し関係になると、Webサービスそのものの処理はもちろん、Webサービス間の通信部分もクラウド側に移行することになります。また、低レベルではOpenflow的な手法でネットワーク制御部分をクラウド側に取り込むということが行われるでしょう。こうなったときにクラウドコンピューティングとインターネットの関係は変わるでしょうし、インターネットそのものに求められる機能も変わってしまうかもしれません。 もちろん相違な事業者によるクラウドインフラ間はインターネットを介して通信されるわけですが、クラウドインフラ事業者の少数の大手に集約されるのであれば、クラウドインフラ間の通信も標準化される必要はなく、そのクラウドインフラ事業者間だけで決めた独自の通信プロトコルでも構わないのかもしれません。それは非公開の独自通信プロトコルという暗黒の時代にもどることになりますが、IETFにしてもW3Cにしても標準化作業に時間と手間がかかりすぎで、新しい通信プロトコルを想定した新しいサービスの普及が遅れることを考えると、まったく悪いというわけでもないのかもしれません。いずれにしても、当面、クラウドコンピューティングまわりで技術的におもしろいのはクラウドインフラとインターネットの境界付近かもしれません。クラウドコンピューティングという帝国はインターネット側に領土拡大を狙ってくるでしょうし、その境界では熾烈な領土争いが繰り広げられるはずです。 2011年7月2日さて朝の8時前に成田空港に到着。今回は往復ともに飛行機は満員。結構疲れますね。それと用務がない場合、早朝に成田着のフライトは避けていたのですが、今回は仕方なく。時差ボケ対策は眠いのを我慢して調整するタイプなので、早朝に着くとその日、一日眠い状態で過ごすことになり、あとが辛いのです。今回は私事ですが、午前中から用事があったので助かりましたが。 2011年7月1日さて帰国です。Croatia航空でDubrovnikからViennaに飛んで、Viennaから成田はAustria航空。Viennaでは3時間ちょっと待ち時間があったのですが、Viennaの空港と市内はちょっと距離があって、市内に出るには中途半端な時間。そうそうDubrovnikで泊まったホテルは、前日に、早朝にタクシーに来てもらうようにホテルの方に頼んでおいたら、朝食時間前だというに1セット用意してくれていて助かりました。 さてDubrovnikで撮った写真をここにおいておきます。 Dubrovnikiは街全体が世界遺産になっているだけの場所でした。まぁ仕事でいっていますから、朝晩しか観光はできないのですね。それと写真を見ていただくとわかると思いますが、壊れた建物の写真は20年前のユーゴスロバキア内戦で被害を受けたホテルだそうです。風光明媚なDobrovnikから3kmぐらいのところに、こうした戦争の傷跡がなまなましく残っているところに、この地域の現実を思い知らされます。
Copyright by Ichiro Satoh 佐藤一郎
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