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「萬吉禎」(まんきちてい)
大きく書かれた「大仏そば」の文字は不粹だが
評価 ★★★
住所 板橋区赤塚8-10-1
Tel.

03-3939-5189

最寄り駅

東武東上線下赤塚駅

アクセス R17「新四葉」交差点より松月院通りを約250m西進、「松月院前」交差点を北上200m弱右側
営業時間

1時半〜17時(途中休憩あり) 木休

席数

52席

駐車場 あり
最終訪問

2001.3.25(初囘訪問1996.11.16)

すぐ近くに東京大仏があるこの店は観光客も多く訪れる。そして52席もあるのだから所謂「観光地そば」を想像していたのだが、その考えはいい意味で裏切られた。自家製粉であるという以外にも供される品書きの殆どが自家製であり、とても魅力的なのだ。

それを代表するのが今迄東京で食べた中では一番美味いと思った「厚焼き玉子」(冩眞下左)。砂糖ではなく「てんさい(砂糖大根、とも呼ばれる)」でやや甘目に味付けされていて、関西人の私はそのあたりも氣に入っているのだが、くどい甘さではない爲に酒のアテとしても十二分に力がある。焦げ目が強く見かけはさほど良くないが中がふうわり、とろりと絶妙の火加減で実に美味い。
そしてもうひとつオススメの「そばがき」(冩眞下右)はやや粗目の舌触り。もっちり感こそ少ないが、粒が立っていて齒にまとわりつかず食感が良く香りも強い。この二品はいずれもかなりのボリュウムがあり、一人で行ったらこれらのみで滿腹してしまい、蕎麦が入らなくなってしまう。

厚燒き玉子600円
そばがき800円
(それぞれ冩眞をクリツクすると大きく表示されます)

酒も純米の樽酒が美味。にごり酒も置いてあるのでそちらの方もついつい飮みたくなるのだが、こちらはこれらの肴にはちと合わない。他にも国産大豆、天然にがりを使った自家製豆腐のごまだれ風味やこれも自家製味噌使用のこんにゃくの柚子味噌田楽等店主のこだわりが感じられる逸品ぞろいで好感が持てる。何せそば団子の餡まで自家製、という凝りようだ。

そして自家製粉で甘皮まで挽き込んだ2枚盛り(これも量十分)の「せいろ」(冩眞下左)は、初めて訪れた頃はもしかしたら蕎麦殻まで混ぜてあるのでは?と感じさせるほど喉をチクチクと刺激する独特の食感を持っていたのだが、今回の再訪時にはその点は改善されていて喉越しは良く香りもまあまあ立っている。
最初から猪口に入って供されるツユは色こそ濃いが味は薄目、甘さ控えめでベースはしっかりしているのだが少々物足りない。

品書きに「赤塚名物」とある「大仏そば」(冩眞下右)とは割子そば風に3つに分けられた蕎麦にそれぞれ海苔、胡麻、青紫蘇がかけられているだけの観光客向けメニウなので、純粹な蕎麦の味を樂しみたい方は「せいろ」の方を頼むがよかろう。

せいろ。二枚盛で食べごたえがある

大仏そば。ただ蕎麦に薬味がかけてあるだけ

蕎麦湯はまあまあ濃い目で美味いと思えるギリギリのラインであった。
店主の色がしっかりと出ていてしかもコストパフォーマンスが高いこの店は、早仕舞なのが惜しいところだが、ロケーションを考えればそれは仕方のないところか。

主なメニュー:大仏そば900円、せいろ(二枚盛り)1100円、鴨汁せいろ1300円、天ぷらそば1500円、厚燒き玉子600円、そばがき800円、味噌田楽350円、胡麻汁冷奴350円、天丼1200円、そば団子600円
酒:樽酒(純米)、にごり酒(純米)、〆張鶴、天狗舞各600円

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