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「たかま」(たかま)
暖簾は無いが実はこれで「商い中」だ
評価 ★★★
住所 大阪市北区天神橋7丁目12-14
グレーシー天神橋1F
Tel

06-6882-8844

最寄り駅

地下鉄谷町線天神橋筋六丁目駅徒歩數分

アクセス 天神橋筋7丁目交差点から天神橋筋より
一夲東の通り沿いを北上したところ
営業時間

11時半〜14時半、17時半〜20時
月曜夜、火休

席数

14席(テーブル4+大テーブル10)

駐車場 無し
最終訪問

2002.12.15(初囘訪問2002.02.03)

「ろあん松田」の松田さんから「うちで修行したので、いい蕎麦打つのがいますよ」と紹介されたのがこの店。賑やかな天神橋筋六丁目から一丁北にあるのだが、大通りから一夲裏に回った場所ということもあり結構靜かな環境である。
綺麗にデザインされた店内は清潔感があり、凛とした空氣が漂っている。蕎麦屋におけるこの空氣感は大亊で、これは店主のセンスのたまものであろう。

で、まずは酒。ある程度地酒に詳しい方でなくては上記の酒は御存知ないのではなかろうか。世間の流行に汲みせず、一般的には有名でなくとも知る人は知っている、店主お薦めの酒が全国よりより拔かれているのは喜ばしい限りだ。ただその酒は、私が飮んだ限りでは控え目で自己主張しないものばかり。良くも惡くもこの店の全てをそのまま表している樣な氣がする。
酒のアテの方も、蕎麦屋で飮む人間の爲の基夲はしっかりと押えてあって何を頼むか迷ってしまう程だ。まあホヤやほたるいか、そして甘えび等、蕎麦とは相性の惡そうなナマグサ物もあるのはご愛敬。「ろあん松田」でもカラスミを出していることだし、見逃しておこう。
その中からチョイスしたものについて數点。鰹節の香りがプンと香る燒みそは甘めだが、辛さとのバランスは取れている。少々柚子の酸味が出過ぎている感もあるが、まあいい出來だ。熱々で供されるのもポイント高い。
辛味大根のおろしが添えられるだし卷はふうわりと柔らかく燒き上げられ、甘さが控え目でダシの味がほのかに広がりとても上品だ。
初訪時品書きになかった豆腐味噌漬は味のバランスが今ひとつで、まだ試行錯誤中といった感じである。
そばがきもこれまた初訪時にはなかった一品ではあるが、こちらの方は鮮烈さにこそ欠けるが舌触りのいい粗さに輕い弾力性があって、噛むごとに香りがスッと立っては消えていき、なかなか樂しませてくれる。醤油ではなくちゃんとかえしを用意してくれているところも嬉しいところだ。

そして蕎麦。盛りそばは少々短めだが喉越し良く、啜った時に喉から鼻腔に拔けるほのかな香りも心地よく、かなりレヴエルが高い。しかし、その香りは「弱い」という程ではないのだが、何か「はかない」感じがするのはなぜだろう。対して田舎そばはしっかりとした香りが立ち、喉越しも盛りそば程ではないにしても案外良い方だ。強烈な個性には欠けるが無難にまとめあげている感じで、他店の荒挽きと比較してかなりお上品に仕上がっている。まあこれに関しては善し悪しで、田舎そばに鮮烈な香りを求める向きには歡迎されないかも知れない。ただし、此のインプレツシヨンは初訪時のもので、2002年12月の訪問時には田舎そばの香りが期待ほどではなかったことをつけ加えておく。
ツユはかえしのダシもしっかり取れていて、素性はよいと思うのだがいかんせん全体的に弱さが感じられる。内容的には「ろあん松田」に近いものがあるが、もう少し強いツユが慾しいと思うのは贅沢だろうか。
最後を締める蕎麦湯が初訪時は、飮めない程ではないにしてもかなり薄かったのだが2002年12月の訪問時には見違える程改善され、たゆたゆとした立派な蕎麦湯になっていたのはたいへんよろしい。

とても洗練された、綺麗な蕎麦を打つ店である。酒も、アテも良く、店内の雰囲気もとても良い。
しかし、總合評価は☆☆☆、なのである。内容的には他の☆☆☆☆や☆☆☆☆☆の店と比較して決して遜色無い筈なのだが、後に感動が殘らないのは何故なのだろう。かなりレヴエルは高い筈なのに、センスがありすぎるせいか全てをシンプルにサラリとまとめてしまっていることで、この店ならでは、の個性が客に見えなくなり却って損をしているのかも知れない。

主なメニュー:盛りそば800円、田舎そば800円、辛味おろしろば1000円、山かけそば1100円、鴨汁そば1200円、天ざるそば1600円、かけそば800円、天ぷらそば1600円、燒みそ400円、豆腐味噌漬400円、ほたるいか沖漬700円、にしん棒800円、だし卷700円、そばがき1000円、そば寿司1000円、天盛1200円他
酒:芳水「夢」(徳島)、神亀「真穂人」(埼玉)、於茂多加(宮城)他

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