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「そば切 凡愚」(そばきりぼんぐう)
到底蕎麦屋とは思えないアヤシヒ店構え
評価 ★★★★
住所 大阪市大正区泉尾4-4-7
Tel

06-6553-7272

最寄り駅

JR環状線大正駅

アクセス 大正駅よりバス5分、南泉尾下車徒歩1分
営業時間

11時〜15時頃(売切まで)月、火、水休

席数

14席(店内禁煙)

駐車場
最終訪問

2002.12.01(初囘訪問1993年頃)

「男子三日会わざれば即ち刮目して見よ」という諺がある。今回の訪問でその言葉をまさに思い知らされた。
1991年創業のこの店にはこれまでに何度か訪れているが最後の訪問は三日ならぬ3年前、その時の印象も「細切りは関西ではまともな方、太切りは胃カメラみたいでまずい」というものであった。しかし今回、その印象はがらりと変わってしまう。
久し振りに訪れた店にはアヤシサを醸し出していたキッチュなピンクの象の看板が無かった。颱風で壞れたあとわずかに殘っていた部分もはがされていて、そこに足場が組んであったのでまた何かアヤシイのが出來るのだろうか、樂しみだ。
例によって河内の銘酒「あまのさけ」を樂しんだあと以前のつもりで「細切り一つ半、太切り鴨汁一つ」と注文したのだが正直、写真を撮るのでなければ太切りは注文しなかったところだ。そして、蕎麦が來る迄の間に店内を見渡すと壁に「手挽き1200円」の文字が!慌ててこれも追加する。
先づは「細切り」。気のせいか以前より透明感が増した蕎麦は相變わらず喉越し良く、香りもいいが今回気が付いたのはツユの良さ。この店のツユは以前は関西風で薄くて全体的に弱い印象があったのだがダシの鰹風味こそ抑えめながらかえしがよく効いたきりりと辛口のいいものに仕上がっている。そして、99年より品書きに加わったという「手挽き」。当然ながら舌触りこそざらつくが、口に含んだ途端の香りが鮮烈だ。こんな蕎麦が打てる店だったのか!!と3年もブランクのあったことを恥じ入るばかりだ。
これだけでも店の再評価には十分だったのだが何年かぶりの「太切り」には恐れ入った。喉越しの惡いのは仕方ないとしてもこの食感はどうだ。唇に吸い付く樣な感触、噛んで味を出す爲の心地良い彈力を生み出す絶妙の水分含有量、以前の胃カメラ蕎麦から格段の進歩である。
酒飮みとしてはあとは蕎麦の前に注文する酒のアテが一品でもあればなあ、と思う。笹寿司があるにはあるのだが蕎麦の前に鯖、というのは私の主義に反するのでシンプルな「そばがき」か或いは鴨汁の「拔き」でもあればそれで十分なのだが。(2001年2月記亊)

2002.12.01追記
前囘、見直したので新蕎麦を味わいに行つた。
ところが今囘は香りが全く立つていない。
信州は奈川村の新蕎麦を持ち歸つて來たばかりだとのことだが、そのあまりにも氣の拔けた樣な味は到底2月に香りを立たせていた店と同ぢものとは思へなかつた。
夲日だけなら☆、おまけして☆☆がいいところだ。

主なメニュー:太切900円、細切900円(一つ半盛400円増、二つ盛700円増)、手挽き1200円、おろし1200円、鴨汁1300円
酒:天野酒(大阪)800円

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