スキーについて考えてみる

チューニングについて About Tuning

  1. スキーチューニングとはそのスキーの本来持つ性能や性格を、その使い手(スキーヤー) の持つイメージや技術とのすりあわせをすることと考えています。
  2. エッジチューニングにおいて、私が大切だと考えることは、2mmあるかないかのエッジ面を いかにフラットに研磨するかということです。サイドカーブやベンドの形状からくる曲面上の エッジ面をフラットに研磨すること(特に凹面状のところをフラットに研磨することは難しい) によって初めて正確なエッジの角度をだすことが出来るのです。
  3. ソールの研磨において、私が大切だと考えることはいかにソール面をフラットかつスムースに研磨 するかということです。ただ、最近のスキーは外部形状や内部構造などのの問題から研削面に歪みが 生じソールを完全にフラットに研磨することは難しくなってきています。
  4. ストラクチャーについて、私が大切だと考えることは、高さ(深さ)です。ここでなぜ高さと いうのかというとストラクチャー(溝)をつけることは必ず山の部分ができます。その山の部分が 高く鋭いとソールが雪を噛み過ぎたりして、雪面抵抗が大きくなることになり直進性安定性が 増すことが出来ても本当の意味では滑走性の高いスキーにすることが出来たとはいえないと 思います。(ただスキーの性能によっては、滑走性よりも直進安定性を重視して ストラクチャーチューニングをするスキーもあります)あとワールドカップレーサーのスキーなどは、 ベースマークがはっきり見えるものがありますが、あれは選手とサービスマンとが長い時間をかけて 作り上げたひじょうに滑らかで滑走性の高いものでストーンマシーンをかけただけのものではありま せん。基本的には、あまり高さのない細かめのストラクチャーが使いやすいと考えます。
  5. ベースマーク(ストラクチャーパターン)について、最近はいろいろなストラクチャーパターンが 取り上げられておりますがあまり極端なもの(強く斜めにながしてあったりするものなど)は、 左右のターン性能や滑走安定性に問題が出てくる可能性が強いと考えています。(最近ワールドカッ プの放送などを見ていると特に高度なチューニングをし過ぎて選手が対応しきれていないのではない のかと思う動き方をするスキーがチームごとに見られ、成績にダイレクトに出ているような気がして います)

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スキーについて About Ski

  1. FISのルールによりGSスキーはサイドカーブのrがきめられたことにより形状の開発に はある程度の落ち着きを見せサイドカーブバランスが極端に違うものはなく なってきています
  2. 現在のトップレーサーが駆使している技術にフィッティングさせるために、 フレックス(たわみ)はしなやか(やわらかくではない)に?、トーション(ねじれ) を強くするという、その相反する命題(通常フレックスをやわらかくするとトーション も弱くなってしまい、トーションを強くするとをフレックスが硬くなってしまいます)を より高い次元でバランスよく開発できたメーカーのスキーを履くレーサーがよい結果を 記録しています
  3. 最近のスキーでは、スキー自体の有効サイドカーブ(エフェクトレングス)を より長くするそのためと先端部のバイブレーションをなくす技術を積極的に取り入れられています。トップ部の丸いものが多いのも、従来の形状より丸いほうがショルダー部の接雪点より外側を 短く出来るのとバイブレーションの発生を少なく出来るための他に、 レギュレーションに抵触しないための策でもあります(サイドカーブのrを計測するとき)エフェクトレングスをより長くするための技術のひとつとして、接雪点の外側(特にトップ部) までサイドカーブを延長させたスキーも多くなってきています。従来であれば、接雪点から外側は 逆サイドカーブとなり幅が細くなるものが普通で昔アトミックスキー(レース用ではなく 一般ゲレンデ用)でテールエンドいっぱいまでサイドカーブがあるものが存在しまたが、1シーズン でなくなったように記憶しています。(苗場スキー場でトニーザイラーが自慢げに履いていました)
  4. ワールドカップで使用しているスキーは、男子GS193cmSL165cm女子GS183cmSL155cmが主流で、最近のカタログに目を通してみると、GS用のスキーに190cm以上のレングスが ひとつもないのに気が付くでしょう。

プレートについて About Plate

最近スキーにプレートを取り付けることは、レーサーや基礎スキーでは、 あたりまえのようになってきました。なぜつけるのかは皆さん知っているので省きます。

最近のプレートの傾向として、金属性のものが少なくなり、樹脂製のものが多数に なってきています。それは最近のスキーがフレキシブルになってきたために金属製では たわみがついてこなくなりスキーの性能をスポイルしてしまうようになってきたためです。 ただサロモンやVIST のプレートのようにスキーのフレックスを殺さないように加工したものも あります。

樹脂性のプレートは金属製に比べやわらかいためにフレックスを殺しにくい半面、 エッジプレッシャーに対して弱いところがあるので、フレックスを出しなおかつ サイド剛性が出るように固定方法をそれぞれ工夫している。

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ビンディングについて About Binding

皆さんはビンディングを購入するときどのように決めていますか?

性能、ルックス、重量、 価格、また最近では、スキーによっては指定ブランド(同メーカー)のビンディングしか 取り付けできないスキーも多くなっていますが、いちばん注意しなければいけないのは 今まで使ってきたビンディングとのバランスの違いです。重量のバランスや高さのバランス がありますが,特に前後の高さの違いを注意してみてほしいのです。それは、ブーツの裏の 狭いエリアでの1〜2ミリの違いは膝のところでは5〜10ミリの違いになりスキーヤー自身の センターポジションが大きく変わり今まで身につけてきたポジションが変わってしまうのです。

それはまた、逆にポジションを意識的に変えるために利用することも出来ます。

それは同メーカーであっても、モデルが違ったりモデルチェンジによっても変わっている 可能性があるので注意することが大切です。

ワールドカップレーサーなどの写真などを注意して見てみるとビンディングの下に時々 1〜3ミリ程のプレートをはさんで調整しているのを見つけることが出来ると思います。

レーサーのテクニック(ワールドカップを見て思うこと) About Technique

(お断り) 下記のことは、あくまで私的に思うことで、他人の受け売りではないことを自分勝手に 記したものです。特に本番のレースを観ただけでは気が付きにくいところだと思いますので、皆さんも機会があれば トレーニング中の彼らを見ることをお勧めします。キャンプなどに参加するよりも、 はるかに上達の手助けになること請け合いです。

  1. ワールドカップレーサーの滑りを見ていると、とてもシンプル に簡単そうに見えます。
  2. 特にGSにおいてパラレルのJ字をスタートからゴールまでいかに持続させられるかを 競い合っているのではないかと思えます。
  3. 特に最近新しく出てきたレーサーは、上半身の特に両肩を結ぶラインを なるべくフォールラインに向け安定させ、肩のライン、骨盤のラインがそれぞれ斜面との 平行性を保ち(ねじれによって肩と骨盤のラインは向く方向が違う)脚を左右に大きく使い 、ターン前半(谷回り)の出来るだけ早い時期からエッジをグリップさせてターンマキマム (最大荷重)部をなるべくターンの上部に持ち上げフォールラインに絡むように強く 意識していると思います。
  4. そのあとフォールラインに絡んだところで最大荷重させた状態を、そのあとに続くターン後半部(山回り)の切れ上がりをなるべく早い時点で短く終わらせて、次のターンを始めてスキーと体をフォールラインに落としていく意識を持っているのだと思います。

このようにして彼らは、減速要素をできるだけ少なくしたターンをレース中にすることを目指していると思います。

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