文化放送「小西克也の何だなんだ!」(2000/1/20 8:10〜25放送)
「木曜事件ファイル」
 より紙上再現
【場面・人物】 ナレーション/「せりふ」(敬称略)
(番組タイトル)
♪小西克也のなんだなんだ♪「小西克也の情報アラカルト」
【スタジオ・小西克也キャスター】 「事件は時代を映す鏡である」を合言葉に、事件の本質に切り込む木曜事件ファイル。さて今朝は、東京港区六本木に居座るアメリカ軍のヘリポート問題に迫ります。
【現場・地元の女性(録音)】 「相当もう音がしているから。だって降りる時にほとんど頭すれすれに降りますからね。風であおられちゃうから。だからずっと向こうに逃げていくかどうかしないと。あのすごい風ですよ。台風みたいな風がびゅうっと吹いてくるから」
【スタジオ・小西】  港区青山霊園の近くにあります、これはアメリカ軍の臨時ヘリポートの問題なんですけれどもね。実はこのヘリポート、居座ってるんですよね。実はこれ。「なんだなんだ」では以前この臨時ヘリポート問題を取り上げたことがあるんですけどね。
 ちょっと復習しますとですね、青山公園の一角にアメリカ軍の臨時ヘリポートがあって、元々、そばを通る環状3号線の「六本木トンネル」というのを作るために、一時的にアメリカ軍に貸した、臨時のヘリポートなんですね。でこの「トンネル工事が終わったら返す」という約束であったわけにもかかわらず、7年前に工事が終わっているんですが、しかしまだこれが帰ってきていない、ということが問題なわけですけれどもね。
 以前この番組で取り上げたときには、東京都と防衛施設庁と在日アメリカ軍の間で完全な膠着状態となっていたんですね。ある意味じゃこれは、どう言うんでしょうかね、たらい回し状態になっているんですよね(笑)。われわれ取材してもたらい回しにされるという事があったんですが、この問題に、ちょっとですね、変化が出てきたということで、今日はですね、それをお伝えしようと思うんですけれどもね。
 今日も現場に事件リポーターの石森さんがいます。石森さんおはようございます。
【現場・石森則和リポーター】  ハイおはようございます。私が立っているのはですね、本来なら都心の一角にある緑の静かな公園。今の話に出ていました都立青山公園です。でこの時間からもも犬を散歩させたりとか、ボールで遊んでいる方も多いこの場所なんですけれども。突然ですね、公園の中にですねで「DANGER!」いうお札の下がったフェンスが立ちふさがりまして、そのフェンス沿いにライトが向けられています。(コンコンコン)これフェンスの音なんですけれどもね。
【スタジオ・小西】 ああそうですか。
【現場・石森】 確かに同じ土の地面の芝生が続いているんですが、ある意味、向こう側は別世界になっているんですね。
 ヘリが下りるためのポイントがマークされていますよね地面に。それがここからわずか数十メートルのところなんです。
【スタジオ・小西】 ほう。
【現場・石森】 今説明にありました通り、道路の工事が完了しても、現在も米軍は居座ったままなんです。このヘリポートには平均1日3回ぐらいの離発着があるということなんですけども、この時間までとりあえずですね、私がしばらく前からここにいるんですけれども、まだ今日は降りてきておりません。
 以前取り上げたときにはですね、そばにある東大の生産技術研究所、それから物性研究所が、研究に支障があるということで反対していた、ということでお伝えしたと思うんですけれどもね。
【スタジオ・小西】 そうなんですよね。
【現場・石森】 実はですね、この東大生産技術研究所、来年の3月いっぱい、今年度いっぱいでですね、駒場の方に移転することが決まったそうなんです。
【スタジオ・小西】 ああそうなんですか、ははぁ。
【現場・石森】 ええ。これは今回のヘリポート問題とは直接関係がないということなんですが、もともとこれは陸軍の施設を元にして作ったものなんで、老朽化が進んでいるので理由だということなんですね。ただこれまで積極的に復旧を求めてきた人々がですね、主にここにいらっしゃって、先にここを立ち去ることになってしまう、ということになってしまいましたね。 
【スタジオ・小西】 うーん。
【現場・石森】 ただ、以前は確かに東大生産技研の労組の皆さんが中心になっていたものの、こういった事実がだんだんと広まるにつれて、こういう事があるのかということで、共感者や賛同者が増えまして、むしろ運動を活発化している状況にあります。
【スタジオ・小西】 ああそうなんですか。
【現場・石森】 ニュースなんかでも流れておりましたけれども、去年12月20日なんですが、港区内の労働組合でつくる「麻布米軍ヘリ基地撤去実行委員会」の皆さんが、石原都知事に返還を求める要望書を出したと、実際の具体的な動きが進んでおりますね。
【スタジオ・小西】 ああなるほど。
【現場・石森】 石原都知事は会見でこのように言っておりますのでお聞きください。
【記者会見・石原都知事(録音)】 「……いろいろ伏線を張りながら交渉をしているようですけれども。もともとね横田も含めて、都内に外国人の基地があるってのはおかしな話でね。全面返還、あくまでもそれがターミナルですけども。ちょっと横田の方ばっかり頭がいってるんで、これをきっかけにね、考えてみたいと思っています。
 後藤田さんがね、ある人を通じてね『横田もいいけども、あそこ早く返してもらうように石原君が努力するように言っといてくれ』と言ったそうで。何で後藤田閣下が急にそんな話をしたのかよく分からんけれども。まぁやっぱり内閣の中枢にいた人だけに、ああいうものがそこにあるってのは、後藤田さんどうとらえたんですかね。それは日本人にとっては目障りな話だよなぁ」
【現場・石森】  こういう事をですねぇ、会見で述べているわけなんですが。今の所は知事の方から都の担当局などに具体的な指示は降りていないということです。
【スタジオ・小西】 ああなるほど。
【現場・石森】  ただ、これまでもですね、積極的ではなかったかとは必ずしもいえません。東京都の方でもこれまで3回にわたって復旧工事着手に向けた米軍との調整を文書で申し入れるほかにですね、口頭などでも何度も繰り返し言ってるらしいですね。
【スタジオ・小西】 ああそうなんですか。
【現場・石森】 言ってるらしいんですけれども、いまだに進展がないというのが事実なんです。
【スタジオ・小西】 ああそうですか、ほうほう。
【現場・石森】 ええ。
【スタジオ・小西】 それは東京都の方がですね、防衛施設庁に言ってるんですか、それともで在日アメリカ軍の方に言ってるんですか?
【現場・石森】 東京都の方はですね、東京防衛施設局、これがいわば調整役なんですね。ここに要望しまして、東京防衛施設局の方からアメリカ軍の方に言ってくれという形ですね。
【スタジオ・小西】 ハーン、間接的に要請しているわけですね。
【現場・石森】 両方ともですねぇ、東京防衛施設局それに米軍に取材してみました。
 東京防衛施設局の方なんですが、「東京都からの返還復旧に関する要請は毎年確かに受け取っている」と。「現在は内容を米軍側に打診している」つまり 「対米調整中ということかな」という話ですね。ただ、どんなふうになっているんですかということを聞きましたらですね、「調整の内容については一切公表することはできない」との返事でした。
 じゃアメリカ軍に直接聞いてみようということで、取材を申し込んだんですが、「現在のところ取材をお受けすることできない」と。「取材を受けられない理由は何ですか」と聞きましたら、「それについても差し控えたい」ということで(笑)。ええ、取りつく島もないといった感じなんですけれども。
【スタジオ・小西】 ええそうなんですよ。以前も我々はこれでもって取材を申し込んだんですけれどもねえ、在日米軍はねえ、全然だからねえ、根拠も示さないんですよね。
【現場・石森】 そうなんですよね。文化放送に限らずですね、過去どのメディアにも答えたことがあまりないんですけれども。ただこの施設内で作られてます 「スターズ&ストライプス」という準機関紙があるんですが、そこに以前こんなことが載っています。「広い方が安全だ」と「騒音問題が軽減するじゃないか」ということなんですね。
【スタジオ・小西】 「広い方」ってのつまり何?ヘリポートが広い方が安全だということですか。つまり何、ヘリ1台が離発着するにも広い土地がいるほうが安全だということ。それは何、住民にとって、それともヘリの人にとって?
【現場・石森】 この記事の内容を読む限り、ヘリっぽいですね(笑)。しかしですね、現実には1度に4機が使っていたりとかですね、広くなったおかげで大型のヘリが停まったりとか、むしろ騒音などの問題はひどくなっているようですね
【スタジオ・小西】 なるほど。
【現場・石森】 実はこのヘリポートはアメリカ軍だけでなく、陸上自衛隊も日米合同委員会で共同使用が合意されてまして、防衛庁の長官の移動などにも使われていますし、以前あの横田基地に石原知事が視察に行ったことがありましたよね。あの時にもここが使われていました。
【スタジオ・小西】 なるほど。さて今回新しくなった動きとしてはですね、東京都と防衛施設庁とアメリカ軍の3者による協定の文書ですね、この全文が何か明らかになったというふうに聞いているんですが。
【現場・石森】 ええ、以前はあの1部しか明らかになっていなかったんですよ。日本語に訳されたものだったんですすけれども。それを私も見たんですけども、文字の多くはほとんど黒く塗りつぶされてしまいましてですね、読めません。しかし今回情報開示されたことによってですね、驚くべき事実がわかりました。その内容などについて、今日は「麻布米軍ヘリ基地撤去実行委員会」の委員で、東京合同法律事務所の川崎悟さんにお越し頂いておりますので、お話しを伺いたいと思います。おはようございます。
【現場・川崎悟】 おはようございます。
【現場・石森】 今回の3者協定文書の全文公開で明らかになった驚くべき事実があるそうですが。
【現場・川崎】 ハイ。東京都が今まで公開していたのはですね、協定文書の全体が3分の1も墨塗りされていたという文書でして。そこにどんなものが書いてあるのかということが我々としては気がかりになってたわけです。これが今回7月に、私どもキャンプ座間に要請に行きまして、アメリカの情報公開法という、アメリカの法律を使ってこの文書を全文公開するようにと要請したわけです。
【現場・石森】 で、その意外な事実というのはどういう事なんでしょう。
【現場・川崎】 ハイ。東京都のこれまでの文書では、墨塗り部分でも訳されてもいなかったんですけれども、一時的なヘリポートの「最終使用期限」が書かれていたことがはっきりしました。つまり「ヘリポートの修復工事が完了するまで」と。これが書かれてあったということで、われわれもびっくりしました。
【現場・石森】 ちょっと補足しますとですね、読まれたくない所には以前墨が塗ってあったわけですけれどもね、ところがですね、訳自体がなかったということなんですね、前の文書には。お分かりになりますでしょうかね。
【スタジオ・小西】 日本語訳がなかったということですか。
【現場・石森】 つまり日本語に訳したものを、上から墨でいろいろ塗ってあったわけなんですが、そこの「使用期限」についてはですね、墨を塗る以前の問題で、訳自体がそこになかったと。今回英文を見て初めて「ああこんな一文があるじゃないか」ということが判ったということで、これは不信感が高まるということですね。
【スタジオ・小西】 その英文にはですね、つまりこのヘリポートの使用は「工事が終わるまで」というのが使用期限なんですか。
【現場・石森】 そうです。ということなんですね川崎さん。
【現場・川崎】 そうですね。
【スタジオ・小西】 なるほど。だけども工事が終わっているにもかかわらず、つまり使用期限が切れているにもかかわらず、まだ居座っているという所が問題なわけですね。
【現場・川崎】 そうですね。この問題が発生してから7年もたっているという、これがホントに問題だと思います。
【スタジオ・小西】 川崎さん、もう時間がないんですけれども一言。これから運動をどのように展開なさるおつもりですか。
【現場・川崎】 そうですね、石原都知事が触れましたけれど、都議会とかですね、国会でもこの問題を取り上げてもらうように、働きかけてて行きたい、というふうに思っています。港区議会では、区長はじめ全会一致でこの問題を何度も取り上げて、意見書を出しているという経緯もありますしね。
【スタジオ・小西】 はい。
【現場・石森】 とにかくですね、世論が味方についてきたということでですね。今後新しい展開を見せるかもしれません。
【スタジオ・小西】 なるほど。ハイどうもありがとうございました。どうも川崎さんもありがとうございました。
【現場・川崎】 ありがとうございました。
【スタジオ・小西】 ということで、まぁこの問題、何回かにわたって取り上げているんですけれどもね、皆さんもこの問題が、実際にあるということに気づくということが大事だと思いますですね。今日の「木曜事件ファイル」、返還問題で揺れる六本木のアメリカ軍ヘリポートについて、事件リポーター石森則和さんにお話しを伝えていただきました。
♪Q、Q、QR〜、ランランラジオはQR……♪